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夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)
夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)
町田そのこ/新潮社
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総合評価

1015件)
4.3
416
397
139
14
2
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    “ここ”でも、“ここ以外”でも、生きていることは素晴らしい。 この先どんなに苦しい事があっても、生きてさえいればいいんだと肯定されるような、温かい話でした。

    5
    投稿日: 2023.08.18
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    チョコレートグラミーが一番お気に入り。 海になるは少し重たい。 溺れるスイミーの母は私と真逆タイプだと思いたい、

    1
    投稿日: 2023.08.17
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    町田そのこ『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』 2021年 新潮文庫 町田そのこさんの著書は『52ヘルツのクジラたち』以来、2冊目です。今作は連作短編集で、しかもデビュー作でもあったんですね。書店の平積みを見て気になり、購入しました。 連作といっても、3編目からは、ここでつながっていたんだ!と発見的に楽しむ感じ。 読み始めはイメージしていたのとちょっと違って、意外と重いテーマだった?と身構えてしまいました。ただ読み進めていくと、どんどんその世界に引き込まれていきました。 生きることのつらさや重さ、苦しみ、そして生きるとこの楽しみや幸せ。それらを〝ここ〟と〝ここ以外〟との距離感で絶妙に描き出す筆者の構成力に脱帽です。 主人公たちほどの状況ではないけど、僕でもここではないどこかで生きたいと思ったり、でも今はここでしか生きられない、ここで生きることを選んでいたり。多かれ少なかれ、自分たちの心の奥にある世界を物語で紡ぎ出してくれているように思えました。 まだ『52ヘルツのクジラたち』しか読んだことがなかったので、町田そのこさんの世界観の広さに驚きました。心に響く作品でした。 #町田そのこ #夜空に泳ぐチョコレートグラミー #新潮文庫 #読了

    3
    投稿日: 2023.08.17
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    ★3.5 連作短編というジャンルがとても好きです。 人の繋がりは薄っすらしたものでも、物語の広がりは大きいので。 月並みですが、一人じゃないのね~と感じます。

    3
    投稿日: 2023.08.16
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    傷ついた人たちの再生が魚たちとリンクして丁寧に描かれた短編集。短編だけど、一つ一つが読みごたえあり。少しずつ関わる主人公たち。じわーっと染みる後味。

    1
    投稿日: 2023.08.15
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    町田そのこさんの作品の中では初の短編集読破しました。連作短編集とあらすじには書いてありましたが、1章と2章以外はそこまで深い繋がりはなく、章ごとに気持ち新たにサクサクと読み進めることができました。 全体的には星3に留まっていますが、章によっては星5をつけたいくらい刺さる話もありました。 一番のお気に入りは最終章の『海になる』で、2番目は第4章の『溺れるスイミー』です。 第2章以外は女性が主人公で、男に振り回されながらも懸命に生きる姿が心に残りました。どんなに絶望の淵にいても、助けてくれる人がいる、前向きになれる日がくると勇気を貰える話ばかりでした。

    14
    投稿日: 2023.08.15
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    すっと頭に入ってくる飾り気のない文章。グサリと胸に刺さる辛辣なストーリー。巧みな隠し味…これは…好きだ。30代の自分と夏の時期にぴったりな連作短編集。ひとつひとつ大切に読み進めたくなる。

    2
    投稿日: 2023.08.15
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    52ヘルツのクジラたちに続いて2作目。今回も少しだけクジラ出てきたあたり作者はクジラ好きなのかも? 1日で読み切ってしまった。短編やし、進む進む。めちゃくちゃおもろかった。みんな厳しい現状を打開していくというか、一筋縄では話が進まないところが面白かった

    1
    投稿日: 2023.08.15
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    町田そのこさんの本は『52ヘルツのクジラたち』に続く2冊目。少しずつ登場人物が繋がってる連作です。  表題作の『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』が一番好きだったな。残酷でバカな中学生達は嫌だったけど。主人公の2人が幸せになりますようにって思えちゃうかわいさ。  『溺れるスイミー』は続きが気になる。結婚しちゃうのかな?相手として悪くはないけど良くもないし、何より母親の呪縛から逃れるべきだと思う。幸せになって欲しいのにな。

    3
    投稿日: 2023.08.14
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    吉田さんの書評にあるように、1行目からぐっと読者を惹き寄せてくる魅力がある。 登場人物達はどこか少し生きづらそう、呼吸が苦しそう。小さな水槽の中をゆらゆら泳ぐ魚。 その中にも人との出会いの中で、ほんのり希望や温かさ、自分の生き方を見つけていく。ちょっと共感できるところもあったりして、自分の息のしづらさも受け止めてくれる感覚。 5本の短編の登場人物が少しずつ重なって話が展開されていくのも私好み。

    1
    投稿日: 2023.08.12
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     連作短編集の通り、前後の物語のどこかに登場人物たちに繋がりがあり、時にはその後の姿を垣間見ることができる。  登場人物達はどこか悲壮感が漂って、それこそ狭い息苦しい水槽の中で泳ぐ魚達のよう。水槽の中でしか生きられないものは、ここで生きていくとを選ぶが、それでも芯の強さや生きることへのしなやかさを感じることができた。

    0
    投稿日: 2023.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日頃感じている、今いる場所から逃げ出したいという気持ちと似ていることが、見事に文章で表現されていて驚いた。 「ひとところにいると、積み重なった濁りみたいなもんを感じて苦しくなる。身動きが取れなくなる。」 「楽な場所を求めて彷徨うことよりも、あの町で呼吸の仕方を覚えなきゃいけない。ひとところで生きられるようになりたい、そう思ってたのを思いだした」 自分で選んだ場所で、少しでも生きやすく過ごしやすく出来るように、自分が変わらないとなぁ、と思った。

    11
    投稿日: 2023.08.09
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    52ヘルツのクジラたちが読んで好きになり、 2作目でこの本を読みました。 登場人物達の繋がってる感じが特に良く 幸せになってて良かったとか色々感動した。 恋愛小説は苦手な方だけれど、町田その子さんは 続きが気になって話に入りやすいから恋愛小説でも 嫌じゃなくむしろ惹かれて読めた。

    0
    投稿日: 2023.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5つの連作短編集 1話目の「カメルーンの青い魚」は 町田そのこさんのデビュー作。 解説にもある通り、どのお話も始まりの一文が秀逸です。 「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」の晴子と啓太はまだ子供で、自分ではどうにもできない理不尽な環境の中で懸命に前を向く姿に泣けた。 どの短編も貧しく、複雑な家庭環境を背負ってる人のせいなのか、ちょっと共感できない部分もありました。 あと「波間に浮かぶイエロー」の環さんが 重史さんと芙美さんが別人ということを わからないのは、いくら化粧してても 体格とか声とか、、、ね。 かなり無理があるなぁと気になってしまいました。

    3
    投稿日: 2023.08.02
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    5編の連作短編集  カメルーンの青い鳥  夜空に泳ぐチョコレートグラミー  波間に浮かぶイエロー  溺れるスイミー  海になる 町田その子さんのデビュー作を含む人気短編集で、その人気も納得の内容だった。 特に驚いたのは各短編の書き出し… 解説で吉田伸子さんが絶賛されていたが、書き出しの吸引力の凄さが物語に一気に惹き込まれる理由だろう。最初の一文読んだだけで、ぐっと魅せられてしまった。 更に、登場人物が短編で繋がってくる具合もさり気なく、作り込み過ぎない所が好みだった。 さてさてネタバレは避けるとして、私は特に『カメルーンの青い鳥』と『波間に浮かぶイエロー』が印象に残った。 どの物語も、自分の生きる場所、生きやすい場所を求めているという軸が共通していて、それぞれが悩みもがきながらも、自分の生きる道を自分で選択していく様が切なくて儚い。 時に胸が苦しくなる感覚に襲われながらも、登場人物の弱さや清らかさを愛おしく感じた。 また、短編全体に広がる瑞々しい描写が何とも心地良く、それでいて水の中にいるかのように掴みどころのない不思議な読後感だった。 本作は特に女性が好みそうな内容だと思う。

    10
    投稿日: 2023.07.31
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    短編集なんたけど繋がりがある連作短編集。どこに繋がるんだろう?とかこの人物はどの場面で出てきたんだっけ?と思いながら前のページを何度も遡りながら読みました。町田そのこさんならではの作品、とても良かったです。

    5
    投稿日: 2023.07.31
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    この町で泳いで生きて行くには、狭く息苦しさを覚える。そんな中でも懸命に鰭を動かし泳ぐ姿も、ここではない場所を探す姿も、愛おしく感じられる。

    1
    投稿日: 2023.07.30
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    表現の透明感が凄い。登場人物の繊細な心のゆらめきや溢れ出る感情が、脳内に染み込んでいく感じ。 登場人物たちが暮らす小さな水槽の町に、わたしも住んでみたくなった。

    2
    投稿日: 2023.07.30
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    思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。 すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。 また好きな作家さんを見つけてしまった。 そう思うくらい、読んでいて惹かれる物語ばかりでした。どの話もどこかで何かが繋がっていて、また時々びっくりするような仕掛けもあって。 あと最後の解説でも言われていたけど、書き出しがどれも素敵。ちょっと読むつもりで読み始めたのに、そのまま読み終わらせしてまう引力があるなぁと思いました。 どの話も印象的で好きだけど、特に好きなのはやっぱり一番最初の「カメルーンの青い魚」。 りゅうちゃん…! りゅうちゃんはどこに行ったの? ちゃんと戻ってきてくれるの? と他の話でも触れられないかとドキドキしながら読みました。りゅうちゃんのことがもっと知りたかったなぁ〜。あと仕掛けもこの話が一番びっくりしました。全然気づかなかった(笑) 町田そのこさんの他の本も読んでみようと思いました。

    3
    投稿日: 2023.07.26
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    すり鉢のような街で、喘ぐように生き泳ぐ登場人物達の物語に、ものの見事に引き込まれた。水生生物のモチーフもドンピシャだ。連作短篇間で主役と脇役とが入れ替わる構成も、それぞれの生き様を様々な角度で見て感じられて、描写を豊かにしていると思う。自らは語らずとも、その行動や大事にしているもので決して曲げぬ想いを貫いている。人生は複雑で儚くて時に受け入れ難くもある。しかしやはり美しい。

    2
    投稿日: 2023.07.26
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    海とか、海の生き物がよく出てきて、海を表現をしてる文章がとても綺麗だった 次は町田その子さんこ52ヘルツのクジラたち読みたい

    1
    投稿日: 2023.07.24
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    冒頭の一文のインパクトたるや。 それだけでぐんぐんと引き込まれる。 連続短編小説なんだけれど、ひとつひとつの話に仕掛けがあって、それが別の話で味変となって楽しめる。 その話を読んでる時は全く気づかないんだけれど、別の話を読んでるとそれに気がつく。 登場人物の重ね合わせ方、連ね方がとても居心地良く秀逸だった。 息がしやすい場所と生きていく場所 それが同じであれば幸せだけれど、この小説ではそうではなくて。 それでも生きていかなければならないと覚悟を決める彼等に勇気を分けてもらえる。

    2
    投稿日: 2023.07.21
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    鳥肌が立った。生きやすい水槽、海に出る準備をするうみのいりぐち、私もそんな居場所を与えられる人でありたい。

    2
    投稿日: 2023.07.21
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    正直、読んでいて苦しかった。 あとがきにて町田その子氏のデビューとなったコンペ?で辻村深月氏が審査員を務めていたことが書かれており、とても納得した。 息が苦しくなるような世界で誰もが生きていることを生々しく描き出し、 時々救いとなる温かさが感じられる物語。 短編だけれど、全ての話が細い糸で、 ちょっとした人間の関わり合いで繋がっているのが秀逸だった。

    1
    投稿日: 2023.07.20
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    タイトルはいまひとつだったけど、ちょっと涙が出るような話の数々。生きていると色々あるけど、人生はいいものだと思う。

    2
    投稿日: 2023.07.19
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    なんと切なくって、暖かくって、時に残酷なのか! 日々のうんざりとか文句とか悲壮感に浸って何もしてない自分に気がつく。 登場人物がしっかり生きていて、それが羨ましい。 羨ましがってばかりじゃなくて、自分もなんとかしたいものである。 ってのをいろいろな小説で思うけど、町田さんや、小野寺さんの本を読むと特に思うのです。

    2
    投稿日: 2023.07.19
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    終始暖かい話ながら、掴みも上手く、どんでん返しとまでは言わないが、少々驚かされる部分も散らばっていて読みやすい。5編が少しづつ繋がっているのも良い

    2
    投稿日: 2023.07.19
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    短編集だから 読みやすい 町田さんの描く 登場人物が 好き 決して 強過ぎない人達 けれど 誰かと出会って 強くなる人達 ただ単に ハッピーエンドだった! で 終わらなくて きっと この後の物語は… って どんどん想像させてくれる 終わり方

    2
    投稿日: 2023.07.13
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    R18文学賞大賞受賞作を含む連作短編集。 連作集だから当たり前だが、それぞれの作品が、どこかでリンクしていて、読んでいると何か嬉しい。読後感も良い。 啓太を主人公にした話が読みたくなる。

    4
    投稿日: 2023.07.11
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    町田そのこさんにハマりそう。『52ヘルツのクジラたち』を読後,他の作品を読みたいと思い購入したが素直に大好き。すべての作品がどこかで繋がっていて,この街に住みたいとさえ思った。

    1
    投稿日: 2023.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    紹介文「どんな場所でも生きると決めた人々...」に惹かれて手に取った。「新しい場所で心機一転!」のようなものはよくあるけれど、その場所に留まることを決めた人々のお話は珍しいと思った。 第一章で、苦手な恋愛ものだったか...と思いつつも読み進めていった。最後まで読んで良かった! (恋愛だけではありません。)

    2
    投稿日: 2023.07.09
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    ⁡ それぞれの短編の登場人物が時間軸が違えど 絶妙に交差していて、 それぞれの背景が分かる伏線で 構成力&完成度の高さに感心 ⁡ ⁡ 短編集って短くて苦手なんだけど つながりがあるから 視点をかえてその関係性を楽しめるのはいいなと思わせてくれる作品で。 ⁡ 読み終えたあとの満足感ときたら。 町田さんの初作品で、宙ごはんが初読みで 実は少し苦手で(主人公がかな?) だけどこれは、違ってよかった

    0
    投稿日: 2023.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p.264 「今日は私の誕生日で、とてもいいお天気の日曜だから、死ぬにはぴったりの日だなと思った。」 絶望と希望が海流のように巡る。 なんとなく女の人の方が辛そうだと思ってしまうけど、男性が読んだらまた違うんだろうな。 生きていくことは大変だけど、時々奇跡みたいな出会いがある。

    1
    投稿日: 2023.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルは知っていたが、なんとなく読んでいなかった本作。チョコレートグラミーって何やねん?なんだかオシャレそうな小説だなぁと本屋で手に取り、書き出しを読んだら一瞬で心を奪われ即レジへ。 しかも、その後も彼氏かと思いきや息子なのかい!と面白いくらい裏切ってくる。 さっちゃんと息子の話なのかなぁ?と思っていたら、思っていたよりさっちゃん親子達から遠い人達の話が続き、と思ったら晴子で着地。 うわぁ、なんて上手くできてる話なんだ!と感動したところで、最後の最後の解説で一番ビックリした衝撃の事実、この本が町田その子のデビュー作ってこと!うそでしょ?と思って解説読み終わった瞬間に2周目読みました!あー、面白かった!次は52ヘルツのクジラたち読まなくっちゃ!

    1
    投稿日: 2023.07.06
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    『52ヘルツのクジラたち』の著者のデビュー作、「カメルーンの青い魚」をはじめとする連作短編集です。 本屋大賞を獲得した『52ヘルツ…』と同じように、不遇な人間関係の中でも、地に足をつけて一歩ずつ生きて行こうとする人々の姿が描かれています。 必ずしも、全員が幸せな結末を迎える、というわけではありませんが、それでも前向きな登場人物たちの姿に温かい気持ちにさせられる作品です。

    6
    投稿日: 2023.07.06
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    読んでいる間、何だか青くて静かな夜の中にいる感じでした。ふわふわしてて心地いい時間でした〜。Rー18作品あまり手をつけてこなかったけど、この本を読んで他にも読んでみたいと思いました‪

    1
    投稿日: 2023.07.05
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    切実で、誠実に自分に向き合う人たち 5編ずっと夜から夜明けに変わってく、濃紺から群青、白んでいく紺みたいな色が漂う作品 デビュー作とは思えない

    1
    投稿日: 2023.07.05
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    短編だけど、前の人物につながりがある人が主人公になったりして、おもしろかった。中々共感する人物には会えなかったけど笑 全体的に、家庭運が良く無い人が多かった。

    1
    投稿日: 2023.07.04
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    どのお話も最初の一行にインパクトがあって、いきなり惹き付けられた。ものすごく不幸な状況から前を向いて歩き出すまでの5つの短編集。

    1
    投稿日: 2023.07.03
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    溺れるスイミーと海になるが良かった。 何でもないように生きていそうな人でも、それぞれ心の奥または表面的に辛い何かを抱えていて、それでも死にたくはないし自分を追い求めたいから生きている、そんな姿を感じた。

    1
    投稿日: 2023.06.30
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    これがデビュー作だなんて信じられない。 自分の居場所を探す人たちの連作短編集。ちょっとずつ話が繋がってて、話の順も完璧だった。 全部の話がそれぞれに切なくて泣けた。 全部よかったけど「溺れるスイミー」が特に好き。 ここに留まる人も、ここじゃない所に行く人も、みんながいちばん居心地のいい場所を見つけられますようにと願わずにいられない。

    2
    投稿日: 2023.06.28
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    小さな水槽のような街の中で、もっと息のしやすい場所を夢見る者、逆にこの水槽の中で上手く息が出来るようにもがく者たちを描く短編集。町田そのこさんの作品を読むのは2作目ですが、苦しさや生き辛さの向こうに希望を見出せる物語はやはり「52ヘルツのクジラたち」に通ずるものがあるなぁと感じました。 個人的に印象に残ったのは「溺れるスイミー」。 この物語で鍵となる"とある場所"が、私は幼少期から大好きな所なのですが、ただならぬ魅力を感じるその理由を、町田さんに言語化して頂いたような気分になりました。

    2
    投稿日: 2023.06.23
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    52ヘルツのクジラたちがとても刺さったので、町田さんの他の作品も読みたいと思い、デビュー作のこちらを選択した。 登場人物の境遇が似通っている部分もあり、町田さんが書きたいものは一作目から固まっていたのだと思った。 生い立ちや環境が特殊な人物が多いからか、いまいち共感できないと思うところもあったが、文章の魅力や言葉の優しさが読んでいて心地良かった。 特に波間に浮かぶイエローが好きだった。

    1
    投稿日: 2023.06.23
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    読了。5つの連作短編集。どの話も読んでいて、ちょっとしんどくなる部分はあるけど、そこを乗り越えて踏み出していくことに救われる。ちょっとずつ、伏線を回収する様に重なり合っているのがたまらない。町田その子さんは、よくTLにも挙がるし気になってた作家さん。他の作品も読んでみたくなった。

    4
    投稿日: 2023.06.19
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    それぞれの境遇で、それぞれの苦しみを抱えながらも、弱い自分に負けずに強く生きていこうとする人達の、生々しくて暖かくてほんのり哀しいお話だった。 辛い世界の中で生きながらも、彼らは「そこ」から逃げ出したりしない。迷いながら、苦しみながら、それでも「そこ」で生きることを選ぶ。 読み終わった後、私は、暖かいエールを貰うと共に、「逃げるな、甘えるな」という厳しいお言葉も貰ったような気持ちになった。 一言では表せない、沢山の「愛情」の形が綴られている優しい作品。

    1
    投稿日: 2023.06.19
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    何かに悩む人を受け入れてくれるような、その選択を後押ししてくれるような、優しくて温もりのある作品だった。 特に啓太の晴子に対する想い 次の世界が彼女にとって優しい場所でありますように。生きやすい場所でありますように。 こんなにも純粋で美しい言葉は他にあるのか。 日々の喧騒に心が疲れてきた時、潤いを与えてくれるような言葉。 自分も周囲のチョコレートグラミーに感謝をしつつ、誰かのチョコレートグラミーでありたい。

    2
    投稿日: 2023.06.18
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    いつも立ち寄る本屋さんで見かけたPOPと、町田さん直筆の色紙に促されて購入した『宙ごはん』で1ラウンド(初めて読んだ町田さんの作品)KO、次に読んだ『52ヘルツのクジラたち』で(勿論、良い意味で)立ち戻れないダメージを受けました。 そこで、町田さんの作品を全て読むと決め、先ずはデビュー作からと思い、本書を購入しました。 (今では、全作品を購入して読了。町田さんの作品に益々惚れ込んでしまいました。新作の発表が待ち遠しいですね) 一方、『宙ごはん』、『52ヘルツのクジラたち』と比べるのは酷かなという懸念も正直ありましたが、読み進めるうちにその心配はあっと言う間に払拭され、収録されている5作品全て(というより、一つの長編を読んだ感じが強い)に魅了されました。(町田さん、疑ってごめんなさい) 先の2作品とは違った満足感と恍惚感に浸る事が出来、改めて町田さんの才能と作品にかける情熱に、畏敬の念を抱きました。 その中でも『カメルーンの青い魚』と『波間に浮かぶイエロー』は、ミステリー好きである私のお気に入りの作品で、特に『波間に浮かぶイエロー』のある一文は、以前読んで見事に騙された『アクロイド殺害事件』と『ホッグ連続殺人』のある一文(真相が判明した後に読み返すと、両作者の仕掛けに感服)を思い出させました。 また、別の作品ですが『うつくしが丘の不幸の家』を読むと、明らかにミステリーを意識されて書かれていることもあり、その方面のポテンシャルにも恵まれていらっしゃるのは間違いないと感じました。 以上を踏まえて、次の2作品を彷彿とさせてくれる(出来れば凌駕する)町田そのこ節のミステリーを発表して欲しいですね。 『天使が消えていく』夏樹静子さん 『天使の傷痕』西村京太郎さん この2作品は、ミステリーとして優れているのは勿論ですが、それ以上に私の記憶にあるのは「母親の我が子への愛情」が描かれていることです。 2作品共に読んだのは20年以上も前ですが、最終ページの母親の言葉は鮮明に覚えています。 今でも折に触れて何度もそのページを読み返すことがありますが、その都度目頭が熱くなり、また、初読当時の自分に戻ることが出来ます。 「わたしの天使ちゃん!」天使が消えていく 「あの子のために」天使の傷痕 町田さん、出版社の皆さん、宜しくお願いします。

    72
    投稿日: 2023.06.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    みたらし団子にかぶりついたら、差し歯が取れた。ってところから始まるお話。ここからぐぐっと入り混んで、連作の短編5つ各々が面白かった。 なんだけど、最後の「海になる」で急に冷めてしまった。 助けてくれた見知らぬ男性が、モーテルで上半身裸になって、一枚の毛布でくっついて体を暖めてくれたとか、傷を舌で舐めたりとか、、わぁ、何かこういうの嫌ーって思って終わってしまった。 面白かったんだけどなー。それだけが残念。

    10
    投稿日: 2023.06.14
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    以前人にもおすすめされてたが読んでおらず、時間も経ったので期待せずに読んだ。とても良かったです。短編集だと何かと沈みがちな話もテンポよく切り替えられるのが良い。それぞれ主人公は別でも全体でうっすら繋がっていくし、その中に仕込まれてる仕掛けが働く箇所が上手く、ミステリ好きとしてもハマった。これを描くという軸はありつつ、どこかに偏るのではなく暴走するでもなく、派手でも地味でもなく、バランスもすごい。

    9
    投稿日: 2023.06.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3.5があったらつけたかった。タイトルと表紙に惹かれて読了。 短編5編で読みやすく、前編の主人公が後で登場してきたりするので、名前が出るたびにどの人だっけ?とか考えた。 不自由な境遇にいながら、与えられた場所(水槽)で必死に生きようとする者とどうしても出ていかずにはいられなかった者。そして残されてしまった者の痛みを知り、絶対にそれはしないと誓う者。大事なのは流されるのではなく、自分はどうするのか考えることだと思った。

    4
    投稿日: 2023.06.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    題名と表紙で気になって読んでみたが 凄くいいお話だったし 5編の短編で読みやすかった。 始まり方が凄く印象的だった (大きなみたらし団子にかぶりついたら、差し歯がとれた。) と書かれていた その場面を想像して少し笑ってしまった どの物語も切なく心苦しかった でも読んでいて登場人物がかぶっていたので 少し心が高まるものもあった 最後のお話、(海になる)が1番好きなお話しだ 桜子と清音が幸せになってくれてよかった

    11
    投稿日: 2023.06.09
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    タイトルが気になりつつも、表紙があまり好きではなくてスルーしてた一冊。 52ヘルツの〜が良かったので買いました。 一番好きな表題作が、さいごの「海になる」で回収されたのが胸熱。

    1
    投稿日: 2023.06.08
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    52ヘルツのくじらたちを読んでからのこちらの作品。 明るさはありませんが、なんだかそこがまたいい。 個人的には夜空に浮かぶチョコレートグラミーと 波間に浮かぶイエローが好きです。 なんとなくこの方の作品は深い青というイメージで明るくはないものの静寂の中にある芯の強さのようなものを勝手に感じてます。

    12
    投稿日: 2023.06.07
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    どの話も良いのだけれどカメルーンの青い魚と波間に浮かぶイエローが好き。 オネェが出てくるが話に外れはない。知らんけど

    11
    投稿日: 2023.06.02
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    デビュー作? びっくり この完成度 海や魚に関連したタイトルが並び スイスイ泳いでるイメージで読み進める 短編集だけど どの作品も 物足りないということがなく、世界観が確立されている。 何気に 登場人物がかぶっていたりする そんな仕掛けも 素敵だ。 設定が苦しく 辛いというハードめなところは デビュー当初から共通しているんだと思った。 長編だとしんど過ぎて… という読み手の方もいるかもしれないけど 本作は長編なみに満足できる作品が揃っているので、短編でも充分だと思った。

    18
    投稿日: 2023.05.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全ての小説の登場人物に少しずつ繋がりがあるのが面白かったです。 展望公園から見渡すとすり鉢状に見える小さな町を水槽に喩え、ゆらゆら生きたり、すり鉢の底でじぃっと生きたりする人たちを魚にたとえ…面白い発想だなと思いました。 息のしにくい場所ってありますよね。 登場人物たちそれぞれが抱えている生きづらさに溺れるような苦しさを感じます。 が、いまいちどれも共感できず。 児童養護施設育ちとか家が貧乏とか恋人との死別とか、どうしようもない境遇なのは仕方ないですが、避妊せず妊娠,十何年も妻子を放置する男,それでも男を追おうとする女,自分の自信を取り戻すためだけに突然昔の同僚を訪ねる高齢妊婦… それはあなたのせいですよね、って言いたくなる。正直、人としてほぼ全てのキャラクターが好きじゃなかったです。好みの問題ですが。 ただただ苦しかったです。 あと環さん、重史と芙美が別人って気づかないなんて、そんなことありますかね…骨格とか声とか、化粧で誤魔化し切れないよ…って思ってしまいました

    7
    投稿日: 2023.05.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短編だけど全てが繋がっているから楽しかった。 再読 2021/09/16 宇崎くんが唯を思う気持ちがぴゅあ過ぎる。 母親も毒っぽいから母親なんて捨てて 宇崎くんと一緒にいろんなところに 行って生きていったらいいのに。 あと茉美さんが素敵だった。 わたしだったら託された約束をそのまま 果たすことできないかもしれない。 環が愛だけが欲しくて高橋さんからの 愛は受け入れるつもりは無いのはムカついた。 だからある意味本人じゃなくておんこになった 茉美が助けるのでよかったのかな? 晴子と啓太くんはいつかまたどこかで 出会って欲しいな。 そして、晴子がわたしね、頑張ったよって 啓太くんに言って啓太くんが よくやった、頑張ったって褒めてあげて欲しい。

    3
    投稿日: 2023.05.19
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    生きにくい人たちが、ぞれでも生きていく事を選んだ物語の連作短編集 収録作は5編 ・カメルーンの青い魚 祖母に育てらてた私と、近所の児童養護施設出身のりゅうちゃんのめぐり逢い ・夜空に泳ぐチョコレートグラミー 過保護にも思える祖母に育てられた晴子と俺の物語 ・波間に浮かぶイエロー 恋人を亡くした紗世が働いている喫茶店に、店主でオネエの芙美を頼って訪ねてきた環の物語 環は夫に浮気され、現在妊娠中 ・溺れるスイミー 製菓工場で働きながら上司にされたプロポーズの返事に迷う唯子 たまたま知り合った大型トラックドライバー宇崎くんと居場所について考えるお話 ・海になる 子供を死産してから夫のDVに悩み、自殺を決意した桜子が出会った清音との物語 登場人物達は境遇や置かれた立場に何らかのの生きにくさを抱えている 近親者との離別・死別、ネグレクト、性的マイノリティ、放浪癖、流産経験、DVなど 彼女たちが出会った人により、生き方を改めて考える姿には何とも言えない感情が沸き起こる 流石は「52ヘルツのクジラたち」を書いた作者さんのデビュー作だけあって、昔からそんな物語を書いていたのだと知れた ま、作者さん自体は普通にお酒好きなお姉さんな印象ですけど、その中に抱えているものはものすごく深いものがあるのでしょうね 町田そのこさんの他の著作も読んでみようと思った

    2
    投稿日: 2023.05.18
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    町田そのこさんの初読みは『コンビニ兄弟』で、他の作品も読みたくなって選んだ本作品がデビュー作でした。 出だしの一文にこだわっているなと思ったら、町田そのこさん自身が「絶対に大事だ」と語っていました。 "国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。" "吾輩は猫である。名前はまだ無い。" のどちらかが、書き出しの認知度第一位でしょうが、どの作家さんも書き出しをどうするかで推敲を繰り返していると思います。 本作品では出だしの一行のインパクトが強く「どういうこと?」と思わせられ、先へ先へと読み進まされてしまいました。 「カメルーンの青い魚」 大きなみたらし団子にかぶりついたら、差し歯がとれた。しかも、二本。 → これがデビュー作の書き出しかと思っていると、すぐに差し歯になった理由が語られ物語に引きずり込まれる。 「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」 夏休みに入るちょっと前、近松晴子が孵化した。 → 「孵化した?」魚に「近松晴子」と名前を付けたの?と思ったが、晴子は人間で、それまで抑えていた感情を爆発させる行動を「孵化」と言っていたことがわかる。 評価の高い本作品ですが、共感できない登場人物も多く終始重苦しい雰囲気です。 ドロドロした大人の世界が描かれている中で、不憫な生活環境で生きている子供たちの凛々しい立ち振る舞いに救いを見出していました。 5作品の全てに、これまで自分が接したことがないような人ばかり出てきて、そんな人たちが何処かで繋がっている。 自分勝手な男どもが何人も登場して嫌になる。 特に中学の教員で生活指導の主任でもある夫の酷い暴力や言動は、パワハラやセクハラを越えて犯罪の域に達している。 小説とはいえ、殺されそうになっても逃げださずにいつまでも夫のそばにいる女の姿も理解できない。 「どんな場所でも強く生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す」の「強さ」が「我慢強さ」に感じられて素直に共感できなかった。 『コンビニ兄弟』は続編が出たら読みたいのですが、町田そのこさんの他作品は自分とは合わないような気がしてきました。 ブクログのフォロワーさん達のほとんどが絶賛しているので、私の感覚がズレていることに間違いありません。 残念ながらちょっと馴染めなかったというのが正直な感想です。

    59
    投稿日: 2023.05.18
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    題名と表紙の好みで衝動買いしてしまったが、内容も期待以上に面白かった。 短編だけど連続してるので、読みやすいです。

    1
    投稿日: 2023.05.18
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    現代を泳ぐ小さな魚たちはみな、何かしらの傷を持ち、苦しみを抱え、それでも与えられた水槽の中で生きている。そんな魚たちが少しずつ繋がっていき、お互いの傷を埋め合って、明日も泳いでいく様子がなんとリアルなことか。 思わず唸るほどの表現がいくつも散らばっていて、それがリアルさを浮き彫りにしているのだと思う。 2023.5.4 読了

    4
    投稿日: 2023.05.16
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    5つのお話がちょっとずつ関わってきているお話しでした。大好きなのに一緒にいられない人、自分の事を好きな人がいると知ってるだけで頑張れる人、それを応援できる人、苦しんでいる時になぜか出逢う不思議な人、色んな出会いがあり、恋があり、始まるんだなと思いました。「大事なことほど、頭の中で何度も考えててから舌に乗せなさい。言葉を大切にしなさい」烈子おばぁちゃんの言葉ですが、いつもカッと怒って感情で言葉を吐いてしまう自分に反省。子ども達に考えてから話してあげればよかったと思いました。

    1
    投稿日: 2023.05.16
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    『52ヘルツのクジラたち』で初めて読んだ町田そのこさん 本書と今回読んだ『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』も、すごく話題になっていて賞も取っているとのことで気になって読んでみました。 独特な文体と世界観にとても引き込まれて、文学界で話題になるとはこのことなのかと素人ながらに感じました。 ただ、本書の短編5篇に出てくる主人公たちの生きづらさと温かさに胸を打たれつつも、自分にはしっくりこないことが多く、共感しきれなかった… 前作の『52ヘルツのクジラたち』もあまり馴染めなかった。 良い悪いではなく、合う合わないの話なのだろうと思う。

    26
    投稿日: 2023.05.11
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    5編の短編集ですが、登場人物が重なっていて、ゆるく繋がっているのが良かったです。 切ないけど、温かいお話でした。 「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」がお話としては1番まとまっていて好きでした。 「この水槽の向こうにはもっとたくさんの水槽があるんだよね。水槽どころか、池も川も、海だってある。いちいち怖がってたら、生きていけない。あたしたちはこの広い世界を泳がなきゃいけない」

    11
    投稿日: 2023.05.07
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    切なくて、苦しくて、優しくて、温かくて、 とても泣いた本 毎日どんな状況の中でも人は一生懸命に生きてる 自分も色んな人に支えられて生活してて、誰かの気持ちに寄り添える人でありたいなと思った 自分が生きづらいと感じる人からは逃げていいっていうメッセージ感じてこの時の私は人間関係で悩んでたので、肩の荷が降りた気がした

    2
    投稿日: 2023.05.07
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    読んでみて、すごく好きな本だった。 何度も涙が出た。 町田そのこさん初めて読んだ。 すごく好きだった。 これがデビュー作ならもっともっと読みたい。

    7
    投稿日: 2023.05.03
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    よかった。 なんかの賞をとったという最初の章こそ「やばい、全く共感できない」と先行きが怪しかったんですが、その後の章はどれも引き込まれました。 ミステリとは違って、純粋にハッピーエンドを願う暖かい気持ちで読むことができました。 各章の繋がり方が秀逸で、ちらりと前章の人たちのその後が見えるのもいいですね。 あまり女性目線の話が得意な方ではないのですが、すんなり読めました。生きにくい世の中で泳ぐ現代人にオススメです。

    5
    投稿日: 2023.05.03
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    とても読みやすかったです。 町田さんの作品は全部読みやすい。 52ヘルツ、星を掬う、宙ごはん、あなたはここに、うつくしが丘に続きこちらを購入。 短編集ながらもどこかで繋がっていたり、面白かったですが私は、宙ごはんが一番好きかなぁ。

    5
    投稿日: 2023.04.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物はみんな深刻な悩みを抱えているけれど、それでも自分が生きやすい道を手探りで進んでいく姿に感動した。最終的にどんどん話が繋がっていくとき、たくさん傷ついた人たちがお互いで埋め合っている感じがして心が温まった。 また、それぞれに与えられた生き方は一つじゃないなと思った。今の生き方が正解だと思うと気持ちが楽になるっていう考え方もあるけど、それによって無理をしていたり、自分を殺すようなことはしたくないから、自分を見つめ直すことの大切さを感じた。 晴子とお祖母ちゃんの話のところが特に大好きだった。自分の気持ちや大好きな人は絶対守るっていう姿勢がまず好きで、それを行動に移せるのが凄くかっこいいと思った。人を傷つける人間はどうしても主観的に物事を考えたり自分に理解できないことは排除していくけど、ちゃんと他人を思って行動できる人は自分や相手を客観視できている感じがした。

    3
    投稿日: 2023.04.10
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    自分に自信を失いそうになっても、 この世界のどこかに わたしのことを想って生きているひとがいるんだから、 胸張って生きなくちゃ。 (「波間に浮かぶイエロー」より) たくさん泣きました。 ひとりひとりの人生に色があってドラマがある。 崩れそうな思いを抱えて私たちは必死に生きている。 繊細で暖かい描写が、 迷える心にそっと寄り添って包み込んでくれました。 私のことを想ってくれるかけがえのないひとがいる限り、頑張って生きていこうと勇気をもらえました。 各タイトルもとっても素敵。 居場所がみつからない、 人生で道に迷ってしまった人に送りたい、 勇気がもらえて、心が温かくなる一冊。 何度も読み返したくなる一冊。 ぜひ、大切な人へ贈りたい本です。

    2
    投稿日: 2023.04.10
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    初めて読んだ作家さん。最初の短編から一気に引き込まれた。作品の仕掛け、文章の読みやすさ、一話完結でありながらもそれとなく繋がるストーリー、特徴のあるキャラクターたち。面白い本のエッセンスをたくさん持っている作品だった。どの話も面白かったけど、「海になる」は登場人物への切なさと深い愛でボロ泣きでした。思わぬ涙活。

    4
    投稿日: 2023.04.06
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    どうやってこんな物語を思いつくの!? と、思わせる1冊でした。 本屋さんにあったら、自分では手に取らない1冊だなと思います。 でも、縁あって私の手元にやって来たこの本。 それでもなんだか読む気にならなくて、何ヶ月も本棚に入ったままだった、この本。 なぜだか"読んでみようかな"と思い、読み始めてみたら... 引き込まれました。 人と人との出会いって... そーなの!? えー!? で、最後はそこに辿り着くのね! 人って、 誰と出会うかって、すごく大切で、すごく摩訶不思議で、"ご縁"って神秘的なんだなぁって思いました。 町田さん、すごいです! 追記 再読しました。 若い頃にはなかった、"ちょっと忘れる"(笑) ちょっと忘れた状態での再読。 またま楽しめるという、ちょっとしたお得感(笑) で、またまた引き込まれました。 町田さんの書く人たちは、なぜこんなにも 幸せでないようなのに、素敵なんだろう。 どの人とも関わりたい!と思ってしまう。 だから、物語に引き込まれてしまうのかもしれない。 またいつか、再再読予定です(笑)

    4
    投稿日: 2023.04.06
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    5つの短編集の登場人物はそれぞれに息苦しさを持っ。短編集だけど、最後には点と点が繋がって線になる物語。 どの話も完成度が高く、引き込まれていく。最初読んでいて、苦しくなってしまう描写があるけれど、最後には必ず暗いトンネルは抜けるんだと教えてくれて、読後の余韻が優しい。

    3
    投稿日: 2023.04.05
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    「この本を手渡したいと思える誰かに出会えるように」 町田そのこさんの本に触れたのは、これがはじめてだった。タイトルをきっかけに興味をもち、「最近本読んでなかったな」と、暇つぶしでなんとなく読みはじめたが、あっという間に引き込まれてしまった。 文章は平易だけれど豊かで、物語を一層引き立てている。 つらいこともうれしいことも数珠のようにつながっていて、どちらか一方だけを味わおうとすれば、出会えない何かや誰かがあるのだということ。誰かと向き合って、話して、隣にいなければ見落としてしまうことがあるのだということ。 この本を読んでいると、すべてを諦めたくなるような無情のあとでさえ、生きる豊かさに触れられる瞬間があると信じたくなる。 そして、この本を手渡したいと思える誰かに出会えることを願いたくなる。

    2
    投稿日: 2023.04.05
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    連続短編小説だが、それぞれの物語が少しづつ繋がっている。 色々な人がいて、色々な人生がある。 これは当たり前のことだけど、忘れずに生きて行きたいと思った。

    2
    投稿日: 2023.04.05
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    力を尽くして得たものだけが、新しい力をくれるんだよ。誰かから貰おうとしちゃダメだったんだ。 道徳とか、倫理とか人生の意味を考える、とかそういうものが苦手な私ですが、そんな私の心にもスっと入ってきて、記憶に残る作品でした。 どんなことがあっても泳ぎ続けられるような勇気を貰えたと思います。

    2
    投稿日: 2023.04.03
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    5編の短編集だけど少しずつ繋がっています。 名前のトリックが有るので、読み終わって分かった上で、もう一度読んでみると新たな発見が有ります。 少し息苦しいと感じる時に読みたい作品でした。

    14
    投稿日: 2023.04.02
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    「52ヘルツのクジラたち」よりこちらの作品の方が好みでした。 この物語を包んでいる雰囲気は決して明るいものではないけど、刺さる言葉がたくさんありました。 "この水槽の向こうにはもっとたくさんの水槽があるんだよね。水槽どころか、池も川も、海だってある。いちいち怖がってたら、生きていけない。 あたしたちはこの広い世界を泳がなきゃいけない。 おばあちゃんはもう助けてくれない。お父さんはあたしと暮らすのは無理だって言う。それならあたしは、どこでも泳いでいく覚悟をしなくちゃいけないじゃない。" "嫌だよ。怖いよ。でも、あたしは考え方を変えるの。啓太くんがここを離れても生きていく覚悟を持って泳いでいるのを見たら、あたしもやれるはずだって思ったの。あたしだって、できる。泳いでいける。" この覚悟って大人になっても必要だなと思いました。私は特に慣れたところから飛び出すのが怖くて同じところに立ち止まってばかりいるけど、このセリフのような覚悟をもってどこでも泳いでいけるようになりたい。

    5
    投稿日: 2023.04.02
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    「女による女のためのR18文学賞」を受賞した「カメルーンの青い魚」を含む5編の連作短篇集 5作ともに共通していることは 小さな水槽の中で泳ぐ魚がもがき苦しみながらも「ここ」から抜け出し大きな海へと泳ぎ出そうとする。そんなお話でした。水槽とは 小さな町であったり 家族であったり 教室であったり。 本作のタイトルともなっている 「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」 シングルマザーの母に育てられている啓太は中学2年生。同級生の近松晴子は ある理由から祖母に育てられている。冒頭の1文『夏休みに入るちょっと前、近松晴子が孵化した』がとても素敵。 教室でも影の薄かった晴子がイジメに立ち向かう様子を、魚の孵化する様を見守っているかのような啓太。また啓太も今いる水槽から飛び出すことに迷い悩んでいる。2人が夜の展望台でおにぎりを食べながら語り合うシーンがグッときた。 5作目の「海になる」はとても好き 何度かの流産をくり返し 赤ちゃんを望めないからだになってしまった桜子。その頃から夫の暴力が始まり心身共にボロボロになってしまう。『今日は私の誕生日で、とてもいい天気の日曜日だから、死ぬにはぴったりの日だなと思った』という冒頭から始まる物語。前半はとても辛い描写が続くけれど、ラストは どこまでも青い海が目の前に現れたようで、あたたかく晴れやかな気持ちになった。あの時のあの子がここで繋がってくるなんて 幸せな驚きも(*ˊ˘ˋ*)♡ どんなに辛い時でも「この人がどこかで生きていてくれるから、自分も生きていける」と思える人がいる。 そんな人に出会えるって奇跡だなぁ。 今日エイプリルフールだから なんか嘘つこうと思ったのに 忘れて 普通のレビューになってしまった ( ᐛ )ヘヘッ

    23
    投稿日: 2023.04.01
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    町田そのこさんの作品は初 いきなり、団子に刺さった2本の差し歯の絵面が頭から離れなくなる(笑) 短編集だけど、それぞれがそう感じさせない力強さと深さがあり、人と人がつながっている 登場人物はみんな様々な境遇の中、必死にもがいて生きていて、一生懸命自分の居場所を探していた 1人ではどうしようもなくて、周りの温かい人に助けてもらったり、助けたり そして優しく包んでくれる人生という名の海へ飛び出す こういうのを読むと、普段何気なく接している人でも、知らない所では想像出来ない環境の中で必死にもがいて生きているのかもしれない、と思う チョコレートグラミーってお菓子かと思っていたけれど、お魚だった 調べたら、興味があるものをツンツンと触って確かめるグラミータッチと呼ばれるアクションが特徴的で可愛らしい熱帯魚 口内で卵を孵化させ、ある程度稚魚が大きくなるまで口内で保護するって 作中にも「マウスブルーディング」と出てきますね 違う作品も読んでみたい

    52
    投稿日: 2023.04.01
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    登場人物それぞれが抱えるものがなかなか歪で なぜそういうことになってしまうのか、個人的には共感しにくい話が多かった。 中学生の話は良かった。

    1
    投稿日: 2023.03.28
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    ストーリーは繋がっており、次節を読んでいる時も繋がりを探してしまう。 この作者は社会の爪弾きを目を逸さずに書くところがすごいけど、読んでても、そういうのわかるーっていうセンチメンタルな時期なら受け入れられるけど、平和に満ち溢れてる時に読むとお腹いっぱいになっちゃう。時期が悪かった。堕ちたい時に読むやつだった。

    3
    投稿日: 2023.03.28
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    読みやすい。 カフェのお供にとても良い、読書の楽しさを再認識できる短編集だった。 生き方に悩んでいる人、全て自分の生き方は自分で決める、この世で好きに泳ぎ生きていく魚に例えていて気持ちよかった。

    3
    投稿日: 2023.03.27
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    よいなぁ、町田そのこ。 短編集5つ、すべてよかった。 すべて良かったって思える短編集って、実は少ない。町田そのこの、みんな自分らしく生きてていいんだよ、みんなその人なりに戦ってるんだよ、っていう素直なメッセージがどの話からもスッと伝わってきた。 カメルーンの青い魚 主人公サキコとヤンキー?りゅうちゃんの、切ない恋、いや愛のお話。息苦しい町で、呼吸の仕方を覚えて生きていこうとしたさっちゃんと、苦しくて町を出たりゅうちゃん。どっちも正しい。正しいからこそさっちゃんはりゅうちゃんを止めなかった。すごく悲しいし切ないと思うけど、後に分かるけどさっちゃんが泣いててとても悲しいけど、仕方ないことだと思う。ハッピーエンドではないけど日々は続くし生きていくしかないんだなって思った。綺麗事だけど、ずっと心の奥に忘れられない大切な人と記憶があることって素敵だと思う。最後はミニどんでん返しがあって、とても泣ける。グッと来る。 夜空に泳ぐチョコレートグラミー サキコと息子の啓太の話だとわかる。啓太が立派すぎて泣ける。まじで良い子。こんな子いるのか。いじめられてた晴子の孵化の瞬間を見た啓太は、それは孵化ではなく、守られてた祖母の口の中から出ていったということに後々きづく。 中学生の男女が、他人や家族と関わって悲しい出来事を乗り越えながら、「自分なりの正しさ」を探していく話だと思った。啓太が立派に見えてもやっぱり子供な部分があって、お母さんのさっちゃんのことがとても好きなんだとわかる。最後に晴子のお見送りとかに行かないのがすごくいい。子供の時ってそういうサッパリした別れあるよね。 「そして初めての世界があの魚(子)にとって優しいものでありますように。行きやすい場所になりますように。」 波間に浮かぶイエロー ある日突然恋人が自殺して何も知らないまま置いて行かれた主人公の沙世。沙世が働くブルーリボンという喫茶店の店長フミさんを頼って、ある日1人の女が訪ねてくる。環さんと沙世が丘の上でいろんな話をするんだけど、浮気の話が興味深い。若い環に対して頭を下げた浮気相手の奥さん。ひどい言葉を言われても、奥さんでありお母さんであるその女は、若い女性の未来が奪われたことを泣きながら謝った。「当たり前のことなんだよね。ひとって歳を取るんだよ。あのときのわたしは本当にバカで、自分は永遠に老いないような気がしてた。こんな風に変わる自分なんて想像したこともなかった。」 これも最後にミニどんでん返しがある。髙橋さんの愛の力だ。 最後に沙世が恋人の自殺を納得?できたのかは分からないけど、沙世の思い出の中に恋人は生き続ける。 溺れるスイミー 主人公唯子は父親譲りの放浪癖?がある。そんな時に出会った宇崎くんと徐々に深いところで惹かれ合い、町を出るか出ないか、みたいな話。人と違うスイミーは、集団の中で役立つ場所を見つける話だけど、この話は、苦しくなったら次の場所に移動する、っていう、ずっとスイミーで居続ける人の話。これにも正解はないんだよってメッセージを感じた。移動した宇崎くんも正解だし、街に残った唯子だって正解だ。2人がどこかで巡り会えたらいいと思う。 海になる ラストとかすごく好きだった。自殺を考える桜子と、妻を亡くした清音が出会う。桜子は死産して子供を産めない体になった時、清音は妻の余命宣告を受けた。運命ってあるのかなって思えるちょっとロマンチックな作品。桜子の人生の大切なタイミングで清音が見つけてくれてた。生きてるって、それだけで素晴らしい、なんて当たり前の感想をもてる。ひどい夫を結局桜子は殺すことができなくて、それは当然のことで。 桜子が最後に清音と結婚して助産師になってたくさんの子供と関わるのめっちゃよかった。 「ひとは海になれるんだわ。この世界をめぐる海に。海に果てなどなき。彼女の苦しみが巡り巡って私のところへ辿り着き、私を救った。流した涙は、いつか誰かに優しく辿り着く。ひとは誰かを育むものになれる。」 晴子をひきとってくれた遠いところにいるおばさんが桜子だった。「うみのいりぐち」という助産院で、たくさんの子供をうみに放つ。 これ何がいいって、チョコレートグラミーで引っ越した晴子が、この人のもとでなら幸せになれるだろうって最後の最後に安心できる。

    2
    投稿日: 2023.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    解説にも書かれていますが、最初の一行が素晴らしい‥ 自分自身が今の生活に苦しみ続けているので、自分の全てをさらけ出せる相手が必要なのかもしれないと思わせてくれる作品。 登場人物が皆共通して複雑な苦しい環境から大きな一歩を踏み出していて、心が揺れた‥ 自分自身もいつか踏み出さなければならないし、何か見つけなければならないと感じた

    2
    投稿日: 2023.03.22
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    あとがきにもあるけど、それぞれの章の一文目がとても素敵で。人それぞれ抱えている悩み、という一言で片付けられないものを描き 登場人物の「決断」で成り立っている。息ができないとき、読みたい本かも。

    2
    投稿日: 2023.03.22
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    生き方に正解はないと思わせてくれた本。自分のやりたいように生きたいけど、子供や家族、友人によって助けられていることを忘れてはいけないね。

    2
    投稿日: 2023.03.21
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    みんな自分の泳ぎやすい場所を探し求めている。でもみつけることができる人もいれば、探している途中の人もいる。また、見つけてそこへ行く人もいれば、見つけたのに今いる場所で泳いでいこうとする人もいる。比較的自由に泳げる若いうちに色々な所へ行ってみようかなと思いました。 1番面白かったのは、「波間に浮かぶイエロー」でした

    1
    投稿日: 2023.03.20
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    町田そのこさんのデビュー作 小さな街で必死に息継ぎをしながら生きる人たちを水槽に生きる魚たちに例えた上での帰結点がとても素敵ではありましたが、全体的に自分には嵌まらなかった印象 「宙ごはん」でも少し感じた「男性」と「暴力性」の繋げ方の違和感が、 この作品の方が強く出ているような気がしました

    2
    投稿日: 2023.03.14
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    恋愛を通して、自分自身とか生き方とか、人生を見直す人達のお話。人生に迷ってる人達の背中を押してくれるし、何処で生きれば良いのか教えてくれるし、不幸続きの人生も最後は明るく照らしてくれるようなお話に救われました。 全く関係ないのかなあと思ってたら、どのお話も繋がりがありました。自分の知らない所で誰の救いになってるとか、一緒に子どもを育ててくれたり、人との繋がりがなんかいいなあと。狭い町で生きる閉塞感もあるけど、そこで得られる安心感もあるんだろうなあ。いつか息苦しさで外に出るときが来るとしたら、外の世界が優しさに溢れてるといいなあと思いました。

    1
    投稿日: 2023.03.11
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    町田そのこさん2作目。 生き物への愛情が垣間見えて好きです。 特に、この短編集の1話目がデビュー作だとは信じられないほど完成度が高い。無駄な文章がなく、色々な思いはあるけど、削ぎ落としていったら残った答えはこれだった。と主人公の素直な想いに似ているなと思いました。

    3
    投稿日: 2023.03.10
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    全部繋がってる短編集。 私の周りにはいない、なんだか不幸感漂う人たちのストーリーだけどすごく引き込まれるストーリーだった。仕掛けのある短編て最近多いけど、やっぱり面白いなー。

    2
    投稿日: 2023.03.08
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    ここではないどこか をみんな求めている。 息のしやすい場所、息のしにくい場所 ここが印象にとても残った。 短編集で繋がりがしっかりとありました。読みやすいしいいフレーズもたくさんある。

    1
    投稿日: 2023.03.08
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    短編集 1話目を読んだらギュッと心を掴まれて、あ、続きが読見たいと思った。 でも話は次の1話に進んでしまった。またしても引き込まれると前の話と微かに繋がっていて、嬉しくなった。そんな喜びを詰め込んだ一冊だった。 少し生きづらい人達の生活を詰め込んでいる。でも少しずつ救いがあってホッとする。いま生きにくくてもちょっとしたきっかけで変わったりする。 読みやすくてオススメできる!

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    投稿日: 2023.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    チョコレートグラミーと聞いて、甘くて美味しそうと思い、読み始めました。実際は熱帯魚のことでした。 1番好きなのは、“カメルーンの青い魚”です。 一気に引き込まれました。みたらし食べたい。 表現が好きなのは“溺れるスイミー” 言葉ひとつひとつが柔らかくて読みやすいけど、棘のない言葉に見えて、実は鋭角な切り込みを入れているような描写が最高でした。 読んだ後、 自分の居場所なんて見つけられなくったって、決めなくったっていい、ただそこにいるだけでも意味があることなのかもしれない、と思えました。 私自身20歳代後半、周りが結婚をしていく中、焦り、焦り。 結婚が幸せの象徴であり、それを目指すことが正しい、と言う価値観を当たり前だと思いながらも、どこかでモヤモヤと違和感を感じながら過ごしていました。 最近は、結婚に執着しなくなり、だいぶ楽になっていましたが、この本を読んで、その気持ちを後押ししてくれてる様な気がしました。 どんな形だっていいのです、と。 以下、ネタバレです。 “カメルーンの青い海”  さっちゃんと啓太のやりとりを見て、「ああ、仲良しカップルだなぁ」と思いつつも、ゲーセンに行きたいから、と行動を別にするところで、ん?だと思っていたら、恋人同士じゃなかった。  りゅうちゃん、の様な男性、、、すごい好きです(告白)でも好きになってしまったら、きっと悲しい思いをするんだろうな。 りゅうちゃんとタナベさんの関係もいい、お互い口には出さないけど、思い合ってる形が。 ほんわかしている、家族の様な祖母、さっちゃん、りゅうちゃんの描写と、ガムから始まるさっちゃんとりゅうちゃんの男女の関係の描写の緩急に翻弄されました。  外にいることを選んだりゅうちゃんと、ここでの息の仕方を覚えたさっちゃん。どっちが正しいなんてことはなくて、2人とも自分を生きてる、でもどちらかが、片方に合わせたり、生き方を強制してしまったら2人の関係は壊れてしまうのかな、2人が2人とも自分の生き方をしているから、ずっと一緒にいられるわけではないけど、どこかで繋がっていられてるのかな。  最後の魚の表現は何だったんでしょう、私はなんか、怖い様な嫌な様な気持ちになったんですけど、これ、どう言う意味か誰か教えてほしい…。 “夜空に泳ぐチョコレートグラミー”  近松晴子って誰やねん、と、短編集だと知らない私は困惑する。でも啓太が出てきて安心する、そして啓太と洋平は一生友であってくれ、と思った。  “ちょうかっこよく”の表現が、好き。  啓太がバイトをする理由について、啓太自身はカッコ悪いと言っていたが、私はちょうかっこいいと思った(引用)男の人が思ってる自分のカッコ悪い部分は、外から見るとその人のかっこよさだったり、魅力だったりして、面白いなと思う。 弱い自分を見せない人が見せる弱さって……。 あと、バイトをしている啓太に向けられる様々な目。これが消えないから噂とか悪口とか偏見は無くならないんだろうな。人を憐れむための干渉はするのに、人を助けるための干渉はしない人間という生き物、、、。 ここまで書いていったん疲れ果てました。 また今度続きを書きます。

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    投稿日: 2023.03.01
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    連作短編集いいな ひとつの世界でそれぞれが生きて繋がっている 中でも夜に泳ぐチョコレートグラミーと溺れるスイミーがわたしには強く響いた 感想を書くほど味わえていない感じがするからまた再読する

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    投稿日: 2023.02.28
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    町田そのこさんの小説を初めて読んだ。 三浦しをんさんと辻村深月さんに絶賛されたというデビュー作(カメルーンの青い魚)を始め、どの物語も構成が上手くて引き込まれる。中でも3作目の「波間に浮かぶイエロー」は明るく描かれているように感じられながらも、最後に押し寄せる切なさがよかった。 5つの作品に共通して、切なくて苦しい境遇の中でも光を見いだして生きていく主人公たちの姿が描き出されていて、それぞれを魚に例えた作品名が素敵だった。

    4
    投稿日: 2023.02.25
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    解説で吉田伸子さんもおっしゃっていたが、どの物語も一文目でグッと惹かれる始まりをしている。 彼氏の隣で波間に浮かぶイエローを読み始めて、最初に「恋人は死んだ。」と書かれていた時は焦った。 どの話も好きだったが、特に好きなのは溺れるスイミーかも。唯子とは違い、自分は今の場所に留まりたがるタチである。工場に向かう女たちと似ているかもしれない。同じような日々を過ごすことに安心感を持つ。 そんな気持ちもある一方、唯子のようにいろんなところにふらふらを移動して、様々な世界を見てみたいという憧れもある。宇崎くんの話がもっと聞きたかった。

    3
    投稿日: 2023.02.22
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    二つ目(チョコレートグラミー)が1番好き ちょうど免許更新の待ち時間でいいところになって泣きそうなの堪えてたけど、ちょっと泣いた。 一つ目と二つ目は★★★★ そこからはあまりハマらなかった、、

    2
    投稿日: 2023.02.22
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    5つお話が入っていたが、どれも主人公の女性たちが素敵だった。 特にお気に入りだったのはやっぱり「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」かな…

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    投稿日: 2023.02.21
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