
総合評価
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powered by ブクログ生きづらさを抱えた人々が 最後に少しだけ前を向く姿を描いた 連作短編集 とても読みやすい文章で とにかく「綺麗」という印象だけど 最初から最後まで苦しかった 過去から逃げても どこかで向き合わなきゃならない時期が くるんだなぁと
1投稿日: 2025.04.18
powered by ブクログ本書に収録されている5作に通じているのは、「ここではないどこか」と「ここ」だ。そう、人には「ここではないどこか」のほうが息がしやすかったり、生きやすい人がいるのだ。そういう人たちは 、彼らにしっくりと来るところへと足を踏み出す。そして、それと同じように、「ここで」生きることを選ぶ人もいる。 自分は本当にこの場所でいいのか、ふと悩んでしまうときもあるけれど、言葉にぬくもりがあってどんな選択をしても前を向ける小説だった。
0投稿日: 2025.04.16
powered by ブクログ一つ一つの章で色んなことを思わせてくれる。ものすごく感動した!と言うわけでないのに、この本は今後も定期的に読みたくなるだろうなあ、って思える作品。
1投稿日: 2025.04.16
powered by ブクログ町田そのこさんのほわっと暖かい世界観好きだなぁ。一般的には恵まれているとは言えない生活の中でも、そういう暖かさがある。 短編集なのかと思ったら、どの話もどこかが繋がっていて、でも短編集としても成り立っている。 ここではない、どこかでしか生きていけない人がたくさん出てきて、それはいつも「今」に満足していない自分を見ているように感じた。 ここではないどこかを探し続けているのは、自分のことだと気付いてしまった。
12投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログ短編がどこかで少しずつ繋がって、一つの物語のようになっている。 全て魚がキーワードとして登場し、最後の話は海と関連し締めくくられる。 とても引き込まれるキャラクター設定や過去の話。時々感極まる場面もありとても良かった。
18投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログ5つの話からなる短編集。 少しずつ登場人物が重なり合う。またそれが絶妙。 どの話も優しく温かみのある。生きていくことへの力強さをどの話からも感じる。それとどうしようもない悲しさや切なさ。 じわっと何度か泣きそうになりながら読みました。 「溺れるスイミー」の唯子。 場所だけでなく私は群れも無理なのです。群れの中で生きたいと、はぐれたくないと思っているくせに、どうしてそれができないのでしょうか、、、、、 この気持ち、このことば胸に響きました。 ほんとにいい話でした。
30投稿日: 2025.04.13
powered by ブクログ読み終わってから数日経っているけれども、いまだに新鮮な感動とじんわり感に包まれた浮遊感が心地良い。 作品随所に見られるモチーフが‘魚’というのも、より一層のゆらゆら感を掻き立てることに繋がっているのかな。 どんな場所にも人の営みがある以上は生活があり、物語がある。それは必ずしも綺麗でキラキラして大掛かりなことばかりではないが、たとえ小さくとも、それがまるで魚と魚がチョン、とつつき合うくらいの些細なことでも、やっぱりそこには何らかの物語があるのではなかろうか。 連作5篇収録。 どの話もそれぞれ良かった。 《カメルーンの青い魚》…どこかちょっと夢見がちというか、地に足がついていないところが散見する〈幸喜子〉と、幸喜子の元恋人でいわゆるド不良の〈りゅうちゃん〉。ふたりはそれこそ「小さな街の小さな水槽」(p34)のなかで暮らす魚のように「小さな小さなヒレを動かしながら、泳いでいる。」(p35)。互いを求めて近づいてはふいっと離れ、ずっと一緒に過ごしている訳ではないけれどもそこには確かな想う気持ちがあって。フルーツガムとみたらし団子、全然違うようでいてどことなく記憶をくすぐる甘やかな香り。さし歯がこんなに素敵な舞台装置になるなんて。 《夜空に泳ぐチョコレートグラミー》…傑作。「よくやった。頑張った」(p107)。これ以上の感想はないや。中学生で新聞配達のバイトに勤しむヤングケアラー的側面がある〈啓太〉と家族にあまりにも大きな問題を抱えている〈晴子〉。このふたりの夏の間の交流と成長と変化を描いた好編。 「教わるもんじゃなくて、体で覚えてくもんだよ、そんなの。ひとから叩かれたら痛い。だけど同じことができる手のひらを、自分も持ってる。こういう気付きの繰り返しだろ」(p83) フレーズそのまま我が子へ伝えたい名言。 《波間に浮かぶイエロー》…「自分がどこのどんな人間から生まれたのか分からないって、寂しいのよ。」(p186)。軽食堂のオーナー〈芙美〉が語るこの言葉。私自身がこの環境に近い出生ということもあり深く刺さりました。魚ってたくさん卵を産んで、たくさんの稚魚が孵るけど親と一緒に過ごす種っているのだろうか。飼育下ならそういうこともあるのかもしれないが。不勉強なのでちょっとわからないが、魚ってすごく孤独な生涯を送るのではなかろうか。けど、やがて似た種同士で寄り集まって暮らすうちに、こうやって理解し合えるものが出てきたりさ。 《溺れるスイミー》…この話も好き。タイトル通りに息苦しさはあるし手放しにハッピーなストーリーではないしおとうさんの真相はかなり衝撃的だったけども、ほっとする救いというか、いや、ようやく息が出来たような安堵感で視界が開けるような心持ち。「息をする場所を探さなければ生きていけない衝動を、抑えることができなかっただけだ。苦しんでいただけだ。」(p241)。この感じ、ちょっとわかるな。誰かと暮らすのに自分は不適格なんじゃないのか、という自己嫌悪とか覚える瞬間はあるかも。 《海になる》…ああそっか、そう繋がるのか!という構成の上手さと爽やかさを漂わせる読後感。「そのとき私たちの間に存在していたものの名」(p297)とはなにか。‘生’とか‘慈悲’とか‘愛’とか、色々考えてはみるがどれでもあるようでどれとも違うような。 三度の流産と、念願の末やっと育ったと思った子の死産というあまりに深い悲しみ、豹変してしまった夫からの理不尽かつ壮絶なDVに命を投げだそうとした女性はある「死神」と出会うことで生まれ変わったのだ。「ひとは海になれるんだわ。この世界を巡る海に。」(p314)。 じーんと来るよ。 日々の暮らしの流れの中で沈んだり浮かんだり、時には澱みにはまってしまったりするのが人生。 読み終わったあと、ちょっと呼吸がスーッと楽になったような、そんな読書。 『52ヘルツ』はちょっと合わなくて…なんて思ってたけど、作品と出会うタイミングって大事なんだな、なんて。 10刷 2025.4.12
25投稿日: 2025.04.12
powered by ブクログ様々な人の生き方を描いた連作短編集 彼らの生きている世界が魚や海に喩えられているのが素敵だった。 最後まで読んで、構成力の高さに唸る。 傷を持つ者同士が出会い心を交わす時間は、心地よく、愛おしく、普段泳いでいる窮屈な水槽の中を忘れてしまうような居心地の良さを感じた。 『52ヘルツのクジラたち』でも、性別も年齢も異なる2人の間の絆が描かれていたが、著者の本からは、人との繋がりを通して、心の柔らかいところが癒されたような気持ちになる。 『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』で特に好きな短編は、「波間浮かぶイエロー」の仕掛け。 各短編ではぶっきらぼうな人が出てくるのが多いと感じたが、著者はそういう人物が好みなのかな。 読後、じんわりと広がる余韻も愛おしい本。 解説も面白かった! 選考委員の辻村深月さんと三浦しをんさんの作品も好きなので嬉しくなった。 氷室冴子さんの本も読んでみたい。 桜庭一樹さんの『私の男』の書き出しに惹かれて、全ての文章をタイプしたという町田さんのエピソードは衝撃だった。(作品をそっくりそのまま書き写すのは文章訓練としては知られているらしい。浅田次郎さんもエッセイで書かれているとか)
3投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログ「コンビニ兄弟」と出会ってから、町田そのこさんの本は、生きているうちにできる限りたくさん読みたい、と思い、既に何冊か積読している。 この「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」もその中の一冊。 第一話「カメルーンの青い魚」からもう泣きそうになってしまう。 短いお話の中にせつなさがぎゅっと詰まっている。 けれど、それほどまで大切に想える相手と出会えたことは、とても幸福なことだとも思うのだ。 つづく第二話は表題作。 第一話にも登場した啓太が主人公。 第一話よりも明るいトーンで読めるけれど、シビアな場面も多く、お腹にぐっと力を入れながら読んだ。 「教わるもんじゃなくて、体で覚えてくもんだよ、そんなの。ひとから叩かれたら痛い。だけど同じことができる手のひらを、自分も持ってる。こういう気付きの繰り返しだろ」 聡明に育ったなぁ、と感じ入ってしまう。 「そして初めての世界があの魚にとって優しいものでありますように。」 私も祈らずにはいられなかった。 (そして、その行き着く先も、後にきちんと示されるのだった) どのお話も濃密で、繋がりあっている。 素晴らしい連作短編集。 胸苦しいけれど、出会えて良かった一冊となった。
2投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログそれぞれが置かれた境遇で精一杯頑張る人たちの短編連作集。 いろいろな事情を抱えながら、それぞれの登場人物たちが最後にはしっかり前を見据えて一歩一歩歩いていく様子が描かれていました。書き出しから引き込まれるような、でもたまに読み進めるのが苦しくなるような生々しさもある文章に引き込まれてばかりの1冊でした。 少しずつ重なっている各話の登場人物がみんな魅力的。読み進めていくと少しずつ重なるその世界と同じように私も自分の物語を生きているし、誰かの物語の主要な登場人物だったりちょい役だったりするんだよなぁと思ったり。 みんなそれぞれの優しさを持っている人たちのお話しだったけど、いちばん切なくて温かい優しさを感じたのが『波間に浮かぶイエロー』かな。 町田その子さん、他の作品も読んでみたいと思います。
3投稿日: 2025.04.05
powered by ブクログ5編からなる連作短編集。 連作短編集なので、それぞれの話は独立しているものの、登場人物に少しの繋がりがある。読み込みが足りなかったせいか、あれっこれって繋がってるのかなぁ?っていう感じでした。 個人的には波間に浮かぶイエローが一番好きな作品かな。
40投稿日: 2025.04.01
powered by ブクログどんなに理不尽なことがあっても生きていく決意をする女性、少年、少女たち。そこには必ず救いの手が差し伸べられる。苦しみ抜いたその先に温かい人が必ず待っている。人生は苦しいことがあった分、それを認めてくれる人がいる。窮地に立たされた女性たちへ寄り添うさまざまな男性の形。男性だけでなく、マイノリティにも理解を示している本作はどんな人にもお勧めできると思いました。苦しい描写も多いですがそれを凌駕する優しさに包みこまれる。苦しんだ人にこそ響く一冊だと思います。本当に出会えてよかった。
12投稿日: 2025.03.29
powered by ブクログこれはすごいぞ…読む手が止まらないんだもの… 過去一共感できた作品だったかもしれない。5話が収録された連作短編集。毎話泣いていたような気がする。連作短編集が大好きなのよぅ いちばん共感できたのはタイトル作「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」。あなたなら許してくれると思った、というセリフに聞き覚えしかなかった。自分も苦しいけどみんな苦しいって現実に、果敢に立ち向かう少年少女の勇気よ。 カメルーンの青い魚もよかったし、波間に浮かぶイエローもよかったし、溺れるスイミーもよかったし、海になるもよかった、、、全部か。 町田さんの作品は「52ヘルツのくじらたち」しか読んだことがなく2作目。52ヘルツの方もかなり泣いたし、今回も超素敵な作品だったから、今度から意識して沢山読みたい。 私この人の作品好きだ!って思える。最高。 読んでよかった!!
23投稿日: 2025.03.27
powered by ブクログはじめての町田そのこさん。 記憶をなくしてもう一度読み直したいくらい、好きになった。 短編集だと思い読み始め、登場人物が少しずつ重なる連作の短編集だと気付く。構成と文体の良さにどっぷりと引き込まれた。各タイトルも秀逸。 あたたかくて、切なくて、じんわりと沁みる。 「溺れるスイミー」から「海になる」で涙腺が崩壊した。 他の作品も読んでみたい。
2投稿日: 2025.03.26
powered by ブクログ屈指のお気に入り本になった それぞれの短編ごとに主人公が違うけど、どこかの短編のサブキャラが他の短編の主人公だったりして趣があって、色々な視点が繋がっていくのが見ていて気持ちいい。
3投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログ初読みの作家さん 今までずっと合わないと思い込んでいたが一気にファンに。 今いるこの場所「ここ」で生きるのか、「ここではないどこか」へ行き人生を歩むのか。様々な環境に置かれている人たちを描いていた連作短編集 置かれた場所がすべてではなく、あくまで自分がどうするのか。 自分の意志で選択する場合も、置かれた立場からそうせざるをえない場合も、自分のいる場所を足場をどこにするのかどう生きるのか。 生きづらい日常を少しでも呼吸しやすいように、一歩を踏み出せるように寄り添う優しい物語。
3投稿日: 2025.03.20
powered by ブクログずっと息がしづらいんだ でも生きなきゃいけないんだ 一瞬の煌めきに縋って 息をし続けなきゃいけないんだ
1投稿日: 2025.03.19
powered by ブクログ「綺麗」という感想がまず1番に浮かんだ。 題名も、構成も、とても素敵だった。 それぞれの話で登場人物が少しずつ重なっているのが良かった。重なり方が、全員にピントが合っているというよりもピントがジワっと変わる瞬間のような感覚。
1投稿日: 2025.03.17
powered by ブクログ物語の仕掛けがいくつかあったり、登場人物が繋がっていたりして、面白さや感動と共に驚きがあり本当に読んでいて飽きない、!短編小説は中盤だれてしまったりするけど、これはどれも甲乙つけがたいほど完成度が高い、とてもすきな作品になりました( ; ; )( ; ; )( ; ; )( ; ; )
1投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログいままで短編小説って物語の起伏が少なく、正直面白いって思えなかった。けど、この物語は構成がすごく短編小説といえど繋がりがあって、読み進めながら驚き、悲しみ、満足度が高かった。
0投稿日: 2025.03.14
powered by ブクログいつもエコマップ的なものを書きながら、読み進めるのですが、構成が驚きで、え?そこからそこにつながる?みたいな仕掛けがたくさんありました。多分、理解し切れてないです。 自分の特性を自身(親)が理解できてなくて、特性だとも思ってなくて、周りにも説明できなくて理解してもらえなくて生きづらい人(子ども)がたくさんいるのかなと。そんなことを思いました。
3投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログはじめてこの作家さんの本を読んだけど、なかなかよかったと思った。なかなかいいと思った。まおすすめできると思います。
0投稿日: 2025.03.08
powered by ブクログやっぱり大好きな町田そのこさん。 短編集になってて、どの話もそれぞれに愛情溢れてる。短編やけど、どこかで全部繋がっててそれを見つけるのも楽しかった。 苦しい場面もあったけど、最後は愛で救われるような話ばっかりで、癒された。 また読みたいなと思う作品。サクッと読めるのに泣ける本。
0投稿日: 2025.03.08
powered by ブクログ悲しいことがあっても前向きになろうとする主人公たちが素晴らしい。 町田そのこさんの代表作「52ヘルツのクジラたち」と通ずるものがある。 経験した悲しみを忘れることはできないけど、新しい誰かと出会うことで、悲しみとの付き合い方を覚え、毎日を明るく生きることができるのだと思った。
1投稿日: 2025.03.07
powered by ブクログ町田その子さんの選ぶ言葉が綺麗。 感情とか情景がすごく繊細に描かれてて映画を見ているように頭に映像が流れながら最後まで読了できました。
1投稿日: 2025.03.07
powered by ブクログ苦しくても踏ん張って生きてる姿がとても綺麗だけど、切ない。支えてくれる人、理解してくれる人の有難さを考えるきっかけになりました。 『溺れるスイミー』は特に心臓がグッとなりました。登場人物の幸せを祈らずにはいられません…。 いいことばかりじゃないけど、私もとりあえず1日頑張ってみようと思います。
5投稿日: 2025.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・カメルーンの青い魚 サキコとりゅうちゃん 啓太 ここと ここではない場所 ・夜空に泳ぐチョコレートグラミー 啓太と晴子 孵化 褒める 褒めてもらえたら頑張れる ・波間に浮かぶイエロー 沙世 環 芙美 私の中で 姿を変えて泳いでいる ・溺れるスイミー 宇崎くん 唯子 立野さん 共生できないひと しるし ここではないどこか ・海になる 桜子 清音 絶望から希望 連絡短編集だが 1作だけでも充分に楽しめて小さな仕掛け どんでん返し どう繋がってどう収まるのかが読んでいて とても楽しい。
1投稿日: 2025.03.02
powered by ブクログ『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』 こんにちは ♪ 町田そのこさん こちらは再読。 五つからなる連作短編集✨ それぞれの短編に自分の知ってる人が "mob"的に登場すると… 懐かしい気持ちになって 妙に嬉しくなっちゃうの……変かしら? 「カメルーンの青い魚」 「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」 「波間に浮かぶイエロー」 「溺れるスイミー」 「海になる」 ……と、こちらがタイトル。 町田さんは 「カメルーンの青い魚」がデビュー作。 ……で、『R-18文学賞大賞』受賞作。 なんか…凄いなぁってね。思っちゃった✨ 初めて読んだ町田さんの作品は『ぎょらん』 葬儀屋さんのお話で…こちらも連作短編。 デビュー作読んでみたいなぁ… って、本書を手にとって あまりにも上手で 凄い作家さんだなぁ♪って思ったこと なんか懐かしく思い出した♡ どのお話もいいんだけど… 「波間に浮かぶイエロー」が好きかなぁ。 「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」からの 「海になる」も素敵。 何度読んでもいいわぁ♡ 町田さんの描写は いちいち刺さるんだよなぁ 何気ない文も いちいち響くの。 繊細なんだけど強くって もう……堪んない 新刊の『月とアマリリス』を読もうと… 発売日に購入♡ …が、私は町田さんの未読本が "3冊" 本棚に眠っていることを知っている。 読まなきゃっ! それからじゃなきゃ…『月とアマリリス』 読んじゃダメでしょ。 本の神様に怒られちゃうでしょ。 ブクログの本棚にも★つけたいじゃん。 再読してでも… 今の気持ちのお星さま⭐︎つけたいじゃん じっくり ゆっくり 読まなきゃ ♪ それはそれで楽しみかも✨ 『町田そのこ ⭐︎ まつり』はじめましょ♡
38投稿日: 2025.03.02
powered by ブクログ最初の2つの物語が特に好きだった。 普段から特に予想もせず読み進めているから、点と点が繋がっておもしろかった。
0投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログ最初から最後までずっと苦しかった。一人で生きていくことも、共生していくことも、どちらも正しいわけじゃない。私たちは誰でもない、ただ一人の「私」であるだけなのに、世の中に身を置く限り、何者かとしてラベル付される。認められたり否定されたり、その繰り返し。でも本当は、生きている、それだけで良い。だって、私たちは「私」としてこの世に生を受けた唯一無二の存在なんだから。
8投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本当に全部のお話が好きだった 過去から逃げずに、抱えてる恐怖と向き合って、幸せになる覚悟を持つことができた主人公たちに感動した
2投稿日: 2025.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小さな町、狭いコミュニティで、悩みながらも生きている人たちの話。連作短篇。 ・カメルーンの青い魚 ・夜空に泳ぐチョコレートグラミー ・波間に浮かぶイエロー ・溺れるスイミー ・海になる 個人的にはタイトルにもなっている夜空に泳ぐチョコレートグラミーの話が好き。置かれた環境を受け入れて力強く生きていく感じ。頑張れって思った。
1投稿日: 2025.02.20
powered by ブクログ思い通りに生きられず、助けを求めて、時に隣人に救われる…リアルな人間の人生の有り様を見た気がした。 死んでも愛された人の心の中に生き続けることができる、これはきっと本当だと思うし、例えそれが一瞬彼らを深い悲しみの底に突き落としたとしても、人は生の世界で悲しみを癒し、新しい富と出会うことができる。そういった愛と慈悲に満ちた世界観を感じることができた。
1投稿日: 2025.02.20
powered by ブクログ苦しい環境の中でも、強く生きていく主人公の話。 また、短編小説でありながら、他の話と繋がっているのが爽快感。 切り替えるなら、自分のための場所を見つけておくといいかもしれない
0投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
5連作の1作目を読み終えたタイミングでは、差し歯が取れたり、性行為の描写がグロテスクで苦手だなと思った。 しかし、2作目以降、前作の登場人物が出てきて話がつながっていることに気づくと引き込まれた。 一番好きな話は、3作目の波間に浮かぶイエロー。実は重文が亡くなっていて、友人が重文のふりをしていたというオチがとても良かった。 どの話にも陳腐な恋愛感情ではない、さまざまな愛情(相手を大切に慈しむ気持ち)が溢れていて、幸せだなと思った。
0投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログ波間に浮かぶイエローがいちばんすきだった。 フィフティ・ピープルみたいな仕掛けが好きなひとは、この連作も好きなんじゃないかな。
1投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログ同じような境遇にいる人たちが、1つの街で交錯し、支えながら生きていく優しさに満ちた物語。『阪急電車』を読んだ時の気持ちを思い出した。短編集だがエピソードに連結性があり、伏線を回収していくような構成力。デビュー作でこの完成度は凄まじい。。
2投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログちゃんと文章も展開も面白くて完成度が高いと感じました。自分が思ってもいなかったような感情のつつかれ方はなかったのだけが残念。
0投稿日: 2025.02.13
powered by ブクログ生きづらさを抱えている人たちが、自分なりの進み方・生き方を見つけて生きていく姿が描かれている。 辛さや苦しみが描かれている場面も多々あるが、それだけではなく、読み終わった後に少しの清々しさが残る部分もあった。 町田さんは生きづらさを抱える人々を描くことがとても上手だと思う。だからこそ、町田さんの描く物語を通して、色々なことを知れるし感じることができる。
10投稿日: 2025.02.12
powered by ブクログちょっと全体的に暗くて連作といってもつながりが薄いかな...。読みやすいけど、少し深さが足りずあまりぐっとくる場面や言葉がなかった。
0投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログ5つの短編小説ということだったけど、1つの壮大な小説を読み終えたような、全て繋がっていて見事でした! それぞれの人生が絡み合っていて、この人とこの子が繋がるのか!っていう感激もありで、構成が素晴らしかった 最後の話は本当に心温まる最後で、晴子ちゃんも素敵な叔母に迎えられて良かったと思った。 衝撃だった波間に浮かぶイエロー 自分の人生を堂々と生きていて、かっこよかった!今回の登場人物で1番好きだったかな さりげない優しさが本当素敵だった 亡き友人の約束を守りきったのも素敵 どの話も深くて、悲しくて、辛いエピソードだけど、別の話でその後が描かれていたりして良かった
0投稿日: 2025.02.10
powered by ブクログ「波間に浮かぶイエロー」と「溺れるスイミー」が好きだった 「海になる」で回収される感じもまとまりが良くて気持ちよかった
0投稿日: 2025.02.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後の方p320にて、 「ここは『うみのいりぐち』なんだよ。この中では、世界中の哀しみや苦しみから逃げられるの」という一文で泣いてしまった。 この本がデビュー作なんて、凄い。 ハズレ話がひとつもない。好き
33投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログ5作ある短編全て短編とは思えないほどの完成度で余韻を残す物語だった。 全編良かったけど、夜空に泳ぐチョコレートグラミーと溺れるスイミーが特に好き。
0投稿日: 2025.02.02
powered by ブクログ言葉がとても綺麗で優しい。 ぬくぬくと育った自分には考えられないような苦労や苦しみ悩みを持った登場人物がたくさん出てくるけど、どこか自分と重ねて考えられる。 どうしようもなく苦しい気持ちになった時、どんな言葉や態度や思いやりが人の力になるのか、すごく感じさせてくれる本。 短編だけど、物語のつながり方も絶妙でとっても心に残るお話でした。
3投稿日: 2025.02.01
powered by ブクログとても好きな作品になった。 短編だけど登場人物が色々と繋がっていて面白かった。生きづらさを抱えた人たちがさまざま登場するけど希望や暖かさも感じられる物語。
1投稿日: 2025.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まるで金魚鉢の中で泳ぐ魚のように現状の閉塞感に息が詰まりそうだったり何かしら生きづらさを抱えている登場人物たちが悩み苦しみながらそこから踏み出したり敢えてその場に留まったりしながら生き抜く強さを描いた5作からなる連作短編小説。 主人公は違えど5作はどこかで繋がっていてその種明かしが絶妙でこれがデビュー作とは驚愕。全て魅力的なタイトルでしかもどの作品も一気に引き込まれる冒頭部分でついつい先に読み進めたくなるんだけどタイトルから想像するようなキラキラした内容ではなくどちらかというと切なくて苦しくて思わず何度もページをめくる指を止めてしまいそうになった。まぁ結局先が知りたくてどんどん読み進むんだけど。 生きづらさに対して適応するのか反発するのか人によって選ぶ道は様々だけれどもどの選択が正解だなんてわからないし偽善っぽくて嘘っぽいけど願わくばみんな幸せになってほしいな。とか。
0投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログそれぞれの話の主人公がとっても愛おしくなるし、登場人物が少しずつ重なっているのも読んでて楽しかった。 解説にもあるように、最初の一文のインパクトがすごい、惹き込まれた。 トラック運転手宇崎くんとの話すきだった 何度でも読みたいと思える本
0投稿日: 2025.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
めっちゃ好きな本 短編集で、前の短編の主人公が脇役として出てきたりする。ありきたりだが、自分の人生の主人公は自分であるというのを実感させられた。物語を通して重たい家族事情や恋愛観を描かれるが、脇役となったキャラクターたちはそれを感じさせず、脇役にすぎない。昔の恋人がずっと忘れられない女性、その子どもと祖母の妹に引き取られることになった少女、元彼を失い飲食店で働く女性、遠くに行ってしまいたい衝動と戦う女性。流産を繰り返し夫に暴行を受け自殺しようとする女性。辛くも切なく感じるそれぞれの人生であるが、最後に一筋の希望を灯して簡潔する。生きづらさを抱えるそれぞれの主人公たちだがそがその人の性として向き合うとのが、多少なりとも人間関係で悩んで生きづらさを感じる自分の気持ちを救ってくれた一冊。
2投稿日: 2025.01.23
powered by ブクログおんこ の話がとてもあったかくて涙出た。 定期的に、え!?そういうこと!?ってなるからおもしろかった。興の方。
1投稿日: 2025.01.22
powered by ブクログ女性の心情をしなやかに綴った、連作短編集。 町田そのこさんの文章って本当にやわらかくて読みやすい。心理描写が好き。切なくて優しくて、大切で、愛しい作品たちでした。
1投稿日: 2025.01.09
powered by ブクログ町田そのこさんのデビュー作と聞いて、 読んでみました。 連作短編集はやっぱり良いですね^^ 繋がりを感じながら、様々な出会いや物語があって 本当に面白かったです。 私的に「波間に浮かぶイエロー」が一番好きだなあと感じましたが、 その時の気持ちによって1番が変わるくらいどれも良い作品でした。
1投稿日: 2025.01.08
powered by ブクログなんだかじんときたお話だった。2つめと4つめのお話が特に好きだった。夜空に泳ぐチョコレートグラミーという表現、読んだあとだとすこしほろ苦く感じてしまうけどその苦さも美しいね。もう1回読み返したくなる話だった。
1投稿日: 2025.01.07
powered by ブクログなんかジワっと来るものはあるんだけれども、どこか心から共感はできないと感じた本。 凄く綺麗で繊細な描写が沢山ある。夜に泳ぐチョコレートグラミーっていうタイトルも、星空の下ピクニックする描写も、誰かに自己開示して、それを支えにいきていく描写も素敵だと感じた。 女性の内面的な描写に共感できないんだろうな。勿論作中でもそれは肯定的には描かれていないんだけども。 わがままに人の気も知らないで、もしくは気づいてるのに自分のために気づかないフリをして人を振り回す。。 だけど、なんか幸せになってくんだ。この感覚があまり好きでは無い。
1投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ『溺れるスイミー』が1番すきだった。 遠くに行きたい衝動わかる気がする。 短編だけど登場人物に繋がりがあるし文章が綺麗で読みやすかった。
0投稿日: 2025.01.04
powered by ブクログ知り合いの女性に勧められて読んだ。 正直、これ読んだ時に"分かりそうで分からない"モヤモヤした気持ちが芽生えて面白いとは思えなかった。 あまり面白いと思えなかったことをこの女性に伝えたところ「女の人が書いた女の人向けの本ですからね」と言われてハッと思った。 自分はまだ物語に入り込めていないこと、そして視野が狭かったことを思い知らされた。 地元・恋人・家族・過去、あらゆるものに縛られてしまう女性特有の悩みが本書を通じて現れている。まだまだ自分には想像力が足りてなかった。
0投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログ小さな町に本当にいろんな人がいて、それぞれの全く違う道を歩んでいてもどこか根底に強く生きるための心を持っている、自分らしく生きていくことを美しく感じさせてくれる言葉が大好きです。 カメルーンの青い魚が一番好きですが、最後の魚が2匹生きてるのではなくて、1匹死んでるよ。ってところが印象的でした。きっと2匹元気に生きていたらそれはそれで綺麗な終わり方かもしれないけど、1匹死んでしまったところが何か欠けて、2人一緒にはいられないってところを協調してるように思えました。 言葉が響いたところは付箋を貼ってすぐ読み返したりして心の教科書にしています。
0投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログ連作短編集、なのでひとつひとつは独立したお話だけど、 各話の登場人物達は少しずつ縁や繋がりがあって 最後はそうくるか…となった。あまり重くないおすすめの町田その子さんの作品…と おすすめを聞いておすすめしていただいた一作でした
0投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2024.12.27 この作品を目にした時、まず 「タイトルがすきだ」と感じた。 その直感を裏切ることのない内容で、どの章のタイトルもやはりわたしにはビビッときた。 海や魚にまつわる例えを盛り込んだ、ゆらゆらと透き通った水の中にこの本が浮かんでいるような、そんな雰囲気を纏う小説だった。 連作短編集なので、それぞれの登場人物がどこかで繋がっているのがわかるのも、なんだかほっこりし、違う角度から見る他の章の登場人物たちを感じられて、とても良かった◎
2投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログ連作の良さは前にも書いたが、作中人物の生きる世界を違う価値観と視点で見られること。今回の場合、おとぎ的な現実離れした世界観ではないにしても、水槽の中に入れられて息つぎが上手くできないような街の、行きづらさをみんな共有している。『少年のアビス』のような閉塞感。 出て行きたい者、出て行った者、止まる者、元の場所に戻る者。様々にいるがどの話の主人公も何らかの形で繋がりを持つ。こういった仕掛けには、短編と短編の間を埋めるような、サイドストーリーのようでいて全部メインストーリーという面白さがある。 以前友達が言っていた。「『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』は週一の30分の放送以外でも生きていて、アニメで語られない生活がある」「その生活を想像してみるのが面白いんじゃないか」これは二次創作や同人の存在に対しての言葉であったが、ある意味通ずるところがある気がする。連作は一次創作で本家からの供給だから、本質的には違うけど。 兎にも角にも、良かった。所々に仕掛けがあって飽きさせないというのもあるが、人の暗部を暗に仄めかすのが上手いなと感じた。描き切るより読み手の想像力に任せるように書かれている部分がまた良い。そしていくつか表現がよくわからない箇所もあった。心地よく好みの余白だ。 他の作品も色々読んでみたい。今気になっているのは一旦『星を掬う』。
14投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログ短編の5つのストーリーだが、読み進めると一人の人物がどの物語にも関わっているところが前のストーリーを振り返り共感しながら楽しめる。 誰もが自分の生き方に迷って、それでも前へ進もうと、出逢いや経験から見出していくことに自分を重ね、読み終えたときにまた少し元気をもらえたと感じる素晴らしい作品。 また次の町田そのこ作品を探そうと思う。
0投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログすっごく良かった(´༎ຶོρ༎ຶོ`) どの短編も書き出しがインパクトが強くて、一気に物語の中に引き込まれた。 1番好きなのは波間に浮かぶイエローだけど、すごく親近感を持ったのは溺れるスイミー。 若かりし頃に「ここではないどこか」を求めてフラフラしてばっかりだったけど、夫と出会って、一緒に生活するようになって「呼吸ができる場所」を見つけることが出来てハッピーだなって思えた。 心が沈んだ時に読み返したい1冊。
10投稿日: 2024.12.19
powered by ブクログたまたまXのタイムラインに読書垢の方が勧めていたので手にしてみました。 短編5篇の中で逞しさを感じた主人公が好きだったのが『波間に浮かぶイエロー』『溺れるスイミー』でした。 恋愛感情、歪んだ家族・夫婦関係と、『生きづらさ』を抱え苦しみもがき、不器用ながらも生きていこうとしている力強さ。 人という生き物は縛られることは嫌い、繊細で不器用。だけど生きる強さがあるんですよね。 ここまで繊細な心理描写と表現力が心に染み込んでいき、生きづらさを感じるこの世の中で、後ろからトンと優しく押してくれる力がある。 素敵な本に出会えました。また再読したいと思います。
21投稿日: 2024.12.18
powered by ブクログデビュー作とあって、筆致がとてもみずみずしい。淡い恋や、支え合いや、人とのつながりが彼女にしか描けない細やかさで描かれていて、とても素敵だった。もう一度ゆっくり読み返したい。
1投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログ5作品からなる連作短編集。 どの物語も、人の生きづらさであったり、家族の歪な愛情であったり、上手く行かない生き様であったり。それでも、さまざまな形で自分の道をしっかりと歩んでいく。 町田その子さんの物語は、とにかく切ないものが多い。 ただ悲しいという単純な感情だけではなく、同情や共感から胸が締め付けられるような、時に息苦しくなるくらいに切なさが伝わり毎回のめり込んで読み進めてしまう。 解説にもあったように、最初の一文で深く引き込まれるというのにとても同感! 最後に晴子が信頼出来る人の元で暮らせる事ができる事が分かって非常に安堵した。
22投稿日: 2024.12.15
powered by ブクログ5つの短編それぞれに、さまざまな角度から自分の居場所を見つけてることや生きることが描かれて、魚や海がその象徴としてすごくしっくりくる。 読み始めた時は想像できなかったけど、解説に書かれていた 『どの作品も本当にいい。人生で迷子になっている人たちの気持ちにそっと寄り添うような、背中を優しくとんとんするかのような、温もりがある。』という言葉がとても納得。 小説だけど、何事もない日常を応援してもらえている気持ちになる一冊。 自然に読み進めていたところに実はしかけがあり二度見するような衝撃もあったり、それぞれに出てくる登場人物が、自然な形で少しずつ重なり合うのも絶妙。 目次==== カメルーンの青い魚 夜空に泳ぐチョコレートグラミー 波間に浮かぶイエロー 溺れるスイミー 海になる
0投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ一つの町に暮らした人たちのそれぞれの物語。 みんな不器用で、どこか勝手だったりするけど、誰かの言葉や存在に支えて支えられて生きている。 物語が少しずつ重なっていて、この並びで最後の繋がりが明かされた時には痺れた。 特に表題作の晴子とおばあちゃんの話、ブルーリボンのお話が好きでした。 すっかり好きになってしまった町田その子さん。ずっと読んでいたい、読み終わりたくないような本でした。
10投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ハトマメ(鳩に豆鉄砲)なフレーズ 「ねえ沙世ちゃん。あの人の中にまだ、あのときの想いはあるかな。いまもわたしのことが好きかな。わたし、それが知りたいの。まだ、信じてたいの。自分がちゃんと誰かの特別で、素敵な人間だって。あ、もしかして沙世ちゃん眠っちゃったかな? 聞いてくれて、ありがとうね―」 「母がどうしてそんなことするのって訊いたら、離れたくなる衝動をどうしようもできないんだって答えたんだって」 「ねえ、誰か教えてください。場所だけじゃなかったんです。私は群れも、無理なのです。たったふたりきりの群れすら、構築することが苦しいのです。ねえ、私は、どこが壊れているのでしょうか。群れの中で生きたいと、はぐれたくないと思っているくせにどうして、それができないのでしょうか。こんなにも、望んでいるのに」
0投稿日: 2024.12.12
powered by ブクログずーっと青色な世界が見えてくる。特殊な設定の短編だけど、あながち無い話ではないのかも。かくゆう私も変な家族だったし。これからは自分の幸せを充実させていきたい。
0投稿日: 2024.12.12
powered by ブクログ❶カメルーンの青い魚 ❷夜空に泳ぐチョコレートグラミー ❸波間に浮かぶイエロー ❹溺れるスイミー ❺海になる どの短編も登場人物が愛らしくて温かい気持ちになれた一冊!何かしら仕掛けがあって途中で前半を振り返ることになる展開、絶妙ですごい。 主人公ごとにちょっとずつ書きぶりも違くてそれがまたキャラクターの良さが表れててよかったな…でもどれも町田さんの使う擬音が心地よく響いていて好きだ。 名言とかではないんだけど、「環さんが過去に向かってゆうらりと漕ぐ舟に、私が乗っている。」とか特にすき。今後友人の過去の話を聞く時、きっと毎度わたしは水面を小舟でたゆたうことになるんだろう。 短編の主人公たちがお互いのストーリーの中でチラリと登場するのもいいよね。さっきまで語り手だったひとが、あくまで第三者として交差する感じ、まさに人生ぽくて。 あと突然の出会いがそれぞれの大きな変化点になるお話が多くて、私も新たな出会いを大切にできたらいいなあと思った。 ❶❷は連続して読まなきゃダメだ〜 啓太からの視点に切り替わることでさっちゃんの愛の強さや切なさが増大する。啓太本当に良い子に育ったね。啓太と晴子の夜の公園の時間、真っ直ぐ素直に語り合うふたりが尊くてほろほろと泣いてしまった。 ❸はやっぱり環さんが愚かしいと思ってしまうけど芙美さんの優しさと重文さんの愛は美しかった。主人公の傷は癒やされたのだろうか…亡き彼氏の最期の言葉の意味が気になってしまったな。 ❹宇崎くんのキャラクターが生きてて良かったナ〜道端でサブレを貪る唯子ちゃんに話しかける宇崎くん、という状況がなんだかとても可愛らしくて、ピッタリな2人だと思ったから、唯子ちゃんの決断がちょっと寂しかった。ふたりには一緒に居てほしかったなと。えらい唯子ちゃん。幸せに生きれますように。 ❺一番泣いたし、辛いストーリーだったけど、たぶん一番忘れられないのはこのお話だと思う。清音の背景を知ったとき、桜子さんの傷を舐めていた時間のそのうつくしさに衝撃を受けてしまった。「海になる」ことを悟った瞬間もその衝撃を一緒に共有できて、生きる辛さとの向き合い方を教えてもらったような。短いストーリーなのにすごいなあ。
0投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログデビュー作なのに完成度が高すぎる。場所を限定して登場人物を少しずつ繋げていく構成はこの頃からすでに確立されていたんだな。
0投稿日: 2024.12.02
powered by ブクログチョコレートグラミーはマウスブルーダー 親が口の中で稚魚を育てて外敵から守る魚。 短編集の登場人物たちが、直接的な関係はなくともお互いを刺激し合い、苦しい世界を自分なりに生きやすく変えている。そこが大海じゃなく水槽の中だとしても必死に泳いでいる。 自分ももっと足掻けと思った。足掻け!
0投稿日: 2024.11.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物語があっという間に終わってしまう感覚が少し寂しさを覚える記憶があったのであまり短編には手をつけていなかったですが、それぞれの作品が、どこかで繋がっていることにワクワクしたし、非常に楽しく読めた。 全ての作品に共通するように思えたのは、温かいけど切ない、いやでも温かい、という印象。 何となく、違う世界へ踏み出す方が清々しくいい印象があったのですが、ここで生きるもの、ここではない場所で生きるもの、どちらでも決して不幸とは思わなかった。 色々な選択ができるようで、実は簡単にはできない世の中で、ましてや自分の生き方を選択するのは、疲れるし心細いししんどいしもう誰かに任せてしまいたい。 ここではないどこかででも、ここでも、正解かもしれないし、間違いかもしれない。滅入っているときこそそれは、余計に迷うような言葉にも思えるが、これから先の人生では、だからこそきっと大丈夫、という考え方を抱いていたいなと思いました。 個人的にはカメルーンの青い魚が読んでいて、サキコの純真さに惹かれると共に、お話の中で描かれる表現の仕方が好きでした。
1投稿日: 2024.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
恋愛や生き方についての 連続短編小説。 ひとつひとつが短くて読みやすい 一見恋愛話かと思いきや、人生や生き方について考えさせられたお話したち。 シングルマザーになる人 恋人が亡くなった人 一生好きでいると言っていた人の性別が変わってた人 プロポーズを受けたのに、違う人についてこないかと言われちゃう人 色んなお話しが繋がっててわくわくしながら読めました。
1投稿日: 2024.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分の生きる場所を見つようと、必死に泳ぐ人たちの物語。 全体を通して独特な雰囲気があった。 読み手の想像力と合わせて完成される物語のような感じがした。映画を観ている感覚に近かったかも。 よくやったねって褒めてくれたら頑張れると言った晴子。 わたしのことを好きだって言ってくれるひとがいるだけで、頑張れると言った環。 あなたのくれた「しるし」で生きてみると言った唯子。 支えになるものを見つけて、それぞれの場所で生きていこうとする姿に、心を打たれた。 晴子を迎えてくれたのが桜子で良かった。
1投稿日: 2024.11.13
powered by ブクログこの物語だけの世界観が強くて、現実から切り離されたような感覚。登場人物たちがそれぞれ抱えているもの、それに向き合う姿に勇気が出る。それぞれみんなそれぞれの場所でしっかり生きているんだなあ。物語の重なりもいい。波間に浮かぶイエローが一番心に来た。
0投稿日: 2024.11.10
powered by ブクログ好きすぎる 登場人物の重なり方のバランスが心地よくて、要所にあるちょっとした裏切りが最高 人生に迷ったらまた読みたい
0投稿日: 2024.11.05
powered by ブクログちょっぴり切なくて、でもあたたかい。 『52ヘルツのクジラたち』で町田そのこさんを知り、今回2作目を読んでみたけど、やっぱり私は好きだなと思った。 町田そのこさんはどんなことを考えて、どんなことを伝えたくて小説を書いているのか聞いてみたいな。 次は、『星を掬う』『宙ごはん』を読みたい。
0投稿日: 2024.11.03
powered by ブクログ読み終えて、読後感は凄く良かったです。 解説にもありますが、物語の5作全ての冒頭 の一文で物語に引き込まれていきます。 それぞれの物語の人達が愛おしくてたまらなく なっていき自分の心も凄く優しい気持ちに なっていきました。 読んでいくと、優しい色の中で 本当に静かに悲しくて、儚くてという物語が 心に響いてきました。 沢山良かった言葉はあったけど、 よくやった。頑張った いつまで背中を押せるかは分からない。 だけど少しでも長く、寄り添えますように。 頑張れ のところが私の中の祈りと重なり大好きです
180投稿日: 2024.11.01
powered by ブクログ日常に感じる燻り続けるやるせなさ等は自分だけにあるような気についついなってしまうのだけどそうでもないよなと思えた。 『波間に浮かぶイエロー』が好きだ。 私とおんこのカフェに転がり込んできた妊婦のお話。
0投稿日: 2024.11.01
powered by ブクログ連作短篇集。視点が途中で転換するのがあまり好きじゃないけど、52ヘルツのくじらたちが本当に素晴らしい体験だったので、続けてこちらも読んだ。 母子家庭、ヤクザ?系、トランスジェンダー、 町田さんらしい、相変わらず救いようのないテーマ設定。 私は救いようのないものがすごく苦手なのだけど、構成の面白さと、文章の心地よさでスラスラ読めた。 見えている世界を水槽に見立てて、その中をそれぞれ必死に泳ぐ熱帯魚たち。どんな状況であれ、必死に泳ぐ(生きる)姿を美しいと素直に思った。 私は自分より不幸だったり不運な境遇の人たちに対して「この人よりは自分は幸せだ」と言う気持ちにはならないタイプだけど、この私でも「この人たちはどうしても不幸で救われない。それに比べて私の悩みはなんだ。そんな小さなことで喚くな!」と思ってしまうような、そんな話ばかり。 この一冊を通して心に残ったのは、 " いくら言葉を貰っても、それじゃ勝てるはずがない。力を尽くして得たものだけが、新しい力をくれるんだよ " という一文。本当に、本当に、私はこの言葉に賛同!! どんなことに関しても、人に委ねては意味がない。人が自分に対してしてくれること、掛けてくれる言葉は、永遠にその人のものでしかない。自分はそれを受け取って、ありがたくパワーにすることはできるかもしれないけど、それは燃料でしかなくて、燃やすのも、調理するのも、自分だけがやること。特に、"力を尽くして"と言うところがとても良い!!! 苦しんでも、もがいても、その姿が醜くても、そうして得たものは必ず自分を支える基盤になる。 読み終えて、まだまだ力を尽くすべきことが私にはたくさんある!とやる気が湧いてきた。
2投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログメロディーが流れるような美しい文章。つらい境遇にある人々が運命の人に出会い、成長し、大きな海に出ていく。そんな物語が綴られる。心がボロボロになった主人公の前に現れる少し風変わりな人達。魅力的に描かれていますが、こちらもまた大きな試練を乗り越えていたりする。この2重構造を綺麗にまとめられていた。大好き度❤️❤️
9投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログどの話も重めではあるものの、最後は前向きに進んでいく登場人物たち。考えさせられるし、勇気や元気もらえる素敵なストーリーでした。
0投稿日: 2024.10.24
powered by ブクログ作者は違うけど汝、星のごとくの短編版。 52ヘルツのクジラたちに近い。1番刺さったのがデビュー作って天才ですか??
0投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ物語ごとに、どこの部分で繋がっているんだろうって読み進めていくのがわくわくした わたしには難しい話だったのか 物語に入り込み切ることが難しくて、頭を使いながら読んでいた
0投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても良かった 表題作がなんだかとても刺さって ボロボロ泣いた。 光景も登場人物の気持ちにも 入り込んだんだと思う。 後半の真ん中ふたつは ふーんって感じだったかなあ。 でも、絶対全部また読み返したい。
0投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログとても好きな本でした。『52ヘルツのクジラ』のような愛の物語を読みたくて、『星を掬う』を読み、いい話だけどちょっと違う…となり、こちらを手に取りました(町田そのこさん3冊目)。求めていた愛の物語の本でした。これがデビュー作なのが衝撃すぎる。ハッピーエンドでも、そうじゃなくても、あの人からの愛を心の糧に明日を生きていける。そんな登場人物たちの強さに励まされた。個人的には、「カメルーンの青い魚」「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」「溺れるスイミー」の3作品が特に好きだった。夫とこれから産まれる子(妊娠5ヶ月)にとって、等身大の自分を安心してさらけ出せるような家庭を築いていきたいと思う。 【刺さったフレーズ】 ・教わるもんじゃなくて、体で覚えてくもんだよ、そんなの。人から叩かれたら痛い。だけど同じことができる手のひらを、自分も持ってる。こういう気付きの繰り返しだろ(p.83) ・生きるとか生きていけないとか、大人でも考えて苦しむものなんだ。だったら俺や晴子が苦しいと思うのは当たり前なんだ。大人が苦しみながら泳いでいるのだとしたら、それはとても厳しい現実だと思うけど、でもそういうものであるなら、仕方ないよな。これからも、もがきながら泳いでいくしかない。(p.105)
2投稿日: 2024.10.16
powered by ブクログ誰かと一緒に生きていくことの難しさに 共感しまくりでした。 ちょっとズレるけど、 中学生くらいからか、ニコイチっていう言葉を まわりがよく使うようになって、 すごい嫌だなぁ…って思った。 話したい時に話したい人と話して 話したくない時は黙って1人でいる そういう生き方がしたい身としては、 四六時中誰かとべったりはできない! と思い、ニコイチブームには乗ることはなかった。 群れることもなく過ごしていたら、 今度はあの子はぼっちだ、ぼっちだと噂される。 1人でいることは苦ではないけど、 噂の中心にいるのもひどく息苦しかった。 学校という場所が嫌いで仕方なかった。 大学生になって、ものすごく楽に生きれるようになった。誰がどこで何してようと関係ない、って感じ。ものすごい開放感だった。 でも周りの目は気にならなくなったけど、 1人でいたいと思うことは一般的ではないんだろうなぁと思うことも多々あった。 この本を読んだ時に、群れたくない、1人でいたいと思うことは一般的ではないんだ、と傷ついたあの時の私が救われた気がしました。
9投稿日: 2024.10.16
powered by ブクログ「ここ」ではない「どこかへ」居場所を見出し続ける人々の物語。登場人物にはそれぞれの信念があってそれに共感せざるを得ないものばかりだった。五つの短編集であったが、それぞれ繋がっておりとても面白かった。自分が居場所を見つけられなくなってしまった時に再読したい、!
2投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ誰かの言葉が生きる糧になることもある。 楽に息できる場所を求めながら、懸命に生きる登場人物達の覚悟と生き様に圧倒された。 そこへ惹き込む文章力も流石、これがデビュー作とは思えない。
1投稿日: 2024.10.13
powered by ブクログ町田そのこさん、4冊目。 デビュー作だけれど、すでに町田そのこさんの書く世界が完成されている、と思った。 生きづらい世界で感じるヒリヒリ。 わかりやすく癒やしや救いが描かれるわけではないが、どこかに希望はあると思わせる結末。 でも、人生はその藁ほどの希望を見つけられるかだとも思う。 連作短編での人物相関はデビュー作から見事。 そことそこが繋がるのか、という驚きと楽しみかある。
1投稿日: 2024.10.12
powered by ブクログデビュー作なんですか?え、すごい!『わたしの知る花』でも言ったけど町田さんすごい!(語彙力なくてごめんなさい~) 「海になる」が一番辛かったけど、そうか晴子の大おばだったのか。桜子さんと一緒なら晴子も幸せになれるってこの回で安心できました。 R-18文学賞大賞受賞の「カメルーンの青い魚」も、最後でうわぁ~!となって良かったですが「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」と「波間に浮かぶイエロー」がすごく好き。苦しさと優しさの同居具合と最後に感じられる救いの匙加減がとてもいい! 「カメルーンの青い魚」 「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」 「波間に浮かぶイエロー」 「溺れるスイミー」 「海になる」
13投稿日: 2024.10.09
powered by ブクログ町田そのこさんのデビュー作だそうだ、この作品。初めて読む作家さんだが、ベストセラー作家なのはもちろん知っている。でも、この本を手に取った理由は「連作短編集」だということを知ったから。評価も★4つ以上ならば、是非読んでみたかった。 5話から構成される連作短編集。1話目、ほうほう。2話目、そうくるか! 3話目、おもしろい。でも、かぶってくる登場人物がちょっとしか出てこない! 4話目、???。誰がかぶってきたのか思い出せない。 5話目、????。最後の最後にちょっとだけしかかぶってくる登場人物が出てこない! 最後まで読んでも、何かもやもや。短編集としては面白い作品なのだが、「連作短編集」としてはちょっと薄味。かぶってくる登場人物が質・量ともに少ないのだ。3話目までは面白かったのに・・・残念。評価★4つ以上ついている作品で、自分が満足できなかったのはこの作品がはじめてかも?
8投稿日: 2024.10.08
powered by ブクログR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」を含む5編の短編連作集。 これがデビュー作なのか と驚きです。 完成度が高すぎ。 解説でも書かれていたけれど、最初の一行で引き込まれてしまう。 どれもこれもテーマは「生き方」。 切ないけれど、生きていくしかない。 読後感もすごく良くって、人に勧めたい一冊です。 町田そのこさんの他の本もよまなきゃ。。
146投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログ人の生き方を、魚に比喩した表現が自分の心な中でとてもしっくりと言葉として刺さり、人生というのは、大海原みたいなものだなと改めて思わされた。
2投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログこれがデビュー作なの? すでに完成されている、 町田さんスゴイ!!! 複雑な家族関係を描くなら、 ピカイチな作家さん。 絶望を感じる作品大好きです。
2投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログどの短編も、それぞれの苦悩を抱えた人々の救いの話。 各短編の登場人物がどこかで繋がっているので、すでに登場した人物のその後を知ることができたり、「海になる」ように、それぞれがどこかで響き合って救いあっているという事を感じられます。それも含め、短編の構成が素晴らしい。 全て良かったですが、タイトル作の「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」が1番心に響きました。 子どもって、大人が思うよりも賢く強く柔軟で、色んなものを直に感じ取りながらもがいているんだよなぁ。と。
5投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログ生きづらさを抱えながら自分の居場所を模索する5人の物語。連作短編なのでどこかで繋がっているのだけどその重ね方が絶妙で、読み終わった後にタイトル読んだ時のおぉ、、という感じがまた絶妙で、感じたことを書きたいのに自分の語彙力が足りないほどに圧倒された作品でした。 解説で書評家の吉田伸子さんが書かれてたように 書き出しも素晴らしくて、「大きなみたらし団子にかぶりついたら、差し歯がとれた。しかも、二本。私の前歯は、保険適用外のセラミック差し歯なのだ。」と書店で読んでもう好きだ!と思ったけれど、町田さんの紡ぐ言葉ひとつひとつが私にとてもフィットするというか、胸を張って好きと言えるものだった。 登場人物がみんな愛に溢れていて優しくてどのお話にも仕掛けがあって感服。。 「波間に浮かぶイエロー」は吉本ばななさんのキッチンを彷彿とさせて、読みたい!と思って「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」という素敵な書き出しを思い出す。この2冊は隣同士に並べよう。
10投稿日: 2024.09.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本欲しいな~と、完全タイトル買いしました。結果…自分いいカンしてるじゃん、でした。 小説は冒頭が大切っていうのはどの書評にも書かれてますがその通りなんだなと。 全編通してどこか"海""サカナ""水槽"と水にまつわる題材を絡めながらどこか繋がりのある人物が織りなす短編小説集。 どこかで躓いた女たち、最後には救われてて、よい。 文の区切りの魚も、とってもかわいい。紙の小説の醍醐味ですよね。 個人的には"海になる"が一番好きです。
1投稿日: 2024.09.22
powered by ブクログ第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作 納得。なんとも刺さる。女性だからやはり刺さるのか。なんともいえないいろんな暴力性と優しさと、苦しさとせつなさ。 余韻のすごい本だった。 なんでこんな文章をかけるんだろう。 町田そのこさんベストかもしれない。 読み始めは全然だったのに… はじめは暗くてしんどい感じかなと、ゆっくりペースで読み始め、「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」から、おーっとくる。 「波間に浮かぶイエロー」は世界観がすごく、ひとはどうしたって老いるけど、でも…と残るものあるよねと、希望をもらえる感じ。 「海になる」は 切なくて苦しくてでも、希望と本能的な人と人との言葉に表せられない求める感情、求め合う感情が感覚的で哀しくせつない。 一話一話の世界観が独特なので、途中から5話の繋がりがわからなくなっていた。 というわけで、解説まで読んでからまた、振り返る。解説も素敵。 「夜明けのはざま」の終わりが、ちょっと唐突のような気がして、そのメッセージが腑に落ちなかったのだけれど、この本を最後まで読んでようやく「夜明けのはざま」の町田そのこさんのメッセージがわかったような気がした。 「人を育むものになれた それはとても素敵なこと」大切で、せつなくて、苦しくて、自分も強くないといけない。 素敵な物語。 はーよかった。 以下心に残った引用文です。 これからまっさらで読みたい方はご注意を。 「誰かから貰おうとしちゃいけない。力を尽くして得たものだけが、新しい力をくれる。」 「自分がちゃんと誰かの特別で、素敵な人間だって、そう想えたら、そう想える人が心の中にいれば、人は頑張れる」 「彼女の苦しみが巡り巡って私のところへ辿り着き、私を救った。流した涙は、いつか誰かに優しく辿り着く。ひとは誰かを育むものになれる。 それはとても素敵なこと」 解説でもおっしゃっているが、この本は 「ここではないどこか」と「ここ」 がテーマになっている。 「どちらが良いとか悪いとかではない転がるような生き方しかできない人がいれば、どうしても転がらない人もいる」と。 でも、育むには誰かが「ここ」にいないといけない誰かが「ここ」にいて側でがんばりを見てくれてる人が必要。しかも自分を一番に思ってくれる人であってほしい。 そんなことを考えていたら、 町田そのこさんの次読もうと何気なく借りていた本のタイトルが「あなたがここにいなくとも」だった。 「ここ」が題名にあるではないか。しかも「ここにいない」 読まねば。
32投稿日: 2024.09.19
