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裏バイト:逃亡禁止(4)
裏バイト:逃亡禁止(4)
田口翔太郎/小学館
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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

     人間のおぞましさに焦点が当たった4巻である。  この巻では、人間が怪異を生み出す構造の怪異が多く、「本当に怖いのはいつだって人間なのだ」と突き付けてくれている。  体験した裏バイトは以下の通りである。 「ブライダルスタッフ」 「ファミレス店員」 「家政婦」 「空き地探し」  この中で唯一事務所を通していないのが「家政婦」バイトであり、この回は興味深い。  色々な意味で酷い回であり(笑)、これからもこうした外し方をしてくるのかは興味深いところだ。  ひとつ前の「ファミレス店員」が惨澹とした内容であるだけに、一つ清涼剤を置いた形かもしれない。  人間的恐怖としてはシリーズきっての内容かもしれないのが「ブライダルスタッフ」である。  一つ一つの描写が重厚であり、最後の最後までギッシリ気味が悪い。  花嫁が皆きちんと美しく描かれているがゆえに、なおさら醜悪さが光っている。  一方で「空き地探し」もまた、怪異が判然としない気持ちの悪さが残るエピソードだ。  「治験」で開通者となった崎村ゆうが再登場しているのもまた読者の混乱を招いていて、この世界自体がどうなっているのか謎である。  今回ももれなく、気持ちよく気持ち悪い思いをさせていただいた。  星五つで評価したい一巻である。

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    投稿日: 2021.12.14