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日本仏教の基本経典
日本仏教の基本経典
大角修/KADOKAWA
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総合評価

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    1. 仏教経典の成立とインド・日本への伝播 初期・中期・後期経典の成立: 紀元前3世紀から紀元1世紀にかけて初期大乗経典が成立しました(般若経、法華経、無量寿経など)。 紀元1世紀から4世紀にかけて中期大乗経典(維摩経、涅槃経など)が成立しました。 6世紀以降に密教経典(大日経、金剛頂経など)が成立しました。 「般若経、法華経、無量寿経などで、一~三世紀頃にかけて成立。中期の一~四世紀には維摩経、涅槃経など、後期の六世紀以降に密教経典の大日経、金剛頂頂経などが成立した。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 仏教のインド衰退と世界への拡大: インドの仏教は10世紀以降に衰滅しましたが、それ以前に北方(中央アジア・東アジア・チベット)と南方(スリランカ・東南アジア)に広まり、各地の文化と習合して発展しました。 「インドの仏教は一〇世紀以後に衰滅するが、それ以前に北方(中央アジア・東アジア・チベット)と南方(スリランカ・東南アジア)に広まり、各地の文化と習合して発展した。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 2. 釈迦の生涯と仏伝文学 釈迦の誕生と出家: 仏教の開祖ゴータマ・シッダールタは、カピラヴァストゥーを都とするシャーキャ族の王家で生まれました。 29歳で出家し、苦行を修めた後、煩悩を滅してニルヴァーナ(涅槃)を得ました。 「仏教の開祖ゴータマ・シッダールタはインド亜大陸北部のカピラヴァストゥーを都とするシャーキャ族の王家に生まれた。」「二十九歳のとき太子の身分を捨てて出家し、六年間の苦行を修し、三十五歳のときに悟りを開き、不安などの煩悩を消し去ってニルヴァーナ(涅槃)を得た。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 仏伝文学の成立: 釈迦の生涯を記した仏伝文学は、マハーヴァストゥー(偉大なブッダの物語)や仏所行讃(漢訳)などがあり、いずれも釈迦の滅後数百年にわたって編まれました。 仏伝文学には、釈迦の前世の物語である本生譚も含まれ、イソップ物語などにも影響を与えています。 「この釈迦の生涯を記した経典や古代インドの出来事などをブッダ伝、タターガタ伝文学ともいう。有名な仏伝文学には『マハーヴァストゥー(偉大なブッダの物語)』、『仏所行讃』(漢訳『仏所行讃』)などがある。いずれも釈迦の滅後の数百年間にかけて編まれたものである。仏伝文学にはプッダの生涯の前提として前世の物語、すなわち本生譚もふくまれる。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 3. 仏教の根本教義 四諦と八正道: 釈迦の教えの根本には、四諦(苦・集・滅・道)と八正道があります。四諦は苦しみの原因とその滅し方、そして滅に至る道を示し、八正道は苦しみから解放されるための八つの正しい道を示しています。 「釈迦が転法輪をおこなったとき、説法されたのは四諦と八正道の教えであった。四諦の「苦」は「あらゆるものには定まった実体がない」と考えられ、「苦」は、いろいろな原因があってまことに生じる。この苦しみを見るにつけ、苦しみでなくなる。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 「八正道には、八つの正しい道がある。以下その八つ。①正見…正しいものの考え方。②正思惟…正しい思考。③正語…正しい言葉。④正業…正しい行い。⑤正命…正しい生活。⑥正精進…正しい努力。⑦正念…心を静かにしておくこと。⑧正定…心を静かにしておくこと。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 縁起と三法印: 仏教の基本には、諸行無常・諸法無我・涅槃寂静の三法印があります。あらゆる存在は縁によって生起し(縁起)、固定的な実体を持たず常に変化しています。 「あらゆる事物は縁(周囲との関係・条件)によって生起した果であり、それが新たな因をふくんで変化していく。自己をふくめて、あらゆる事物に固定して変化しない実体(我)はない。それは縁起(関係による生起)とよばれる仏教の基本である。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 「三法印(諸行無常・諸法無我・涅槃寂静)を衆生の心に印し、法会には神々も人々も招請します。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 三宝: 仏教徒が帰依すべき対象である仏・法・僧の三宝があります。 「三宝は拝むべき仏と法と僧のことだが、古代には仏法全体のことである。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 4. 日本仏教と文化 日本への仏教伝来: 日本の仏教は、主に朝鮮半島を経由して伝わりました。538年に百済の聖明王から欽明天皇に仏像と経典が贈られたのが公式の伝来とされています。 聖徳太子は仏教を保護・奨励し、三経義疏を著しました。 「いわゆる「三宝興隆の詔」が摂政の蘇我馬子と大王の厩戸皇子によって発せられた。三宝は拝むべき仏と法と僧のことだが、古代には仏法全体のことである。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 写経の文化: 日本における写経は、天武天皇の時代に始まりました。大蔵経の書写が行われ、その後も国家や個人の祈願のために盛んに行われました。 「『日本書紀』天武天皇二年(六七三)三月の条に「是の月には、書生を聚へて、初めて一切経を川原寺に写さしむ」とある。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 法華経信仰の広まり: 法華経は日本で広く信仰され、様々な法会や行事の中心となりました。特に法華八講や写経が盛んに行われました。 日蓮は南無妙法蓮華経の題目を信仰の中心とし、唱題を重視しました。 「『妙法蓮華経』の題日信仰」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 「鎌倉時代には日蓮(一二二二ー一二八二年)が教義の根幹において「南無妙法蓮華経」の題目を根本とし、唱題を修行の中心とした。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 浄土信仰の発展: 浄土信仰は、阿弥陀仏への信仰と浄土への往生を願うものです。法然や親鸞によって浄土宗・浄土真宗が開かれました。 平安時代後期には、藤原道長などが阿弥陀堂を建立し、浄土庭園が作られました。 「平安末期から鎌倉時代初期にかけての動乱の世に浄土宗を開いた法然(一一三三ー一二一二年)が逝んだ。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 「藤原道長(九六六ー一〇二八年)がつくった法成寺阿弥陀堂も池に面していた。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 密教の伝来と発展: 密教は、大日経や金剛頂経を根本経典とし、真言や曼荼羅を重視します。 空海が唐から密教をもたらし、日本で真言宗を開きました。 「密教で根源の仏とされる大日如来はマハーヴァイローチャナの汎訳で「太陽のように虚空に輝く如来」の意。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 「五、六世紀頃にボーデイダルマ(菩提達磨)という僧がインドから中国に禅を伝えたという。日本には達磨大師である。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 「曼荼羅は真言密教で重視される世界観の象徴である。胎蔵曼荼羅と金剛界曼荼羅の二種がある。空海が唐から両部曼荼羅をもたらした。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 観音菩薩信仰: 観音菩薩は、観世音菩薩普門品に説かれ、様々な姿に変化して人々を救済すると信じられています。 「この経典は法華経の第二十五章「観世音菩薩普門品」である。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 「無尽意菩薩は、さらに「観世音菩薩は、この娑婆世界でどのように遍歴し、その方便の力を、どのように現しているのでしょうか」と問う。釈迦如来は「ここで説きても、私の身を現して救うことができるのであれば、観世音菩薩は仏の姿をとって法を説きます。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角力選書 636).pdf") 地蔵菩薩信仰: 地蔵菩薩は、地獄で苦しむ人々を救済すると信じられています。冥界の十王とともに信仰されました。 「地蔵菩薩は、地獄に苦しむ者も救い、冥界の十王とともに信仰された。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 弥勒信仰: 弥勒信仰は、未来仏である弥勒仏の出現と理想世界の実現を願うものです。日本では弥勒下生経が信仰され、弥勒踊りなどの民俗芸能も生まれました。 「鎌倉時代には弥勒下生経に説かれている未来世の閻浮提を弥勒仏土とし、それを求めて「弥勒」の念仏年分を掲げる一揆もあらわれた。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 5. 仏教の考え方と実践 縁起: 仏教の根本的な考え方であり、一切の物事は関係性によって生起し、固定的な実体を持たないということを説いています。 「あらゆる事物は縁(周囲との関係・条件)によって生起した果であり、それが新たな因をふくんで変化していく。自己をふくめて、あらゆる事物に固定して変化しない実体(我)はない。それは縁起(関係による生起)とよばれる仏教の基本である。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 三密加持と即身成仏: 密教の考え方であり、仏の身体・言葉・心と、修行者の身体・言葉・心を一致させることで、この身のまま仏となる(即身成仏)ことを目指します。 「三密加持と即身成仏」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 懺悔: 仏教における罪とは、単に道徳的な罪だけでなく、生きていく上で必然的に伴う垢(煩悩)を指し、それを反省し謝ることで消滅させることができると考えられています。 「懺悔は一般には「ざんげ」と読み、反省して謝ることをいう。しかし、仏教でいう罪は、法規に違反したり、戒律に反したりすることだけではない。生きていること自体に必然的に伴い、知らず識らずに重ねていくもので、垢(濁りや汚れ)として認識される。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 観仏: 仏の姿や浄土の世界を心に思い描く瞑想法です。 「観仏と仏像」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 念仏: 阿弥陀仏の名を唱えることで、浄土への往生を願う実践です。 「無量寿仏は光明遍照で、その光明は遍く十方世界を照らして念仏の衆生を摂取して捨てたまわず。無量寿仏は光明によって、その人が唱えた念仏によって生まれて恐れることはないのです。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 6. 仏教の歴史と現代への影響 末法思想と救済への希求: 仏教が衰滅し、世の中が乱れるという末法思想が広まり、救済への希求が強まりました。 「やがて仏法も衰え、世に末法という意識が広まった。その世相のなかで「令法久住(法をして久しく世せしめよ)」という概念も起こり、紐解への憧憬が強まった。」 (Excerpts from "日本仏教の基本経典 (角川選書 636).pdf") 現代における仏教のあり方: 現代の日本仏教は葬儀仏教としての側面が強く、学問的な研究や教義だけでなく、人道的な側面も重視されるべきという議論があります。 「現代に日本仏教の各宗のだいたいは葬儀仏教としての側面が強い。」

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    投稿日: 2025.05.07
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    お寺を訪れて拝む本尊や曼荼羅や仏画など、名前は知っているがどの経典に記されたものかは全く知らなかったので入門としてとても勉強になった。よく唱えている開教経の意味や、盂蘭盆の意味、五輪塔の起源など、私たちの生活になじんだ仏教についてより立体的に理解することができ、宗派の違いを理解する上でも助けになった

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    投稿日: 2022.05.05
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    日本の仏教受容の概観を説く。基礎的な流れはわかっている前提で書かれているように感じるが、歴史的なエピソードも踏まえて書かれてわかりやすい。出来るだけ仏典からの抜粋(現代語訳も付して)を多くしていることで仏典そのものの響きも感じられてよい。ちょうど放送大学で行われている「日本仏教を捉え直す」という講義を聞いているので繋がる部分も多くてさらに理解を進めたい。

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    投稿日: 2021.04.25