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新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙(2)
新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙(2)
日鳥、支倉凍砂、文倉十/KADOKAWA
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総合評価

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    「狼と羊皮紙」シリーズのコミカライズ第2巻。 月刊誌連載でコミックス1巻当たり12話が収録されているので、ちょうど毎年1冊が同じぐらいの時期に刊行されると思っていたのですが、そろそろかなと思っていた3巻の発売日の告知がなかなかありません。 不審に思って調べてみると、この2巻発売後すぐ休載に入り、今月号からようやく連載が再開になったみたいです。休載の理由は探してもわかりませんでした。 最近間延びしがちだった原作ラノベの刊行間隔の狭間を埋める貴重な存在だと思っていたら、コミック自身の刊行間隔が間延びしすぎてやきもきさせられる展開で、まったくシャレになりません…。 閑話休題。 2巻は港町アティフで「金髪」ハイランドと再会したコルが、張り切って聖典の俗語翻訳を再開したところから始まります。 コミカライズを読む楽しみの一つは答え合わせ。口絵や挿絵から読者が頭の中で作り上げた主人公やヒロインがプロの絵師さんの手で動かされたときにどうなるかを見てみたい。 そういう視点で見ると、この巻はミューリよりコルの感情が大きく動く場面が多く、特にミューリに自分の信仰を説明して無事納得させた場面なんかはちょっとほっこり。 逆にミューリは、単純で「いい人」過ぎるコルにイライラやきもきしている表情が多く、1巻ほど元気よくモフモフしている感じがあまりありません。ついでに言えばキャラクターの「おっさん」率が非常に高く、ヒロインやサブヒロインの表情やしぐさの「答え合わせ」があんまりできないコミカライズで(原作のせいではあるのですが)ちょっと残念でした。 街が教会の「十分の一税」に反対する機運で盛り上がりますが、その中に教会を憎む声が混じっていることに気づき、危惧を覚えるコル。 そんな中、とうとう司教とハイランドの俗語翻訳を挟んだ問答が始まりました。 問答の虚々実々の駆け引き感はよく再現されているように思います。前にも書きましたが、おっさんの描き方が上手です。次巻のしょぼくれたおっさんが牙を剝く展開まで臨場感を持って再現してくれるといいな。 ラノベで言うと1巻途中まで、おそらく次の巻でラノベ1巻が終わるはず。 次巻はミューリの出番はもっと多く、見せ場もあるので「答え合わせ」は楽しくなるはずです。もっとも、コミックスの発行はおそらく1年近く先になるはずですが…。

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    投稿日: 2021.12.16