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powered by ブクログ1章 所変われば時間も変わる 時間の流れは、山では早く 低地では遅い 低地では あらゆる事柄の進展がゆっくりになる 平地の方が地球の中心に近いから。 物体は 周囲の時間を減速させる。 巨大な質量の地球の周りでは 周りの速度は遅くなる。 ものが落ちるのは 時間の減速のせい 物体は時間がゆっくり経過する方に向けて動く 2章 時間には方向がない 過去と未来、原因と結果、記憶と期待、後悔と意図を分かつものは、基本法則のどこにも存在しない。 周囲に変化するものがまったくないのであれば、熱は、冷たいものから温かいものへ移れない。(クラウジウス:クラウジウスは 一方通行で不可逆な熱過程を測る量を考え出した。エントロピーと名付けた) この法則が、過去と未来を区別できるただ1つの基本的物理法則。 他のどの法則でも、過去と未来は区別できない。 熱は分子の振動 じっとしている分子も他の分子の熱狂に巻き込まれ動き始める。ぶつかったり押されたり、熱くなる。 冷たいところから 熱い所へ熱が移ることはない 過去と未来が違うのは 私たちの視界が曖昧だから。 「特別」「秩序だっている」私たちがあらゆる細部に目配りすれば どの配置も特別である。 「特別」という概念は宇宙を近似的なぼんやりした見方で眺めたときにはじめて生まれるもの。 ボルツマンは 私たちが世界を曖昧な形で記述するからこそエントロピーが存在するということを示した。エントロピーが じつはたがいに異なっているのに私たちのぼやけた視界ではその違いが分からない配置数であることを証明した。 過去と未来は、ぼやけ(粗視化)と結びついている。 過去が「特別」な状況なのは 私たちの視野が曖昧だから 3章 現在の終わり 速度も時間の流れを遅らせる。 動いている人間はあまり歳を取らず 時の刻みが遅くなり 考える時間が少なくなり 持ち歩いている植物は発芽に時間がかかる。飛行機の時計は遅れる 「今」には何の意味もない 4光年先の星にいるお姉さんが 今何をしているのかを問うことは意味が無い どの瞬間が今なのか 私たちの「現在」は宇宙全体には広がらない。 「現在」は 自分を囲む泡のようなもの 親子関係で確立されるタイプの順序を、「半順序」と数学者は呼ぶ 親子関係は ある順序(子孫の前、祖先の後)を確立するが、どんな2人をとっても順序が決まるわけではない 祖先からなる円錐型の過去があり 子孫で構成される未来がある。 宇宙の時間構造も円錐型。「時間的先行性」は円錐型の半順序。 宇宙の「現在」は存在しない 4章 時間と事物は切り離せない 「時間とはなんぞや」 アリストテレス⇒変化を計測した数。何も変化しなければ時間は存在しない。 時間は 事物の変化に対して己を位置づけるための方法、勘定と関連づけて自分の位置を定める手段 時間は 動きの痕跡 ニュートン⇒事物とは独立にそれ自身として流れる絶対時間が存在する ライプニッツ⇒時間は出来事の順序でしかなく、自立的な実体としての時間は存在しない 「空間とは」 アリストテレス⇒空間は物体の順序でしかない。「場所」はそれを囲んでいるもののこと 何も無い空間は存在しない ニュートン⇒ふたつの物体の間にも 空っぽな空間がある 様々な事物は「空間」の中に置かれていて その空間はたとえすべての事物が取り除かれて空っぽになっても存在し続ける。入れ物としての空間 アインシュタイン⇒時空は重力場、この場は物質がなくてもそれ自体として存在する。世界はキャンバスの上に描かれた絵ではなく キャンバスや層が重ねあわされたもの 場は絶対ではなく、一様でもなく 固定されてもいない。しなやかで伸びたり他のものとぶつかったり押したり引いたりする 5章:時間の最小単位 時間の本質について明らかになったこと⇒量子を考慮すると、一般相対性理論が残した一時的な足場が崩壊する 量子力学は、物理的な変数の粒状性、(ゆらぎや重ね合わせによる)不確定性、関係性(他との関係性に依存する事)の3つの基本的な発見をもたらした。 この世界は微細な粒で成り立っており、連続的ではない。量子(基本的な粒のこと) 電子がどこかに現れる瞬間と別のところに現れる瞬間の間には、電子の正確な位置は存在しない。確率の雲の中に散っているようなもので、位置の「重ね合わせ」状態にあると物理業界用語ではいう。 時空も同じで 揺らぐ。 ひとつの粒子が確率的に散って不確かになるように、過去と未来の違いもゆらぐ。 他の何かと相互作用する瞬間に限って 予測不能な形で不確かさが解消され定まる。 具体性は ある物理系との関係においてのみ生じる。 相互作用が起こると、持続時間は粒状になり、相互作用した相手との関わりにおいてのみその値が定まる。 第二部:時間のない世界 6章 この世界は 物ではなく出来事でできている 事物は「存在しない」。事物は「起きる」のだ 無数の出来事は 必ずしもきちんと順序づけられておらず、ごちゃごちゃと集まっているのだ 出来事は生じ変化していく。時間は変化を計測したもの この世界における最良の語法は、不変性を表す語法「~である」ではなく、変化を表す語法「~になる」なのだ この世界を出来事 過程の集まりと見ること この世界は物ではなく、出来事の集まり 原子は、もっと小さな粒子で構成されている。 素粒子は、束の間の場の揺らぎでしかないことがわかっている 量子場は 相互作用や出来事について語るための言語規範にすぎないことがわかっている 物理世界が実体で構成されているとは思えない。 この世界は限りなく無秩序な量子事象のネットワーク 第8章 関係としての力学 世界を記述する時に 時間変数は使えない 共通の時間が無く 物事の進みやすい方向が特に存在しない世界の記述とは? 必要なのは、世界を実際に記述する変数、私たちが実際に感じ取り観察し最終的に測ることのできる量だ (道の長さ体温 パンの重さ 空の色 星の数 竹のしなやかさ 喪失の痛み 時計の針の位置 など) 量や性質の観点から記述する。 互いに十分同期している変数が見つかったら、それらを上手く使って「いつ」について語ればいい。 ( 例;次の満月の3日後 太陽が1番高いところにあるときに落ち合おう。時計の針が4:35を指した時に君に会いたい。) 「時間」という名前をつける必要はない。 科学をするにしても、これらの変数の間にどんな関係が存在しうるのかがわかればいい。 この世界の基礎的な理論は、このように構成されるべきなのだ。 量子重力の基本方程式は このようにして作られた。その式は時間変数を含むことなく、変動する量の間の有り得る関係を示すことで この世界を記述する。 この理論は、時間のなかで物事が展開する様子を記述するわけではない。 物事が互いに対してどう変化するか、この世界の事柄が互いの関係においてどのように生じるかを記述する。 「ループ量子重力理論の方程式」(筆者の研究分野) 場は、素粒子、光子、重力量子といった具合に粒のような形で現れる。 これら空間量子の相互のネットワークが この世界の空間を生み出しているというべきなのであろう。 相互作用こそがこの世界における出来事の発生であり、時間の最小限の基本形態なのだ。 時間は、方向があるわけでも一直線でもなく、アインシュタインが研究したなめらかで曲がった幾何学の中で生じるわけではない。 相互作用の力学は確率的だ。 ほかの何かが起きるとした時に、問題の何かが起こる確率は 原則としてこの理論の方程式で計算できる。 この世界で起きる全ての事柄の完璧な地図、完全なる幾何学を描くことは不可能だ。 この世界は互いに関連し合う視点の集まりのようなもので、「外側から見た世界」について語ることは無意味。なぜならこの世界には「外側」が存在しないから。 空間量子は空間的に「近い」という関係によって結び合わさり、ネット(網)になる。これをスピンネットワークと呼んでいる。「スピン」という言葉は 空間の量子を記述する数学から。 スピンネットワークの輪っかはループと呼ばれており、これが「ループ理論」という名の由来。 これらの網は離散的なジャンプによって互いに転換し合うが、この理論では「スピンの泡(フォーム)」という構造として記述する。 これらのジャンプが生じることで肌理(きめ)が現れ、その肌理が、より大きなスケールでものを見る私たちにはなめらかな時空構造のように見える。 この理論は、小さなスケールでは確率論的で離散的な揺らぐ「量子時空」を記述しており、そのレベルでは、狂騒的な量子の群れが現れたり消えたりしているにすぎない。 第三部 時間の源へ ※ 9.10章はまた読み直すこと 第9章 時とは無知なり 大理石のテーブルも、私たちが原子レベルに縮めば霧のように見えるはず。私たちはこの世界を大まかに切り分け、自分にとって意味のある概念の観点から捉えているが、それらの概念は、あるスケールで生じているのだ。 「高い」「低い」ということはどこから? 私たちを引っ張る地球に由来している。近くに大きな物体があるときに生じるものなのだ。 これらの例では、実際に存在するものが、より基礎的なレベルではそれらが存在しない世界から生じている。時間も同様に、時間の無い世界に「生じる」のである。 マクロな状態が定める時間 時間が決まるのは、単に像がぼやけているから。 ある相互作用によって粒子の「位置」が具体化すると、粒子の状態が変わる。 また、「速度」が具体化する場合も粒子の状態が変わる。 しかも、『「速度」が具体化してから「位置」が具体化した時の状態の変化』は『「位置」が具体化してから「速度」が具体化した時の状態の変化』と異なる。 「位置」と「速度」は交換出来ない。これを量子変数の「非可換性」という。 物理的な変数の確定は孤立した行為ではなく相互作用であって、相互作用の結果はその順序によって決まる。そして その順序が、時間的な順序の原始形態なのである。 コンヌは優美な数学として提示。「非可換性フォン・ノイマン環」という数学的な構造を定義。 物理的な変数の非可換性によって、暗黙のうちにある種の時間的な流れが定義されることを示した。 マクロな状態によって定められる時間と、量子の非可換性によって定められる時間は、同じ現象の別の側面なのだ。 量子の世界に固有の事物の不確定性は、ぼやけを生む。 そしてボルツマンのぼやけゆえに、この世界はたとえ測定可能なものを全て測定できたとしても、予測不能になる。 時間の核には「物理系がおびただしい数の粒子からなっている」という事実と、「量子的な不確定性」がある。時間の存在は ぼやけと深く結びついているのだ。 そしてこのようなぼやけが生じるのは、私たちがミクロな詳細を知らないから。「時間」は結局のところ、私たちがこの世界について無知であることの現れなのである。時とは無知なり。 私たちの現実の像がぼやけて不確定だからこそ、ある変数が決まる。 第10章 視点 過去と未来の違いはかつてこの世界のエントロピーが低かったという事実に起因しているらしい。 なぜ 過去はエントロピーが低かったのか。 エントロピーは 私たちが何を識別しないかによって変わってくる。それは私たちが区別できない配置の数によって決まるから。 まったく同じミクロな配置のエントロピーが、あるレベルのぼやけでは高くなり、別のレベルのぼやけでは低くなる。 速度のような相対的な量なのだ。 自分たちがどの変数と相互作用するか、つまり、私たちがこの世界のどの部分に属しているかによって変わってくる。 宇宙のエントロピーが最初は低く、そのため時間の矢が存在するのは、おそらく宇宙そのものの原因ではなく、私たちの方に原因があるのだろう。 私たちの宇宙との相互作用のあり方が特殊だったのだ。具体的なマクロの記述を決めるのは私たちである。 私たちは極めて特殊な部分集合を識別するようにできていて、そのせいで時間が方向づけられている。 なぜエントロピーが増えるのか。 シャッフルしたカードを用意し、最初の6枚を覚えておく。そしてシャッフルし それ以外のカードがその間に何枚入り込んだかを調べる。 最初はゼロ枚だったのが増えている。これがエントロピーの増大。 最初のカードの配置はランダムだった。前半部分のカードを記憶してその配置が特別だと宣言したのは私たちの方だ。 宇宙のエントロピーについても同じことが言えるのかもしれない。多分 宇宙は特別な配置にはなっていないのだ。 記述には視点がついてまわる。 この世界における私たちの経験が世界の内側からのものだということを忘れてはならない。 11章 特殊性から生じるもの 世界を動かしているのはエネルギー資源ではなく、低いエントロピーの資源。 地球のそばには低いエントロピーの豊かな源がある。その名は太陽。 生命はエントロピーを増大させるためのさまざまな過程のネットワーク。餌から低いエントロピーを得ている。
0投稿日: 2025.10.16
powered by ブクログ誰に対しても、どこでも一様に流れている時間はないこと、現在というものはないこと、当たり前だと思ったこれらが実際は違うという事実は興味深い。また時間の方向もないことが、様々な物理方程式にみられるらしいことは特におもしろい。その後の、では時間のない世界をどう記述するのか、それでも感じる時間の正体はなにか、これらの論説は解説読んでも理解不能でした。
10投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログマクロな曖昧さ、これ、一神教の神でいいかな。 この状態、状況を記述しようとすると、その背後に神の視点なりが、立ち現れて来ると感じる、と、思えるな。記述自体は、聖書、寓話の一説、ミクロな個々のイベント、出来事の一つでしかない。 世の皇帝たちが、暦の作成に力を入れたのも、よく分かる。現況のトランプ関税も、パラダイムシフトか、アメリカの新たなブランディング戦略なのだろうかな。負債処理、金利操作の一つにもなってるし。 ロシアに暴露されちゃったし、当然、エントロピーは、増大するよね。失敗すると、核戦争もあるかな、うーん、一神教、縁遠いんだけどな、わし。
0投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログ面白かった!Newton超ひも理論を読んでからだったので、ちょうどつながるところもあり、楽しく読めたと思います。こういう物理の訳分かんないお話が大好物です!エントロピーやら量子論的な何か(笑)私にとっては訳分かんなさがとても楽しい! 頭の良い人はきっと訳がわかって楽しいんだろうなーと思いながら読みました。面白かった!!
0投稿日: 2025.09.25
powered by ブクログ時間は存在しないということがどういうことか、時間を私たちはどう捉えて、それとどう違っているのかが、門外漢の私でも理解できるように書かれていた。 哲学のパートは難解で、まだよくわかっていない。
1投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログ「ループ量子重力理論」というとんでもなく難解な話題なのに、カルロ・ロヴェッリ氏の手にかかればこんなにも分かりやすくなるとは。 「時間は存在しない」と言われると「そんなわきゃない!」と否定したくなるが、昔(という概念もまやかしだが)の人々は天動説や地球平面説を信じ、アインシュタイン氏でさえ「神はサイコロを振らない」と量子的ふるまいに否定的態度を取った。ひょっとすると「(その頃にはそう呼ばないかもしれないが)昔の人って時間が存在すると思ってたらしいよ」となるかもしれない。 氏によると時空は重力場の「量子的重ね合わせ」であり、我々が「時間」と思っているものはエントロピーの低い状態を拙い脳が「(秩序だった)特殊(な過去)」と「ぼやけ(粗視化)」て認識しているからであると言う。つまり時間に前後関係はなく、電子とエントロピーの相対的関係性が存在するのみであるという。完全に理解できたわけではないが、なんとも知的好奇心を刺激される話ではないか。 また、詩文の引用を多用しており、アウグスティヌスの歌は「時間の認識」という一文も良い。
2投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ2019年11月に登録した書籍。 宇宙全体のある限定された系に生じた我々がそのように宇宙を認識するものとして生じたがために時間なるものを見出している。天動説から地動説に切り替わるように、時間は我々の脳が生み出しているだけだという話だった。エントロピーという概念が明らかに主観(恣意的な価値づけ)と切り離せない概念であることに対する疑問がきちんと取り扱われていたことで、要所を納得できた。ブロック宇宙論を退けているのも(直観的なものに過ぎないことは承知しているが)私の感覚と合っている。
1投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ特に序盤の解説が興味深かった。 相対性理論については多少馴染みがあったが、この理論に自身のループ量子重力理論を絡めて、時間の一方向の矢印や不可逆なエントロピーの増大についての理論展開はとても面白く感じた。 全ての概念について、結局は人間が出来事を秩序立てて整理する為に生み出したものであり、鵜呑みにしてはいけないなと改めて。
0投稿日: 2025.07.15
powered by ブクログ自分の物理や科学の知識が、圧倒的に足りていないこともあり、内容が非常に難しかったです。この世界の時間の流れは一定ではないとか、この宇宙を動かしているのはエントロピーだとか、新しい知識に触れることはできましたが、人に説明できるほど完全に理解できたような実感はないです。ただ、筆者の論旨のひとつの、過去と未来が違うのは、ひとえにこの世界を見ているわたしたち自身の視界が曖昧だからという見解には目から鱗が落ちた気持ちでした。もっといろんなことを(物理とか科学も)勉強して、自分自身の視界を明瞭にしたいなと思いました。
11投稿日: 2025.07.13
powered by ブクログ自分は理系センスが全くない。それでも面白かった。衝撃だった。難しかったけど。 この世界はエネルギーで動いているものだとばかり思っていた。それが実はエントロピーが世界を動かしていたとは。 読みながら、ちょくちょく思考が停止したのは本書的に言えば、脳が動くのをやめ(キャパオーバーです)、エネルギーが熱へと劣化して頭が熱をもったということになるのか。パソコンと一緒だ。
26投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログあらゆる事象に囲まれて私たちは生きている。時間という概念しかり、そこに絶対というものはなく単なる目安としての心構えとして尺度は設けられる。現在という時間は瞬間であり、過去と未来にすぐさま振り分けられる。では普段私たちが使う現在とは何か。このクエスチョンに込められているのは尺度の不確実性にある。その柔軟こそ事象ではないだろうか。正体はわからない。私たちはわからないものの中でわからないものを享受している。わかろうとするのではなくわからないものもあっていいと感知する。そしてわかりたいという好奇心を大切にしよう。時間と切り離せない音、音楽に身を委ねると、言葉にできないがほんの少し何かがわかったような気になる。その変化に時間は存在するのか、ますますこの世界が面白くなる。
1投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログ相対性理論により時間を相対化するに留まらず、著者自身の自説であるループ量子重力理論により時空そのものがループに還元される。常識をいくつも超えた専門的で先鋭的な物理学であるはずだが、いとも平明に描かれているおかげで不思議と納得でき、新たな世界観が自分に加わった気がする。 また、物理学で時間を解体するだけでなく、むしろわれわれが実際に時間を感じるという事実に重きを置いて、広範な学問分野から認識や存在のメカニズムに深く迫る。その姿勢はまさに愛知者で、かっこいいし憧れる。
1投稿日: 2025.06.15
powered by ブクログ難しい。 人に説明できるレベルまではまだ理解できていないが、どこかで同じような話を聞いたときに改めて理解できそう。
0投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログ前半は科学的な理論展開ですが、後半は哲学の世界に入って一気に難解になります。デカルト、カント、ハイデッガーの思想が時間に紐付けられて高度な議論が展開されています。
1投稿日: 2025.05.20
powered by ブクログ時間って何だろうということを考える良いきっかけとなった。 考えてみると不思議なものであり、目には見えないし、感じることしかできない。その感じいているものでさえ、私たちの生きているスケールが大きすぎるあまり近似されたものであり、そもそも時間は存在しない。でもじゃあ、何で感じるの?という疑問に物理学に最先端を行くカルロさんが答えてくれる、そんな内容だった。 文体は詩的で扱うトピックのせいか、哲学的な内容も多く正直わかり易くはない。エッセイというジャンルだからか、物理学の数式や理論的な記述は少なく、結論や表面だけをさらっていくだけでモヤモヤする。ただ、深い議論をされたところでほとんど理解できないのだろうが。
0投稿日: 2025.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
“するとナーガセーナは勝ち誇ったようにいう。「馬車と同じように、ナーガセーナという名前も関係と出来事の集まりを指しているにすぎない」と。 わたしたちは、時間と空間のなかで構成された有限の過程であり、出来事なのだ。 それにしても、わたしたちが独立した実体でないとすると、何がわたしたちのアイデンティティー、「自分は一つのまとまった存在だ」という感覚の基になっているのか。このわたし、カルロをまとまりあるものとし、その髪や爪や足、さらには怒りや夢をも自分の一部だと感じさせ、悩み考えさまざまなことを感じている今日のカルロが昨日や明日のカルロと同じだと思わせているのは何なのか。” 自分が何者であるのかという問いでもあり、哲学的(宗教的?)、叙述的とも言えるが難しい。 “わたしたちは、時間と空間のなかで構成された有限の過程であり、出来事なのだ。”とあるが、ある意味自分が世界だということかもしれない。 しばらくしてから、また再読したい。
0投稿日: 2025.04.02
powered by ブクログこんな世界があることを初めて知った。 宇宙がもう1つある感覚。 何度も読んでも100%理解は出来ない。私にとって恐らく一生かけて何度も読んで理解する本。
1投稿日: 2025.03.23
powered by ブクログ過去と未来が違うのは、ひとえにこの世界を見ているわたしたち自身の視界が曖昧だからだ。 量子物理学に始まり、最後には、カントやハイデッガー、などの哲学になってしまう。 エンドロピーの増大こそが過去と未来の差を生み出している。
1投稿日: 2025.01.16
powered by ブクログYouTubeの量子力学/相対性理論に感化されてこちらに。科学的にも興味深いが、科学者なのに文学的で詩的な著者の文章力が凄い。こういう系の話の最後は多くは認知や哲学的な話になる印象だが、読みやすい感じ。
1投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログ久しぶりに物理関係の読書をした。 非常に興味深いが、全てを理解できていない。 時計はそれぞれ持っていることはよく理解できた。 これらに関する知見を今後も深めたい。
0投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログあるとき、2歳の娘に「『時間』ってなに?」ときかれた。私たちがあまりにも頻繁に「時間がない」だの「ごはんの時間だ」だの言うからだろう。日頃、娘を急かしていることを反省させられた。 それはそれとして「時間」である。 私たちは過去から未来へと続く直線的な時間の観念をもっているが、現代物理学の知見はこれとはかなり異なるものらしい。娘に「時間」について説明するためには、もう一度きちんと勉強し直す必要がある。 そうして調べていたときに出会ったのが、理論物理学者のカルロ・ロヴェッリが書いた「時間は存在しない」(NHK出版、2019年)だ。衝撃的なタイトルである。これが事実なら、娘に謝らなければいけない。 そんなわけで、この本を手に取った。著者のカルロ・ロヴェッリはイタリア生まれ。量子力学と一般相対性理論を統合する理論を模索しており、「ループ量子重力理論」を提唱している。この理論は宇宙論と結びついており、宇宙の始まりに何があったかに深くかかわっているそうだ。 本書は三部構成で、「第一部 時間の崩壊」では現代物理学が時間をどう捉えているか、それがわれわれの直感といかに反しているかが概説される。「第二部 時間のない世界」では第一部を受けて、「時間のない世界」をいかに記述すべきかが探求される。最後の「第三部 時間の源へ」では、それでもわれわれが「時間が流れる」と感じるのはなぜか、ということが考察されている。 第一部はおおむね理解できたし、第二部も半分くらいはわかった。だが第三部は、残念ながら最後の方しかわからなかった。いちおう理解できた範囲でまとめたので、よかったらご覧いただきたい。 第一部 時間の崩壊 時間の流れ まず、アインシュタインの相対性理論によると、重力が強いところでは時間の流れが遅くなる。そして、速く移動するほど時間の流れが遅くなる。 これは、きわめて正確な時計を用いれば実際に測定できる。2020年4月に東大の香取教授らのチームが発表した論文によると、スカイツリーの展望台では地上と比べて1日につき10億分の4秒、時間が早く進んでいたそうだ。 このように、「時間」は観測地点や観測者によって変わる。 エントロピー 時間の流れを含む物理法則に、熱力学第二法則がある。「孤立系において不可逆変化が生じた場合、その系のエントロピーは増大する」というものだ。 実は、物理学ではこれ以外に時間の流れを示す法則はないらしい。電磁気学でも素粒子論でも、方程式に時間を表す"t"が出てくることはあるが、これを"-t"に置き換えても理論の整合性は保たれる。これを「時間反転対称性」という。 というわけでエントロピーだが、これは「可能な状態の総数(の対数)」を表す。この「状態数」というのは、マクロの視点でのみ定義できるもので、ミクロなレベルでは定義できない。 筆者は、これをトランプカードで例えている。トランプカードの山で上半分がすべて赤、下半分がすべて黒だとすると、「エントロピーが低い」と言える。これはマクロな視点で「色」に着目した結果、言えることだ。 ミクロな視点にたてば、全てのカードが固有のものだ。52枚のカード全てに違いがあり、#1から#52まで番号をふれる。そうなると、どんな並び方も固有のもので、特別な並びは一つもない。 原子や量子の視点にたてばこれと同じで、全ての状態が固有のものである。そのため、「状態の数」を定義できなくなる。 「現在」は存在しない エントロピーを定義できないとはいっても「現在」は定義できるでしょ、という言説も、現代物理学は否定している。 離れている二つの地点では、互いの状態を観測するのに時間を要するため、厳密な意味でまったく同じ「今」というものは存在しない、というのだ。 例えば、二地点AとBのあいだを光が進むのに1秒かかる場合、Aが観測できるのは1秒前のB、Aの今をBが観測するのは1秒後になる。この2秒間は、過去でも未来でもない。 個々の観測系から観測される事象については時間的な前後関係は決定できる。これは親子関係のようなものだ。物理学では、現在という点から広がる円錐として過去と未来を考える。これを光円錐という。 だが、異なる観測系にとって共通の「過去」「未来」もあれば、一つの系にとっては「過去」と決定できるが、もう一つの系では前後関係を決定できないものもある。つまり、二つの光円錐が重ならない事象がある。 要するに、万人にとって共通の「現在」などというものは存在しない、という結論になる。 重力場 いや、そうは言っても、いわゆる「神の視点」から見た時間の流れを想定すれば、「今」を定義できるのではないか、と思いたくなる。この、「他のものから独立した時間軸」というのはニュートンの古典力学的な考え方だ。ついでに言えば、「他のものから独立した座標系」というのもそうだ。 現代物理学では、これも発展的に解消されている。ここで「場」の考え方が出てくる。時空とはすなわち重力場だ、ということになるらしい。質量をもつ物体があると、重力場が歪んで時間の流れがゆっくりになる。つまり、時間とは他のものとは独立では決してなく、空間に編み込まれていて、物体から影響を受ける。 そして、重力場は電磁場などの他の場から影響を受ける。ありとあらゆる意味で、時間は他のものから独立ではあり得ない、ということになる。 量子としての「時間」 最後に、これまた完全に私の理解を超えているが、時間もまた量子なのだそうだ。まず、時間には粒子としての性質があり、だいたい10^-44 秒が最小単位だそうだ。つまり、時間は離散的な値しかとらず、連続的ではない。そして、時間には波としての性質もあり、常に揺らいでいる。 こごまでくるともうお腹いっぱい。確かに、時間は存在しないと言ってよさそうだ。 第二部 時間のない世界 それでは、「根源的な時間のないこの世界」をいかに記述すべきだろうか。 「時間」はないけど、「変化」はある 結局、この世界は「物」ではなく「出来事」でできていると考えるとうまくいく。「変化」と言い換えてもいい。原子や電子、素粒子も量子としての性質がある以上、波としての揺らぎがある。「物」もつき詰めれば「出来事」になるわけだ。 時間がどれだけわれわれの直感に反していても、出来事は起きるし、理解しやすい。もしも「時間」が出来事の発生自体を意味するのなら、あらゆるものが「時間」であるとも言える。 世界を記述するのに「時間」は必要? じゃあ時間は存在するじゃないか、という話になる。 「変化」は時間の関数によって表すものだ、という常識が私たちにはある。人類は、物事の変化をまず、「日数」や「月の満ち欠け」「太陽の高さ」に関係づけた。これらが暦や時計を生み、「一つの変数を選んで『時間』という特別な名前をつける」ことになった。 だが、それは不要だ、と著者は断言する。ある量の変化は、別の量の変化との関係がわかれば、それで表現できる。必ずしも時間の関数である必要はない。重要なのは「もの同士が、互いに対してどのように変化するのか」なのだと言う。 確かに、第一部で見てきた時間の性質をふまえると、変化を記述するときの変数は絶対に時間がいい!と言えるほど、時間は確かなものでもないように思える。 量子重力学 ここで、筆者の専門である量子重力学が紹介される。量子重力学は、ビッグバン以降、膨張を続ける宇宙全体の振る舞いをあつかう量子論を作ろうとしたそうだ。その結果、時間という変数を含まない基本方程式が導かれた。量子論的な宇宙は「時間が経つにつれて膨張する」という形ではなく、宇宙の大きさや物質の状態といった、時間以外の変数の間の相互関係として表されたのだそうだ。 いずれにせよ、基礎的な物理現象を記述するために、時間変数は必ずしも必要ではない。これはニュートン以来の考え方を覆す知見だ。 第三部 時間の源へ 量子変数の「非可換性」と「時間順序」 それでは、物理的な出来事の時間順序が決まるのはなぜか。これは量子変数の「非可換性」による、という考えが述べられる。例えば、電子の位置を測ってから速度を測る。逆に、電子の速度を測ってから位置を測る。そうすると、前者と後者で結果が違ってくるらしい。これが量子変数の「非可換性」なのだそうだ。 エントロピー再考 また、エントロピーについても再考される。量子力学的な視点に立つと否定されるエントロピーだが、実際にはわれわれの観測能力が限られている以上、われわれの世界の認識は「ぼやけ」を伴わざるを得ない。エントロピーはこれによって生じるというわけだ。そして、これが時間の存在の源となっている。 それでは、宇宙初期のエントロピーがなぜ低かったのか、という点についても、著者独自の考えが述べられる。それは、わたしたちが属している物理系は宇宙全体のごく一部に過ぎず、その一部がたまたまエントロピーが低い特殊な状態にあったのだ、というものだ。これは物理学の世界でも新しい考えで、あくまでも一つの仮説なのだそうだ。 時間という内的な感覚 過去は「現在のなかに痕跡を残す」。月面のクレーターも、古生物の化石がその例だ。では、過去をとどめる痕跡があっても未来の痕跡がないのはなぜか? それは「過去のエントロピーが低かった」ことに起因する。「過去と未来の差を生み出すもの」はほかに見当たらないという。 記憶もまた、過去が現在に残した痕跡だ。時間が経過するという内的な感覚は、過去だけが記憶をつくり、未来はつくらないという非対称性に由来する。過去のエントロピーが低かったことで、シナプス結合の生成と消滅という物質的なプロセスが生み出され、記憶が形成される。 感想 最終的には、記憶という私たちの内側からの視点で、時間は語られることになった。たしかに、時間を感じているのは私たちなのだから、これでよいのだ、という気もする。 「時間とは何か?」という問いは、哲学者の古来からのテーマで、現在も哲学的な探求はなされている。そこでは内省的なアプローチは欠かすことができない。一方、現代物理学の知見は哲学にも影響を与えている。哲学と物理学、両者の間には乗り越えるべき壁がまだまだあるとはいえ、「時間」に対するアプローチは近づいてきているそうだ。 本書を通じて、時間がいかに相対的なものか(これが「相対」性理論と言われる所以のひとつ)、少しだけ理解することができた。自分自身の物理の知識は量子力学止まりなので、本書の内容をきちんと理解するためには、相対性理論や場の量子論など、もっと学ばないといけないのだろう。 さて、娘には何と話したものだろうか。本書で学んだことを妻に話した。 「社会生活に必要な時間の観念を伝えればいいのよ」 …まったくもって、その通りだ。
1投稿日: 2024.09.03
powered by ブクログ相対性理論とこの本とプロジェクトヘイルメアリーが私の中でつながった パッと部屋の時計を見たら時間が少しだけズレていた。時計はズレるものって思ってたけど、時間がズレてるとは思ってなかったな。 特別って概念はややこしくさせるものだな 特別は自分にとっての特別でしかない たしかに私は曖昧に物事を捉えていたな、今は常にこの瞬間しかないのに、だいたい今ですべてをまとめて捉えている。本当に今について考えていたら、今について問うことはしない。 当たり前に思ってるものほど、当たり前じゃないが隠れているなぁ この本でも宇宙規模の鏡のゲームという言葉が出てくるとは 人が見たいように見るということを色々考えさせられた 最近読んでた本の内容が科学的に語られていて、つながってるのが面白い
0投稿日: 2024.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
坂本龍一のTIMEを観に行って、『坂本図書』を読んで、取り上げられていたので手に取りました。『世界は関係でできている』も面白そうなので次に読もうと思います。 平易な語り口調であり、文学や音楽への言及もありながら導かれる「時間は存在しない」?ということ。 第一部で基礎的なことを確認しつつ、第二部が一気に面白かったです。 ・エネルギーではなくエントロピーがこの世界を動かす ・この世界の成り立ちの歴史、これらすべてがはるか昔の事物の配置が「特殊」だったという事実から生じた結果に過ぎない ・そのうえ「特殊」というのは相対的な単語で、あくまで一つの視点にとって「特殊」なのだ。あるぼやけに関して特殊なのであって、そのぼやけは問題の物理系とこの世界の残り部分との相互作用によって定まる。…(p.166) 「ミリンダ王の問い」この前どこかで出てきた気がするが思い出せない・・ アイデンティティーの構成要素(p.170-) (1) わたしたち一人一人がこの世界に対する「一つの視点」と同一視されるということ。この世界は、自分たちの生存に欠くことのできない豊かな相互関係の広がりを通じて、各自のなかに反映されている。一人一人がこの世界を反映し、受け取った情報を厳格に統合された形で合成する複雑な過程なのだ (2)わたしたちはこの世界を反映するなかで、世界を組織して実在にする。つまり、グルー分けして、分節化した世界を思い描くのだ。自分たちがその世界とよりよく相互作用するために、一様で安定した最良の連続的過程としての世界を思い浮かべる。…世界に線引きをして部分的に分け、境界を策定し、細かく分けて似姿を作るのだ。※神経系はこのような形で機能するように作られている※わたしたちは、自分と似た人々と相互作用することによって、「人間」という概念を形作ってきた。思うに、己という概念はそこから生まれたのであって、内省から生まれたわけではない。「人」としての自分を考えるとき、わたしたちは仲間に当てはめるために自ら開発した精神的な回路を自分自身に適用しているのだ。 (3)時間のあちこちに散らばる過程を糊づけし、わたしたちを形作っているのは記憶だ。その意味で、わたしたちは時間のなかに存在する。…脳は過去の記憶を集め、それを使って絶えず未来を予測しようとする仕組みである。…過去の出来事と未来の出来事にまたがって生きていくことが、わたしたちの精神構造の核となっている。これが、わたしたちにとっての「時間」の流れなのだ。…時代や時間が実際には精神のなかにのみ存在する(アウグスティヌスの主張) ↑の章は、そうはいっても時間は過ぎるように感じますという感覚に寄り添ってくれる章だった。
0投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ自分の中の常識が変わるような感覚があり始めの何章かはかなり面白かった。途中からは同じ内容の繰り返しで惜しかった。
4投稿日: 2024.06.25
powered by ブクログ私の理解力ではつかめそうでつかめない。世の中の時間に対する本質的な答えが説明されているのはわかる。エントロピー増大の法則が秩序から無秩序への変化であり、その不可逆性によって我々は時間を感じる。したがって時間は、我々の知覚でしかない。秩序を特別とするのも理解力のない人間が勝手に決めたものであるというところまではわかった。けども、、、すべてエントロピーは増大するという話だが、赤ちゃんが老人になって死ぬのは無秩序化する例としてよくあげられてるのに対して何もないところから受精卵ができて赤ちゃんになるのは無秩序から秩序になっていないか?確かに秩序=特別と決めているのは人間だけれど、例えがまずしっくりこない。
15投稿日: 2024.04.27
powered by ブクログ時間は物理として存在しなくて、出来事の移り変わりから認識した概念でしかない、という理解をしたけれど、エントロピーやら熱時間やら、わからない概念が多いのと、小説っぽい情緒的な文章が、何を言ってるのかわからない状態に拍車をかけて、一度読んだだけでは、腑に落ちるとこまで理解できなかった。量子力学で議論されていることが、一般人の私たちが認識している世界と全く異なるんだな、ということを知れたのは目から鱗だし、面白かった。
1投稿日: 2024.02.10
powered by ブクログ表現は平易なので、書いてあることはわかるのだが、頭に入ってこない。こういう研究分野があるのかと思うだけで、畏れ入る。
0投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログよかったフレーズのメモ 始まったものは、必ず終わる。わたしたちは過去や未来に苦しむのではなく、今この場所で、記憶のなかで、予測のなかで苦しむ。時さえなかったなら、と心から思い、時間の経過に耐える。つまり、時間に苦しめられる。時は悲嘆の種なのだ。 これが時間であり、だからこそわたしたちは時間に魅せられ、悩む。 中略 時間は、この世界の束の間の構造、この世界の出来事のなかの短命な揺らぎでしかないからこそ、わたしたちをわたしたちとして生み出し得る。わたしたちは時でできている。
0投稿日: 2023.11.26
powered by ブクログ私にはループ量子重力理論も関係量子解釈も選択できる能力が無いが、時間に関する結言には深く納得した。新しい人生観を知れて嬉しく思う。
0投稿日: 2023.09.05
powered by ブクログおもろかった。。と思う?ていうか、おもろいんだが、やっぱり理論物理学は良ぅわからん。本書、非常にわかりやすい平易な語彙と文章で、書かれた意味はわかるんだが、理解できないっちゅうか。わかりたくないというか(笑) 青く美しい装丁で、読み始めていきなり図にスマーフが、、ほんで青なんかい!とツッコミながら、どうしてもなんでスマーフなんか気になりすぎて序盤内容が入ってこん(笑)。ともかく、アルバート氏の相対性理論も、特殊までは理解できんこともなかったが、一般のほうはお手上げだったので、本書を楽しむためにはそもそもそこらへんからやり直すべきなのかもしれない。でも、嫌じゃ。 簡単な事実、時間の流れは場所によって違う。低地では遅く、高地では速く流れる。高額な高性能の時計とちょっとその計測の技術を学べば誰でも時間が減速するという事実を確かめることができる。ラボレベルだと、数センチの高さの違いで生まれる時間の減速を検出できるらしい、、らしい、、。時間だけでなく、低いところではあらゆる事柄の進展がゆっくりになる、ちゅうことが序盤で説明される、、しかもスマーフが、スマーフ、、。今は、計器で測れるんだが、そんな精密機械のないころにアルバートは時間が至るところで同じように経過するわけでないことを理解してた、ちゅうことである。なんかもう、Aweしかない。 つうことで、重力。地球と太陽が直接引き合っているのではなく、その中間にあるものに順次作用していると仮定すると、この2つの間には空間と時間しかないので、時間構造の変化が2つの天体の動きに影響を及ぼして、結果2つの天体がお互いにむけて「落ちる」。簡単に言うと、簡単にいうと、物体は周りの時間を減速させるので、地球は巨大な質量があるのでコアに近いほど周りの時間速度が遅くなる。ちゅうことで、山より平地のほうが減速度合いが大きく、よって、山で住むより、平地で住む方がゆっくり歳をとる、ちゅうことになるんだそうだ。ゆうて、誤差程度だろうが、ミリでもミクロンでも長生きしたい人は平地で暮らせということか。なんならマリアナ海峡の底とか(どないすんねん) ともかく、物が落ちるのは時間の減速のせいなので、惑星間空間では時間が一様に経過するので、物が落ちないんだそうだ。 >もしも「現在」に何の意味もないのなら、宇宙にはいったい何が「存在するのか」。「存在する」ものは、「現在」にあるのではないか。 じつは、何らかの形態の宇宙が「今」存在していて、時間の経過とともに変化しているという見方自体が破綻しているのだ。 話は身近な物になるが、コップいっぱいの水、H2Oという水素と酸素が結合したやつで、熱い時(日本語だとお湯やね)はその分子が大騒ぎしている状態、逆にひゃっこい時(氷っちゅう状態)は、スンってしてるんやけど、お湯にしたい時は外から熱を加えて(火にかけて)、凍らしたい時は冷凍庫に入れりゃ、なんも考えんでも、状態がかわるんだが、分子のわちゃわちゃ度で状態が変わることを理解していれば、攪拌したり、振動を加えたら状態が変わるちゅうことでもあるな。身近なところで電子レンジちゅうやつである。これを、人為的に振動させることができたなら、領域展開できるちゅうことになるな、、、と言うようなことを妄想しながら、読んだ。結局何考えとんねん、ってことである。 >この世界は、物ではなく出来事でできている。 時間はすでに、一つでもなく、方向もなく、事物と切っても切り離せず、「今」もなく、連続でもないものとなったが、この世界が出来事のネットワークであるという事実に揺らぎはない。時間にさまざまな限定があるいっぽうで、単純な事実が1つある。事物は「存在しない」。事物は「起きる」のだ。 ちゅうことで、時間は存在しているんではなく、時間は起きてるもん、ちゅうようなことなんやろねぇ。屁の理屈的なもやもやを感じる凡人たる私。 まあ、なんちゅうか、理論物理学て哲学とか宗教とかに近しいノリを感じてしまうんだが、実は哲学とか宗教とかが理論物理学に寄せてるんではなかろうか、と本書を読んで感じたのであった。ちゅうことで、人生とは?と考えるのにとっても良い書であった(個人的な感想です) 量子場の複雑な振動っていわれてもなぁ、、
24投稿日: 2023.07.26
powered by ブクログNHK出版 カルロロヴェッリ 「 時間は存在しない 」 「時間や空間が根源的ではない」と主張する物理学(ループ量子重力理論)の本。エネルギーを扱うと思っていた物理学が 世界の認識を扱うことに驚く 世界の根源にあるのは「時間や空間に先立つネットワーク」であり「時間のない世界」を前提としている。ただ 時間のない世界でも、過去から未来に向かう「時間の流れ」は 当たり前の事実のように感じられる という、ややこしい論理。さらに「時間の流れ」という感覚を 記憶とエントロピー増大の法則から説明 アインシュタイン の一般相対性理論による時間の描写「この世界は、ただ一人の指揮官が刻むリズムに従って前進する小隊でなく、互いに影響を及ぼしあう出来事のネットワークなのだ」 主な内容 *時間は、一つでなく、空間の各点に異なる時間が存在する *時間は、方向もなく、事物と切り離せず、今もなく、連続でもない *時間という特別な変数はなく、過去と未来に差はなく、時空もない *過去と未来が違うと感じるのは、過去の世界が、私たちのぼやけた目に「特殊」に映るから *時間が流れるリズムは、重力場によって決まる 量子重力物理学は 時間のない世界を理解し、意味を与えようとする試み この世界は事物でなく出来事でできている
0投稿日: 2023.06.29
powered by ブクログイタリアの理論物理学者による本です。数式は全く出てこず、一般読者を対象とした本です。3部構成になっていて、第1部は「時間のない世界」ということで、一般の人々が考える時間の概念を1つずつひっくり返していく作業が科学史をひもときつつ行われます。アリストテレスの時間論に対するニュートンの時間論、そしてアインシュタインがこれら2つを統合する形で一般相対性理論を完成させ、我々の時間の概念が正しくないことを示します。ここまでは多少科学の知識がある読者であれば、「そうそう時間は高度や速度によって流れ方が違うんだよね」ということになるかと思いますが、ここからがなかなか難しいパートに入ります。著者は「ループ量子重力理論」というものを推進しているとのことなのですが、それが記述され始める第2部あたりからは正直ついていけませんでした(純粋に私自身の能力不足ではあります)。第3部では「時間の源へ」ということで、時間を議論するというより実は人間とは何かという問いかけに戻ってくるのですが、こちらも哲学者と文学者の引用が多く、個人的には著者が自分の文章に酔っている感じがしてあまり好印象は持てませんでした。最後の章は詩人モードになっていたと思います。本書は一般読者を対象にしているとはいえ、読み込むのはそこまで容易ではない、ということを念頭に置きつつ読まれることをお勧めします。
0投稿日: 2023.05.06
powered by ブクログ著者はループ量子重力理論者 客観的で確実な空間や時間はこの世界に存在しない。 一応物理の本なのだが、哲学的でもあり、数多くの古典からの引用がある。
0投稿日: 2023.04.19
powered by ブクログKindle Unlimitedです。 『なぜ時間は存在しないのか』に比べると非常に読みやすい良訳でした。 物理学の知見を深めていくと、「時間」が持っている(とわたしたちが思っている)様々な性質は特殊な条件でのみそう言えるようなもので、本質的には必ずしも必要のない仮定であることがわかります。 たとえば、すべての点であまねく同じ時間が流れている。時間は過去から未来へ一方向に流れている。時間は連続変数である。など。 時間も粒からなり、それをより大きな系から眺めると、なめらかに流れるように見えているだけ。そして、その流れは、エントロピーの低い方から高い方へという熱力学の法則に従い変化する世界の流れ(熱時間)と表現されるものだということです。 このあとに読んだ『アフォーダンス』もそうですが、「わたしと環境の相互作用」が読み解く鍵になりそうで、なにか精神に関わるものと物理に関わるものが融合されて論じられるような世界も近いような気がしてきました。
1投稿日: 2023.04.02
powered by ブクログ面白かったけれど、読み進めるのに苦労した本。物理学の話と哲学の話が混ざっていて、あとは著者自身の考え方も物理学的に証明されていない中で色々と入っているので、どこまでが事実で、どこまでがアイディアなのかを整理するのに苦労した。 いくつか気になったポイント。 相対性理論の方程式には、単一ではなく無数の「時間」がある。二つの出来事の間の持続時間は一つに定まらない。物理学は、事物が「時間のなかで」どのように進展するかではなく、事物が「それらの時間のなかで」どのように進展するか、「時間」同士が互いに対してどのように進展するかを述べている。 →つまり、一様な時間なんぞ存在しないし、私たちが生きている世界の物理学は、結局その一様の時間の中での出来事の解明なのである。 時間の概念は、確定する際の精度によって決まる。ナノ秒単位で確定する場合の「現在」の範囲は、数メートル。ミリ秒単位なら、数キロメートル。わたしたち人間に識別できるのはかろうじて一〇分の一秒くらいで、これなら地球全体が一つの泡に含まれることになり、そこではみんながある瞬間を共有しているかのように、「現在」について語ることができる →遠く離れている世界では、時間の概念は全く異なってしまう。私たちの認識できる世界が、地球の規模だと一様でいられるということ。 量子力学の世界において、時間には最小幅が存在する。その値に満たないところでは、時間の概念は存在しない。もっとも基本的な意味での「時」すら存在しない →ここにはゆらぎがあって、予測不能の世界があり、過去も未来も存在しない わたしたちはずっと、この世界をある種の基本的な実体の観点から理解しようとしてきたが、調べれば調べるほど、そこに「在る」何かという観点ではこの世界を理解できないように思えてくる。出来事同士の関係にもとづいたほうが、はるかに理解しやすそうなのだ。 →全ては出来事の集合体である ボルツマンの理論の核心にはこのぼやけがあって、そこから熱やエントロピーの概念が生まれ、さらにそれらの概念が、時間の流れを特徴づける現象に結びつく。 →出来事が起きるのはエントロピーが高いところと低いところがあり、それが流れるから。一様であれば物体は変化しないし、物事は起きない 要約すると 万物に共通で一様な時間というものは存在せず、物事は出来事の集合体。ミクロな世界になれば過去も未来もない状態となり、ゆらぎが発生する。このゆらぎを人々は過去という形で記憶をして生きている。また、出来事があるのは熱力学の法則によるもの、つまりエントロピーの違いがあるから起きる。 みたいなところかな。相対性理論はたまに読んでるので概念を理解していたが、私たちの体の変化もエントロピーの増大によるものか、と思いつつ、結局彼のこの見解から「時間は存在しない」と言い切る(表題)は乱暴に思えた。 超ひも論とかはやや難解で理解しきれなかった。
0投稿日: 2023.03.12
powered by ブクログ元々時間論に興味があり、主に哲学系の時間論を読んできたのだが、よく訪れる大型書店で、目立つカバーと書名の本書が目に留まり、物理学系時間論の入門書であることを期待して購入。 本書を読み進めてみてまず驚くのは、その文体である。 訳者の冨永星氏の訳も秀逸であるが、一般向けとはいえ物理学系の書籍であるにも関わらず、詩的・文学的な表現が極めて多く読みやすい。数式も、いわゆる熱力学の第二法則(エントロピー増大の法則)で"時間の矢"を表す「ΔS≧0」の一本しかなく、一見しただけでは物理系書籍とは思えない。 しかしながら本書は、相対性理論や量子力学を勉強したことのない読者に対しても、独特の文体で一般的に浸透している時間概念を次々に打ち破っていく。 時間には向きがなく、「今」には何も意味はなく、したがって普段当たり前のように使用している「過去」「現在」「未来」という言葉でさえ、時間構造を語るには不適切であるとしているのだ。 自分がこれまでに触れてきた時間論においては、時間というものは、古典物理学の立場では座標上に変数tで表されるような絶対的なものであり、相対性理論の立場では場所によって伸びたり縮んだりする相対的なものであり、現象学の立場では記憶(未来予持と過去把持)により表出されるものである、といった漠然とした理解はしていたものの、量子重力理論の立場や熱力学的視点で考えたことなどなかったので、読み進めるほどに知的好奇心をくすぐられた。 本書で述べられている論考は、著者のカルロ・ロヴェッリが研究している「ループ量子重力理論」がベースになってはいるが、本理論について簡単に述べられているものの深く解説することはせず、時間を多角的な視点で捉えつつ本質に迫っているところが、多くの読者を獲得した理由なのではないか。 物理学視点だけでなく、デカルト、カント、ヘーゲル、フッサール、ハイデガー、ベルクソンなどといった近代哲学者の他にも宗教家、神話、詩、文学などから得た言葉や脳科学までにも言及しつつ"時間の非存在性"が熱く述べられているため、本書は理論物理学的時間論というよりも、"学際的時間論"と表現した方が相応しいかもしれない。 とにかく、これまで広く受け入れられてきた時間概念に一石を投じる内容であることは間違いなく、個人的にも久し振りに霧が晴れる読後感であった。 これをきっかけに最新理論物理学にも興味を持てたので、著者の他の作品も読みたくなったとともに、まだ読んだことのない時間論にも触れて更に見識を広めたいと思える作品であった。 時間を探求することは、人間そのものを探求することに繋がると改めて実感した次第である。 やはり、時間は深い。
0投稿日: 2023.03.10
powered by ブクログ時間は絶対的な尺度ではなく、相対的である。つまり、時間は空間と一体化した広がりであり、それはゴムのように伸び縮みする。そもそも、時間と空間は過去と未来を区別する方向性もない。では、なぜ我々は過去から未来に至る時間軸をありありと感じているのか?この結論について、残念ながら私は著者の考えを理解するに至っていない・・・。人間のあまりにも当たり前に感じている感覚から脱却し、科学や論理により真理を追究していこうとする研究者の努力と熱意には大変頭の下がる思いがする。
0投稿日: 2023.02.19
powered by ブクログ時間をどうとらえればいいのか。 冒頭で重量からの距離や動静による時間の進み方が違うのは理解できた。アインシュタインの相対性理論に関する本を読んだことがあるから。 後半の量子の揺らぎやエントロピーの話になるとなかなか難しい。 唯一無二の時間は存在せず、相対的なものなのか。 時間の流れはエントロピーの大きい方へ向かい量子ネットワーク間をジャンプしている。 過去が特殊なのはエントロピーが低いためそちら方向へジャンプしないから時間は一方方向へ流れていると感じるのか。 すべてはあまりに微細で小さな世界なのでなめらかでシームレスにしか我々は認識できない。 このような理解でいいのかな。
0投稿日: 2023.02.12
powered by ブクログかねてより、「“時間が流れる”感覚って、人間が“時間”を便宜的に定義しているからこそ生まれているものなのでは?」と考えていた自分にとって、我が意を得たり!な読書になった。ほんの少し触れられている人類の時間の運用史が面白い。 「時計の針の動きは時間の流れを便宜的に可視化しているだけ」という感覚は昔から抱いていて、そんな“時間のない世界”には何があるのか? という疑問に対しても答えが提示されている。引用されているGrateful Dead「Walk in the Sunshine」の歌詞が自分の考えと同じで興奮した。 〈きみのその腕時計を海に投げてしまえ。そしてわかろうとしろよ。きみが捕まえようとしているその時が、ただの針の動きだっていうことを……〉(Grateful Dead「Walk in the Sunshine」)
0投稿日: 2023.01.09
powered by ブクログとても面白かった。全てを理解したわけではないが理解出来ないのはやはり「時間」という単語が表しているものが場面場面でぶれる事、しかしながらそのブレまで含めて私達は「時間」というものを認識しているのだという事なのだろうと思った。
0投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログ難解で全部理解したわけではないが、時間というものに対する考え方が少し変わった。 一生分のエントロピーって言葉を読んだ気がする。
0投稿日: 2022.12.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
カルロ・ロヴェリ氏の書籍3冊目だが、この本が一番難解だった。いやはや、事実の説明を淡々と述べるのではなく、形而上的な論点まで舞い上がってついていくのがやっと。ですが、時間は存在しないという衝撃が脳内を刺激して、心もとない浮遊感に誘われます。理解もそこそこに、一つの物語として感性に訴えるものがあります。 物理学の面は何度目かのループ量子重力理論ではあるが、どうも自分の実感からの乖離がすさまじくて腹落ちがどうしてもできず頭が追い付かない。その反面、著者の文学的が文章の卓抜さは胸いっぱいに受け止めることを務めた。氏は古代戯曲や詩歌に精通しており、哲学や生物進化学といったところまでカバーしていてまさに博識強記といったところ。そういった洗練された表現を心に留めておこう。 P119 第八章 関係としての力学 だが、不在だから悲しいのではない。愛着があり、愛しているから悲しいのだ。・・・だからこそ、不在がもたらす痛みですら、結局は善いもの、美しいものなのだ。なぜならそれは、人生に意味を与えるものを糧として育つのだから。 P173 第十二章 マドレーヌの香り 「考える ゆえに、 我あり」はデカルトによる認識の再構築の第一歩ではなく、第二歩なのだ。第一歩は、「疑う、ゆえに、考える」であって、デカルトは、主体としての存在の経験と直結した先験的な仮定を再構築の出発点としたわけではない。これはむしろ、一つ前のデカルトが疑うに至った過程の、経験的で合理的な反映なのだ。・・・自分自身を主題とする思考は、その人の一次的な経験ではなく、ほかのさまざまな考えにもとづいておこなわれる複雑で文化的な推論である。・・・わたしたちは、自分自身の同類から受け取った「己」という概念の反映なのである。 最新作もでているので、理解を深めるためチャレンジしてみようかな。
1投稿日: 2022.12.26
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シーラーズのサアディー 国連の本部入り口に刻まれている詩の作者=人間は同じ脊髄から作れらていて、一か所が痛めば他の場所も痛む。人々の苦しみに無頓着な人は、人の名に値しない。 熱は熱いところから冷たいところに移る。この方向にしか動かない=過去と未来を区別できる。ほかの法則は過去と未来を区別益ない。 エントロピー増大の法則=熱力学の第二法則。熱は冷たい物体にしか移動しない。 エネルギーではなくエントロピーが世界を動かす。 低いエントロピーが高いエントロピーになること、が運動の本質。エントロピーが平衡すれば、動けなくなる。 太陽の光子が届くと、その10倍の光子が放出される。その結果、エントロピーが低下する。 物質は、薪でも水素でも低いエントロピーに閉じ込められている。増大すればエネルギーになる。石が落ちると位置エネルギーを失う。そのかわり地球と衝突することで熱に代わる=力学的エネルギーが熱に代わる。=エントロピーが増大する。逆は起こらない。熱の存在がなければ、石は永遠に跳ね続ける。エントロピーが石を地面にとどめている。 アインシュタインの相対性理論=速度があると時間が遅れる。飛行機に時計を載せると、地上にある時計に比べて遅れた。=動いている物体にいると静止している物体にいるより、経験する時間が短い。動いている物体に対しては時間が縮む。 恒星にいる人の今、は地球にいる人の今ではない。地上で観測できるのは数年前の光や電波だから。 光の速度で1/10秒程度=地球程度であれば、現在を定義できる。宇宙全体で同じ瞬間はない。 祖先と子孫の関係=円錐形の半順序。時間的先行性。宇宙の出来事は部分的な順序があるだけ。 ブラックホールに時間ごと吸い込まれると、そこから出るには現在に向かって動く必要がある。宇宙が時間とともに変化しているという見方が間違っている。 ニュートンの方程式には、時間tが役割を持つ独立した変数。 真空は、トリチェリの実験によって裏付けられたが、素粒子などのブル知的実体は残っている。真空はニュートンの理論的概念で、実際には存在しない。 事物は、存在しない。起きる、もの。 量子重力の方程式には時間の変数はない。 ループ量子重力理論の方程式も同じ。 量子論と重力理論の統合のための理論として、超ひも理論とループ量子重力理論がある。 量子論で重力を扱えない理由は、重力に量子論的なゆらぎを仮定すると、揺らぎの影響で重力理論が成り立たなくなる。重力は核力や電磁気力に比べて弱いため、精密実験ができない。 宇宙が始まったときエントロピーが低かったのは、特殊な状態だった。だから熱力学(エントロピーの増大)だけが時間の概念を持つ。マルチバース宇宙論。 理論物理学は数式をいじるだけになり勝ちだが、発送も大事。
0投稿日: 2022.09.09
powered by ブクログ物理学的に時間は存在しない。哲学のようなわかりやすさ(わかりづらさ)であっても、半分程度しか理解できていないかもしれない。 宇宙全体に共通な今はなく、時間の速度も異なる、世界の基本原理には時間も空間もなく、ある物理量からほかの物理量に変化するだけ。 世界のごく小さなわたしたちの視点からは時間が流れるのが見える。部分的相互作用で量子の不確かさでぼやけて見え、それはエントロピーの増大が過去と未来の差を生み出している。 われわれは「日が満ちて」死ぬまでの短いサイクルを喜怒哀楽と共に輝き、目を閉じて休むことの公平さが時である。 246冊目読了。
3投稿日: 2022.09.03
powered by ブクログ最初の方はかなり面白いと思ったけど、後半ちょっとしんどくなった感じ。 きちんと並べたトランプを切っていくとグチャグチャになることを、エントロピーの説明によく使うけど、それは私も違和感があり、赤と黒にきっちり分けて、数字順に並んでいるのを秩序立っている、エントロピーが低いとするのは恣意的だと思う。なので、うん、それでそれで?と思ったのだが、話の方向はちょっと違った。 ただ、エントロピーが常に増大する前提から、低い状態と高い状態を比べ、低い方が先にあった、つまり過去と判断してしまう、というのは良くわかる。 そして、熱力学とか相対性理論とか量子とかの話だったのが、最後は哲学的になったり詩的になったりするのは、こういうテーマの本にありがち、かも。
0投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログ「すごい物理学講義」でカルロ・ロベッリにハマりすぐさま「時間は存在しない」読みました。ほとんど数式の登場しない物理学の本です。唯一の例外はエントロピー増大の法則「ΔS≧0」のみ。この式は人間が時間を捉える感覚のベースになるものであり、カルノーからのクラウジウス、からのボルツマン、は前著ではあまり触れられなかった軸です。数式の登場しない物理学の本は、人間が何を感じて何を考えて来たかという歴史になり、それは哲学であり、また著者はそれを非常に詩的に表現しています。第11章でアウグスティヌス、カント、フッサール、ハイデガーを辿り、プルーストの『失われた時を求めて』にたどり着くのはこの本の領域の広さの証明です。広範、というだけでなく著者のバックボーンである「ループ量子力学」まで断絶なく繋がっているので最先端であるのです。結果的に「宇宙」と「人間」についての物語なので、本書では使われていませんが「人間性原理」に近いところにあるのでは、という読後感でした。ここらへんが微妙にモヤモヤも残っているので、もう一度読みたい気もしますが、いや、次の『世界は「関係」で出来ている』もすぐ読みたい!どっちだ?
0投稿日: 2022.08.29
powered by ブクログループ量子重力理論の研究者だが、一般向け書物多数。理論物理学者が時間を語る書物は面白くて考えさせられるが、意外にも哲学的で叙情的な傾倒もあって驚いた。同理論が万物の理論となりえることを目指しているわけではないとのスタンスだった。一文一文が短くて読みやすいが、ぼやけた視点がエントロピー増大を感じさせる点について疑問が残った。量子の位置と速度の非可換性、この相互作用の順序が量子論を特徴づけるもので時間的な順序の原始形態なのだという。これをアラン・コンヌが数学的に定義したとのことで、もう少しこの点を掘り下げてほしかった。 我々の身の回りはあくまで特殊な系にあって、エントロピーの増大を感じる根源は、自分自身や意識を認識することと時間を感じることが表裏一体になっているポイントにあるとのこと。紹介されている「脳と時間」も非常に気になる書物。
0投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログ高所と低所では時間の流れる速度は変わる。 との冒頭で、面白い!! ってワクワクしたけど、以降物理的な説明はチンプンカンプン でも気になってた本だし、「三体」でこんなの言ってたなって部分もあって、読めて良かった
0投稿日: 2022.07.19
powered by ブクログ詩的な表現が印象に残る、筆者の思いが伝わってくる文章だった。 時間は存在せず、エントロピー増大などの出来事の積み重ねでしかない、という趣旨でなるほどではあるのだけれども、やはり感覚としては受け入れ難いものだった。しかし事実は事実。 後半触れられていた、時間がないなら意識って何なの?という部分がものすごく気になるので色々量子力学の本を読んでみたいと思った。
0投稿日: 2022.07.09
powered by ブクログ気鋭の物理学者による時間論。アインシュタインの相対性理論によれば、時間に「今」は存在しない。さらに量子論によれば、時間に過去と未来は存在しない。私たちの当たり前は、ちっとも当たり前じゃなかった。
0投稿日: 2022.06.19
powered by ブクログ一体この人の頭の中では何が起こっているのか。 現代最高峰の物理学者でありながら、詩人でもあり哲学者でもある。美学、音楽、文学への造詣も深く、重層的な教養のなせるわざなのか。ただただ圧倒されてしまう。 とはいえ、ご本人からしたら、目玉の裏にある襞の間の出来事、と嘯くのでしょうが。
0投稿日: 2022.06.03
powered by ブクログ註にある方程式的なことは皆目わからないけど、ホワイトヘッドが哲学に走るわけだと思った。実体のない関係性の世界というイメージは多分プロセス哲学とほぼ同じなんではないかと。あくまでイメージですが。 超ひも理論とループ理論が争ってるみたいですが、どっちも部分的に正しいみたいな止揚はあるのだろうか?言語では矛盾を含む表現とか詩的なフレーズで近似を指し示すことができても、数式ではそうもいかないのだろうな。多分。
0投稿日: 2022.06.01
powered by ブクログ難しい本が存在することがわかった この本の3分の1もしくは4分の1も理解できていない このような動きの影響を実際に目で見るにはうんと早く動く必要がある この差が初めて測定されたのは1970年代の事だった 飛行機に正確な時計を乗せたところその時計が地上に置かれた時計より遅れたのだ 速度による時間遅延は今では様々な物理実験によって直接観察することができる 記憶と呼ばれるこの広がりと私たちの連続的な予測の過程が組み合わさったとき私たちは時間を時間と感じ自分を自分と感じる
0投稿日: 2022.05.12
powered by ブクログ時間は絶対であるという概念を覆す内容。専門家の知識も交えて書かれているため、理解できる(と思っている)ことは当然全体のほんの一部しかない。 書いてあることの中で印象的だった内容。 自分はなぜ、時間が流れていると感じるのか。それは二つの要素が組み合わさった結果、そう思い込んでいるからである。 ひとつめは、自分の記憶。 ふたつめは、目の前に残っている過去の痕跡。 脳がこのふたつを組み合わせて、過去を認識している。一方、未来には痕跡がないから、未来は定まっていないと感じる。 こんな風に本書の一部を切り抜いても訳がわからない。けれども全文を読んでみると、不思議と「そうなのかもしれない」と思わせる説得力がある。 「テネット」や「メメント」など、クリストファー・ノーランの世界観が好きな人ならワクワクできると思う。
0投稿日: 2022.05.12
powered by ブクログ名著だからといって一般の読書好き程度のサラリーマンが理解できるものではなかった。 Youtubeと並行で読んでやっとつまみつまみ理解ができました。 学べた事 時間は均一に流れているものではないということ。高い所と低い所では時間の流れがちがい、また動的なものと静的なものでも時間の流れが違うという事。 この事実は知らなかった。より多くの時間を得るためには低い所で動き続ければより多くの時間を物理的に手に入れられる(雀の涙ほどだろうが)ということがわかった。
0投稿日: 2022.05.03
powered by ブクログ物理学的に考えると、普遍的な世界・関係を考えると、時間という普遍的な考えは存在しない。 私という極小化された観点から見ると時間はある。 そんなことなのかしら? よくわからないから、また時間を置いて読み直してみたい。 一度読んでわかってしまうような簡単なお話ではないのだから。 でも、なんだか面白かった。
0投稿日: 2022.04.25
powered by ブクログ何に対して「動いている」のか。運動が相対的なものでしかない場合、二つのうちどちらが動いているのかを決めるにはどうすればよいのか。この問題は多くの人を悩ませてきた。(めったに与えられることのない)正しい答えは次の通り。 答えを知りたい人は47ページ。 そっかー と思った。 時空の構造についての基礎理解が有れば理解出来る。 教わってみると何故今まで理解していなかったかわからない。 ブルーバックスを読み耽っていた中学生時代からもう45年越しの疑問だった。 生徒が行き詰まる疑問をわかっていて、どう教えるか心得てる。良い先生だなぁ。 生命体は局所的にエントロピーを減らす、という話はずっと疑問だった。この本を読んだおかげで、それが誤りであることが明瞭になって、すごくスッキリした。 ただしいささか文学的。 終わりに近付くにつれて物理学から哲学へ。
1投稿日: 2022.03.30
powered by ブクログ中身は超難しくてホントに自分は、理解できているのか、わからないけれども、相対性理論と量子力学とはなんぞやが、なんとなくわかっていれば、言ってることがわかる気がします。時間が存在しない、そうなのかもしれませんなぁ、あくまで主観的な話であり人が生きているからこそ時間を流れていると言うこの発想は非常に面白い。なんといってもカルロ先生の比喩です、面白いのは。さすがイタリア人?だけあってキスの比喩は、秀逸でわかりやすく物理学が色っぽく感じられます。アライバルと言う映画だったでしょうか、高次元の宇宙人から見れば時間は流れてもいないし動いてもいない、その次元の宇宙人からのメッセージを受け取ると言うような映画でした。おそらくその映画が伝えたかったことと、同じ内容なのかなと思いました。
0投稿日: 2022.03.27
powered by ブクログ2022/03/24 読了(Kindle Unlimited) 一言で感想を言うと「とても楽しかった!」。 でも理解できたかできてないか、であれば「理解はできていない」。 量子力学とかの本で感じるような、わかるけどわからないような感じの本。 とはいえ、身近な例を取り入れてくれたり、専門的すぎなくて読みやすかったりして、なんだかんだあっという間に読み切ってしまった。 そして、よくわからないなりにも「時間」の見方が変わった。 身近にある「時間」に対して、こんな風にしっかりと考えてみるのも楽しいものだ。
0投稿日: 2022.03.24
powered by ブクログ天才物理学者カルロ・ロヴェッリによる、時間という概念の正体に迫った本。 自分なりに内容を一言でまとめると、「我々が通常時間と呼んでいる流れは存在せず、その正体は量子間の不可換性という単なる関係性である。だから世界にはエントロピーという不可逆の流れが存在し、これを利用することで世界は回っている。人間はぼやけた視点と自らの記憶によってこの単なる量子の関係性に時間という連続性を見出しているに過ぎない。」となる。 ど文系の自分にとって本著は非常に難解な内容だった。全体を完璧に理解することはできなかったがそれでも引っ掛かるトピックはあったし、多くの示唆を得たと感じる。そこから人間のアイデンティティと哲学にまでロジックを広げる構成には舌を巻いた。 今まで馴染みのなかった新しい世界を覗き見た感覚になれる。
1投稿日: 2022.03.10
powered by ブクログ時間は当たり前に過ぎ去るものと思っていたが、そうではないことを知れた。 実用性は無いと思うが、知的好奇心を満たせたことが良かった。
0投稿日: 2022.03.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
次読む時のためのメモ 科学に関わる人達は、常にいろんな理論の中で自分が信じられるもの、もしくは自分の説を信じて研究を続けている人たちであることを知った一冊だった。科学者ってかっこいい。 自然哲学はとても不思議だった。聖書とかはあまりピンと来なかった。 空間は歪むのに、時間はひとつだけって確かに変だ! 記憶において時間が存在しないのは理解できるが、例えば化石などの過去の痕跡があるものも揺らぎなのだろうか? 時間が不可逆性を熱と結びつくのはとても新しかった。全体的に新しい考え方で、面白かったが地球全体におけるエントロピー増大など過去と未来が区別できないのがとても腑に落ちなかったので、読み直したり調べたりしてみたい!
0投稿日: 2022.02.12
powered by ブクログ数学や物理学が好きな人は面白いのかもしれないが、私にはさっぱりであった。 映画で重量の異なる惑星は時間の流れが違う話があったが、そんなイメージなんだろうか。
1投稿日: 2022.02.11
powered by ブクログ読んでよかった。 世の中の全ての出来事、人間の行動も自然現象ということだ。 時間はエントロピーの増大に見えるのだが、エントロピーの増大も幻想であり、実際は量子の相互作用に過ぎない。
0投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
”時間”とはなにか?その本質に迫った本。 定義から始まり、過去の科学界や宗教界の偉人達が思索を巡らせてきた”時間”観とその理論について丁寧に紹介し、中~終盤においては著者が提唱するループ量子重力理論の真髄に迫り、各章で議論した内容の要所をかいつまんでまとめ、最終的には著者の死生観まで披露してくれる。 章立てがよく、翻訳に違和感もなく、大変読み込みやすかった。 とはいえ、物理学の最新トレンドを書いた本でもあり、専門的な用語も出現するため、辞書やWikipedia片手に読むと理解がしやすいと思う。 以下読書メモ ■時間は人間の感覚が生み出すもの。物理学的には過去・現在・未来という捉え方は存在しない。 ■時間は非常に細かく裁断するとぶつ切りの存在(プランク秒)となる。つまり連綿と続く値なのではなく、デジタルな存在。瞬間瞬間で切り替わるアニメーションのようなもの。 ■この世界は物質から構成されているのではなく、出来事から構成されている。人間は起きた出来事を記憶として保持することで、時間観が生まれる。 ■なぜなら、この宇宙においてエントロピーの変化量は必ず0以上になるからだ(熱力学第二法則)。 ■歴史に名を残す、科学界の偉人達は、はるか昔から「時間なんてものはない」という領域に達していたように思える。 アインシュタインは「過去と現在と未来の違いはしつこく続く幻でしかない」と言ったり、親友の死に際して彼の遺族に「彼は一足先にこの奇妙な世界をさりました。でもそんなことに意味はない・・・」と言ってのけたり。 ■時間が存在しないからといって我々が普段知覚しうる日常の時間は絶え間なく流れている感じるし、死までの間に残された時間は僅かであることに変わりはない。有意義に過ごすべきだと改めて感じた。
0投稿日: 2022.01.21
powered by ブクログ絶対的な時間は存在しない。 今や過去、未来は全て人間が創り出したものである。 人間が社会的な動物であるために、自己、他者、世界をそこに「存在する」と認識する術を身につけた。その術で認識されるものの中に、時間も含まれている。しかし、その「勘違い」の中には、愛や希望といったものも含まれている。
0投稿日: 2022.01.10
powered by ブクログ『すごい物理学講義』にも出てきた時間の問題を取り出して丁寧に敷衍してある。譬え話がよく練られていてとてもわかりやすい。
0投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログすみません、正直言うと、評価不能です。 あまりに科学的過ぎて、ついていけませんでした…。というか、この分野に興味が持てなかったため、脳が理解するための読解の努力を放棄した感じでした。時間の概念が次々にひっくり返っていったのは事実そうなのだけど、まず実感を掴めず、かと言って理論的に理解できるかというとそうでもない。そんな感じがしばらく続いたので、ギブアップしました。多分、科学が好きな人なら楽しんで読めるのかな?
1投稿日: 2021.12.29
powered by ブクログ武田鉄矢の今朝の三枚おろしでも話題になっていた一冊。エントロピーの概念が出てくるが、高校物理では熱力学で出てくる概念。熱力学第二法則はそのなかでも特に重要。これが時間と関係しているという発想は高校生の時期には毛頭ありませんでした。確かに、エントロピーと時間は不可逆性という意味では同じだし、なるほどな~と思いながら読ませていただきました。 もう一度物理の復習でもしてみようかなと思わせる1冊でした。
2投稿日: 2021.12.29
powered by ブクログわたしたちは水中に棲む魚のように時間の中で生きている 低地では高地より、動いてるほうが時間がゆっくり流れている この世界の未来は現在の状況によって定まるが、その度合いは過去が決まるのと同じ程度でしかない裏事物の基本的な原理では原因と結果の区別はつかない 物理学の世界で『今』は存在しない。現在 の概念と関係があるのは自分の近くのものであって遠くにあるものではない どの出来事にもその過去と未来があって、宇宙の一部は過去でも未来でもない、光円錐のように わたしたち個人が経験する時間は伸縮自在
0投稿日: 2021.12.18
powered by ブクログ難しい物理の話が数式なしで比喩表現で書かれているので、なんとなくの理解しかできませんでした。全宇宙共通で一定に流れる時間というものは存在しない。エントロピーが増大する変化の方向に人間が時間という概念を当てはめて認識している。自然科学的な時間は否定されていますが、人間にとっての時間についてはむしろ肯定的に書かれています。
0投稿日: 2021.12.12
powered by ブクログむず過ぎてわかんない! 高いところにあるものと遅く動くものは時間が進みやすいっていう通説しか読み解けなかった!
0投稿日: 2021.12.12
powered by ブクログむずすぎた。 著者は物理学者らしいけど、最終的には哲学や脳科学的な話にまで及ぶ。 時間というテーマは、人間が知覚できるスケールから離れすぎて、これ以上の真理追求には、物理学以外のアプローチも要るんかもね。 知らんけど。 「人間は、今この瞬間の現在にしか存在しておらず、過去も未来も知覚できないはずなのに、音楽を楽しむことができる。」 ってやつがおもろかった。 この本の僕の理解 : ・物理のあらゆる方程式では、時間の変数が含まれておらず(そうやっけ?)、物理現象の中に時間の存在は考慮されない。 ・唯一、エントロピーの増大という物理法則のみ、時間の経過が含まれる。 ・エントロピーの増大とは、この宇宙のあらゆる物質は、時間の経過によって、整った状態から、無秩序な状態へと不可逆な変化をし続けていることを指す。(暖かい空気と冷たい空気が混ざって次第に均一な温度になる、木材という整った原子配列の物質が燃焼によって無秩序に散らばる等) ・エントロピーの増大とは、赤と黒がきれいに並べられたトランプをシャッフルするようなものである。しかし、シャッフルされたトランプが無秩序であるのは、「赤と黒」という色に注目したからにすぎない。(マークや、数字の倍数や、カードの細かい傷なども考慮した場合は、どれが整った状態であり、どれが無秩序であるかは定義できない。) ・一方、宇宙のあらゆる物質は、限界までミクロな視点で見ていくと、それは量子同士が、互いに影響しあって存在が確定するような出来事の集合体でしかない。(むずすぎ) ・この宇宙が量子同士の相互干渉による出来事の集合体であるなら、人間は、自分達と干渉できるものしか認識できない可能性がある。従って、我々に見えているものは、宇宙のほんの一部分に過ぎない可能性があるため、その偏った目では、たまたまエントロピーが増大しているように見えるだけ(トランプの赤と黒しか見えていない)であって、それによって時間が存在しているように感じる。 いろんな説あるらしいけど、なんとなくこう理解した。
0投稿日: 2021.11.27
powered by ブクログ学生時代万年物理の成績が地を這っていた僕でも、興味深く読むことができた。それでも、かなり難しかったけど。 全ては関係の上で成り立っている、ということか。
0投稿日: 2021.11.23
powered by ブクログ時間は存在しないというのは、哲学的な捉え方の問題の話かと思っていたけれど、科学的に、物理学的な意味で時間が存在しないということだった。 今まで相対性理論について全く理解できていなかったけれど、この本を読んでなんとなくイメージできるようになった。 宇宙に共通する「今」という概念は存在しないことや、時間の進み方は質量に近いほど(それに加えて早く動くほど)遅いということも初めて知った。 読めば読むほど難しくて理解できない内容だったけれど、とにかく時間という概念も結局は相対的なものに過ぎないということを知って、あらゆる考えや物事は全て相対的なものであり、一方でそれらが複雑に絡み合っている。 当事者にとっては、すべて存在するという、ガブリエルさんの言う新実在論につながると思った。
0投稿日: 2021.11.09
powered by ブクログ【文章】 読み易い 【ハマり】 ★★★★・ 【気付き】 ★★★★・ 場所によって時間の流れ方は違う。 基準が違うものを比べるのと同じように、異なる地点のある出来事が同じ瞬間かどうかを問うことは意味がない。 砂漠、雲海、素材など、マクロで見れば境界をはっきりと認識できるが、ミクロで見ると境界は認識できなくなる。 エントロピーの増加を、時間の経過として認識している。しかし、ある状態に対して、エントロピーが低いと認知するのも自分たち次第。
0投稿日: 2021.10.24
powered by ブクログ量子重力理論物理学者の目から見ると、わたしたちの住んでいる空間というものは、わたしたちとはひどく違って見えるのだということを知った。
0投稿日: 2021.09.16
powered by ブクログ極力数式を用いることなく、私たちが普段認識している時間のあり方をとことん疑った本。 ループ量子重力理論について初めて知ったため、途中、理解するのが難しかったですが、最後に解説があったため、少し理解の助けになりました。
1投稿日: 2021.08.12
powered by ブクログループ重力論の大家による啓蒙書で、宇宙と物質の構造を突き詰めていくと時間などと言うものは存在しないのだ、と言うことを述べているようだが、僕には読んでもわからなかった。 宇宙の始まりの時点でエントロピーがかなり小さかったことがわかっていて、エントロピー増大の過程が大域的には時間の進行に見える、と言うとこのようだが、そう言われてもねぇ。
1投稿日: 2021.07.25
powered by ブクログある方から「永遠の今を生きる」ことの重要性を説かれ、以来、「時間とは何ぞや」が秘かなマイ・ブームになっています。ただ、いくつか読んでもサッパリわからず、この本も全てわかったのかと言わると少々心許ないのですが、読後感のご紹介まで。 低い場所にいるよりタワーマンションのてっぺん(高い場所)にいる方が、時間の流れが速いとあります。これは、重力が時空のゆがみによって生じるので、時間もこれに応じることとなり、「相対的」なものというのは、図柄で説明されてわかりやすかったです。 それから、時間はエントロピーの問題だとなって心折れかけ、著者が読み飛ばしてもよいという第9~10章の技術論を乗り越え、ようやく頂上に登った感のある圧巻は第11~12章。時間とは「記憶」であることを、デカルト、アウグスティヌス、フッサール、ハイデガー、プルーストなどを引用しながら考察します(そして、記憶がアイデンティティーの源であり、苦しみの源でもあるとも)。特に、フッサールの考えを図式化したものには溜息が出ました。時間の哲学的な考察については、この2章が白眉の出来で、ここだけ読んでも十分価値ありと思います。 それにしても、こうした本が売れるというのは嬉しい限りです。本年もよろしくお願いいたします。
0投稿日: 2021.07.11
powered by ブクログ『時間は存在しない』というタイトルにまず驚いて手に取った。時間の経過だと思ってたのはエントロピーの増大の結果を人がそう感じていただけなのか。 物理学に親しみのない私でも著者の噛み砕いた文章でどうにか読みきれたのがとても嬉しい本だった。数式がほぼ出てこないのもありがたい。 ΔS≧0だけは覚えた。
1投稿日: 2021.07.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時間は熱運動に起因するという理論は斬新だった。変化しなければ時間は経過しないというソクラテスの説もなるほどと思った。
0投稿日: 2021.06.20
powered by ブクログ読むのにほんまに時間かかった 時間の粒子的な考え方とか、数式を用いず哲学や古典も絡めて説明しているのが新鮮だった
0投稿日: 2021.06.13
powered by ブクログ一箇所以外数式を使わない平易な表現で、「時間」が存在しないというか、「時間の流れ」というものは人間の認識というか見方に従っているだけだ、ということを述べています。 通常の感覚からは受け入れられない「時間が存在しないこと」を、感覚では受け入れられないことは認めながら、たくさんの例を出して丁寧に説明しています。博識です。 ループ量子重力論という言葉すら知らなくても、核心の考え方は理解できると思います。 物理学というよりは哲学の本という感じでした。ビートルズの歌が出てくる物理学の本はこの本ぐらいでしょう。
0投稿日: 2021.04.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時間について、物理学の視点から歴史を踏まえて、分かりやすく書いていて、とても楽しい内容でした。 初心者も、知識のある人も引き込まれる構成になっていて、著者の文才と、読み手への優しさを感じました。 とても面白い部分として、熱力学とエントロピーを持ち出し、太陽系というか、地球というか、限られた系の中で一律化している時間という概念を要素分解する視点に驚きました。 学生時代の勉強が多少あるので、話が面白くて、グングン読み進んでしまいました。早く次を読みたくてたまらなくなる、のめり込みを久しぶりに体験したところです。
0投稿日: 2021.02.24
powered by ブクログ著書はループ量子重力理論という理論物理学者。時間という存在の定義、思い込みから、それを支える重力理論を古典、ニュートン的物理学からまずは説明する。古典側では時間が前提として初めから存在しているが、それがもたらす帰結としてのエントロピーの増大則であり、また熱力学の第二法則を説明する。 我々に染み付いてる時間(概念)とは、以下の通り。 五感などを通じて見たり感じたものをどんどんニューロンに記憶していき、その記憶の断片から動的に作りあげられる過去、という構成物をよすがとする脳の癖がある。断片をいくつか取って連続的に間を埋めていく。これは予測を生む。 予測は現在として認識する像にもなる。この場合現在として認識した像(視覚的画像に限らず、音、匂い、触感、味など各種感覚を総合した全部)は、各センサーで感じ取ったものを事実上像として結び認識させるまでの処理が必要なので、我々が通常認識している過去から続く時間感覚でみても、過去分の像を結ぶ、ということになる。「現在」はこうして作られている。なおこの認識は、石田英敬・東浩紀共著による「新記号論」から、意識とは身体から得た信号のループバック処理により得られる、とのイメージがあったのですぐ類推できた。 また字義通り未来への予測ともなる。過去の像を結んで出来た「現在」と、その他過去の断片から、未来を予測する。因果律とはその習性の事である。 予測は、生物として捕食者などによる危険を察知し生き延びる為に持った機能。こうして今見たもの、感じたもので現在を作り上げる。過去から続く順序を持って。こうして順序が出来上がり、原題は"The Order of Time"というくらい、順序が過去から現在、未来へと続く一本の矢が出来上がってしまうことから、時間とは各出来事を自身の予測機能で結びつけた、一方向性を持つ連続的な「ひとつの出来事系(集合)」であり、人間の、ニュートン的科学観の認識の上でのみ実在するもの、という事のようだ。 また出来事は離散的に発生すると考えられるし、現在の科学(主に量子物理学)ではそれは証明されているとも主張する。連続性は人間の思惑で立てた道具とも言っている。連続性さらにその元となる稠密性(全ての要素間には必ず任意の要素、または要素を中心とした範囲を持つ空間(=開集合)が存在するという定義。数学、とりわけ位相空間論等で定義されている主要定義)は、恐らく不動点という単語も使っていたので、著者も認識していると思う。 この連続性、ひいては稠密性は、人間生得的な嗜好の表れかと思っていたが、やはりニュートン的科学観を選好して思い込んでいた事による、意識的な選択により得た「ひとつの見方」だったと言えるのだろう。 著者は理論物理学の分野だけでなく、神経科学、脳科学などの諸分野の知見も取り入れ、時間という概念を持つに至った経緯を解きほぐす。そして何より哲学分野からの引用も多く、観念論に拘泥する事に気をつけながら、あくまで俗人的でなく反証可能な「科学」としての検証を続けていく。この、既存の科学観、科学哲学から離れ俯瞰して見られる背景に対して、やはり著者がピッツバーグ大学で科学哲学の教鞭を取っていることは、その強力な証左だろう。 既存の科学哲学は絶対でなく、デカルトからガリレオ、そしてニュートンになって形成されてきた、実験室での検証をそのまま現実に当て嵌める、あくまでひとつの科学観だというのは、「デカルトからベイトソンへ」のモリス・バーマンが説いていた。アメリカ国籍だがアメリカ、ヨーロッパ、ひいてはメキシコなどの様々な国で教職に就いていた著名な研究者、批評家でもあったので、ロヴェッリもバーマンの主張を当然知っていたと考える方が自然だろう。
3投稿日: 2021.02.12
powered by ブクログ時間は俺らの記憶がつくってるらしい!実に趣深くて納得させられるものがある。最先端のしかも一流の物理学者が語るロマン。お薦め…(^^ゞ
2投稿日: 2021.01.22
powered by ブクログ宅トレの先生がおススメしていたので読んでみました。 が、私には圧倒的に難しくて理解できないことが多かったです・・・ とにかく、物理学者から見た「時間」が、世間一般とはこんなに違うことに驚きました。 重力によって時間の速度が変わる(例えば平地の方が時間の流れが遅く、山頂の方が早い)とか、宇宙共通の「今」というものは存在してない、とか、過去現在未来の順番が不変と感じ、それどころか過去現在未来があると信じるのは、私たち人間が共通認識として特殊な見方で見たときに、時間を粒ではなく「流れ」だと、そう感じるように認識してるからなだけ、とか。 また、「わたし」は「記憶」という特殊な糸で自分の過去と結び付けられることにより、存在を認識しているに過ぎない。なので「わたし」と形作っているものは「記憶」であり「時間」で、それが昨日の「私」が今の「私」と同一だと認識させている。 また、未来は予測する脳の働きによるものでしかない。 世界の基本原理には空間も時間もなく、ある物理量からほかの物理量へと変わっていく過程があるだけ。時間は「概念」である、とかね。 多少分かったかも?と思ったことをつなぎ合わせてこれくらいの理解で精いっぱい、これさえも正しく理解できてるか自信ナシ・・・ 私にできることは結局、地動説と天動説の衝撃度合いってこんな感じだったんだろうな、と思いをはせるだけです・・・
0投稿日: 2021.01.15
powered by ブクログ私には難しかった。最初とっつきやすいかと思ったらどんどん難しくなった。 TENET を少し思い浮かべたが、あの映画の方がわかりやすいと思えた。
0投稿日: 2021.01.09
powered by ブクログとにかく難しい本でした。 根気がないと途中で読むことを辞めてしまいそうです。 前半は物理学から時間を説明しているが、ここは難解。結果、流れ続ける時間は無く、時間そのものが量子化されており、とびとびになった特定の時刻しかないとのこと。 それでも人は時間を感じている。それは何故なのか?という点が後半に説明されている。記憶という自分の視点からこの世界が時間の中にあることを見ている。この記憶で過去と未来の出来事に跨って生きている。 なるほど。とは思ったが、何かに活かせるか?と感じてしまった。 人、個の視点から言うと時間はあるが、物理学では流れる時間はないと言う事と理解しました。 この本を読んだ後でたまたま、映画「インターステラー」を見ました。ちょっと本の言ってる事と通じている?と思うかもしれません。
0投稿日: 2021.01.05
powered by ブクログ簡単には感想をかけないぐらいすごいし、とにかく面白い。 結局、人間は自分の認識能力の範囲でしか世界を認識できないし、想像もできないけど、世界はその外側にも存在しているということは認めなければならない。 終盤に哲学的な思想へと飛躍しているところもエキサイティングだし、この辺は何度も読んで噛み締めたい。 こういった、世界の見方がひっくり返るような本が子ども向けにもあったらいいと思う。
0投稿日: 2020.12.26
powered by ブクログ量子論や現代の物理学に興味はあるけれども、 難解でよくわからない…と一歩引いてしまう方にオススメの本。 よくぞここまで感性に訴えかける形で書いてくださった! 読んでいる中で、感動した。 文章中で引用されている本も、文学作品が多く、 全体的に詩的文学的な筆調。 どうやら、他の本で賞をとられた方のよう。 この作者の他の本も読もうと思う。
0投稿日: 2020.12.20
powered by ブクログ「物理学」と聞いたとき、みなさんは何を想像しますか? 運動や力学を思い浮かべる方が多いかもしれません。「時間」もまた、物理学の対象です。 所蔵情報: 品川図書館 421.2/R76
0投稿日: 2020.12.02
powered by ブクログ不思議な本です 理解にする苦しむけど次が読みたくなる そんな本 だけど、ギブアップ いつかリベンジ‼️
0投稿日: 2020.11.18
powered by ブクログ①時間が進むとはエントロピーが増大することである そもそも時間の定義とは何だろうか?時間とは人間が作った概念であるが、物理学的には、「エントロピーが低い状態から高い状態に移行すること」においてのみ時間の流れが発生すると説明できる。身の回りの物質は秩序立った原子の集合体であるが、これが時間を経るにつれ、秩序から無秩序へと拡散すること(確率的に平均状態へと向かうこと)がエントロピー増大の法則である。熱いものが次第に冷たくなっていくのは、激しく動いている分子が、時が経つにつれ止まった分子にぶつかったり跳ね返ったりして、空間全体に均等に行き渡り、平均状態へと向かうためである。 しかし、そもそも「秩序」とは何なのか?トランプの束を例にすると、最初の26枚のカードが全て赤で、残りの26枚のカードが全て黒のとき、秩序立っていると見えるだろう。これをシャッフルすれば、エントロピーが増大し秩序が乱れる。しかし、それはトランプの色(カードの特定の性質)に注目しているから秩序立っているように見えるだけで、あらゆる細部に目配りすれば、どの配置も唯一無二になる。 つまり、エントロピーという概念や過去のエントロピーが低いという見方は、自然を近似的、統計的に記述したときに初めて起こるものであり、私達の視界が曖昧(バイアスがかかっている)だからにすぎない。ミクロな記述では、過去と未来は区別できないのだ。 ②時間は変化する 時間は重力により変化する。地球の中心に近づけば時間の進みはゆっくりになり、山の上に行けば早くなる。物体はごく自然に、時間がゆっくり経過するほうに向けて動くことになる。 時間は重力だけでなく、その物体が移動する速度でも変化する。とすれば、もはや宇宙上の2点間にある物体同士が「現在」を共有することはない。火星にいる人物に地球から「今何してる?」と聞いても、今を指す状況がそれぞれ違うから話が通じないように、現在という概念と関係があるのは自分の近くのものであって、遠くにあるものではない。 そして、過去と未来の関係も、全宇宙に適応できるわけではない。 親子関係を例に取ってみよう。Aの息子はB、Cの息子はDであるとき、A-B、C-D間に時間の前後は発生している。しかし、「AとCの関係性は?」と問うことはできない。これはAとCの関係が同じ系の中に存在しないからであり、Aの過去と未来、Cの過去と未来は決定づけられるが、彼らを取りまくその他の宇宙は過去とも未来とも定義できない。 このタイプの順序を半順序という。 ③モノの変化が時間なのか、時間というモノがあるのか? ②から分かることは、時間の流れは同一平面上に存在する絶対存在ではないということだ。 同様の問いは歴史の中で繰り返されている。アリストテレスは、「時間とは、事物の変化を測る方法の一つでしかない」と言い、ニュートンは「時間とは、事物とは独立にそれ自身として流れる絶対存在である」という見解を持っていた。これは空間にも同じことが言える。 空間とは、配置されたものとの関係性を指すだけの言葉なのか、それとも何もなくとも絶対的な「空間」がそこにあるのか(ビンの中はからっぽなのか、空気でいっぱいなのか)。 アインシュタインは、これを統合しどちらも正しいとした。時間は確実に存在するが、それは完全独立した絶対的なものではなく、シートのように伸び縮みする。時間自体もモノの一種であり、アインシュタインはこれを重力場という概念を用い説明した。 ④時間とは絶対存在ではなく、関係性からなるもの そもそも、時間という概念がないまま世界を記述することはできるのか? 結論から言えば、時間という概念がないまま世界を記述することは可能だ。二人の人間が、時計の針が4時を指したら駅前で会おう、と約束をしている。ここでは時間を使っているが、別に使わなくても同じタイミングを計ることは可能だ。太陽が2回昇ったらでも、正午の鐘が鳴ったらでもいい。互いに十分同期している変数がいくつか見つかったら、それを使って「いつ」について語ればいいからだ。 これと同様の考えを量子論は用いている。量子重力の基本方程式は、時間の中で物事が展開する様子を記述するわけではなく、「物事が互いに対してどう変化するか」を記述するのだ。世界の基本構造は、相互に連結した出来事のネットワークである。 物体と同じように、時間は量子化されていて、粒状であり、最小の単位(幅)がある。連続的なものではなく断片的なものだ。そして、量子は他のものと作用しない限り値が決まらない。時間は絶対存在ではなく関係性により決まるものであり、宇宙に存在するそのほかのモノ全てに対しては、ずっと不確かなまま存在するのだ。 この世界は物ではなく、出来事のネットワークで出来ている。 ⑤過去と未来の違いは我々の視点の問題にすぎない 普遍的な時間の流れというものは存在せず、個々現象の間にのみ存在するだけである。 しかし、エントロピー増大の法則は、この宇宙の普遍的法則である。過去と未来の違いは全て、かつてこの世界のエントロピーが低かったという事実に起因している。これをもって「普遍的な時間」ということはできないのか? この世界のエントロピーは、世界の配置だけでなく、世界の像のぼやけ方(認識できる範囲)によっても作用される。私達の目には、この世界が始まった頃のエントロピーはきわめて低かったように見えるが、それは私達が物理系として相互作用してきた変数の部分集合に関してのみ、エントロピーが低く見えているのかもしれない。となると、宇宙のエントロピーが最初は低く時間の矢が存在するのは、私達のほうに原因があるのではないか、と言えよう。言い換えれば、「時間が存在する」ことは宇宙の特徴なのではなく、私達が宇宙のとある特別な部分(エントロピー増大の法則が当てはまる系)に存在しているからではないのか、ということである。 ⑥何故我々の意識には「時間」が存在するのか? 以上のように、この宇宙を取り巻く普遍的な時間は存在しないということが分かった。 しかし、それを素直に飲み込むことはできないだろう。我々には、「現に今、時間の流れを感じているのだけれど……」といった感覚が確かにあるからだ。 では、我々が時間を感じるのはどうしてなのか? 時間のあちこちに散らばる過程を糊付けし、私達を形作っているのは記憶だ。脳は過去の記憶を集め、それを使って未来を予測しようとする。ここに時間の概念が発生する。時間が経過したという事実は己の中にある。時間は、本質的には記憶と予測でできた脳の持ち主であるわたしたちヒトの、この世界の相互作用の形であり、わたしたちのアイデンティティーの源なのだ。 ⑦時間とは多数の構成要素からなる複雑なもの これまでの議論を総括しよう。 まず、宇宙全体に共通な「今」は存在しない。家族関係のように、部分的に順序づけられているにすぎない。過去と未来の違いは存在しない。わたしたちの世界はものではなく、出来事からなる世界なのだ。 時間の証明のため唯一使用できそうなロジックは「エントロピー増大の法則」であったが、それも私達がこの世界を見る一つの見方に過ぎなかった。私達は世界のある特殊な部分に属していて、ある特定の方向におけるエントロピーが増大することを時間が進むと定義づけていた。時間の方向性は確かに現実ではあるが、視点がもたらすものであった。 しかし、物理現象とは別に、我々自身は時間の流れを意識することができる。それは過去の痕跡、記憶の存在のおかげである。自分達の同類と相互に作用することで、ある程度まとまったイメージを持ってきたことが、一様で順序付けられた普遍的な時間について語ることを可能にした。 時間を構成する要素はこのように多様で複雑である。エントロピーの法則、観測者の視点、語り手の記憶、それぞれが異なる要素で構成された多層的な概念が「時間」なのである。 【感想】 書いてあることは非常にヘビーだが、読んでみると意外とスラスラ読める、そんな不思議な物理学の本だ。 筆者のカルロ・ロヴェッリは物理学を専門とする学者でありながら、哲学や詩や古典に精通している。筆者自身の「時間観」も、人間の視点や記憶といった「己は何者か」という哲学を一つの足場としている。一見無関係そうな物理学と哲学が密接に結びついているのは非常に面白い展開だった。 我々動物は記憶を持っており、記憶が他者との間で共通に機能しているからこそ、種の間に時間の概念が発生する。そう考えると時間とはあくまで仮の言葉であり、「物事が互いに対してどう変化するか」を表した概念のことを時間と呼んでいる。
3投稿日: 2020.11.11
powered by ブクログ日本語版解説によると 本書は、「時間とは何か」という問題意識の下に、人々の通念を鮮やかに覆し、現代物理学の知見を駆使して時間の本質をえぐり出す、魅惑的な書物。 一回読んでも理解できないところは繰り返し読んでいます。
0投稿日: 2020.11.05
powered by ブクログ最新の理論物理学の概念を理解するような高性能のアタマはもちろん持ち合わせていないが、わからないなりに面白い。時間は、たまたま我々の宇宙にはあるが、物理学的には、なくてもかまわない。未来はまだどこにも存在していないと我々は思っているけれども、この宇宙はむしろ一枚のレコードのように完結していて、我々の意識がレコード針のように「いま」という瞬間をなぞっているだけなのかもしれない。たとえば、我々には過去の記憶しかないから、時間が過去から未来へ流れていると錯覚しているが、もしかしたら、未来の記憶だって物理学的にはあってもかまわないわけだ。テッド・チャンの『あなたの人生の物語』みたいな思弁に耽る。
0投稿日: 2020.10.30
powered by ブクログタイトルにつられて即買いしてしましました。 「時間」が存在しないって、、どーいうこと?? って思いましたが、物理「量子力学」の世界では常識らいしです。 高さや速さによって、時間の流れは変わるらしいので自分の「頭」と自分の「足」は、違う時間を生きているみたいです(笑) 頭が「???」ってなりますが、めちゃくちゃ面白い❗ ぜひぜひ、みなさんも読んでみてください。
2投稿日: 2020.10.20
powered by ブクログ新書のようなタイトルに思わず釣られて手に取ってしまったが、専門領域に深く踏み込んだ科学者だけが知覚しうる世界の観方を、極めて分かりやすく平易な言葉で説明している良書だった。 訳文も素晴らしい。 ニュートン力学からアインシュタインの相対性理論、そして量子力学などへと連なる物理学の系譜が序盤では丁寧に解説されている。 特に量子論についての説明は門外漢にも抜群に理解が容易いのではないだろうか。 中盤以降は学界全体の共通認識から離れ、著者が提唱するループ量子重力理論に軸足を置いた解説に移っていくが、その過程、「あれ、時間に量子の考え方が適用されるというロジックが端折られているな…」と思っていたところ、見事に第八章で明快に語られ、疑問は氷解した。 耳には何となく馴染みがある、エントロピーが実は時間の発生や不可逆性と密接に関わっている、という説には感嘆させられたし、森羅万象すべては各々の相互作用の産物であるのだ、と言われたら、そうなのかもねと、抵抗なく腑に落ちた。 いずれにせよ、客観的な唯一の真実というものなどない、と考えることが本質なのだと、本書を読んでいるうちに自ずと感じられてくる。 科学エッセイの形を取りながらも、第三部では思索の展開が一気に難解さを増していくが、これこそが著者の言いたかったことなのだろう。 突き詰めれば、自然科学は哲学。 そして哲学こそが、この世を歩むのを楽にするツールになるのかもしれない。
1投稿日: 2020.10.18
powered by ブクログ書いてることが難しく途中で断念していますが一通り読みたい本が読み終えたら再チャレンジします。内容としては非常に勉強になるものばかりです。
0投稿日: 2020.10.14
