
総合評価
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powered by ブクログ作者が登場人物として自分の目線で語るスタイル、立ち位置はワトソン博士。シャーロック・ホームズへのオマージュに始まり伝統的なミステリの雰囲気もあるけれど、舞台は現代、英国人もコーヒーを飲む。 ミステリを読むのが相当久しぶりだったけど新しいのに懐かしく、すらすら読めた。
1投稿日: 2020.02.16
powered by ブクログ作家と、探偵が殺人事件解決までのノベライズをするという契約で助手として捜査を進めていく物語。二人のやり取り、著者自身の作品に関すること・映画の裏話や実在の監督などが登場するなどとにかく面白かったです。 『カササギ殺人事件』と『メインテーマは殺人』、本当にどちら素晴らしかったです。
1投稿日: 2020.02.13
powered by ブクログ探偵と執筆者の助手。執筆者はホロヴィッツ本人であるため、非現実的な話とならないように、実在の人物であるスピルバーグやピーター・ジャクソンが登場し現実感を増す手法。さらに著者の作品が紹介されるので気になってしまう。 登場人物それぞれの両面をうまく表現されている。 また関連人物から経緯を引き出す会話文だけでも引き込まれる内容で、章ごとに次に繋がる事件のヒントが小出しに出てきて、次から次へと物語に引き込まれて行く。 ミステリファンにはお勧めの作品です。 「刑事フォイル」を見てみようかと思う。
7投稿日: 2020.02.11
powered by ブクログ自らの葬儀の手配をした当日、資産家の婦人が絞殺される。彼女は殺されることを知っていたのか?作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、テレビ・ドラマの脚本執筆で知り合った元刑事のホーソーンから連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を描かないかというのだ……。かくしてわたしは、きわめて有能だが偏屈な男と行動をともにすることに……。 こちらは見事に着地が決まってすっきり。未読の「カササギ」も探してみよう。
2投稿日: 2020.02.08
powered by ブクログ【7冠制覇・30万部突破『カササギ殺人事件』に並ぶ傑作登場! 謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ】の宣伝文句で購入。偽りなしでした!
0投稿日: 2020.02.07
powered by ブクログ自分の葬儀を手配したその日の夕方、その当の女性は誰かに殺されてしまう。資産家であり俳優の息子を持つ彼女はなぜ殺されたのか、それをわかっていたのか。 この謎に迫ろうとするのはクセだらけの元刑事、ホーソーン。彼は、作家である「私」へその謎を追う顛末を本にしないかと持ち掛ける。かくして即席の「探偵と助手」が追うことになるこの事件の顛末は、という王道ミステリ。 このヒトクセどころじゃないホーソーンの相当な偏屈ぶりもさることながら、彼を探偵に据えるハメになった作家もまた隠さずに苛々とした様子を綴るものだから、「こんな仲の悪いコンビがあっただろうか」と妙な感慨を覚えたりしました。 ただ事件そのものの骨格、結末までの流れは王道を行きながらもしっかりと意外性が盛り込んであり、「カササギ」よりも小技を何度もキメて最高得点をたたき出すようなミステリだったように感じました。アクロバティックではないものの、フェアにストレートに謎と解決を描いて収束させていてとてもスマートな印象でした。 探偵と助手はなんだかんだコンビを続けるのか…??と言う感じですが、ホーソーンもそれなりに事情のある憎めない奴っぽいので、また会えたときにはどんなエピソードが隠されていたのか少しでも明らかになると良いな、と思います。
10投稿日: 2020.02.06
powered by ブクログこの本を書いている著者自身が作中に登場し、著者の視点で物語られているのが面白い。 カササギ殺人事件と同じように物語の構成に独特な趣向を凝らしていながら、謎解きも実に丁寧で引き込まれるものだった。 次回作にも期待。
0投稿日: 2020.02.01
powered by ブクログ2020.01.20.読了 カササギ殺人事件よりおもしろかった。 内容がギュッと詰まってて最初から最後までテンションが落ちることなく読み抜けた
0投稿日: 2020.01.31
powered by ブクログ元刑事と、彼が相談役として捜査にあたる事件の執筆を依頼された小説家のコンビが、老婦人の殺人事件の謎を解き明かしていく。 ホームズとワトスンのコンビを再現したかのような二人組が、目の前の手掛かりを元に真相に迫っていく正統派のミステリー。元刑事のホームズに輪をかけたような偏屈ぶりと、ワトスンに負けず劣らずの空回り振りをを発揮する書き手という組み合わせがおもしろい。 さらには、小説家が作者と同名で、自らの実体験だけでなく実在の俳優やら監督やらが登場して、虚実入り交じったユニークな設定だ。 以前、三谷幸喜が新聞連載のエッセーでこの作品を取り上げた際、主人公が自分と重なると書いていたのだが、その影響もあってか二人がダブって見えてしまった。 作者の内輪の世界だからか、全体的に饒舌すぎて『カササギ殺人事件』ほどのおもしろさは感じられなかったが、シリーズになるそうなので続けて読んでみようかな。
0投稿日: 2020.01.30
powered by ブクログ元刑事のホーソーンと殺人事件をノベライズするホロヴイッツ。この二人がホームズとワトスン役を担う。本作品の著書であるホロヴイッツが作中で書かれようとしている本の著者として登場するという構造であるが、そんなに混乱するものはない。むしろ現実と作中の出来事がリンクするようで楽しく読めた。 物語では、ある女性が自分の葬式の手配を終えたその日に殺害される。そしてその女性の葬儀の日に息子が惨殺される。共通点は10年前の双子の自動車事故に関するもの。そこから捜査が始まるが、犯人は意外な人物だった。分かりそうで分からないトリック。うまく騙されました。個人的にはカササギ殺人事件よりも面白かったです。
0投稿日: 2020.01.24
powered by ブクログ現代海外本格ミステリを堪能しました。 フェアな描写や謎めいた事件から広がる謎など堪能しました。 そして犯人のサイコパス感も良かった。
0投稿日: 2020.01.20
powered by ブクログ最初はあまり読む速さが進まず、ありきたりな内容になるのかと思ったのですが、被害者の過去が明かされていくあたりから、先が気になって読む速さが早くなりました。 脚本家の作家さんだけあり写実的で面白く、さり気無く驚くシーンもあって良かったです。 BBCのミステリードラマを見ているみたいでした。
0投稿日: 2020.01.20
powered by ブクログ少し中弛み感を感じるものの、最後まで読ませてくれる。 ホーソーンのキャラは好みがわかれそう。(わたしは嫌いじゃないがこれと仕事はしたくない) 結局オチがこれかぁという少しがっかりはあるけど、まぁよく練ったストーリーだなとは思った。
0投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログ最後の最後まで、予想を裏切る流石のストーリー展開でした。小さな点が、少しずつ繋がっていくのが快感ですらある。ホーソーンとホロヴィツのギクシャクコンビ。ホーソーンを忌み嫌いながらも、惹かれていくホロヴィツ…面白く読み進められた。
0投稿日: 2020.01.12
powered by ブクログ実際の事件を解決してそれを小説にして二人で報酬を半々にしようと探偵役のホーソーンに打診され、作者自身が助手役となって事件をといていくミステリ。 事件自体は王道でフェアな話だけど、つまらないとか飽きたとかそんな気持ちにならず、先が気になってどんどん読めた。 万人におすすめできるような読みやすさがある。 実在の有名監督や有名俳優も登場したり名前が出たりで、虚実入り交じってる感じが面白かった。 そんな中でも、ホーソーンとアンソニーのやり取りは面白くてこのふたりがこれからどんなコンビになっていくのか今後が楽しみ。 どうやら十作ほど続ける考えがあるようなので、今はまだふたりの間にギスギスしたものや謎が残ってるけど、巻を追うごとにどんどん変わっていくんでしょうね。
0投稿日: 2020.01.11
powered by ブクログ自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は自分が殺されると知っていたのか? 作家の私、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で知り合った元刑事ホーソーンから、この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかと誘われる。 自らをワトソン役に配した謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ! 7冠制覇の「カササギ殺人事件」に並ぶ傑作! (あらすじより) この作家さんは天才かな? すごい面白い。 読みすすめると「まじで?!」ってなって、読み返してみて「なるほどね!」と何度も思わされた。
1投稿日: 2020.01.06
powered by ブクログ悪くはないけど、読むのが少し疲れる感じ。 物語が進行するなかで著者自身の功績自慢がたびたび出てくるので、読んでてリズム崩される(とか思っちゃうのはひねくれてるからかな...?笑)
0投稿日: 2020.01.06
powered by ブクログ作者がホーソン, 探偵役の元警部の助手と語手を兼ねた事件を捜査していく物語。クーパー夫人は殺される前日に自分の葬儀の全ての指示をしていたが、それがそのまま実行されることになる。 またその後にシェークスピア俳優である息子もその後殺されてしまう。ホーそんの推理でだんだん事件が紐解かれていくが、最後に作者があるところに行ったところであっという間の犯人が判明! 殺されそうになる寸前でホーソンに助けられたが、しかし犯人のヒントは最初のところに色々あることが判明。 ただディーバーの様にどんでん返しが無いのでちょっとハラハラドキドキは無い。また読むのにちょっと疲れるため、読書のスピードが上がらないのが玉に瑕。
0投稿日: 2020.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海外ミステリーを読んでいてよかったとしみじみ感じるのは、こういう本に出会えたから。 一ページめから、一行めからすべてが伏線となってそしてストーリーが展開して行く。見事なミスリードもあり、それが主人公のイヤな性格とも相まって良い味をだしてくる。 作者の名(迷)ワトソンぶりもまた楽しい。 今後、このシリーズ続くのかと思うと胸焼けと共にワクワク感がこみ上げる
4投稿日: 2020.01.05
powered by ブクログラストで回収されていく伏線のうち、自分が気づけたものがあると嬉しい(かなりヒントを貰ってからであるが)ホーソーンとトニーが今後どのようなコンビになっていくのかが気になる。
0投稿日: 2020.01.02
powered by ブクログ正統、フェア、上手いーミステリー。 前作のクラシカルで重厚な感じは無いが、 章が進むにつれて事実が明らかになってくるところが見事。
6投稿日: 2019.12.29
powered by ブクログ面白かった。さすが! フェアでありながら、自分をワトソンとする手法とか、ミステリファンの心を掴む要素がいっぱい。 しかと、シリーズということで、次の翻訳が出るのが待ち遠しい。
0投稿日: 2019.12.28
powered by ブクログ関東シャカミス課題本として。 海外ミステリは実は8作目。作者のアンソニーが作中に登場し、他にも舞台やモデルは実際のイギリスそのまま。登場人物のなかにはそのまま実名で登場する実在の人物もいたりして、非常に面白い。キャラクターが活き活きしていて、それぞれの思惑で秘密を持ち、様々な状況と理由で行動する。それをじっくりと観察して、真相を見抜いていく探偵役のホーソーンも魅力的なキャラクターだ。ヒントをヒントと思わせず配置して、思わぬ証言や証拠の組み合わせから謎を紐解いていく過程はうまい。一つの良い映画を観たかのような読後感だった。 ヒントの出し方や伏線、トリックの技巧は素晴らしいのだが、それを経て導かれる真相は容易に想像できるかなりベタなものだったのがやや残念ではあるが、全体としては面白い。ベタさは王道であるが故、とも言えるだろう。王道には王道の面白さがしっかりとある。
0投稿日: 2019.12.26
powered by ブクログこの作者は本当にすごい。カササギ殺人事件に続き、これも傑作。よくありがちなホームズとワトソンの話とは全く違って、趣向も凝っているし、ストーリーも文句なし。読んでいて、とても気持ち良いと感じる。好きなテレビドラマ「刑事フォイル」の脚本を書いているのも知らなかった。多作でどの作品もクォリティが高く、驚異的。この作者の作品は黙って読むべし。文句なし。
0投稿日: 2019.12.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『カササギ…』ほどの面白さはなかったかな…。 伏線に割と印象的なものが多くて、何となく結末の予感を薄々と感じさせた。 しかし、 風が吹けば桶屋が儲かるって言うけれど、まさか猫の迷子がこれほどの騒動になろうとは…でも意外と似たようなことは現実社会でも起き得るのかも知れない。 さて、どうもこれはシリーズ化されそうな終幕でしたが、 作者自身が作中に登場する必要性が今ひとつ不明瞭というか、釈然としないのは、それこそが今後への伏線なの? とも取れる様に感じたりで、次作も必読必至。
0投稿日: 2019.12.23
powered by ブクログホーソンに言われて,私もまた始めのページを読み返したりしながら楽しく読み終えました.書き手としてのホロヴィッツは危うく殺されそうになるなど活躍?しながらも,まだまだ人物的には魅力のかけるホーソンでこのコンビでシリーズ化されるなら,ホーソンにも次巻から少しずつ人間味が増えていくのかとそれが気になります.
0投稿日: 2019.12.23
powered by ブクログ自分の葬儀の手配を葬儀社にした後、自宅で殺されてしまった老婦人。彼女は自分の死を予測していたのか? また、その犯人は? という謎を引退した刑事が解く本格ミステリ。 これは嬉しくなる程に真っ当なフーダニットだった。評価が高いのも納得。初読みの著者だったが、現代にもこうした本格的な謎解きミステリを書く作家がいるのは何とも心強い。 元刑事が著者に「一緒に行動して見たままを書き本にしてくれ」と頼む。著者は初め抵抗したが、やがてその条件を飲む。乗り気では無かったので終盤まで2人がギスギスしていて、それが退屈な聞き取りや捜査にも変化をもたらせているのが最高だ。これは大傑作。
0投稿日: 2019.12.16
powered by ブクログ2ヶ月かけてようやく読み終えたー! 【屍人荘の殺人】を読んだ時に知った一冊。 展開がスリリングで面白かった。 ただ個人的な問題で翻訳本だったこともあってカタカナが多かったから読み終えるのにいつもより時間がかかってしまった。゚(゚´Д`゚)゚。
0投稿日: 2019.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
正統派の探偵小説。私はフェアでもアンフェアでも面白ければ良い派だが、ここまでフェアだと気持ちが良い。 正直海外の作品は、セリフの言い回しとか、雰囲気とか想像しづらい描写も多いので、読むのに疲れることもあるけれど。この作品も、メインの2人の掛け合いが仲悪すぎて、途中めんどくさくなったけれど、最後まで読んだらそんなの些細な事だと思うくらい、すごい!上手い!という感想しか残らない。読み終えてテンションが上がる作品は久しぶり。 これが英語で読めたらな〜。 日本語と同じレベルで使えないと無理なので、私にはとりあえず無理だけど。
0投稿日: 2019.12.11
powered by ブクログミステリが読みたい!2020年大賞受賞。 昨年の『カササギ殺人事件』に引き続き、手に取りましたが、これは文句なしの大賞だと思いました。 自らの葬儀に手配をしたまさにその日に殺された資産家の老婦人。そして元刑事ホーソーンとともに事件を捜査し始める、ドラマ脚本家の「わたし」こと作者自身のアンソニー・ホロヴィッツがワトスン役を務めます。 捜査中に第二の殺人が起こり、事件の果たしてどの人物が犯人かわかったところで、上手いっ!と思いました。 アガサ・クリスティをやはり思い出しました。 伏線の張り方も見事で、最後の解説の章ではうなることしきりでした。 本編の続編The Sentence is Death、も来年刊行予定で、その続きも十作程ある予定だそうです。 『カササギ殺人事件』の続編もあるそうです。 古きよき時代のミステリーを彷彿とさせつつ、全然旧くない、このしてやられた感がまた味わえるのかと思うとものすごく楽しみです。
39投稿日: 2019.12.07
powered by ブクログ「筆の軌跡がそのまま楽しめる美しい油絵、あるいは断片の集合が織りなす上質なコラージュ作品をみているよう。この形以外では語りきれなかった見事な推理小説!」(帯の文句風)なんて、言ってみたりみなかったり。 今回も期待を裏切らなかった! カササギ殺人事件で衝撃を受け、また書店でホロヴィッツの本を推していたので即買い。 カササギ殺人事件でも「語り方」にこだわっていたホロヴィッツ。今回もこだわりは健在で、「この本は実際にあった事件を、筆者が探偵についてまわって、探偵の行動を書き留めながら解決していった事件についての本です」という体をとっている。しかも筆者がホロヴィッツ自身なのだ。 語り手をホロヴィッツ自身にすることで、ただのミステリーではなく少し私小説かエッセイらしい趣になっているように感じ、私はそこが好きだ。 ミステリーというと、人間の機微や心理というものは、推理のために描かれるものであって、どこか都合よく作られたものだという印象を受けることが多い。 しかしこの作品では、ホロヴィッツ自身の憧憬や、作品を作る上での葛藤や迷いの痕跡がそのまま残している(そういう痕跡をどこまで残すべきなのか?という葛藤も出てくる)。 そんな雰囲気の中で描かれる物語なので、登場する人物の行動や心理も、目の前で起きている現実をそのまま切り取っていった結果という風にみえて、ごく自然に描かれていた。もちろん実際には全て計算で、きっちり取捨選択されているのだと思うが、どこまで本当なのだろう?と惹きつけられながら読みきった(なんとスピルバーグまで登場する!)。 シリーズものになる予定、とのことで、今後の楽しみがひとつ増えた!
0投稿日: 2019.11.25
powered by ブクログホーソーンとアンソニーのやり取りが面白い。お互いに自分のやり方が一番と思ってるみたいな気がする。最初はゴツゴツぶつかってたのに少しずつホントに少しずつ歩み寄って、チョッピリ慣れてきた感じ。このまま別れてもおかしくないんだけど??
1投稿日: 2019.11.24
powered by ブクログカササギ、のゴシック調重厚さはそれほどないものの、本来ホロビッツ氏の作風はこっち寄りでしょう。ホーソーンに翻弄される「私」が滑稽に思えました。映画製作のリアルなシーンも出てきて、映画ファンもニヤリとさせてくれます。ひねりにひねった事件の様相に比して、結末はわりとあっけない感じ。それでもホーソーンと「私」のやりとりで収束していく過程にはのめり込めました。とても楽しい時間でした。
7投稿日: 2019.11.09
powered by ブクログ『カササギ殺人事件』が面白かったので期待して読んでみたら、『カササギ』とはまた違った魅力の正統派のフーダニットで楽しかった。 ホーソーンたちは過去の事件関係者にも聞き込みを進めていくものの、自分の手の内をなかなか明かさないホーソーンに「わたし」は苛立ち気味。でもって、事件の輪郭がつかめない不満もあって何かとぶつかり合いそうになる探偵コンビだが、この微妙な距離感がコミカルでもあり、ミステリアスでもあり。 さらに印象深かったのは、著者の作家像が随所でリアルに浮き彫りにされている点。虚構と実像のボーダーラインをぼかすことによって、「わたし」というキャラの背景を活き活きと描き、エンタメ業界の内情も織り交ぜながら、厚みのあるサイドストーリーが展開される。 メインの事件捜査だけ切り取ってみれば、ごくごくシンプルで、クリスティ仕込みのフェアな謎解きスタイルは切れ味もよい。謎多き探偵に振り回されそうなワトソンというコンビの今後が予感できそうな粋なラストもよかった。
1投稿日: 2019.11.09
powered by ブクログ斬新な手法で読者をあっと言わせた『カササギ殺人事件』のアンソニー・ホロヴィッツが、今度は正攻法で読者に挑む、フェアな叙述による謎解き本格探偵小説。しかし、そこはホロヴィッツ。大胆な仕掛けがある。なんとホロヴィッツ自身がワトソン役となって作中に登場し、ホームズ役の探偵とともに事件を捜査し、身の危険を冒しつつ解決に導くというから愉快ではないか。 ホームズ役をつとめるのは元ロンドン警視庁の腕利き刑事ダニエル・ホーソーン。過去に問題を起こして免職となったが、その腕を惜しむ元上司がいて、難事件となるとお呼びがかかる。警察の顧問(コンサルタント)として独自に捜査を行うというからまさにホームズそのもの。ただし、このホーソーン、口は悪いし、人付き合いも悪い。仲間内では鼻つまみ者で、妻とも離婚し、今は一人暮らしという、いささか剣呑な人格の持ち主だ。 ホロヴィッツとの接点は『インジャスティス』というテレビ番組の脚本を担当した時、ホーソーンが警察のやり方を教える係として一緒に行動したことがある。そのときも、頑固で自分の意見に固執する融通の利かないやり方に閉口したホロヴィッツは、二度と組みたくないと思っていた相手。ところが、ある日、そのホーソーンから一度会って話がしたいと電話がかかってくる。その話というのが、今自分が関わっている事件が面白い。本にしないか、というものだった。 しばらく会っていなかったはずなのに、会うやいなやホーソーンは作家の近況をすべて知っている口ぶり。不思議がる作家にホーソンがその推理を語って聞かせる。靴に砂が付着しているから別荘から帰ってきたばかり。ジーンズに犬の足跡がついているから犬を飼った。たぶんその犬は仔犬だ。靴ひもを噛んだ跡がある。と語り口がそのままホームズだ。はじめは断るつもりだった「わたし」も、ついつい話に乗せられて相棒役をつとめることになる。 事件というのが、資産家の老婦人が自分の葬儀の契約のために葬儀社を訪問したその日の午後に殺される、という偶然にしては話がうますぎる事件。しかも、被害者の息子はハリウッドの人気俳優ときては話題性に事欠かない。しかし、夫人はその人柄ゆえ誰にも好かれていて殺される理由が見つからない。警察は物盗りの犯行とみるが、ホーソンの見るところ、これは泥沼案件。そうこうするうち、葬儀のためにアメリカから帰国した息子が殺される。母子二人が殺される理由は何か、という「ホワイダニット」のミステリ。 実は十年前、夫人は眼鏡をかけるのを忘れて車を運転し、二人の少年をはねている。一人は死亡、もう一人は助かったものの脳に損傷を受けて障碍が残った。夫人は逮捕されたが裁判の結果無罪となった過去がある。殺される前、母が息子に送ったメールに「損傷(レスレイテッド)の子に会った、怖い」という文面が残っていたことと、脅迫状ともとれる手紙が残されていたことから、その子、もしくは親の犯行ではないか、と「わたし」は考える。 本格探偵小説もいろいろあるが、ホロヴィッツはアガサ・クリスティがお好きなようだ。個人的にはクリスティは、好みではない。しかし、今回ホロヴィッツはフェアな叙述を心がけていて好印象。ただ、ホームズ物の新作を依頼されるほどの作家のはずなのに、実際の捜査に不慣れなためか、大事なところでホーソーンの注意をそらせたり、ミスディレクションを誘ったりする。これが効果的に用いられていて、容易に謎を解かせてくれない。 面白い設定で、まず小説の第一章が置かれているのは当然のことながら、第二章は作家、脚本家としてのホロヴィッツの仕事について触れている。コナン・ドイル財団に依頼されて、ホームズの登場する探偵小説の新作『絹の家』を書きあげたばかりで、テレビ・ドラマ『刑事フォイル』の脚本の仕事も終わったところ、というのは事実。次の仕事にかかろうとしていた矢先、ホーソーンが現れた、というところから虚構となる。第一章は、その新作の初稿ということだ。 「わたし」の仕事は、ワトソン役となってホーソーンに付き添って、現場に足を運び、目撃者や容疑者の話を聞き、メモを取り、事件解決後はそれを本に書いて出版するということだ。もちろん、読者が今手にしている本がその完成作、という設定。どこまでが本当でどこまでが虚構なのか、何やら番宣めいた、スピルバーグやピーター・ジャクソンと映画『タンタンの冒険』の続編を撮るという話まで出てくるが、どうやら本当にあった話らしく、驚いた。 もちろん事件は虚構なのだが、その中に作家自身が関係する事実が混じるので事件がさも同じ頃に起きていたような錯覚が生じる。『カササギ殺人事件』でも、作中作が事件と絡み合っていたが、ホロヴィッツという作家は、こうした仕掛けがお気に入りのようだ。しかし、今回はホーソーンから、見たこと、聞いたこと以外は書いてはいけない、という縛りがかけられているので、読者は探偵たちとフェアな戦いができることは約束されている。 現実に、手がかりは目立つように書かれている。ホーソーンが意味ありげに呟いてみせるのもヒントになる。ただし、頭のどこかには残るものの、最重要な手がかりが登場してくるまで、犯人を絞り込むことができない。前作でアナグラムを使用しているホロヴィッツのことだ。メールに残る「損傷(レスレイテッド)の子」というのが鍵なのだが<lacerated>で合っているだろうか。いつも思うことだが、こういう箇所は原文を記すくらいの配慮が欲しい。勘のいい読者なら、それで分かるかもしれないのだ。 チェーン・スモーカーの探偵、ホーソーンという人物がよく描けている。個人的な話や世間並みの挨拶は一切抜き。一度口を閉じたら二度と開かない。ポリティカル・コレクトネスなど知ったことか。いつも単独で勝手な捜査をするため相棒がいない。裡に秘めた暴力性や同性愛者や小児性愛者に見せる憎悪、子どもに寄せるシンパシーからは、過去に何かある人物であることは伝わってくる。本人が考えた『ホーソーン登場』という題名からして、シリーズ物の第一作と考えられる。謎につつまれた探偵については、おいおい明らかになることだろう。次回作が楽しみなシリーズ物の誕生である。
25投稿日: 2019.11.05
powered by ブクログやはりカササギ殺人事件の衝撃が強かったせいか、 どうしたってカササギと比べてしまう。 が、それはとってもナンセンスな話である。 もはや別物と捉えた方がより楽しめるといったものだ。 元刑事と共に事件を追うことになったのは 他ならぬアンソニー•ホロヴィッツ、著者自身。 この設定がどこまでも痛快だ。 どこまでが真実でどこからが創作だとイイ意味での混乱。 こういった設定を惜しげも無くできるあたり、 やはり相当な出来栄えだという自信の現れだろうか。 構成からネタバレ含めて、非常に秀逸。 人間の思考がいかに在り来たりかというのを痛感させられる。 一言で言えばフェアな戦いであった、ということだろうか。
0投稿日: 2019.10.30
powered by ブクログホームズ役の元刑事、ワトスン役は著者が本人として登場。その関係性、捜査を本にしろという契約。書くということも描かれていたりして作家の胸中が垣間見えるのも面白い。そして事件、捜査、推理の面白さ。隠されているものはなくフェアに提示される。犯人当てへの興味が掻き立てられる。捜査の過程で語られること、関係者たちの人生、人物造形にも引きつけられる。色々なものが絡み合っているように複雑に見えたり、実はシンプルだったりと見え方が変わったりと読み応え充分。シリーズとして続くらしいのでもっと読みたい。
1投稿日: 2019.10.29
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は、自分が殺されると知っていたのか?作家のわたし、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で知りあった元刑事ホーソーンから、この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかと誘われる…。自らをワトスン役に配した、謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ!7冠制覇の『カササギ殺人事件』に並ぶ傑作!
0投稿日: 2019.10.29
powered by ブクログこれは、『カササギ殺人事件』の作者アンソニー・ホロヴィッツが、またもやミステリー界に一石を投じた作品だ。彼は、コナン・ドイル財団公式認定の『シャーロック・ホームズ 絹の家』などを書いているので、ホームズとワトソンを踏襲する人物設定をしているが、必ずしも語り手はワトソンほど従順ではない。その葛藤も物語の一部を成している。ストーリーテラーには、初めに結論・結末を設定し、そこに向かって書き進めるタイプと、初めから筆の進みに任せて結論・結末に至るタイプと、大きく分けて二通りがあろうが、本作は前者に属するものの、途中では随分筆に寄り道をさせている様に思う。ただし、結論・結末は(読者には思いがけないものだが)しっかりしているので、途中でいくつも犯人の手掛かり・ヒントを埋め込んである。ただ、そのヒントに気付くことは至難の技だ。読み終わって、何だかミステリーの古典を読んだような気になった。
2投稿日: 2019.10.26
powered by ブクログカササギ殺人事件の作者。前作が面白かっただけに期待し過ぎた感はある。資産家の老女の死から始まるミステリー。騙されてはいけない、と一字一句疑いの目で読み進めたが、見事、どれもこれも騙された。見落としてた小さなヒントの数々。4点なのは元刑事のホーソンのキャラが個人的に好きでなかったから。
0投稿日: 2019.10.25
powered by ブクログ途中までは事件の謎そのものより、本筋から逸れたところで展開される話の方が興味深かったりもするわけですが、やはりこの作品の主題(メインテーマ)となるのは殺人。(ちなみに、本作の題名となるこのフレーズは比較的早々に登場します。) 誰が殺人を犯したか(フーダニット)の興味もさることながら、なぜ殺されたのか(ホワイダニット)というところが明らかになるにしたがって、それまで散らかっていた事実がきれいに収束していくところは、本作の読みどころとなっています。 個人的には『カササギ殺人事件』の方がやや好きな私ですが、『メインテーマは殺人』の方が玄人受けしそうな気がしており、ホロヴィッツさんはテクニシャンだなぁ、という印象がますます強くなりました。 詳しくは拙ブログにて。 https://yuseum.blog.ss-blog.jp/2019-10-24
0投稿日: 2019.10.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『カササギ殺人事件』が話題のアンソニー・ホロヴィッツ最新作。 正直、『カササギ』で新作のハードルはかなり上がっていると思っていたのだが、予想以上に面白かった。前作ほどの長さではない分、凝縮されている感がある。
0投稿日: 2019.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これも手がこんでるなあ。 「さっさと失せろ。そこのアガサ・クリスティも、忘れずに連れて帰ってくれ」が個人的ツボ。
1投稿日: 2019.10.08
