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傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン 5巻
傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン 5巻
磯見仁月/新潮社
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総合評価

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    Webサイト「コミックバンチKai」で連載中の磯見仁月の「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」の第5巻です。マリー・アントワネットに重用され「モード大臣」と呼ばれたローズ・ベルタンを主人公にした作品。お店を開店したベルタンの次の一手は髪型。一躍時の人になったベルタンはベルナールとの共同作業でも新しい風を吹き込みます。奇抜な髪型というか装飾がてんこ盛りでした。シャルトル夫人も素敵。そして、ついにアントワネットにベルタンの名前がインプットされました。一方で、アントワネットはフェルセンと出会ってしまいました。

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    投稿日: 2025.08.23
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    綺羅びやかな店を構えた事で仕立て屋として大きな躍進を見せたベルタン。けれどその裏に隠しようのない悲哀が…… ベルタンは第一話にて自分にベールは似合わないと、女としての身の振り方を諦めた。それでも期待とも言えない程の淡い期待をレオナールに対して懐いてたんだろうなぁ……なんて思ってしまう 指輪ですら無い指貫を持ち歩いていたベルタンの心境は如何に…… 改めて女としての身の振り方を否定されたのなら、ベルタンが目指すべきは仕事を武器に生きること。男性からの後援を持たないベルタンがこれ以上の躍進を狙うならレオナールと同じように王太子妃に近づく必要が生まれてくる けれどそこで自分よりも早く出世しており、そして女としての夢を見てしまったレオナールからの助けを受ける形で道を開くのは辛いだろうな…… ただ、王太子妃の近くを狙った作品を仕上げるならこれまでのような綺麗であったり意味を込めただけの服飾では栄光を手にすることは出来ない。コネが全てを解決してくれるわけはないから、ベルタンは仕立て屋としての実力を込めて最高の作品を仕上げる必要がある そこで作り上げたものが独創的というか、レオナールの頬を引っ叩くようなものだったというか…… 現代的価値観からすると意味判らん代物だけど、流行の最先端を行くという意味ではこれ以上ない作品となったようで そうして下地が整った上で始まった24話からの流れがとても良いね 幾つもの奇縁で関わりが生まれつつもそれぞれがバラバラに動いていたあの四人が一緒になって一つの仕事を仕上げる様子は「待ってました!」という感覚にさせられるね また、登場当初は不幸な女性の代表格みたいな形で描かれていたシャルトル公爵夫人が流行の広告塔となっていく展開は驚きを含んでいるだけに、25話で彼女の登場シーンが描かれた時には感慨深い気分になってしまったね ……いや、それにしてもあの髪型はちょっと判らんけども。一種の芸術作品と考えればアリ、なんだろうか? 男女の関係にはならなかったベルタンとレオナール けれど、仕事が大成功を収めた後に余計な言葉を交わさずに手を打ち合わせてすれ違った二人の様子からは確かに「これで良かった」と感じられるものだったね 運命の男性に出会い、ベルタンの名を知ったマリー・アントワネットの存在は物語としてのメリハリを感じつつも、同時に革命の時に近付き続けているのだとも感じてしまう……

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    投稿日: 2021.07.10