
総合評価
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powered by ブクログどこまでも 満ちてくる月の光 寄せる、うねる 寄せる、泡立つ 飛べる どこまでも飛べる (フライ・トゥー・ザ・ムーン) 音楽は何処から来たんだろう 太古では ものがたるために そして感じたことを あらわすために 物語はほかに代わり 感じたことは 朗々とした唄へ 今は音楽は 小さな箱の中で 鳴らされているだけ でも作り足りない 箱はいっぱいにならない (音楽を広いところへ連れ出せ) 音楽をもとのところへ 人は生まれた時から 音楽を浴び続ける (世界は音楽で溢れてる) 静かに始まり さざなみが 寄せては返す 波は高まり 咆哮する (音楽を広いところへ連れ出せ) 音楽は宇宙の秩序 叩く、叩く 叩く、叩くー叩く 森を通り抜ける風 いつか新しいクラッシックを この手で (音楽を広いところへ連れ出せ) 一瞬は永遠 永遠は一瞬 風間塵 世界は広い 栄伝亜夜 音楽の神様 マサル 野望の人 高島明石 修羅の人 (音楽を広いところへ連れ出せ) 貴方が世界を鳴らすのよ
51投稿日: 2019.10.19
powered by ブクログめっちゃよかった。 恩田陸さんの本全部読んでないのと、久々に読んだからか、文章の雰囲気が変わったような。 ベテラン作家さんだから作品によって変えてるってだけで、今回みたいなのを読んだことがなかっただけかなー。 音楽を聴いてる時よりも、、音楽が聞こえてきて、いい匂いもしたし、懐かしい匂いもしました。 趣味程度ではあったけど、楽しく音楽やってたあの頃に戻りたいなぁ。 ←今は全然音楽やってないなぁ。
2投稿日: 2019.10.17
powered by ブクログなぜか、映画を見る前に原作を読んでおこうと思ってしまった。 亜夜と松岡茉優がかぶってしまって読んでいる間困ってしまった。 本の中盤からはあきらめて松岡茉優をイメージしながら読み進めた。 クラシックのピアノって苦手に思っていた。ピアノはジャズだよねって思っていた。 クラシックピアノを聞きに行きたくなった。
0投稿日: 2019.10.17
powered by ブクログ圧巻の演奏。ドラマ。 塵に、亜夜に、マサルに、明石に、ホフマン先生に、三枝子に、ナサニエルに、田久保さんに、、、最高の音楽の贈り物をくれた全ての登場人物に、心からのありがとうを送りたい。この小説を読み始めてから読み終えるまでの数日、コンクールを見届けているような、そんな気持ちだった。 コンクールの中で出会い(再会し)交流していく彼らは、コンクールという戦いの中で、お互い刺激し合って、どんどんと、高いレベルに到達していく。でも、ゴールはない。入賞さえも、ゴールではなくて、それはその後ずっと続いていく人生の、新たな始まりとなる。 きっとそれは、音楽の世界だけではなく、小説の世界でもそうなのだろう。解説に、小説の舞台裏、「うみの苦しみ」が書かれているが、なんとなく、小説の中にもその苦しみが散りばめられているような気がした。自分の音楽を模索する苦しみ。音楽を続ける意味を探す苦しみ。新たな音楽を作りたいという苦しみ。生活の中で音楽を続けたいという苦しみ。そして、音楽を外の世界に連れ出したい。という苦しみ。種類は違えど、みんな苦しみを感じ、正面から立ち向かったり、助けを借りたり、触発されたりして、苦しみに向かっていた。これらの苦しみは、きっと恩田陸さんが感じ続けている苦しみの一部でもあるのだと思った。 おかげで、私は何度も感動を感じさせてもらっている。 世界は広く、限界なんてなくて、きっとまだわくわくすることがたくさんある。途中、苦しいことがあってもきっと。たくさんの素敵な出会いがあり、経験があり、その中で自分が成長していくと、感じさせてくれた。 とにかく、文句なしに最初から最後まで面白い! 長いけど、音楽に詳しくなくても、多くの人に読んでもらいたい。
6投稿日: 2019.10.16
powered by ブクログ少しでもコンクールと言うものに触れたことがあるものなら、アーちゃんや風間塵と同じようにピアノを弾きたくなる一冊。 衝撃だったのは、コンテスタントは評価されるものではなく、審査員の音楽性や許容性を露わにする起爆剤として描かれていること。こんなこと、思いついたことなかった。脱帽。
0投稿日: 2019.10.14
powered by ブクログピアノ全集を聴きながら一人一人の演奏を想像しました☺︎ 執筆に計り知れない時間がかかってるのだろうな…
0投稿日: 2019.10.14
powered by ブクログ付箋 ・「フライ・ミー・トュ・ザ・ムーン」とベートーヴェンの「月光」の第二楽章 なんとなく出だしが似てる ・「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」 ・音楽は行為だ。習慣だ。耳を澄ませばそこにいつも音楽が満ちている ・自然が繰り返す殺戮や暴力に対して、それらをも受け止め飲みこんでしまう大地 それでもなおかつ新たな生命を生み出し、はぐくむことのできる大地 ・天才と言われ自由奔放と言われ音楽の垣根を越えたと言われたフリードリヒ・グルだでさえ、自作曲はジャズ・ピアニストとて始めた。 ・「甘さ」というのは「ダサさ」や「自意識過剰」と限りなく近いところにあるのだ。美しいメロディを歌うには、音そのものが美しくなければ。「ロマンティック」な音は、たぶんに余力が必要である 「うるおい」が必要 相当な余裕が必要とされる ロマンティックな音を出すためには、強靭なパワーがいる。肉体的にも、精神的にも。 ・ロ短調ソナタは、とんでもなく大きなお屋敷だ。構造は入り組んでいて、凝った意匠もてんこもり。 ・リズムとは快感だ。 ・聴く者に苦労が透けて見える曲など、決して誰も惹きつけることはできない。 ・「その時何が起きたのか」ではなく、「その時何を感じたか」が歌われるようになたのだ。 ・音楽という、その場限りで儚い一過性のものを通して、我々は永遠に触れているのだと思わずにはいられない。 ・ナチュラルな感じ、予想のつかない変拍子的な雰囲気が、バルトークと親和性があるように思える ・あの人がこれを弾いたら、あの人があれをやったら。そう想像し、わくわくする楽しみ。 ・プロコフィエフって、超モダンだよな。フリージャズでもこんなメロディは思いつけないぞ。 ・目に見えず、現れてはその片端から消えていく音楽。その行為に情熱を傾け、人生を捧げ、強く情動を揺さぶられることこそ、人間に付加された、他の生き物とを隔てる、いわばちょっとした魔法のようなオプション機能 ・素晴らしい演奏を耳にすると、よく知っている曲のはずなのに、初めて聴く曲のような気がするから不思議だ。 ・ミュージックの語源は、神々の技だという。ミューズの豊穣。 ・恩田陸さんの担当志儀保博さん クラシック+ジャズ+プログレッシブロックが好き
0投稿日: 2019.10.13
powered by ブクログ同じコンサートに出ている4人。 彼らは同じ舞台で戦っているはずなのに、そのような描き方はされない。 音楽という芸術に真摯に向き合う4人の考えを辿るのがとてもおもしろかった。 また、最後に結果発表のシーンを書かず、多くを語らない構成も想像をかき立てられた。 音楽を聴きながらの読書が最高。
0投稿日: 2019.10.13
powered by ブクログずっと頭の中でピアノが鳴っている。ぜひコンチェルトをかけながら再読したい。 映画化に当たって「春と修羅」だけはオリジナル曲ができたそうで、その場面を聴くために映画を見たいと思った。
3投稿日: 2019.10.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
75 めーーーーちゃくちゃ面白い!!!!! ライバルは、蹴落とし嫉妬する存在じゃなく、 切磋琢磨お互いを高め合う存在だ。 清々しいほどのフェアプレーの試合をずっと見せられてた感じ。 顔も知らないものが一つのコンクールで88人もいる中で、音に惹かれて意識し合うってすごくない? それで天才ではない、生活者の音楽をしていた明石が認められるシーンは号泣ですよ。 よかったな、よかったな明石、、!!! それぞれの葛藤がうまいこと消化されて、最高のハッピーエンドだったのでは?文句のない順位です。 亜夜の演奏表現がカットされたの残念だと思ったけど、今思えばあれでよかったな。余計なものはいらないね。 下巻からはYouTubeでクラシック聴きながら読んだけど、 本に描かれた描写が本当に音として伝わってきてびっくりした。 演奏者だけでなく、聴衆も審査員の考えや成長がわかるからページをめくる手がとまりませんでした。 個人的には解説も読んでほしい。 この本の産みの苦しみとだからこその面白さと評価があるんだという再確認と、恩田陸の人間らしさが出てるから笑 いつもなら読み飛ばすのに、なぜかこれはすらすら読んだ。 は~面白かった! 20191012
1投稿日: 2019.10.12
powered by ブクログこれまでも何度かこの本を読もうかと思ったことはありましたが、音楽とは無縁だった私はこれまで断念してきました。ですが、直木賞と本屋大賞を受賞したということで、この機会に読んでみることにしました。 読み始め、まずはじめに思った感想は、「比喩が素晴らしい」ということでした。読者がイメージしやすいような比喩と、恩田さんの巧みな描写が、見事に音楽を文章で表現することに成功していました。 また、読む前に危惧していた音楽の事前知識の欠如についてですが、結論から言いますと、無くても全く問題なく楽しめます。ただ、やはりピアノのコンクールが舞台ということもあって、作中には音楽の専門用語が幾度となく登場するので、音楽関係に長けている方の方が、読みやすいのではないかと思います。 ここまで、恩田先生の技術力の高さについて素人目からですが考察してきましたが、やはり自分にとっては少し退屈な作品に感じました。音楽に無縁なこともあって感情移入がしにくかったのもあらと思いますが、後半に連れての盛り上がりがもう少しあっても良かったのかなと思います。音楽的にいうと、クレシェンドが足りないのですかね? やはり第三次予選まであると、最初は素晴らしく感じていた表現もマンネリ化してきて、少しがっかりです。また、クライマックスももう少し面白いものを期待していました。 次はもう少し音楽についての知識を付けてから再読してみたいと思います。
4投稿日: 2019.10.12
powered by ブクログ「みんな音楽大好き」なので、登場人物が須らくチャーミング。 コンクールという非日常の中で、その個性がスパークする! あとがきも好きだな〜
0投稿日: 2019.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
原作を先に読むべきだったと後悔しながらの下巻。上巻は映画版を補完できる嬉しさがありましたが、下巻はいろいろと「えっ」。 もっとも驚いたのは、映画で不可解だった亜夜逃亡の危機が原作にはまったくなかったこと。海に遊びに行く4人も、顔ぶれは異なるのですね。違和感をおぼえた数々の映画のシーンが原作にはないことがわかってスッキリ。でも、明石さんの映画オリジナルの台詞にもグッときたから、やっぱりこの本を読んだ人は映画版も観るべし。 名前に「ちり」ってどうよと思っていたけれど、塵くんってまさに空から降ってきた星屑みたいだ。 映画の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/3e6da6b0a280c950b59664394eb39803
0投稿日: 2019.10.10
powered by ブクログピアノコンクール作品やと思ってたけど、音楽とは人々に何をもたらすかを考える作品やった。最終の結果も大満足。本の面白いところは、映画や漫画より、キャラクターの感情をより深く知ることができる点で、この作品は音楽性まで駆使して、さらに深いところまで知ることができた。ページをめくる手が止まらない久々の名作やった。
1投稿日: 2019.10.09
powered by ブクログこんなにページをめくる指が止まらなくなる感覚はひさしぶりでした。 元々クラシックに馴染みのない人間に、演奏される音楽を想像させ、曲を聴きたいと思わせる表現の繊細さと、幅は圧巻! ひとりひとりの心理描写も本当にすてき。 全員を応援しながら読んでいたけど、やはり明石が好き! 読了後、ものすごく感化され、しばらくクラシックとピアノの動画を聴き漁ってしまいました。笑
0投稿日: 2019.10.07
powered by ブクログ音楽音楽音楽音楽…万歳!って感じの下巻。私は風間塵と、あと明石さんのピアノを聴いてみたいなあ。クラシックの演奏を言語化するって難しい。面白かった。
0投稿日: 2019.10.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いい話だった。 ピアノもクラシックも全く興味がなかったけど、 知りたい気持ちが増えました。 本を読むことの楽しさが改めて分かった気がします。 映画も見たくなりました。 コンクールの結果だけが、最後自分の希望と違って残念でした。
0投稿日: 2019.10.03
powered by ブクログ2019年71冊目。映画公開に合わせて原作のおさらいをしておこうと思ったのが動機。上下巻あわせて900p越えの大作だけど、とても楽しく読むことが出来た。この作品を書くにあたって、筆者が時間をかけてリサーチした部分が作品に生かされている。面白かった。最後はやや予定調和的な終わり方だけど、亜夜や塵、マサルなどの今後の活躍も見てみたいと思える。音楽的な素養は自分には全くないので、各コンテスタントが弾いた音楽がどういう風なイメージなのか映像を見ないとわからないのが残念。映像を見た後もう一度読んでみたいと思う。
0投稿日: 2019.09.29
powered by ブクログ「蜜蜂と遠雷」は、読了後、すごく繊細な表現であるにも関わらず、熱いものがこみあげてきた。この本にのめり行くのが、自分でもよく分かった。体験。そう、これは体験なのだ。 タイムライン https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
2投稿日: 2019.09.29
powered by ブクログまもなく上映されるのでその前に文庫にて再読。育ちや生活環境の違う4人のコンテスタント達に焦点を当て音楽やコンテストに対する思いをそれぞれの言葉で表現していく。行間から音符が飛び出してきそうな描写は圧巻。予選が進むにつれ成長していくコンテスタント達を心のそこから応援しながら一気読み。超感動
0投稿日: 2019.09.29
powered by ブクログ早く読み終わりたくて仕方がなかった 読み出したら止まらない疾走感 もう一回ピアノが弾きたくなった 明人さんが報われるのが泣 芯のある強い人間に共感して泣けた
0投稿日: 2019.09.26
powered by ブクログ上巻が圧巻だったので、少し尻窄み。本選の描写が、作者が息切れしてるかのようで、えっ?これはないなあと。楽しみにしていたのに残念。恩田さんは、これがあるのは分かってるんだけど、残念。映画見ようかな。
0投稿日: 2019.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
書店で見かけるたびに買うか買わまいか迷っていたけど、ある書店で特設ブースが設けられていてプロコの3番コンチェルトがBGMで流れていて、音楽に吸い寄せられるように買った。 ピアノを勉強してきた端くれとしては、ピアノコンクールを題材にした話は感情移入しやすくて、読み始めはほの暗い気持ちになった。わかる、音楽の華々しい世界の裏側はそうだよね、地味で孤独で途方も無いような道をひたすら進むしか無いんだよね…と。(無論この本に出てくる人たちほど上手くは弾けないんだけれども。) ほんとうに辛くて苦しくて自分のダメなところ、出来ない自分に向き合い続けないといけない苦行のような長い道のりだけど、だけど、それでも、素晴らしい音楽を聞いた時にはどうしようもなく演奏することに惹かれ恋い焦がれ自分も弾きたい表現したいと願ってしまう。一瞬は永遠、永遠は一瞬。舞台で感じた一瞬はわたしのなかで永遠に息づいている。その一瞬を追い求めて わたしは社会人コンテスタントの明石さんにかなり共感した。コンクールを受けることを機に音楽を趣味にしようとしていたり、二次予選で落ちた時に安堵してしまう自分だったり。 文章は読みやすく描写も理解しやすい表現が多くてするするっと読めた。そして楽曲の描写がすごく素敵。時間がかかるけれど楽曲を聴きながら、読んでほしい。 2019/09/23
1投稿日: 2019.09.23
powered by ブクログちょうど一年位前からクラシック音楽を聴きはじめた。ピアノ曲が一番好きだが、残念ながら私にはCDで聞いてる限り奏者の違いはあまりよく分からない。 この作品では、すざましい天才が互いにインスパイアしあって成長する姿が描かれてるが、面白くて一気読みでした。 曲を知らなくてもそれなりに楽しめますが、曲をよく知ってた方が間違いなくもっと楽しめる。次は、作品に登場する曲を聴きこんでから読んでみたい。 エンディングが少しアッサリしているので、ここは賛否両方あるだろう。私はもう少ししつっこく書き込んで欲しかった。続編もできないかな
13投稿日: 2019.09.23
powered by ブクログはぁ……。 胸がいっぱいで、どう書いたらいいか……。 この上下巻を読んでいる間、何度泣いたか。 壮大で、素晴らしすぎて、ボーッとしてしまう。 音楽は、宇宙だ。 生命の根源。 この小説は、音楽ができる喜び=生きる喜びに満ちている。 私もすっかり風間塵のファンです。 亜夜との月光セッション、聴きたいなぁ。 私もかつて発表会で弾いた、大好きな曲なんです。 コンクールかぁ、行ってみたいなぁ。 とりあえず、ここに出てきた曲を全部聴こう。 もちろん映画も見に行きますぞ。
0投稿日: 2019.09.18
powered by ブクログ後編 コンテスタント達の自問自答や俯瞰した形で成長が主観的に客観的に描かれているのが面白い。 最後の結末も、あっけらかんとしているが、 ダラダラとまとめられるよりはすっきりしていて納得感があった。 コンサートの雰囲気が出演者、その友人、審査員、運営、ボランティア、メディアなど様々な視点から伝わってくるのが非常に新鮮だった。
0投稿日: 2019.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
二日間で読了。一言「買ってよかった!」 物語の中心人物が4人いたけど、最初世間や周りと自分の意識との隔たりにナーバスになってしまった亜夜に1番感情移入しました。 あと、亜夜の友人・奏や社会人ピアニスト明石といった、天才から少し離れた位置にいる人の心情。審査員やスタッフに至るまで視点が移り変わって、1つのイベントの中に何人もの人間ドラマを体験できたのが非常にこの小説読んでよかった!と思えるところ。 クラシックについては知らない曲も多いけど、youtubeでその曲探すところも含めて読んだ後も楽しめます笑。
0投稿日: 2019.09.16
powered by ブクログ一気読み。 でも、音楽を言葉で表現する繰り返しが下巻に入ってちょっと辛かった…。 基本的に天才ばかり出てくる物語だけど、そのなかでも凡人よりの天才、明石の話が一番好きです。最後まで出てきてくれて嬉しかった。
0投稿日: 2019.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻に続き、ピアノコンクールの出場者の心情を中心に物語が進む。 コンクールの期間中に、他者の演奏に刺激されて著しく成長する亜夜や風間塵の演奏、彼らの音楽に対する世界観の描写がすごくて、実際その演奏がどんな風になるのか、それぞれの曲を聴いてみたくてたまらない。
7投稿日: 2019.09.16
powered by ブクログクラシック音楽に全く興味がなく、楽器もやったことのない自分でもスラスラと読めるということは傑作だったのだろうと思う。 一方、自分にクラシックを聴く素地があれば、もっと楽しめる内容だったのかと思う。 あと、個人的には天才の苦悩よりは凡人の苦悩の方が共感を持て、登場人物中では明石が最も気になったが、彼すらも天才であるため、やや好みからは外れている本だとは感じた。
0投稿日: 2019.09.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
分厚い本だったが、一気に読み上げた。 ピアノコンクールにまつわる、コンテスタントたちの物語。 彼らは音楽を通じて人生を世界を昇華させていく。 圧倒的な質感。 文章から音が溢れ出していた。 実際の彼らの音楽に触れたい。 そう思わせる物語だった。
3投稿日: 2019.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これで終わりで良いんですか?という読後の感想。 下巻に入っていよいよ風間君だけが主人公じゃなくなってきた。 彼らの奏でる音楽はすさまじい。上巻でそう理解したので、下巻で繰り広げられる演奏表現は割とすっ飛ばしてしまった。クラシックの曲を全く知らない自分にとって、字面から音をイメージすることはできなかったのだ。 ここに登場する演奏家の実力はどのくらいすごいのだろう?若手の登竜門らしきコンクールだから、プロのピアニストとして既に世界的に名をはせている人よりは劣るのか?それとももうそういう人たちと肩を並べるくらいにすごいのか?今まで興味を示したことがないクラシック音楽には本当にこんな世界があるのだろうか? 終盤になると、彼らの演奏云々よりもコンクールの結果とそれからどうなるのか、そのことに注目が集まっていた。ゆえにエピローグにがっかりした。こっちは字面だけでコンクールを鑑賞しているのにTOP3のうちの一人がどんな演奏をしたのかを知ることはできなかった。風間君のあの結果は、結局審査員側は彼の音楽を認められなかったというこのなのだろうか。 言葉は、自由で危険で無責任で誠実だ。そして真で偽だ。その言葉を商売道具にするのはとても大変だと思う。 昨日、久しぶりにCDショップに行ったら、この作品のコラボ作品の特設視聴コーナーがあった。 「恥ず!」と思いながら、視聴してみた。 「恥ず!」とすぐに止めてしまった。 私はこういう商売が嫌いだ。
0投稿日: 2019.09.13
powered by ブクログ後半は主要メンバーのみに焦点が当たった2次予選~3次予選~本選へと続く音楽の祭典の最終章。 メンバー同士がライバルとしてだけでなく戦友と見なすようになっていくことと、稀有な才能の持ち主同士だからこそ互いに強い影響を及ぼす様子が引き込まれる。 そんな話です。
0投稿日: 2019.09.12
powered by ブクログ音楽には無知な私。普通だったら知る事の無いクラシックやピアノの世界を見る事ができ、これだから読書は面白い。もっとも知らない世界だからこそ楽しめたのかも・・
0投稿日: 2019.09.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「フィボナッチ数列」という言葉が、作中風間塵の口から何度か登場する。それは「前の2つの数を加えると次の数になる」という数列のこと。巻き貝を見つけるという引っ掛かりはあったものの、突如として口を突いて出るこの言葉には物語を読み解くヒントがあるに違いない。 数列の内容は先ほど示した通りだが、どうやら自然界によく現れる数列らしい。また「フィボナッチ数列の隣り合う二つの数の比は、限りなく黄金比に近づいていく」という性質も持っている。 作中語られる風間塵という人物は、周りの主要登場人物と明らかに異質な点がある。もちろん彼の音楽性も無二のものだが、描かれ方として彼はほぼ第三者視点でしか語られない。もっと言えば、下巻235-241、488-491の計11ページ程度しか彼の心の内は語られない。前者はコンクール中に音楽の世界に迷い込んだ彼が、既にこの世を去ったホフマンの姿を探す様子を描く。彼はまだ音楽を連れ出す、その答えをホフマンに求めていた。後者はコンクールが終わった後、自分なりの答えを見つけた風間塵が夜明けの海岸を歩くとき。彼は音楽を連れ出す術を栄伝亜夜の中に見つけた。共に音楽を連れ出せる、共に限りなく答えに近づける人を見つけた。 そう考えると、ホフマンの言うギフトや災厄の解釈もまた変わってくる。本編では審査員である三枝子の解釈として、「その音楽性をもって周囲へ影響を与えるインフルエンサー」のように表現された。しかし物語の終盤、ナサニエルによって意図的にその話題は掘り返される。結局ギフトとはなんだったのか、と。 この物語はもちろん栄伝、マサル、明石などの成長の物語である。しかしそれと同時に、風間塵の成長も描く。「一瞬は永遠、永遠は一瞬」活け花を習う風間が強く心に残した言葉。これから究極に答えに迫っていく風間塵の人生という一瞬を、また人々に刻む風間塵の音楽(ここでは連れ出した音楽。自然の音。返した音。世界に溢れているもの。)という永遠を、ホフマンはギフトまたは災厄として遺したのではないだろうか。
3投稿日: 2019.09.10自然は心の中に、音楽は自然の中に
確かこれは、シンセサイザー奏者の喜多郎の言葉だったと思います。 この小説の中にも、こんな記述がありました。「元々音楽はそこらじゅうにあって、それを聞き取って譜面にする。音楽家は、預言者である。」 話の展開は、コンペティションに臨む様々な人の想いを描いた群像劇ですが、おそらくこれが、この物語の根底に流れる物なのでしょう。 話が話だけに、クラシックの楽曲は勿論、フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン等それ以外も数多く出てきます。私はとくにクラシックファンというわけではありませんが、それでもLPだけみれば、最も多いジャンルがクラシックです。しかし、全く知らない楽曲も数多くありました。この本はガイドブックとしても使えるかもしれませんね。 とは言え、やはり気になるのは「春と修羅」でしょう。どんな楽曲なのでしょうか。この曲の途中にアドリブ部分を設けたという設定がいいですよね。 音楽家の感性というものは、我々凡人とは全く異なります。以前テレビで辻井伸行氏の即興演奏を聞いたことがあります。勿論、彼の既成楽曲の演奏も言うまでもありませんが、彼の弾く自然の描写、小川のせせらぎ、鳥のさえずりを表現した音楽には驚愕いたしました。演奏よりも創作に力を入れた方が良いのではと思ったほどです。彼のような音楽家達が奏でる即興部分の演奏は、いったいどのようなものなのでしょうか。その一方で、それを余すことなく描写する恩田陸の力量たるやスゴイと思わざるを得ません。 巻末の解説で編集者の方が寄稿しておらせますが、綿密な取材と絞り出すような努力によって書かれた小説とのこと。そうなんでしょうね。 とくに楽器演奏をしたことのある人ならば、いやスポーツ等でも同じかもしれませんが、この小説で書かれているとおり、一生懸命練習していると、今まで全く弾けなかったフレーズがある日突然、スムーズに出来るようになったりするものです。また、オレって天才かも?なんて思ったり、ぜ~んぜんダメだ!と落ち込んだりするのも、小説に書かれているとおりです。 登場人物達はいずれも個性的な面々で、若者の熱情あふれる群像劇ですが、そこに家庭を持つコンテスタントを一人入れるという設定もいいですよね。物語に厚みが出ていました。彼が予選で落ちてしまって、ちょっと寂しいなと思っていたら、最後に嬉しい出来事がありましたね。ホント良かったと思います。 この物語は、音楽に魅せられた人々を描きつつ、作者のあふれ出る音楽に対する愛情が沢山詰まった傑作だと思います。 で、これが映画になり、もうすぐ公開とのこと。映像化は不可能だと言われていたのも、読み終えた今では、まったくその通りだと思います。どんな作品になっているか今から楽しみであります。
0投稿日: 2019.09.09
powered by ブクログ私もピアノではないが、音楽活動をしていて今色々と悩んでいて。 この本にこのタイミングで出会えたことを幸運に思います。 自分がどうして歌っているのか、何のために歌っているのか考えるヒントをくれた気がします。 自然が音楽。世界が音楽。ミューズが語源のミュージック。 もっともっと音楽を知りたい、楽しみたい、向き合いたいと思いました。 そして、マサルや亜夜、風間塵、明石のピアノを聴いてみたいと切に思いました。
1投稿日: 2019.09.08
powered by ブクログ爽やかだ。音楽が聞こえてくる。田園のイメージが見える。登場人物それぞれの物語が見える。協奏曲のように主人公たちがクロスして新たな音楽を奏でている。
2投稿日: 2019.09.06
powered by ブクログ曲の演奏ばかり続いていて何が面白いのか、そう言われれば確かにそうなのだが、コンテスタント達の緊張感が伝わる演奏シーンは音楽未経験者の自分にも迫るものがある。 心に残る一冊。
0投稿日: 2019.09.05
powered by ブクログ長い小説でしたが、あっという間に読み終わりました。 ピアノや音楽の世界について、まったくわからないので、この、長い小説を読みきることが出来るかが最初は不安でした。 でもその心配は全く関係なく、ピアノの音をここまで言葉で表現できる恩田さんの表現力を感じました。 読んでいるだけで、感動で涙が出たり、ハラハラしたり。 とても面白かったです✨
2投稿日: 2019.09.05
powered by ブクログ下巻では、いよいよ三次予選から本線へ。 風間塵、栄伝亜夜、マサル・カルロス、高島明石といったコンテスタントの視点での物語のほか、奏や三枝子などの視点も相まって物語が進行していく。 特に塵くんと亜夜ちゃんの関係性が読んでいてさわやかで気持ちの良い気分になれた。 最後まで楽しい気持ちで読み進むことができました。
2投稿日: 2019.09.04
powered by ブクログ本屋大賞2017年1位。直木賞も受賞。芳ヶ江国際ピアノコンクールの予選から本選までを克明に描いた音楽小説。コンクールでのピアノ演奏の描写が延々と続く。半分以上は演奏シーンではなかろうか。語彙の豊富さ、感覚の言語化能力はハンパないです。ただ、やっぱり長すぎて退屈するのと、コンクールが進むにつれてレベルアップするに従い描写がエスカレートしていって大袈裟すぎるのではとちょっと引く。本気でピアノやってた人は共感するのかも知れないけど、音楽好きの自分でもそんな大層なってなる。ピアニストの評価にテクニックがうわ滑りする人や感情移入が強すぎる人などが出てくるけで、この本自体がややその傾向があるような気がする。船が乗れ!も同じような音楽小説でそれも長いのだけ、そっちの方が演奏描写以外もいろいろあったからか、演奏描写がもっとストレートに臨場感を感じた気がする。今までの本屋大賞で2回1位になったのは恩田陸だけだし多くの人が評価してるので自分の読み方があかんのかも。
1投稿日: 2019.09.02
powered by ブクログ遅くなりましたが、恩田陸さん「蜜蜂と遠雷」を読了。兎に角、力作!「音楽をここまで言葉で表現できるのか!」と思いました。担当編集者さんによる文庫版解説を読んで、さらにその大変さを思い知りました…しかし…☆は三つ…「この場面はいらないなぁ…」とか思ってしまいます…相性かなぁ…
0投稿日: 2019.09.02
powered by ブクログ章末には、本書の担当編集者の解説。どれだけの時間をかけて本書が生まれたのか、その顛末が編集者の温かい筆致で綴られている。
0投稿日: 2019.09.02
powered by ブクログ日本で開催されるピアンコンクールを描いた小説。4人のコンテスタントを中心に話が進むのだが、この4人のキャラ設定が抜群にいい。 タイプの違う3人の天才とサラリーマンを続けながらエントリーした凡人。立場・考え方・感性・苦悩がそれぞれ魅力たっぷりで、話にグイグイ引き込まれていく。 そしてコンクールでの演奏シーン。クラシックには縁遠い自分でもわかる。臨場感あふれる表現力だった。ピアノのコンクールというとマンガの「ピアノの森」を連想してしまうのだが、逆にあれがあったことでイメージがつきやすくなった気がする。 意外とあっさりしたラストは評価が分かれるかもしれないが、個人的には悪くない。演りきった感が出てて、読んでる自分もスッキリとした読後感だった。さぁ、この物語をどう映像化するのか。映画を楽しみに待ちたい。
1投稿日: 2019.08.29直木賞と本屋大賞W受賞も納得の面白さ
結構なボリュームの作品で、しかもコンクール本番の描写が多いのに、全く飽きさせることなく、夢中にさせてしまうのは、さすが直木賞&本屋大賞W受賞作。 キャラの設定も見事だし、脇役も個性があるし、クラシックはほとんど分からないのに、ちゃんと音楽が聞こえてくる。 映画になるみたいだけど、実際に音を出さなきゃいけないのは難しいんじゃないのかなぁ。
1投稿日: 2019.08.27
powered by ブクログめちゃくちゃ楽しかった〜〜。2冊たっぷり楽しんでも、コンクール期間だけの話だっていうのにびっくりする 音楽に詳しくなくても、文字を追うだけで音が聞こえてくるようで、力強い音が響いてくるようで驚いた。 才能がある人や、人生をかけて芸術を為す人にはその人なりの苦しみがある。だけど、それを超えて芸術をするために芸術をする人は、その苦しみすら吹き飛ばしてしまうのかもしれないなあ。
0投稿日: 2019.08.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
塵 レジェンドが仕込んだ爆弾 自宅にピアノがない規格外の天才少年 亜夜 消えた天才少女 過去の栄光と逃避した過去に向き合い、覚醒のときを迎える マサル 誰もが認める正統派王子 彼に挫折という文字は似合わない 読んだことのないジャンルながら音楽の世界に引き込まれていった 情景が浮かび音楽が聴こえてくるかのような圧巻の表現力 ワクワクしながら読みすすめたが、音楽の世界に身を置いたことのある方はもっと深くこの作品を感じ取ることができたのではないだろうか 結末に関しては、スラムダンクを思わせる そこがまたいいのかもしれないけど、どこかガッカリしてしまう自分もいた 2019年10月に映画公開予定らしいが、この世界観を映像で観れると思うとワクワクしてきた
0投稿日: 2019.08.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
流れる音楽を聴いているかのようにスルスルと読了。 天才たちに翻弄され、コンクールを実際に見たかのように疲労感と達成感が満ちた。 クラシックのことはよく知らないのだが、きちんと受け止めるには知識が必要なのだろうなと思う。 ホフマン先生の残したギフトは、関わった人たちに少なからず影響を与え続けるのだろう。ちなみに予想していた順位は外れました。
0投稿日: 2019.08.13
powered by ブクログ良かった、とても良かった。 ピアノなんて、弾いたことも、クラシックをしっかり聞いたことなんてなかったけど、 読み進めるうちに、 すごく世界観に惹き込まれていった。 コンクールに辿り着くまでの費用や努力、音楽家としてアツい想い。 そんなことをイメージせざるをえない 文章の構築。 自分は、イヤミスとかを好むのだけれど、 この作品は、とても綺麗だった。
21投稿日: 2019.08.11
powered by ブクログ下になると音楽を言葉で表す表現に疲れてきてしまったけど、 それぞれの気持ちやキャラクターがはっきりあるので最後まで駆け抜けて読めた。 映画が楽しみだし、音楽の楽しさを思いを出してすがすがしい気持ちになれた。 また音楽をしたい気持ちが強まったのと、一度ピアノコンクールを見てみたいという思いが生まれた。 感化されてYouTubeでピアノ演奏を見ている。
1投稿日: 2019.08.10
powered by ブクログ久しぶりの恩田陸作品。 本屋大賞取った本はやっぱり面白いなぁ。 恩田陸の作品は結構読んだのですが、この作品の登場人物は夜のピクニックの登場人物と近しいものを感じました。 恩田陸の作品は、何か1つのイベント(今作であれば、コンクール)を様々な登場人物の視点で進めていくものがとても面白いし、読みやすいです。 あとはピアノコンクールという、小説で描くのがとても困難に思われる題材なのに、演奏場面もばっちり表現してしまう圧倒的な文章力は感動ですね。 余談ですが、恩田さんの作品によく出てくる「のろのろと」という表現を見ると恩田陸作品を読んでるなぁという感じがしてとても好きです。
4投稿日: 2019.08.07
powered by ブクログ上下まとめて本当に面白く、どんどん読みたいと思える作品だった。とにかく読みやすい。 栄伝亜夜視点で書かれた文章が個人的には1番好きだった。 今までで1番好きな作品です。栄伝の演奏中、演奏前の心情が描かれるのを毎回楽しみにしてた。
0投稿日: 2019.08.05
powered by ブクログ音楽やピアノが大好きなのだけれど、 この作者は音楽がいかに素晴らしいかを描き切ってくれていて 感謝感謝です 色んな人に読んで欲しい。
0投稿日: 2019.08.04
powered by ブクログ音楽を感じ、音楽が広がる小説。 これは本当に映画化できるのだろうかと感じさせる。それぞれの頭の中で想像力を掻き立てる。 読んでいくうちに聴覚だけでなく、視覚や触覚まで研ぎ澄まされていく小説。 毎日の生活の中で見落としていた煌めきを教えてくれるよう。 そして、才能とは何なのかも考えさせる。 この秋に映画公開されますが、この世界観がいかに表現されるのか、原作ファンの中に広がった世界に応えられるのか興味津々です。
0投稿日: 2019.08.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一つのコンテストの経緯だけでこれだけ長い大作が執筆できてしまうのが驚き。個人的にはもう少し話を広げてもらったほうが良い気がするが、これはこれで作者の力量を感じる。
0投稿日: 2019.07.31
powered by ブクログ最後の1ページをめくった瞬間、「ああ、終わってしまった」という名残惜しさと、清々しい読後感がないまぜになって、しばらくその感覚を手放したくない心地でした。 わたしはピアノもオケも(レベルはともかく)経験があるので、様々なところに共感しながら読み進めました。 一人一人の感情の動き、溢れ出す音楽の表現、時には鳥肌が立つほどの興奮を、時には涙がこぼれるほどの感動を、まるで自分もコンクールの会場にいるかのように感じられました。 本当にすばらしい作品です。 この一冊を手に取ることができて、よかった。
0投稿日: 2019.07.27
powered by ブクログ上巻よりもいまいち読むテンポが上がらなかった。 それでも一息に読みきった感じはあったので、読みやすい作品だと思う。 やはり頭の中には「ピアノの森」のイメージが強くあり、なんとなく先が読めてしまうのが残念だった。
0投稿日: 2019.07.27
powered by ブクログ最終局面はやや駆け足だったように思えるし、 本線結果がなぜあのような具合に落ち着いたのか、 知りたい気持ちもあるが、敢えて書かなかったと考えるようにした。 一文一文が短く、すらすらと読みやすく、 それでいて訴えかけるものがあり、 文字で音を伝えられることのすごさを目の当たりにした。
0投稿日: 2019.07.26
powered by ブクログコンテスタント皆がとても魅力的でした。ピアノの音に包まれたような小説。それぞれがどのように音楽と向き合い、その場に立っているのか、そしてお互いをどの様に認めているのか、そこここに登場人物の優しさが現れていて読んでいて心が洗われる思いでした。
5投稿日: 2019.07.21
powered by ブクログ大好きな作家さんゆえ、読み終わってしまうのがいやで、買ったものの、なかなか読み始められなかった本。 読み出したら止まらず、あっという間に読んでしまいました。 現実にはあり得ない…と思いつつ、それでも登場人物の葛藤が手に取るように伝わりました。そして、様々な想いが素晴らしい音楽に昇華していく様子に、何度も胸がつまりました。途中から、作中の曲を聞きながら読み進めました。 あと、編集者さんの解説(思い出)も好き。お二人の苦労が伝わり、そしてお二人の信頼関係を羨ましく思いました。
2投稿日: 2019.07.20
powered by ブクログコンクールも進んでいくが、その中でさらに成長していく演奏者、もう一度音楽に取り組もうとする演奏者、落選する演奏者のそれぞれの姿が描かれていると共に尽きる事の無い筆者の音楽の描写が話を単調にさせずに最後まで一気に読み込ませる。非常に楽しめた小説。
0投稿日: 2019.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
風間塵が失格になりかけたところが、ほんとにヒヤッとした……「失格」って言葉をあんなに恐く感じたのはじめて。 それと、上巻から推してた明石さんが賞貰った時は本当に嬉しかったし鳥肌たった。今回特に好きだったのはこの二つのシーンかな〜。 全てにおいて曲の描写、演奏中のそれぞれの人物の様子の描き方など素晴らしかったけど、特に本選は痺れた。今までは、いちいち立ち止まって曲聴くと時間かかるから……と思って聴かなかったけど、本選のコンチェルトは、全てのコンテスタントの曲を聴きたくなって、全部聴きました。特にマサルの弾いたプロコフィエフの三番が一番気に入った。作中ではスターウォーズっていってるけど、私はハリーポッターが思い浮かびました。箒でビュンビュン飛んでる疾走感あるかんじ!
0投稿日: 2019.07.17
powered by ブクログ恩田陸さんが各登場人物に込めた思いをより感じたいので、今度は作中の曲を聴きながら、読み返してみたいです。
0投稿日: 2019.07.11
powered by ブクログ2次予選での課題曲「春と修羅」。この現代 曲をどう弾くかが3次予選に進めるか否かの 分かれ道だった。マサルの演奏は素晴らしか った。が、明石は自分の「春と修羅」に自信 を持ち、勝算を感じていた……。12人が残る 3次(リサイタル形式)、6人しか選ばれない 本選(オーケストラとの協奏曲)に勝ち進む のは誰か。そして優勝を手にするのは――。
0投稿日: 2019.07.11
powered by ブクログクラッシック音楽についてはよくわからないけれど 塵くんとオーケストラのリハーサルの場面は、 自分もその場にいるようで、とにかく一緒にわくわくした。 マサルの夢はとてもステキで是非とも実現を。 番外とかでいいので明石君の物語も読みたいです。 結局コンクールの優勝は。。。だよね?(笑)
0投稿日: 2019.07.11
powered by ブクログ長編でしたが、長いとは思わずあっと言うまに読み終えました。ピアノコンクールに挑む若きピアニストたちの物語でしたが、読んでいる途中にこの中身の素晴らしさに疑問が湧いてきました。恩田さんは、音楽家だったのかしら…小説家になる前はピアニストを目指していた⁉︎その辺りの真意はわからないのですが、それ程までにクラッシックの楽曲、作曲家、その他演奏の技法など、経験していないとここまで表現できないのではと思わせる内容でした。 最後の編集者の解説で、本が刊行されるまで10年もかかっていたと言う事実を知り、コンクールの取材や下調べなど膨大な時間を費やしたんだろう事は推測できました。 芳ヶ江国際ピアノコンクールにエントリーした主に4人のコンテストタントが繰り広げる音のファンタジー世界と苦しみながらも成長する姿が感動的なお話。 4人の経歴が盛り込まれ、その中でも審査する側も悩む異色の青年の存在。彼は業界の巨匠からのお墨付きだった…そして一次予選、二次、三次、とそれぞれが勝ち抜いていき、最後の本選まで残るのは誰なのか…最後の方は殆ど順位がつけられないと思ったのは私だけでしょうか… ピアノは弾けないまでも聴くのは好きなので、今後はクラッシックのこうしたコンクールに行ってみようと思わせるのでした。
0投稿日: 2019.07.06
powered by ブクログ本屋大賞と直木賞を受賞したということで期待して読んだ。ピアノのコンテストについては全く知らなかったので、興味が湧いたのはよかった。が、最初から映像化を意識した作品のようで、ちょっと軽いかなぁと思ったので、満足感はほどほどだった。
0投稿日: 2019.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
だんだん同じことの繰り返しになってくるから、上巻は1日で読んだのに下巻は4日も掛かった…。 明石と亜夜が泣き合うシーンが一番好きかな。
0投稿日: 2019.07.04
powered by ブクログ音楽でここまで豊かな表現ができるものなのか。音楽に関連づいていないと訳が分からず眠くなってしまいそうな表現なような気もするんだけど、なぜかすいすいと読めてしまう、そんな不思議な内容だった。 普段歌を聴くときに、歌詞を気にせずほぼリズムのみを感じる自分としては、クラシック音楽を聴く方が感じるところが大きい……かもしれない。音楽を聴いて泣くという体験、してみたい。
0投稿日: 2019.06.30
powered by ブクログ2019.6.30 全体的によかったけど上巻の中盤のゾクゾク感がすごかった! 鳥肌立ち過ぎて、いけないクスリでも盛られたかと思うほど。 それがどこという訳でもなく、登場人物達のふとした心の動きとかで起こるから本当に不思議だ。 夜のピクニックでも感じたけど、 恩田陸さんの名作は不思議とゾクゾクゾクーーー って感じですごく気持ちが良い。 こんな作家さんは恩田陸さんだけ。 まさにこの本も読書というより体験という内容の一冊でよかったです。 恩田陸さんありがとうございました!!
0投稿日: 2019.06.30
powered by ブクログ本屋大賞ということで購入。 下巻では第2予選の続きから描かれています。 上巻よりも詳しく一人に対するピアノを弾く表現が書かれていて、よりその世界に引き込まれるため、ページを捲るのが止まりませんでした。まるでそこの会場にいるかのような雰囲気にさせてくれます。 その曲自体は、まだ聴いていないですが、なんとなくこんな曲なのではと思わせてくれるので、その表現のボキャブラリーには凄いなと思いました。一番好きなのは第3予選かなと思いました。弾いている曲について、より詳しく描いるだけでなく、言葉のチョイスにも恩田さんの想像力や表現力がより現れているので、読み終えるのが勿体ないなと思いました。 以前本屋大賞を受賞した「夜のピクニック」と似ていて、出来事が終わった後のそれぞれの出場者の成長さを見ることが出来て、読後感は幸せな気持ちになりました。 最後のページまで、結果がわからず、次のページをめくった時に一覧として、結果が表示されるのは、面白かったです。誰が受賞してもおかしくないので、その表現は秀逸でした。 物語に登場した曲をまだ実際に書いている当時は聴いていないなので、早速聞こうと思います。どんな曲なのか自分の想像した曲と答えあわせをするのもこの本の醍醐味かと思うので、クラシック好きの人には読んで損はないかと思います。 映画化されるということで、それぞれの登場人物がどのような表現で曲を弾くのか楽しみではありますが、あまり期待すぎずに待ってみたいと思います。
0投稿日: 2019.06.28
powered by ブクログ多少発表の形式が違うと言え、本選に進むとすれば、同じ人が演奏するのを4回描写していかねばならないのはなかなかの作業。 二次予選では課題曲「春と修羅」の中のカデンツァが、三次予選ではコンサート形式の中での構成が焦点になるが、現実には流れない音を紙の上でこれほどまでに表現していくのは本当に凄い。 先に読み終えた嫁さんは、最後が呆気なかったと言っていたが、それは違うな。 実際のコンテストの本選について『残るは本選のみで、審査員にも、コンテスタントにも、解放感が漂っている』といった描写があったが、この本の中でももはや主役の3人が残ってしまえば、後は話の余韻を楽しむ流れでくどくなく丁度良かったと思う。 そんな中で、二次予選で落ちた明石についても、最後まできちんと扱われていたことが凄く良かった。 読み進めている中では、私は亜夜が優勝すると思っていたよ。 本当のgift(才能)に恵まれた彼女が、風間塵というホフマンからのgift(贈り物)に触発され、失くしていたピアノへの情熱を再び取り戻す物語。 塵の演奏も、圧巻の描写で表現され、根こそぎ観客のみならず読む者を持って行ったけど、それでも、異端の少年はあくまで狂言回し。 常にコンテストの最後に演奏し、直前に演奏する塵の演奏にインスパイアされ、コンテストの間に進化し続けた彼女。 塵に同じ景色を見せ一緒に宙を舞う気分を感じさせる二次予選、「自分の音楽」がようやく始まる感覚にわくわくする三次予選に加え、明石のピアノを好きだと答え明石とともに涙にくれる場面など、この本の主役に相応しいと思っていたけどな。 私はピアノの演奏の良し悪しなど全く分からないけれど、ピアノのコンサートを聴きに行きたいと、もう無性に思った。
14投稿日: 2019.06.24
powered by ブクログ続きが気になって,どんどん読み進めてしまった。とても面白かった。出てくる人たちが皆ステキ。こんな風にピアノのを弾けたらいいだろうな。
1投稿日: 2019.06.24
powered by ブクログ終わりかたのあっさりさにはちょっと賛否がありそうだけども、ちゃんとした本を読む楽しさを思い出させてくれるような、豊かな色彩に満ちた一冊だった。
0投稿日: 2019.06.21
powered by ブクログサントラを聴きながらその世界に浸りきって読み終えた。 それぞれの心の描写を繋ぎ合わせた音楽の世界。 普段からクラシックやピアノに接していればより楽しめたのかもしれない。
3投稿日: 2019.06.19
powered by ブクログ恩田陸が10年以上の月日をかけた大作。 浜松国際コンクールが本作の着想。クラシック音楽を知らなくてもイメージが湧き、何度も作中の作品を調べたり。二次予選最終日の前日の二人の掛け合いに本作の主題を見出せたような気がした。
3投稿日: 2019.06.17
powered by ブクログ面白かった!読み始めたら、他のことが手につかないくらい! 続きが気になって気になって、あっという間に上下巻読了してしまいました。 演奏には個性がうつる。人となりがうつる。 その通りだと思います。 マサル、栄伝亜夜、風間塵、高島明石。 それぞれの人生を映す演奏。 物語を読んでいると、その風景、音が目の前に広がるようでした。 刺激し合い支え合うピアニストたち。 ピアニストたちを支える人たち。 ピアニストたちを審査する審査員。 様々な登場人物の視点から描かれる物語が面白かったし、 どの登場人物も人間味に溢れてて愛せちゃうキャラクターでした。 個人的には、栄伝亜夜が風間塵の演奏をうけて、回を重ねるごとに成長し、音楽家として生きていく覚悟を決めていくところが好き。 2人で月光を弾いているシーンがとても美しかった。 2次予選で、風間塵の演奏を聴きながら泣いているアーちゃんと共に、私も何故だか泣きそうになりました。 それから、なんといっても高島明石。彼の感覚はとても共感が持てました。彼のピアノはきっと、とても優しい音なのだろうと思います。 映画化するとのこと。映画も楽しみ。 それにしても、やはり、音楽の物語は面白いな。 自分自身、アマチュアだけど音楽をやっていたから、こういう物語を読むと、また音楽をやりたくなります。
6投稿日: 2019.06.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
音楽コンクールの参加演奏者と審査員の心情と演奏曲をドラマチックに盛り上げて、本当に読者自身が会場にいるように錯覚してしまう。 最終選考まで残った人達と審査員の心情も最後まで面白く描かれていた。 特に、不思議な経歴の「風間塵」という演奏者の「音楽を広げる」師匠の問いかけに 対する謎解きが明かされ、参加演奏者と審査員を魅了させる表現は、単に音楽コンクールの競争だけを描いたものではない奥深さを感じさせられた。
3投稿日: 2019.06.15
powered by ブクログ自分がいる音楽の世界が描かれた作品で興味を持った。 あっという間に物語に夢中になり、読了してしまった。 コンクールという緊張と興奮が入り混じり、独特の実力世界の中でもがき続ける演奏者達の心情の描写が素晴らしかった。 そして、心情描写だけでなく、音楽のイメージを言葉にして描いている恩田陸さんの技量が本当にすごい。言葉から、音楽や風景が自然と浮かび、本当にホールで聴いているかのように錯覚する。 また、主人公たちの音楽と真摯に向き合う姿勢に、「私もピアノ弾くときにもっと真摯に向き合わなきゃ」という初心に帰る気持ちにさせてくれた。 この作品がきっかけとなって、クラシックに興味を持ってくれる人が多くなればいいなと思う。 そして、「音楽なんて道楽、遊びだ」とよくいう人がいるけど、この作品で描かれている壮絶な世界が現実の音楽の世界なんだということを知ってもらえたら、さらにいいなとおもう。
3投稿日: 2019.06.11
powered by ブクログ上下巻合わせて、一気読みしたよー。 全然苦しまずに一気読みできる手軽感。 人に借りて知った本だけど、直木賞も本屋大賞も受賞したものだったのね。 栄伝ちゃんはなかなか好感がもてる。 読んでて全体的にそこはかとなく感じたのは、漫画の、「ピアノの森」感? あれもちゃんと全部は読んだことないけど。 ものすごくドラマがあるという訳ではないけど、まぁ面白かったよ。
0投稿日: 2019.06.11
powered by ブクログ音楽やピアノにおける専門用語が多々出てくるので、はじめは難しいかと思ったが、文脈から推測がつくので、それが客に楽しくなる。 何より、小説を読んでいるだけなのに、ピアノの音が聴こえてくるような気がするのが、本当にすごい。 久々のお気に入りになりました。
0投稿日: 2019.06.07
powered by ブクログ面白かったです。こんなに長いページを音楽に関することだけ書いて、ここまで面白いって凄まじいと思います。 音楽の世界に取り込まれてしまいそうになるくらい、表現の仕方が素晴らしく引き込まれました。 音楽(クラシックやジャズなど)好きの人はもちろん、そうじゃない人も楽しめる内容になっているので、興味を持った人は是非読んでほしいです。
0投稿日: 2019.06.01
powered by ブクログ終わっちゃった。 最後の方は終わるのが嫌で、あえてちょっとづつ読み進めた。 本作のピアノ全集、即ダウンロードしてしまった。 映画化するのか、ドキドキするなぁ。 ピアノコンクール、聞きに行ってみたいなぁ。 我が娘ちゃんも少しピアノを弾く。 でも、頑張ってるのは管楽器。 って事で勿論聞くよね 「なぁ、コンクールとか出ぇへんの?」 「はぁ?」 一言で片付けられてしまった。 現実は厳しい。 でも、音楽はそこら中にちらばっているんだって。
6投稿日: 2019.06.01
powered by ブクログ音楽に満ちた小説。小説だからできる音楽表現が美しかった。ピアノには詳しくないけど、音が聞こえてくるようでした。ピアニスト達はもちろん、その周りの人たちの目を通したコンクールという異空間でのリアル感がひしひしと感じられました。最後の亜夜の演奏で涙がこぼれました。
0投稿日: 2019.05.31
powered by ブクログ2019.05.28 ピアノコンクール 社会人ピアニスト 正統派天才 破天荒な天才 帰って来た天才 4人のコンテスタントを中心とした話 最後のほうの音楽描写はちょっと飽きてきたかも。それでもイッキに読ませられた
0投稿日: 2019.05.29
powered by ブクログワンシーンごとに登場人物それぞれの心情が描かれていて、わかりやすくサクサク読めた。本屋大賞受賞作ということで、普段本を読まない人でもすんなり入ってくる内容だなという印象。個人的にはちょっと物足りない感があった。 よくあるハッピーエンド、うやむやな終わり方ではある。でも、締め方が爽やかで読了感が良い。羊と鋼の森しかり、ピアノの森しかり、音楽テーマの作品はいろいろあるけど、「ピアノ」ひとつでも作者が違うと捉え方もいろいろあるんだなと感じて面白い。
0投稿日: 2019.05.27
powered by ブクログあるピアノコンクールに参加した4人のコンテスタントと、その周囲の人々、それぞれの視点を渡り歩きながら一つのコンクールの内に繰り広げられる人間ドラマを描く。 恩田さんの作品も初めてなら、直木賞作品(一つの共通カテゴリーなのかわからない)も初めての私には、2重の衝撃を受ける読書だった。 まず、主にピアノによるクラシックの音楽体験を、文字によるイメージに変換して表現しているのだが、これが見事で原曲を聴きながら音楽もより楽しめ、小説も楽しめるという特異な読書体験だったこと。新しい小説表現としても、クラシック音楽の間口を広げる意味でも、ただただ素晴らしいの一言! 逆に気になったことは、登場人物やドラマがかなりコミカライズされていること。文字の小説が漫画やアニメに勝る点の一つは、生身の自分をベースに世界を想像できるところではないかと思うが、ここではそれがとても難しい。ストーリーとしてはスルスルと入ってくるものの、実在の人間の持つ一括りにはできない雑味、もたつき、深み、なんと言っていいかわからないがリアリティが抜き取られていて、想像の中での主人公達がどうしても漫画やアニメになってしまう。 文字の小説の領野の拡張と収縮を同時に体験した思いだった。
16投稿日: 2019.05.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻と同じような感想。 結局、主人公たちの個性がよく分からず、特徴がなく誰か何を語っているのかよく分からない小説。 加えて、コンクールの審査基準もよくわからないので、最終結果があのようになったのもよくわからず。最後に順位書かれても、ふぅん、なんで?ってなるだけ。 最近音楽関連題材の本流行ってるんだろうか。羊と鋼のなんとかと、マチネの終わりにも、音楽関係だった気がするけど、この本がダントツ最下位だな。なんで直木賞と本屋大賞とってるかわからん。
1投稿日: 2019.05.27
powered by ブクログ国際的なピアノコンクールを舞台に若きコンステントたちの熱い演奏が描かれる。果たして優勝を手にするのは誰か。 上巻に続いて、ピアノの世界にというか、物語にどっぷりと浸かった感じでした。 自分には縁遠い物語でしたが、一人の観客としてこのコンクールに参加できたように感じ、とても幸せを味わいました。 勝負の結果も気になる所でしたが、それ以上に一人一人のコンテスタントのピアノに向かう生き様がとても印象に残りました。 また、音楽の世界を物語として、言葉で表現することの素晴らしさも感じさせてもらいました。 言葉の可能性を見た感じです。 自分の感性をさらに磨いていきたいと思う今日この頃です。
23投稿日: 2019.05.26
powered by ブクログリズムよくページをめくりながら、頭の中で音が流れる感覚がしました。 読み応がえあり、面白かったです。
0投稿日: 2019.05.22
powered by ブクログ一次からこんなにしっかり書いちゃって後半大丈夫かな?と思ったけど全然大丈夫だった。 読んでて演奏してる音楽は全く想像できなかったけど、しっかり鳥肌立ってた。 音楽もピアノも全く興味ないけど、どんどんのめり込むように読めたのはそれだけ描写が繊細だからだろうか?
0投稿日: 2019.05.22
powered by ブクログ二次予選の続きから本選 進むほどに人数は減っていく。残るか落ちるか、あぁ胃が痛い。「落選してもコンテスタントの音楽性を否定しているわけではない」と言われてもねぇ、あなたは先へは進めませんと言われてるわけで、とりあえずガックリするよ。 技量的なことは今さら望むべくもないけど、音楽が好きな気持ちはずーーっと持っていたいのだ。
3投稿日: 2019.05.20
powered by ブクログ聞いたことのない音楽が情景として頭の中に入ってくるような感覚になりました。 読み終えるのがもったいないと感じる本でした。
0投稿日: 2019.05.18
powered by ブクログこれ、映画化するんだね、 大ヒットか、おおこけするか。 生半可な表現じゃ、がっかりするけど、 原作の世界観が上手く表現されるなら、是非とも映像化はみたい! クラシックは縁遠くて、でもマサルや亜夜、明石を通して溢れでることばで、その曲や演奏者の世界観がみえてくるのがすごい。 そこに実際の曲をかけてみると、また違った味わいが。 ホフマン先生の贈ったギフトの、爆発力のすごさといったら。読んでる私も内から自分でも気付かないものを引き出される気がする。 ずっと鼓動がうるさくて、読み終えたあとの虚脱感と言ったら。 漸く、ゆっくり眠りにつける。幸福な気持ちのままいい夢がみれそう。
2投稿日: 2019.05.15
powered by ブクログ直木賞と本屋大賞をダブル受賞した作品だけに期待して読み切りました。結果的には本作の中でも、どちらかと言うと上巻の方が意外性が高く、ドキドキしながら読みました。前から恩田陸はいつか読んでみたい作家だったけれど、なかなかタイミングが合わずこれまで来ましたが、本作を読み終えて、読んで良かったと実感しています。是非、他の作品も読んでみたいですね。
5投稿日: 2019.05.14
powered by ブクログ上下巻完結。 疾走感が見事。つい聴きたくなって、作中の作品を調べて流していました。 風間塵の演奏、聴いてみたいなあ。
2投稿日: 2019.05.13
powered by ブクログずっと読みたくてやっと読めました! 続きが気になって一気に読んでしまいました。 ピアノを弾く人によってそんなに音楽が変わるんだなと驚きました。 文字の表現力がすごく迫力が伝わりピアノの魅力をすごく感じることができました。ピアノをやめたことを少し後悔しました。
0投稿日: 2019.05.12
powered by ブクログコンサートの二次予選後半から始まる。 (上)がみずみずしい初夏のイメージが強かったのに対して、(下)はメリハリが効いたような、真夏の通り雨が通った後のような、嵐の夜の夜明けのような、そんなイメージを受けた。 物語の最中に、音楽を"取り出す"、"連れ出す"という表現が出てくる。これは、この物語を象徴している一つのフレーズだと思う。 例えば、少し大袈裟に捉えすぎかもしれないけど、仕事をしているとき、仕事上で周囲を評価しなくちゃいけないとき、大切なパートナーや家族と一緒にいるとき、"取り出す"、"連れ出す"ということに近いことをしているのかもしれないと思った。仕事の本質だったり、その人の良さだったり、そういうものとかを。そういう行為に長けている人のこと見て、亜夜や塵みたいな"天才"だと感じることも多い。 ただ、私はそういった才能には恵まれていないけれども、天才だって努力を人並み以上にするし、迷いも挫折も乗り越えてこその"天才"だから、"取り出せる天才"に指を咥えて見ているだけではなく、学んで真似ていけるようにと強く思わせてくれる小説だった。(たぶん、マサルと明石はその努力をひたすら積み上げて天才と並んだ(越えた)天才)。 読む人の好みを選ばず、オススメできる本になった。
0投稿日: 2019.05.12
powered by ブクログコンテストが舞台だけど、ドロドロした展開がなくてよかった。真っ向から音を視覚的に表現する作者に、凄味と敬意を感じました。
0投稿日: 2019.05.11
