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総合評価

825件)
4.4
407
258
88
16
4
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    3人の天才のエピソード。 天才同士が刺激し合い、コンクールの中で成長していく。音楽小説は初めて読んだが、演奏の表現が美しすぎた。 あと、主語の切り替えが上手く、読みやすかった。

    2
    投稿日: 2020.07.03
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    読後一発目の感情としては、最後が物足りない。 亜夜の出番まであんなに事細かに描いていたのに、スコーンと飛ばして、諸々終わったバーの場面。 読者に描かせようという所なのかもしれないが、これまでの細かい描写があったため、拍子抜けしてしまった。 ただ、3人の進化の描写はワクワクして面白かった。 これから映画化されたDVDを借りに行こうと思う。 #ピアノコンクール

    0
    投稿日: 2020.07.01
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    読み終わってしまった。ずっと続いて欲しかった。コンクール後の彼らの生活まで。 下巻途中に、塵の師からの使命である、音楽を外に連れ出すということ、塵がギフトとして、他のコンスタントに与える影響が見えた。 編集者の後書きまで見ると、10年かかった作品で、連載時は注目されてなかったと。 直木賞、本屋大賞(夜のピクニックから2回目)受賞。音楽の描写が素晴らしく、コンクール行ってみたくなるし、音楽じゃなくても何か同じような経験、自分の成長、他者への成長やいい影響を与えることやれたらいいなと思う。

    1
    投稿日: 2020.07.01
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    コンクールの第二次予選途中から、第三次予選、本線と続く。 上巻以上に、より音楽の世界観の表現が多彩で、読み耽ってしまいました。 途中、第三次予選のところとか冗長に感じる部分がなくはなかったが、総じてとても魅力的だったし、引き込まれるものがあった。 “音楽”という音・聴覚の世界観を、“小説”という文字・視覚で表現するという挑戦は成功したように想います。 個人的には、コンクールとは関係ない場面で、第二次予選の合間に栄伝亜夜と風間塵がセッションをするシーンがとても好きで、音楽を奏でる幸せを感じていてうらやましいなと思ったりしました。 下巻の冒頭部分だったので、より先に読みたいと思えたシーンでもありました。 これだけの大作、かなりの苦労、生みの苦しみもあったろうと想像されたが、解説で編集者の「思い出」と綴られていて、恩田陸さんの凄さが垣間見えてとてもよかったです。 新しいものに挑戦するというのは、とても尊いし、そしてその踏み出した一歩の先を継続していることが大切なのだなと思いました。 もちろんそれはすごい大変なことであるけど、大変であるからこそ“大きな変化”を生み出す。 そして、到達しえなかった領域に到達するのか。 そこに人は心を動かされるのかなと思います。

    1
    投稿日: 2020.06.30
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    言葉だけでピアノの音色や会場の雰囲気、演奏者や観客の想いを鮮明に、繊細に描ける筆者の努力と才能に頭が下がらない。クラシックが聴きたくなった。

    1
    投稿日: 2020.06.26
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    ピアノというプロの世界の凄まじさ、世界観が生き生きと、迫力を持って描写されていて、素人でもひきまれるところがすごい。とにかく面白かった。

    1
    投稿日: 2020.06.25
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    風間塵、栄伝亜夜、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール、高島明石の4人がピアノコンクールに臨む話。 分厚すぎる単行本に読むのを躊躇ったが、 意外と読み始めたらすらすら読めた。 続きが気になった。 本戦が今ひとつ盛り上がりに欠けたかなーと 思った。 ピアノ演奏の描写シーンが多いので、 ぜひ映画の映像も見てみたい。

    2
    投稿日: 2020.06.23
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    この感想を書いているのは2020年6月12日で、読んだのは去年だったと思う。忘れないように、今覚えている限りのことを書こうと思う。  図書館で、何か面白い本はないかと探していた。そして恩田陸さんの本を読もうと思った。パラパラとみていたが、恩田さんの本はホラー系が多く、ホラーものを読む気分ではなかったので穏やかそうなこの本を選んだ。  最初のページをめくった時、ピアノコンクールの日程や、演奏する曲が詳しく書かれており、圧倒された。パラパラとみたが、知っている曲は少なかった。その後、本編を読み進めていった。文庫本で上下2巻、そして分厚いのでなかなか読むのが大変だったが、ピアノコンクールの世界に引きこまれていくような感じで、全体的に楽しく読み進めることができたと思う。とは言っても、途中何度か飽きてきて、「いつまで続くんだろ〜」と思ったこともあった。この作品の特徴として、何か大きな出来事が起きる訳でもなく、ピアノコンクールや、登場人物の幼い頃の話が繊細に語られることが言える。そして、それぞれの人物の物語が入れ替わりで語られていくような形式だった。  この作品を読んで驚いたのは言葉にするのが難しい音楽の世界をうまく言葉で表していることであった。曲調やコンクールに出場する登場人物の心情などが本当によく伝わってきたと思う。  また、この本を読んで音楽の世界の厳しさを思い知った。音楽で生きていくのは難しいものであるのだと思った。そして、同時に音楽の世界の良さのようなものをこの作品から感じとることができた。この作品で音楽の世界についても知ることができたのだと思う。  この作品でコンクールは1次、2次、決勝というようになっており、4人が勝ち残っていくのか、緊張感も味わえた。そして競争なので順位は決まってしまう訳だが、ラストはとても気持ちが良いものであり、良い終わり方だったと思う。

    0
    投稿日: 2020.06.12
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    流れるように音楽を聴いているような感覚の本。それぞれのバックボーンや心情、最後の結果まで文章が心に染みるような感覚。

    1
    投稿日: 2020.06.08
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    音楽というものを文字で鮮明に表現されているところが面白かった! あやが音楽はスポーツのようなものと言っていたがプロとして活躍するにはそれなりの覚悟と極めることの大変さや楽しさ等々が描かれていて、あまり本を読まない私も引き込まれてました!

    1
    投稿日: 2020.06.08
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    長かったーやっと読み終えた! 綺麗な、綺麗な小説だった。 この小説ひとつが一曲の音楽のように、pになったり、クレッシェンドしてfffになったり、そういう話の広がりに音程の幅というか、を感じた。 また、作者の表現力の無限大さにゾクゾクした。 音楽を言葉で表すのに、こんなに語彙があるのかと。そんな喩えができるのかと。 登場人物ごとに主人公が入れ替わって、その人目線と考えが感じ取れた。 もしかしたらですが、音楽の予備知識がない方は、読破するのが辛いかも???

    1
    投稿日: 2020.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    明石の言葉が印象的。 音楽っていいな。 真の世界言語だ。 あと、これ。 本当に、一人の人間のできることは少ない、一人の人間に与えられた時間は短い。 ちっぽけな短い人生のあいだにあたしはピアノに出会って、ピアノに人生の少なからぬ時間を費やし、こうして人に聴いてもらっている。 そのこと自体がいったいどれくらい奇跡なのだろう。… 亜夜の言葉。 音楽を、こんなに面白くてわかりやすくて、引き込まれていくような文章で、物語としてまとめる、そして賞もとっちゃう恩田陸さんほんと凄い。 文庫本の最後にあった、担当編集さんの”思い出”が、面白かった。連載だったとは思えない。 物語を生むのはこんなに大変なんだ…。

    1
    投稿日: 2020.05.29
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    ずっと読みたかった蜜蜂と遠雷を読了しました(笑) 感想は、登場人物の心理描写とか、 心象風景の描き方が半端なくて、 読んでて、物語の世界に引き込まれていく・・ あとがき見て思ったけど、確かにこれだけの作品を 書こうとしたら、それだけの手間と時間掛かるよね? ・・って感じたわ。 めっちゃ書き込まれてるもん。 作品がね。濃密で濃い・・。 なかなか、ここまでの作品を書き上げられる作家さんって そうそう居ないんじゃない?って、思うくらい、 “小説愛”というが、情熱を感じる一冊(笑) ただ、正直言うと、俺みたいななまじ読書家は、 途中、少しだけね?折れかける・・ 文字量半端無ぇーんだ!更に上下巻でしょ? 活字慣れてないと、読んでも読んでもなかなか 読み進まなくて、途中挫折しかける・・ でも、内容は面白いから、案外読める。 サラサラ~って(笑) 普通の読書家の方は、全然普通に『面白かったっ!』って 楽しめる一冊だと思う(笑)

    2
    投稿日: 2020.05.27
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    映画に衝撃を受けて以来読むのを敬遠していたけれど、やっぱり読んで良かった。 クラシックのことが全く分からなくても読める。そして、浸れる。そんなところが好きです。

    1
    投稿日: 2020.05.23
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    グングン引き込まれて、分厚い本なのに一気に読み切った。 本から音が聞こえてくるようだった。読み終えた後は作中の曲を聴いてみたりした。

    1
    投稿日: 2020.05.20
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    ピアノは高尚なもの。すこしとっつきにくいもの。 といったイメージを払拭してくれる一冊。 予選を重ねる毎に揺れ動きながら成長する3人も、落ちちゃったけど生活と馴染む音楽が好きな明石君も、奏ちゃんも審査員もみんないい。 個人的には明石君推し。 年齢が近いからだろうか、菱沼賞を受賞したシーンは思わず泣いてしまった。 最後に成績が掲載されており、それを見てまた胸熱。 とりあえず、映画みたいな。

    1
    投稿日: 2020.05.19
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    天才×天才×天才の話。 読後の満足感はすごい。 天才×天才でも三月のライオンの島田さん風にいうと鷺や鶴みたいな鳥たちの集まった天才。 見える世界も感じ方も自分たちには想像できないだろうと思った。

    3
    投稿日: 2020.05.18
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    音楽を扱った本って、それぞれの楽曲について 当然、文章で表現されるが、実際の音楽を聴いても、ここまで感じることが出来ない自分が残念。 内容は、ダブル受賞ほどの衝撃はないが、音楽が聴きたくなる本。

    2
    投稿日: 2020.05.16
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     世界は音楽で溢れている。  その音楽と気が付かなくなっている。  だから音楽を世界に連れ出す。  下巻は二次予選から12人が残る三次予選、そして6人に絞られる本選へ。  天才同士だけが分かる世界。  彼らは音楽で会話をする。  音楽を通じた会話を言語化されている。  凄かった、の一言。

    3
    投稿日: 2020.05.14
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    発売当初に読んで、映画化は難しいやろうと思ってたが映画も見事だった。 しかし本の方がおすすめ。文字だけやのに音楽が聞こえてくる。恩田陸さんの表現の豊かさ。どれだけ勉強されたんやろう。作家魂に感動。

    1
    投稿日: 2020.05.08
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    映画化にあたり拝読。恩田陸作品は初めて手に取ったのだと読み終えてから気づき、しっかりと後悔した。人気作家の所以をもっと早くに理解しておくべきだった。 音楽表現というものは小説に落とし込みにくい題材だと素人ながらに思っていたからか、まさに雷に打たれたような心持ちでページを捲り続けた。音が鳴っている。言葉のひとつひとつが美しい響きであった。無論、流れていく音楽だけでなくストーリーも、圧倒的に美しかった。それぞれの登場人物が奏でる生き様もまた際立っており、これまた美しかった。終焉もまた綺麗で、清々しい。しかし彼女と彼のこの先にもまたストーリーがあるのだろうなと、ついつい妄想が捗ってしまった。 音楽の専門用語があればより楽しめたであろうが、これは紛れもなく小説だ。クラシック音楽に疎い私のようなただの本好きであっても、頭の中に流れ込む彼女たちの音楽の虜になるだろう。

    1
    投稿日: 2020.05.07
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    今までの恩田陸作品の中でも特に没入感の凄い作品だった。 お互いの演奏を通じて、徐々に変化していく登場人物の心情が音楽の中で鮮明に表現されていて、物語にどんどん引き込まれていきました。 一人一人にしっかりとストーリーがあって、ちょい役かな?と思った人たちの裏にもしっかりストーリーがあるので密度の濃い作品です。

    2
    投稿日: 2020.05.06
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    面白くて下巻は寝る時間も惜しんで一気読みしました。 まるで自分がコンテスト出場者たちの身内であるかのように感情移入して、臨場感あるコンテストの空間を体験していた。 コンテストは1次予選から始まり、2次、3次、本戦へと、何日もかけて行われ、いつしか自分が当事者としてそこにいるかのように思えた。 読み終える頃にはとても長い時間をコンテスタントとして過ごしたかのように現実世界の日常をさらわれ、とても読み応えがある。 音楽の素晴しさを思い出す本。

    2
    投稿日: 2020.05.05
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    コンクール独特の緊張感や、メンバーの仲の良さが、フィギュアスケートと似ているなと個人的に思いながらワクワクしながら読みました。あまりクラシックに詳しく無いので、曲はユーチューブで調べながら笑 そのあと映画を観たら、ガッカリ!!断然本の方が面白いです

    1
    投稿日: 2020.05.02
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    はあぁ。最高。 みんなの中に、世界中に音楽がある。 世界はこんなに美しい。 アーちゃんが羽ばたいていくところ、もっとみたかったなー。 綿貫先生のお墓参りもみたかったなー。 ずっとずっと、みていたいなー。 彼らの物語。

    2
    投稿日: 2020.04.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻に引き続き、音楽知識はないが一気に読めた。 コンクールを通して、成長していく登場人物に引き込まれた。 個人的には栄伝亜夜の覚醒が印象的だった。 「音楽は自分の中にある」 私も音楽に携わるものではないが、自分の中にあるなにかを見つけたいと思う。

    1
    投稿日: 2020.04.25
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    幸せな音楽体験。コンテスタント, 審査員, スタッフ, 観客と様々な人の目線で、ドキドキしながら1つのコンクールを見届けた充実感を噛み締めています♪

    2
    投稿日: 2020.04.24
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    音楽には全然詳しくない。 ましてやクラシックなんて。 だから、なかなか興味を持てず読み始めるまでにまず時間がかかった。 でもせっかくおすすめの本ということで貸してくれたものだし、なにより映画化されていたことは知っていたので、滅多にないこの長いお休み期間中に読み始めた。 すると途端にどハマり。 出てくる専門用語が全くわからないのに、なぜだか最高におもしろい。 言葉のチョイスとかセンスがあって、どんどん引き込まれるし、ドキドキワクワクが止まらない。 ピアノを弾いてるシーンで、本当に情景がありありと思い浮かぶ。 自分では絶対に選んでいなかったであろう本に、出会えた幸せを感じられた。 ありがとう。

    3
    投稿日: 2020.04.20
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    4.3 やっと読み終えました。 上巻は割と短期間で読み終わりましたが、下巻はなかなか波に乗れなくて少しずつ読み進め4か月掛かりました笑 私にとっては、面白い部分とそうではない部分がはっきり分かれた作品でした。 塵とマサルと亜夜以外の部分は正直あまり好きではなくなかなか読み進められませんでした。 音楽を文字で表示するのって難しいと思うけど、作者はとても情熱的に伝えてくれました。 ピアノとは縁のない人生でしたし、聞いても良し悪しがあまり分かりませんが、分かる人たちはこんな風にかんじたり聞こえたりしてるんだと、知りました。 のだめカンタービレが流行った頃、少しハマってCD買ってクラシックを聞いたりしましたが、いつの間にかまた聴かなくなってました。 音楽っていいな、またクラシックも色々聴いてみたいなと思わせられました。

    14
    投稿日: 2020.04.20
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    恩田陸さんの作品はどれも一瞬一瞬が詰め込まれている。ピアノのことは少ししか分からないけれど、こんなにも音楽は素敵なものだったのか、と思わされた。 そしてどんどん興味が湧いていってクラシックを聴きながら読み進め、見事、ハマっています、、。 『どんな生物も、地球という舟で暮らす以上、生命は等価に違いあるまい。』 この本を読むことで人としても成長できたような気がする。登場人物と共に。 何か一つのことに没頭し、人生の時間を費やすことって素晴らしい。その時間が無駄じゃないと思えることが好きなことなんだなぁと思った。 好きな文章がたくさんあって、いちいち写真に納めて、書き写しました。

    1
    投稿日: 2020.04.18
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    びっくりするくらい物語に引き込まれました。 ピアノの演奏ひとつひとつを、あそこまで言葉で表現できる恩田陸さんの力量には驚かされました。 小説好きとして、今まで読んでなかったことがもったいないと思うくらい、もっと早く読むべき著書だと若干の後悔の念もありました。

    3
    投稿日: 2020.04.15
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    恩田さんの音楽愛が物凄く伝わってきた。内面描写が多く、コンクールの顛末を描いているだけなのに間延びせず飽きない。登場人物の関係性もとても爽やかでよかった。

    3
    投稿日: 2020.04.08
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    映画を観る前に読んだのだが再度。 映画を観た時はキャストに、ん?と思ったが、もう一度読むと今度は映画のシーンがシンクロして。 一回目とは感じたことがかなり違う。(一回目は正直長いなというのが印象だった) 映画で観た実際の演奏が記憶に残っているのも影響しているのかも知れない。 読みながらところどころで涙がじわっと出たり、背筋がぞくっとしたりする、不思議な感覚。 この作品は本当に凄い、ベタな言い方だけど。

    1
    投稿日: 2020.04.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ピアノの音をこれだけ日本語で表現し、そしてタイプの異なる4人のコンテスタントの音を書き分けるとは・・・コンクールのそれぞれの演奏中の部分は全部を書きとっておきたいくらい。 第三次予選までを丹念に書き込み、本選はさらに濃厚に書かれるのかと思いきや、あとは読者に溜まってきた想像にゆだねるかのように軽やかにかわす。ジャジャーンと壮大なフィナーレではなく、スタッカートですっと演奏を終わり速やかに笑顔で立ち上がるピアニストを思い浮かべた。 P22 文芸業界とクラシックピアノの世界は似ている。 P96 音楽を生活の中で楽しめる、まっとうな耳を持っている人は、祖母のように普通のところにいるのだ。演奏者もまた、普通のところにいてよいのではないだろうか。 P142 行く先々で出会うピアノはまさに天候次第のトラックであり、ステージは競技場であり、ホールはスタジアムなのだ。ネットワークでつながれすべてが机上のパソコンと電脳空間で処理できる身体性の希薄な現代だからこそ、ますます生身の音楽家は身体性を求められると思う。 P167 そう、大人の演奏をするのだ。今自分が抱いている複雑な思いや孤独、音楽に対するアンビバレントな思いも演奏で表現すればいい。それが最年長コンテスタントの唯一のアドバンテージなのだ。 P173 嫌われたくないとか主張したくないという、いわば減点法の優しさではない、本質的な他者への優しさ P180 「弾ける」のと「弾く」のとは似て非なるものであり、両者の間には深い溝がある、とナサナエルは思う。 P195 なぜかピアノの先生は髪が多い。ブローチ着用率も高い。 P236 スターというのはね、以前から知っていたような気がするものなんだ。その存在そのものがスタンダードだからね。現れた瞬間に古典となることが決まっているものがある。 P400 音楽を外へ連れ出すのはとても難しい。音楽を閉じ込めているのは、ホールや教会じゃない、人々の意識だ。 下 P71 風間塵は「修羅」をカデンツァで示した。自然は優しく人間を包んでくれ低rだけではない。むしろ古来より人間を打ちのめし、常に絶滅の一歩手前まで人類を追いこんできたのだ。「春と修羅」 P133 まったく、この天才どもめ。 P183 曲を仕上げていく作業は、なんとなく家の掃除に似ている。【中略】家を維持する掃除は、絶え間ない肉体労働だ。演奏もしかり。【中略】効率の良い方法をいろいろ試してみるものの、結局最後は、愚直に一部屋ずつ丁寧に磨いていくしかないという結論に達した。それでも、辛抱強く丹念に磨いていくと、毎日さまざまな発見がある。【中略】やがて、その日はやってくる。意識しなくても、隅々まで手が行き届いて、屋敷が生来の美しい姿を現す日。

    7
    投稿日: 2020.04.05
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    いままで触れたことのないクラシック音楽とピアノの物語にもかかわらず一気に読んでしまった。ほとんどがホールの中の出来事なのに、青空の森の中の出来事のようだ。きっとオイラも風間塵と栄伝亜夜の演奏に導かれたんだろう。昨日ラジオで写真家のハービー山口が、「作品は人格を越えない」って話をしていたのを思い出した。栄伝亜夜、マサル、風間塵は若くして人を感動させる演奏ができるのだからきっといい大人になるんだと思う。 風間塵の活け花の師匠、富樫の「一瞬というのは永遠なんだ」という言葉がオイラにはうまく咀嚼できなくて悶々とした。好きなアーティストが全盛の時のままの声で歌ってくれたり、演奏する姿を見るとアーティストは老いても楽曲はそのままだなって思うときがあるけどそういうことなのかな。年相応にヤレた感じの声や演奏も味があるから、その楽曲は永遠なのかも。 恩田陸の作品は何冊か読んできたけどこの物語はいままでとちょっと違った感じがする。いままではどこか薄暗いところがあってちょっと苦手だった。読み終わったときになんか考えちゃってスキッとしない感じがあった。でも、この物語には希望があった。高島明石の受賞もあったし。天才たちが今後、どんなミラクルを見せてくれるのか楽しみになる。

    5
    投稿日: 2020.03.28
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    私もピアノ昔習ってたけど、全然凡人だった。この世界を感じられる天才が羨ましいと思ったのと同時に、音楽の素晴らしさを感じることも出来た。 またピアノが引きたくなった。 あとクラシックってやっぱり素敵だよね

    1
    投稿日: 2020.03.28
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    最初惹かれて読んだけど、評価されているほどの作品ではないと結論。心地良いし良いのだけど、『四月は君の嘘』を知っている身としては見劣り感。

    0
    投稿日: 2020.03.27
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    とても良かった。 よく映像化できたなぁ(見てない) 途中ちょっとくどさに飽きるけど綺麗な物語だった。 音楽、芸術、建築、憧れる世界

    2
    投稿日: 2020.03.24
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    とにかく最高だった。 音楽の演奏をしていた身として、初めての読書体験だった。 言葉の一つ一つがとにかく美しい。 今弾き始めた音の響き、ホールの響き、登場人物が座っている位置、そこからの見えかた、聴こえかた、ひとつひとつを想像してしまう。 目に浮かぶようで飽きない。 弾いている人の高揚感、ライトの眩しさ、籠っている熱、他人の演奏を聴いたときの言い表せない感情、ひとつの音を追求して唐突に正解が見えた瞬間。 音楽を演奏していた時のことを思い返して、ああ、あのときのことはこんな言葉で表現することができたのか、と思う言葉が沢山あって、言葉が輝いて見えてくる。

    1
    投稿日: 2020.03.23
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    今の時代、「時間」が足りない人が多いんだろうと思う。 主婦(夫)の人は家事・育児があるだろう。 副業で忙しい人もいるかもしれない。はたまたスキルアップのために勉強に励んでいる人も多いだろう。 ただ、そんな人たちにでも、時間を割くに値すると私は思う。 題材はピアノ、音楽、コンクール。 それを舞台として、様々な人物が登場し、多様な目線から物語が描かれている。 読み進めるにつれ、きっと応援したい人物もでてくるだろう。音楽は門外漢でまったく分からないの私だが、それでも熱くなることができた。 シンプルな言葉になるが、まったくいい作品だった。

    7
    投稿日: 2020.03.23
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    やっと読み終わった。 音楽を言語化する難しさ。 著者の技術には脱帽だけど、話としては。。。 個人的には明石が好き。

    0
    投稿日: 2020.03.21
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    上巻に続き、一気読み。 天才ピアニスト四人を中心に置いたストーリー。 コンクールを通して、互いに切磋琢磨していく姿に虜。 長編なので読む体力がいるかと思いましたが、するすると読めました。 クラシックとか詳しくはないけれど、思わず聴いてみようかなと思う作品。 曲に対する向き合い方など、どれも表現豊かで、さながらその会場にいるかのような感動さえありました。 心震える小説とは、こういうことを言うのでしょうか? 素晴らしい本に出会えたことに感謝します。

    7
    投稿日: 2020.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語が進むにつれ、ネットで該当の音楽を探して聴きながら読むようになっていた。 ラストの亜夜のシーンも描いてほしかったような、でも、既に完結していたということか。 高島明石が菱沼賞を受賞した連絡を受けたところは、泣けてきた。そして、ジェニファ・チャンにも。最後にさり気なく書いてあって見逃すところだった。

    1
    投稿日: 2020.03.20
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    凄く面白かったです、文量は多いけど凄く爽やかで、静かに燃える情熱、パワーが感じられる大満足できる小説でした。登場人物がどの人も魅力的で、4人の才能はページをめくるごとに開花していき、音楽を通して己の全てを出し切る姿はほんとに美しく感動しました。

    1
    投稿日: 2020.03.19
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     正規の教育を受けていない自然児を、弟子をとらない名ピアニストが指導するという設定は『ピアノの森』の主人公カイを思い浮かべるのだが、どうもあまり音楽界のことがわかっていない『ピアノの森』と比べて、こちらはよく取材してあるようだ。コンクール経験者が読んでもこれ変だよってことはあまりないんじゃないだろうか。しらんけど。ただ、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、さすがに50分もかかる演奏は聴いたことがない。  ピアノ・コンクールの一次予選から本選までを描いているだけの小説がなぜこんなに面白いのかは説明できないけれど、評者は上下2巻を48時間以内に読了した。そのくらい面白くてやめられなかった。取材開始から連載終了まで10年かかったらしいので申し訳ない。クラシック音楽にあまり興味がない人にも面白いものなのかは評者には何ともいえない。  音楽コンクールの一部始終ということで、『のだめカンタービレ』も脳裏に浮かんでいた。『のだめ」もコンクールの部分は全体の一部なのだが、とても盛りあがった。でもコンクールは天下一武道会ではないのである。ここではコンクールはそれぞれが変わっていく触媒のように描かれていて、お祭りが終わった淋しさを余韻として残すのだ。

    2
    投稿日: 2020.03.10
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    出てくる曲が自分のなかにも流れてきたらもっと楽しいんだろうなあと思った。(ちょっとだけ、曲を流しながら読んだらほ~ってなった。)人間模様が面白かった。最後に向かって、溶け合っていくようなかんじがして。

    1
    投稿日: 2020.03.08
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    音楽から一度は背を向けた少女が、他者の音楽を通じて救われ、ふたたび音楽に向き合う。 音楽に向き合うことで、自分の心の中にあった本当の自分を見つけ出す。その過程が、コンクールという中の時系列を通じて描かれていた。 演奏の描写が細かくて、美しい。 一つ一つの曲を聴きながらもう一度その描写を追いたいと思った。

    1
    投稿日: 2020.03.07
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    凄い。 音の描写が良い。 曲全体の風景を描く。 それが、なぜか音として伝わってきます。 まさに、文字も歌うんだなぁ状態です。 久々に大満足な小説でした。 自分の音楽をしっかり楽しもう、 楽器も何もしていない僕も、 何かしら歌おう、 そんなメタファーを感じさせてくれる作品でした。

    1
    投稿日: 2020.03.05
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    傑作。 コンクールの話なのに、途中から順位とかどうでもよくなってしまうから不思議。 音楽、ミュージックそのものについて、こんなにも豊かな表現で書いてある本は初めてだった。自分が音楽についてこんなに考えさせられたことも、初めて。 箱の中に閉じ込めた音楽、現代の音楽への認識そのものが音楽を縛り付けている。 それの解放を行う少年の物語。

    1
    投稿日: 2020.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本から音楽が流れるわけではありません。せいぜい鳴る音と言ったらページをめくるときに紙から出る音くらいです。ですが本書は、音楽家たちの音楽を文字によって頭の中に鮮明に描いてくれる力がありました。4人の主人公の演奏シーンは、それぞれの世界へ読む者を「連れ出して」くれるものでした。 4人の音楽には、それぞれの世界があります。 明石の「生活者」の音楽。マサルの「聴く者を物語へ招待する」音楽。亜夜の「聴く者と自分自身を向き合わせる」音楽。塵の「聴く者を世界へ連れ出す」音楽。 同じ曲を弾いていてもこんなにも違う景色を見せてくれる音楽というもののすばらしさを、これでもかと表現してくれた作品だと思います。 また、他の3人に比べどうしようもなく「普通の人」として描かれていた明石の苦悩や、亜夜の「天才」としての苦悩など、それぞれの音楽に至るまでの苦しみがしっかりと書かれている点も、演奏を引き立ててくれる大切な要素になっています。 最後のシーン。蜜蜂は仲間に出会い、世界に音楽が溢れていることに気づきます。きっと彼は、彼らは、これからも音楽家として、聴く人を、音楽を、それぞれ世界へ連れ出していくことでしょう。 明石菱沼賞おめでとーーーー!!!!

    1
    投稿日: 2020.02.29
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    天才とか才能にもいろんな種類があると思うが。誰もが憧れる天才という言葉 だけど、当の本人たちも、自分が天才かなんてわからないし、人を羨むんだろう 最後は常識人であり、多くの人の心を掴むものが受け入れられたということか それもまた天性 みんな違ってみんな素晴らしいのだ

    1
    投稿日: 2020.02.29
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    ピアノの経験は全くないですが、まさにピアノのコンサートを追っているような臨場感。 そしてワクワクするストーリーと登場人物に終始楽しく読めました! また同じ著者の本が読みたいです。

    2
    投稿日: 2020.02.26
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    音楽が日本語に訳されたような小説。 ピアノコンクールという専門的でマイナーなテーマを扱ったこの本が何故人気なのか?読んで分かりました。 書籍から音楽が流れることなど当然有り得ないのですが、読書中ずっと音楽に浸っているような不思議な感覚をおぼえます。

    2
    投稿日: 2020.02.16
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    前から気になっていた小説なので、やっと読みました。 こんなに熱中して小説を読んだのは久しぶり、というくらいすごく引き込まれました。4人のメインの登場人物だけでなく、彼らを取り巻く人物たちも、1人1人のキャラクターが立っていてとても生き生きと感じられます。 自分が楽器を吹くので余計にかもしれませんが、音楽の楽しさや深みのようなものもとても感じられました。小説なのに、音が聞こえるような。小説なのにこんなにも音楽に引き込めるのはすごいなぁと。 音楽のコンクールやコンテストは自分が参加するのは好きではないですが、この4人のコンテスタントは「勝ちたい」というのが前面に出ているわけではなく、自分たちの演奏を貫いているというのも、いいなぁと思える部分なのかもしれません。 社会人として働き、夫であり父でもある高島明石というコンテスタントの存在も、自分がこの物語に大きく引き込まれた一因なのかなと思っています。(高島明石はもちろん相当な実力者なのでとても比較はできないですが)社会人として生きつつも、自分の音楽を追及していけるかもしれない、という感覚を持てたのは本当に良かったです。新しい形で音楽に自分自身が向き合えるんじゃないかなと思っています。 とても素敵な読後感で、この小説に出会えてよかったと心から思えました。

    1
    投稿日: 2020.02.10
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    この独特のリアリティがどこからくるのか、なんて思ってましたが、あとがきを読んで納得しました!滅茶滅茶に取材してたんですね! 上巻の勢いそのままに、美しい音の描写がとても豊か。 コンクールの順位に関しては、どこか思うところがありますけど。笑

    0
    投稿日: 2020.02.06
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    おもしろかった。 文章から音楽が伝わってくるような感じがしました。 音楽…特にクラシックについて詳しければもっと深く読めたんだろうなって思いました。 自分も音楽が趣味で聴くことも歌うことも大好きで、一時期ギターも習いましたがすぐ辞めてしまいました。 でもこれを読んでまた趣味でもいいからギター弾きたいなって思いました。 音楽への向き合い方が変わる一冊でした。 物語としては似たような流れの繰り返しなので、ジェットコースターみたいな物語の起伏が欲しい人には少し物足りないかも。

    1
    投稿日: 2020.02.03
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    ちゃんと感想 本当に音楽が聞こえてくるし、どれだけ取材したらこんなに音楽のことをかけるんだろうって思った コンクールって本当に戦いだ 多くは語れないから、読んでほしい… ページをめくる手が止まらないの久しぶりでした

    1
    投稿日: 2020.01.27
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    彼の演奏を聴くと、良かれ悪しかれ、感情的にならずにはいられない。彼の音は、聴く者の意識下にある、普段は押し殺している感情の、どこか生々しい部分に触れてくるのだ。  しばらく忘れていた。心の奥の柔らかい部分。  それは、誰もが持っている、胸の奥の小部屋だ。  プロになると、その小部屋の存在は、なかなかに微妙なものとなる。子供の頃から抱いていた、「本当に」好きな音楽のイメージ。音楽に対する青臭い憧憬が、小さな子供の頃の顔をしてそこにいるのだから。  いっぽう、音楽家として立つと、好きな音楽と素晴らしい音楽は違う、という業界内の常識が身体にしみこんでくる。仕事としての音楽、商品としての音楽を提供することに慣れるにつれ、自分が本当はどんな音楽が好きなのかは公言しにくくなる。自分で自分に満足できる演奏、自分の理想とする演奏など、決してできないことが痛いほど分かってくる。プロとしてのキャリアが長くなればなるほど、ハードルは上がる一方で、理想は遠くなり、胸の小部屋はますます神聖な場所となる。下手をすると、自分でもその小部屋を開けること自体、めったになくなるし、普段はその存在をあえて忘れているようになる。  しかし、風間塵の演奏は、本人も忘れていたその小部屋を突然訪れ、いきなり乱暴に扉を開け放つ。それが、扉を開け放ってくれたことに感謝する熱狂か、いきなりプライベートルームの戸を開けやがってという拒絶かという、極端な反応になって現れるのだ。  ホフマン先生はそのことに気付いていたのだろう。  ましてや、柔らかい部分を閉じずに無防備に聞いている観客が、感情を鷲づかみにされて、ほとんど狂乱と言っていいくらいの熱狂を見せるのも当然なのである。

    1
    投稿日: 2020.01.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私はコンクールに出るまでには全然至らなかったけど、ピアノを習っていた者としてあの独特の世界はありありと思い出せた。それにかけている人達とか、次々出てくる「天才」とか。コンクール情報だけの雑誌があったりとか、東京の高名な先生に師事するために田舎から新幹線で通ってた子がいたな、とか。 技巧がある一定レベルに達してしまうとと自分の演奏の何がすごいのか、他人の何がすごいのか私には分からなかった。CDでプロの演奏を聴いて、解釈の違いがあることは分かったけど正直大きな差でもないと思った。 この本は結局は才能に恵まれた人達の話で、正直非現実的な設定もあったので、目指して挫折した、消えてしまった人達の話も知りたくなった。 共感したフレーズ: 「確かに、曲の仕組みや当時の背景を知ることは重要だ。どんな音で演奏され、どんなふうに聞こえたか、知ることは大事だ。けれど、当時の響きが、作曲家が聴きたかった響きだったのかどうかは誰にも分からない。理想とする音で聴けたのかどうかも分からない。 楽器の音色も、使いこまれたら変わる。時代が変わればまた変わる。演奏するほうの意識もかつてと同じではないだろう。 音楽は、常に「現在」でなければならない。博物館に収められているものではなく、「現在」を共に「生きる」ものでなければ意味はないのだ。綺麗な化石を掘り出して満足しているだけでは、ただの標本だからだ。」 ジャズがお好きな恩田先生、クラシックの自由度のなさをどう思っているんだろう? 章タイトルにジャズの曲名が出てきたけど、亜夜の初ステージの章"You’d be so nice to come home to"が「帰ってきてくれてうれしい」というのは誤訳だと昔うんちくサイトで見たような・・・?

    1
    投稿日: 2020.01.24
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    努力と天才達が一つのピアノのコンサートを通して、思い悩んで成長して、音楽を個々の思うように表現する話。 子供の頃天才と呼ばれた子の復活劇(と安易に言ってはいけないけど簡単にいうと復活劇)、奔放に音楽を表現する子、華やかでスター性のある子の表現、普段の生活をしていても音楽家として表現したい人。色々なパターンの人が音楽を表現しようと頑張っています。新しいクラッシックを私も聴きたいなぁ。 読み終わったら、のだめカンタービレ読みたくなったので読み返してきます。

    1
    投稿日: 2020.01.20
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    令和2年1月 上に引き続き、読む。 いやーー。やっぱり楽しい。 はっきり言って、音楽は、知りません。 この本に出てくる音楽を一個も知りません。 でも、なんか、理解できる。  気がする。 CDでもいいから聞きたいなと思わせる文章。 でも、それ以上に生で聞きたい。 しかも、今度やる浜松ピアノコンクールを聞きに行きたい。 「今の世界は、音にあふれているけど、音楽は箱の中に閉じ込められている。本当は昔は、世界中に音楽が満ちていたのに。」 「風はない。静かな海だった。 耳を澄ませば、こんなにも世界は音楽に満ちている。 降り注ぐ光、ゆったりとうごめく雲 ・・・。」 本当にね。音楽といえば、テレビで見る何か。CD的なので聞く何か。そして、音は、常にどこかでしてる。うるさいくらいに。 本当の音楽というものは、ね。下の段にあるように、自然の光景。それが、音楽だったんだろうね。 それが、クラシックだったんだろうね。 あー、結局、音楽を聞きに行きたい。 芸術って、音楽だけでなく、いいよね。 地球上に生きる動物としての、人間だけに認められている楽しみ。人間としての進化の証。 描いたり、弾いたりしたいけど、それができないなら、聴いたり、見たりしたい。 いろんなものを。

    1
    投稿日: 2020.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    音楽は奥が深いですね。 ここまで奥が深いとは思っていなかったので、とても新鮮だったし、改めて練習し直そうと思いました。気持ちの持ち方ひとつでも音の深みは変わってくるはずですし、しかしほんとうに壮絶なドラマでした。映画にするのは大変だったのではないでしょうか(観てないで言ってます)。 ギフトって、giftedを意識していて言っているのか、贈り物なのか、両方なのか・・・

    14
    投稿日: 2020.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    コンクール後半戦。 たぶんあの3人の内、誰が優勝してもおかしくないけど、個人的には意外だったかも。 皆才能豊かだけど、三者三様の音楽に対するモチベーションや考え方、今後のビジョンがあって、それらの違いが読んでて興味深い。 まぁとっさに出てきたのは、楽器を弾きこなす技量と環境と努力できる性格と、没入できる才能があって羨ましい。という個人的な妬みだったのだけど。 ピアノという楽器に、若い時から全てを捧げてきた音楽家達をふるいにかけるコンクール。 どんなに上手くても、成功するのは一握りという厳しい世界に身をおけることは、とても大変そうで、だからこそ尊敬する。 マサル、風間塵、栄伝亜夜より、どちらかというと亜夜を見守ってきた奏や記者の視点に共感してた。 何かを上達する時は階段上で、それまでは進んだかどうかもわからずに毎日積み重ねるしかない。 それを発露するのがコンクールで、コンクールに限らずスポーツとか、一度の舞台で全力を出しきるのがいかに大変で難しいのか、なんとなくわかっていた気でいたけど、作品の皆の胸中の描写を読むと、大会にでる、舞台に立つというのはすごくエネルギーが必要なんだと改めて思う。 頑張っている皆を下手な分析や批評なしに応援したくなる。 でも、曲をもっと知っていたら、作品の描写が理解できたのかなぁ? クラシックをYouTubeで聞きながら読み、ラフマニノフのピアノ曲(マサルは自意識過剰と言ってたけど、ロマンチック大好きなので私は好きだ)以外はよく知らなくて、読んだ所の描写はどこだ?と考えて聞いてから進めたので、読了に時間がかかった。 亜夜の音楽に対する捉え方や緊張がわからない、というスゴイ性質や、風間塵のような独特の考え方は才能、特色、個性過ぎて、理解が及ばないw 毎日丁寧に作品に向き合うと毎日新しい発見がある。と独白しているマサルが一番親近感あるかも。 彼もハーフだし美形だし夢がハッキリしていてスゴいけどね!

    7
    投稿日: 2020.01.11
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    人は人と刺激しあって成長するんだ、とピアノを通じて描ききってる。あみ、まさる、じんをずっと応援していた。エミコが思いいたるホフマン先生の遺言の意図がこの物語をぎゅっとまとめてた。

    0
    投稿日: 2020.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恩田陸らしい細かな描写と言葉回しが素晴らしかった。音楽とは何か、演奏家の心情と背景をもとに、音楽について考えさせられる。ページ数は多く途中で嫌になることが始めあったが、読み進めるとはまる。面白い。

    1
    投稿日: 2020.01.03
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    『世界は音楽に溢れている。 なんて残酷で、なんて面白い、なんて魅力的なイベントなんだろう。』 凡人には凡人の悩み、天才には天才の悩みがある。 4人の音楽。天才の感性がすごい。 私にはやっぱり風間塵のすごさが際立つ。まさしく天才! そして天才たちの会話がすごい。 素晴らしい文章によって曲の世界が見える。 まるで私もその場にいるような高揚感。 演奏中、演奏後は私もドキドキした。 コンクールで味わう喜び、悲しみ。 落選しても達成感で清々しさが残る場合もある。 今まであまり触れることのなかったピアノコンクールのことが知れてよかった。

    3
    投稿日: 2020.01.01
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    上巻に引き続きスラスラ読めて面白かった。 何か本当に好きなものにのめり込み、本気で取り組んでみたいという前向きな気持ちにさせてくれる作品。 主人公をはじめとして登場人物の人柄の暖かさと熱い想いに、音楽が無知ながらもジーンと胸打たれる場面があった。 それとは対照的に演奏場面では臨場感が伝わり、興奮からページをめくる手が止まらなかった。 緩急があり、読み手を飽きさせない。

    2
    投稿日: 2019.12.30
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    とても面白い読み物でした。 音楽を言葉でこれだけ魅力的に表現出来るとは、上巻よりこちらの方がコンテスタント一人一人の感情が伝わってきて最後まで楽しめました。 なので、終わりがとても呆気なく うーん、でも最後の結果発表の1ページで締めくくるのは素敵な終わり方なのかもとも思いました。

    0
    投稿日: 2019.12.29
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    素敵な作品。ドミノと同様、登場人物それぞれの視点が丁寧に描かれていて、綿密に絡み合う様が面白いと思う。

    0
    投稿日: 2019.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文中の表現を借りれば、「顔に音圧を感じる」。 それくらい、どの演奏シーンも迫ってくるし、引き込まれる。 演奏ごとに、コンテスタントそれぞれの、 音楽観・人生観・時には宇宙観まで描かれていて、 音や曲の表現と相まって圧倒される。 演奏が終わるごとに軽く放心状態。笑 マサル・亜夜・塵の天才3人ももちろん華やかでいいのだけど、 会社員しながら苦労してコンクールを目指してきた明石の 地に足のついた感じが、一番応援したくなったし、 受賞したことが本当に嬉しかった。 コンテスタントだけでなく、ステマネや調律師さん、 プレスなど、コンクールに関わる人たちにも スポットが当てられてたのも好印象。 1次から本選まで濃厚な演奏シーンで盛り上がってきて、 最終演奏から終盤への展開でスッと終わったのが、 かえって気持ちいい余韻に浸れた。

    2
    投稿日: 2019.12.25
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    個性違う4人のコンクールもの語り 天才少女と呼ばれた亜夜の復活、路上ピアノしながらコンクールに臨む鹿、大師匠の弟子マサル、どうしてもあきらめきれない明石 ピアノは詳しくないが文章の表現力豊かな書き方で私にも虜になる小説だった、、 手という繊細さが人によって奏でる音が全く違うし性格が表れているなぁと コンクールで優勝候補は何らかの「力」があるのですねぇ~ 今回コンクールで優勝したのは誰なのか?

    1
    投稿日: 2019.12.21
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    改めて読み直してもやはり名作は名作だった。 クラシックの事を詳しくなくても世界に入り込みます。 登場キャラクターも愛着がわいてきて応援したくなります。

    0
    投稿日: 2019.12.18
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    一瞬というのは永遠。その逆もしかり。 その意味がはじめよく分からなかったけど、読みすすめるうちに理解できました。 できるだけ場面ごとで演奏されてる曲をプライムミュージックで再生しながら読んでいましたが、単に眠くなる音楽くらいにしか思ってなかったクラシックが、こんなにも聴きごたえのあるドラマチックなものなのだと知りました。とくにコンチェルトは生で聴いてみたいと思いました。

    0
    投稿日: 2019.12.15
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    直木賞受賞だけあって、のめり込んで読破。 ただ、こういうコンクールものは、なかなか臨場感が文章では、伝わりづらい。 映画の方が、やはりもっと楽しめるのかも⭕️

    0
    投稿日: 2019.12.11
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    どう終わってももう気持ちいいんだろうなあって感じ。 これ、映画化されてほしい!音を聞きたい!って思ったら、既に映画化されてました。やっぱりそう思うよね。 きっと映画もすごいんだろうなあ。少し忘れた頃に観たい。

    1
    投稿日: 2019.12.11
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    もうここまで来るとどう終わってもいいような気がしてくる。 いけいけー!みんな頑張れー!という、 もうただ応援してるだけの読者になってしまった。 あとがきを珍しく編集者の方が書いていて、これもとても面白い。 いかに作者が苦しみながら書いていたか。 直木賞と本屋大賞をW受賞するまでの苦難は このお話にまつわるもう一つの物語として読み応えがある。 たしかにこの題材、このプロットで賞を取るって、なかなか思えなさそうだもんなー。

    0
    投稿日: 2019.12.02
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    「天才」の思考を言語化できるのは、やはり恩田陸さんが天才だからなのか。映画化をきっかけに読んで、最初は「音楽を言葉にするのは難しそうだけど」と思ったけど、読み終わってみたら反対に「これを映画化するのは大変だ」と思った。映画のビジュアルを見る前に読みたかったな、なんとなく俳優さんの顔が浮かんでしまったから。

    0
    投稿日: 2019.12.01
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    下巻も引き続き文句無しの面白さでした。演奏曲を聴きながらもう一度読みたいですね。でも風間塵さんの演奏のイメージを違えない音源があるかしらん。高島明石さんの受賞も妙に嬉しかったりして。それだけ会場に一緒に居させて貰った感がありました。奏者が代わるとともに、語り手が入れ替わる。風間塵さんの演奏時の栄伝亜夜さんの語りがこの上なく好きでした。 蓮の花のくだり  川端康成 山の音

    0
    投稿日: 2019.11.23
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    登場人物の人生模様とピアノコンクールの結果発表にハラハラドキドキさせられた。作品中、危ない目に遭うようなシリアスものではないが、恩田陸さんの平和な日々の中の一人一人の人生を丁寧に切り取っているところは本当に凄いと思う。 あとがきを読むと…一つの作品が出来上がるまでの大変さを窺い知れることができて良かった。

    0
    投稿日: 2019.11.17
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    直木賞と本屋大賞のW受賞で話題となった作品です。 上巻から読み進めていった方はわかると思いますが、 本編の3分の2くらいは、ほとんど誰かがピアノを演奏しています。 でも弾いているキャラクターの気持ちが細かく描かれていたり 風景画のワンシーンや大長編ドラマさながらの表現がたくさん散りばめられています。 その表現があるから、ピアノシーンこそが美しいと感じるようになっていきます。 文章の世界の中で音を伝えるのは難しいのに この作品では弾き手によって音が違うことが伝わってきます。 最初は4人の誰が優勝するのかなワクワク!という意識で読んでいました。 でも違いました。 誰が勝つのかがストーリーの主軸となるエンターテインメントではありませんでした。 この作品は、一人ひとりが自分の音楽を見つめ、音楽を通して自分を理解していくストーリーです。 なので音楽は興味ない、クラシックは詳しくないという方でも 4人の主役達がいとおしく感じるようになると思います。

    0
    投稿日: 2019.11.15
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    上巻から一気に読みきった。上巻ほどの疾走感はなかったが充分満足いく内容だった。音学を描いた本で文句なしでおすすめできる小説。

    1
    投稿日: 2019.11.13
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    「良い本」というのは、閉じるのが名残惜しくなる本だと私は思っていて、この本はまさにそうだった。 コンクールが始まり、演奏が繰り広げられ、審査員が疲弊するのと同じように、こちらも読んでいて情報や感情を整理するのにエネルギーを使う。それが心地いい。結末が気になるけれど、終わってほしくないという矛盾する感覚。 ピアノの世界には詳しくないけれど、学生の頃からずっと吹いているクラリネットを出してきて、思いのままに演奏したくなった。今なら、何でもできる気がした。

    4
    投稿日: 2019.11.12
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    すんごい良かった! 音楽をやったことのある人はたくさん共感しながら読めると思う。文字で音楽を表現するのってとても難しいことだと思うけれど、キラキラ感とか色彩とかが浮かんでくるようで思わずYouTubeで曲を検索したくなったりしながら読んだ。音楽を連れ出すって表現が秀逸すぎる。 映画だと亜夜とマサルの本選の曲逆ですよね、、? どうして入れ替えたんだろう。笑

    0
    投稿日: 2019.11.09
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    直木賞と本屋大賞を同時受賞したことで話題を呼んだ一冊。文庫化を機に衝動買い。浜松国際ピアノコンクールがモデルの架空のコンクールを描いた小説。終始、演奏の描写がメルヘンなわけのわからない抒情詩を読まされているようで全く面白くなかった。コンクールに参加しているピアニストの中に、年齢不詳の非現実的でSFマンガの宇宙人か超能力者のようなのがいるのは、とても残念だった。正直、これを読むより、実際のコンクールの様子を描いたドキュメンタリーを観たり、ピアニストによるエッセーを読んだりするほうがよほど面白い。ダブル受賞で期待が大きかっただけに、とても残念な気持ちになった。

    1
    投稿日: 2019.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    音楽の世界にのめり込むには最適な本。演奏がずっと続くし長いので、その点は好みが分かれるかも。 4人のその後を想像するのも楽しい。 続編とか出ないかな。

    0
    投稿日: 2019.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    コンクールの結果は結果として出ますが、誰が1位になったとかということより、各コンテスタントが、他のコンテスタントの演奏により、自身とピアノとの向き合い方やピアノの演奏の楽しさに気づき、それぞれ今後もまたピアノを弾いていきたいと思うようになったところが読んでいて一番楽しく感じる部分でした。 読了後、さわやかな気持ちになれました。

    0
    投稿日: 2019.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    絶対に映画化できないと言われていた音楽小説が映画化されたんだって、ということを聞いて読んでみました。 疎い自分は、上巻の半分くらいまで恩田陸さんを男性作家と思いこんでいたので(汗)、途中まで文体や表現がなんかしっくりこないなぁと感じていました…。が、納得。生い立ちや人名もどこか少女漫画のような世界観。ただ、現実にこうした天才・奇才は時々いそうだし、なによりピアニストの弩級の苦楽が身近に感じられて楽しめました。 カデンツァ(即興パート)をそれぞれがどういう解釈で奏でるかとか、亜夜と塵が様々な「月」を一緒に演奏するシーンなど、音楽という目に見えない世界に鮮やかな情景を描き出して次々と覚醒していく描写は、臨場感があってとても良かった。 ただ、巻末の編集者による下世話な解説は読みたくなかったな。★減。 それぞれのシーンごとに曲を聴きながら読めたら立体的に味わえそう。自分が想像するキャラクター像を残しておきたい気もするけど、やっぱり映画でも観てみたい。

    3
    投稿日: 2019.11.02
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    上巻は一気に読んでしまい、終わってしまうのがもったいないがために、下巻は恐ろしくゆっくり読んだ。 妹はピアノをやっているけど、この本を読んだら気持ちがわかるのかな? 私は練習が嫌いで、ピアノはやめてしまったけれど、クラシックは好きなので、楽しめました。 ショパンの1番、私は大好きなんだけどなぁ。 初めて聴いたとき、衝撃を受けた記憶があります。 聴いたレコード(時代を感じる…)のオーケストラや、ピアニストが自分に合っていて良かったのかも。

    6
    投稿日: 2019.11.02
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    本当に一気に読めた。 音楽に愛されてると感じるし、音楽が喜んでるような気にさえなる。 相変わらず音が降り注いでくる不思議な小説! それぞれが自分と向き合い、苦しみ、見事昇華していって演奏する様には、見守る側の慈愛が満ちてくる。 こんなにページを開くと一気に音が聞こえてくる小説は初めて。 映画化が気になるなぁー!! 三次の演奏の流れから、栄伝亜弥と高橋明石の二人の涙のところ、たまらなくグッときた!

    0
    投稿日: 2019.11.02
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    映画化される事になって、元々恩田さんの小説は常野物語シリーズで好きだったので、あの頃読んだのを懐かしく思って読んでみようと思いました。 のだめやらなんやらで、クラシック音楽の世界観は結構物語の題材になる事が多く、新鮮さでいうとそうでもないですけど、人物描写や、様々な環境で努力してきたコンテスタントの人間模様や、秀才と天才の才能の差など、音楽に関わらずとも「あるある」って思えるシチュエーションがあって、共感しました。 個人的には秀才高島明石さんが奨励賞を取れた場面でもらい泣きしそうになりました。 脇役で見守り役の奏も、良いスパイスになっていて、良かった。 クラシックはあまり詳しくないので、amazonミュージックで映画のサントラ集を流しながら読みました。音楽とそれを表現した文章を比べ、恩田さんの表現力に感動しました。

    0
    投稿日: 2019.10.31
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    Spotifyで物語の楽曲を流しながら拝読しました。 音楽描写もさることながら、青春群像劇としても楽しめました。 何度でもあの4人に会いたい! そんなことを思いました。

    3
    投稿日: 2019.10.29
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    自分の音を探す物語。 コンクールで出会ったライバルとも言える友人たちの演奏を聞いて、忘れていたことを思い出したり、新しいことに気付いたりと、各々がそれぞれの成長をしていきます。音の描く景色と心情に、気持ち良い鳥肌が立ちました。 コンクールなので順位は決まりますが、彼らは順位以上のものをコンクールで手にしたと思います。 素晴らしい物語でした。 最近はオーケストラやピアノの音を生で聞く機会がほとんどありませんでしたが、また聞きに行きたくなりました。

    1
    投稿日: 2019.10.27
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    音楽の調べが文字になって心を揺さぶられる、という不思議な体験をした本でした。音楽に詳しくないわたしはより逆に深く感じた気もします。特に第三次予選。鳥肌立ちっぱなし。最後の結果にも納得。数年後の彼等を、そして、新たなスターを読んでみたいです。

    0
    投稿日: 2019.10.24
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    上下巻通しての感想として。 映画を観てから読んだので、映画のキャストのイメージを持ちつつ違いを確認しながら、という感じ。 亜夜がなぜコンクールに出場したのか、それまで音楽とどう付き合ってきたのかなど、映画で気になっていた部分の答え合わせをした感じで納得。テンポよく読み進めることができたしコンテストの空気が面白かった。 個人的に明石に思い入れがあるゆえ、明石と亜夜のシーンでは一緒に泣いてしまった。映画でもちょっと観たかった。

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    投稿日: 2019.10.24
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    この作品は、なんでこんなに面白いんだろう。 話の内容が天才たちの競演であるだけに(もちろんいわゆる天才ではない人々もいるにはいるのだけど、それでもやっぱりこういうコンクールに出てくるには才能か環境のどちらか、多くの場合はその両方が揃っているのが前提になっているようなものだと思う)、物語自体も恩田陸という天才作家によって揺るぎない創作手法のもとにスルスルと生み出されたのではないかと自然に考えてしまいそうだったので、解説を読んで意外な感じがした。 思い返してみれば、それは作中でもきちんと提示されていることで、天才にもそうでない人にも彼らなりの悩みがあり、葛藤がある。 こういう風に神の視点的に、誰の心も俯瞰して(あるいはときに当事者のように)眺められるのは小説や創作ならではだけど、現実世界の天才たちにもきっと多かれ少なかれ苦労があるんだろうな、と凡人代表としては思いたい。 この作品の面白さ、奥深さ、なぜ多くの人に受け入れられ愛されたのか、そういうことを分析してみようかと一瞬考えたものの、解説によれば多くの書評が書かれたということなのでそちらはプロにお任せして。 幸運にもこの時代に生きてこの作品に巡り会えた私たちは、恩田陸という作家も風間塵というピアニストも同じギフトとして与えられて、楽しむことができる。下巻を読んで、映画を観るのがますます待ち遠しくなった。

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    投稿日: 2019.10.22
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    最後まで面白かったです。どんな曲かあえて聞かずに読み、想像しました。次は実際に聞いてみたいです。コンクールに行きたくなりました。

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    投稿日: 2019.10.21
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    「さらっと読める」と人には紹介してしまって、誤解を恐れている。 テーマ的には気軽に手に取れ、悲観するストーリーでもなし「取っつきやすい」と言いたかった。 他の方の書評も読んで、なんで進めたのか腑に落ちた。読書中と読後感が圧倒的だった。音楽の世界にのめり込んだ。オススメした人に再度熱量を伝えようと思う。

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    投稿日: 2019.10.21
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    上巻と合わせて、この小説自体が壮大な交響曲のようだった。 1番力を入れて描きたくなりそうな本選が完璧なエピローグとなり、最後に音がポンと響くような最終ページがあって、ああ、コンクールが終わったんだな、と思った。 いい読後感だったし、映画を見てから読んだので、「この順番で見て良かったな」と思った。小説はあまりに崇高すぎて、そのままでは難しかったんだろうと思う。映画は「良いif」として心にしまっておく。

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    投稿日: 2019.10.20
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    本当に良かった。 ピアノコンクールというある意味一般人はあまり機会がないような舞台ではあったが、それでも読んでいると、音楽が聞こえてきそうな素晴らしい文章だったと思います。 私はピアノを弾くことはできませんが、それでも、何か音楽を聴いてみたいと思えるような作品でした。 登場人物の葛藤や成長も素晴らしく、読み終わるのがもったいないと感じ、読了後の満足感が素晴らしかったです。

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    投稿日: 2019.10.20
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    久しぶりに一気に読みたいと思えた本! 読んでる時はワクワクしたし、 読んでない時は早く読みたいと思った。 なににそんなに引き込まれたのかわからないけど、 本の世界に入り込めた。音が聞こえるみたいだった。 人の心情や葛藤がすごく伝わってくるとてもいい話だったと思う。

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    投稿日: 2019.10.19