Reader Store

総合評価

825件)
4.4
407
258
88
16
4
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    文章を読んでいるのに確かに音が聴こえる。明石が三次に進めなかった時、明石のピアノを聴きたかったと心底思った。登場人物それぞれが魅力的でかなり読み応え有り。もう少し塵とホフマン先生の事を掘り下げて欲しかった。続編が楽しみ。

    3
    投稿日: 2023.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ずっと読んで4人のその後を見ていたい、 終わるのが寂しく感じる1冊だった。 解説を読んでさらに好きな作品になった

    6
    投稿日: 2023.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    舞台はコンクール。4人のコンテスタントを中心に進む物語。主体が変わりながら描かれていくので、それぞれの生い立ちや置かれている立場、感情の変化を知りながら読み進められた気がする。よかった。 時代背景とか作曲者の一生、あるいは演奏者の性格や感情の起伏などなど、様々な要素を組み込みながら、各曲を言葉に落とし込んでてまじですごいと思った。知らない曲ばっかりだったけど曲の雰囲気をつかめるような描写だったと思う。ステマじゃないから、ぜひ一度このプレイリスト聞いてみた方がいい。 ふと思ったのは作者の登場人物に名前をつけるセンスの良さで、特に「栄伝亜夜」「風間塵」は天才だと思った(偉そうだけど他に表現が思いつかない)。「栄田綾」じゃダメだし、「風間塵」以外思いつかん。高島明石は「証」ともじってるのか…?とか美枝子は「見栄」とかけてるのか…?とか考えるとまじで全部に意味がありそうで恐ろしい。マサルもナサニエルも全部解読したい。 題名の蜜蜂と遠雷。蜜蜂はいいとして、遠雷ってなんだ?ってずっと思ってたけど、遠くにも近くにも感じられる雷って考えるといいのか…?

    4
    投稿日: 2023.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み終わってしまった……もっとゆっくり読もうと思ってたのに(笑) 人物ごとに考えていることが繋がってきて、ホフマン先生が書いていた「ギフト」の意味がわかってくるのがとても面白かった! この作品が映画化……いったいどういう風に表現されるんだろう。とても楽しみ!!

    0
    投稿日: 2023.02.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。コンテスタントだけでなく周囲の人の心情まで描写されていた。 ピアノコンクールのシステムについても理解することができ興味深く読むことができた。 本作では各コンテスタントの演奏を豊かな言葉で詳細に表現されているのだが、その書き方がまるでソムリエがワインの批評をする時みたいな言葉遣いで、自分は読んでいてムズムズした小っ恥ずかしさを感じた。それが気にならなければ最後まで面白い作品だと思う。賞を獲得して映像化されたのも納得である。

    3
    投稿日: 2023.01.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『苦節10年の超大作』 2017年に直木賞と本屋大賞を史上初のダブル受賞した人気作。芳ヶ江国際ピアノコンクールという架空のコンテストを舞台に、4人のピアニストたちの葛藤と成長を描いた群像小説です。 予選会から一次・二次・三次予選を経て本選まで、作品を通じてピアノコンクールを丸ごと丁寧に描いた作品。文庫本の下巻では二次予選から本選までが描かれています。 この作品のすごさは、ピアノの演奏シーンがほとんどを占めること。音楽やクラシックに無知な私でも、曲の解釈や芸術性が伝わってきました。コンテスタントたちの緊張感も相まって、客席にいるかのような臨場感も味わうことができ、活字でここまで音楽性を表現できることに感動。作中の風間塵の言葉を借りると、完全に「音を外に連れ出して」います。 主要な登場人物たちも国籍や性格、バックグラウンドが全然違い、それぞれが色んなものを背負いながら音楽に真剣に向き合う姿勢がとてもよかったです。 なんと本作を書き上げるまでに10年を要したとのこと。マニアックで専門的なテーマながら、ここまで作品の世界観に没入でき、万人に評価される作品は少ないはず。恩田陸さんの想いのこもった超大作です。 本書が好きな方は、スピンオフ作品である『祝祭と予感』もぜひ手に取ってみてください。

    8
    投稿日: 2023.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    新年におめでたいニュース。 ショパンコンクール2位と4位のピアニスト反田恭平さんと小林愛美さんのご結婚と小林さんの妊娠の発表。天才2人の結婚を祝福したいと思う。 物語は、亜夜、マサル、明石、塵、それぞれのコンクールにかける思いと葛藤、そしてそれぞれのピアノの演奏シーンを文章で描写している。10年もの期間をかけてやっと完成した小説という。これだけの描写はピアノコンクールの生演奏を聴きまくらないと生み出せないだろうし、たくさん聴いたとしても、音楽を音のない文章で表現するのは並大抵のことではないと思う。 ちなみに、YouTubeでピアニスト聴き比べ動画をよくみているが、プロの演奏に優劣をつけるのは難しい。私のジャッジは好みか好みじゃないかのどちらかだ。 私は、教科書のお手本のような端正な演奏が好きだ。ショパンコンクール優勝者でいえば、ダンタイソンのような演奏。もっと言えば、ピアノ曲それぞれに好みの演奏というものがある。英雄ポロネーズならブレハッチとか。 映画は観ていないが、実際に小説の中に入って、みんなの演奏を聴いてみたい。

    4
    投稿日: 2023.01.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんて音楽はステキなのだろうと感動しました。 塵、愛夜、マサルの3人の天才たちが出会い、交錯して、成長し、進んでいく様は美しく、コンテスタントたちの音楽への熱い息遣いが聴こえてくるようです。

    2
    投稿日: 2023.01.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    22時から読んで、気づいたら3:51。読み終わっていた。 私は音楽はわからないけど、ピアノの世界なんて知らないけれど、その壮絶さを上間見たし、少し興味を持てた。 これから、音楽に詳しくなりたいと思う。羊と鋼の森、、?も有名な音楽小説だから読みたい。 上巻に出てきた、宮沢賢治に興味が湧いた。 様々なフレーズに感動して、音楽でなく、私は文字に心を動かされるのだと思った。 恩田陸さん、すごい。

    2
    投稿日: 2023.01.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ピアノを文章で聴くという体験 芸術の奥深さ、人間にとって必要なものであることを改めて感じながら、人間とは何かを考える もう一度考えてみよう 前向きなモチベーションを与えてくれた

    1
    投稿日: 2023.01.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ピアノを20年レッスン受けてきた人間として感想を。 ステージの上での高揚感と演奏後の愉悦。再びそれを味わいたくて日々努力すること。また、生のクラシック音楽を聞いているときの心の振動。それらを、何と的確に表現しているのだろう。 うんうん、そうなんだよ!という共感がたくさんあった。 4人の主要人物のキャラ立ちや相互作用も素晴らしく、爽やかな気分にしてくれる。最高の一冊でした。

    1
    投稿日: 2022.12.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んでいる間の心地良さ。本当に自分も会場でピアノを聴いているかの様に世界観に引き込まれました。どんな人も悩んでいてそれを乗り越えている。勇気を貰いました。

    1
    投稿日: 2022.12.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    コンクールの緊張感が凄くリアル。 各人物の音楽の個性が文章でも伝わってきて、きっとそれぞれが同じ曲を弾いても、全然違う鳴り方をするんだろうな、と思わせる。 天才たちが出逢い、音楽へ昇華されるお話でした。

    1
    投稿日: 2022.12.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何かが上達する時というのは階段状だ 雨上がりの空みたいだ たとえ誰もが羨む幸福こ絶頂にあっても、満たされた人生であったとしても、すべての幸福はやはり人という生き物のさみしさをいつも後ろに背負っている バルトーク

    1
    投稿日: 2022.12.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった! 風間塵の存在が、キラキラ輝いてそれぞれのコンテスタントに影響を与える 本当の自分を取り戻す、いや、 非凡な才能が進化していく過程が素晴らしい みんな自分の風景を持ってるんですね 瑞々しさを感じます 文章で音楽を書くって、こんなこと出来るんだなと感動すらしました 直木賞、本屋大賞W受賞は伊達ではないですね

    5
    投稿日: 2022.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ずっと積読だったこちらをようやく読了! 思ってた以上にコンクールを最初から最後まで細かく描く作品なのねって感じで、個人的にはもう少しコンクール以外の、登場人物それぞれの人生的な描写がほしかったかなっていうのが正直なところ…。 でも音楽の描写は素晴らしかったです!!! 文章でここまで臨場感というかそれぞれの曲の個性を伝えてくるのはすごいなあと感心しました。 自分も音楽を少しやっていて、音楽漫画とかも読んでいたけど、ここまでコンクールのシビアさや奥深さ、楽しさを伝えてくれる物語はないんじゃないかと感じました。 「音楽を外に連れ出す」とか「世界は音楽に満ちている」とか表現がいいなあ、ほんとに。 4人にそれぞれ個性があるのもいいし、お互いがお互いに影響を受け合って成長していくのもいい。天才には天才の苦しみ、凡人には凡人の苦しみがあるなあ…と。 なんかこの先もみんな…それぞれ好きな音楽を奏でてくれ…という親のような気持ちになりました。 担当編集さんの解説もいいね!作者も編集もすごく苦労してこの作品を作り上げて、そしてちゃんと報われて、ドラマのある作品なんだなと改めて感じました。 映画も観てみたいし本物のクラシックコンサートも行ってみたいな〜

    6
    投稿日: 2022.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    想像力の総動員を迫られた作品。 アニメにしたら楽に鑑賞できたかなあ、と思えたけど良い疲れを伴うものでした。 クラシック音楽の知識は殆どないものの、奏者の緊張、会場の盛り上がりが伝わり、その場にいるように同じく高揚しドキドキして拍手を送りたくなっていました。 予選のたびの結果発表の緊張感はたまらなく、ページを隠しながら読み進めてました。 登場人物の成長にも期待させられ、どこまで進化するのだろうと思うのと、今後の進展も気になるところです。

    6
    投稿日: 2022.12.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    風間塵が失格になる件むかつくぜ!ひやっとするけどどこかわかりきってる、彼が本選に残らないわけがない。この作品の世界の神が許さないでしょうそれは。 しかしなんといってもこの物語の中で初めて泣きそうになったのは明石の賞獲得である。これは涙なしには読めない。 こんな長い小説を一気に読んでしまったのはいつぶりなのか。ピアノが弾きたくてたまらなくなる作品だった。 後書によれば、この作品は連載物だったようで、少しずつ10年もの歳月をかけて描かれたものだそうだ。よく、こんな長文どうやってストーリーを構成するんだ、と思うけれど、やはり書き当たりばったりというか、なんというか。それでいて筋の通った読者の頷く作品になるのだから、作家とは忍耐と思考の繰り返しなのだと思わされる。 それこそ、芸術とは全て同じ事を違う媒体を通して行なっているだけなのではないかと思う。この作品のテーマであるピアノも作家が行っている執筆も同じようなものなのだ。長い時間かけて準備をし、何度も筆を織り、弦を叩き、そうして1つの物語を紡いでいくのだ。私もそう、何事にも縛られずただ楽しく溢れ出るままに文字を連ねたい。

    2
    投稿日: 2022.12.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    才能のお話。自分とはかけ離れすぎた世界ですが、続きが気になって気になってどんどん読み進めることができました。 亜夜、マサル、風間塵、明石、みんなキャラクターも演奏も個性があって大好きです。 上下巻あり大会シーンがかなり多いですが、曲を調べながら読み進めたり、この子はこんな演奏なのかな?と想像したり、私のように音楽に詳しくない人でも楽しく読めると思います。

    2
    投稿日: 2022.12.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    音楽家の思い、音楽って何?ということについて、「ほおー」とうなづき、付箋を付けたところはいっぱいある。その中でも読んでいる間中、頭の中に残ったのは、養蜂家の息子として旅する天才少年、風間塵がコンクール中滞在させてもらっていた花屋さんの当主兼華道家の男性についての記述。 (抜粋) それは塵にとってはよく知っているタイプの人間だった。農家や園芸家など、自然科学に従事する人たち、特に植物を相手にしている人たちに共通するのは気の遠くなるほどの辛抱強さである。自然界が相手では、人間が出来ることなどたいしたことではない。(中略) 毎日の暮らしの中で水をやり続ける。それは暮らしの一部であり、生活の行為に組み込まれている。雨の音や風の温度を感じつつ、それに合わせて作業も変わる。 ある日、思いがけない開花があり、収穫がある。どんな花を咲かせ、実をつけるのかは、誰にも分からない。それは人智を超えたギフトでしかない。 音楽は行為だ。習慣だ。耳をすませば、そこにいつも音楽が満ちている。 “生活者の音楽“があってもいいのではないかと考える、サラリーマン・コンテスタントの高島明石にも通じる。 感動したシーンは沢山あったが、一番感動したのは、第三次審査の後、“帰ってきた元天才少女“栄伝亜夜に第二次予選で落ちた高島明石が「栄伝さん帰ってきてくださってありがとうございました。」と声を掛けた時のこと。何故か亜夜も感極まって二人で抱き合って泣いた後、亜夜が明石に「高島明石さんですよね。わたし、あなたのピアノ好きです。」と言ったこと。 クラシック音楽は一部の才能と環境に恵まれた人が、人生の大半を防音スタジオのピアノに向かって育てるものではない。生活の中に音楽はある。自然の中で生きて、自然に耳をすませ、それらを拾い集めて、また自然に返すのが音楽。それはクラシックでも他の音楽でも同じなのだと思った。

    77
    投稿日: 2022.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    音楽に対する表現力が素晴らしく実際にホールで聴いている感覚になった。 わからない曲は流しながら読んだりして、イメージが湧いた。 でも、天才ピアニストは一般人がどれだけ努力して追いつこうとしても最初から天才なんだろうな 天才ピアニスト達のお話だったので、あまり共感できないところはありましたが、天才達の中でもそれぞれがお互いに影響し合い、より自分の音楽を確立していく様子は面白かった 風間塵の自由であどけない天才キャラクターが魅力的 前に映画を見たことがあるので鈴鹿くんと重ねて読んだけど、やはりあの役は鈴鹿くんでぴったりだったと思う

    2
    投稿日: 2022.12.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後どうなるの?と結果が知りたくて最後まで読んだ感じ。 知らない曲はYouTubeとかで聴きながら読むのもオススメです。

    2
    投稿日: 2022.12.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    風間塵 十六歳。パリ国立高等音楽院特別聴講生。ユウジ・フォン=ホフマンに師事。父親は生物学の博士号を持ってて、都会で養蜂の研究をしている。「蜜蜂王子」。 栄伝亜夜 二十歳。内外のジュニアコンクールを制覇し、CDデビューも果たしていた。母が十三歳の時に急死。「消えた天才少女」。 高島明石 二十八歳。楽器店の店員。妻は幼馴染で高校の物理の先生。音楽大学出身。学生時代、日本で最大規模、一番権威ある音楽コンクールで五位入賞したことごある。 マサル・カルロス・レヴィ・アナトール 十九歳。日系三世のペルー人の母とフランス人の貴族の血筋の父を持つ。ジュリアード音楽院に在学中。「ジュリアードの王子様」。 ジェニファ・チャン 女ラン・ランって呼ばれている。輪郭の濃い少女。身長、肩幅もあり、骨太でがっちりした恵まれた体格。ジュリアード音楽院に在学。下手くそなピアノは耳に悪いから聴かない。 アレクセイ・ザカーエフ 第一次予選の演奏順を決めるくじ引きで一番を引いた。 キム・スジョン フレデリック・ドゥミ チョ・ハンサン 嵯峨三枝子 審査員。煙草も酒も大好き。十代のはじめに二つの国際コンクールで二位と一位を獲り、天才少女として評判になった。ナサニエルとは元夫婦。現在は八歳年下の作曲家と暮らしている。 アラン・シモン 審査員。大変なヘビースモーカー。退屈な演奏には苛立つ。「ざっと見る」タイプ。 セルゲイ・スミノフ 審査員。巨体。「きちんと把握しておく」タイプ。 猪狩真弓 三枝子の高校時代の友人。売れっ子のミステリ作家。一匹狼タイプ。 ユウジ・フォン=ホフマン 今年二月にひっそ亡くなった。世界中の音楽家や音楽愛好家たちに尊敬せれていた。ピアノ演奏の大家。亡くなる前に知り合いに「僕は爆弾をセットしておいたよ」と残した。塵の推薦状を出していた。プロセインの貴族に嫁いだ日本人女性を祖母に持ち、父は大指揮者、母はイタリアのプリマドンナ。 浜崎 タヌキの置物のような、ずんぐりむっくりの体型。日本で三本の指に入る名門私立音大の学長。亜夜の入学を推薦した。浜崎奏の父。 仁科雅美 明石の高校時代の同級生。TV記者。コンクールのドキュメンタリー番組で明石を担当。 花田 明石と長い付き合いがあり、父親といってもいいくらいの年齢の調律師。 菱沼忠明 大文豪と大政治家を祖父に持つ、世界的にも知られた作曲家。 ダフネ ホフマンの妻。 オリガ・スルツカヤ 審査委員長。赤毛のロシア美女。名ピアニストである上、幾多のピアニストを育て、教師としての才能にも定評がある。 ナサニエル・シルヴァーバーグ 審査員。人気・実力とも脂に乗ったピアニストで指揮や舞台演出なども手掛け、クラシック業界でも知名度が高い。ジュリアード音楽院で教授を務めている。三枝子と元夫婦。マサルの師匠。 真哉 三枝子の息子。ナサニエルと離婚後、東大出の銀行員と結婚。父親似で頭脳明晰。経済産業省に勤務。 浜崎奏 亜夜が通う音楽大学の学長の次女。ヴァイリオンをやっている同じ大学の二年先輩である。なにかと面倒見てくれる。コンクールで亜夜の付き添いとなる。 浜崎晴歌 浜崎家の長女。声楽をやっていてイタリアに留学中。 ミチコ マサルの母親。日系三世のペルー人。非常に優秀でペルーの国立大学の工学部卒業し、フランスに留学。博士号を取得し、原子力関係の研究所に入る。そこで知り合ったフランス人物理学者と結婚し、マサルが生まれた。 満智子 明石の妻。父は宇宙工学の博士で、政府機関の顧問も務めている。二人の兄も研究者。 田久保寛 ステージマネージャー。指揮者、ピアニスト、楽員の出入りを促し、ステージ配置も決める役割。 綿貫 亜夜に音楽を愛することを教えてくれたピアノ教室の先生。亜夜が十一歳の時に亡くなった。 浅野耕太郎 調律師。ピアノメーカーから派遣された調律師の中でいちなんの若手。 平田 亜夜の担当教授の友人でピアノ教室を開いている。ぱっちりした目とふっくらした頬が印象的な、見るからに安心できるタイプの女性。 シュナイデル 演奏家としてそんなに有名ではなくとも、弟子の育成に才能を発揮する。 富樫 塵が宿泊している当主。塵の父親の友人。華道家。 小野寺昌幸 四十代も半ばを過ぎた中堅クラスの指揮者。本選の指揮者をひきうけている。

    2
    投稿日: 2022.11.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ※ネタバレ注意 初投稿です! 今まで読んだ本の中で文量の多い小説でしたが、最後までわくわくしながら読み切ることができました。2点おもしろいと感じたポイントがあります。①登場人物の設定と②情景描写です。 ①僕は天才という言葉の響きに距離と憧れを感じます。そして、天才たちの戦いにはどこか興奮を覚えます。少年漫画でよく見る最強対最強という構図に引き寄せられるのと同じ様な感覚だと思います。この小説でさらに面白いと思うところは勝者が予想できないことです。バトル漫画やアニメを「まあどうせ主人公が勝つんだろうな」と冷めた目で見ることがよくあります。そのせいで感情輸入できなくなり、いまいち作品に入れ込めていない感覚があります。この点において、話を引き伸ばす必要のない小説の強みを感じました。 また、ブクログの感想をみていてマサルが優勝したことには色々な意見がありましたが、僕はこの終わり方は良かったと思います。3人の天才の中でも1番努力を感じましたし、努力が報われたという結末は僕たち凡人にも希望を与えてくれると思うからです。 ②情景描写が巧みで、まるで自分がコンサートホールで演奏を聴いているかのような感覚になりました。1人の演奏を本人、鑑賞者、審査員など様々な人の目線に立って物語が進む形がよりこの作品に没頭できる理由だと思います。演奏を伝える表現はもちろんですが、特に僕が印象に残った描写は3次予選の結果発表の時のものです。審査員のマイクのスイッチを入れた時に鳴る「ゴッ」という擬音を目にした時、静寂、緊張感、焦燥感などコンテスタント達の表情と場の風景が鮮明に浮かびました。奥田陸さんの細やかな情景描写がほんとに面白い! この小説を通しておもしろい本の条件の1つは作品の中に入り込めることだと思いました。 違ったの意見、改善点、間違っているところなどありましたらぜひコメントお願いします!!

    4
    投稿日: 2022.11.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    コンサートの予選から本選まで読み進めて、読み終わった時の終わった!っていう爽快感がよかったです。 素敵な人々の出会いの連鎖で、裏方のキャラクターまで身近に感じる不思議さ。 担当者さんの感想も面白かったです。

    2
    投稿日: 2022.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    終わり方をどうするんだろうってずっと考えてたけど、結果をあえて書かないというのは私の中ではとてもしっくりくる終わり方だった。誰かを特別扱いすることなく、全員が互いに影響を与え合い、なんらかの成長を遂げた、というところにフォーカスしている感じがして好印象。 また、音楽をこんなにも言語化できるのか、と感動した。美しい描写がたくさんあり、曲を知らなくても空気感を味わえる。

    1
    投稿日: 2022.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった〜!!!! 読み始めたら、音楽の世界に引き込まれて、なかなか現実世界に帰ってこられなかった。 数ページ読んだだけで、これは絶対に私好みの本だ!と確信した。 明石が一番好き。努力家で優しく、一番感情移入できるキャラクターだった。亜夜、風間塵、マサルもとても魅力的なキャラクターで面白い。 それぞれがそれぞれにしか弾けない唯一無二のピアノで感激。文章でここまで音楽を表現できるのかと衝撃を受けた。 蜜蜂と遠雷のピアノ全集を聴きながら読んだりもした。解説の裏話も良かった。 面白いってことは知ってたけれど、長い間積読してた。文学の授業でも取り上げられてて、気になっていたから、もっと早く読めばよかった!

    6
    投稿日: 2022.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いいものを持っていても世にでなければ、認められなければその道で生きていくことはできない。 賞を取るか取らないかで大きく変わっていくものがある。 音楽家と小説家は似ている。 どんなに実力があってもその日に出せなければ結果にならないのがコンクール。 そして天才が集まる場所だからこそ、ほんの少しでも抜きんでたものが必要となる。 しかし、天才が集まったこの回に出た人は大変だったろうな。 その運もまた、世界の一握りになるには必要なのかもしれない。 亜夜とマサルと塵のその後を見てみたい。

    1
    投稿日: 2022.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    [グッときたことば] 塵:「うん。音楽が本能だもの。おねえさんもそう。僕らは音楽が本能なんだ。だから歌わずにはいられない。おねえさんだって、世界にたった一人きりでもピアノの前に座ると思う」 クラシックピアノを演奏する人の、音楽に対する気持ちがすごく好きで。ただ読んでいるだけなのに演奏が聴こえてくるような、素敵な読書体験でした。

    4
    投稿日: 2022.10.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    有望な若手が輩出される国際コンクールで邂逅する3人の天才とその周りの人々。それぞれの環境、歩んで来た人生は様々ですが、音楽を触媒とした化学反応がそれぞれを更なる高みに導いていく。 小説を通じて、様々な音が響き渡りあっという間に読了。 楽しかったです。音楽は世界に満ちている(^^)

    1
    投稿日: 2022.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登場人物たちの夢や変化を、自分の心の動きかの様に感じられました。上巻から間を開けずに読みましたが、読了後の何とも言えない爽快感と寂しさがあります。人に何かを伝えることができる人たちは素晴らしいなと改めて思いました。

    1
    投稿日: 2022.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文字を通して、音楽の素晴らしさを感じることが出来る不思議な一冊。 子供の頃にこれを読んだら、絶対に楽器をやったはず。 ちょっと悔しい。

    1
    投稿日: 2022.10.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    取材するカメラマンの目線、舞台に出る前の 調律師とのやり取り、ステージマネージャーの気配り、 ピアノを「鳴らせる」テクニック、演奏する曲目の 解釈とイメージ。 溢れだす感情と情景とテクニックと調和 曲を知らないのに、聴いているような錯覚に陥る 溢れだす芸術!久しぶりの快感。 オーケストラとの音合わせのシーンでは バレエを観に行く時の事を思い出しました。 音楽は生演奏の方がいいし、会場は、 オーケストラピットがある方がいい。 オケピがある会場は、音の反響まで考えて 反響版の設置をしているから、美しいのですよ。 天才ってすごいわぁ~ 楽しかった。美しかった。ハラハラした。 感動した。泣けた。鳥肌立った。 本当に素晴らしかった。これが恩田陸よ!

    4
    投稿日: 2022.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    相変わらず一気に読ませる力があるけれど、上巻の方が勢いがあったような気もする。努力型の秀才明石は第二選抜で落選してしまって残念。まあここで明石が残っても変な感じだしなぁ…特別賞もらうあたりはとても少年漫画展開。そして天才と名前のあるモブが本選へ。マサルと塵の本選描写は細かかったけれど亜矢は結果発表で終わってしまった…塵でも亜矢でもなくスタンダードな天才のマサルが優勝するとは思わなかった。うすうす気づいてはいたけれどこれは亜矢の物語だった…?

    1
    投稿日: 2022.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一気読み。 上巻に比べて変化が乏しい感じがした。 飽きてしまったのかも。 でも、最後までどんな結果になるか気になりながら進めた。

    2
    投稿日: 2022.09.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    第二次予選の途中から開始。中心に書かれた4人が、そのまま勝ち上がると思われたが一人落ちた。 今まで知らなかったが、演奏者は三次予選、本選と凄いエネルギーが必要だと感嘆する。 文章からだけで、その演奏内容が見えるのは上巻と同じ。残念なのは本選の最後の演奏が描かれなかったことと、明確な順位の場面が無かったこと。余韻で読めという事か。最後に作者が力尽きたように思える。解説を見るとこの著作の編集者が書いているが、作家が遅筆なうえに短い内容の日もあり、また単行本化にあたり本選結果を末尾に入れたとか。

    49
    投稿日: 2022.09.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2次審査 あやねの演奏が早く聴きたくなる。 3次予選スタート 演奏曲の知識のない私 曲と文とのイメージがついていけなくなり少し読みづらくなり一旦中断 この間、ショパンの曲をきいてみたり短編小説を読んだり。 再び読み始める 著者の奥深い登場人物達の感性の表現に圧倒されラストまで一気読みしてしまいました。面白かった! 曲を知っている人は本を読みながら想像し倍楽しむことができるんだろうな。

    8
    投稿日: 2022.09.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うーん、中だるみがあるな~ 表現力が素晴らしい 知らない曲出てきて、それを読み進めるのは飽きがきちゃう でもその曲を検索して聞きながらの読書は最高だし充実した時間を過ごせたし何よりも自己満でしかない ラフマニノフピアノ協奏曲第2番、感動 これは映画も見てみたい

    1
    投稿日: 2022.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ピアノコンクールに出場することで精神的にも成長していく出場者たちを描いた作品。 なんとなく同じ恩田さんの『夜のピクニック』に通じるテーマも感じました。 何かのイベントを淡々と描いているのだけど、その行事が始まる前と終わった後では登場人物たちの内面が大きく違う。 人の成長は上昇直線ではなく、ある日を境に階段状に大きく次のステップに上がっていく。 そう考えると、日々淡々と鍛錬するしかないのだな…と思いました。 面白かったけれど、タイトルが『蜜蜂と遠雷』だったわけだから、もう少しだけ「蜜蜂王子」に踏み込んで欲しかったような、この淡い描き方で良かったような…。 その辺がちょっと微妙な感じの余韻ですかね…。 「遠雷」はあったけれど、自分の頭上に雷は来なかったときの安堵感と同時に感じる残念感みたいなものがね…。

    2
    投稿日: 2022.09.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった~。読み終わったけれど、もうしばらく、この世界に浸っていたい。スピンオフも読みたいし、コンテスタントが弾いた曲を聴きながらその場面を読み返してもみたい。下巻はコンクールも進んで、長めの曲が多く出てきて、演奏シーンもたっぷり。

    1
    投稿日: 2022.09.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ピアノやクラッシックに疎い私でも、コンクールの緊張感や聴衆の胸の高鳴りが伝わってきた。DVDを借りて「春と修羅」を自分のみみで聞きたい。

    2
    投稿日: 2022.09.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    コンクール終了! 恩田陸さんの文章好きだなぁ。 細かい描写や表現がくどくなくて、キラキラしている感じがします。 キャラクターも好きで今後の活躍が気になる人達が沢山です。(コンサートが有ったら聞きに行きたい!) コンクールの話なのでピアニストが中心ですが、それを支える人達の事も描かれています。 ステージマネージャーの大切さを初めてこの作品で知りました。 解説も面白かったです。 こちらはこちらでドラマが有ったのですね。

    23
    投稿日: 2022.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    直木賞と本屋大賞のW受賞した本作品。 様々な登場人物が描かれるが、どの人物にもそれぞれの物語があり、読み応えがある。 不思議と音楽が聴こえてきて、自分の背中を押してくれる作品でした。 クラシックを、コンクールを聴きに行きたくなりました。

    3
    投稿日: 2022.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの演奏も丁寧な描写がなされており、自分の好きな登場人物に気持ちを入れ込んで読めるので、楽しかったですが、その反面、各曲の描写がとても濃密に繰り返される為、終盤は読み疲れてしまった感じもあります。ですが、若者の生き生きした表現はとても眩しくて、読んで良かったなぁと思えました。

    4
    投稿日: 2022.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まず、ピアノコンクールでのコンテスタントの心境、舞台裏がここまで詳細に描かれていることに驚いた。3年おきに開催されるたびに現地に取材に赴き、期間中演奏を聴き続けていたと知り、納得した。 子供の頃10年間ピアノを習い、その後オーケストラ部に所属していた私にとっては、ドストライクのテーマ。久々にオーケストラを再開したくなるほど、演奏家を取り巻く世界に引き込まれた。 コンクールに人生を賭けるコンテスタントの心境は非常にリアルで納得感があった一方、 「音楽の神様に愛される」「音楽を外に連れ出す」といった、亜夜と風間塵の関係性を語る上でのキーとなる概念については、最後まで腹落ちさせることができなかった。音楽家には共感できる概念なのかもしれないが、音楽家でない私は終始上滑りしてしまった感覚、、 また、聴覚情報である演奏そのものを、視覚情報である文字で表現することについては、高村薫の「リヴィエラを撃て」ほどの強い印象はなかった。この本では、読みやすい表現が採用されているが、時としてチープに感じたことも、、高村薫の方がより写実的で、鮮烈なイメージができた。(タイプの違う作家を比較しても仕方ないが、、) スピンオフ小説を読むかどうかは考え中。短編でなければ読んでいたかも。

    1
    投稿日: 2022.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    結果がとても気になった、高島さんが落ちるとは思わなかった 途中からはあやへの思いが強い気がしていたので、結果は意外だった 映画もみてみたい

    1
    投稿日: 2022.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    元々大好きな恩田さん。 しかもピアノもやっていたしクラシックも好きなのでど真ん中と期待。 上巻はらしさが満載、続きが気になって止まらない。相変わらずのキャラクターが個性的でイケてて好感が持てる。 なのにですよ。 下巻はなんか登場人物からの音楽描写がちょっとくどくなってきて、あれあれと困惑。ちょっと斜め読みしそうに…。 ちょっとイイコちゃん揃いすぎるんですよね。恩田さんらしい毒と粋(イキ)が少なくって物足りない。 若者だからかな?とは思ったけど過去の他の作品ではそんな事感じなかったし…。 でも、終盤をあっさりこちらに投げて、さくっと終えるところは気持ち良く、読了感には大満足。 これはチョコレートコスモスと同じ感じで好きでした。そして勿論一気読みできる読みやすさ。(ラノベと言われてもしゃーない、読みやすいんだもん) しかし似たような題材ならば断然チョコレートコスモス派(そっちは演劇&オーディションだけど)。 で、うーむ、これがこんなに話題になるってことは大衆的にはこのくらい素直なほうがいいのか…。確かに嫌味なく丁寧で感動があるよな…。と無理矢理納得。 からの祝祭と予感。 何が良かったって、後半のエッセイ集。 芝居やジャズ、絵画等芸術関係に造詣が深いのは知っていたけど、ちゃんとド真ん中を題材にされてたとは!全部ご自分でプログラム組んでたんですね、おみそれしました。急に作品がぐっと深く感じてくる。 個人的にピアノ好きだからもあると思うが、スピンオフとして読むなら、物語外伝より作者考察のほうが物語の肉付けとしてぴったりでした。 なんのかんの言っても2回はサクッと読んじゃって、その後暫く各曲聴き倒すくらいは好きです。 でもワタクシ映像化には手厳しい(頑固な)ので映画観るかと言われると返答に窮します。好きだからこそ。

    1
    投稿日: 2022.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     ずっと読みたかった蜜蜂と遠雷、すぐ読み切った。  まず、ピアノコンクールのリアル感とスリルや、楽しさを文学でこれほどまでに表現できることに驚嘆。  登場人物も魅力的で、読み進めたくなるようなストーリーと人間関係。  映画とは設定が少し違っていて、長編ということもあり映画化ではわからなかったことがたくさんあった。映画も面白かったけど、原作のほうが面白いと思ったし、好きだと感じた。  音楽小説はあまり読んだことがなかったので、魅力に気づけてうれしく思う。  とにかく、この小説は面白い。長編なのに、長編と感じさせないほど面白い。

    1
    投稿日: 2022.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まず、上下巻合わせて1000Pほどの長編を読了できた自分に拍手! 私もやればできるじゃん!と達成感と自信が持てました。 演奏の描写の情報量が多くてクラクラしましたが、 音楽を生業としている人の葛藤や孤独感、成長の過程を見れて勉強になりました。 天才には天才同士惹かれ合ったり、何も言わなくても思いが共有できるのって素敵! 一生自分には縁のない世界なので本を通して、疑似体験ができました。 途中読んでいて苦しい場面もありますが、 読み終わってみると全体的にキラキラしていて綺麗、という印象の内容でした。 私も日常の音に耳を澄ませて音や音楽を楽しもうと思いました。

    3
    投稿日: 2022.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実写化もされ、どこで見ても評価が高い作品。 音楽、しかもピアノという自分には真逆の世界が題材ということもありずっと読むのをためらっていたが、思い切って読んでみた。 思っていた通り、ピアノの細かいところは全くわからない。音楽家でもない人がこんな作品を描けるというところにいたく関心をした。 ピアノのことは全くわからなかったものの、それでも伝わってくる臨場感は素晴らしいものがあると思った。まるで自分がその会場にいるかのような引き込まれる文章。合計1000ページ程ある内容を、ここまで一気に読んだことは初めてではないだろうか。 間違いなく自分で体感をすることはできない世界観。こういった経験ができるのも本の魅力だと改めて気付かされた一冊であった。 この作品をを実写化するとなると相当なハードルになるだろうなと思いつつ、既に借りておいた映画を見始めることにする。

    7
    投稿日: 2022.08.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    音楽の知識がなくても楽しめる作品。 作品の世界観にどんどん引き込まれる。 全体として爽やか。 音楽の知識がない故、演奏されている曲がどんな曲なのか分からず、思わず調べて聴いた。 読む音楽体験。 圧倒的な起爆剤と、それぞれの苦悩が描かれ、涙しながら読んだ。

    1
    投稿日: 2022.07.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    やだーおもしろくて止まらんかったんやが、、、、実力でバチる話は面白い、自分の体力持ってかれるけど本当に面白い 日常の音楽を掲げる人の話は、どうしてか涙出そうになる

    1
    投稿日: 2022.07.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    じっくり味わいつつ、言葉を音に変換しながら読みたいと思いながら、読む手が止まらない本だった。 上下巻合わせて、形容詞はもちろん、名詞も動詞も音楽を形容する言葉で、すごく作品やキャラクターを大事にされてるんだなということが分かった。大事にしているからこそ、流動的というか、登場人物の迷いや葛藤やそれに伴う成長が、コンテストのいい結果の方向にも良くない結果の方向にも振れそうだった。作者自体迷われていたのだなと思った。 ともあれ、本当に世界は音楽で溢れている。その通りだと思う。大人になるにつれ、いつの間にか素通りすることを、自己防衛的に覚えてしまい、あったものも無かったかのように振舞ってしまう。自分のキャパシティーの無さから、処理しなくてもいいものを省略してしまっている。この音楽するというオプションを、人間である限りどこまでも楽しんでいきたいと思った。多くのことに耳を澄ませる、余裕のある自分でありたい。

    11
    投稿日: 2022.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あー読み終わってしまった。 もっと彼らの音にまみれていたかったな、 ってくらいハマりました。 コンクールの結果よりも、そこに上り詰めるまでの心情描写、音の表現がいきいきしていて素敵だった…‼︎ 装丁が気に入って私としては珍しく購入した文庫本(いつも図書館なもんで)ですが、下巻で終わるのが惜しくて上巻読んで合間に違う本読んで時間稼ぎしてから読んだのに、読み終わるのが名残惜しかった。

    2
    投稿日: 2022.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    浜松国際ピアノコンクールを基に、「芳ヶ江」と云う架空の地に、世界の若いピアニストが集うコンクールのお話である。 恩田陸女史は、幼い頃から父親の影響でクラシック音楽に触れ、自らもピアノを演奏していた由。 早稲田大学時代には、あの有名なハイソサイティー・オーケストラに属し、アルト・サックスを担っていたという、根っからの音楽フリークであらせられるのだ。 この小説の中で演じられる曲目に対する恩田陸女史の世界観を知るだけでも、一読に値する。 とは言え、私のクラシックに対する認識はとても浅く、恩田女史が伝えようとする具体的曲目の描写が示されているにもかかわらず、私の曲に対する認識が情けないほどに浅いものであることがとても残念だった。 次回作は、私もちょっとだけ理解可能なジャズの世界で綴っていただこうか。

    2
    投稿日: 2022.07.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」 総武線で何度も涙ぐみながら読み終えました。 こんなに重厚で引き込まれる作品が7年間も連載されていたなんて信じられない。登場人物達の音の厚みが凄すぎる。こんなに美しい物語に出逢えて、この人生を、心から幸せだと思えます…スピンオフも読む……

    3
    投稿日: 2022.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    音楽という目に見えないものを言葉で表現しているにも関わらず、それを全く感じさせないような文の表現の仕方に先生の表現力の高さを感じた。 ミュージック、音楽とは、生きている人間自身が、人の動き一つ一つが音楽である。 世界は一人一人の音楽で満ち溢れている。音楽が駆けていく。

    2
    投稿日: 2022.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    一気に読了。 この作者はなんとなく美しいものや素敵なものをいかに素晴らしいかを伝えることに重きを置いて文章を構成してるような気がする。 上巻から想像はついていたが高島明石は早々に離脱。 話の中心は王子様のマサル、復活劇の亜夜、ホフマンからのギフトである風間塵にフォーカスが当たる。 でもやっぱり個人的に目を向けるべきは明石だと思う。 この人の境遇は大半の人が共感を寄せるような気がする。好きだけど報われないを繰り返す背景は殆どの人が経験があるような気がする。 今回は最終的に奨励賞という形で報われてよかった。

    4
    投稿日: 2022.06.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    やはり音楽が言葉で奏でられている。 一音一音に引き込まれていった。 天才達の共存共栄。 そして成長。 未来への予感。

    5
    投稿日: 2022.06.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ピアノコンクールの開幕から閉幕までが、出場者であるピアニスト、審査員始めスタッフ、マスコミ、友人など様々な視点から語られる。 中心となるのは、タイプの違う天才ピアニストのマサル、亜夜、塵の3人。 読み始めは、いったい誰が優勝するのかに興味が向いていたが、読み終わる頃は、コンクールの勝ち負けにはあまり意味がないことが判ってくる。 終盤のマサルの語りの中で、後世にクラシックの巨匠と呼ばれる偉大な才能もある時期にまとめて輩出された、とあるが、3人の天才がそれぞれに影響を与え合い、触発しあって輝きを増していくところが素敵だと思った。 また、いくら輝いていても風間塵のように異端と見倣されるおそれのある特異な才能をどう評価するか、審査員の苦悩も描かれていたように、音楽界全体の懐の深さも問われるのだろう。 さらに、初対面の亜夜と明石が多くの言葉を交わさなくても、演奏を通じて心を通わせる場面が感動的だった。良い音楽は、一部の天才だけの閉じた世界ではない。 音楽の描写はもちろんだが、「天才」たちの思考の内側もきちんと書かれているのが良かった。 クラシックの知識がほとんどなくても飽きることなく読み進めることができたが、読んでる間ずっと、松岡茉優の顔がチラついて、それが唯一残念だった。映画化はまったく罪深い。

    2
    投稿日: 2022.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    再読。面白かった。 音の表現が素晴らしく天才たちのピアノに魅了された。 文量は多いけど一気読みできる。 さすが恩田陸。

    1
    投稿日: 2022.06.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文字を読んでいるのに音を感じることができる素晴らしい作品。 残念ながら、映画は原作を表現しきれていないと思った。 原作では天才たちの才能が大輪の花のように開いていく様子が 自分の目を通して見ているように感じられる。 ここまで音を感じ、涙も出てくる作品は初めてだった。

    1
    投稿日: 2022.06.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上下巻通しての感想です。 クラシックに馴染みのない人間でもほんとに音を聞いているように感じる臨場感がありとても面白かった。登場人物たちの中で明らかな天才という立ち位置にあったのは塵と亜夜だけだったように思う。明石やマサルのような凡人の心を持ち合わせた人間がいることがこの本にリアリティを与えているように思った。

    1
    投稿日: 2022.06.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    多分初めてです。一日で上下巻読み終えたのは。夕方図書館に本を借りに行き、夜の22時頃からずーっと読んで2時頃眠いし下巻の始めらへんだしそろそろ寝て明日読もうと思ったけど、寝れなかった。そして読み終えました。今朝の6:30で外は明るいです。眠気吹っ飛びました。窓から見える青空くらい私の心も晴れた気分です。ほんとに読んでよかった。というか今までなんで読まなかったんだって後悔した。文字から音楽と空気感が伝わってきて、私も感化されてしまうような本でした。

    1
    投稿日: 2022.06.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。ただ、少し演出に飽きてきたというか、後半くどいところはあった。それでも、臨場感のある短文の連続などはとても読んでて熱中することができた。そして、本戦の演奏描写は一番少ないのではないのだろうか?シンプルにまとめられていてとてもよかった。最終ページに順位表を出すのは胸が熱い。これはどうでもいいけど、風間塵が少し幼すぎるというか、年不相応にも見えた。

    1
    投稿日: 2022.06.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    4人のピアニストと周りのキャラクターがとても魅力的だった。 奏が3人の天才を遠い存在のように感じて切なくなったり、その後にすぐ携帯で写真を撮る無邪気な姿を見て同世代の人間だと感じるシーンがとても印象深い。 本選の結果は予想外だったが、リアルさも感じられた。 皆の未来がどうなるのか楽しみな気持ちになった。

    1
    投稿日: 2022.05.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本というものは途中まで読んで、また続きを読めばいいのだけれど、途中で読むのをやめることを躊躇させる作品でした。仮に途中で読むことをやめても、再度読み始めればすぐに没頭することができます。一生このような読書体験をしたいと思わせてくれる作品でした。残念ながらこの本のあとに読む作品は、余程でないと物足りなく感じるでしょう。。 二次予選では春と修羅の解釈、それぞれの書き分けが面白い。三次予選の表現力も素晴らしいです。 また、音楽だけでなく他の芸術も絡めてくれるので、理解しやすいし表現に広がりを感じます。特に塵が活け花を教えてもらうシーンは興味深いです。自分が捉えた風景を逃さないように、できるだけ急いで表現する。早く正確に表現するには知識や技術が必要。当たり前のことだけど普段は意識できていないことだと改めて感じさせられました。 私は126,127ページの表現が好きでした。郷愁的な風景をすぐに思い描けました。2ページだけでとてつもない満足感を得られる。これが随所に盛り込まれているから恩田陸作品はやめられない。 三枝子が風間塵のギフトの意味に気付いたとき、同じようにハッとさせられた。ただの音楽小説ではなく、ギフトの意味を考えるミステリーでもあったのだと。

    14
    投稿日: 2022.05.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻に入ってコンテスタントが絞り込まれ、演奏や曲の描写が細かくなりました。曲をドラマに置き換えたり、練習の様子を掃除に例えたり、音楽を生け花になぞらえたり、作者の引き出しの多さに翻弄されます。 そんな中、3次予選冒頭のザカーエフの演奏は本人には気の毒ながらも審査員立場からのコメントには思わず吹き出してしまいました。上巻から続くコンクールの緊張感とあふれ出ている音と音楽の中、人間味のある一場面でした。 上巻のレビューで「それぞれの生い立ちや背景があるが故に繰り出されてくる音であり音楽なのだろうなと思いました。」と記しましたが、まさに同様のことを高島明石が感じており、作者の表現力の確かさを思い知りました。

    0
    投稿日: 2022.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    映画の予告で、「4人のピアニスト」と取り上げられていたなので、4人とも本選に残るのかなと思ったら、明石が早々に落ちてびっくりしました。しかし、全てを読んで振り返ってみると、納得の展開でした。あめゆじゅとてちてけんじゃ。 4人の物語であることには変わりないけれど、その中でも塵と亜夜の物語でした。塵は私たちにとってのギフト、いや、一番は亜夜にとって。そして、それがマサルに影響し、また、明石にも影響する。一気に、あるいは、少しずつ波紋が広がるように。 4人とも、「誰かを蹴落としてでも!」という性格じゃないところがよかったです。明石は努力の人だけど、(もちろん他の3人もだけど)それは天才ゆえかなあ。それとも、そういう性格じゃないとやっていけない修羅の世界だからかなあ。 コンクールやピアノに興味がわきました。のだめも久しぶりに読みたくなる。

    2
    投稿日: 2022.05.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりの恩田さん作品だったが、まず恩田さんの振り幅に驚いた。素晴らしい作家さんって題材が多岐に渡り、かつ臨場感ある作品が書ける方だと思っているけど、この作品で元々好きだった恩田さんを崇めたくなってしまった。そして何より日本語の美しさに痺れた。音楽って作家さんが表現したらこんなにドラマティックになるのか…。主人公の1人、塵の背景がハッキリしていないところがまたミステリアスというか味になっていて良い。学生時代合唱部で、コンクールがすべてだったあの頃を思い出して心臓が痛くなるほど興奮したけど、あの頃読んでいたらここまで揺さぶられなかったかもな…。社会人代表、明石さんへエールを!

    1
    投稿日: 2022.05.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻を読み終わり、第六回芳ヶ江国際ピアノコンコールが 終わってしまったと思った。ピアノ曲を聴きながら、物語を感じるということを初めて知った。10年かかって描かれた物語は私の大好きな1冊になった。

    4
    投稿日: 2022.05.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    音楽の個性。この作品はこの言葉なしには語れない。 登場人物のキャラクター、ストーリー、コンサートの臨場感、心の葛藤などがとても素敵で面白いと思いながらもやはり圧倒されたのはピアノの個性を紡ぐ文章の美しさだろう。 何曲出てきたかわからない、何人出てきたのかわからない、それもピアノだけの音楽を表現する言葉を人はここまで書き分けられるものなのか。それだけではなくその表現が誰の音楽を表現しているのか名前を伏せても分かってしまうんじゃないかと思うくらいに個性的である。 物語は所謂、予測できない、裏切られる、アッと驚く、というようなものでは決してないにも関わらずここまで多くの人を惹きつけ虜にしてしまったのにはこの表現の広さと深さにあるような気がしている。 映画版はあれでひとつ完成しているし、切り取りたかった場所と熱は伝わるものだったが、どんなにストーリー化されようとアニメになろうと展開されようと、この「蜜蜂と遠雷」という小説はこれを読む他には得られない感動がある。またひとつ、本が好きになる一冊でした。ごちそうさま。

    2
    投稿日: 2022.05.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上下あわせてすっごい長いと思うけど、びっくりするくらいすらすら読み終わった。 この本を読んでよかった。 演奏シーンがとにかく好きだから、 栄伝亜夜の本選の演奏もぜひ文章で堪能したかったなぁ。 淡々とした文章だし、 何かをすごく訴えてくる内容でもないのに、 なんでこんなにドキドキするんだろう。 すごく特別な本に出会ったような気がする。

    1
    投稿日: 2022.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻を読了して非常に驚いた。当作に対して持った印象が上巻とは全く異なったからだ。 物語は一次予選予選から三次予選、本選までのピアノコンクールを追う。コンテスタントである登場人物たちは色恋沙汰もなく、何か波乱を起こすわけでもなく、そういう意味で話の進み方は平坦であり、「ジェニファ・チャンの俗物性がよいスパイスになった」という意味のことを上巻の感想にて述べた。 しかし下巻においてはそのような俗な味付けは全く不要であり、ひとつのコンクールという極めて限定された舞台設定での物語運びがあまりにも見事だった。演奏の描写は上巻よりも一層卓越し、各ピアニストが放つエネルギーとオーラの虜となり、夢中でページをめくった。この小説は本当にすごい!と全身で実感した。すばらしい作品を読めて大満足だ。著者に心から敬意を表したい。

    2
    投稿日: 2022.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    156回 2016下 直木賞受賞 作品は元より、解説も楽しかった 恩田陸さんの編集担当である志儀さんが書かれた「解説」ではなく「思い出」話 本作が華麗なる賞を受賞し、皆に愛される作品として出来上がるまでの過程が、裏方さん目線で書かれていて面白かった 恩田陸さんのインタビューで語られている事なども、この解説を読んでより深く感じられた すばらしい作品、 すばらしい作者、 すばらしい黒子

    1
    投稿日: 2022.05.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻につづきあっという間に読了〜 風間塵に引き出されてアーちゃんのレベルがどんどん上がっていってるのがすごかった 天才にもいろんなタイプがあるんだなぁ 天才にしかわからないこと 天才同士だからしか話せないことがある、 同じレベルだからこそ共鳴できる、っていうのは わたしみたいな凡人でもなんとなくわかる 最後の結果発表のシーンを描かないのもなかなかおしゃれだなとおもった〜 解説でこれが10年以上かけて書かれたって 予想以上に重厚だった

    1
    投稿日: 2022.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    みんなが高評価にするのは納得!! ピアノのコンクールなので、音楽がメイン。語源化できるのかな?と思ってましたが、恩田陸さんにかかれば音楽の世界にどっぷり浸かることができました!! 上下巻に分かれてるのでボリューミーですが、あっという間に読み終わりました。 アンソロジーやコンクール後のお話が読みたい!! 続編を強く希望する小説です!

    3
    投稿日: 2022.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    第156回直木賞と2017年本屋大賞のダブル受賞作。上巻読んだ勢いで、そのまま下巻も一気読み。 下巻は2次予選の途中から。映画では誰か途中で落ちた記憶があるものの、亜夜もマサルもジンも明石もみんな本選までエントリー曲が冒頭に書かれていたので、あれ?って全員通ったんだっけと思って読み進めたけど、違ったのね。皆最初に全曲提出するからその前提で書いてあるだけだった。 コンテスタントだけでなく、それに寄り添う奏や雅美、審査員などコンクールに関わる色んな人間の音楽にかける想い。 コンクールを通してみんなが成長していく姿が気持ちよかった。

    1
    投稿日: 2022.05.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    きらめく才能を持った若い人同士が出会った時、お互いから影響を受け、魂が溶け合うような体験になって、新しい扉が開かれていくようなことが、実際にもあるのかも知れませんね。 私は凡人だから舞台に上がることは生涯ないけど、舞台とはそういう場所なのかも知れませんね。 マサルのカデンツァに強く揺さぶられて、二人が連弾するシーンが大好きです。月からのイメージがどんどん広がって、時にユニゾンになり、次には新たな曲に移り変わり、2羽の蝶々が戯れているように、ピアノで、音楽で、若い二人が自由に飛翔していく姿が見えるようでした。 私は、音楽に詳しくないので、作中で取り上げられた曲のイメージがちんぷんかんぷんでしたが、わかったら、その選曲から、登場人物の人物像がもっとはっきり分かるのでしょうね。 読み終わる時、もう、あの人たちの演奏が聴けなくなるのかと思うと、名残惜しかったです。亜夜さんと塵さんのジョイントコンサートとか、聴いてみたいですね。

    0
    投稿日: 2022.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    音楽への表現が好きすぎる。 ページ数でいうと長いけど、本当に読んだ?というくらい一瞬だった。 エピローグがさらっとしてたので少し動揺した。どの人も好きなので、もっとないの!?と思った。

    1
    投稿日: 2022.04.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    以前に単行本を図書館で借りて読んでいたが、続編が文庫化されたのを機にこちらも文庫で購入。続編はずっと読みたいと思っていたが、こちらの内容をかなり忘れてしまっていたので…。通しで読みたかった。 この小説、やっぱりとても良い。好き。クラシックもたまに聴くけれど(ラフマニノフやショパンなど)、クラシック音楽はやはり少し敷居が高いという感じがある。でも、音から受ける印象で色々な情景やストーリーを思い浮かべながら、自由な解釈で聴いて良いんだなと改めて思わされる。そして、全身全霊で音楽に打ち込み、人生をかけて音楽と向き合う人たちの姿に素直に感動するし、こういう人たちが仲介してくれてこそ、私のような音楽に特別な才のない凡人でも音楽を楽しむことができるのだろうなと思うと、感謝の気持ちが湧く。 音楽配信サービスなどで、小説内でコンテスタント達が弾く曲を気軽に聴きながら読めることができるので、ありがたかった。浸れた。

    9
    投稿日: 2022.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    国語の先生にオススメしてもらいました! 夜ピクの人でびっくり。読みやすかったです。芸術の曖昧な評価など、自分自身が感じていた部分に触れながらも極振りした人々を描いています。ラストの結果を先に見てしまいテンションは下がりましたが、俺もピアノを弾いてスタンディングオーベーションを浴びたいw

    1
    投稿日: 2022.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻を読み終わってからすぐに下巻を読み始めたものの、第三次予選が思っていた以上に長くて…途中で飽きてしまいそうになりました。 何とか乗り越えて、最後の本戦は楽しく読ませてもらいましたが…再読はないかもなぁと。 出てくる登場人物(マサル、亜夜、塵、明石)はみんな魅力的でした!

    8
    投稿日: 2022.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前編はほぼ音楽の話だからクラシックわからないし、苦手かもしれないと思っていたけど、後半になるにつれてコンテスタント4人の心情とかがどんどんわかるようになって面白くなってきた。

    2
    投稿日: 2022.04.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    演奏の表現が多彩。どんな音かは分からないが、分かったような気になるのが不思議。亜夜と明石が号泣するシーンが良かった。各々が音楽家の道を歩き始める訳だが、明石の家庭は大丈夫なんだろうか。

    1
    投稿日: 2022.04.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻に続いて一気に読み進めました。 ピアノは昔習っていたけど、あくまで普通の習い事レベル。 ピアノ含めコンクールやクラシックなどといった音楽界には無縁だけれど、引き込まれました。 終盤は気持ちが込み上げて涙する箇所もいくつか。 既に関連の物語もあるようですが、読後はそれぞれの登場人物の未来が楽しみになりました。 10年後とかのお話も読んでみたいなぁ。

    1
    投稿日: 2022.04.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ほんとにこれでもかというくらい鳥肌がずっと止まりませんでした笑 全然クラシックに詳しく無いのに、どうにか理解したくて、文字を読んでは想像して、イメージを膨らませて、いかに同じような景色を見られるか、 想像力の欠けている私からしたらすごく大変で、読んでいて疲れてしまうけど、でも面白いからプラマイゼロどころかプラスで、 長いけど、もう一回イチから読み直したいなと思っちゃう。面白い本はついつい先走りがちで、もしかして読めてない部分もあるかもとか思い出したらもう一度読むしか無いと

    1
    投稿日: 2022.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻も面白かった。 各コンテスタントにいつのまにか感情移入してしまいまるで共に人生を味わってきたかの様に、風間塵の音楽に感動したり、宇宙を見たり、心の成長をしみじみと味わったり、報われた喜びを噛み締めたり、思わず涙を流してしまう場面が何度かあった。 ただ、皆が皆超能力的に映像が見えたり会話をしたり(しかも正確に)することに少しお腹いっぱい感もあった(笑) この天才的感覚は漫画『神の雫』の「表現」に似ているのかもしれない。 ぜひ映画で音楽と共に味わってみたいと思う。 希望と感動を与えてくれたコンテスタント4人と作者の恩田陸さんに感謝したい。

    2
    投稿日: 2022.04.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本を選ぶ基準のひとつが「本屋大賞」受賞作であったり、そのノミネート作品であったりします。 本作は、2017年の受賞作です。 文庫本ながら、上下巻という分厚さにまず単純にひいてしまった。 しかし読み始めると、そのページ数が減っていくことが悲しくもなってくる。このコンテスタントたちの物語をずっと読んでいたい。そんな感情がふつふつ湧いてくる。 本作のスピンオフ『祝祭と予感』もぜひ読んでみたい

    2
    投稿日: 2022.03.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    クラシックのこともピアノのことも、音楽について知識も興味もなかったけど、コンクールという独特の世界に挑むコンテスタントや審査員の心情が細かく描写されていてその世界に引き込まれていった。 風間塵も良いけど、明石さんが一番好きかなぁ。 登場人物のその後が気になるけど、わたしにも彼ら彼女の未来が見える気がする気持ちの良い読後感。 YouTubeで作中に登場している曲を流しながら読んだのも楽しかった。映画も気になるけど、せっかくなら映画館で見たかった。。時すでに遅し。。

    2
    投稿日: 2022.03.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    天才が前に弾いた天才を新たな切り口で超えていく!と上巻の終盤から始まったパターンが延々と続く。 特にドラマもなく、演奏の表現からは何も聴こえてこない。 順位結果も結局そうなるのかと順当な結果。 上巻では面白かっただけに非常に残念だった。 短編集も出ているらしいが読むかどうか悩ましい。

    3
    投稿日: 2022.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ちょっと最後の方は音楽の世界観の表現がお腹いっぱいになってちょっと読み飛ばしちゃった感はある。でも一つのコンクールがこんなにドラマになるなんて、、。そして恩田陸さんならではの、色んな人目線でコンクールを感じられるのが面白い!

    1
    投稿日: 2022.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ピアノコンクールなんて自分の人生とはあまりに無縁な世界だったので、最初から最後まで新鮮な気持ちで読み進める事が出来ました。著者の感性にはただただ脱帽の一言です。映画もレンタルして観てみましたが、イメージしていた曲がこんな感じだったのか!とわかって面白かったです。私個人としては高島明石の「春と修羅」が心にしっとりと染み渡り、とても好きでした。栄伝亜夜のプロコフィエフ「ピアノ協奏曲 第ニ番」は、感動で鳥肌が立ちました。本当に素晴らしい作品だと思います!

    2
    投稿日: 2022.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    わたしは映画をみておもしろーい!って思ったから、小説を、読み始めたけど全く別の物語だった。 スッゴク面白かった。セリフが少ない代わりに、心情描写とかが詳しくて、言葉の使い方とかすごい素敵だな~と思う小説だった。 映画でも明石が好きだったけど、小説の明石はより良いな。 小説のなかでも何度か書かれていたけど、音楽って言うのは奏でたその瞬間から消えていくのに、ずーと残り続けて、人の心を揺さぶるのは本当にすごいと思う。永遠だけど一瞬。一瞬だけど永遠。すごい矛盾した言葉だけど、その通りの表現だと思った。 クラシックを聞いて情景が思い浮かんで、胸が熱くなったり、ヒヤッとしたりとかを聞き取れるのってすごいなぁって思ってたけど、曲の背景を知ってたら意外とそうなるかもと思った(理由は、この小説を読むときに必ず久石譲のプレイリストを聞いていて、知っているジブリ映画の曲は、歌詞はないけど、メロディーからあ、このシーンだなとか、あ、あの子のシーンだなとか思い浮かんだから) 音楽って改めてすごいなと思う小説だった。今ピアニストたちが一生懸命極めているクラシックは、何百年も前の音楽で、それをこの世に甦らせようとピアノを弾いているわけだよね。すごいと思う。そして、レコーダーがない時代に、なんとかこれを残そうと音符って言う新しい言語を産み出したのもすごい、ただの譜面からリズムとストーリーを汲み取っているピアニストはもっとすごい。 解説もすごいよかった!! 10年!!!何て壮大なんだと思う。10年間の連載のなかでなかなか反響が得られないのに、書き続ける気力体力ってすごいなぁ。いちいち反応を求める自分が恥ずかしくなってくる。 とりあえず、とても、素敵な小説だった。 世界の音楽をわたしも感じてみたいです。今この瞬間も世界は鳴ってるんだよなと思うとワクワクします。

    1
    投稿日: 2022.03.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ピアノコンクールを舞台とした青春群像小説。 大作なのに長さを感じさせない。 自分も観客としてコンクール会場にいる感覚。 演奏に聴き入るように話に引き込まれる。 音楽をここまで言語化して読者の胸に届ける恩田さんはすごい。 音楽を目で聴きました。 世界は音楽で満ちているー。

    1
    投稿日: 2022.03.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    音楽を読む、という体験。 どうしても先に読んでいる「ピアノの森」と印象が重なる部分があるが、登場する複数のキャラクターたちの成長物語として楽しめる。 映画はまだ観ていないが、これを2時間におさめたのなら、はしょる部分が多すぎて、面白さを伝えるのは難しそうだ。

    1
    投稿日: 2022.03.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    結構な長編ですが、ページをめくる手がとまらず一気に読んでしまった! 物語冒頭の展開が早くて、引き込まれてからあっという間でした。 ピアノ演奏に風景や物語を想像するということが新鮮で、音をそうやって「聴く」ことができたら、とっても興味深いし楽しいだろうな、と目から鱗だった。 私にもそんな風に音楽を楽しめるのかな、と色々な演奏を聴いてみたくなった。 最後の亜夜の演奏についてあまり詳細が書かれていなくて、どんな演奏だったのか、観客がどんな興奮でそれを聴いたのかを想像するのも楽しくて、 とにかく最後まで夢中になって読みました(^^) どのシーンも好きですが、 亜夜と塵がともに演奏しながら高めあっていくところ、 明石に思ってもみなかった賞が贈られるところは 胸がいっぱいに…! 耳で聴かせる音楽を小説にできるってとにかくすごい! 文章の表現から、ちゃんと音楽を想像させられます。 世界中が音楽で満ちている…  この世界をそう感じられたら幸福ですね。。♫

    2
    投稿日: 2022.03.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初は文量に少し尻込みしましたが、全ての登場人物が人間味がありつつも清々しく、勢いある筆致も相まってぐいぐい引き込まれてしまった。人間はやっぱり心のどこかで天才の出現を求めていて、そうした願望が最も表れる場所の一つが小説だなって、この作品を読んで改めて思いました。

    1
    投稿日: 2022.02.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    もー、ただただ恩田陸さんの表現力に脱帽。 めっっちゃよかったです。感動。 文字で音をあそこまで表現できるなんて、すごすぎる!! 分厚さを感じさせない。もぅ読むのが止まらなかった。睡眠も削って一気に読んじゃいました。 どんな曲なんだろって実際に聴きながら読みたくなって、CDも購入。映画も見た。 これはすごいものに出会ったぞ〜って感覚ですね。

    1
    投稿日: 2022.02.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    音楽コンクールの一次選考から本選までを舞台とした、ピアニストの群像劇。人物も設定もストーリーもありふれている。まんがでも小説でも散々書かれている。 そのせいもあって、一次予選まではかなり退屈で投げ出しそうになった。 二次予選くらいから面白くなる。何が面白いかというと、演奏曲の曲想の説明。人数が減って一人一人の説明と曲の説明が良くなる。これはレベル高い食レポに似ている。おいしさをいろんな言葉でイメージ豊かに伝えるので、食べたくなる感じ。 コンサートの風景なので、そこに至る葛藤はエピソードとして出てくるだけ。最初からサビのストーリー展開。どうしても掘り下げは浅くなるし、食レポの良さで読ませているものの、没入感はなし。 軽く読めていいが、感動とまでは難しい。この本は音楽による深い感動を描いている。でも、この本には、そんな感動を起こす力がないという物足りなさが残る。

    3
    投稿日: 2022.02.27