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意識の川をゆく 脳神経科医が探る「心」の起源
意識の川をゆく 脳神経科医が探る「心」の起源
オリヴァー・サックス、大田直子/早川書房
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総合評価

6件)
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    原著は2017年刊。オリヴァー・サックスは2015年に亡くなっているので、いわば「遺作」。亡くなる2週間前、サックスは、「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」誌に掲載したいくつものエッセイをこのような形でまとめることを編集者に託したのだという。 エッセイは10篇。サックスの敬愛する3人のビッグネイムが頻繁に顔を見せる。ただ、登場するのは、植物学者としてのダーウィン、精神分析を言い出す以前の神経学者としてのフロイト、意識の川(流れ)について考えたジェイムズである。 いつものサックスと少し違うのは、人間よりも、動植物にスポットライトをあてている点。なんとなく枯れたエッセイのようにも感じる。もちろん、味わい深いのはいつも通り。

    1
    投稿日: 2025.09.05
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    確かな温もりを感じる。書いているサックス自身の息遣いまで聞こえてきそうな……と書くと大袈裟だろうか。私にとって科学は基本的に門外漢のジャンルなのだけれど、サックス(そしてもちろん、訳者大田直子)の平易な文章に誘われてスムーズに読み進めることができた。日頃気になる事柄、例えば体感時間や物忘れや発想ののオリジナリティといった話題からサックスは豊かな学識をソースとして、縦横無尽に連想と筆を走らせる。それでいて嫌味さもクサみもなく、安定感あふれる読み応えを提示してくれる。エッセイのお手本を読んだような得をした気分

    0
    投稿日: 2023.01.14
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    心の起源についてもっと直接的な解説がされているものと思ったが、様々な精神疾患等の症状他から見えてくる意識の問題を、随筆的に書いたものであった。 興味深い部分もあるが、期待した内容からは物足りない。

    0
    投稿日: 2019.02.26
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    サックス先生最期の本。各エッセイに共通して科学に対する敬愛とヒトの意識に対する尽きない興味が溢れ出ていたように思う。死の直前まで綴られた好奇心の1つ1つに感動すると共に、自分自身もこのような最期を迎えられたら幸せだろうなとふと思った。養老先生の解説も良かった。

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    投稿日: 2018.11.25
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    2015年に亡くなった『レナードの朝』などを著したオリヴァー・サックスの遺稿である。養老孟司による解説で「医学的、科学的であると同時に、文学的な叙述だと言っていいかもしれない」と書いているが、彼の著作の印象はおおむね同じで、ひとつの本を一本のロジックで紡ぐのではなく、個々の症例などの事実をエピソード的に紹介して各章で独立したエッセイのような形で終えるものが多い。それはそういうものとしてよいのであるが、個人的にはやや消化不良のような印象を持つ。『見てしまう人びと』でも同じような印象を持ったが、この人の特色でもあるのだろう。 もちろん、多くの症例に接して、多くの論文に接する中で蓄積された知識をベースにしたエッセイ風の話は面白いものも多い。本書の中でもダーウィンの植物学者としての話、フロイドも交えた記憶錯誤の話、エーデルマンのTNGS理論(神経細胞群選択説)、意識と無意識の話、ハーシェルの片頭痛の話、などが収められていて、個々の話としては面白い。 全体としてとても素晴らしいかというと、その通りというものではないかもしれないが、それなりには楽しめる本。 ---- 『見てしまう人びと:幻覚の脳科学』のレビュー https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4152094966 『脳は空より広いか―「私」という現象を考える』のレビュー https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4794215452

    2
    投稿日: 2018.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者はこの原稿をまとめてから直ぐに亡くなったそう。同じ著者の他の本で読んだことあるような話が多かった気がします。ただ、コレはなかった、肝動脈の塞栓術手術の話。担当医から手術前に術後の辛さについて延々と語られているけども、実際、本当に辛そう…

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    投稿日: 2018.10.20