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神は銃弾
神は銃弾
ボストン・テラン、田口俊樹/文藝春秋
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総合評価

39件)
3.7
9
13
10
5
0
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    1999年に書かれた『神は銃弾』でノワールファンに衝撃を持って迎えられた本作。 まさか2023年になって映画化するとは思ってもいなかった(映画自体はキャスト陣が演じるキャラクター造形は素晴らしいのだが、残念なことに映画は悪い意味で原作通りにやってしまったせいで、キャラクターたちの魅力を活かしきれてなかった) 10数年ぶりに原作を読み直したくなって久々に表紙をめくったのだが、やはりめちゃくちゃスゴい。 今読んでもこの容赦のないプロットと、ドライで冴え渡ったキレッキレの文章には惚れ惚れするくらい食らってしまう。 そして600ページ近くある作品で、この文体で描かれるのは癖がありそうなのに、なぜかリーダビリティが高いのも不思議だ。 暴力をここまで陰惨に、かつ徹底的に描いていながらも、キャラクターの内面の機微も繊細に読み取り描いていくのも抜群に上手い。 改めてスゴい作家だ、と。 ボストン・テランは2019年に『How Beautiful They Were』という新作を出しているのだが、これは翻訳されないのかな……。 ってか新作もそろそろ出してくれないかな。 それとボストン・テランは何回も映画化が動くけど頓挫し、を繰り返しているのだが、『神は銃弾』が作られたことで次の映画化も動いているらしい。 次は『暴力の教義』が映画化するんだとか。こっちはちょっと座組的に心配ではあるのだけれど……。

    1
    投稿日: 2025.11.17
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    ストーリーはシンプルだが文章がやや難解。20ページほど読み進めると脳が慣れてくるのか難解に感じなくなる。 太字部分の回想、風景描写や人の仕草など、映像を頭に浮かべながら読むとなかなかかっこいい。これから映画も見てみよう。

    0
    投稿日: 2025.03.14
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    アメリカ国民に広く根付き、意識せずとも行動規範となっているキリスト教。このことは一神教を持たない日本人には理解し難いことも多々あると思うが、一方でキリスト教の教えとは程遠いモラルの中で病んでいるアメリカ。 この作品に登場する元ジャンキーのケイス、サイコキラーのサイラスが語る言葉は、哲学的で、現代を反映した過激だが新しい宗教的な響きがある。 それは世界中に広まったキリスト教やその他の一神教が、世の中をパラダイスにするどころか、血みどろの世界を創っている元凶なのではないかという疑念さえあるからではないか。 心底、神を畏れ、その教えに従うものはもうアメリカには少ない。しかし一方で銃弾の力を信じ、それに取り憑かれた社会がアメリカということなのか。

    7
    投稿日: 2025.02.10
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    初めはグロいなと思って読書を止めようと思ったけど、徐々に読むのを止めれなくなった。 最後のページを読んでスッキリした。

    0
    投稿日: 2025.01.17
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    長く、そして読みにくい。 文章がわかりにくくて頭になかなか入ってこなかった…。 でもそれを耐えて読み続けると、頭がなれるのかあまり苦じゃなくなりました。 映画の宣伝で気になって読んだので、ケイスとボブのイメージは先に出来上がってしまっていました。 具体的に、この人物はどのように死んだのか?と疑問が残るような場面の切り替わり方をしていて、それがいい余韻になった。 ケイスの強さ、ぶれない性格、残っている優しさ、すべてが魅力的でした。 かっこいいジャンキーでタトゥーだらけな女の子と会えただけでも読んでよかったです。 一連の事件の真相はわかりづらくすっきりしない部分もありましたが、すべてが事細かに、明らかになる必要はないのかもしれないと思える本でした。

    0
    投稿日: 2025.01.12
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    初期(「音もなく少女は」まで)のボストン・テランの小説でわたしが読みたいのは、繊細で美しく複雑で荒々しい、とにかくカッコいい文章とそこに幾重にも厚くかけられる比喩のベール。シンプルなストーリーの上で語られる窮地に陥り人生を解決しようとする人々それぞれにある、こだわり、理、世界をどう観ているかの視点。そして、女性が、虐げられたものが、自らに手で独立を、尊厳を取り戻す物語だ。 「そう、神は白人で、男なんだよ。だけど、あたしの意見を言えば、それこそ、そもそもの罪だ。それでもう先例ができちまったんだから。神性ー完璧ーは男だって言っちまったんだから。それこそ息子に引き継がれるべき白人の文化で、だから、それ以外の人間は誰でも、それ以外のものは何もかも、それよりひとつ劣るんだよ。女も、黒人も、インディアンも、動物も、ゲイも」 故にボストン・テランは女性の、虐げられたものの新しい神話を書くのだ。一年の最後の日に、1stを再読してそんなことを言い切りたくなったのでした。 - ボストン・テランの文章は集中していないと置いていかれてしまいそうになるけれど、それでもとてもカッコ良い。付箋も立つ。引用というか、書き残しておきたくもなってしまうのでした。 「見なよ。これこそ完全な命の形だ。至高の芸術形式だ。誰にも平等な偉大なるものさ。これは政治の境界も宗教の境界も全部越える。これはなんのしがらみもない。だから、誰もえこひいきしたりしない。向こうもこっちもどっちにも傷を負わせる。これは、ゴミみたいに偉ぶったたわごとを並べて、聖書が撒き散らすくそ寓話のどれにも負けないくらい単純で深いものだ。これはその背に歴史を背負って、眼のまえにあるものをすべて薙ぎ倒す。信仰はすべてこの処女真鍮の莢の中にあるんだよ。これこそ処女交降誕なんだよ、ベイビー。そうとも。これこそ新しい宗教を生み、古い宗教をやっつけるものだ。コヨーテ、神はいるよ。だから、不幸や苦痛なんか、にっこり笑って耐えるんだね」 「ホーナデイ社の弾丸を手に彼女が語った、真実の世界で完全な力を維持しているものに関する二分間の哲学。」 神は銃弾。

    6
    投稿日: 2024.12.31
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    二度目の読了だが、シンプルなストーリーで読み応えがある。 アメリカならこういう事が起き得るかもしれない、という導入部から物語はオフビートでスローテンポながらもアクセルを決して緩めない。ただ、馬鹿の一つ覚えのように飛ばしすぎず、かといってゆっくり過ぎず、荒削りな文章で荒野の暗黒世界を描き出していく。 重厚な文体と闇が融合したノワールの秀作と言っていいだろう。

    6
    投稿日: 2024.12.14
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    英国推理作家協会新人賞を受賞したボストン・テランのデビュー作。冴えない警察官のボブがカルト集団に拉致された娘を救うため、組織を良く知る元ジャンキーの女と旅に出る。暴力とドラッグと性倒錯の暴風が吹き荒れる荒野をたった二人で突き進むロードノベルにも思えるが、底流にあるノワール風味が凄まじい。目を覆いたくなるほど凄惨なのに、詩情的な文体のおかげかなぜか読む手は止まらない。『その犬の歩むところ』から入った口なので、存分に楽しんだとは言い難いが、強く美しいヒロインと、弱く脆いヒーローの姿に、著者の才能は見て取れる。

    0
    投稿日: 2024.07.10
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    このあいだ読んだウィンズロウの『失踪』も、さらわれた女の子を探すプロットは一緒だった。主人公コンビの凸凹ぶりはドラゴンタトゥー(1巻しか読んでいないけれど)みたい 評判になったのも成程と思わせる出来だが、イマイチ乗り切れないところがある。悪役がなんとなくショボいせいだろうか 南カリフォルニアの砂漠っぷりはこの物語にぴったり。マウント・ボルディの北側は本当に殺風景なんだよね

    0
    投稿日: 2022.10.30
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    【あらすじ(背表紙より)】 憤怒――それを糧に、ボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を連れ去った残虐なカルト集団を。やつらが生み出した地獄から生還した女を友に、憎悪と銃弾を手に…。鮮烈 私にして苛烈な文体が描き出す銃撃と復讐の宴。神なき荒野で正義を追い求めるふたつの魂の疾走。発表と同時に作家・評論家の絶賛 を受けた、CWA新人賞受賞作。  『音もなく少女は』で大ファンになったボストン・テランのデビュー長編です。”暴力の詩人”と呼ばれる謎多き著者によるカルト集団を題材にしたバイオレンス・ミステリー。山上容疑者が安倍元総理を銃撃した事件をきっかけに、そういえばカルト題材の小説を持っていたなと思い出して、積んでいた本棚から引っ張り出して読みました。  全編カリフォルニアの砂漠を舞台にしていてその描写が第一の鑑賞ポイントだと思います。映画『ファーナス』や『MUD』などでも描かれているような貧しい田舎のアメリカです。決して行儀の良くない合衆国市民=犯罪者達の活き活きとした蠢き。そして犠牲者家族でもある主人公の一人ボブ・ハイタワー保安官の鬱屈と、職業人そして父親としての奮起が第二の鑑賞ポイントでしょう。前半に「おそらく彼が主人公なのだろう」と読者に示され舞台に引っ張り出されながらもどうにも情けないグズグズな性格付けで描かれる伏線が本当に良く出来ています。保安官の上司と反目してまで自主捜査に乗り出したものの腰の引けたところのある主人公ボブの心理描写はその後の相棒ケイスとの問答に説得力を持たせる大事な設定でした。さらに彼がカソリック白人男性であることで相棒ケイスに対して無自覚に差別的な言動をとっていることを描写することもこの作品では非常に重要な要素であります。  そして私が思うに本作の最大の鑑賞ポイントはヒロインであるケイスのキャラクターです。保安官ボブのバディ役をつとめるのは薬物依存のリハビリ施設から出てきた「脱会者」の女性です。なんと彼女はボブの元妻を殺し、娘を誘拐したカルト集団にもともと属していた女性なのです。保安官と元薬物常習者のカルト脱会者がバディを組む!導入部ではずいぶんと危なっかしい不安定さで描かれるケイスですが、ボブの娘を探す旅に出てからは徐々にそのタフさと魅力を読者に見せつけ始めます。 ” 耐久性に加味されるリヴォルヴァーの美しさは、扱いの簡単さにある。彼女はシリンダーを回転させる。引き金も撃鉄もスムーズに動いているのがボブのところからもわかる。  が、何よりボブの眼にとまったのは彼女の手と指だ。リヴォルヴァーの美しささえ色褪せそうなほど、銃に触れる彼女の手つきは優雅で見事だ。顔にも緊張はうかがえない。筋肉も張りつめていない。まるで禅道場から出てきたばかりの人のように落ち着き払っている。 (中略)  彼女の動きにはある種の生々しさがある。手と武器の機械的な動きがいつのまにか詩的な舞踏のように見えてくる。太陽に照らされ、彼女は汗をかいている。腋の下に汗をかいている。彼女の汗に銃までいつしか濡れているかのように見えはじめる。ボブには何もかも免疫のないことだ。”立入禁止”と書かれたドアが一瞬開き、またすぐ閉じるまえにその中の何かを見て、何かを感じたような......そんな気がする。(P.152)”  中略した部分には銃のギミックに関する緻密な描写があって、それはそれで大変魅力的な部分ではあるのですが、私はここの過剰に蠱惑的であったり性的イメージに引き寄せ過ぎないケイスの描写が大好きです。ボブと、そして作者の「節度」が感じられるのです。その「節度」は作品を通してボブとケイスの関係性に一本筋を通しています。ドラックとレイプと暴力に溢れたこの作品で、主人公たちが主人公たり得るのは正義感や義侠心ではなく、この節度にあるのではないかとさえ感じます。敵役であるカルトのボス、サイラスの狂気や、ボブとケイスの協力者でもある彫師のぶっ飛びキャラもそれぞれがとても魅力的であるので、その線引きとして倫理観や規範意識ではなく「節度」・・・いや、お互いに対する敬意と言ったほうがよいかもしれませんが、言外にほのめかされるそういった美徳を採用しているのでしょう。それをもってしてようやく読者はボブとケイスに感情移入できます。それだけこの作品の世界は苛烈で暴力的です。主人公のボブでさえ差別意識や猜疑心にゆらゆらと思考を揺さぶられ決して善人には見えない瞬間もある。ケイスにいたっては来し方があまりにも犯罪的で素直にヒロイン的な行動原理が飲み込めない。そのどちらも作者の計算づくの造形であるのですが。  徹底的に荒廃した情景、容赦ない暴力の中に突然差し込まれる静謐で怜悧な思索。私はこれがボストン・テランの作風の一番の魅力だと考えています。そしてケイスは「脱会」の過程で、薬物依存からの回復の過程で、書物を味方にできたために作者の問いかけの代弁者たり得る知性を備えました。 ”正しくあること、それは悲しみ以外の何物でもない。そして、悲しみそのものがもはや彼女には邪悪なものになっている。だから、意識しないことだ。ただやってみることだ。それこそわれわれが人生と呼ぶ暗い創造物のすべてではないか。死をもって正せない正しさなどありはしない。(P.150)”  ケイスは、ピエール・ルメートル 『その女アレックス』のアレックスに並ぶくらい、私の大好きなキャラクターになりました。  最後に蛇足にはなりますが、作者も意図せずして日本のニュースや世相をえぐる一節がありますので、そちらを紹介して終わりにします。 ”「狂ってることにまちがいはないけど、彼にも動機はある。だからあたしは思うんだよ、彼があの家にはいったのには何かわけがあるって。何もなくてあんたの......その、子供をわざわざ連れてったりはしないはずだって。彼は精神異常者じゃない。そんなふうに見ると、まちがっちゃう。彼の宗教は、すべての宗教がそうであるように、とても政治的なものさ」 「政治的?」 「あたしが欲しいもの対あんたが欲しいものという政治の力学」 (P.210)”

    0
    投稿日: 2022.10.06
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    この作者の「音もなく少女は」もおすすめ。 このアプリで検索してもヒットしないですが… 強い女の人が好きなんだなぁと思う

    0
    投稿日: 2022.06.30
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    異常な暴力性と猟奇性を持つカルト教団に拉致された娘を救い出すべく、デスクワーク組の警察官の父親と、元教団の麻薬中毒者の女がタッグを組み、彼等の足取りを追い、復讐を挑む。 プロットはシンプルながら、文体が簡潔かつ切れ味良く、独特の魅力がある。強烈な暴力・性描写の洪水で、その点パルプ小説的ではあるが、前述した文体や、主人公二人の間の精神的な交流を描くことによる叙情性が、下品になりすぎないバランス感がある。 作中の登場人物の女性の多くに、非情ともいえる過酷な仕打ちが何度となく降りかかるのだが、主人公のケイスを含む多くの人物の精神的な強さが救いとなって、悲壮感はあれどなんとか読み進めることができた。 ただただ女性が蹂躙(執拗なレイプ描写など)されるのは読んでいて本当に辛いので。

    0
    投稿日: 2022.06.01
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    ドラッグとセックスと猟奇殺人の世界…。 会話は聞くに耐えない単語の連発で閉口するのですが、地の文章がグッと来るんですよね~。著者の文章も良いのでしょうが、訳者さんが素晴らしいと思います。(訳出に難渋したとありましたが…) ヒロインの精神的な強さも圧巻でした。

    1
    投稿日: 2022.05.10
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    ケイスの宗教観?が彼女の知性を感じさせ、その経験と相まって神は銃弾のタイトルが響いた。私的には若干読みづらかったが面白かった。読んで良かった。

    0
    投稿日: 2021.05.16
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    ドラッグ、暴力、SEX。 欲望のすべてが、この穏やかな表現の下にうごめいている。 欲望をつかさどる神はなんだ? 伝統の神と、新参のカルト教祖が交錯する中、すべてをコントロールするのは銃弾だ。  表現は静かで、映像的。暴力を表出させながら、深い愛を書いている。  暴力が支配するカルトから更生を目指す女性と保安官が、誘拐された娘を救出に向かう。強烈な暴力のやり取りは、偏執的なカルト主宰者の来歴と憎悪が発端だ。反目しあう二人の間に、次第に通い合うものが育まれ、退屈させる間なく展開するストーリーに感慨は深まる。読後は充実感に包まれる。

    1
    投稿日: 2021.03.20
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    全編に渡りマイナス側の感情だったり、冗長的な比喩に疲れたりしつつも、処女作らしいエネルギーに溢れていて読み応えあった。

    0
    投稿日: 2021.03.05
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    長らく積ん読になっていた、ボストン・テランのデビュー作。 ノワールの括りで紹介されているが、基本的にはロードノベル型のハードボイルドだと感じた。 娘を誘拐された父親が、元ジャンキーと協力してカルト教祖とその一味を追跡していく。 この事件の背景は少し強引であるが、エピソードやシーン描写が非常に映像的な部分が多く、筆力は高いと思う。 余談だが、本書を読書前にニコラス・ケイジ主演の「マンディ」を視聴しており、内容が似ていたのでその印象に引っ張られているのかもしれないが…

    0
    投稿日: 2020.03.09
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    昨年この作家と出会い狂喜した。最近の作品を3冊読んだが、そのクォリティの高さに驚嘆し、デビュー作を入手したもののなかなか読む時間が取れずようやく読了。……なんというか、期待が大きすぎたかも。冒頭から展開される凄惨な場面にのけぞり、その後も執拗に続く血と暴力の描写に辟易する。まあそれをマイナスしても、拉致された少女を追う親父と元ジャンキーの姿にはぐっときたが。出版された当時(2001年)に読んでいれば、絶賛しただろうなと思った。

    0
    投稿日: 2020.01.05
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    2019年2月8日読了。かつての妻を殺され娘をさらわれた刑事ボブは、更生中のジャンキー・ケイスの助けを借りカルト教祖・サイラスとその組織に近づいていく…。セブ島のホテルにあった本を自分の本と交換して読了。血と銃弾、セックスに彩られた本…。設定が全てと言うか、冒頭から「彼女には時間がない」という息詰まるシチュエーション・緊迫感が半端ない。会話は哲学的と言うかよく理解できない点も多いが、独特の雰囲気を作り出している。自分だったら、ギャビの安否は最後まで伏せると思うが…それでは読者が緊張に耐えきれない、と判断したのだろうか?いずれにしても、普通に自宅に暮らしていてこんな目にあう国には住みたくないもんだ…。

    0
    投稿日: 2019.02.08
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    娘を探すお父ちゃん、探し出すためならタトゥーだってなんのその。初ボストン・テラン。独特の乾いたテイストが印象に強く残った。

    0
    投稿日: 2018.12.25
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    このミス海外編2002年版1位。暗黒小説(ノワール)であり文芸スリラーであるそうです。難解です。確かに文学的で地の文だけでなくほとんどの会話が小難しく哲学的で何言ってるのか良くわからんです。ハードボイルドのようにちょっとひねった言い方であったり、村上春樹的なメタファーの連発であったり、伊坂幸太郎のようにうまいこと言う系でもなく、自分にとっては単純に意味不明です。それでも、圧倒的な暴力性で迫力はあるし大体の流れは理解できてまあそれなりには読み進めることができました。ただ、ハードボイルドのようで主人公が女々しかったり、もっと簡単にけりつけりゃいいやんと思ったりなんだかもどかしい展開でもありました。

    0
    投稿日: 2018.11.28
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    ボストン・テランの特集棚があったので、興味が湧いて手に取る。 ボブがカルト教団に誘拐された娘を助けるため、手掛かりを知る女ケイスと共にアメリカからメキシコへの旅に出る。 陵辱、暴力、麻薬とナンでもあり。 というか割と次から次にバイオレンス展開が続くので、読んでいて結構疲れる。 唯一の救いは、ケイスが割合真っ直ぐに悪と戦ってくれる所だと思う。 アナタがいなかったら、旅立ちすらなかったよ。 個人的にはまったく合わない小説でした(笑) 暴力に理由を求めても仕方ないんだけど、娘ギャビが誘拐されるキッカケがあんまりにもしょうもなくて、まあ、単なるサイラスという狂人のストレス発散物語にしか読めない。 こういうのが、カルト、なんだろうか? 疑問が残る。

    2
    投稿日: 2018.03.25
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    麻薬と銃と暴力の社会、そしてイエスが神では無いアメリカ。自分の中にもきっとある暗部を見ている気配を感じながら、やっと読み終えた。 ケイトとボブとギャビと、三人が角突きあったり助け合ったり自分を出し合いながら絶妙のバランスをとって暮らす姿が見えるだろうか。

    0
    投稿日: 2017.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    家族をカルトに誘拐された男が、かつてそのカルトから逃げた元信者と協力して娘の行方を追う、ただそれだけの話。 しかし、なんと濃厚な作品だろう。どこまでも人間の善と悪の本質に切り込み切り刻んでいく。 比喩や暗喩だらけの文章は、まるで文芸作品のように噛みごたえがある一方で、残酷なまでにリアルな暴力描写がいたるところに散りばめられ、主人公とヒロインの地獄めぐりが描かれる。 どこにも善良な人間はおらず、通常は善である主人公ですら境界を踏み越えていく辺りの描写は迫力がありリアル。 ハードボイルトというよりバイオレンスに近いかもしれないが、家族や仲間に対する思いがあるゆえに共感することが出来る。 さらに強力なのがヒロインのキャラ。まるで「ミレニアム」のリズベットの原型の様だし、モラルを踏み越えていく主人公の姿はグレッグ・ルッカのキーパーシリーズを彷彿とさせる。色々な作者に影響を与えるような作品だが、この世界は唯一無二かもしれない。

    0
    投稿日: 2017.10.05
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    元カルト教団にいたジャンキーで、立ち直ろうと努力してるケイスと、警官のボブが、誘拐されたボブの娘をカルト教団から取り戻すために戦う話。 暴力シーンが割とえげつなく血まみれだし痛いのだけど、分かりやすいストーリーでスピーディーなので、いっそ爽快な気持ちになってくるのがおかしい。 とにかくケイスが格好いいのと、ラストシーンが本当に素敵。

    0
    投稿日: 2017.04.25
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    あーもー何やってるのと言いたい感じにもたもたやって、後手後手にまわってしまって、やきもきするんだけども、でも人生こんなもんかと思わないでもない。しかし相変わらず?小難しい事ばかりのたまうアメリカ人達にはついていけん。

    0
    投稿日: 2015.06.16
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    久々のバイオレンス小説。そうと知らなくて読み始めたから最初は本当に胸糞悪かったけど、アメリカの悪や矛盾を、成功や豊かさの下敷きになっている、必ずひずみに生まれてしまう犠牲者のそれぞれの姿を描き出している。単純なハードボイルド的な楽しみよりもそちらに目を奪われる作品。 ストーリーは至極単純。 とある中流階級家庭がカルト集団によって両親と飼い犬は殺害、少女は誘拐され、薬を打たれてレイプて連れまわされる。その少女の父親(あまりデキのよくない警官)が元ジャンキーでカルト集団に昔所属していたケイスという女性とともに追いかけるというストーリー。 展開がわかりきっているのに惹きつけられるのはハードボイルドならではかなと思う。

    0
    投稿日: 2014.04.05
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    解説のあらすじ「残酷無比なカルト教の教主に拉致された娘を求めて、父親の警官が元教徒の麻薬中毒女を案内役にして追跡する話」とあるが、悪者はカルト教でもないし教主でもなく、ただの麻薬取引をやる暴力殺人集団のリーダーというだけである。 大人の欲と、暴力集団の自己満足の犠牲となった10代の女の子が悲劇である。捜索に協力した元麻薬中毒の女主人公の活躍がすごい。しかし、単純なストーリーの割に長すぎるかも。

    0
    投稿日: 2014.03.12
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    期待せず読み始めたのですが、面白かったです。 元妻を殺され娘を攫われた警官・ボブと、元カルト集団員のジャンキー・ケイス。 二人はお互いに嫌悪感を抱いています。ぜんぜん違う世界に生きてきたのだから当然です。 しかし、ふたりで死と隣合わせのギリギリの綱渡りを続けるうちに信頼のようなものが芽生えていきます。 このふたりの距離感がなんとも素敵です。 ギャビについて、もうちょっと掘り下げてくれれば嬉しかったのですが……うーん。 彼女はこれからどうなるのか。強く生きていけるのか。 原文がかなりクセのある、抽象的で難解な文章だったようで、 とくに序盤は微妙な言い回しがいくつか見られ、日本語訳を作るのに四苦八苦している様子が伺えます。 ですが読み進めるうちに作品の世界にぐいぐい引きこまれ、気にならなくなりました。

    0
    投稿日: 2014.02.24
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    元ジャンキーと実直な警官‐ケイスとボブがぶつかり合いながらも惹かれていく過程が何ともスリリング。セックス、ドラッグ、バイオレンスのオンパレードなので気の弱い方は近寄らぬよう。

    0
    投稿日: 2011.10.25
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    日本語訳が下手。物凄く読みにくい。悪戦苦闘中。読み終わった、が10日もかかった!「音もなく少女は」はこんなに読みにくくなかったのにこれだけか?誉めてる人もいるけどホンマに?筋はいいと思うんだが・・・。

    0
    投稿日: 2011.10.05
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    題名:神は銃弾 原題:GOD IS A BULLET 著者:ボストン・テラン (Boston Teran) 訳者:田口 俊樹 出版:文春文庫 P573 ■感想 そのうち、感想かこうと思ってたら半月もたってしまった… 正月に読んだ小説ですー 去年の「このミステリーがすごい」の1位になってたんで、とりあえず読んどきました. ま、大抵の本屋で平積みでおいてあるんで見たことあると思いますが… カルト集団(マンソンファミリーみたいな人たちね)元妻を殺され、娘を誘拐された刑事(デスクワーク担当)が、 カルト集団の元メンバーの女性(とうぜん元ジャンキーでもある)の手助けを借りて、娘を取り返すって話です。 ノワール小説なんで暗いです、見たくない現実みせられます、つかまった娘もひどいことされちゃったりします… そのへんが、ちょっと…

    0
    投稿日: 2011.09.24
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    圧倒的なスピード感や、バイオレンス、思想が絡み合うノワール。主人公のボブもさることながら、ケイスとサイラスの存在感は凄い。 言葉が重く、感動的でありながら、爽快な読後感。

    0
    投稿日: 2011.06.06
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    カルト教団にさらわれた娘の救出劇だが、伏線が多く、複雑。冒険小説ではあるが、純文学の要素もある。あまり好きではなかった。

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    投稿日: 2010.06.05
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     去年のこのミスとか、文春とかのベストで、1位だったやつ。カルト教団にさらわれた娘を助けるべく闘う父親と、そのカルトから抜け出した元ジャンキーの女性の話。  文体が独特で、最初戸惑う。でも、なんだが詩的。でもって、1段落が短いので読みやすい。  ストーリー自体は単純なのだけど、全体的に混沌し荒廃してて、それがたまらなく切ない。うん、そうだ。なにか廃墟を見てるような、そんな気分になる。  キャラクターもすごくいい。元ジャンキーの女性ケイスの命の輝きには、感動を覚えた。でもって、悪役も、本当にとことん悪いやつなんだけど、しぶい。うむ、やっぱり、悪役が魅力的じゃないと話は面白くないんだよね。  文句なしにいいとはいえないけど(好みの問題が大きいと思う)確かに、このミス、文春、いいもの選んでます。

    0
    投稿日: 2009.11.10
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     本当は感想を公開する場ではこう書くのを憚られるのだが、この作品はいい。なぜ「いい」と書くのを憚られるのかというと、この種の小説に接したことのない読者が安易に手を出すと非常に危険だと思える作品だからだ。日本だったら馳星周や花村萬月の作品を思い出すが、本書はそれらよりはるかに心ねじれた悪意と残虐さを秘めている。そんな作品を「いい」と言ったら人間性を疑われるかもしれないと思うほどだ。物語は、壮絶なノワール小説。娘が、「ドラッグと血と精液と愛液の世界」を作り出している狂気の集団に連れ去られた。刑事である父親は娘を取り戻すため、かつてその悪の集団に属していた女を相棒に、戦いの旅に出る。読み始めてすぐに疲労困憊してしまった。これ以上ないと思えるくらいの邪悪にあたってしまったからだ。しかし、もしそんな邪悪を秘めたストーリーに耐えられる読者ならば、相手を切り刻もうとするかのような辛辣な罵詈雑言の応酬の中に、一瞬であれ心を捉えられる言葉を見出すかもしれない。汚濁した言葉の中に、真理をつくものが紛れ込んでいるように感じられたからだ。それを証明するかのような一節があった。「ことばは信念の赴くところを定義するわけじゃない」あたかも日蝕のように、真昼間を闇にかえる邪悪。その暗黒世界から抜け出し、ようやく冷静に考えを巡らせることができたとき、この作品の凄みを思い知ることとなった。本書は、新人作家の衝撃的デビュー作であり、CWA新人賞受賞作。恐怖に隠された詩情の豊かさに、味わったことのない驚きを感じた。

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    投稿日: 2009.08.20
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    2001年、文壇に衝撃を与えたデビュー作。ストーリー的にはバイオレンス・ミステリー的な単純なものなのだが、そこに溢れ出るポエジーが素晴らしい。もはや詩人。読んで震えるべし。

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    投稿日: 2007.08.10
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    これもヤバイ。相当面白い。どうしようもない。これはおれの作った言葉だけど、とにかく「ドラゴンヘッド的」に読まされる。ラストは「ドラゴンヘッド的」ではないのでご安心を。映画には再現できない究極の映画を見ているような感じ。『ブラックダリア』が思ったほど面白くなくて、アメリカのノワールはダメだわと思ったらとんでもない。これはすげえ。

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    投稿日: 2006.11.16
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    訳が私の好きな田口俊樹さん。乾いているのに湿っている感じで非常に良いです。 ストーリーの疾走感もたまらない。

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    投稿日: 2005.08.06