
総合評価
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powered by ブクログ現在の世界において世界最先端の少し先の未来を描いた短編集。サイエンスやエンジニアリングのワクワク感を存分に味わえるだけでなく、社会問題についてのモチーフも取り上げられている。
0投稿日: 2024.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
―― バネ座金過激派アンチ。 確信犯的に、間違いのないものを。 ある程度専門的な知識や技術を必要とする業界に居ると、それぞれの技術には流派というか流儀、みたいなものがあることが解ってくる。冗談めかして「それは◯◯流だねぇ」とか云ったりするのだけれど、実際のところ結構本気で信じていたりする。 前の職場に居たサイボーグ姉御もそうだし、いまの職場にいるバネ座金過激派アンチもそうなんだけれど、突き詰めた技術に神性が宿るというのはどうやら確かなようだ。 この方法でやらないと失敗する、この手順でやらないと意味がない。それはもう、宗教や信仰と同じ色をしていて。 小説にもそれはあるよな、と思う。特にSFやファンタジーの、緻密に組み上げられた設定には自然と信仰が宿るのだ。もちろんいま存在するものの延長線上にある信仰もあれば、それはそうなるよな、という想像力にガイドされた信仰もあるし、物語の設計上間違いなく生まれるだろう信仰もあるし。 そういうのがある小説が、好きです。 さて。 そういう意味では、得意分野の土俵に色々なテーマを取り込んで切り刻むこの短編集も、職人技である。2013年から2017年の間に書かれたとは思えないくらい、現代に切り込むSF短編集でした。 素直に面白く、洒脱で、肌寒く、熱い。 これよ、これ。☆3.9
1投稿日: 2024.05.15
powered by ブクログシンギラリティ―を、AIが意思を持って人類を排除するというような荒唐無稽な世界としてではなく、計算力や処理能力が飛躍的に上がることで起きる変化として描く。 量子コンピューターや相互にやり取りするAIなどによって技術的には現在の延長のような世界でも劇的な変化をもたらすことを短編ならではの鮮やかな場面の切り取りで描いている。 既存のインフラやその延長上の技術で十分に快適な生活を送れるということを倫理ではなくAI制御の側面からしっかりと示す。凄惨な話もあるが、どこかで技術への信頼や明るい展望が示される。 いままでこの作者の登場人物にはいまいち優等生過ぎて共感できないとこがあったが、今作では全く気にならなかった。今後作者の作品がますます楽しみとなった。
0投稿日: 2023.08.26
powered by ブクログSF短篇が5つ。カバーは表題作の山場、近未来の中国での対テロ戦です。テロリストを倒すのは未来兵器なのですが、戦闘への人の関わり方を考えたお話しです。戦闘能力を持ったドローンが大量生産されたら怖いですね。
0投稿日: 2021.11.18
powered by ブクログ他よりも取り扱う技術が新しいからなのか、求めるリアリティの水準が合っているからなのか、相変わらず藤井太洋の描くSFは面白い。 物語がこれから膨らみ、盛り上がっていきそうなところで終わってしまう短編であることだけが残念。 200215
1投稿日: 2020.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
藤井太洋の送る技術特異点とその先の近未来を描いたSF短編集。量子コンピューターによる量子アルゴリズムとフリーズ・クランチ法という未来予測。クォイン・トスというゲームが彩るセブ島での一騒動を描いた「常夏の夜」が個人的に一番面白かった。近未来的なガジェットがてんこ盛りでありながら、ディストピアめいた悲観的な視野は一度もなく、量子ネイティブへの期待という人類の希望が詰まっている。因果逆転した記事を参考に、暴走するクラブマンからの攻撃をかいくぐる姿は良質なハリウッド映画を見たときのような興奮を味わうことができる。 表題作である「公正的戦闘規範」もドローンにより人類不在になりつつある戦争に公正さを取り戻すという意欲作である。ORGANというオペレーターが直接戦場に立ち、火器や無人機を操作するというのが非常に面白く、殺意を戦場に閉じ込め、その戦う姿に物語を付随させるという結論には膝を打ってしまった。大切なのは誰が血を流し戦っているかであり、そこに物語があるか否かである。戦争の概念が変われば戦場は薄く広がっていき、テロが激化するため、あえて戦争を戦場に固定してしまい、裏を返せばORGANさえ倒せばそれが勝利条件になるため、戦争そのものがわかりやすくなる。この視点は非常に斬新であり、感銘を受けてしまった。人類同士の争いを超えた、人類vs無人機の戦争でもあるのだ。 「第二内戦」はアメリカが二つに分断された話なのだが、アメリカの歴史や開拓者精神、自警団的な発想を考えれば一番ありそうな未来に思えた。古き良き時代のアメリカを取り戻し、マッチョ思考に彩られた白人だけが住む国。FSA「アメリカ自由領邦」という国名がとても良い。 どの短編も、幕引きは常に人類の新たな挑戦と希望に満ち溢れている。本来の技術革新はこうしたワクワク感に溢れているものであり、SFといえばディストピアというイメージを持っている人にこの本書を読んでほしい。
1投稿日: 2019.05.30
powered by ブクログ読み終わってから少し経ってしまった。 自分としては『ハローワールド』くらいの軽さが読みやすかったので、プログラミングとかメカニックな面では付いていけなかったかなー。 ただ、表題作「公正的戦闘規範」の世界観は好き。 利用された者の持つ恨みと復讐の繰り返し。 そこに知恵と技術が集まれば、盤面をひっくり返すことなんて容易くて、けれどひっくり返された盤面が「勝ち」を現すとも限らない。 民族衣装に身を包みながらロボットに騎乗して殺戮する彼女の姿は、倫理的な面を無視すれば否応なしに格好いい。 そうして彼女が君臨するであろう世界を、また別の技術が乗っ取り、塗り替えてゆくであろう未来。 まさに、諸行無常。
0投稿日: 2019.01.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
5篇収録の短編集。どれも、めっちゃ面白かった! 一つ目の「コラボレーション」を読んだ段階で、当たりを確信できた。この著者を追っていくしかないな!(確信 テクノロジーを悪とせず、テクノロジーの生み出す変化を好意的に捉えているのが相性の良い理由なのかな?(良かった理由は、まだよくわかってない
2投稿日: 2018.10.14
powered by ブクログそうそう、これこれ! 現在の延長線上にあるちょっとした未来と、新技術がもたらす社会変化をポジティブに描いてくれる、藤井太洋ワールドが炸裂です。 未来に希望が持てる作品です。
2投稿日: 2018.08.11
powered by ブクログ藤井太洋氏の小説は、現在進行形のSFとも言えるもの。現在のほんの少し先を描いてみせるから、とても興味深い。 今回も、現在既に実現している技術で考えられる、ほんの少し先の未来を描いてくれてて、次作が楽しみな作家さんだ。
0投稿日: 2018.03.12
powered by ブクログ初の短編集。長編ほどの盛り上がりはないけれど、作風として通じるものはある。それぞれの短編は、まったく違う世界を描いているが、すべて近未来にありそうな世界。バラ色ではなく、少し灰色。でも希望がないわけじゃない。コンピュータが問題解決の糸口となる話も多い。個人的には、銃規制の問題からアメリカ合衆国が分裂した世界を描く「第二内線」が、ちょうど現在の世界情勢と重なるところが多く興味深かった。
0投稿日: 2018.01.26
powered by ブクログ身につけたITスキルがレガシーになって取り残されていく感覚はよくわかる。ましてや量子コンピューターなんてものが主流になったらなおさらだろう。しかしそれほどは遠い未来ではないのかもしれない。この本を読んで、そんな感じがした。
0投稿日: 2017.12.18
powered by ブクログ表題作は2年前に伊藤計劃トリビュートで読んでいたのだがすっかり忘れており、改めてドローンによる戦闘を満喫。ORGAN(Operator Re-localized Gun-and-firearms Activation Node)(局所化された操作者による銃・火器行使単位)が出てきて思い出した!。他の作品も面白かったが、第2内戦や常夏の夜の量子コンピュータの使い方も何となく納得。セールスマン巡回問題を解くことが運送問題・エネルギー問題・通信インフラ問題を解決するそうな。勉強します。
0投稿日: 2017.12.17
powered by ブクログ半分くらいの作品はどこかで読んだことがあった。内容を覚えている物もあり、今回はもう少し深く味わえた。巻末の解説を読んで、本書が著者の初の短編集だと知った。今までになかったことに驚いた。それぞれの作品が、それぞれの面白味がある。若干IT分野に偏っているが、その事で私はより作品を身近に感じた。個人的に面白かったのは、「コラボレーション」「第二内戦」の2作品。
0投稿日: 2017.10.23
powered by ブクログ悪くない、悪くないんだがいかんせん地味なんだよね。 表題作は、ドローンによる無差別攻撃から闘争を戦場に閉じ込めることで公正さを確保するという考え方は面白かった。でも、自分の中の小さなミリオタを満足させてくれるようなくすぐりがなかったし、もっと風景描写を入れたら場面的な奥行きが出ると思うんだが、うーん。地味。。。メカニズムが人間の何かを変えるというのを見たい気がする。 常夏のなんちゃらというのは、それが味わえてすごくよかった。
0投稿日: 2017.09.13近未来SFの俊英が描く、最新短編集! お勧めっ!
電子書籍で人気を博して実際に本の出るSF作家になったという、まるでSFの中の話しのような経緯でデビューした近未来SFの俊英、藤井太洋さんの最新短編集。 5つのエピソードが載っていて、インターネットがなくなって、閉じたトゥルーネットのある世界のコンピュータに生まれた知性を描く『コラボレーション』。 量子コンピューティングをテーマに、近未来のフィリピンで展開される『常夏の夜』。 軍用ドローンがブンブン飛んで楽しいです。上海のゲーム会社を舞台に、主人公が昔持っていた中国が国策的に作っていたスマホHW7に入っていたアプリについて意外な秘密が明かされていく『公正的戦闘規範』。 今のトランプ政権下では笑うに笑えない、銃が持ててて、白人優位で、テクノロジーに肯定的でないもうひとつのアメリカが独立している未来を描く『第二内戦』。 そして、一番SFっぽい、木星系の資源採掘に携わる宇宙労働者の話『軌道の輪』。 どの話も、実現性がロジカルに考えられていて、最新のIT業界などに詳しい藤井さんならではの作品。SF好きは必読!
1投稿日: 2017.09.08
powered by ブクログ藤井さんがいてよかったとしみじみと思いつつ、読了を惜しみながら読み終わってしまった。「第二内戦」と「軌道の環」が好み。
0投稿日: 2017.09.03
powered by ブクログPGやSEの職歴はあってもコボルにC止まりなので気分は5番さん。 でもちゃんと理解できなくても読むのは止められないっていう楽しさがある。
0投稿日: 2017.08.26
