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総合評価

319件)
3.5
25
124
118
28
0
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    瀬戸内海に浮かぶ白綱島という離島を舞台にした短編集。 それぞれの話が繋がっているわけではないが、だんだんと白綱島という土地の風情が頭にも浮かぶ。 湊かなえさん、やっぱりうまい。

    2
    投稿日: 2018.12.24
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    1つの島を舞台に様々な人を描いた短編集。どの話も純粋にまっすぐ、ではなくて小さな仕掛けが施されている。

    2
    投稿日: 2018.11.11
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    著者の故郷である因島がモデルとなった、瀬戸内海に浮かぶ白網島が舞台の6つの物語。母子家庭、祖母に支配される閉鎖的な家庭、殺人を犯した母とその息子、などなど、辛い現実や過去を持った人たちが次々と登場する。

    2
    投稿日: 2018.10.21
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    因島出身の著者が自身の故郷をモデルに欠いた短篇六篇。最近の湊かなえ作品はライトなのが増えているがこれ(単行本は2013年)は短篇と言えど後味の悪さが残る作品。いやいい意味で。

    0
    投稿日: 2018.10.09
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    友人に借りて読みました。6つの短編小説が入っています。湊かなえさん本人の出身地をイメージして書かれてものなのでしょうか。6つは全て別々の話ですが、どれも瀬戸内海に浮かぶ閉鎖的な島の中に住む人の物語。主人公の行動や発言にはどれも共感できるものが多く、幼い頃の島での生活と大人になった自分を掛け合わせた話が多く感じた。いつの時代もも親は子を思い、小さい頃には気づけなかったその有り難みを大人になって気づき、自分の子供に伝えていく。何度も読みながら涙しました。

    2
    投稿日: 2018.09.09
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    湊かなえの出身地である因島をモデルとする瀬戸内の島に住む人たちあるいは島を故郷とする人たちの6つの短編。読み進めてもなかなかミステリとは気づかないが、終盤になっていずれもその場面に至る秘密が明かされはっとさせられる湊かなえらしいミステリだ。島の人に限らず都会でもどんな社会にでもある妬み嫉み弱い者いじめが描かれ読んでいて苦しくなる。人間ってこんなに残酷で、生きるのは本当に辛いことなのかもしれないと思う。もちろん優しい人も登場はするが。「望郷」というのは故郷を懐かしく思いやる意味なのだが、主人公の誰一人、良い思い出が無い。タイトルの望郷は、手に入れることのできなかった理想の故郷に対する望郷なのだろう。湊かなえ自身の「望郷」と重ならなければと心配になる。

    2
    投稿日: 2018.08.29
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    人の醜さとか卑怯さも表してるし 人の美しさ尊さも表してるのかなと思いました。 一つの島を舞台にした短編集 どんな経験したらこんな嫌な母親を表現できるのかと思いました笑 すっきりもするしどんよりもする湊さんらしい小説家です!

    2
    投稿日: 2018.08.25
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    テーマ上仕方ないが、途中からこの暗さに飽きてくる。 ミステリーの「謎」部分も大して謎ではなかった。好きな人は好きな作品かもしれない。

    1
    投稿日: 2018.08.05
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    筆者の出身地である因島をモデルに描かれた短編小説集。 出身地だからリアルか?というと、そういう訳でも無く、逆に湊かなえらしい羽ばたきが薄れてるような気がしない訳でもないような気がしないでもなき。

    2
    投稿日: 2018.08.01
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    白綱島という島を舞台に、異なる主人公の話をまとめた短編小説。それぞれバラバラのストーリーだが、白綱島が舞台であることは共通。 読みやすく軽く読みたいときにはおすすめです。

    2
    投稿日: 2018.07.30
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    イヤミスが苦手なんだけど、ブクログ通信でオススメされてたので読んでみた。 短編なので読みやすかった。 「海の星」が一番好きかな。 やっぱり後味が良いほうが好きなので。 暗い海に青く輝いた星のような光。母と二人で暮らす幼い私の前に現れて世話を焼いてくれた“おっさん”が海に出現させた不思議な光。そして今、私は彼の心の中にあった秘密を知る…日本推理作家協会賞受賞作「海の星」他、島に生まれ育った人たちが抱える故郷への愛と憎しみ…屈折した心が生む六つの事件。

    2
    投稿日: 2018.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まずまず。 島出身者は、同様な心境なのだろうか。 思いがけない展開が良い。 もっと明るいお話が好き。

    2
    投稿日: 2018.06.23
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    湊かなえさん初読。どうしても"イヤミスの女王"のイメージが強くて敬遠していたが、島を舞台にしたこの短編集はミステリー要素を含んだ上質の人間ドラマだった。各編共に全体像や謎が最後まで明かされないので興味を損なわずに読み進めることが出来る。全編結末自体は予想の範疇ではあるが、ここまで各々のクオリティが高いのも中々ない。「夢の国」や「光の航路」も良かったが、やはり「石の十字架」がベストだろうか。作中で主人公がぶつける言葉の洪水に一気に飲み込まれた。"人は愛される為に産まれてくる―"という言葉を思い出した作品集。

    1
    投稿日: 2018.06.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    解説にある通り、最初の内はわからない謎が最後にはわかるようになっている点は非常に面白い。ただ一方で、人間のドロドロした側面を見るようで、少々見るのが辛くなった個所もあった。それはある意味できちんと人間の内面を描いているからだろうとは思うけど…

    2
    投稿日: 2018.04.08
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    2018.04.02 瀬戸内海に浮かぶ島を舞台にした愛憎入り交じる短編集 前半3作はいつもの湊かなえ 後半は。

    2
    投稿日: 2018.04.02
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    白網島を舞台にした短編集。 島の閉塞感、都会への憧れ。 闇が深くて…さすがだな!って思うけど、湊かなえさんにしては、あっさりめの仕上がり。

    2
    投稿日: 2018.02.25
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    自分にとっての故郷はどこなんだろうと考えながら。湊さんの作品だけどこれはミステリーじゃないんだなと思ったけど最後まで読むとやっぱりミステリー。もう一度読みかえすことに。

    1
    投稿日: 2018.02.04
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    湊かなえさんの作品はどよんと重苦しい印象があるが、これは短編集で割合さらりと読めた。6編の中ではやはり 海の星 が余韻も残り後味もいい。全てが瀬戸内海の一時は賑わったが時代の波に抗しきれず過疎化途中のとある島に纏わる人物たちの話で構成されている。湊さんの出身が因島らしいので まさに望郷の気持ちで書かれた かな?!

    1
    投稿日: 2018.02.03
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    一言で表すなら、ムラ社会独特の人間関係やしきたりから解放されたいと葛藤する青年達のお話。 短編小説でそれぞれ序盤はムラ社会の人間関係に不快を感じるけれど、読後はスッキリする。 海の星と雲の糸が好き

    1
    投稿日: 2018.01.25
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    架空の島を舞台にした短編集。ムラ社会がもつ閉塞感、束縛が描かれていて、息苦しくなります。息苦しさの原因は自分自身の考え方なのだという側面もあるのかもしれませんが。

    1
    投稿日: 2017.12.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    瀬戸内に祖父がいるけど、島はまた違うんだろうと Nのためにを読んで感じていたけど あのドラマの前半をきつーくした感じのが沢山あり ちょっとしんどい。 でも最後には悲しくても切なくても必ず希望がある。 それでも生きていかないとと教えてくれる。 特に最後の父の言葉が良かった。 いつか苦しんでいる子供がいたら教えてあげたい。 あなたは望まれて祝福されてこの広い世界に迎えられた。 常に寄り添えるわけではないが助けてくれる人は必ずいるから あなたの進みたい方向へ舵を取りなさいと。 生きることは海をいく船のようだ。

    1
    投稿日: 2017.12.16
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    望郷は湊かなえによる短編集。 小説の舞台がはそれぞれが独立した話ではあるが、全て架空の島、白綱島が舞台となっている。 白綱島は本州とは離れた小島という設定で、本州とは海峡大橋で繋がってはいるが、島と本州とは別世界のような描き方。 一言でいったら、昔の人の考え方だ。 島自体の住民が、島から出ようとはせず、本州に出て行こうものならそれこそ村八分になる、様な時代背景がそこにある。 この話は湊かなえが現在住んでいる、兵庫県淡路島がモチーフになっているのかと思いきや、そうではなく湊かなえの故郷、広島県の因果島がモチーフとなっている。 因果島は、かつては独立した島だったが、現在は吸収合併を行っているという設定も作中の話とリンクしている。 殺人事件や、悲しい話が多いのだが、推理小説としての機転の利いた転換は読んでいて惹きつけられるものがある。 この作品の中で、恐らくリード作品であろう海の星は登場人物の設定、初めは一家の大黒柱が行方不明になった母子の元に突如として現れる謎のおっさん。 ただ単に夫がいなくなった隙を狙った男かと思わせきや、数年後、実はそうではなかったことが判明する(詳しくは読んでみて欲しい) その他、突如として実家から駆け落ちしていなくなり、数年後にベストセラー作家となって島に帰って来た姉妹と話「みかんの花」。 どこか。湊かなえ自身を題材としたのではないかと思ったのは私だけだろうか。 田舎の少女が本州の夢の国ドリームランド(テーマパーク)を夢見るが、大人になってから訪れた夢に国は、ずっと恋焦がれていた夢の国とはずれていた話の「夢の国」。 その他、読み進むにつれてストーリーが深くなっていき、ラストには何とも言えない感情に支配される話がつまっている。 ありきたりな小説の展開に飽き飽きしている方に是非おススメしたい小説である。

    1
    投稿日: 2017.12.03
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    短編で読みやすかったです。 タイトルにあるように、故郷を懐かしむような、という感じで読み進めていましたが。 確かにその感じも十分ありましたが、どうしてどうして、さすがは湊さん。 しっかりミステリーでした。面白かったです。

    1
    投稿日: 2017.11.10
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    瀬戸内海の一つの島に住む人々の短編。どの章にもイライラする人間が出てきて、フラストレーションが溜まって途中でもういい、ってなった。共存がマストだから、そんな人たちとの接することは仕方ないんだけど、本の中でまでこんなイライラは勘弁ー。頭の中で中島みゆきのファイトがずっと流れていた。

    1
    投稿日: 2017.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    地方や田舎に未だ染みついている、面倒臭い人間関係のネガティブ感を強く感じます。概ねそれは価値観の押し付けであって、本作各話の主人公に共感すると、彼ら彼女らの意図や意識と異なる価値観を押し付けてくる存在に拒絶反応を起こしてしまいます。 その拒絶反応があまり良い印象に結びつかず、延いてはそれが作品の印象になってしまうかと思いましたが、最終的には各話の主人公が強い意志をもってそうしたネガティブな要素をはじき返したり、真相を知り前向きに歩み始める姿に感動を覚えました。 そうした人の織りなすドラマとしては傑作であるとは思うのですが、「日本推理作家協会賞受賞作」として見てしまうと、(少なくとも自分が)よく見知ったミステリとは随分様相が異なるので、戸惑いを覚えてしまいます。 かえってミステリとしての評価がない方が、偏見なく本作に臨むことができたんじゃないかな、なんて思ってしまいました。

    1
    投稿日: 2017.11.03
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    瀬戸内海に浮かぶ小さな島を舞台にした短編集。 イヤミスでない湊作品は久しぶりに読んだ。相変わらず人々の心の内側をうまく表現していて読み進む。島を離れた人 島にとどまる人 様々な思いを抱え島に来た人。 島出身ではないので勝手なイメージとして朗らかな人達が日々穏やかに暮らしていると思い込んでいる。そのイメージがあるからこそのダメージというか、うわぁっと心苦しくなる処はやっぱり湊かなえ。

    1
    投稿日: 2017.10.17
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    故郷ってなんだろう?私の故郷は今住んでいる場所から遠くないし、首都圏近郊であまり故郷と呼ぶにはふさわしくない場所だ。だから「望郷」という言葉もピンとこない。 しかし、生まれ育った地の歯がゆい苦い思い出は、誰にでもある。帰りたい気持ちと忘れ去ってしまいたい気持ちが混ざったものが望郷の念なのかもしれない。

    1
    投稿日: 2017.10.17
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    田舎の良さも悪さも描けているのが良いと思う。 島で暮らす閉塞感とその島で暮らす家族の暖かさが上手く描けてある。

    1
    投稿日: 2017.09.30
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    『雲の糸』までで田舎の閉鎖感に同感し読みたくなるほどになり、次の『石の十字架』『光の航路』でようやく古く悪しくも、田舎の力強さを感じられた。

    1
    投稿日: 2017.09.12
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    暗い海に青く輝いた星のような光。母と二人で暮らす幼い私の前に現れて世話を焼いてくれた“おっさん”が海に出現させた不思議な光。そして今、私は彼の心の中にあった秘密を知る…「海の星」他全六編、島に生まれた人たちの島への愛と憎しみが生む謎を、名手が万感の思いを込めて描く。

    2
    投稿日: 2017.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    白綱島という瀬戸内海の島(たぶん因島)を舞台に、様々な島の人物の視点から書かれた短編集だった。 島、という狭いコミュニティの中で 閉塞感を感じる主人公が生きる姿を描いていた。 島外に対する憧れ、島の人間からの見られかた、 そういった感情に支配され生きている人が多い。 しかし、外に出てしまうとその想いの小ささに気づく。 自分の悩みの小ささに気づく。 一歩を踏み出せない時、後押ししてくれるような一冊。 田舎あるあるで共感できる点も多かった。

    1
    投稿日: 2017.08.15
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    白綱島という、瀬戸内海の架空の島を舞台にしたお話たちの短編集。 本州とは橋で繋がっているはずなのに、島の中の世界というと、独特の閉塞感があって、その感覚がお話たちの底に共通して流れていた。 印象的だったのは「雲の糸」と「海の星」。 「海の星」は、おじさんの真意が何年か後に分かって、なるほどそうだったのかと。海に一瞬広がる「星」の美しさがすてきでした。 「雲の糸」は、切なかったね。お母さんの深い深い愛情が、なんともたまらなかった。

    1
    投稿日: 2017.07.08
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    隣の市と合併が進む白綱島という島が舞台の短編集。心の闇の部分を描く湊かなえさんの作風と「望郷」というテーマがとてもよくマッチしていて面白かったです。解説にもある通り、いきなり事件が起きるのではなく純粋な物語の中に事件が埋め込まれています。僕が一番気に入ったのは「夢の国」で、終盤はっとさせられました。

    1
    投稿日: 2017.06.14
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    白綱島を舞台にしたミステリー短編集。とはいえ、ミステリー要素は軽め。島特有の閉塞感なのか、出てくる人の境遇が良くないので重い気持ちになる。。

    1
    投稿日: 2017.06.09
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    どの短編も、舞台が島であること以外は繋がりがなかった。「海の星」だけなぜか記憶にあり、いつ何で読んだのか思い出せずモヤモヤ。どの短編も面白かったけど、なんかモヤモヤ感が残った。結末まで見せないからかな…。色々な過去を抱えたそれぞれの主人公たち、親子、家族、友達…テーマが深かった。

    1
    投稿日: 2017.06.06
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    島に暮らす人々の物語。 全部の話が、最後は希望を感じさせる終わり方をしている、はずなのに、不安感が残った。 離島の問題や、子供のいじめなどの根本的な問題を突きつけられているからか。 読みやすいし、上手い話だけれど、私個人が苦手な部類だった。

    1
    投稿日: 2017.06.06
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    ★2.5です。 白綱島という舞台に拘泥しすぎていて、短編の集合が不自然な感じを受ける。現実的設定であるから猶更その感あり。まぁ最近(と言ったら良いのかな?)こういう仕掛けを用意する小説って多い気がするから食傷気味なのもあるかもしれないけれど。また、粘質性も左程ないのでどんでん返し的オチが微妙に浮遊している気もしなくはない。まぁ『海の星』なんかは良いかもしれないです。 それにしても徳島って四国の上側なの?因島出身者だとそう考えるのだろうか?あまりに???過ぎて余計に当方の本作へのネガティヴな印象をより強くした感ありです。

    1
    投稿日: 2017.06.05
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    瀬戸内の島に生まれ育った人の心理を描いた短編集。 舞台が共通しているだけで、基本的に各話のつながりは無し。どの話も人物のどろっとした想いがひたひたと読者の心に侵食しながらも、希望のある終わり方をしているため、割と読後感はさわやか。 瀬戸内の島の閉塞感と、その環境が生み出す住人の仄暗さ。わたしは神奈川出身、東京在住なので、その感覚があまりわからない。都会への憧れとか、故郷を捨てること、故郷を離れた人に「置いて行かれた」と思うきもち。それを自分はリアルに感じることができない。 湊かなえさんは因島出身ということで、湊さんの思うふるさと像がこの『望郷』なのだろう。地方や島出身の人って、この話に強い共感をもつのかな。そちら側から読むと、また違う感想をもちそう。 さて、この短編集は、日本推理作家協会賞を受賞した「海の星」を含む6作品を収録。 「みかんの花」 「海の星」 「夢の国」 「雲の糸」 「石の十字架」 「光の航路」 すべての作品が人の善意を前提としている気がする。湊さんの背筋がぞっとする系の作品群とは、そこから大きく違う。黒湊さんを思いながら読み進めると肩透かしをくらうかも。

    1
    投稿日: 2017.05.08
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    瀬戸内海の白綱島で育った主人公たちの故郷に対する愛憎を描いた短編集。 著者の故郷である因島がモデル。 ミステリー要素の強い「みかんの花」が面白かった。 (図書館)

    1
    投稿日: 2017.05.07
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    瀬戸内海の白綱島が舞台の6つの物語 島に対して色々な思いを持った人々 ある者は島を出て行き、ある者は島に残り、ある者は一度島を出るが帰ってくる。 6つの物語主人公ほとんどが島に対していい思い出を持たず成長していく。 大きくなったからこそ分かる事実や思いが切実に書かれている。 最後の解説でこの白綱島は湊かなえさん出身の因島がモデルとなっていると書かれていた。 自分も瀬戸内海に面した街に住んでいるので何か心に響くものがありました。

    2
    投稿日: 2017.04.30
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    『みかんの花』、『海の星』、『夢の国』、『雲の糸』、『石の十字架』、『光の航路』の6編が収録された短編集。著者の出身地である因島をモデルにした架空の島「白綱島」という島を舞台にしています。 子どものときに暮らした島は良い思い出ばかりではありません。大人になった主人公がそれぞれの事情から再訪するパターンがいくつかの編に見られます。小さな島だから、噂はすぐに回る。その噂は何十年経っても振り払われることなく、心ないことをあれやこれやと言われることがわかっているのに、それでも帰郷してしまう人々の心情。 普通に文芸作品と思って読み進めてみると、立派なミステリー。陰鬱ではありますが、惹かれます。特に日本推理作家協会賞(短編部門)受賞した『海の星』は秀逸。湊かなえといえば長編のイメージの強い人でしたが、短編を書かせても面白い人なのだと再認識。

    1
    投稿日: 2017.04.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    狭いコミュニティで過ごすこと、そこから出ていくこと、いろいろですが大変ですね。島から出て行った歌手の話が一番印象に残っています。イライラした。

    1
    投稿日: 2017.04.03
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    短編集。 ことさらあざとさを強調した物語ではない。 けれど、湊さん特有の「人が持っている闇」はしっかりと漂っている。 湊さんの物語を数多く読んできたけれど、初めて上手い!と思う箇所がいくつもあった。 「海の星」は表面的なストーリーは単純なものだ。 島を捨て、遠く離れた場所で暮らす主人公・洋平のもとへ一通の葉書が届く。 差出人は島にいた頃の同級生。 彼女との関わりを妻に話して聞かせることで、洋平は過去と向き合うことになる。 そして再会した彼女が告げた真実とは…。 しかし、表面的にはみえない複雑な感情がひっそりと隠されている。 それらがストーリーの中に潜んでいたことがわかったとき、その奥の深さに驚かされる。 思い当たる理由もなく、ある日突然失踪した父親。 ひたすらに夫を待ち続ける母親。 そして、急接近してくる親切な見知らぬ男。 父親は殺されているのでは? 犯人はこの親切だけれど目的の見えない男? とても読みごたえのある物語だった。 他の短編もそれぞれに趣向をこらしてあり面白い。

    0
    投稿日: 2017.04.02
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    離島、田舎をめぐる短編ミステリー。 離れて行った人、残された人、戻ってきた人のそれぞれの思いを描く物語。 各短編ミステリーだけど、ミステリー要素は弱め。

    1
    投稿日: 2017.03.24
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    湊かなえ作品のなかではあっさりめ。残念ながら、なんとなく自分には合わなかった。狭い田舎社会と家族、というテーマが私にとっては身近なものだから、読みたいと思えなかったのかもしれない。

    1
    投稿日: 2017.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短編集 全てのひとつの島を舞台としている ・秘密を抱えて出て行った姉が、有名作家となって戻ってくる ・やたら優しいおっさん。母目当てと思いきや ・ディズニーランドに行きたい、口うるさい姑を持った妻 ・有名になって戻ってきた歌手 母がその土地の覇権を握った会社で働いているため、いやいや来た ・前にいた学校でいじめられてきた母子。昔の友達が助けてくれた ・恩師の恩師が父(あんま覚えてない・・)

    1
    投稿日: 2017.02.11
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    これまで読んだ湊作品の中では一番のお気に入り。 瀬戸内海に浮かぶ小さな島が舞台。 島に残ったもの、島を離れたもの 一度離れだがまたのこったもの、 それぞれが主人公となる短編集。 閉鎖的な、小さな社会だからこその人間関係が 実に巧みに描かれている。 またどのストーリーにもミステリーの要素が盛り込まれているところがこの作品のもう一つの魅力だ。

    0
    投稿日: 2017.01.10
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    2017.01.08完 うーん、特に盛り上がりもなく。 島の人々の色々なストーリー 一番は海の星かなぁ。

    1
    投稿日: 2017.01.09
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    故郷の島にまつわる話を集めた1冊。都会に故郷を持たない方ならば、この懐かしい感情に揺さぶられること間違いないと思います。 でも、話の中にはミステリー要素もちりばめられていて、 胸が熱くなるミステリー本になっていると思います。

    1
    投稿日: 2016.11.29
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    瀬戸内海に浮かぶ「白綱島」を舞台にした短編集。 この著者の本だから、住人全員が顔見知りのような小さなコミュニティならではの閉塞感、人間の嫌な面と感情が書かれている。それでも最後は前向きに終わるので、それぞれの読後感は良かった。

    1
    投稿日: 2016.11.29
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    日本推理作家協会賞受賞作『海の星』のほか、瀬戸内海に浮かぶ架空の島・白綱島を舞台に、島への愛と憎しみが生む謎を描く作品集。 閉塞感を我慢するのか拒むのか。本作の白綱島に限らず、地方に生まれた人間はその選択を強いられる。育った環境が大きな起因になるだろうが、白綱島を捨てた人々に共通するのが、逃避した自分に対する負い目のような気がする。ただし、残った者にも優越感はない。その微妙な対比を存分に味わうことができる作者の筆力が素晴らしい。

    1
    投稿日: 2016.11.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一言で言ってしまえば、島が舞台の人間模様。瀬戸内海に浮かぶ小さな「白綱島」はどこか寂しい印象です。 「みかんの花」は25年ぶりに島に帰ってきた姉への葛藤が描かれている。島に残った自分と母は辛い思いをしながら暮らしてきたというのに、姉は都会で自由に生きてきた。だけど姉と母が決して語らないであろう事情を推測し、本当に犠牲になっていたのは誰だったのかを悟る主人公。姉のサバサバ感が物語を暗くし過ぎずにいるのがいい。 「海の星」では「おっさん」の不器用な優しさの理由が分かったところで切なくなる。海面の青い輝き、私も見てみたい。表紙の絵柄のような感じかしら。 「夢の国」はまさにDランドの事ですね。遠くの島に住んでいたら、それは特別な場所でしょうね。だけど夢の国は夢に見ているうちが1番いいのだと思います。それにしても支配しまくりのおばあちゃんがいる家で、主人公はよく頑張ってきました。私だったら絶対飛び出している。。 「雲の糸」「石の十字架」「光の航路」では虐めへの怒りが強く湧いてきます。子供は時に大人より残酷になる。大人になっても人の痛みを想像出来ない人もいる。雲の糸、石の十字架、光の航路はどれも、登場人物たちの弱った心を救ってくれた。 この本、選考委員全会一致で日本推理作家協会賞受賞したそうです。心の深い部分に落ちてくるような小説でした。

    2
    投稿日: 2016.11.28
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    白綱島という瀬戸内海の架空の島を舞台とした短編集。結構苦くて、少し切なくて、それでも心温まる作品ばかり。個人的なお気に入りは『石の十字架』。

    1
    投稿日: 2016.11.12
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    短編 「海の星」「みかんの花」など 一つの家族の思いが読み進むにつれてはかなくも悲しい結末だけど余韻を残す物語に六つの話を一気に読めました 湊かなえの作品を読んだのが「告白」 衝撃的な内容だったので嫌いでしたがこの望郷を読み他の作品も読んでみたくなった

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    投稿日: 2016.11.06
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    白綱島という島を舞台にした短編集。 読後感が必ずしも良くないのは、自分の故郷への思いと重なるところがあるからか。 切なく、悲しく、故郷が懐かしくなるような作品。

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    投稿日: 2016.10.29
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    湊かなえさん、こんなのも書くのですね。イヤミスではないです。親子や兄弟、家族の思いがよくわかります。小さな集落のしがらみの中で懸命に生きていこうとする人々の様子を、静かに見守る目線で描かれていると感じました。 ドラマも良かったけれど、原作もよい。

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    投稿日: 2016.10.22
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    湊かなえさんの作品初めて読みました。 なるべく映像化されてないものを読みたかったんだけど これってドラマ化されてたんですね。 今知りました。 湊かなえという名前はよく見るので、どんな作品を書かれているのか、一度読んでみたいと思ってました。 そして、のこ望郷 6作品の短編だったんですけど 3作品読むまで、またしてもこれが短編集だと気が付きませんでした… なぜなら、短編といっても 舞台がすべて同じだったからです。 こんな書き方もあるんですね! しかもミステリー小説ということですけど 怖いミステリーじゃなくて、なんていうか、そっちだったのか! 的な感じのミステリーというべきか… 全作品引き込まれましたが、とくにお気に入りは 海の星と、光の航路の2作品かな。 さすが、次々映像化される作家さんですね 納得です。 違う作品も読んでみたくなりましたよ~

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    投稿日: 2016.10.08
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    苦しく地味で周りから見たら格別幸せとは全然見えない人生、生活の中で、唯一無二のキラリと光る小さな希望や救い。そんなものを感じることのできる作品。

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    投稿日: 2016.10.04
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    このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。 とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。

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    投稿日: 2016.10.02
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    とある島で起こるそれぞれのストーリー 短編集です 短編集が苦手な私ですが、読み応えがありました。

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    投稿日: 2016.09.24
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    瀬戸内海の小さな島を舞台として、そこに生きる人たちの鬱屈とした気持ちや、外への憧れが描かれている。なんだか読んでいて苦しい感じ。個人的には、文体でも惹かれるところはなく、まあまあでした。

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    投稿日: 2016.09.16
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    短編集。それぞれ別々の話だが、瀬戸内海の同じ島を舞台にしており、タイトルの望郷という主題が共通している。この手の話を昔の自分は理解できなかったが、海外生活をしてみて人にはそれぞれ故郷と複雑な関係というものが存在することが何となく実感できた気がする。どの話もミステリー仕立てだが、サクッと読めた。

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    投稿日: 2016.09.09
  • 異色のミステリーオムニバス作品

     全6作を収めた短編集なのだが、全てのお話が『白網島』に絡んだオムニバス形式となっている。また『白網島』という名の島は実在しないが、作者である湊かなえの故郷である『因島』がモデルだと言う。  その因島は、かつては船で本土に行くしかなかった。だが1983年に向島とを結ぶ因島大橋が開通し、実質尾道まで地続きとなったのである。これにより孤島というイメージは消失する訳であるが、本作はまだその因島大橋が架かる前に、島に来る人、島から去る人、島に戻る人、ずっと島に留まっている人たちの悲哀を綴った短編集に仕上がっている。  とりあえずそれぞれの作品を簡単に紹介してみよう。 1.みかんの花 主人公の姉は、島を出て作家になり、なぜか25年ぶりに白網島に帰ってくる。まさにこの姉こそ、湊かなえの分身なのではないだろうか。終盤になって25年間島に戻らなかった秘密が解明されるとき、急にミステリアスな展開に変貌する。 2.海の星  日本推理作家協会賞を受賞した名品で、海の星とは夜光虫のことであろう。少年の頃に知り合った親切なおっさんの真意とは、いったい何だったのだろうか。 3.夢の国  幼いころから夢にまで見た東京ドリームランド(モデルはたぶん東京ディズニーランド)。大人になってやっとその夢が叶い、これまでの白網島での生活を回想するお話。 4.雲の糸  芥川龍之介の児童向け短編小説『蜘蛛の糸』を捩ったようなタイトルである。白網島出身の歌手が島に住んでいた頃のいじめっ子に無理やり招待され、島の中での生々しい心理状態を赤裸々に描いてゆく。本短編集の中では一番ミステリーらしい作品である。 5.石の十字架  白網島に猛台風が襲いかかり、家の中まで水が浸水してくる。だが玄関のドアが開かない。そんな窮状の中で子供の頃の苦い思い出を回想してゆくお話である。 6.光の航路  教師である主人公は、教え子のいじめに遭遇して苦悩する。こんなときやはり教師だった父親が生きていたら、どういう行動をとっていたのだろうか。良く判らない父だったが、ある日父の教え子だった男が訪ねてくる。  以上ざっと6作の一口レビューを記したが、本作はミステリーとしてはある意味異質の作品かもしれない。それはここに掲載されている作品のほとんどが、前半は普通の小説なのだが、終盤近くになると、実はこんな謎があったのだと驚かされる展開だからである。したがってミステリーが苦手の人でも楽しめる作品と言っても良いかもしれない。

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    投稿日: 2016.09.08
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    ミステリー要素がありつつ、ほとんどの話が読んで感動するものばかりだった。 特に「雲の糸」には涙がこみ上げそうにになるくらい。 噂が広まりやすい島特有の空気感や人間関係がどの話にも表れていた。

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    投稿日: 2016.08.28
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    岡山県南育ちの私、所詮「本土」側の人間だわ〜と実感。 湊かなえって、作りは面白いけど世界観みたいなのがないので、長編を読むと少し物足りないといつも思う。こういうサイズだと、小ワザの巧みさだけチョイチョイ堪能できて、ちょうどお手頃。

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    投稿日: 2016.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    相変わらずこの作家は上手いなぁと思う。 小さな島で、そこから出られない人、出たいのに出ていかない人、出ていったけど戻る人、出ていったまま戻れない人。 島だからということに限らないんだろうけれど、島だからより浮き彫りになるのか。 ジーンと来るなかにも人の嫌な部分が見え隠れして、人ってそうだよね。きれいごとだけでは生きていけないって、それでもみんな強く生きていく姿を描いている。

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    投稿日: 2016.07.30
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    著者の出身である因島をイメージした作品なんだろうな。 今までの作品の中にも、きっと自身のことや経験を投影したんだろうなと思う作品があって、これもその1つ。 短編集になっていて、湊かなえ=イヤミスって思っている人の印象が少し変わるかな?と思う、それぞれのお話に救いがあり、読了後の後味がそこまで悪いものではない。 なんとなく、表紙にそれが表れているのかな?って感じながら本を閉じた。

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    投稿日: 2016.07.29
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    瀬戸内海に浮かぶ小さな島繋がりの六編からなる短編集。冒頭の『みかんの花』が、湊かなえさんらしさがいちばん発揮されている作品かな。

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    投稿日: 2016.07.09
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    ああなんと。人ってなんて「都合のいい」生き物なんだろうかと読みながら悲しい気持ちになった。真に「自分自身」を見てくれる人などいるのだろうかという、主人公の心の叫びが聞こえてくるようだった。それほどにリアリティを伴った作品だった。 重くて逃げ出してしまいたくなるような悪意ばかりで。そもそも、自分とはなんなのだろう。地位や名声、学歴や容姿そして仮面のようにつけたそのペルソナ。それらをすべて取り外して、果たしてそれこそが自身の真の姿なのだろうか。それとも後付けの要素ぜんぶひっくるめて自分は構成されているのだろうか。ああわからない、まったくもって不明瞭、それでも不思議と向き合わなくちゃという前向きな気持ちになれたのは、 湊かなえさんの描写の賜物というべきか。

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    投稿日: 2016.07.04
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    湊かなえさんと言えば「告白」のような鮮烈なインパクトがありますが、 この作品ではどれもミステリー感が無く日常生活が淡々と描かれていて そして突然気配もなくミステリーに陥るという狐につままれた感覚になり いつもとは違った部分を味わえました。 「海の星」は日本推理作家協会受賞作ということもあり、 これは大どんでん返しでした。 ラストの終わり方は二通りに取れたので良い余韻でした。 果たして本当はどちらなのでしょうか? 「光の航路」はこの本の中では異種タイプのもので、 ミステリーとは程遠く読み込ませるもので新たな湊さんを見れた作品でした。 島に生まれて育った人ならではの視点で書かれていますが、 島だけでなく、少し田舎で育った人ならばこの人達と同じように 狭い世間での世間体、噂、昔からのしがらみなどが色濃くあり、 それによって良い面もあれば、悪い面があります。 悪い面からは先祖代々から鬱積したものが積もり積もってしまい お互いを傷つけてしまうという悪循環が生まれてしまう。 そんな一見して穏やかな島暮らしも裏を見れば、 もしかしたら都会よりも殺伐とした世界があるのかもしれないというのが窺われました。 どの作品も穏やかな瀬戸の海と島の美しさなどに思いを馳せて、 ラストには光の指す方へ未来があることを願って希望ある終わり方ですっきりとします。 時にはミステリーらしくない推理小説を読むのも良いかと思える作品でした。

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    投稿日: 2016.06.21
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    お母さんから借りた 湊かなえは精神的にどんよりしそうという勝手なイメージで今まで読んでなかったけど、かなり面白かった 短編集だけどどれも良かった 切ないのが多いけど

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    投稿日: 2016.06.01
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    島で生まれ育った人々が語る6篇のエピソード。限られた生活圏における閉塞的な人間関係は深い親密さと共に、時として強い嫌悪感をもたらす。そんな状況にあって心の闇から起こるそれぞれの事件は暗く重たいものだが、著者には珍しくどこか希望の光をのぞかせる結末が救われる。

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    投稿日: 2016.05.30
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    面白すぎて短編なのがもったいなくて物足りなく感じてしまう短編集。  これ長編で読みたいなぁって思うものばっかり。  やっぱいじめってクソだわ。

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    投稿日: 2016.05.21
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    ミステリーなのか、故郷を思うが故の田舎の裏話なのか、確かに殺人もあるし、ミステリーって言えばミステリー、いやこれはやっぱりミステリーやな。 架空の島『白綱島』、筆者の故郷である因島がモデルとのこと。この島を舞台にした6つのミステリー。 後味の悪さは最高。個人的にこうモヤモヤした感で終わる小説が好きで好きで、あゝ。 個人的には日本推理作家協会賞を取った『海の星』より1発目の『みかんの花』がぐっと来た。ここで惹かれた! なんかしっくりしないがそれがいい、みんな血が出てみんないい、いや血が飛び散る場面はございません。

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    投稿日: 2016.05.19
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    ある島を舞台にした短編集です。島という密室性、閉塞感がストーリーをミステリアスにかつ濃くしています。ミステリー要素が強い作品が自分の好みのため、最初の2作品はぐーっと引き込まれました。島社会へ窮屈さと島を故郷として忘れられない場としてとらえるアンビバレントな感情を受け止めつつ、ストーリーを楽しめました。

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    投稿日: 2016.05.16
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    タイトルとおり故郷に思いを馳せるストーリーだった。私も田舎まちから都内で学生をして、就職して、そのあと実家に帰って来たくち。都内よりも田舎は人口が少なくて人との関わりが少人数。だからこそ、表面はそこそこ薄めに付き合って、内面は結構ドロドロな日常が普通な感じがする。それがよく表れているような作品だなぁと思う。

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    投稿日: 2016.05.14
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    ある島を舞台にした短編集なのですが、島民独特の人のつながりやしがらみや世間体などの醜さが剥き出しになっており、リアル感があって良かったですね。

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    投稿日: 2016.05.08
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    一見ミステリーとは思えないミステリーの短編集 因島出身の作者が島を舞台に書いた話し 好きな話しは無関係に歌が好きだと書かれている雲の糸と人は誰でも誰かに望まれて生まれてくるという光の航路

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    投稿日: 2016.05.05
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    思わぬところで自分の弱いところに触れられた気分。あらゆる家族のカタチ、ルール。他所は他所はなんていって冷めた気持ちでいては到底のめり込めない。 解説にもあった「可能であるのに、何かに阻まれてできない」。中の人にしか体験できない苦しみが、何かと何かが繋がることが光りの道とは限らないと教えてくれた。

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    投稿日: 2016.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。島を舞台にした短編集。田舎の島独特の閉塞感、そこから脱出し、外の世界に逃げ出したいとあがく切迫感、故郷に対する嫌悪感、それでも故郷を捨てきることのできない複雑な気持ちが「望郷」というタイトルに集約されている。確かに共感するのに、共感することが後ろめたいような気にさせられる、甘くない作品だ。

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    投稿日: 2016.04.05
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    短編だけど、伏線をしっかり回収してくれて小気味良い。 田舎や島の独特な侘しさが詰まっていて切なくなる。

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    投稿日: 2016.04.04
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    白綱島という1つの小さな島にまつわる話。 短編集の集まり。 最後はそれぞれの主人公たちが出会うのかと期待したけど、読み切りで終わった。 ただ、すごく面白かった。 湊かなえさん、気になっていた。 ドラマでNのためにを見て、世界観に惹かれて、湊かなえさんの作品、全て読んでみたくなった。 これはその初めの一冊。 期待以上に面白かった。 ミステリー小説だけど、あまり、ミステリーっぽく無くて、読みやすかった。 どの話も、最後に、謎が解けて、そうだったのか!と驚いた。 飽きずに楽しんで、ハラハラしながら夢中で読んだ。 最後はどの話も、ホロっと涙が出るような、感動的な話だった。 ミステリーなのに感動的。 不思議な感覚だけど面白い。 早速次の作品を買った。また読むの楽しみ!

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    投稿日: 2016.03.23
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    ある島を中心としてさまざまな環境を生きる人々を描いた作品。土地を愛するもの 憎むもの それぞれの生き方がある

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    投稿日: 2016.03.18
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    良かった。泣ける話もある。短編だが一つ一つの完成度が高くよくできている。今まの作品と違い後味のよいストーリーもある。

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    投稿日: 2016.03.14
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    筆者の生まれ故郷である瀬戸内海に浮かぶ小さな島が舞台。美しき海にかけられた本土とを繋ぐ白い吊り橋をモチーフに、島に生まれ育った人々の屈折した人生を鮮やかに切り取った短編ミステリー作品。特に行方不明になった父親の帰りを健気に待つ母と幼き息子二人の前に現れた親切なオジサンとの関係を描いた"海の星"。オジサンが二人にあんなに親身にしてくれた真実とは。。特徴は愛赦憎闘など女性の複雑な心模様を鮮やかなストーリーに仕立て、きめ細やかに描いた事。そして、読者の固定観念を周到に利用し、物語全体に謎を絶妙に溶け込ませた事かな。読み易い文体にてスイスイ読めます。が、大事な伏線を読み飛ばさぬようジックリ読むのがオススメ。因みに日本推理作家協会賞受賞作、名作ですよ。

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    投稿日: 2016.03.12
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    故郷だなんて呼べる場所がある人ばかりでないけれど、 人生を回顧する場所は欲しいなと思った。 私は大衆主義に批判的なので理解ができないが イジメを根絶することはなぜできないのか、 どれだけ小さな社会でも 人が人に無関心になれない限り生じるそのくだらない負のスパイラルをどうして無くせずにいるのか、首を傾げて本を閉じた。

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    投稿日: 2016.03.07
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    2016,3,5読了 一つ一つの物語の中に島暮らしの閉塞感が詰まっていて、登場人物の心情を疑似体験すると息苦しい。 だけど主人公たちが抱える閉塞感の正体は、実は視点の狭さだけなのかもしれないとも思う。自分で自分をがんじがらめにしている様な人とは関わりたくないけど、そういう嫌いなタイプの人間が沢山出て来る作品。

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    投稿日: 2016.03.05
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    ミステリーなのかな? 海の星は面白くて、短編なのに頭に残る作品だった。1話目はミステリーらしくて、最後にドキっとした。歌手になった話も結構好きだった。

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    投稿日: 2016.03.04
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    作者の出身地とおぼしき白綱島を舞台にした連作集。 ミステリー大賞を受賞した作品だが、それほどミステリー色は濃くなく、普通の小説としても読める。 ただ、作品はいまだに因習にとらわれている住人(あるいはわざわざ自分で因習にいる囚われ行く人)を主人公としており、あまり後味がいい作品ではない。 私は、この舞台となった島に行ったこともあるが、ちょっと営業妨害かもしれない(笑)

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    投稿日: 2016.03.01
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    文庫の裏のあらすじも読まず作者買いしてしまった。 またやってしまった・・・。 短編集は苦手なのに、これまた短編集だった。 これは島に住む人のあらゆる気持ちを書いたミステリ作品。 短編集が苦手な私にも十分楽しめる作品だったが、 もう少しその後とかが気になったものが何作か・・・。

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    投稿日: 2016.02.27
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    白綱島を舞台に島に残った人、去った人、戻った人たちの短編ミステリー集。 一つ一つの話は完結し、話の持っていき方はすごいと思うが、最後に全てが合わさるのかなと期待してた分、ちょっと落胆。 次は、短編集としてじっくり読んでみたい。

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    投稿日: 2016.02.24
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    久しぶりにミステリーを読みたくなり、湊かなえさんの本に手をつけました。 最後の方まで長編ミステリーと信じて読み進めていたので最後に話がまとまらず、あれ、短編か。と気付いた始末だったのですが、一つ一つの話は心をゆさぶられ、ミステリーですが涙がたまった場面も多くありました。 もう一度読んでみようと思います。

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    投稿日: 2016.02.21
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    白綱島という架空の島を舞台にした、連作短編集。 島のモデルは著者の故郷の島だとか。 湊かなえらしい、人間の心理の奥底を穿り出す、ミステリータッチの6作品。著者の作品は、しばしばイヤミスの類型に括られがちだが、それぞれにに救いがあり、けっして後味は悪くない。

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    投稿日: 2016.02.15
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    短編集はあまり好きではなかったが、一つ一つの話が濃く(そして重く)、次々とページが進んだ。 白綱島を舞台に、島を出て行った人、残っている人、戻ってきた人、新たに来た人、と様々な人の視点からいくつもの物語が紡がれている。

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    投稿日: 2016.02.14
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    湊かなえならではのイヤな文章もあるけど、これは読後感はそこまで悪くなかった。 でもいつもの読後感の悪さを求めると、全然満足できない。

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    投稿日: 2016.02.11
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    凄かった。 短編ひとつひとつが重たい。なのにどんどんページを捲らせる。暗めで気が滅入るのに読んでしまうし、最後に少し光(救い)をくれるので嫌な印象が残らない。 どの主人公も瀬戸内海にある白綱島の関係者で、島に寄せる思いは愛着であったり、憎しみであったり。 そこで織りなす人間関係がその場所の記憶となっている。 読んで受けた印象は正直、湊さんはご出身でもあるモデルの島があまり好きではないのかな、と複雑な気持ち。 物語自体は驚く展開もあり、伏線もあり、心理描写も巧みでとても面白かったです。

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    投稿日: 2016.02.06
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    島を舞台にした短編集。 そこまでイヤな感じはしないけど、恐らく島というか、狭い世界特有の人間関係に読み手も引き込まれる。

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    投稿日: 2016.02.05
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    瀬戸内海にある白綱島を舞台に、島に残った人、島を出て行った人、島にやってきた人などそれぞれの思いが交錯する、ミステリー要素のある短編集。 あらためて、湊かなえさんは人間の心の奥に積もっている澱のようなものを描くのが本当に上手いと思う。上手すぎて、例えば島の閉塞感であったり、卑屈ともいえる鬱屈した感情がじわじわとせまってくるので、後味はあまりよくない。すばらしい筆致だと思うし、湊さんの読後感の良い他の作品よりもお話としての完成度も高いと思うので、これこそが「イヤミス」本領発揮なのかと。 自分が閉鎖的な土地で暮らしたことがないので、どのくらいのリアリティがあるのかはわからないけれど、もしも本当にこんなに閉鎖的な場所があるとするならば、暮らしていくのはかなりしんどいだろうな。でも、「海の星」「石の十字架」などは、人のつながりや静かな情を感じられて、ほっと気持ちが和む。

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    投稿日: 2016.02.03
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    故郷とは、必ずしも自分にとって心地よい、良い場所ではない。 白綱島を舞台に、島を出ていった人、残った人、戻ってきた人、新しく移住してきた人、様々な人が島に対して思いを背負って生きていることが描かれている短編小説。 どの短編も構成、心情描写等レベルが高く、最後の数ページでの謎が明かされる所は、えっ…という感じで驚かされた。小説として高い次元にあるものだと感じた。 その中でも一番深く考えされられたのは、『雲の糸』という短編だ。母が父の暴力に耐えかね殺してしまい、主人公は島で高校卒業までずっといじめを受ける。その後東京に出て、歌手として大成功し、島の人達から掌を返すように島へ戻ってきてイベント参加を求められる。母と姉を島に残している主人公は、彼女達を人質に取られているように感じ、あるいは母の夫殺しの経歴をばらされる雰囲気もあり、渋々行くことになる。島へ戻ってきて、主人公が感じるもの。夫殺しの母の本当の思い。自分の心の中に刻まれた話だった。 湊みゆきさんの作品はミステリー要素が強いのかな?と思ってあまり手をつけなかっただが、(推理小説あんまり好きじゃない)この『望郷』を読んで、他の作品も読んでみようと興味がでてきた。

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    投稿日: 2016.02.03
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    2016 2/1 読了 1つの島を舞台にした、短編集。 1つ1つが短いのでとても読みやすい。 そして、良い意味でも悪い意味でも島への『望郷』の想いが伝わる。 読み終わって、あ~なるほど!と思う所も有り、面白かった! 何度も読みたい!と思うタイプのストーリーでは無いが、スラスラ読めるので楽しい。

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    投稿日: 2016.02.01