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きみの分解パラドックス
きみの分解パラドックス
井上悠宇、456/KADOKAWA
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総合評価

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    ミステリ。学園。 個人的な印象は、《涼宮ハルヒ》シリーズの舞台設定で、ファンタジー・SF要素を抜いて、ミステリに振った感じ。 破天荒なヒロインのインパクトが強い。ノートの内容、可愛かったです。 ミスリードを誘うような、思わせぶりな描写がいくつか見られたが、あまり好みではないです。それをやるなら、直後に種明かしをせず、しっかり伏線を張って、物語の終盤で驚かせてください。

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    投稿日: 2021.07.10
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    ライト文芸らしく、モノをバラバラにすることに異常な執着を見せるヒロイン・天使玲夏のキャラクターは抜群に立っており、そんな彼女を抑制しつつ、時に後始末に奔走する主人公との関係性も危うい均衡を保っていて非常に良い。物事をバラバラにする彼女の対比として、主人公の謎を解く行為をバラバラになったものを再度組み立てる=真実を再構築するという見立ても中々のもの。文章は読みやすいながらもいささか淡々とし過ぎているきらいがあり、悪く言えば起伏がない。ただ、異常な彼女の観察日記という体でも読めるため、読み飽きることはなく、普通の人間の視点であるためリーダビリティは高い。しかし個人的には「クビキリサイクル」のいーちゃんのような「壊れた」部分が主人公にも欲しかった気がする。オブザーバー=観察者型の主人公は食傷気味。真相はやや意外で、ミスリードは成功はしているものの、主人公の真実の再構築という設定はいまいち生かされず、凡庸な結末に収まってしまったのは残念。あれなら真っ当に終わらせずに、歪んだ結末でも良かった。ヒロインの現場荒らしに対して何もお咎めなしなのも疑問。真相そのもののは面白く、とある動機のためにサイコパスを偽装しようとした一般人が、本物のサイコによって暴かれていくという構図は魅力的だったのだが……。

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    投稿日: 2019.05.29