
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
201601/これはすごいな…。例えどうであれいじめの理由にはならないと思ってはいても。被害者(という表現も微妙だが)とされる側の言動が明らかになるにつれ、「それなら仕方ないかも…ましてや中学生だし…」と思わせられてしまうんだけど、そう思わされてしまい自己嫌悪するとこまで含めて、作者が想定したと思える作品。名倉少年の「兄弟」設定のくだりはなくてもいいように思うけど、周囲の人々の狡さ等の描写もさすが奥田英朗。
1投稿日: 2016.01.17
powered by ブクログそれにしても奥田さんの本は、どうしていつも一気読みになってしまうのか。 ここ最近本より夢中になってたモンハンを放り出しての読書でした。 あらすじだけ読むと、「ソロモンの偽証」に似た感じ?と思いましたが、似てるのはストーリー的には「中学生男子が転落死」、だけでした。 いろんな人の視点で話が進んでいきます。 加害者の母親二人と被害者の母親、この三人の視点も出てきますが、加害者側と被害者側、どちらの心情もよくわかる。 私が同じ立場だったら同じように思い、同じように行動するんじゃないかと思います。 特に名倉くんの母親の気持ちは辛かった。 加害者側は、子供が逮捕されようが相談所に送られようが、生きてるし、これからもまだまだ未来がある。 でも被害者側は、二度と会えないし、未来がそこで閉ざされてしまったんだもん、被害者側の要求はもっともだと、私は思ってしまいます。 そしてまた、私にも中学生だった過去があるので、中学生たちの感情もわかる。 文中に「中学生の三年間は、人生で一番のサバイバル期」というセリフが出てきますが、まさにその通りだと思う。 あの頃は、「人と違う」「仲間がいない」「ノリが悪い」と思われるのが一番怖かった。 元来のお調子者なので、なんとか乗り切ってここまで生きてきましたが。 今中1の娘も、がんばってほしい。 朋美も思っていたけど男子は暴力に直結するのが怖い。 女子も、まさにサバイバルだけどね。 いじめは、「いじめられる方にも原因がある」とかよく言われますが、確かにそうかもしれないけど、それでもいじめちゃダメだと思う。 ……って、大人になると当たり前のようにわかるんだけど、子供にはなかなかわからないんだろう。 ましてや、「存在がミステリー」な名倉くんみたいな子がそばにいたら。 いじめに加担しないと、自分に矛先が向くこともおおいにあるわけで。 名倉も名倉だよなあ、と思っちゃうけど、でもでもそれでもダメなんだ。 まあ、大人になってもそれがわからない人がいるから、職場とかママ友同士でもでもいじめが起こるんだからなあ。 最後に余計なことだけど、この中学に一つだけ言いたい。 「イチョウの木、切るか、他の場所に移しましょ!」
1投稿日: 2016.01.17
powered by ブクログ結構なボリュームだったけど面白く、一気読み。色々な視点で描かれる事件。考えさせられる問題作。少年たちの思考・価値観、確かにそうかもと何度も肯く場面があった。 あらすじ(背表紙より) 北関東のある町で、中学二年生の名倉祐一が転落死した。事故か、自殺か、それとも…?やがて祐一が同級生からいじめを受けていたことが明らかになり、家族、学校、警察を巻き込んださざ波が町を包む…。地方都市の精神風土に迫る衝撃の問題作。
2投稿日: 2016.01.13
