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総合評価

59件)
3.6
9
18
23
5
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    血の繋がらない弟周也のせいで、どんどん悪い方へと転がり落ちていく芳子。 読めば読むほど気分が落ちていくのに、気になって手を止められず一気に読み終えた。 本のタイトルから最後は姉弟で心中するのかとビクビクしながら読み進めていた。だけど、最後の殺人を犯した周也に着いて行く芳子をみて、タイトルの心中とは、『死』ではなく、『地獄の果まで共にする』という意味だと気付いた。 メリバであり、ある意味、死よりも重いラストだった。 芳子から周也へは無償の愛でさらに最愛の人。周也にとっても芳子は大事だけど、最愛の相手とは別物。二人の関係は姉弟より、親子に近いような気がした。 面白かったのに、星3の評価なのはあまりにも後味が悪いから。だけど、唯川恵さんの文章が好きで物語にも惹き込まれたので、他の本も読んでみたいと思った。

    13
    投稿日: 2026.04.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    帯より「セックスしなくても一緒にいたい。それは幸せか、絶望か」……女性の心を描き続けてきた名手が今だからこそ描けた究極の恋愛小説。 究極の恋愛小説ナノカ⁉ 読み終わったとき、母性愛だといえば言えるし異性愛には違いない不思議な物語はなぜ書かれたのか考えてみたがよくわからなかった。 養護施設に弟分になる周也がきたとき芳子は孤独感と分かれることが出来た。周也を可愛がり、施設を出てからも一緒に住み、姉弟として、頼りない無責任な周也をかばい続ける。女が出来ると女のところに行かせ、短期間しか続かないで止めてしまう仕事も容認して、男としての責任を全うさせることを教えない。 そのうち周也にも心から好きな女が出来て、五島列島に行ってしまう。そこで地道に暮らしはじめた。暫くして妻のカオルが外から来た男の羽振りのよさに、一緒に島を出てしまった。 芳子は一人になってから養護施設を手伝い始めたが、施設が廃止されて、また元の独り暮らしに戻ったとき、芳子を訪ねてふらりと周也が現れる。カオルが殺されていた。 周也は復讐したが、芳子は出所を待ち一緒に暮らせるものと思っていた。周也はカオルを弔いに五島列島に行くと言う。快く承知してみたが、ついに芳子は周也を追って駅に走る。 帯も解説も特に惹かれるものではなかった、時間を割いて読んでみたのは、二冊目だけれど、唯川さんの小説を解りたいと思った。だが残念ながら、帯に対しては、そういうことも多々あるでしょう、恋愛は夫々違う形なのだと思い、えてして自分の信じているもの、本能的などうしようもない感情は、図る尺度がないのではないかということだけだった。 こういった甘えたもたれあいの生活がなんになろう、当人同士がそれでいいなら、とやかく言う筋ではないのではないか。最後がハッピーエンドでほっとしたといいたいが、この話に明るい未来はない、どこに堕ちていっても、どんな過酷な運命であっても自分たちが引き寄せたものに従って生きていくしかない。 形は変わってもありきたりの人生の一端にしか過ぎないと思われた。これで一旦唯川さんを読み終える。

    4
    投稿日: 2026.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    裏面あらすじに『恋愛小説』とあったことで身構えていたけれど、 たぶんこれを本当にそう期待して読んだ人にとっては 「何これ」となるような気がする。 何て感想を述べれば良いのかと思っていたところ、 フリーライターの瀧晴巳という人の解説にて 「彼女(芳子)は、堕ちてゆく幸福を生きている」 という言葉があり、それだな と思った。 この本を読んで たぶん 簡単な言葉で端的に感想を言おうと思うと "共依存" というような言葉が出てくるような気がする。 私としては、その言葉ではなんというか、味気ないというか 足りない気がする。 そんな 整理された単語では 芳子や 周也との関係性は 見えてこないような気がする。 堕ちてゆく幸福… 幸福を避ける という意味ではなく 不幸に堕ちていく という意味でもなく 堕ちていくことが幸福 ということでもない。 ただ 享受していく。 起きること/起きたこと すべてに対して 「仕方がない」と片付ける。 「だって」も「でも」も言わない。 何だか徹底した怠惰だなと思う。 自分の気持ちを鈍麻させるための怠惰。 そこに至れれば楽なのだろうけれど 簡単なようで この境地は難しい。 人は お金がほしい。 好きなものを買い、美味しいものを食べ、着たいものを着て…そうやって お金を持った裕福な暮らしがしたい。 「仕事したくない」とは言いつつも 仕事で得る成果報酬や社会性は 人を充実させる。 お金がないことを 好きなことができないことを 人は そう簡単には受け入れたりできないんじゃないか、と思う。 お金がないこと自体を認識はしていたとして、 だからといって 自分の人生を諦めてるかというと そういうことにはならない。 「ただ享受する」 って 自分を諦めているというか…生き生きしていない というか。 そう考えてみると確かに、芳子は 生き生き なんて言葉からは かなり遠いところに居た気がする。 "楽"と"生きる"って もしかして対局にある言葉なんだろうか。

    2
    投稿日: 2025.10.01
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    施設育ちの芳子と周也は血のつながりはないけれど実の姉弟のように生きてきた。幸せになりかけてもいつも何かに邪魔されてしまう二人。小説全体にずっと雨が降り続いているかのようなノワール感が漂う。芳子の周也に対する母性愛の深さがすごい。

    1
    投稿日: 2025.05.17
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    施設で姉弟のように育って来た芳子と周也 周也は芳子に甘えてばかり生きて来た。 男女の関係ではない、恋でもない、終わる事のない愛を求めて生きていく2人 これも愛の形なのだろうか?

    1
    投稿日: 2025.02.27
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    読み応えがあった。 考えることが色々ある話し。登場人物が次々出てきても、一人一人について納得して読めた。

    0
    投稿日: 2024.12.19
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    周也だけがたったひとつ、私のもの――施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように生きてきた。仕事が続かぬ周也を常に優しく受け入れる芳子。芳子にはわかっていた。周也を甘やかし、他人から受け入れられないことを受け入れられないほど駄目にしてきたのは自分だということを。そして周也がある罪を犯したとき、芳子は二人でもう戻れない選択をする――幸福に向かっているのか。絶望に向かっているのか。直木賞作家の意欲作!

    2
    投稿日: 2024.08.26
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    恋をすることには終わりがあるが、愛することには終わりがない。だから芳子は、血の繋がらない周也を生涯、弟して愛していた。

    1
    投稿日: 2024.07.28
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    そっちへ行ったらいけない、って、そっちに行ったら不幸になるから、って、傍目から見てると思うし、自分もそう思っているんだろうけど、でもその選択をしてしまう。何が自分にとって幸せか、芳子は知ってるんだから、芳子こそ幸せな人なのかな、とか思ってみたり。

    0
    投稿日: 2024.07.12
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    え、これ恋愛小説なの…? ひたすら歪んでるとしか。美しさは一欠片もないむしろ鬱くしい。畳み掛ける絶望そして絶望。 登場人物も漏れ無く闇抱えててほとんど救いがない。でも不思議と手が止まらずイッキ読み。

    8
    投稿日: 2024.05.08
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    カオルのような欲深い人は、今回でいう周也との五島での生活のようなのんびりした人生を過ごしていたら、最終的に幸せになれるのだろうかと考えた。 良くも悪くも、人間関係で人生が左右されてしまうストーリーだった。 ★印象に残ったフレーズ 「信じる、は、信じたい、と同義語だ。」

    7
    投稿日: 2024.02.27
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    2人の主人公はまっすぐ過ぎる心を持っているが故に、不器用にしか生きられない。その生き方は時に悲しく見えるけれど、人を思いやる2人の優しさを感じられます。雨心中というタイトルにもあるように、物語は薄暗く悲しい雰囲気にありますが、強い絆持った2人はハッキリとした色を持って生きていました。 唯川恵さんの作品は初めて読みました。唯川さんは優しさと思いやりをまっすぐに言葉に表していたので、その節々でとても心にグッときました。読み進めていく中で、2人の主人公の思いやりを自分にもお裾分けしてもらえるような気分でした。他の本も読んでみようと思います。

    6
    投稿日: 2023.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    唯川恵、すごい… 恋愛の話のイメージが強かったけど、どんなジャンルの話もすごく上手。 共依存の関係。虐待を受けて育った周也をどこまでも受け入れる、姉代わりの芳子。 同じ施設で育った2人は普通の兄弟以上に支え合って暮らしている。 周也の純粋さと短絡さがゆえどんどん道を踏み外していく… 相手のことを大切に思うからこそ、ダメなものはダメと伝えてあげないといけない。 芳子が周也のトラブルに巻き込まれているように見えるけど、元をただせば周也のことをだめにしたのは芳子なんだろうな。 ハッピーエンドになるとは思わなかったけど、どこまでも堕ちていっていて悲しい…

    0
    投稿日: 2023.06.08
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    おもしろかった。 みんなが自分の中になるものに沈んでいく。 そんなつもりはないと叫びながら足踏みをしながら泥の中に落ちていくような感覚。 あとがきが瀧晴巳さん 初めてあとがきの人の名前をちゃんとみたし この人は誰だろうと思った 自分の心の中を引き摺り出されるようなあとがき 浮かれぬように 浮足立たぬように 私のお守り(戒め)にしたい本

    0
    投稿日: 2023.04.02
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    「この人には私がいないと生きていけない」は「私にはこの人がいないと生きていけない」と同じ意味だとよくわかる物語でした。 誰かのために料理をする、誰かのために洗濯する、誰かの帰りを待つことの幸せを知ってしまった人はその沼から抜け出せなさそうです。

    3
    投稿日: 2023.01.28
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    切なく苦しい施設育ちの子どもたちの卒業後のお話。リアルでダークで、救いがない。面白く読めたが爽快感はない。

    0
    投稿日: 2022.12.22
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    「もう何も返せない、説得すればする程強く反発するだろう。だったら自分にできる事は何なのか考えなくても既に分かっている。受け入れる事だ」

    0
    投稿日: 2022.08.09
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    施設育ちで姉弟のように育った芳子と周也の家族愛なのか執着なのか依存なのか…となるような物語。 社会で生きずらい弱者であり、利用されやすいというのもあるんだろうけど、自分自身の生活が安定するよりも周也に執着して落ちていく芳子になんでそこまで…と思ってしまった。周也1人しか見えていない感が私の感覚にはなくて危うい人という印象を受けた

    0
    投稿日: 2022.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    印象に残ったのは2つ ①芳子の愛 芳子の周也への愛は姉として生きることで注ぎ続けられる愛に置き換えている感じがした。 キリスト教的な無償の愛に無理やり置き換えることで 自らの欲望による愛を錯覚させてる感。。 カオルの出現で見え隠れしていたけど。 自分の欲望による愛を相手に見せなければ一生姉という立場で愛することができる選択は何となく分からなくもない。でももどかしい。 ②音江の葛藤 20年?近くシスターとして仕えてきた音江でさえ、人間的感情の自分と神様に仕えるシスターとしての自分との間で葛藤している。 時に自分の感情を押し隠すのは神という万物を超越した存在を信じ、従うことで報われたいといった思考からくるものなのか、 重田から見れば自分では何にも考えられない、意志のない人間に見えるし、 神様は人間の罪を受け入れ、罰を与えないのに妹を殺された重田は犯人に罰を与えない神を許せないだとか考えるのも仕方ない。 現世で報われたいと思うかあの世で報われたいと思うかの宗教観の違いはもちろんあるが、 音江が反論できなかったのも所詮は人間で自分の意志を優先してしまう人間っぽさが残ってていい。 芳子は姉、音江はシスターでかけてるのか。 なんとも居た堪れない作品だった。 幸福になってくれ。。

    1
    投稿日: 2022.03.03
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    こういう女性を「堕ちていく」と表現するのかなと思いました。 血の繋がりなどなくても姉弟の絆があるのは理解できる。 弟だから可愛いのも理解できる。 ただ、彼女の愛し方は正しかったのかと疑問に思ってしまう。 真っ直ぐに一生懸命に不器用に生きる姉弟に、なんとか幸せになってほしいと思い、幸せってなんだろうとも思う。 二人が願う幸せの形は同じだったのかな。 掴みかけてはすり抜けていくようで、掴もうとしていないようで。 なぜ幸せより奈落を選んでしまうんだろう。

    2
    投稿日: 2021.12.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ◾︎いい意味で唯川さんらしくないと感じた小説。 ◾︎色々な登場人物の視点で描かれていた話が繋がってひとつにまとまるのは流石だったが、どの人物も過去が暗く、重い気持ちになる。 ◾︎周也を弟以上の気持ちで愛し続ける芳子と、芳子姉としてしか見ていない周也の描かれ方が悲しかった。刑務所から出てくる日を待ちわびていたのに、釈放されてすぐ多崎に復讐してしまうラスト…… 報われないなあ。 ◾︎あまりすっきりはしない作品

    0
    投稿日: 2021.11.14
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     性の現実。普段、私たちが目にしながら、得体の知れないものとして扱っている、この代え難い性。そこに、信じられないくらい深くまでメスをいれて開いたような作品だった。  きっと、男女ともに、自分で思っているよりも、自分の性と上手く付き合えてはいない。そう思う。どちらかといえばもてましているのではないか。  性は人生を左右する。あまりに身近にありながら、物心ついてからあまりにも当たり前のように自分の一部でありながら、性は自分を支配している存在と言えるかもしれない。  登場人物、特に女性(本作は女性にこそ響くのではないか)が性に翻弄され、思いもよらぬ場所に流され運ばれていく様が、圧倒的な筆力で描かれていく。  主に三人の女性が本作では描かれるが、修道女の音江は、性から隔絶された宗教に生きる女性であり、むろん、性交渉の経験がない。  しかし、若い男性と日常的に接する中で、意図せずも身体は反応してしまう。信仰によって性を切り離そうとするが、性は自分の影のようなもので、全力で振り切れば振り切ろうとするほど、激しく追いすがってくる。  一方、小さな頃から、母親の情人に性暴力を受けて、14歳にして家出をし、16歳までヘルスで働いていたカオルは、一度は愛する人を見つけ、平穏な日々を送ることに成功する。  しかし、またすぐに、性の道に誘われ、自らの意思で、吐き捨てられ消費されるだけの性の対象を選ぶ。  象徴的なシーンは、ヘルスで働きながらも、見知らぬ相手と交わることを畏怖し、しかし、実際に性交渉となると、没我的に快楽を貪る。性交渉事態は手段で、其先に待ち受ける性の満足こそ、彼女の欲するところなのだろう  また、五島で旅館の手伝いをしながら牧歌的に暮らしている最中で、同い年の女の子が持っているブランドバッグが目に取まる。性を商品とする性社会を求めて彷徨うトリガーを果たしたブランド物のバッグだが、このアイテムが果たす役目は大きい。  ブランド=印である。印を得ようとする人の求めているもの、無意識化でも、その求めるところは“所属”ではないか。気になる一つに、YOKOHAMAバッグがある。某(元)男子高校の公式バッグだが、他校の無関係な学生にも人気となっている。かれら彼女は、それがの間一部地域の若者の中で、ある限定的な意味を持つことで、それを有している自分も限定されているように感じているのでないか。  話がそれたが、カオルは、そのブランドバッグそのものが欲しかったわけでも、お金が欲しかったわけでもない。「必要とされる」その延長線上に若さと若さによって保証された性を求めていたのだと思う。  性は、まるで人に寄生し、人と共に成長し続ける、寄生生物のようだ。  主人公の芳子は本作にて「愛を欲する女性の偶像」としての指名を帯びている。 『芳子の汗や涙や唾液にまみれ、布地はごわごわにかり、それがかつて愛らしい熊のぬいぐるみだったとはとてもおもえないようなら代物に成り果てていたが、芳子にとってはたったひとつの自分だけの持ち物だった。』  施設で育った子供には、自分が好き勝手出来る「持ち物」がない。全て「与えられる」のであって、持ってきた物だけが、自分の物なのだ。この感覚は、なかなか知り得ない感覚だろう。物心ついた時から、所有している子供もいるくらいだ。芳子にとっての熊のぬいぐるみは、あるいは、親であったり、家であったり、変わらずそこにあるもの。心安らぐモノだろう。  『周也は悪くない。周也の優しさも気弱さも、ひたむきさも短慮さも、無垢も無知も、五歳の頃のままだ。出会った時から、周也が愛しくてたまらなかった。今まで、周也が何をやっても、どんな失敗をしても、芳子は受け入れることだけに心を砕き、決して突き放しはしなかった。それが自分にできる唯一の愛情の証だと思っていたからだ。そうして周也は受け入れられることしか知らない男になった。自分が受け入れられないことを受け入れられない人間になった。周也を甘やかし、駄目にしてきたのは自分だ。本当はそれを芳子はずっと前から知っていた。』  周也が心の穴を満たす。よりどころになり、生きる意味になる。歪んだ愛として片付けていいのか。すべてが欲しいという性の満足としてとらえればいいのか。  『でも周也は私のものだ。神様にだって渡しはしない。罰を与えるならそうすればいい。決して誰にも渡さない』  周也の周りを衛星のようにつかず離れず回る芳子。見えない磁場で引き寄せられているかのようにだ。このような発言をするのは、「失いたくない。失うくらいなら」と自ら入れ込んでいたホストを刺す女性か。「メンヘラ」と揶揄される「重い」女性か。「何があろうと愛しぬく覚悟」を決めた女性か。「男に依存している女性か」捉え方は、読む人で千差万別だろう。自分にとっての「愛」とはを考えさせられる。  芳子は周也と性関係を持たない。そんな雰囲気にすらならない。姉弟。愛欲は様々な形を持って表現されるけど、芳子にとって、それは周也の人生の一部であり続けること。そこから逸脱しないことで、二人は関係を続けて行った。  低所得、孤児、虐待、性暴力、育児放棄、マルチ商法、風俗、未成年の性接待、デリヘル、ホテトル、裏ビデオ、マルチ商法、闇金、取り立て、新興宗教、自己啓発セミナー、麻薬栽培、不法入国、外国人の不正労働、治験バイト、外国人研修制度、介護、認知症。  本作は人々が「裏」と呼ぶ、社会の日常を織り込んでいる。しかし、「裏」とは言い得て妙で、表裏一体。切り離せない。上に羅列した現実の一つにでも直面せず生きている人などいるのだろうか。ましてや「性」は自分の一部分である。いや、アイデンティティーと言っても差し支えない。  さらに本作は「川崎」「錦糸町」「中華街」と首都圏の大都市の陰にピッタリと寄り添うようにして存在する、繫華街を舞台にしている。  『こういった街に共通する、酒と煙草と欲望と吐瀉物が入り混じった匂い。それに海と工場の煙の匂いがわずかに混ざり、獣じみた体臭を放っている。』  身近な人も、そうでない人もいよう。しかし、そこにも他のどんな町とも同じように生活がある。  そこに生きる人にとっては、本作はまだ易しいファンタジーなのかもしれない。  しかし『女は身体の奥に持つ襞と同じほどに、不条理を抱えている』と、鋭く描かれた女性性は、他のどの作者からも感じたことのない、深い洞察を感じた。 (読了日)2021/10/06 (記入日)2021/10/13

    0
    投稿日: 2021.10.13
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    第一章~第八章、そして最終章に至るまでに所々に隠された伏線がラストに至るまでに綺麗に繋がって作者の力量が感じられます。 芳子と周也は当然ですがその他の登場人物カオル、ハオ 本当に憎くなる多崎、堂島の人物描写は見事でかなり感情移入して読めました。 悲しいラストですが、その後の芳子と周也が幸せになってくれたらと心から願わずにはいられない切ない作品でした。 唯川さんの新しい引き出しを見た様な気がして満足な1冊です。

    1
    投稿日: 2021.01.24
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    女の愛の業の深さ。主人公はただ愛することで、薫もただ生きているだけで複数の男性の運命を転がしていく。読み終えた後、しばらく余韻に浸れるずっしりとした作品。

    1
    投稿日: 2021.01.13
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    周也のような純粋だけど生い立ちと性格のせいで社会に馴染めない人間って、苦しみにながら生きていくしかないように思える。 そして周也のような人間に関わってしまった女性は、自分の人生を犠牲にしてしまう… なんとも救いようのない話で、ラストはこうなるしかないよな、と悲しいながらも納得してしまった。 不幸に巻き込まれた、癖はありつつも善人の脇役が一番かわいそうな気も…特にハオさん。

    1
    投稿日: 2020.07.27
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    私は結局、誰しも自分が一番かわいくて、大切だと思っている… ここまで人のことを想える、堕ちることができる人がいるの…?と思ったけれど、芳子は周也を通して自分を保ち、愛していたのかもしれないなぁ。自分のものが、欲しかったのか…。

    1
    投稿日: 2020.07.09
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    凄く入りやすい本でした。 内容は、リアルなところがあり、うーんという感じてす。重いの一言かな。 人生は、人それぞれの価値観ですね。 それが人間なのかな?

    1
    投稿日: 2020.06.20
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    共依存のダメ兄弟。 ダメンズ製造機の姉と人に騙されやすく仕事も続かない弟。 相性よすぎ。 どちらもクズofクズでイラッとした。 犯罪者を庇うし、姉は愛よりも自分がかわいそうでつなぎ止めときたいだけでは。 くまのぬいぐるみじゃなくて、人間だからね。 こんなのが愛なわけがない。 周りを不幸にするので二人で誰とも関わらず生きていくべき。 あと、逃げる場所近すぎで、やっぱり兄弟揃ってアホなんだなと思った。

    3
    投稿日: 2020.05.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女性心理の描写がリアルで共感でき 吸い込まれる様にサクサク読み進めてしまう唯川恵さんの作品。 今回も続きが気になって仕方なくなる展開でした。 幸せになって欲しい反面、どこまで堕ちる2人の逃避行という名の“心中”の結末は━━。 作品に度々表現されている、 雨のシーンや八重山吹のかくれんぼ など2人の幼い頃からの強い絆を印象付けます。 芳子の周也に対する慈悲深い愛情は まさに2人の育った教会を象徴する様な関係です。 決して、求めず全てを受け入れる。 いつか深い関係になるのではないかと期待しながら読み進めますが決して男女の関係にはならない。 芳子は何故、そこまで尽くす事ができるのか━。 男女の関係ではないからこそ、永遠に離れる事がないからこそ、敢えてその関係のままでいたい。 芳子の切ない欲求なのかもしれません。 そんな芳子にはハオと幸せになる道もみてみたかったですが、ここは唯川さん。 やっぱり、そうなってしまうのね( > < ) と思いつつ怖いもの見たさでページが進む、進む。 芳子と周也に次々と降りかかる試練と次々と現れる2人を取り巻く人たちとのストーリーを 章のタイトルの意味に想像を巡らせながら章を読み終えた時のスッキリ感を味わう楽しみもありました。

    2
    投稿日: 2020.05.24
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    女としては、共感しなくもないけど、やりすぎ。でもこの狂ってる感じがまた苦しくて、もどかしくて、上手くいかなさが、癖になる。

    1
    投稿日: 2020.01.10
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    恋愛小説とあるけど、恋愛なのかどうかは最後まで私には分からなかった。愛はあるけど、恋ではないと思う。 よくここまでというぐらいの不運な運命。幸せになる資格は誰にでもあるはずなのに、そのチャンスを自ら棒に振ってしまうなんてって言うのは簡単だけど、当事者は違うのだろうか。 人の弱さが伝わりすぎて少し読むのがしんどくなった作品。もう少しポジティブさが欲しい。

    1
    投稿日: 2019.10.14
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    なんだかわかる気がする。気がするだけかもしれないけど お母さんの愛にも似てる気がする。究極の愛でいて、依存であって。自由に動きようにも動けてない孤独になれない周。 スッと入ってくる文章。本の道が開かれた。

    2
    投稿日: 2018.09.01
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    有村架純ちゃんがおすすめしていたので、読んでみました。貧困層の生活、人生。私は同情できない部分が多く、感動できませんでした。

    1
    投稿日: 2018.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やっと手に入れて読んだ本。 ストーリー自体はひきこまれ一気に読んだが、 なんで血も繋がっていない弟に 人生を振り回されているのか、 わたしにはわからない。。。 女性の幸せとは何なのか。。。 幸せは本人が決めるものだけれど、 あなたの人生は、 これでいいの、、、?と思った。 でも血の繋がりよりも、 心の繋がりが強いのだろう。。。 なんか、すっきりしない、、、

    1
    投稿日: 2018.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    有村架純ちゃんが読んでて、こーゆー愛の形もあるんだ!っ言ってたから、もう一度読んでみた。感想は、1回目と変わらず陰の要素が強すぎる。ハオが1番気の毒

    1
    投稿日: 2018.06.03
  • 救いがなさ過ぎる

    一旦こういうところに落ち込んだら抜け出すのは難しいんだろうけど・・・,あまりに救いがなさすぎる・・。そして,そのときどきの選択にイライラする。

    0
    投稿日: 2017.05.21
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    ああ…辛い… 朝読み終えるにはあまりに辛かった 周也は仕事も続かずどうしようもないが、変な正義感のようなものを持っていて、酷いやつが許せない 彼は姉の芳子がいなかったら、同じような道を進んだだろうか

    1
    投稿日: 2016.07.23
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    今まで読んだ唯川恵の作品の中でベスト3には入るくらい好き 恋愛至上主義のような小説よりも、こういうシリアスなものをもっと読みたい ダメダメな主人公をなぜか応援したくなる

    1
    投稿日: 2016.05.30
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    お願いだから幸せな最後にしてあげて、という望みも砕かれました。 不幸の続く二人に、幸せになって欲しい一心で読み進めながら、この読後感の悪さ。 一筋の光が欲しかったなぁ。

    1
    投稿日: 2016.03.10
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    施設育ちで実の姉弟のような関係の芳子と周也。 芳子のただならない深い愛情が怖くて、一向に成熟しない弟の幼さと無防備さに哀しくなりながら、最後まで惹付けられた。 相手を認め、与えるだけの愛情と言いながら、そうすることが相手を縛っている。愛情が絡む共依存がいきすぎると怖い。

    1
    投稿日: 2015.08.24
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    ダメ男をとことん受け入れて愛する女性。 芳子なりの愛の形であって、本人は幸せなんだろうけど…。 人並みの幸せを手に入れられる寸前でダメになってしまい、もうバカだなーと何回思ったことやら。 いつもと違って映画仕立てな展開だった。

    3
    投稿日: 2015.08.23
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    何処へ行ってもこのきょうだいは平穏な幸せとは無縁で、数奇な運命を辿ってゆくのだなと思うと、複雑な気持ちになった。 キリストの画、大切にしていたぬいぐるみが無くなってしまったときのこと、雨に濡れる八重山吹など、回想シーンや情景描写がとてもきれい。そしてふとした瞬間に滲む怖さや狂気さえも素敵だと感じた。 個人的に、主人公二人に関わってしまった人たちが一番不幸かもしれない……と思いつつ、表紙を眺めながら「雨心中」という言葉にじんわりと込み上げてくる深く暗い余韻を噛み締めている。

    3
    投稿日: 2015.04.05
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    施設で実の姉弟のように育った 芳子と周也。 芳子がなぜ 何度も何度もすべてを捨て 奈落に堕ちても 周也と共に生きていくのか… 次々と移り住み 周りの環境も変わり 今度こそ!という 期待もあり 読みごたえたっぷりで おもしろかったです。 タイトルの「雨心中」も 納得。

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    投稿日: 2014.11.19
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    切ない。ただただ切ない。 唯川恵っぽくない話。 芳子にとって”弟”として周也を見ることで、その思いや関係が永遠に続く。 でも、周也は別の女と恋に落ち芳子を置いていく。 困ったときにだけ芳子にすがる。すがられた芳子は、必要とされていると感じてしまう、、、。 共依存、なんでしょうね。 だめな男で、どうしようもないのに、必要とされていることで満たされる芳子が切ない。 思っても、想っても、尽くしても、一番には、なれない。 幸せって何なんでしょう。 ただ、無条件に相手を受け入れて愛するという気持ちは、見ていて辛い反面、羨ましくもある。

    3
    投稿日: 2014.09.28
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    2014.8.13読破 唯川恵さんが好きだからあえて言います。 …長い(^^;) 芳子と周也の絆の強さはわかったんだけど、話があっちこっちいくわりにその話の繋がりもイマイチで中途半端だったというか… まあ二人が中途半端で逃げ出すからそうなっちゃうのかな… 私の好きな誉田哲也さんの作品の描き方に似てたけど、二番煎じっぽく感じてしまいました。 でも普段の唯川恵さんの作品とは全然毛色が違ったので新鮮ではありました!

    2
    投稿日: 2014.08.13
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    読後、見事なタイトルだなあと思いました。これは全く心中の本でした。芳子のそれが愛情と呼べるのかはわかりません。ただ、彼女の心理には共感出来るところが多々ありました。これが深い愛だとは思いませんが、女性なら彼女に共感できる方も多いのではないでしょうか。これは切っても切り離せないものではありますが、愛と幸せについて、暗く暗く掘り下げた作品だと感じました。

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    投稿日: 2014.06.23
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    ただただ残念な2人。 幸せになって欲しかった。 シスター音江の「幸せでいてくれますように、健康でいてくれますように、神の祝福がありますように。音江はひたすら祈りを捧げる。」には泣けた。

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    投稿日: 2014.03.25
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    やっぱりこうなっちゃうのか…という想いが最後に残った。でもなぜか納得してしまうその人間性が魅力だったのかな~と。

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    投稿日: 2014.03.17
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    愛するとは? 幸せとは? 執着としか呼べないような芳子の周也への思い。 それは愛なのだろうか。 丸ごと否定することはできないが、自分はその感情の渦に巻きこまれたくはない。 そして、今ある幸せを大切にしたい、そう思わされた。

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    投稿日: 2014.02.16
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    らしくない一冊だと思う。設定にここまでこだわったのって珍しいよね?でもただのファンタジーやなくて現実感あってよかった。

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    投稿日: 2014.02.02
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    この作家の作品としては異色で悪意に満ちた怖い小説だと思う。主人公は施設で育ち、実の姉弟のように生きてきた男女。思慮の浅い男に様々な不幸が降りかかり、堕ちていく生活を繰り返すが、女の方は一緒に堕ちていくことを選択し、それを幸福と感じている。恋愛小説と呼べるかわからないが、先の展開が気になってしまう。いろいろな社会の暗部も描かれており、著者の懐の深さを感じた。

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    投稿日: 2014.01.24
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    んー、この2人はこれからも同じ事を繰り返しそしてずっと日陰を生きていくんだろう。 女と男という立場では得られない物を、血は繋がっていないながらも姉と弟という立場で得ている。そしてそれに溺れる。 人から祝福される幸せばかりではない。2人が幸せと感じるのならそれでいいんじゃないか‥

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    投稿日: 2013.12.22
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    施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように生きてきた。芳子にとって、周也はこの世で唯一「私のもの」といえる存在だ。周也は仕事が続かないが、芳子は優しく受け入れる。周也を甘やかし、駄目にしてきたのは自分だと芳子はわかっていた。そう、周也が「罪」を犯した時でさえー。 唯川恵の作品。この人の作品の特徴として、女の怖さが描かれている。芳子にとって、幸せとは何なんだろうか。周也の為なら他人との繋がりを切り捨てられる。そんな芳子は、「自分が周也を甘やかして駄目にした」という罪の意識から一緒にいるというよりも、「自分のもの」という執着心から周也に拘っていると感じた。芳子は怖いというより強い女だと思った。

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    投稿日: 2013.10.06
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    正直、どっちにもイライラする(苦笑)。 でも、わからなくもないっていう気持ちもある。 頼りにされたら、甘えられたら、求められたら・・・ 応えてあげたくなる。 ワタシがいなくちゃって気になる。 母性?愛情?共依存?? 何て表現するのがピタリとくるのか、 語彙が少ないのでわからないけど、 こうやってダメンズを作っていく女は、 世の中に結構いると思う。

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    投稿日: 2013.09.08
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    私の恋愛なんて普通だったんだ。 愛する人を幸せにすることが、自分の使命である。恋愛とはそんな感情を誰もが持っていると思います。 いけないことだと分かっていても、愛する人の為なら悪であろうと構わない。その人が幸せになるのならば他がどうなってもいい。 愛する者同士は美しいものでもありますが、裏を返せば狂気染みていて、他者を寄せ付けることを一切許さない。そんな恐ろしいものでもあります。 唯川さんはそんな優しさに包まれた恋愛の皮を一枚一枚剥ぎ取って、恋愛に隠れた本性を見せつけてくれました。

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    投稿日: 2013.09.06
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    いつもの唯川恵を想像して読んだら全然違った!!怖いけど、ここまでできるこの思いがすごい。本当の家族だって、ここまで思えるのか?

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    投稿日: 2013.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芳子の立場に立つと苦しくなる。 --- 施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように生きてきたあ、芳子にとって、周也はこの世で唯一「私のもの」といえる存在だ。周也は仕事が続かないが、芳子は優しく受け入れる。周也を甘やかし、駄目にしてきたのは自分だと芳子はわかっていた。そう、周也が「罪」を犯した時でさえ--。直木賞作家による究極の恋愛小説。

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    投稿日: 2013.08.10
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    姉弟として生きる男女の話。 雨も山吹もあんまり意味なかったな。 暗くて重い。そして報われない。 結局幸せなんてその人の感じ方次第なんだろな。 他人にどう思われようと。

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    投稿日: 2013.08.03
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    これは恋愛小説というよりホラーと言った方がしっくりくる。(冒頭しかよんでないけれど)解説の言葉はまさに的を得てると思います。今まで読んだ唯川先生の作品の中で一番怖いですね。

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    投稿日: 2013.07.23