
総合評価
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powered by ブクログみっちり。 すんごいみっちりした本だった。情報量が多いので、かみ砕くのに時間がかかって、読み始めてからかなり時間がかかった。ブルーバックスは割と読みやすいラインナップが多い中、これはかなり手応えのある本だと思う。 しかしながら、読むのが難しい本ではない。文章は丁寧だし、軽快なコラムが差し込まれていて、著者のコーヒーへの愛がものすごく伝わる良書だ。植物学から疫学まで網羅されていて、教養を学ぶ楽しさを教えてくれる。 同じ著者の『珈琲の世界史』を先に読んだのだが、発行日はこちらの方が先なので、読む順番としてはこちらの方を先に読んだ方が良かったかもしれない。 発行日は2016年2月、発行から10年近く経過しているので、新たなコーヒーに関する科学的知見が増えているのではないかと期待している。増補版が出たら嬉しい一冊だ。
13投稿日: 2025.11.23
powered by ブクログコーヒーとは? についていろんな角度から書かれていた。 コーヒーノキからコーヒー豆について、 コーヒーの歴史、コーヒーの成分、 焙煎、抽出、健康との関係について、 ブルーバックスとして適量の説明で 解説されていた。 この本を読んで、今までよりコーヒーについて ちょっと詳しく知ることができ、 より楽しむことができそうです。
0投稿日: 2025.11.15
powered by ブクログコーヒーと健康の関係に興味があり、きっとそこを詳しく解説している本だろうと思い、読み始めましたが全く違いました。いい意味で裏切られた感じです笑 豆の種類やコーヒーの歴史など、科学とは結びつかないような内容を、科学者からの視点で書かれていて面白かったです。 私もコーヒーは1日1〜4杯ほど飲みますが、特にこだわって飲んでいるわけでもなく、ずっと気に入ったものを飲んでいるだけで知識も全くなかったので、いろいろなことを知れて面白かったです。ただ、とにかく内容が科学的。文系人間の私はしばしば、??となりながら読んでいました笑。終始、著者のコーヒーへの愛と探究心が感じられる本です。初心者の私から見たらかなりマニアックな内容でしたが、面白かったです。
0投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログコーヒーがどのように生産されたり精製されるかや、コーヒーの木の発見や輸出などを含めたコーヒーの歴史、人間の味覚や嗅覚に対してどのような成分がどのような影響を与えているのか、健康へのプラスだったりマイナスだったりの影響など、珍しい様々な角度からコーヒーについてまとめられた本。 難しい話もあるが面白かった。 単に美味しいコーヒーが飲めれば良いという以上を求めるコーヒー好きにとって、コーヒーを趣味と言うのであれば知っておきたい知識。
0投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログ最近は休日の朝、喫茶店でモーニングをいただきながら読書をするのが至福の時間です。そんな中で、ふと手元のコーヒーにもっと興味が湧いてきました。「どうすれば自分好みのコーヒーに出会えるのだろう?」そんな疑問を抱えながら手に取ったのが、**旦部幸博(たんべ ゆきひろ)氏の『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』**でした。 難解だけど面白い!コーヒーを科学する一冊 本書は、コーヒー豆の種類から抽出方法まで、「コーヒーの美味しさ」を科学的な視点から深掘りしていく一冊です。コーヒー初心者である私には、専門的な内容で理解が難しいと感じる部分も正直ありました。しかし、理系の人間としては、そのデータに基づいた詳細な解説や分析が非常に面白く、知的好奇心をくすぐられました。まさに「理系コーヒー好き」にはたまらない、深く刺さる内容だと感じました。 好みの一杯を見つけるヒントは「焙煎度」にあり! 本書を読んで最も印象に残ったのは、**「自分好みのコーヒー探しは焙煎度から」**という一文でした。コーヒー豆の品種ももちろん重要ですが、香味が決定される上で焙煎度が与える影響はそれ以上に大きいとのこと。この事実を知ってから、喫茶店でメニューを見るたびに、これまでは気にしなかった「焙煎度」に注目するようになりました。これからは、より意識して自分好みの焙煎度を探していきたいと思います。 コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ 『コーヒーの科学』は、普段何気なく飲んでいるコーヒーが、実はどれほど奥深く、科学的に解明されていくものなのかを教えてくれる一冊です。特に、**「コーヒーの美味しさの秘密を深く掘り下げたい」「データや根拠に基づいてコーヒーを理解したい」**という方には、ぜひ手に取っていただきたい書籍です。 この本を読めば、きっとあなたのコーヒーブレイクは、これまで以上に豊かな時間になるはずですよ。
0投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ自分はコーヒーを飲むことが習慣となっているが、毎日飲むとなるとそれなりにこだわりも持つようになる。本書は、そのような趣味に片足を入れ始めた方から、焙煎や抽出の化学的、物理的な理論、コーヒーノキの植物生理学(?)など、幅広い疑問に応えてくれる一冊となっている。 また、幅広い分野をカバーしているが、それぞれのトピックは適度に短く分けられているため、専門性が高い話題であってもなんとか興味を保って読みきることができるようになっており、これは本書の特色の一つと言ってよいだろう。 本書でも歴史や地理的背景にも簡単に触れられているが、別に、コーヒーの世界史という著作もあり、文化的、歴史的な側面を深く学びたいのであれば、そちらの一読をすすめる。そういった意味では、本書は記載のバランスがよく、万人受けする内容なので、迷った際は、本書「コーヒーの科学」から御一読されるのがよいだろう。
12投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログ多くの人が親しむコーヒー。かの詩人ボードレールは一日に10杯、文豪バルザックは50杯以上飲んだと言われます。 本書は、コーヒーを趣味にしようと決めたその日からみるみるのめり込んでいった科学者(著者)が、様々な角度からコーヒーを解説しています。 その様々な角度とは、コーヒーがコーヒーノキで種となり僕らが飲むまでの間の過程を切り分けての解説が主です。コーヒーノキとはどんな植物なのかということ、主流のアラビカ種は香りも味も豊かで人気ですがロブスタ種という種も病気への耐性が強いことと安価なことで栽培され続けてそれらのブレンドとして出回っている豆や粉のこと、栽培と飲み始めの歴史についてのこと、これには独占作物だったものが盗み出されて世界中に広まるきっかけとなったことも紹介されていました。たとえばサラブレッド三大始祖の一頭もそうでしたが、盗みなどの無法行為がそのスタート地点にあって今日の繁栄をみているという例はひとつの社会的パターンとしてあるのかもしれません。果実からどういうふうに豆を取り出すか、その精製方法の種類についてのこと、焙煎や抽出の方法についてのこと、コーヒーのコク・苦味・酸味などのおいしさについてのこと、香りや味わいの成分についてのこと、コーヒを飲むことでの健康面に関することなどがそれら様々な角度でした。 コーヒーの成分として有名なのはカフェインでしょう。飲み過ぎると中毒症状があると言われますが、アルコールの比ではなく軽微です。それでも、飲むのをやめたときの離脱症状には、不機嫌、イライラ、不安感などの精神症状が列記されている。これらもアルコールの比ではなく軽微ですが、となるとアルコールのほうでこれらの精神症状はふつうにあるということだと裏を返せば読み取れます。社会全般に蔓延する不安感のその小さいかもしれないですが一因として、アルコールの離脱症状があるのかもしれないなあ、なんて思い浮かびました。とはいえ、飲まなきゃやってられないよ、という気持ちがあるのはまあそうなんだろうなあと思いはするのですけど(僕は下戸です)。 また、1806年にナポレオンが大陸封鎖令をだしたときにヨーロッパ全土がコーヒー不足におちいったそうで、そのときに代用コーヒーなどが生まれたとあります。数年前にも、KIRINからだったか、大麦の麦茶を濃く焙煎したか抽出したかでコーヒーのような麦茶が販売されていたことがあります。僕は好きな味でしたけれども、もう売っていません。夏場にカフェインをとりたくないのでノンカフェインのコーヒー風飲料はおもしろかったのですけど、はやらなかったです。その起源がおそらくこの時期の代用コーヒーにあるのでしょう。そして、ナポレオン失脚後の1819年にドイツのフリードリープ・ルンゲという化学者が、文豪ゲーテが秘蔵していたモカの豆から覚醒作用の本体の単離に成功するのですが、それがカフェインの発見として科学史に刻まれているとあります。 僕はだいたい一日に2杯飲みます。たいていは家にストックしてある一杯ずつドリップできるコーヒーを飲んでいて、たまに粉を買ってきます。これも、一杯ずつドリップできるフィルターをストックしてあるので、それを使ってマグカップに落とすんです。午前中に飲みますが、頭がスキっとする感じがあります。そんな普段使いのコーヒーというものが、趣味として奥深いほどの膨大な情報量を持っている。同じ豆でも焙煎のやり方ひとつで味わいも香りも違ってくるし、同じ焙煎豆でも抽出方法やそのときの温度・湿度やお湯のタイミングなどによって変わってくる。だいたい同じ味だとしても、こだわる人が言えば一回性の飲みものなんですね。 本書は先述のとおり、多岐にわたってコーヒーについてのあれこれを知ることができますし、なにより語り口が信頼できる科学者的な感じなので素直にそして知的に楽しめる読書になることうけあいでした。おもしろかったです。
18投稿日: 2025.05.14
powered by ブクログコーヒーは苦いのに美味しく感じる理由、独特の香りを構成する諸成分、焙煎による数多の化学反応、抽出時間が味に変化を与える理由など、コーヒーの魅力や複雑な工程には科学的な理由があることを学べる一冊。 健康への影響は、現在も様々な研究が続けられている。適量には個人差があるが全体的には健康に良いようなので、これを免罪符として今後も飲み続けていきたい。
7投稿日: 2025.03.26
powered by ブクログコーヒー文化論のうち、植物学的・化学的見地からまとまった日本語の入門書はこれになる。コーヒーを楽しむ目的にとってはややオーバースペックのきらいもあるが、この手堅い本一冊あれば買って読む必要のない本は多いはず(2016年刊行から科学的知識が大きく様変わりしていない限り)。その上で、いまどきのコーヒーを淹れたり飲んだりする文化論は別の知識になってくる。
2投稿日: 2024.12.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作物ひとつとってもこれだけの情報があることにびっくり、どんな作物にもこれだけの物語、研究があるのだろうか。それともコーヒーだから?嗜好品に歴史あり、と言ったところか。 ティピカ種のイレギュラーさとか盗み出しの歴史(特に花束に混ぜたり)、おいしい耐病種の成り立ちなどが漫画の設定のようで面白かった。 自分は主に市販のパックのコーヒーをドリップすることしかないが、それでもフィルターの中で何が起こっているのかを知ることができて最近コーヒーを淹れるのが楽しい。お湯の流速が大事。泡を消さないよう注意。もっとも、自分はホットコーヒーは飲めないのだが。
2投稿日: 2024.11.13コーヒーを科学する
コーヒーを単なる嗜好 味覚 官能評価の観点ではなく、まずは客観的な化学の視点から分析する というアプローチに惹かれた。美味しいコーヒーを淹れるためにはこのようにすれば良い と言われてきているが、その理由を科学的化学的に立証しているところが素晴らしい。生物 農作物としてのコーヒーの木の話も大変に面白かった。
0投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログ目の前のコーヒーを美味しくしてくれる一冊!! コーヒーマイスターの資格を取るのに、読んでおいたほうが良い本…という事で手にとりました。美味しくコーヒーが飲めるようになるためのハウツー本かと思ったら…コーヒーノキの生物学的分類の話が始まってびっくり! …そういえばこの本、ブルーバックスじゃん… …と、最初は正直「しまった!」と思いましたが、出会えてよかった一冊です! 私たちが日常的に飲んでるコーヒーが普及するまでの歴史、一杯のコーヒーが出来上がるまでの化学変化、そしてヒトに与える疫学的な影響…今まで、漫然と飲んでいたコーヒーが奇跡の飲み物に思えてきました。 味覚研究の分野では「情報のおいしさ」という考え方があって、ブランドイメージや高級感も、れっきとした「おいしさ」の一要素なのだとか(P125)。 (ラーメン発見伝の芹沢さんの言には科学的根拠があったのか…@@!) だとすると、この本に書かれている情報は、まさに目の前のコーヒーを「おいしく」してくれる、コーヒー好きには必読の一冊です!
10投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本屋をぶらぶらしていたときに目に入って買った。ブルーバックスの本を読むのは初めてで知的好奇心を読書で満たす、一端の大人になったのだなと思う。それはともかく毎日コーヒーをドリップして飲んでいる立場からすると興味深い話の連続でますますコーヒーのことが好きになれた。 著者は大学の先生で微生物学、遺伝学を専門にしている方。科学的な視点からコーヒーを捉え直す一冊となっている。科学的というのは文字通りで、物理学、化学、生物学、さらには歴史学まであらゆる観点からコーヒーを考察している。大学の先生とはいえ、この知識の総動員っぷりは総合格闘技でいえば寝てよし、立ってよしのトータルファイターさながらである。私たち消費者がコーヒーを飲むまでの経路に合わせた構成になっている点が分かりやすくて良い。世の中には「どうやったら美味しいコーヒーを飲めるか」というハウツー本はたくさんあるが、コーヒーに関する知識を体系的に獲得する観点でいえば本著に勝るものはないだろう。そのくらい圧倒的な情報量であり、なかでも焙煎する前のコーヒー豆としての生物学的情報が充実している。のちに焙煎のチャプターで豆の形状の話が登場し知識の裏付けが実践に活きることの証左となっている。そこが単純な学術書とは異なっておりブルーバックスシリーズの醍醐味なのだろう。 日々のコーヒー生活への還元でいうと個人的に一番大きかったのは豆の選定時の情報量が増えたことだ。これまでは産地と焙煎でなんとなく買ってたけど、さらに豆の種類、精製方法が加わりさらにコーヒーを楽しめそう。また毎日ペーパードリップで抽出しているのだけども、それはカラムによる成分抽出と同等であるという論点は化学専攻の身としてグッとくるものがあった。一定の味にするためルーティン化しがちな作業だが今回知った理論を念頭におきつつ色んなスタイルを試してみたい。 コーヒーのおいしさを科学的なアプローチで解析していくあたりが個人的にはハイライトだった。コーヒーに含まれる物質解析から有機化学のアプローチで香りを含めて解析するアプローチは想像がついたものの、口の中でのコーヒーの液体としての物理化学的な動態、分子の挙動が味に対してインパクトを持っていることは目から鱗だった。その同じようなアプローチで焙煎、抽出も再考されておりハウツー本でバリスタなどが提案している手法の裏付けをガンガン取っていくところに知的好奇心が大きく満たされた。 コーヒーという飲み物の複雑さと人間の生物学的な複雑さがかけ合わさっいるので未解明なことはまだまだたくさんある。それは特に健康面での影響が顕著である。コーヒーは良い方向にも悪い方向にも喧伝されるが本著ではそこも慎重かつ冷静に科学的なアプローチで解説してくれており信頼できる。コーヒー道は奥が深いので、本著で得た知識を念頭におきつつ精進していきたい。
3投稿日: 2024.04.18
powered by ブクログ科学的思考に弱いので自分にとっては苦行なページも多かったが、全体としてコーヒーの科学的側面をまとめた本としては敷居が低いと思う。まだ分からないことも多いので、この本をもとに、研究と解釈が進んでさはにまとめ直した本が随時著されることを期待したい。
2投稿日: 2024.04.10
powered by ブクログ遺伝子学や微生物学の学者が趣味で突き詰め始めたコーヒーに関する本を書いた。コーヒーの品種からさまざまな淹れ方、コーヒーの科学的な効能など、コーヒーを題材に幅広く話題が展開する。 仕事柄コーヒーに関わることになったので知識を少しでも得ておこうと手に取った本。学者らしくかなり科学的な分析をしている項目もある。小難しい部分はさておき、コーヒー入門として参考になる。いろんな品種や抽出方法による味の違いの解説もあるが、これは自分で実際飲み比べするしかなさそうだ。 専門分野を趣味に生かして本を一冊書けるほど掘り下げられるというのは非常にうらやましい。
2投稿日: 2023.12.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
コーヒーに興味ある人は読んでも損はない 速読練習の一環で手に取りました。 308ページ中25分で100ページ程3分の1 文庫本はやはり分厚い。 さっと読んだので詳しい用語は中々覚えられなかったがコーヒーの流れや近年で大きく広まり嗜まれるようになったのを知れたので面白かった。 ざっくり印象に残ったこと ・収穫→焙煎→抽出があるが焙煎は生産地ではなく消費地で行う事。 ・コーヒー豆は植えても生えてこない。 ・昔は薬として愛用されており、 一部では覚醒作用のある神秘の飲み物として部族が飲んでいたなどの歴史がある。 ・1900年代から日本には大きく広まり 缶コーヒーを広めたのは日本。 UCCコーヒーが独自開発して自販機があるという日本独自の文化のおかげで広まった。 など簡単ではあるがたくさんのことを学べた。 前半にはコーヒーの歴史、後半には抽出の仕方や美味しさについて詳しく記載があるので好きな方にはおすすめです!
3投稿日: 2023.09.13
powered by ブクログタイトル通り本当に科学的な視点から分析したコーヒーの話。 「コーヒー好きだし読んでみるか」くらいの感覚で深く考えず読み始めたんだけど、別にコーヒーを飲む上で全く必要のない科学的な説明ばかりで「コーヒーは好きだけど別にそんな知識を知りたいわけじゃないんだよな」と気付いてしまってからは興味のない章は飛ばしてしまった。
1投稿日: 2023.09.03
powered by ブクログ第4章に入ったあたりで飽きてきたので一時離脱、また気が向いたら続きを読みたい (故、とりあえずそこまでの感想) コーヒーが収穫されてから飲料として提供されるまでの本当に基本的な工程さえ知らずに「まあ、普段から飲んでるしな」くらいの気持ちで読み始めた身としてはそもそもの「収穫→精製→焙煎→抽出」についての部分でさえ真新しいことを目にするかのような気分で読み進めることができた 実際上記にある読み始める前の私のような方々も多いだろうと思うので、その場合はぜひ読んでみてほしい きっと新たな視点が得られるだろう コーヒーの「科学」とタイトルにある通り、本当にあらゆる科学的視点からコーヒーについて論じているが、私自身は「おいしさの科学」のあたりで飽きてきてしまったので自分が興味を持てそうな分野から読む方がいいのかもしれない なんとか内容を覚えようとメモ等を取ったりしていたがおそらく数ヶ月後には忘れてしまっているだろう、なんとも嘆かわしい
1投稿日: 2023.01.28
powered by ブクログコーヒーの美味しい淹れ方を知りたくて手に取りました。淹れ方とそれに関連する科学的背景がわかっただけでも満足ですが、コーヒー豆の種類や歴史などの記載も結構厚めでそちらはそちらで楽しめました。デカフェのコーヒーってどうやってできているんだろうというのもずっと疑問に思っていたので、そこもスッキリポイントでした。
3投稿日: 2023.01.22
powered by ブクログ読むと何故か眠くなっちゃう不思議な本で読了に半年かかった…根っからの文系なので…科学的に丁寧にコーヒーを紹介してくれて、知らない淹れ方とかもあって気になります!筆者は本当にコーヒーが大好きなんだなと思います。 ただ、全体的に「諸説ある」「まだはっきりと分かっていない」という結論が多いので、何となくふにゃっとした読了感だけど、まだまだ謎が多いってことなんでしょうね… もっとコーヒーを味わいたくなる一冊でした。面白かった!
1投稿日: 2022.12.24
powered by ブクログコーヒーが好きでおいしいコーヒーを求めることを突き詰めすぎて、コーヒーで起きている科学的な現象を全部確認してしまいましたという感じの本です。 確かにコーヒー豆は生物で育成条件には地学的な条件が必要で、コーヒー豆に熱を加えて焙煎するところで化学的な変化が発生して、お湯に抽出する際には物理的な動きが絡んでくると……なるほど確かに理科の全分野を総動員しないと解明できないものだったのですね。 それでも最後は室温とかでもおいしさが変わるので、全部を理解しても必ずおいしいコーヒーが作れるというものでもないようで……。
2投稿日: 2022.10.17
powered by ブクログコーヒー大好き、科学も大好きという皆さん。唆るぜ、これは! とにかくコーヒーについて、多面的に科学のメスが入れられている。 個人的に特に印象に残ったのは(コーヒーに限定される話ではないが)「嗅盲」の話。 簡単に言えば、特定の匂い成分について、感じる人もいれば、感じない人もいるということ。36%の人が感じない匂いというのもあるし、他の匂いについても平均して1~3%は感じない人がいるというのだ(別途、調べたら、なんと半数の人が感じない匂いもあるらしい)。 たまに、「ある色を見たときに、他の人は自分と同じように感じているのだろうか?」なんていう疑問を持つ人がいるが、視覚はともかく、嗅覚に関しては、実際に「同じようには感じてはいない」ということになる。 味は匂いに多分に影響されているというし、こうした個々人の「匂いセンサー」違いが、味の好みに影響していることは間違いないだろう。
7投稿日: 2022.10.08
powered by ブクログhttps://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057398
0投稿日: 2022.09.05
powered by ブクログ理系の単語に慣れてない私にとってはしばしび理解に苦しむところがあったが、いままで飲むだけでしかなかったコーヒーがどのようなプロセスを通じてその段階に至っているかを理解できて面白かった。 おいしさはには情報も関与してあると書いてあったが、おそらく本当だろうなと思った。
1投稿日: 2022.05.10
powered by ブクログ珈琲について科学的に分析した本。 高校生程度の化学・生物に関する知識があれば、苦労なく読めるのではないか。 コーヒーノキに関する植物としての分析から、コーヒーのおいしさに関する豆の化学物質の分析までをわかりやすくおこなっている。 同じ筆者の著書である「珈琲の世界史」と合わせ読むことで、コーヒーに関する基礎的な知識を得ることができるだろう。
2投稿日: 2022.03.13
powered by ブクログ生粋の化学者の興味に従う内容。 余すところ無く、コーヒーに関するアレコレを記載。 ストーリー性は薄いため、読み続けるのに努力を要する。 辞典的に使うには良し。
3投稿日: 2022.03.03
powered by ブクログ農学部図書館のアルバイト学生の方に図書を推薦いただきました。今回のテーマは「食と科学」です。 ☆農学部図書館の所蔵はこちらです☆ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB20680678
0投稿日: 2022.01.18
powered by ブクログコーヒーを様々な角度から科学的に見るブルーバックスらしい本。 コーヒーを飲むとトイレに行きたくなるメカニズムがよく分かっていないというのは意外だった。
1投稿日: 2021.12.01
powered by ブクログとても面白かったです!ここまで科学するのかと思うぐらい筆者は分析しています。それに理系的な視点に加えて歴史的な面からもコーヒーが考えられていたのも良かったです。
1投稿日: 2021.11.08
powered by ブクログコーヒー豆から焙煎、抽出、飲んだ後の作用まで、コーヒーに関わるあらゆる工程を物理的・化学的に解説されていて、コーヒーの基礎知識がない私にとってはかなり難しい内容でした…。 ですが、大学で行った実験と絡んだ内容がちらほら紹介されていたので、「あの時の実験と同じ原理がコーヒー抽出に働いているのか!」と感動しました。 コーヒーマニアかつ科学オタクの方にとっては、かなり勉強になる、唆られる本だと思います。
1投稿日: 2021.10.23
powered by ブクログ科学的な側面から見たコーヒーのしくみについての本で,何かしら知識があればより一層楽しめる。 著者の専門はがんに関する遺伝子学および微生物学であり,それを含めて,本書で発揮される知識の幅は非常に多岐にわたるものである。 その中でもいくつか変わったキーワードを挙げておく: 遺伝子解析,抽出技術,味覚に関する成分,ガラス転移現象,化学反応,抽出曲線,クロマトグラフィー,起泡分離,コーヒーリング現象,エビデンス,アデノシン受容体
1投稿日: 2021.09.27
powered by ブクログ医学・生化学の専門家が、趣味でコーヒーを調べ尽くした素晴らしい総説。植物としてのコーヒーノキの分類や歴史、風味成分の知見、コーヒー特有の焙煎や抽出、健康との関係など、考えられるテーマを丁寧に網羅する内容は圧巻。そしてすべての論が客観的で誠実な科学的態度で貫かれている。科学的思考に触れる意味でも良書。
2投稿日: 2021.06.19
powered by ブクログ自分にとって、コーヒーってなんだろう? この本を読めば、いつもの一杯のおいしさが変わり、コーヒーに関する接し方も変わる。 コーヒーを科学的に知ることで、うまみの理由や、おいしく飲むコツ、ぼやっとしてた健康への影響などについて、具体的に理解することができる。 毎日、生涯 飲み続けるだろうコーヒー。 その正体と魅力に踏み込むと、人生がもっと豊かになる。 コーヒーとは? まさに筆者が主張する、 「クオリティ・オブ・ライフ」の向上!
1投稿日: 2021.04.17
powered by ブクログ科学の視点から語る珈琲のあれこれ。久しぶりに知的好奇心を強く刺激してもらった。面白い。 細菌学などを専門にする医学博士である筆者の"本業"をいかした視点も多いが、歴史や道具にまつわる話も端的にまとめられており、「珈琲総論」の感がある。まとめ方がシンプルかつ論理的なので腹落ちしやすいのもよかった。
1投稿日: 2021.03.28
powered by ブクログコーヒーの歴史から抽出法や飲み方まで、詳細なデータに基づいて書かれています。科学的な記述に終始しているのに筆者のコーヒーに対する深い愛が感じられるのが素晴らしい!コーヒー好きなら知っておきたいこと満載だし、コーヒーに興味がなかった人にもおすすめです。
1投稿日: 2020.08.23
powered by ブクログコーヒーの歴史、成分、薬理…等々を概観できる良書。種々のことが網羅して書いてあるので、最初から全て理解しようとするのではなく、ざっと読んで後から辞書的に使うのが良いかもしれない。
2投稿日: 2020.07.07
powered by ブクログコーヒーの成分、焙煎や抽出のメカニズムなどを科学的に解説してくれる一冊 コーヒーの品種として最も有名なアラビカ種は最も異質な種でもある コーヒーの苦さはカフェイン量ではなく、焙煎の深さによって決まる
1投稿日: 2019.12.21
powered by ブクログコーヒーの基本知識はもちろんのこと、コーヒー成分を科学的に説明してくれていて、より深く知ることができた。その分内容が少し難しくて理解できない部分もあった。
1投稿日: 2019.10.07
powered by ブクログコーヒーの美味しさを科学的に説明した一冊 化学用語がたっぷり出てきて読むのが辛かった。 ちょっと自分にはマニアック過ぎた
2投稿日: 2019.04.07
powered by ブクログ著者が理系で化学や生物に精通した人であることから、「そう攻めて欲しかった!」という切り口や視点、考え方や論理の運び方がなされているのがとても好印象で、のめり込んで読むことができた。大抵の本はなんというか、ここまで潜って欲しい、こういう疑問を解決して欲しいという所まで議論をし尽くさず、「○○という物質があるからこう感じる」止まりで消化不良感が強い。だからこそこの本は、似たような思考回路を持つからなのだろうか、面白みを存分に感じることができた。 また、事実や考えに対しても誠実かつ慎重な姿勢で著述していることも良い。著者自身が立てている仮説など、「なるほどなぁ」と感じる物が多く、本当に「コーヒーを科学」できる一冊であると感じた。
1投稿日: 2019.02.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・コーヒーに関する科学をとことん詰め込んだ本,コーヒー豆の生産から我々の口に運ばれるまでに至る精製,焙煎,抽出といったそれぞれの過程で植物学的・人文科学的・化学的・医療的・疫学的な解説が事細かに記してある.全てを理解し読み進めるのは正直骨が折れる.化学に疎い自分はところどころ飛ばしたが,全書を通してコーヒーの奥深さを知ることができる. すぐに使えるなと思ったコーヒー雑学 ・その人の体質などにもよるがコーヒーの覚醒効果は1杯でも得られる.飲みすぎると副作用が大きくなるだけ. ・コーヒーがもたらす健康への影響は善悪両面ある.詳細は本書にて.(研究を生業とする筆者自身が1000を超える論文に目を通した上で述べているのでその説得力は巷のメディアなどとは比べ物にならないだろう) ・1杯のコーヒー→15分ほどの睡眠で,その後のリフレッシュが期待できる.
1投稿日: 2019.01.12
powered by ブクログコーヒーのおいしさを科学的に分析した一冊。個人的にはコーヒーに「甘み」を感じるのは糖分が含まれているからと思っていましたが,実は嗅覚からの共感覚である,という話が印象に残りました。
1投稿日: 2018.11.25
powered by ブクログ☆☆☆2018年11月レビュー☆☆☆ 科学の視点からコーヒーを語る。 アラビカ種、ロブスタ種、精製、焙煎、抽出。コーヒーの基本知識を学ぶことができる。 ★★★2019年3月レビュー★★★ ロブスタは病気に強い。 だが品質に劣る。インドネシア、ベトナムでロブスタが多いのは、アラビカが「コーヒーさび病」にやられたから。 少しずつコーヒーの知識を増やしていこう。
4投稿日: 2018.11.19
powered by ブクログ文字通りの内容で、植物としてのコーヒーの来歴や特徴、コーヒーの効能に関わる成分、「美味しいコーヒーの淹れ方」の科学的な定義、そもそもコーヒーの美味しさとは何か、など。コーヒーを飲めるようになったのもここ数年の初心者にはひたすら「へーなるほど」の一冊。 読み終わったら、コーヒーを飲みたくなり、妊娠→授乳で控えていたコーヒーを、1杯/1〜2日ペースで飲むようになりました。
4投稿日: 2018.09.05
powered by ブクログ歴史、種類、成分、人間の味覚、健康への影響といった色んな面からコーヒーについて科学的に説明してくれる本。特にコーヒーと人類の付き合いの歴史と、人間の味覚がコーヒーの何をどう知覚するのかといった話に引き込まれた。
1投稿日: 2018.07.28
powered by ブクログコーヒーに凝る人ならば満足できそう。講談社現代新書からこちらを読んだが、逆なら良かったかも。歴史の専門でないと、本書で大量に削られた草稿があちらかもしれない。難しい話は飛ばしても問題ない。
1投稿日: 2018.05.01
powered by ブクログコーヒーの味を表現する語彙が興味深かった。これだけ言語化されたものはないのでは。奥深さを解明し、表現している良書だった。これを知る事で、これからコーヒーの味の感じ方が変わるのではないだろうか。
1投稿日: 2018.02.11
powered by ブクログコーヒーができるまでに ①精製:果実から生豆を取り出す ②焙煎:生豆加熱 ③抽出:豆からお湯で成分をとりだす。 深煎りとかは②の話で、ドリップとかは③の話だという当たり前の話を今更知ることができた。 基礎〜詳細まできちんとかいてある、コーヒーの教科書のような本で、細かいところは流し読みだったが勉強になった。
2投稿日: 2017.12.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
コーヒーの歴史から苦みや酸味、甘味などのコーヒーの成分の話までかなり深く掘り下げてある。 著者はコーヒー研究に従事する科学者で、本書は著者の科学者の面と、コーヒー愛好家の面の両面で書かれている。 科学者の面は、正直情報量多すぎてわからないところもあったので、コーヒー愛好家としての面で書かれている部分のほうが楽しめた。 面白かった話としては、コーヒーの木に蔓延するさび病の話、コーヒー豆を塩水であらうとカフェインだけ抜けてカフェインレスコーヒーになるという話、コーヒーの苦みは一つではなく「すっきりとした苦み」と「後に残る苦み」の両方の組み合わせであるという話など。 苦みについてはほかにも、コーヒーの苦みのうちカフェインからくる苦みは全体の1-3割に過ぎず、クロロゲン酸やカフェー酸の過熱物から生じる苦みが大きく、苦み成分の割合として、コーヒー豆の精製前後で考えると、生豆で300種類に対し、焙煎豆では約700種類の苦み成分が含まれるという話も面白かった。 ほかにも、アフリカのルワンダで栽培されるコーヒーは、カメムシによって吸われると、コーヒーの成分とカメムシの唾液の成分が混ざりポテト臭がするという話は、たった1滴で全体を変えてしまう成分があるという点で驚きだ。 本書は、コーヒー好きがコーヒーをさらに好きになるために有効な1冊。
1投稿日: 2017.08.19
powered by ブクログコーヒーに関する情報を主に科学的な方向から紹介している一冊です。 最も興味深かったのは、最後のコーヒーと健康に関する章でした。 「○○は健康に良い」というフレーズに対する考え方や、論文にも様々な種類があり、信頼度をピラミッド図にしてわかりやすく示してあったのが印象的でした。
1投稿日: 2017.08.13
powered by ブクログ濃い茶色でほろ苦い、それでいて酸味を感じられる嗜好品、コーヒー。 土地、品種、淹れ方......。 大きな違いから小さな違いまで、それらが複雑に合わさってコーヒー一杯の美味しさは作り出される。 でも、その違いは一体どこからどこまでがコーヒーの「うまみ」に関わっているのだろうか? そしてその根拠は? 一杯のコーヒーの中にある歴史と科学を味わいに行く旅へ、いざ! 第2章で触れられる、コーヒーノキとコーヒーについて。 コーヒー豆、と言われるが実は「豆」ではない、とか、なぜカフェインを作り出すのか、といった植物そのものについての記述は知らないことばかり。 コーヒーの種類がこんなに多いとは知らなかった。 第3章は歴史。 ここでトーマス・リプトン卿が登場した時は鳥肌がたった。 モノカルチャーの弱さが歴史の転換点だった。 第4章は美味しさ。 私たちはキレとかコクという言葉になんとなく「おいしさ」を感じるが、それは一体何者か? そして私たちの誰もが数種〜十数種のにおいに対しては嗅盲である(計算上)という事実! 私がおいしそうと思っている香りが、隣の人にはそうではないということ。 非常に興味深い。 6、7章は焙煎と抽出。 サードウェーブコーヒーがもてはやされているが、結局は好みだ、という結論に、私は達したが......。 いろいろ試してみて、思い込みを捨て、自分が一番心地よいと感じる方法が幸せなのだろう。 8章では健康について。 カフェインは良くない、かと思えば、長生きできる、とか......。 あれこれ言われるが、まとめて言えば、適量は人によって違う、ということ。 薬も使いすぎれば毒になる。 留意点と知って心に留めておけば、コーヒーは幸せをもたらす一杯なのだ。 私は、誰がなんと言おうと「カフェオレ」が大好きだ。
1投稿日: 2017.03.23
powered by ブクログS619.89-ブル-B1956 300473550 この本を参考にして、おいしいコーヒーを作られてみては・・・?
1投稿日: 2016.11.17
powered by ブクログかなり専門的、化学的だが読みやすい。 苦味、香り、など理解。 でも、解明されていないことが多いことが意外。
3投稿日: 2016.11.03
powered by ブクログコーヒーについて手広くまとめられていて面白いです。あまり語られることのないコーヒーの植物学的な歴史について多くの知見を与えてくれますし、焙煎や抽出といった各工程を科学的に見てみようという試みが面白いです。コーヒーが飲用されてきた歴史についても踏み込まれています。 面白いポイントはいくつもあるのですが、モカ豆の独特の香りが(本来取り除くべき)発酵豆にあるのではないかとか、コーヒーの香りを特徴づける成分だけを取り出してもコーヒーの香りにはまったくならないとか、この世界の複雑さをコーヒーから思い知らされた気分がしました。 コーヒー豆を選んだりいれることに慣れていて、そこにどんな作用が働いているのか関心のある方が読むと一番楽しめると思いますが、そうでなくてもコーヒーに関心があれば得るところの大きい本だと思います。
2投稿日: 2016.09.21
powered by ブクログ一日に少なくとも3杯はコーヒーを飲む。コーヒーを飲むとがんのリスクが低くなる、というような研究結果がときにネットにも流れることがあるとうれしくなってFacebookでシェアをしてしまったりする。もちろん、果たしてどこまで信用していいのかわからないながら、ならよいかと飲み続けている。 本書は、自ら「コーヒーおたく」と称し、コーヒーに関する「百珈苑」というWebサイト を公開している現役のバイオ系研究者の大学教授がコーヒーに関する知識をここまでかというほど詰め込んだものだ。これは読まなくてはならない。 著者が披露する範囲は、コーヒーの成分、コーヒーの歴史、コーヒーの味と香り、コーヒーの焙煎と抽出、そしてコーヒーと健康まで、コーヒーに関連するものはもうないのではと思うほど広くカバーされている。 内容もコーヒーがカフェイン成分を含むに至るまでの進化的考察や、アフリカから新世界に広まった歴史、主成分であるカフェインが神経系を刺激する仕組み、コーヒーの味や香りを決める化学成分、焙煎や蒸らしや抽出の仕組みなど事細かに記述される。たとえば、A9神経/A10神経、クロロゲン酸ラクトン類やビニルカテコール・オリゴマーなど聞いたこともないような科学用語がこれでもかというほど出てくる。まさしく、コーヒーに関する知識の集大成である。 そして自分が個人的に一番知りたいコーヒーと健康の関係が最後にまとめられていた。著者も「コーヒーの科学の中でも、この疑問ほど人々の興味を集めてきたものは他にないかもしれません」と書いている。その通り。そして科学者らしく、「コーヒーに含まれる○○という成分にxx作用がある」というものと「コーヒーを飲むとヒトはどうなるか」を区別して、後者について考えようと前置きする。もちろん科学者らしく相関関係と因果関係の違いを意識している。 長期の健康との関係では、コーヒーの飲用は、肝がん、大腸がん、子宮体がん、2型糖尿病、胆石、アルツハイマー病・認知症、パーキンソン病などの発症リスクの低下と相関性がある一方、膀胱がん、関節リウマチ、肺がん、緑内障のリスク上昇と相関性があるらしい。また、のべ40万人13年間のNIHのコホート調査の結果、コーヒーを飲む集団の方が全く飲まない集団より、総死亡率が低下すると。日本の他の大規模コホート調査でも同様の結果が出ているらしい。ふむふむ。 コーヒーがヒトに与える短期的影響としては当然、カフェインによる覚醒効果がある。不眠や不安などカフェイン中毒の症状も観られる。気をつけるべきはカフェインは「眠気」や「疲労感」を一時的に和らげるだけであって、睡眠や休息そのものの代替にはならない。ただ、カフェインが想起には影響しなかったものの記憶の定着を強化するという報告もあるという。よしよし。 どういう結果であれ、飲み続けることに変わりはないのだけれども。 しかし、このテーマで新書を出版してしまえるブルーバックスとコーヒーはあっぱれ。 ちょっとテイストが古風だが、この本の元となったともいうべき著者のホームページは以下。 コーヒーホームページ「百珈苑 」 https://sites.google.com/site/coffeetambe/
4投稿日: 2016.07.24
powered by ブクログ歴史の話なども出てくるが、難しかった。途中でほぼ挫折。 コーヒーのことをしっかり勉強したい人にはいいのかも。
1投稿日: 2016.07.21
powered by ブクログこれはコーヒーに限らない話ですが。 コーヒーが体に与える影響より、コーヒーを飲んだときどう思うか? コーヒーを飲んだ時に感じるもののほうが、よっぽどQOL(生活の質)に影響すると思います。 それこそ以前はインスタントコーヒーに牛乳を混ぜて飲むだけでOKでしたが、今では色んな豆で試行錯誤しながら淹れて、金も時間もかかりますが、以前より格段に 「コーヒーを飲んだ時に感じるもの」は変りました。 まぁ、科学は苦手なのでほとんど読み飛ばして斜め読みなんですが^^; これも昔は手にした本を意地でもじっくり全部読んでいたのですが、斜め読みでも色んな書物に触れる方が自分のためになってQOLがあがるという結論。 生産国と焙煎度による違いで比較した場合、より香味の違いがはっきりと現れるのは焙煎度 最初は好みの焙煎度を見つける。店の違いが多少あることは頭に入れて 多くのプロが最も大事な工程を「焙煎」 焙煎豆の劣化は3タイプ 1.pHが低下してすっぱくなる。進行が早く保温しているコーヒー液なら数十分。 焙煎豆が吸湿した時にも常温1~2日で 2.劣化した時のガスの損失 繊細な香りを持ち味とするコーヒーほど特徴を失って凡庸に。膨らまなくなる 常温なら10~15日で。→2週間以内に飲み切る理由 3.酸敗 意外に遅い。7~8週間 豆の形や大きさから違いは生まれる 温度の基本 浅高深低
1投稿日: 2016.06.01
powered by ブクログブクログ献本でいただいたもの。 コーヒーの木の品種の話からコーヒーの歴史、抽出する道具や香りや味を決める成分に至るまで細かく検証した、グルメというよりやっぱり科学の本でした。 科学用語?が出てきたりしますが文体は読みやすいので面白い。 コーヒー豆や焙煎に興味がある人の方が楽しめるかも。
3投稿日: 2016.05.25
powered by ブクログコーヒー好きで、薬学・医学を専門とする著者が、コーヒーに関して、科学的に総合的にまとめた本です。コーヒー豆の話から、コーヒーの味や香りのメカニズム、焙煎や抽出のメカニズム、健康や病気との関連などについて、書かれており、まさしくコーヒーに関する科学的知見がまとめられています。雑学として読みましたが、インスタントコーヒーでも構わないバカ舌の僕には、焙煎や抽出の細かい仕組みを知って、役立てたいという感情は沸いてきませんでした。
1投稿日: 2016.05.18
powered by ブクログこれはコーヒー業者にとっての教科書である。歴史から豆の買い付け、美味しさの表現、焙煎、抽出、健康情報に至るまで、そこまで調べなくてもいいのに、というところまで徹底的に調べたコーヒー百科と言っていいかもしれない。ただ一つないのが、肝心のコーヒー消費者にとって必要なコーヒーの淹れ方の技術。これがすっぽり抜け落ちている。 著者の気持ちは、分からないでもない。この本の中で、コーヒーの美味しさに千差万別があるのはひつこいぐらいに描いたし、そこに至るまでのヒントは豆の選定から焙煎・抽出までいくらでも描いた。理想的な淹れ方を描くのは無理だ。あとは自分で工夫しろ。ということなのだろう。 しかし、我々が焙煎まで出来るはずがない、豆の選定なども無理だ。ドリップ式は「中で起きている現象は、注ぎ方による濃縮具合の変化に起泡分離まで加わるという複雑さで」「奥の深い抽出法と言えるでしょう」と済ましている。だからこそ、私としてはもっとマニュアル化して欲しかったんです!! コーヒーの薀蓄を語るのには、これ以上ないし、コーヒー業界にいる人には必携ですが、コーヒー好きの私にはイマイチでした。 2016年4月読了
2投稿日: 2016.04.18
powered by ブクログコーヒーのおいしさは何から生じるのか。苦みを生む様々な成分の特徴、酸味の秘密、複雑な香りの源など、コーヒーをめぐる科学的な話題を、遺伝子学・微生物学の専門家が易しい語り口で解説する。家庭焙煎のコツやおいしいいれ方、健康との関係といった、知って得する情報も盛りだくさんだ。
2投稿日: 2016.04.17
powered by ブクログコーヒーに関して網羅的に科学する.思っている以上に研究が行われており,読み応えがある.が,矢張り味わいながら違いを実感したいところ.
1投稿日: 2016.04.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
コーヒーを趣味とする基礎医学の研究者である著者による、まさにコーヒーの科学。 コーヒーとは、植物としてのコーヒー、歴史、おいしさ、成分、焙煎、抽出、コーヒーと健康といった話題に科学的に切り込む。 個人的には、おいしいコーヒーを淹れるテクニックのようなことに興味があって読んだので、全部のテーマは必要なかったが、日本式のドリップ作法になっていること、安価な電動コーヒーミルで挽いた豆の微粉は茶こしで除くことで、よりすっきりとした味になるなど収穫があった。 16-62
1投稿日: 2016.04.09
powered by ブクログタイトルの通りコーヒーのおいしさはどこで生まれるのか、といったことからコーヒーに関する雑学を満遍なくカバーしている。さすがブルーバックスシリーズ、素人でもわかりやすく科学に触れられる。 著者の本職はバイオ系の研究者。大学でガンに関わる遺伝子を研究したり、微生物学の講義を行ったりしているとある。どうやらかなりのコーヒーオタクで、本職でのスキルもフル活用してコーヒーの科学を追求しているようだ。参考文献を見てみると、沢山の学術論文が記載されている。 私たちがコーヒーを口にするまでには、 1.コーヒーノキの栽培、収穫 2.精製して生豆にする 3.生豆を焙煎する 4.焙煎した豆を粉砕する 5.粉砕したコーヒー粉からコーヒーを抽出する といった工程があるが、それぞれで驚くほど沢山の要素があり、おいしさに影響する。この本はそれらの要素を科学的に説明しているわけだが、コーヒーから様々な分野の科学につながっていく。それが面白い。 更に言うと、 6.コーヒーを抽出して口に含んでからどのようにおいしさを感じるのか? 7.コーヒーを飲んだ後に体にどんな変化があるのか?(覚醒作用とか) 8.毎日コーヒーを飲んでいたら、体にいいのか悪いのか? といったことまで扱っている。コーヒーに関する全てを満遍なく網羅していると思う。 個人的には、第4章の『コーヒーの「おいしさ」』がよかった。そもそもどういうものが「おいしい」のかは人によって違う。そんな難しい問題に対して、「味ことば」から「おいしいコーヒー」とはどんなものかを考えたり、人が味を感じる仕組みから考えたりしている。 「おいしい」というのは、突き詰めるととても奥深い。人によっても違うし、同じ人でも年齢と共に変化したり、精神状態によっても変わる。そんな風に、身近なコーヒーから広い概念を再認識できたというのが収穫かもしれない。
7投稿日: 2016.03.31
powered by ブクログ微生物や遺伝子の研究者である著者による、コーヒーを科学的に分析した本。コーヒーのもととなる植物について、コーヒーの歴史、コーヒーのおいしさ、焙煎や抽出の過程、健康への影響など。 おれは最近職場でもインスタントのコーヒーを1日数杯飲むようになり、コーヒー好きではあるけれど、インスタントのコーヒーしか飲まないので、「ゲイシャ」とか「コナ・ティピカ」とか品種も知らなければ、浅煎りとか深煎りというのもあんまりよく分からないし、ターキッシュコーヒーとかダッチコーヒーとか聞いたことはあるけれどもあんまりよく分からない、という程度の感じで読んだ。おまけに化学嫌いのド文系。正直、おれにはハードルが高そうな本だと思って読んだが、意外と面白く読めたことが驚きだった。特に、第1章~第3章までは、コーヒーや生物・化学に関する知識が一切なくても分かりやすく一から解説してあり、入門者でも楽しんで読める。いくつか面白かったところを挙げると、まず「コピ・ルアク」という「動物の糞から採る、世界で最も高価なコーヒー」(p.21)というのがあるらしい。一方で、「コピ・ルアクでは、狭い檻に閉じ込めたジャコウネコにコーヒー豆を無理矢理食べさせて作る業者」(p.22)がいるらしく、フォアグラみたいな感じなのか、と思った。コーヒーノキ属は125もの種がある中で、「『コーヒー』を取るために栽培されているものは何とたったの2種類」(p.31)というのも驚きだ。アラビカ種とロブスタと呼ばれるカネフォーラ種らしく、2種類の特徴が分かりやすく述べられている。例えばアラビカ種は自家受粉が可能、カネフォーラ種は不可能らしい。そしてこのアラビカ種の故郷は「ビクトリア湖北西に位置するアルバート湖の周辺」(p.40)らしく、世界中で栽培されて飲まれているコーヒーの元の場所が推定できるなんてロマンがあるなあと思った。こういうところを可能なら旅行で行ってみるというのも面白そう。栽培の伝播の話で、どうやってイエメンからアラビカ種の栽培が広まっていったかという経路には「ティピカ」と「ブルボン」という2通りある(p.69)らしく、それぞれにストーリーがあって興味深い。 第4章以降は、コーヒーを楽しむ人じゃないとピンと来ない部分も多く、第4章の味の部分は初心者でも何となく話は分かるが、第5章、6章の焙煎、抽出の話はおれにはあんまりよく分からなかった。おれがコーヒーが好きなのは味よりも香りの面が大きいが、ヒトは鼻先香と口中香の2種類を感じるらしく、「ニューロガストロノミー(神経美食学)」みたいなことを考え出す学者もいる(p.122)というのが驚きだった。何でも研究の対象になるのか、という感じ。味覚の話で、バニラエッセンスの「バにリン」というのがコーヒーには入っているらしく、これは「『正露丸の野い』のグアヤコールにアルデヒド基が一つ付いただけの構造です。このたったの一カ所の違いで、全く異なるバニラの甘い香りに感じるのですから、つくづくヒトの嗅覚とは不思議な者です。」(p.148)ということで、これも面白い。何か一カ所の違いがこんなに感じ方に違いを生む、というのは本当に不思議だ。また、コーヒーの「焙煎度」には8種類あるらしく、シナモンからイタリアン、スパニッシュまで、ということらしいが、地域差が結構大きいということらしい。面白いと思ったのは「アメリカは地域差が大きく、ボストンや西海岸ではシナモンやライト、東部はやや深めでハイ~フルシティ、南部がもっとも深くてフレンチ以上」(p.172)らしいが、なんでこんなはっきりとした地域差が生まれるんだろう。おれが勉強していた社会言語学のアメリカ方言のところなんかは、東海岸で方言の差異が顕著で、それはもともとヨーロッパのどこの国からの移民が多く集まってできた植民地かに影響されていたり、ということがあったが、そういうことと関係あるのか?アメリカのコーヒーの歴史を辿って方言学の成果と類似するところが見つかったら面白いかも、と思った。 最後の第8章は健康の話なので、コーヒーを飲む人なら誰でも興味のある話だと思うが、いかにも堅実な感じで好感が持てた。良い悪いといった分かりやすい話に持ち込むのではなく、学問的に正しいが故に必然的に分かりにくくなる部分を分かりやすく解説している、という感じだった。例えば「『脳の活性化』と聞くと、脳の活動状況を光り具合で示したPETやMRIなどの『脳画像』を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、じつのところ、あの手の画像だけでは脳のどの部位が活動しているかはわかっても、具体的にそれでどのような効果があるかの十分な証拠にはならないものがほとんど」(p.276)みたいな記述は、「脳科学的に正しいことが証明されています」とかなんとか言ってそれっぽい画像を見せているのは姑息な方法なのかもしれない、とか思ってしまった。他にも、コーヒーの長期影響をプラスマイナス両面述べた上で、「善悪どちらが大きいか?」(pp.293-5)の話は、もはやコーヒーの話というよりは、科学的、客観的とはどういうことかについて、統計について考えさせられる話で、勉強になった。 最後に、コーヒーはカフェインが入っていて冴える、というのもある一方で、おれ個人的にはあの香りにリラックス効果を感じるのだけれど、それは科学的にはどう説明されるのだろう、とか思った。(16/03/25)
1投稿日: 2016.03.25
powered by ブクログ新たな側面からいくつものコーヒーの魅力を教えてくれる本。ほんとにいい本でした。あとでブログでまとめよう。。
1投稿日: 2016.03.24
powered by ブクログコーヒーの実からいわゆるコーヒー豆を取り出す二にはどのような操作がなされているのか、焙煎とはどのような化学反応が起きているのか、さまざまな入れ方で風味が変わるのはどの成分がどのように抽出されるからか、コーヒーのおいしさを科学した本
0投稿日: 2016.03.23
powered by ブクログ「違いの分かるコーヒー」などというフレーズで宣伝しているコーヒーがある。コーヒーも人生同様いろいろある。濃い、薄い、苦いなどいろいろあるコーヒーについて科学したのが今回の本だ。 コーヒーのおいしさを表す言葉には幅がある。「焙煎した」、「まろやかな苦味」、「こくのある」などでコーヒーの味を表現する。これらは日本で使う表現だが、イギリスで使う表現についても言及している。「苦味 bitter」、「苦味が残る bitter aftertaste」、「煙 smoky」、「フルーティ fruity」といった表現を使う。コーヒーを表現するのに「苦味」は欠かせないようだ。 コーヒーを適度に飲むのは健康にいいという記事を読んだことがある。以前、コーヒーは健康によくないということを聞いたことがあり、いったいどちらが正しいのかなとふと思った。
1投稿日: 2016.03.22
powered by ブクログあなたはどれくらいコーヒーを知っていますか? 豆の産地、品種、製法、なにが味を決める? コーヒー豆は「豆」じゃない? 「すっきりした苦味」と「後に残る苦味」の違いは? 浅煎りと深煎りどちらがカフェインが多い? 「炭火焙煎で豆の芯から火が通る」は本当? 「コーヒーを飲むとがんになりにくい」は信用できる? 今では、我々の生活に欠かすことのできない嗜好品となったコーヒー。 その独特の香味はどのように生まれるのだろうか。自家焙煎店で培われた職人の技術と知恵を科学の視点で徹底分析。味をコントロールし、自分好みのコーヒーを淹れる秘訣が見えてくる。科学論文に基づく知見を踏まえて、コーヒーのさまざまな謎に迫る! 著者プロフィール:旦部幸博(たんべ・ゆきひろ) 1969年長崎県生まれ。京都大学大学院薬学研究科修了後、博士課程在籍中に滋賀医科大学助手へ。現在、同学内講師。専門は、がんに関する遺伝子学、微生物学。人気コーヒーサイト「百珈苑」主宰。自家焙煎店や企業向けのセミナーで、コーヒーの香味や健康に関する講師を務める。著書に『コーヒー おいしさの方程式』(共著、NHK出版)。
2投稿日: 2016.02.15
