
総合評価
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- 佐野 箒"powered by"
人から執着されたり踏み込まれるのを嫌がり愛情に飢えていて感情的で時には暴力も振う不安定なみりさんが全然好きになれなくて、なんでこんなキャラ設定にしたのだろうと思いながら読み進めると聡平さんを連れ戻すためだったのかと腑に落ちた。彼女には爆発的なパワーがある。 まりも君が幸せになれますように。
2投稿日: 2025.04.23 - にしど"powered by"
家族として暮らす30代のちや、40代後半の佐藤さん、20代のまりもくん。 それぞれの視点で描かれた3部構成。 家族とは何?を作者千早さんが描いた。暗い雰囲気だけど嫌いじゃない、不思議な作品だった。
1投稿日: 2025.01.24 - こじこじ"powered by"
解釈の仕方がわからず、なんでこうなったのか不思議な気持ちで読み終わりました。 特に佐藤さん。 何をわかって欲しかったのー。 誰かに大事にして欲しかったのかな…。 3人とも寂しかったんだなぁ。
0投稿日: 2024.01.16 - sitibu"powered by"
血の繋がりもあやふやな形の同居で、”普通”の形でないことにさみしさがあったようですが、寄り集まればそれもまた1つの家族の形を見ることができるものでした。
0投稿日: 2023.02.06 - あおい"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
自分とはかけ離れた考え方も、何故か理解できる。 自分勝手で傲慢な美里にイライラするけど、それはきっと自分と似たところがあるから。 果穂子の実体が掴めなくて薄気味悪い。 何を考えているのか、何も考えていないはずなのに考えてしまう。 果穂子が狂ったのはいつからだったんだろう。初めはただの純粋なこどもだったはずなのに、どこからか大人になりきれてないのに汚らわしいものになってしまっていた。 あおの湖の話がつくりものだったみたいに、果穂子も佐藤のつくりだしたものだったんじゃないかと錯覚しそうになるのに、まりもが存在することで現実味を帯びて不思議な気分になる。 個人的にラストはあのまま女の子と沈んでいってほしかった。それとも、佐藤1人だけで。 果穂子の日記を沈めたところで果穂子がこの世に存在したことに変わりはなくて、まりもを見ると嫌でも存在を忘れることはないと思うから。 森の中の、露と立ち上る土の匂いがするような本だった。千早茜さんの小説は匂いと色がある気がするなぁ。
0投稿日: 2021.10.30 - maverick066"powered by"
森閑とした気味の悪さの物語。 登場人物それぞれの家族が錘のように、被さってしまう。 あとがきにあるように、この物語は不健康かもしれない。 こういったひとたちにとって、家族という存在や、子どもを産むという行為はまるで枷や呪いのようなのだ。 そして、こういうひとはどんなに楽しそうに仕向けられても、どこか世界や他人が不穏であると感じてしまう。 P.124『「なんか嘘くさいじゃない。あの夢みたいな場所も、あそこに連れて行けば喜ぶと思っている親も。きらきらしているのは表面だけで、中は空っぽな気がする。」』 P.128『「従業員も客もみんな笑っていて、何もかも楽しむだけに作られていて、遊び続けなくてはいけないような気分にさせられる場所だと思った。(・・・)心から楽しめる人もいるのだろうけど、私は小さい頃からそうじゃなかったな。怖いし、なんか、すごくさ みしかった。」』 こうした恐怖心やさみしさは深く、自他を知らず知らず傷つけてしまう。 他者との距離感をどうしても掴みにくくなってしまうのだろう。 美里はこれに加えて女性性という枷も加わり、出産した友人の姿を薄気味悪くとってしまう。 出産直後の原初的没頭の姿も気味が悪いのだろう。 まりも君も知らず知らず他者を傷つる。 p.144『嘘をついても本当のことを言っても怒られてしまった。おまけに怒らせただけでなく傷つけてしまった。』 この物語は家族という呪いの物語であって、その呪いは「家」という家族の器に湖のように溜められ、その湖は深く一度沈むと浮き上がれないように、のしかかる。 物語後半のあおの湖はこうした家族という繋がり、ひととひとの境界という暴力的な側面の象徴なのかもしれない。 あおの湖の逸話は大黒柱としての男性によって作られたものであるのも暴力的で気味が悪い。 しかし、本当に気味が悪いのはまりもの母親(?)である香穂子だ。 空虚で中身のない、まるで気配だけの存在のようだ。 P.98『「気配はあるけど、顔は見えない」』 しかし、その気配は生々しい。 森閑とした、気味の悪さが漂う物語。
5投稿日: 2020.07.26 歪み
心のうちにある歪みを抱えながら 誰にも明かせない三人 静かに沈んで引き込まれていく 歪んだ家族の愛の形の物語。
0投稿日: 2020.05.02- mimi"powered by"
さびしい三人の、家族のお話。大学生のまりもくん、佐藤さんの彼女のミリさん、佐藤さん。 家族観みたいなものがとても近く感じられて、すごく救われた気がした。あとがきのラストの一文で泣き崩れたよ…
7投稿日: 2020.03.14 - 橘"powered by"
面白かったです。 どこかに欠落を抱えた3人が、なんだか近しく思えました。 「家族だから」を押し付けられるのが嫌いで、かといって自分で新たに獲得しようとも思わないのでわたしもずっと独りで生きていくんだろうな…とぼんやり思っているのです。なので、佐藤さんやまりも君の気持ちは少し解ります。 でも、さびしい、のかな。わたしも心の底ではさびしいのかな?と思います。そこはよくわかりません。 3人は新しい形を作っていくんだろうなと思います。なんだか、ほっとしました。
0投稿日: 2019.06.10 - noriko5100"powered by"
登場人物3人、それぞれ種類の違う寂しさを抱えており、寂しさに対して向き合ったり、気づかなかったり、スルーしたりしている姿が印象的。何物にも執着しない生き方は羨ましいけど、その代償として寂しさが付きまとってしまうのかな。寂しいって感情は厄介
0投稿日: 2018.12.29 ダメな人の物語
育った環境から,人として何かが欠如している人の物語。犯罪を犯したりということはないものの,「家族」というものに疑いをもち,人との深い関係を回避しようとする。 興味深いと思う点もあり,面白かったとも言えるが,特段の盛り上がりがあるわけでもないので,途中で飽きてしまう人もいそうです。 でも,最後の作家さんのあとがきは面白かったかな。 わりと好きな作家さんなので,どんな背景のもとに書いたのかという点が。
0投稿日: 2017.07.16- iyoharuka13"powered by"
血は繋がらないが同居する三人。自由だけを求める美里、他人に興味がないまりも、自分勝手な観念を持つ聡平。崩壊寸前の疑似家族の行き先を描く新家族小説。 千早茜さん初読み。静かな海のような文体ながら、その底は暗くて深い。家族とは何かを問う物語だが、登場する三人各々の考えていることは、私たちの心の奥底に隠している感情に近いものがある。それを剥き出しの刃にせず、羽毛のような感触で痛いところを突いてくる巧さ。これからも追っかけていきたい作家さんです。
0投稿日: 2016.03.14 心の傷は深い。
面白かった。 心に傷を負った三人の話。 最後がすこし出来すぎかな?とも思うけど、でもその終わり方でよかった、とも思う。 この本に出てくる人の気持ちが全くわからないわけではないけれど、でも、こういう人が近くにいても寄り添うことは私には無理だろうな、と思った。
4投稿日: 2016.02.29- pokopoko0713"powered by"
不健康ないびつな物語だけど、千早さんの文章が綺麗なせいかどこか現実味がなく、幻のような感覚で読める。 近くに見えるのに遠いみたいな。 いびつな形で暮らしてきた家族の再生物語と言えば軽いけど、それぞれの抱えてる物は重く暗く、冷静に考えると結構なものだ。 だけど、各々が自分と向き合い相手を見て求め気持ちにケリをつけていく様はどこかカッコいい。
0投稿日: 2015.12.20 - toca"powered by"
一種の家族小説。 あらすじを読んだ限り、もうちょっと穏やかな内容を想像していたが、登場人物がなかなかエキセントリックで、その点では予想を裏切られた。しかしこのエキセントリックさは嫌いじゃない……。
0投稿日: 2015.12.17 - 講談社文庫"powered by"
自由のない家族関係を嫌う美里は、一回り年上の恋人と彼の息子が住む家に転がりこむ。お互いに深く干渉しない気ままな生活を楽しむ美里だったが、突然の恋人の失踪でそれは破られた。崩壊寸前の疑似家族は恢復するのか? 血の繋がりを憎むのに、それを諦めきれない三人。次世代を担う女流作家の新家族小説。
0投稿日: 2015.12.08