
総合評価
(576件)| 195 | ||
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powered by ブクログよしもとばななの世界観が大好きなんだ… ばななレンズを通して世界を見ていたい 『おかあさーん!』が特に印象的だった 心の奥深い部分にじんわり入り込んできて、慰めるわけでもなくただ認めてくれるような感覚 ✏たとえば公園を歩くと、風に木がざわざわ揺れて、光も揺れる。そうすると彼は目を細めて、「いいなあ」という顔をする。子どもが転べば、「ああ、転んじゃった」という顔をするし、それを親が抱きあげれば「良かったなあ」という表情になる。そういう素直な感覚はとにかく親から絶対的に大切ななにかをもらっている人の特徴なのだ。 ✏そうやって人の人生の、本当の意味での背景になるってなんてすごいことだろう。 ✏帰る家があるのに、愛されているのに寂しい。それが若さというものかもね。 ✏そしてはっと気づいた。私は自分がいったん決めたことを変えるのが、かたくなまでに、できないたちだということを。それで、あまりのかたくなさに周りは口出しのしようもなかったということを。 柔軟さという気持ちのいい波が私の心にふわっと寄せてた。 ✏虐待された子どもは、自分の体の痛みと心の痛みを切り離すことができる。 ✏その人独自の趣味や強迫観念をまがまがしいものとしないでつきつめていけば、どんどんどんどん楽になれるような感じがして、それから私はそういう、まるで無駄っぽい考え事をする自分を恥ずかしく思うのをやめた。 ✏「どうして明かりは暖かい感じがするのかなあ。夜の明かりは。」(中略) 「人の気配が照らしてるんだよ。だからうらやましく思ったり、帰りたくなるんじゃないかなあ。」 ✏私はあったかいもののほうを大切にする。ちゃんとこういうからくりを見破ることができる男の人を捜そう、絶対にいるはずだから。 ✏西山君の体のなめらかな体の線や、なんとなく人をくつろがせて楽しませるその独特な力は、彼が自由であろうとしていることから発しているんだな、と私は思った。 ✏ああいう人って、ものの味方がすごくパターン化してるんだよ。あのね、ずっと家の中にいたり、同じ場所にいるからって、同じような生活をしていて、一見落ち着いて見えるからって、心まで狭く閉じ込められていたりしずかで単純だと思うのは、すっごく貧しい考え方なんだよ。でも、たいていみんなそういうふうに考えるんだよ。心の中は、どこまでも広がっていけるってことがあるのに。人の心の中にどれだけの宝が眠っているか、想像しようとすらしようとしない人たちって、たくさんいるんだ。
6投稿日: 2022.08.17
powered by ブクログタイトルが「デッドエンドの思い出」だから いつ死ぬんだ…と思って読んだ。 そういう意味ではなかった。
3投稿日: 2022.08.11
powered by ブクログ「親にとっては赤ん坊を育てることの延長戦上に僕がそのままいるけど、僕には僕の人生があるからなあ。」p23 幽霊の家
2投稿日: 2022.07.15
powered by ブクログおかあさーん!と デッドエンドの思い出 がすごく好きだった。ともちゃんは途中で読むの辞めちゃった、ごめん おかあさーん!105ページに泣かされた。こんな風にぐるぐる、ねじねじと自分の中で言葉を重ねるのが今の私だったので救われた。
2投稿日: 2022.07.06
powered by ブクログよしもとばななさんは好きで何冊か読んでましたが、これは初めて読みました。切なくて、辛い話が多いですが、辛いことがあっても、良いこともある、いつか乗り越えていける、人の優しさなどで救われることもあると感じさせてもらえます。表現くどいところがらありましたが、とても良かったです。
5投稿日: 2022.07.02
powered by ブクログ五話からなる短編集です。秋の紅葉の情景がとても似合う気がします。ゆったりと流れる時間とともに、大切な人との思い出が、回顧するように切なくも優しく描かれています。 冒頭に「藤子・F・不二雄先生に捧ぐ」と献辞があり、「ん?」と思いながら読み始めました。物語の会話で2ヶ所に、「理想の光景」「幸せってどういう感じ」との問いに、「のび太くんとドラえもんが漫画を読みながらどら焼きを食べている」場面・関係性を答える部分があります。何気ない日々の生活の中に、小さな幸せを感じる心をもっていたいと、改めて感じました。また、こう思わせてくれる瑞々しく洗練された文章です。 筆者は『デッドエンドの思い出』が一番と書かれていますが、個人的には『幽霊の家』が一番気に入りました。 五話のいずれも、タイトルのような袋小路・行き止まり、将来の展望が見えない終わり方でなく、これからの人生に温かい希望を与えてくれる力をもっています。辛い思いをした人にほど刺さる(と思える)、良質な物語でした。
18投稿日: 2022.06.25
powered by ブクログ私やっぱりよしもとばななさんの書く文章がとっても好きだ〜、と思った 幽霊の家の岩倉くん あったかくなんかないのまことくん デッドエンドの思い出の西山くん みたいな存在に私もなれたらな、と思う。 本を読む中で出会う自分の憧れる理想像と現実の自分は全然違くって、 私はなんだかもっとこう、自由な空気を持ってそこだけ時間がゆったりと流れている感じの、それで時に寄り添う言葉だったり真をつくようなことを誰かに言ってあげたりできるような存在になりたかったりするけどとっても難しいな、と思う よしもとばななさんはそういう人を描くのがとっても上手だなあと思います
4投稿日: 2022.06.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
心地の良い恋の話を無性に読みたくなり、かなり若い頃何冊か読んだきりの、ばなな氏の作品を読んでみました。 とでもいいです。 ばなな氏の文体を、ほとんど覚えていませんでしたが、やっぱり人気作家さんだなと改めて思いました 、こんなに良かったかと… 表現が難しいですが、似たような文体の女性作家さんはたくさんいますが、基本形、というような気がします。 短編集ですが、個人的には1番最初の話がとても好きでした。 どれも読みやすく、ですが全く稚拙ではなく純愛かと思えば泥臭さや官能さもあり、感情の豊かさもあれば冷静さもあり、あととても正直な作品ばかりで好感を持ちました。 表題はデッドエンドですが、作品によってはそんなこともない作品もあり、また恋愛が中心ではない作品もありました。 大作でも長編でもありませんが、あとがきで、実際に経験はしてないが私小説的な感覚があり、辛い思いをしながら書いたが、今までで1番大切な本、と綴られています。 そんな想いもあり、読み手としても良さを感じ取れたのかなと思いました。 過去の作品を読み返したり、新作にも注目しようと思わせられた一冊でした、おすすめです
4投稿日: 2022.05.20
powered by ブクログよしもとばななさんの優しい言葉で、忘れてはならない切なさを書き綴った短編集。読んでいて悲しく、切なく、辛くなったがどの辛さにも共感でき、また、自分の切なさと彼女の書く切なさが化学反応を起こして魅力的な切なさが生まれた気がした。
3投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログ『あったかくなんかない』がとにかく良い。『ムーンライトシャドウ』に通ずる死生観。私も過去に同じ経験をしたことがあるのでは?という錯覚に陥るのは、きっと、もう二度と会うことのない友人が心の隅に住んでいるから。
2投稿日: 2022.05.08
powered by ブクログ好きだなぁ。 よしもとばななさんの作品って、なぜだか分からないけど、心がじわ〜って温かくなって、丸ごと包み込まれるような感覚になる。 自分の生まれ育った環境だとか、気質とかを全て肯定してくれるような感じ。 「あなたは、あなたのままで大丈夫だよ」 そんな風に言われてるような気がする。 上手く言葉では表せないけれど、心の奥底にあるコンプレックスだとかを優しく抱きしめてくれるような温かさがある。 定期的に戻ってきたくなる。
6投稿日: 2022.05.07
powered by ブクログ何から書こうかな。 小説の話ではなく、私の話なのですが、実は最近、入院していた母が、一人暮らしの家には戻らず、ホームに入居しました。 誰もいなくなった実家に母の荷物を取りに行くと、ひんやりと薄暗いその家の中に母と亡くなった父が作っていた温かい空気と笑い声を感じることが出来ました。 母はその小さな家で幸せでした。父とかつては私と肩を寄せ合ってささやかに暮らし、孫たちが生まれるとよく預かって面倒を見てくれました。 病気で倒れる前から、傍から見て一人暮らしは限界であったのに意地を張って頑として一人で暮らしていた母の守りたかったものは、この空気だったのだなと思いました。 そう思うと塵ひとつ愛おしくなりました。 よしもとばななさんの書きたかったのはこれに似た空気感だったと思います。 母は病院で自分の状況がいまいちはっきり分からず、「家に帰る」とまだ意地を張っていましたが、病院のスタッフの皆さんに寄り添われ、諭されて、ホームに入ることを納得してくれました。 母は80歳を超えてなお、更に大人になってくれたのです。 ありがとう。そして、ごめんね、お母さん。
70投稿日: 2022.03.31
powered by ブクログ人との縁の不思議さを感じた。 「袋小路」にはまった時、不思議と転機となる人に出会うもの。わたしも、色々な人に助けてもらった。それは、意外な人だったり、その時だけの縁の人だったり・・・。 波風なく穏やかな人生を人は望みがちだが、案外、波瀾万丈、泣いたり笑ったりした方が、心が豊かになり、我が人生を味わい尽くせるのかもしれない。 そんな風にフカンして、"生きる"ことの不思議を想い、温かい気持ちにさせてくれる物語たちだった。
1投稿日: 2022.03.10
powered by ブクログ切なさと幸せはいつも隣り合わせ どの短編も、この先もこの登場人物たちが、どこかで生活しているんだなって、そういえば元気でやってるかなってふと思い出しちゃうような気がする。
1投稿日: 2022.02.27
powered by ブクログ2003(平成15)年刊。5編の短編小説のうち1編以外は書き下ろしとのこと。 全編、こころの繊細さの密度が凄い。これは川上未映子さんの言語感覚にも近いと言える。対比してみると例えば瀬尾まいこさんの作品は繊細ではあってもコンテクストは単純明快で、非常に分かりやすい倫理的な筋道(おおむね家族愛)を示していた。 読んでいて、吉本ばななさんの心の繊細な様相は、偶然性に満ちているのではないかという気がした。一つ一つの心理がロジックに従属しておらず、もっと複雑な、無数の事象に作用されて人間の目には末端しか見えないために、「たまたま、こうである」としか言いようのない非-必然性を呈しているのではないか。それは、同一性=持続性を死守するために因果関係のロジックにしがみつくでもなく、常にたまたまそうであるように心を漂わせ、揺らぎ続けるようなナチュラルさである。 ただしその偶然性をあまりにも露骨に示してしまうと倫理性もテーマも消失してしまうので、顕れてくるものの形を整えることで、やっと文学作品として成立させているのではないか。 以上はたぶん、この本の読後感想としてはまったく必然的でない、偶然によって生まれた述懐に過ぎないだろう。
1投稿日: 2022.02.26
powered by ブクログ読んでいて現実から引き離されるような感覚があった、心の底に沈む悲しい思いだとか、そういうものに向き合い、そしてよしもとばななさんが、優しい言葉で言語化することで、殻にこもってしまうような外界を拒んでる自分に気づいた。 周りの私を愛してくれる人たちは、人生の底に行かないように私のために優しさをくれる、ただ人生の底を1人で知って、そして今までの環境に気づき、また立ち直り進むことは、人生にとって大切なのだと思う。 コメダ珈琲はいい意味で、天国や地獄、死後の世界のような気がする。 周りの声やBGMなど全てが、自分と切り離されたところにあって、普段の私の他者との境界線が薄い部分の、傷つきから癒してくれる。
1投稿日: 2022.02.21
powered by ブクログあとがきで、よしもとばななさんはこの小説を「何一つ身に起きたことではないけど私小説のよう」という事を書いてらして、私にとっても正にその通りな小説でした。 登場人物たちみたいな恋をしてきたことは全くないのに、彼ら彼女たち、そして家族の物語に、まるで自分の人生が重なって見えてくるような不思議でたまらない気持ちでいっぱいになりました。 素敵な小説を読むと、世界がどこまで美しく思えるし、ちっぽけで情けない自分もその世界の一部であると無邪気に信じられる。 本当は感想を書くことで、自分の小っちゃくてつまらない言葉の枠にこの幸せな気持ちを閉じ込めたくなかったけど、、それでも幸せだから書き残さずにはいられない。 これからもきっと、何度も読み返して長く付き合っていく一冊になるんだろうな。
1投稿日: 2022.02.08
powered by ブクログ劇的な事が起こったり、起こらないけど過去にあったりする主人公達の短編集。どの主人公も自分の事をよく分かってるのに、物語の中で更に理解し、開眼する。どの話もほっこりする。「幽霊の家」「デッドエンドの思い出」が好きだった。
1投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
様々な失恋の様子を吉本ばなな特有のみずみずしい文体で描かれている。 多くの話に「夢」が登場し、少し不思議なオカルトチックな中に細かい心理描写が描かれていた。 個人的には「幽霊の家」と「デッドエンドの思い出」が良かった。 P34 冬の曇り空ってなんていやらしいんだろう、雲の厚みやグレーの空や、吹き渡っていく風。全てが人と肌を寄り添わせるために設定されているとしか思えない 41 帰る家があるのに、愛されているのに淋しい、それが若さというものかもね。
1投稿日: 2022.01.23
powered by ブクログ10数年ぶりに再読したが、この著者の語彙力というか表現力というか、繊細な微妙な気持ちをわかりやすく描けるのは凄い、と改めて思った。とても好きな小説集。
3投稿日: 2022.01.19
powered by ブクログ忘れかけていた、「あ、幸せだな」と感じる小さな瞬間を、もう一度思い出せた気がします。この気持ちを大切に持っていたいと強く思えた作品でした。
3投稿日: 2021.11.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1つ目のお話が1番好きです。 繊細な気持ちの変化が手に取るように伝わります。 自分も同じようなことを経験してきたからこそ、 その状況に対して感傷的になってしまうんだろうなと 思いました。
1投稿日: 2021.11.12
powered by ブクログ何も言わず寄り添ってくれる人の存在を思い出させてくれました。元気を出させようとしてくれるわけではなく、ただそばにいてくれることがどれだけ救われるかを言葉に現してくれているような気がします。
5投稿日: 2021.11.10
powered by ブクログデッドエンドの思い出 よしもとばなな著 〜あらすじ〜 これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。――著者自らそう語る最高傑作! 「幸せってどういう感じなの?」婚約者に手ひどく裏切られた私は、子供のころ虐待を受けたと騒がれ、今は「袋小路」という飲食店で雇われ店長をしている西山君に、ふと、尋ねた……(「デッドエンドの思い出」)。 つらくて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中の宝物を蘇らせてくれる珠玉の短篇集。 ほかに「幽霊の家」「おかあさーん! 」「あったかくなんかない」「ともちゃんの幸せ」の4篇収録。つらく切ないラブストーリー集。 〜感想〜 5つの話の短編集。 よしもとばななさんの本初めて読んだけど、読み終わって心温まるような文の書き方の人ってイメージ。 幸せの終わり方の内容の話もあれば、可哀想って内容の話もあるけど、暗い気持ちになるわけではなく、「頑張ろう」そう思わせてくれます。 5つの話の中で自分は幽霊の家の話が好きでした。
1投稿日: 2021.11.03
powered by ブクログ吉本ばなな作品は悲しい雰囲気に包まれた女性目線からはじまる。「どうにでもなれ」って本気で思うこともあるけど、何日かしたらなんであの時あんなに悲観的だったんだろうって思う。どんな辛い出来事も何かしらのきっかけがあれば、きっかけが無くても時間がたてば、思い出話になる、そんなことを考えた。
2投稿日: 2021.10.31
powered by ブクログ島本理生があるエッセーでこの本を絶賛(泣けたと)していて、作家が作家の作品を素直に絶賛するのってどんな作品なのかなと読んでみました。 別に泣きたいわけではなかったけれど、とにかく。 よしもとばなな作品は多分初めて、さすがに(なにが?)言葉を大事にする作家さんだなとまず思いました。 丁寧です、全般的に。 短編で、すべて恋愛がモチーフです。 それも不幸な境遇だったり、辛い恋愛だったり、でもそれが可哀想とか悲しいとかあまり感じなくてさらっと描かれていて、なんだか不思議な作風です。 その不幸な境遇やつらい恋愛も普通に書いたら、ありがちな通俗的な小説になるところを、その不思議な文体?で、不思議に仕上がっています。 よしもとばななさん、不思議な人なのかな。 残念ながら私は泣けなかったけど、いい作品に出会えたと思います。
1投稿日: 2021.10.10
powered by ブクログ2021.10.1 読了 よしもとばなな作品の初読み。 「日常の宝物」をテーマとして感じた。 人に喋らないけど感じることは皆違うし、それぞれ儚かったりする大切なものがあるよなーと柔らかい感情になった。 あとがきにもあったが、作品というよりは私小説に近い。 今後もよしもとばななの作品から価値観を広げていけたらと思う。
1投稿日: 2021.10.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
p12「子供が転べば、「ああ、転んじゃった」という顔をするし、それを親が抱き上げれば「よかったなあ」という表情になる。そういう素直な感覚はとにかく親から絶対的に大切な何かをもらっている人の特徴なのだ。」 p12「平和で、お金もあって、時間もあれば誰でも人は優しくなれるでしょう?」 p41「帰る家があるのに、愛されているのに淋しい 、それが若さというものかもね。」 p213「いい環境にいることを、恥じることはないよ。武器にしたほうがいいんだよ。もう持っているものなんだから。」 p215「今回のことで自分を情けなく思ったり嫌いになりそうなことはあっても、これまでの人生を否定する気はないもん。」 p232「それは、彼が私にこびているのではなくて、彼がそういうことを当然だと思っている品のいい人だったからだ。」 「うわ、こういう感覚持ってる人好き!」って人が全部の話にいました。
1投稿日: 2021.09.26
powered by ブクログ「デッドエンドの思い出」と「あったかくなんかない」が印象にのこった。 どの短編集もどこで話が終わってもおかしくない感じの雰囲気でなんか不思議だった。
1投稿日: 2021.08.27
powered by ブクログ久しぶりに読んだ吉本ばななの作品。 良くも悪くもも吉本ばななの作品だなーという感じ。やけに生々しいのに、なぜかあたたかい感じで優しい。主人公がどの話も淡々としてるからだろうか。こー感情がないと言うか感情の振り幅が極端に少ないいつもおんなじトーンの女の人なので、 なんか違うお話なのに、同じ話の続きを読んでる気がする。 男の人も同じ感じなんだよなぁ。 でもたまに無性に読みたくなる。
1投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログひたすらに切なくて尊い短篇集 切なくて涙が出たりするのに読んだ後は多幸感が押し寄せてくるという不思議体験をした
1投稿日: 2021.08.03
powered by ブクログ2004年本屋大賞7位 幽霊の家 「おかあさーん!」 あったかくなんかない ともちゃんの幸せ デッドエンドの思い出 あったかくなんかないが一番好きだったかな。
1投稿日: 2021.08.01
powered by ブクログあとがきでばななさんは、とっても悲しいお話たちと言っていたけど、私にはとても優しくてあたたかいお話と思えた。どんな絶望を経験しても、人と人とのつながりでいくらでもまたやり直せるのかもと感じさせてくれたお話たちでした。 最初と表題のお話が好き。なんとなくどの登場人物もどこかですれ違っていたり同じ世界で暮らしていそうな雰囲気が良かった。
1投稿日: 2021.08.01
powered by ブクログ「幽霊の家」が一番好き。 でも一番印象的だったのは、「おかあさーん!」の自分がいない風景を想像したところ。自分も想像して、思わず涙が出てきた。 装丁がすてき。
1投稿日: 2021.07.13
powered by ブクログ幽霊の家というタイトルに似あわず、ほっこりする内容でした。当てはまるようなシチュエーションや男女の動く気持ちが印象に残る作品です。学生時代の誰にも言ってない思い出を表したような作品で読む思い当たることがあるかな?という感じが好きです。
1投稿日: 2021.07.07
powered by ブクログ2021.5.28 よかったなー。最初の「幽霊の家」で世界観に惹きつけられて、最後の「デッドエンドの思い出」まですらすらと。そうやなあたしかに、と、登場人物たちの言葉を読みながらうんうん、と。 あまり読んでこなかったばななさん、この本は本屋さんで平積みにされていて表紙とタイトルに惹かれてたまたま手に取った。こういう出会いがあるからやっぱり本屋さんが好き。
2投稿日: 2021.05.28
powered by ブクログ実際に直面したら引きちぎれそうなくらい辛いだろうことでも、あまり悲壮感が漂うことなく、淡々として軽やか。 自分のこと、周りで起こることに対して、一歩引いて認めている感じがする、よしもとばななの本に出てくる人たちは。
1投稿日: 2021.03.18
powered by ブクログ2021/02/21 よしもとばななさんの本は書店でよく見かけていたのですが、たまたまこの人の本を紹介してもらう機会があって読んでみました。 決してハッピーエンドとは言えない大人の恋愛?についての4つの話があって、それぞれにどこかダークな部分を感じる内容な気がしました。 社会人になって働くと何かと恋愛にも往々にして仕事の影響が出てくるものだと思いますが、そことどう折り合いをつけていくかって大切何だなーと思います。 次のステップに行こうとすればするほど現実もそこに大きく立ちはだかってきたりして、中学、高校、大学とかの時の恋愛って余計なこと考えてなくて、一緒にいられれば楽しいとか、一緒に何かできればそれでいいとか言いがちだけど、人間そうもいかないんだな…という現実をやんわりと見せつけられてような気がしました。 大人の恋愛って大変なんだなぁと思ってしまった自分はまだまだ精神的に子どもなんだとも思います笑
1投稿日: 2021.02.21
powered by ブクログ元には戻らないんだろうな、ということが元に戻ったり戻らなかったり、先が読めないから人生はおもしろいのですか
1投稿日: 2021.02.20
powered by ブクログずっと美しい装丁が気になっていたんです。 どのお話もその印象の通りでした。 それにしても、自分でも意識できていない、重い暗い気分や感情を言葉にするのが本当に上手な方ですよね。でも最後には前向きでキラキラしていて、自分のことが好きなにれそうな、そんなお話たちでした。『あったかくなんかない』だけは少し違いましたが。 表題作に登場する西山君の、「相手が君の人生からはじき出されたと思えばいい」というセリフはなんだか元気が出ました。
9投稿日: 2021.02.19
powered by ブクログこの本を書いてて辛い気持ちになった、ってこんな浅い気持ちで?マジで? 精神医学と正反対なことをドヤ顔で書き散らしている。 恵まれて育ってきた人は違うなあ。 人間、自分の想像できること以上のことって書けないんだな、やっぱり。 ていうか幼い頃の夢を見たくらいで幼少期のトラウマと確執が浄化されて全て大丈夫!になるわけがない。 そんなんで解決されるわけもなく、根深い絶望と虚無感が一生ついて纏う。それと向き合うことの辛さがひとつも描かれていない。 心が綺麗で恵まれた人が心が不健康な人を想像だけで書いた文書、って感じだわ。 結局結婚して全てハッピーエンドで〜す!みたいなのばっかりだし、合わなかったな〜ばなな。 この本を好きだ!って言える人はきっと恵まれた人生を送ってきた人だと思います。
0投稿日: 2021.02.19
powered by ブクログ中学の頃古本屋で買って、大学生になるまで積ん読にしてました。 読み終わったときの読了感がすごくて自分でもびっくりしました。やなことあっても、小さくても、幸せはあると思い出せる本です。 表題作の「デッドエンドの思い出亅の登場人物のある言葉が、何故だが物凄く強く胸に届きました。 あとがきを読んでみて、妙に納得しましたが、作者の熱量が、そのままに届いた感じがしました。 きっと大学に入ってから読むべきだったのだと、積ん読期間に悔い無しです笑
2投稿日: 2021.02.09
powered by ブクログ切ない短編小説。 デッドエンドの思い出は、再生の物語。 起きてしまったことは戻らないけど、明日はあるね、確かに。そう思ったのでした。
1投稿日: 2021.01.22
powered by ブクログ人生には辛いことや悲しいことがたくさんあって、人によってその感じ方や大きさは違うこと、またどんな状況であっても、幸せを感じることはその気になればいくらでもできるんだなあということを感じた。
1投稿日: 2020.12.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
5編の短編。 幼少の頃からの心の傷、大人になってからの心の傷、傷ついた心にすっと入ってくる小さな温かい幸せ、の話かな? 高評価で人気の本なんですが、私には共感も感動も、ましてや泣くこともなく…(^_^;)。 恐らく、それだけ今までとても幸せに生きてきているということなのだろうか、とか思ってしまいました。自分でも分かりません…。
0投稿日: 2020.12.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
娘さんが障害を越えて、恋人と結ばれるストーリーが多い。恋人の8年間のフランス留学、毒物カレー事件、好きな中年男性に恋人がいた、などをクリアして結ばれる。 「あったかくなんかない」では、幼い仲良しの男児が無理心中に巻き込まれて亡くなるけれども、幸せだった時を回想して結末となる。表題作「デッドエンドの思い出」は失恋物語だけれど、周囲に親切にされて、爽やかな光景で括られている。
1投稿日: 2020.11.24
powered by ブクログ出てくるフレーズがやさしくて、大切にすくいあげたくなる。何度も何度も読んでいます。 『幽霊の家』まちの素敵な洋食屋さんの娘せっちゃんと人気のロールケーキ屋さんの息子岩倉くんのお話。将来なんてわからないけど、このままじゃだめだとかよくわからないもやもやした気持ちになったときに読みたい本。自分の中の「いいもの」を育てたい。せっちゃんと岩倉くんは全然ちがうけど、ふたりともの考え方、やり方がとてもすきだった。ほわあってした幸せと確かな日常、さすがよしもとばなな。大好きなお話。わたしも、こういうしあわせを集めていきたい。 『たとえば公園を歩くと、風に木がざわざわ揺れて、光も揺れる。そうすると彼は目を細めて、「いいなあ」という顔をする。子供が転べば、「ああ、転んじゃった」という顔をするし、それを親が抱き上げれば「よかったなあ」という表情になる。そういう素直な感覚はとにかく親から絶対的に大切な何かをもらっている人の特徴なのだ。』
3投稿日: 2020.10.31
powered by ブクログよしもとばななさんの「キッチン」が素晴らしくて違う本も読んでみようとこの本を手にしました。 どの作品も切なさ悲しさを感じる短編ストーリーだけれど、読後感は温かい気持ちにさせてくれる作品ばかりでした。 ばななさんの言葉の選び方が細やかで、情景を思い描きやすいですね。
1投稿日: 2020.10.19
powered by ブクログ再読。初めて読んだときのことはすでに覚えておらず新鮮だった。 死が絡む話ばかりだが、決して暗い悲しいばかりではない。
1投稿日: 2020.10.19
powered by ブクログ最近本を読むから感受性が高まっているのかな。 言葉一つ一つがじんわりと染みて、切ないんだけども温かい気持ちになれる。 別れの切なさより、誰かに惹きつけられたその瞬間が輝かしく温かい。 後に別れることになったとしても、不幸と捉えず、その場面を心の奥に仕舞って前を向いて歩いていくんだな。
6投稿日: 2020.10.16
powered by ブクログ短編集。よしもとさんの描く切なく暖かく、弱さと強さをきちんともった人間たちがとてもすき。心が弱っていたら泣いてしまうような作品ばかりだけど、読後感はとてもすっきりする。表題作がいちばん良かった。
2投稿日: 2020.09.17
powered by ブクログどの話も、あたたかいきいろ、のようなものが かくれていた気がします。 その瞬間、瞬間に 互いに惹き付け合う人 互いに必要とする人がいて、 私たちは、その中で生きてるんだなぁ。なんて。
1投稿日: 2020.08.02
powered by ブクログ人物一人一人が独特の世界観を持っていて、それを日常に築き上げているところがとても好きです。 ばななさんの文は、物の色や形、気持ちにおいて細かく指定するような描写をなさらないので、自分に一番しっくりくる解釈が出来る所がいいです。心がじゅわ〜っとなります。 ばななさんの物語が好きな人って性格タイプはきっとINFPが多いんじゃないかな〜と思います。
1投稿日: 2020.07.23
powered by ブクログ短篇集で読み易かった。 時には切なく時には心温まるストーリー。 人生100年時代と言われているこの世の中、これから様々な困難や試練、どうしようもなく辛い境地に立たされる事もあるだろう。 けれども幸せは不意に訪れる。 それに救われて、誰かに救われてこれからも生きていくんだなと思った。
4投稿日: 2020.05.16
powered by ブクログよしもとばななさん自身も、表題作が一番好きとあとがきで書かれてましたが、わたしも表題作、デッドエンドの思い出が一番好きです。 西山くんの人柄が好きで、高梨くんはどうしようもないけれど、主人公ミミの周りの家族もみんな暖かくて好きでした。
1投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ短篇集。どれも切ない。 失って傷付いて、喪失した人間とそれを支える身近な人の存在。 幸せの定義って... 世の中には人それぞれの生き方があって、人それぞれの芯の通し方がある。 何気ない日々、側にいる人の大切さに気付かせてくれる本作。 全体を通して、心地好く優しい風を感じられました。 よしもとばななさんの作品を読むと空を見上げて、深呼吸したくなる。
1投稿日: 2020.04.19
powered by ブクログ胸がぎゅっとなるような、つらく切ないお話が詰まった短編集。 でもどのお話も、どこか優しくあたたかくて、私自身が経験したことではないのに懐かしい感じがしました。 特に『幽霊の家』『「おかあさーん!」』『あったかくなんかない』が好きです。 『「おかあさーん!」』は、インナーチャイルドを癒すお話のように感じました。 積読から選んだ文庫本。 とても好きな一冊でした。
1投稿日: 2020.04.13
powered by ブクログ(01) 5編の短編が収められており,必ず一組以上の女性と男性とが登場する.彼女ら彼らは,必ずしも恋愛的な関係にあるわけではなく,恋愛未然であったり,恋愛に非常に近い関係にあったり,時には,社会的な婚姻の関係に落ち着くのかと思わせることもある. 女性は,いつも何かトラブルを抱えている.多くは彼女の家族の過去に由来したり,また,少女期に受けた暴力と深く関わっているように描かれている.そのとき男性たちは,その彼女のトラブルや傷に対し,静かな立場で見守ることが多い.女性に主観があるため,その機に臨んだ男性たちがどのような想いでいるのかは,読者が想像するほかないが,男性たちは,なにかを想っているようでなにも想っていないのかもしれない.そのような不思議と不確かな言葉に,女たち男たちは囲まれているようであり,また逆に,その言葉が中立的であいまいであるからこそ,彼女たちは当然陥りそうな恋愛の罠から逃れているのかもしれない. 世界は,もちろん優しくて,美しくあってもよいが,たとえばカレーに入れられた毒や,暴力やレイプのある外部や他者性から,この若者たちは,どのような言葉によって自らを守りうるのだろうか.戦いに活路が見いだせない場合,守りと死への諦めが,今後,どのような退避的で非戦的な世界を持続しうるか,考えさせられる短編たちでもあった.
0投稿日: 2020.03.05
powered by ブクログよしもとばななさん初読み。ドラマチックな展開はないけれど、じんわりと心に温かい感情が流れ込んでくるような短編集だった。一つ一つのお話を読み終わった後に「ああ、好きだな」と思えたり、幸せについて考えさせられる内容だった。 個人的には「幽霊の家」がお気に入り。死んで幽霊になってしまった老夫婦がいるぼろアパートに住む岩倉くんと「私(せっちゃん)」の出会い、別れ、そして再会が描かれるお話。劇的な恋模様はなく、あっさりと進んでいくが、そのあっさりさの中にある温かさや感情の奥深さがいいギャップになっている気がする。登場人物たちも、主観的に物事を捉えているようで、冷静な客観性も備えているのが面白い。相手が自分と違うことを知っていながらも、それを否定しない優しさがあって好きだ。 幸せとは何なのか?『デッドエンドの思い出』を読むと、それはふとした瞬間に気づく、さりげない思い出なのかもしれないと思った。そのときは分からなかったかもしれないけれど、後々あの日々が幸せだったと思い出すものなのかもしれない。
3投稿日: 2020.02.13
powered by ブクログ私にとって読むと自分のまんまでがんばろって気になる本。 10年以上前当時の友人におすすめして貸してから帰ってきてないな。また読みたいな。
3投稿日: 2020.01.28
powered by ブクログどれも切ないお話。全体的に"悲しい〜どん底だけど、小さな幸せを見つけました〜"みたいなお話。 どん底でも前向きになれる、前向きにさせてくれる人たちのあったかいお話なんだろうけど… あまり共感は出来ず、読み進めるのに苦労した。
6投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログ95 お友達に勧められて読んだけど、この年末に読んでよかったな。心がしゃんとする。面白かった。 なんか切ないけど、凄く好きだった。
1投稿日: 2020.01.04
powered by ブクログ2019.12.19 【感想】 みんな大変だなあという印象 わたしには合わなかったかも… 「おかあさーん!」の文章は好き まことって名前付けるのは本当に嫌だな… 【好きな言葉・表現】 「どうして私が?どうして私だけにこんなことが?」という身を裂かれるような疑問を、今日も世界中で大勢の人が発している。(P171)
2投稿日: 2019.12.19
powered by ブクログ何回読み直しても、良い。 内側の闇が、外の光と徐々に混じっていく様な。 不思議な恍惚感のある話ばかり。 タイトルもどれも良い。 「おかあさーん!」がとても良い。 報われなくても、救われるのだ。人は。
4投稿日: 2019.10.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
出来れば辛い経験はしたくないけど、、 辛いことを経験したからこそ、 訪れたあったかさの様なものを感じた☺︎ その経験がなかったら、今の自分に 出逢えてないような どのお話も 女性は ふんわりとした中に芯があって 男性は 冷静さのなかにある優しさがあって 素敵でした。 デットエンドの思い出の西山君のセリフ 〝心の中は、どこまででも広がっていけるって ことがあるのに。人の心の中にどれだけ宝が 眠っているか、想像しようとすらしない人たち って、たくさんいるんだ。〟
4投稿日: 2019.09.18
powered by ブクログ文章がとにかく美しい。吉本ばななさんの小説を初めて読んだけれど、ストーリーよりもその情景や心情の描写に惹き込まれてしまった。また別の本もトライしてみたい。
3投稿日: 2019.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・幽霊の家 「そういう素直な感覚は、とにかく親から絶対的に大切な何かをもらっている人の特徴なのだ。」 「星の綺麗な夜で、氷のように月がとがっていた。」
3投稿日: 2019.08.26
powered by ブクログばななさんの中で、一番好きな本かもしれません。テーマや言葉がいつもより深い。涙がすぅっと出る物語もありました。
3投稿日: 2019.08.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
5つの短編ありますが、どの物語も主人公が人生の穴にすっぽりはまってしまったり、過去のトラウマを抱えていたりする状態からのスタートです。彼女たちと自分の感情が溶け合って辛くなる人もいるかもしれません。でもみんな最後には希望を見出して終わります。 大切なものを無くして落ち込んでいる人や、頑張りすぎて元気なくなっている人に読んでもらいたいです。きっと一緒に涙してすっきりできると思います。
4投稿日: 2019.08.18
powered by ブクログ大事だと思うヒト、コト、モノを、素直に大事だと思うこと。自分の人生を肯定して、丁寧に生きていきたい。 そんな事を思ったことを思い出した。 内容は忘れてたけど、「この本は定期的に読み返そう。」と思ったことは覚えてた。だから最初に手にとったんだろう。 まぁ、「TUGUMI」からファンだった私は、久しぶりにばななさんの文章を読んで、若い頃の自分を思い出し、切ない気持ちになっている。他のも読み返そう。実家に置いてきたから図書館行こう。
3投稿日: 2019.08.18
powered by ブクログ暗い小説を好んで読む自分としては、デッドエンドという割にはそこまででもないなぁという印象だった。 でも一般的な日常を送る上では、失恋も、事故に巻き込まれることも、親との離別も、身近な不幸なんだろうな。 その最悪な現実に直面してもいつかは浮上出来る日が来る。 とことん落ちればあとは上がるだけ。 どの話も、落ち込んだ主人公が周りの人間の温かさに触れ立ち直る、出会いと別れの恋愛話。 最初に書いた通り、わたし的にもっと暗い不幸が見たかった。そして謎を絡めてあーだこーだして、ハッピーエンドだかバッドエンドに持っていく小説を想像していた。 でもそれはミステリーやサスペンスになってしまうのだろう。 ありふれた日常を過ごす上で降りかかるデッドエンドは、とにかく愛に絡んだ出来事ですよ。ってやつじゃね。
2投稿日: 2019.08.05
powered by ブクログせかせかとまわっていく日常のなかに、ほっこりとした物語と、さらにはその物語の中に、せかせかとまわっていく日常では気づけない、大切な、細やかな瞬間を感じたくて、手に取った。 大切な人を改めて大切だと思わせてくれる描写と、日常的に溢れている何気ない幸せへの気づき、そして、誰かと別れることの、哀しさ。心にぽっかりと穴が空いたような。 この作品は、その穴に、すっと、優しく入ってきて、包み込んでくれるような温かさがあります。 誰かを失って、誰かと出会って、誰かの大切さに気づいて、わたしたちは生きてゆく。 やはり表題作の「デッドエンドの思い出」が一番よかったです。 一度受けたダメージから回復することって、ものすごく時間がかかることで、目を逸らしていた部分、自分の心の奥深くを見つめる作業でもある。 そうやって、心を無防備にした瞬間に、人の優しさが、ふわっと、ぐっと、入ってくる。その優しさの質量は、前と変わらないはずなのに、ダメージを受けた心には、その何倍もの質量で、入ってくる。 だんだんと満たされてゆく心が、大丈夫と思えること、今を大切にできるということ、自分を大切にできるということ。 ずっと大切にしまっていた、素直な気持ちが現れてくる。 そんな素直な気持ちで人や物と向き合っていくと、なんだか、どうにかこうにか生きていける気がしてくる。
35投稿日: 2019.06.17
powered by ブクログデッドエンドの思い出が、 少女時代のスヨン主演で映画化されていたことを知り、 懐かしくなって、 ほとんど話を覚えていなかったのもあって、 改めて読んでみた。 5作の短篇集となっており、 表題作は一番最後。 幽霊の家は、 地元の似た環境にいる二人が、 お互い惹かれ合いながら違う選択肢を選ぶけど、 最終的にはハッピーエンドになるあったかい話。 「おかあさーん!」は、 社員食堂で毒物混入被害に遭った主人公が、 退院後すぐに仕事に復帰するが、 不調を感じながら身体と心に向き合うことで、 母親からの虐待に遭った過去とも向き合って、 よかったんだと思えるように変わっていく物語。 あったかくなんかないは、 小説家の主人公の小さいときの まことくんとの思い出の話。 ともちゃんの幸せは、 お父さんが不倫をして離れていった経験から、 自分はあったかいもののほうを大切にする 男の人を捜そうと心に刻み、 ずっと好きだった三沢さんが 振り向いてくれそうになる話。 デッドエンドの思い出は、 婚約者に裏切られ、 もとの暮らしをまた始めるなんてできない気持ちから、 おじさんのお店の二階に置いてもらうことになり、 雇われ店長の西山君の人の良さに救われながら、 気持ちの整理をして実家に帰るまでの物語。 以上
2投稿日: 2019.05.23
powered by ブクログ表題作、デッドエンドの思い出がとても良かった。 後味の良いお話で思い詰めてる人に読んでもらいたい。 悲しみを乗り越えての平凡が素敵な事を教えてくれる1冊です。
3投稿日: 2019.05.02
powered by ブクログ再読。 どの作品もしみじみよかった。 これを書けたので小説家になれてよかった、 とのあとがきに、なるほどなと納得。
3投稿日: 2019.04.01
powered by ブクログ泣けるというレビューをよく見かけたので泣く気満々だったのに、全く泣けませんでした。 短編集なので大きな盛り上がりもないし、淡々と冷静に語る自分かっこいいみたいな自己陶酔系の日記を読んでいるような感覚。
0投稿日: 2019.03.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スピードスケートの小平奈緒さんおすすめの本。 吉本ばななを読むのは15年ぶりくらいかな。 普段ミステリーばかり読んでいるので、こういったゆったり時間が流れる小説は久々で新鮮だった。 淡い恋愛がテーマの短編集。性描写も出てくる。奈緒さん、これ読んだのかぁーと思うとちょっと焦ったが。
2投稿日: 2019.01.27
powered by ブクログよしもとばなな5冊目。星だと2.5かな。短編集だから目立ちにくいかもしれないけど、話がざっくりしている。悪い言い方だと雑。淡々と話が進むのは同氏にはよくあることだけど、発想が一段と飛躍していて、それが読者を少し置いていくような。独りよがりな作品に見受けられた。本作は、やはりというか、例に漏れず女性が主人公の物語ばかりで、男性視点が圧倒的に不足している、偏りすぎている。もうお腹いっぱい。物語のアウトラインも使い古された形だし、真新しい部分もない。
0投稿日: 2019.01.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読書好きになったきっかけの本。 「幽霊の家」の2人は最終的に結ばれたけれど、どこかに寂しさみたいなものを抱えて生きていくように感じられて、2人でその寂しさみたいなものを温めていくんだろうなぁ、と思いました。
3投稿日: 2019.01.13
powered by ブクログ切なさが苦しくて、でも痛いようにわかる 「おかあさーん!」「あったかくなんかない」「デッドエンドの思い出」がとてもよかった とにかく泣いた、、、涙で世界が歪んで読めなくなって思わず本を閉じた。
7投稿日: 2018.11.14
powered by ブクログ特に好きな2作の感想メモ。 (幽霊の家) ページをめくる楽しみがここにあった。2人の掛け合いと、妙な距離間が幽霊になってもなお生活を続ける老夫婦と重なった。人生はこんなふうに平凡でずっと予想外だろうな…。 (デッドエンドの思い出) つらいときほど、感性は敏感になって、世の中はキラキラして見えて、季節はより鮮明に輝く。この感覚はすごく納得出来た。デッドエンドが与えてくれたあのひと時が人生の嫌な思い出ではなくて、与えられたひとときの休息と成長の糧であるならばなんて素敵だろう。
3投稿日: 2018.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
残酷な記憶、どん底の気持ち、その中で見つけた不確実な幸せを描きました、という感じの短編集。よしもとばななさんの作品の中ではかなり好きな方。ところどころ臭いなあと思うことがあった(被害感情が露骨すぎる、というか。ルサンチマン的というか。)けれど基本的には読了後は温かい気持ちになれる。「おかあさーん!」が一番好きで、ボロボロ泣いた。
3投稿日: 2018.10.24
powered by ブクログ*ともちゃんには友達が少なかったが、いっしょに働いている人とか、親とか、勝っていたインコだとか、育てていたポトスだとか、ラブロマンスの映画だとか、大切にしているものが数限りなくあった。大切にしているものがきれいな輪になって周りに存在していることが、ともちゃんの人生だった。 *「幸せってどうゆう感じ?」「私はのび太くんとドラえもんを思い出すな。のび太くんの部屋のふすまの前で、ふたりは漫画を読んでいるの。にこにこしてね。そのあたりには漫画がてきとうにちらばっていて、のび太くんはふたつに折ったざぶとんにうつぶせの体勢でもたれかかって、ひじをついていて、ドラえもんはあぐらをかいて座っていて、そして漫画を読みながらどら焼きを食べているの。ふたりの関係性とか、そこが日本の中流家庭だっていうこととか、ドラえもんが居候だってことを含めて、幸せってこうゆうことだな、っていつでも思うの。」 【感想・コメント】 文章の表現の仕方も内容も大好きな大好きな本。何度も何度も読み返しています。
1投稿日: 2018.10.21
powered by ブクログ足を骨折して、病院の待合室で読み始めた一冊。そこから少し時間が経って読了。 かなしくてやさしいし、なにも押し付けてこない本。 特に表題の作品と、「おかぁさーん!」は、胸がきゅーっとなる作品。 折を見て読み返します。 心が揺れればそれは旅。 みんな生きていて、みんな傷ついて、みんな再生していく。
3投稿日: 2018.09.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「デッドエンドの思い出」 主人公が婚約者から連絡なかったからの破局。急展開で、エモい。西山君が良い感じ。涙脆いとこも
3投稿日: 2018.07.14
powered by ブクログ吉本ばななさんの物語は生と死に持っていく感じの表現は元々ちょっと苦手なんだけど、是は良かった。 幽霊の夫婦の話が面白かった。
3投稿日: 2018.05.20
powered by ブクログよしもとばななさんの短編集、切ないお話が多かったです。 表題作の『デッドエンドの思い出』は、よしもとさんが自分の作品の中でいちばん好きなものだそうで、「これが書けたので、小説家になってよかったと思います」とあとがきに記されていました。そして、私もこのお話がよしもと作品の中でも1,2を争うほど好きになりました。 あらすじは、婚約者に手ひどく裏切られた25歳のミミが、バーの雇われ店長の西山君と過ごす日々のなかで立ち直るというものでした。 主人公が同じ年代であることや、仲のよい妹がいることなど自分と重なる部分もあったからなのか、感情移入してしまいミミに起きた悲しい出来事に心が痛くなりました。 失恋というのは昨日まで自分よりも大切くらいに思っていた人が、今日からは自分とはもう一生関係のない人生を歩むことをいうのだなと思いました。 それを受け入れるのには時間がかかるのも仕方がないことで、そのどん底から立ち直るには人の数だけ方法があり、ミミの場合は西山君との生活がそれでした。 このお話には人生観にかかわってくるような文章が溢れていました。婚約者を裏切りによって失うという人生の袋小路に立たされた女性のお話なので、当然といえば当然かもしれません。 その文章のひとつひとつが魅力的で心に残るものばかりで、きっとこれから先何かあるたびに私はこの本を手に取るのだろうと思いました。
3投稿日: 2018.05.16
powered by ブクログ日常を柔らかく包み込む包容感の1冊 今日もどこかにありそうな事件、ハプニングに見舞われた主人公が地に足つけて前向きになろうとする つらい時に読んだら元気もらえそう
4投稿日: 2018.04.23
powered by ブクログ〝死〟を感じた経験を通して、気がつくことができる幸せ、決断があることを知った。 吉本ばななさんの作品は、初めてでしたが、日常の何気ない出来事を表現する言葉、選ぶ言葉がすごく好き。切ない話だったのに、読み終わったあとにはほっこり幸せになっている、そんな作品ばかり。ネガティブ思考で、日々の小さな幸せに気づけない自分にはぴったりはまりました笑。他の作品も読まなければ。
3投稿日: 2018.02.21
powered by ブクログ<感想> ずっと気になっていた「よしもとばなな」さんの作品。 作者の代表作とのことで購入、読了。 うーん、何だろうこの読後感… 切ないようで、でもちょっと何か心温まるものがあって… 今までココまで感想がまとめにくかった小説も無いように思う。 ただ、何となくもやもやするこの雰囲気がこの作品の良さでもあるように思う。 よしもとばななさんの本って、こんな感じなのかな? 個人的には「おかあさーん!」が一番印象に残った。 自分のことだけに精一杯になる主人公の気持ち、痛い程良く分かる。 辛い経験を乗り越え、ひと回り大きくなった笹原さんの気遣い。 世知辛い世の中だけれど、こういう風に他人を救おうとしてくれる人もいるのかなと、希望を持たせてくれる。 人生をもう少しのんびりと、楽しみながら進んでいって良いのだと思わせてくれる、そんな作品。 もう少し色々な経験をした後で再読したら、また感じ方が変わるかもしれない。 <印象に残った言葉> ・で、あると思うともう、したいという考えがどうにも止まらないんだけど、でも、もうすぐ日本からいなくなってしまうから、悲しくなりたくないという気持ちもあったりする。(P39、岩倉) ・思春期でまわりが恋愛一色の時も、勤めはじめてまわりが結婚一色になった時も、私はずっと自分の内面だけに没頭し、それを守ってきたような気がした。心のどこかでは、みんながうらやましかった。浮ついたことが好きな人たちは、きっと無駄にしてもいいような愛情に無頓着になってよかった人たちに違いない、と私は思っていた。(P88、松岡) ・私は子どもみたいに自分のことで頭がいっぱいで自分をまきちらしていただけだったが、会社にはいやな人がいるぶん、こうやってちゃんと人を見て、負担にならないように助けてくれようとする人もいる。あの、神経質でいつもいらいらしていた笹本さんが、死にかけて、生き返って、にこにこして優しい目で私を見ている。その私も死にかけて、運良くまだここにいて、こうしてその優しさに触れている。その全体が、何かすばらしい奇跡のように思えたのだ。(P107、松岡) ・ひさしぶりの自分の部屋はほこりっぽくて、少しのどが痛かったので、私は窓を開けて空気を入れ換えた。新鮮な空気がさあっと部屋をめぐり、暗い窓から見上げる空にはたくさんの星が輝いていた。わあ、きれいだ、と私は思った。肺の中にきれいな空気がいっぱいに入ってきて、体中が冷たく神聖な感じになった。不安な考えに満たされそうになったのは、きっと空気が悪かったせいだわ、と私は思った。(P124、松岡) <内容(「Amazon」より)> これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。――著者自らそう語る最高傑作! 「幸せってどういう感じなの?」婚約者に手ひどく裏切られた私は、子供のころ虐待を受けたと騒がれ、今は「袋小路」という飲食店で雇われ店長をしている西山君に、ふと、尋ねた……(「デッドエンドの思い出」)。 つらくて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中の宝物を蘇らせてくれる珠玉の短篇集。 ほかに「幽霊の家」「おかあさーん! 」「あったかくなんかない」「ともちゃんの幸せ」の4篇収録。つらく切ないラブストーリー集。
7投稿日: 2018.01.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とくに幽霊の家が好き。 出てくる食事も、周りの人も、みんなあたたかかくてすばらしいです。 私もあんなおじいちゃんおばあちゃんになれたら幸せなのにと思う。
3投稿日: 2017.11.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日常の何でもない瞬間に宿る幸せ、祝福のようなかけがえのない時間。そんな時間を作者独特の、優しい言葉で描く5つの短編。 ばななさんの作品に出てくる女性はいつもまっとうで、一見弱そうに見えて、実は強い。 母親に棄てられたり、いとこにレイプされたり、毒を盛られたり、婚約者に裏切られたり、大変な目にあっているのに、どの主人公もまっとうに生きているのがいいな。 そのまっとうさゆえに、辛かったり、哀しかったり、傷ついたりするのだけれど、生きていくうえで大切な瞬間に気づき、未来へ希望をつなぐ感じが心地良い。 哀しみや辛さから目を逸らさず、自分の中に落とし込み、そうして前に向かって進んでいく彼女らをみると、静かな力が湧いてくるのだ。
3投稿日: 2017.10.06
powered by ブクログ恋愛に関する5つの小品集。 いずれも、恋する相手だけでなく、周りでなにげなく支えてくれている人々がよく描写されていて、人間というのはこんな関係性がないと生きていけないのではないかと改めて感じさせてくれる作品だった。
1投稿日: 2017.10.01
powered by ブクログ「人の気配が、照らしてるんだよ。きっと。だからうらやましく思ったり、帰りたいと思うんじゃないかなあ。」 (まことくん) ずっと積読だった本。 “幽霊の家”の雰囲気が好き。
2投稿日: 2017.09.19
powered by ブクログ久しぶりに小説を読んで泣きました。 いくつかの物語があって、その全ての人たちが大切にしてるものがあって、それがすごく好きで好きで、心に染みて、その全てで泣いてしまったけど、デッドエンドの思い出はちょっと別でした。 細かい設定とか重さは違えども、ミミちゃんがあたしと少し重なって、心ですごく応援しながら、納得しながら、共感しながら、暖かく想いながら読みました。 心の中にある宝石。 見失うし、自信なんてすぐに無くなるし、自分自身が大切にしないといけないのに、すぐ出来なくなっちゃって、曇ってしまう。 だからやっぱり人はヒトリだけども、ヒトリでは生きていけなくて、だからこそ全部が大切で丁寧に生きていかなければならないのだろうな。 すぐに忘れてしまうのだけど、忘れずにいたいと思います。
6投稿日: 2017.09.17
powered by ブクログ2017/9/13読了。 甘酸っぱい。 私が通過し、後ろに見えたものがキラキラと輝いてる そんな感じ。
2投稿日: 2017.09.14
powered by ブクログすぐに読み終わってしまうくらい面白かった。中学生か小学生くらいに図書館で読んだ本で、この表紙を見たときに懐かしく思い購入した。けれど「こんな内容だったっけ?」と思い出せないくらい新鮮な感じがした。 とても静かで繊細な流れの中で、「せい(性、生)」を見つめる物語。淡い物語の中で、ふと引き付けられる瞬間が多かった。2017.5.28
2投稿日: 2017.05.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ばななさんの文体はびっくりするくらいあっさりとしているため、すぐに読める。内容も、へんに物語としてたてようとせずに主人公のモノローグに重きを置いてる感じで、無理がないなあと思った。今回の話は、いずれも男女と喪失にまつわる話で、わたしは最初と最後の話が気に入った。 幽霊の夫婦の描写は、読んでいて優しいきもちにさせてくれる。「暮らし」をしてみたいなあ、という、すごーい健全なところまで気分を引き上げてくれる力のある話だったと思う。あと、最後の話は、傷ついた主人公と居候先のバーテンの男の子の、つかずはなれずの関係がすごくよかった。
3投稿日: 2017.05.08
powered by ブクログよしもとばななの本を読むなんて久しぶり。でも、この本は前からすてきな表紙だなと思っていた。金色のイチョウの葉に囲まれてはしゃぐ子どもたち……って思っていたんだけど、これって合成写真? 表紙の写真と中に収められている4編の小説とは何の関係もない。自分のことをよく見つめるている女の子たちが主人公。出てくる彼氏がみんないい感じ。いわゆるマッチョな男らしさとは違うし、彼女をふっちゃったりもするんだけど誠実な感じ。現実世界にはあまり生息してない気もするけど、吉本ばななのような作家の小説には、こういう上質な男の子がよく出てくる気がする。
3投稿日: 2017.03.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文章だけで、冬の朝に二度寝をした時に感じる布団の暖かさみたいな、安心感のある感じを、なんで出せちゃうんだろう。 すごい。 個人的に一番感動したのは、ある物語の中で、母親による虐待という過去を経験した主人公がその過去とは全く違う、優しい母親との素敵な過去?思い出す場面。 そんな過去は本当はなかったかもしれない。 でも、その場面は確かにあって、未だにあの頃の自分は笑っている。といった描写がある。 誰にも辛いことはある。そんな辛いこととは全然違う素敵な自分がどこかにいるかもしれない。その自分はどんな風に思ってるんだろう。その世界を作るために自分はどんな工夫や努力をしたのだろう。そんな風に思うことは辛い今を変えられる力があるんじゃないかと思う。
3投稿日: 2017.01.05
