哲学者、中島義道のヴィーン留学記。著者の個性を端的に最も良く表した著作かもしれない。私費留学生としてはかなり恵まれた環境のように思えるし、トラブルの数々は自ら招いた部分も多い。全てを疑い、問題を掘り起こし、徹底的に思索するのが哲学者なのだが、それが社会生活にも徹底している。面白いが、疲れる生き方だ。