
総合評価
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- Komaro@Corgi"powered by"
すうっと心の中に文字が入り込んでくるような感じ。 気づいたら大事にじっくり読んでいた。 なにか大切なものを失った経験が少ないからか、共感は少なかったけど、何気ない日常を大切にしている感じがとても好き。 「人々はたわいない会話がどんなに命を支えているかに無自覚すぎるのだ。」p55 こんな言葉をいつか自分や周りの人に自然に伝えられるようになりたい。
6投稿日: 2025.04.25 - arihana"powered by"
文章がきれいでとても読みやすかった。今生きてるこの日常を大事にしていかなきゃなって思える作品でした。
0投稿日: 2025.02.10 - どくだみ茶"powered by"
久しぶりに小説を読んだ。 たぶん10年ぶりに読んだ。 それがこの一冊で良かった。 日常のふとした連鎖への意味、 小さな感覚を研ぎ澄まし、 その自分の感覚を信じることの大切さ。 そんなことへの認知が爆上がりする一冊。 さすがよしもとばななさん!
0投稿日: 2025.01.08 - アワヒニビブリオバトル"powered by"
第122回アワヒニビブリオバトル テーマなしで紹介された本です。ハイブリッド開催。 2024.12.28
0投稿日: 2024.12.28 - まめ"powered by"
よしもとばななの中で一番好きなのがこの本。 どん子さんとぐり子さんの姉妹が人の気持ちに寄り添って寄り添われてそっと生きてる感じがすごく好き。 お姉さんのどん子さんは恋愛の始まるときの「息をしているだけでも楽しい」時期が大好きで、それを何度も何度も繰り返してるちょっと不思議な人なんだけど それを 「私はその思い出を全部持ってお墓に入るのが楽しみなの。老後はこれまでの彼氏をひとりひとり思い出して、ぽわんとして過ごしたいの」 ってまるで宝物のコレクションを眺めるみたいにちょっと俯瞰して見ている感じがすごくよくて、わたしもこの話を読んでから、元気で体が動くうちは楽しいこともうれしいことも悲しいことも嫌なことも、とにかくたくさん体験して覚えていて、老後にそれらを思い出して咀嚼していく生き方をしたいって思っているのよね。 考えることとか感じることって自分の中で完結するからいつどこで何をしていてもできるでしょ。 そういうのを愉しめるような人生を送りたいなって思える大切なお話です。
2投稿日: 2024.10.16 - mari"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
久々の吉本ばなな作品。 ゆる〜く時間が流れ、温かな気持ちになれる物語。重い過去にも負けず、というか逆らわず…つまずきながらも少しずつ前進しているどんぐり姉妹がたまらなく愛しくなった。 ツライ経験は人を優しくするんだと思う。私にはまだまだツライ経験が足りない。
0投稿日: 2024.05.30 - しほ"powered by"
よしもとばなな、文体から登場人物のキャラクターまで全部好き。この本をきっかけにしばらくばななフィーバーになる予感。 ◆辛い時にどう生き過ごすか よしもとばななの本からは「辛い時にどう生き過ごすか」、この選択肢の多さに気付かされることが多々。だまってじーっとやりすごしてあたふたしない。とにかく行動、自傷に近い衝動でもとにかく行動。なんか、人によってやり過ごし方は色々あるなぁと思う。 ◆妹について あと私も妹がいるから、表立って描かれてはいないけど姉の気持ちを想像してしまった。うんうん、こうやって姉って強く?逞しく?ガサツに?なっていくのよねと… 仲良い姉妹はいいね。私も末長く妹と仲良くしよう。 ◆思い出は思い出のままで ぐり子ちゃんの初恋の相手、麦くん(名前もいい)とは、夢の中でこそ会うけれど大人になってから会うことはなく、でも確かに2人の間に愛情はあった。私は綺麗な思い出を引っ掻き回して空っぽにしてしまったり、汚してしまうタイプだったので、すごくいいなと思った
0投稿日: 2024.03.06 - 凛花"powered by"
35 合わないところで、少しずつ心の中のものをすり減らしていくと、人は病気になるんだ、と思って、人の強さそして弱さに驚いた。 36 人間ってそんなにわかりやすくできていて、ごはん以外のものも毎日食べているんだ。 雰囲気とか、考え方とかそういうものまで。 61 これまでにちょっとくらいショックを受けた経験があっても、私の魂の芯が圧迫されたわけではない。 そしてちょっとくらい考え方がおかしくなっていても、こだわっていなければ、やがて傷はふさがり、幸せはどこからでもにゅるにゅる出てくる。 それは多分生命力とイコールなのだと思う。 62 何よりも自分の芯を磨いて、あたためて、優しく包んで、もう一回芯としての地位を与えることだった。 63 両親が私にはじめにいっぱいくれたきらきらしたものを、一生かけて発酵させていくことに決めた。
4投稿日: 2024.01.16 - 竹馬"powered by"
わたしも夢と現が混じり合った旅みたいな生活ができるようにする!いろんな人がくれた愛とかキラキラしたものを、一生かけて発酵させる!うらやましがらせるためじゃなくて、きれいな景色を共有するために写真を送ったりしたい!
1投稿日: 2023.11.09 - rh12"powered by"
あとがきで少し涙が出てしまった。父に最後に読んでもらった小説、のところで、お父さんが残した言葉が良くて
0投稿日: 2022.12.03 - えみちゃん"powered by"
あと、30ページぐらい残ってるけど、とりあえず感想を書きます。 なんか、ぐりちゃんは本当は心強い子なんだろうな〜ってイメージ。 恋、死が多い。衝撃の事実があったり。 私、夢占いよくするけど、こんなに夢が現実になることってあるのかなあ。
0投稿日: 2022.04.08 - 1649391番目の読書家"powered by"
吉本ばなな、言葉選びが素敵過ぎる 他の作品も読んでみたいと思った もかちゃんのラジオにこの前ゲストで出ていたとき、良い意味で陽気な普通のおばさん感があって、でも綴る文章がこんなに繊細で的確だなんて、すごく素敵な人なんだろうなあと思った。
0投稿日: 2021.12.27 - さゆ"powered by"
感性が豊かすぎてどう捉えたらいいかわからない部分もありました。でも悲しみや喜びの感情を重ねやすくて切ない気持ちに浸れる小説。
0投稿日: 2020.12.21 - 午後のカッパ"powered by"
10年程度前に書かれた本。ブログを1つの舞台として選んでいるので、その頃の感覚で読み進めれば違和感ない。小説にするのだから、ごくありふれた内容では話にならないだろうが、現実にありそうな設定の組み合わせで面白く読ませるのは流石だと素直に感じた。
0投稿日: 2020.11.23 - kanaerror"powered by"
いつもと少しだけ雰囲気のちがう、それでもやっぱり吉本ばななさんっぽい小説。 自分をみつめて生きよう、と思えた。停滞していてもいいから、生きていようと、思えた。
0投稿日: 2020.07.21 - megyu"powered by"
じんわり。ほんわか。温かい空気感。 約2年、産育休で家事育児だけやってた毎日から、仕事復帰して、こうやって合間に読書もできるようになってきた。まだまだ、頭の中は育児でいっぱいだけど、一歩ずつ自分を取り戻す作業を始めた感じ。その一歩目が、よしもとばななさんの本で良かった。もちろん、あえて、選んだんだけど。あえて選べる安心感というか。作者としての信頼感というか。私の中では、こういう心の機微のようなものの描き方はばななさんに絶大な信頼を寄せている。期待を裏切らない本だった。
0投稿日: 2020.06.29 - sugar"powered by"
まだ数冊しか読んでいませんが、よしもとばななの世界は心の奥に眠っているもやがかかった感情が引っ張られる、そんな感じがします。 「両親が私にはじめにくれたきらきらしたものを、一生かけて発酵させていくことに決めた。」 発酵、という表現がしっくりきました。
3投稿日: 2020.04.22 - 夜"powered by"
よしもとばななさんの小説を読むの結構久しぶりかも。読みやすいし染みるなぁと改めて思いました。 この本はとくに短めだしわりと平坦というか、大きな事件はあまり起きない内容で、だけど大切な人の死と多少のオカルト的な要素というばななワールドは確かに存在していて、人が死ぬ小説とかオカルト的なものは嫌いという人も多いから好き嫌いは分かれると思うけれど、それだからこそ唯一無二の世界観なのだろうか、と考えたりした。 痛いからこそ傷ついている人に優しいし、登場人物たちも当然完璧ではないから作中でもがいたり苦しんだりしていて、それを読みながら読み手も再生していける感覚があるのだと思う。 幼い頃に両親をなくした姉妹は預けられた先で苦しい思いをしながら育ち、とくに妹のぐり子は思春期に死にかけるほどのどん底を味わったのだけど、大人になった2人を見るとより闇が深そうなのは姉のどん子かもなと思う。 すべて見て感じて落ちる時は落ちる妹と比べて、姉は見えていても感じないように紛らわすような生き方をしている。すべてにおいて、予防線を張っているので、恋愛も多くするわりにいつも最後を見ていて刹那的だ。 最初妹のぐり子は自分には姉という存在が必要だと思っていたけれど、もしかしたら逆なのでは?と気づくくだりにとても頷いた。 経験から受けた対処の仕方はそれぞれだ、と思う。似たような経験をしていても、全く違う風に出てしまう。 どんぐり姉妹という相談サイトを開設して、人からのメールを受けて返信をするという日々。内容はたわいのないものから、重たいものまで様々。 感受性の強いぐり子は読んだメールから影響を受けておかしな夢を見たりもするけれど、これもまた彼女の再生のための大切な要素なのだろうと思う。 よしもとばななさんの小説には「再生」というキーワードが欠かせない。だから優しいのだと、改めて感じた。
4投稿日: 2020.02.15 - a-peanuts"powered by"
みなしごのどんぐり姉妹の不思議な話。 いつもと同じように、体を動かして働く大切さとか、夢と現実が結びつく不思議な話で展開していく。 最近のよしもとばななの本の中では、けっこう好きだった。 初恋の人に会いたくなる本。 札幌市の図書館で借りた本。
2投稿日: 2018.12.24 - jardin de lune"powered by"
これまでに読んだよしもとばななのなかで、いちばん明るく、ほのかにきらきらして、やさしい、と思った。死んだ人がそこここにいて、語り手はやや引きこもりがちなのだけれど、どこか閉じていない。文章がどこを読んでもきれいで、すうっと入ってくる。
3投稿日: 2018.09.12 - lisainu"powered by"
子供の頃に両親を亡くし、苦労したにもかかわらず、なんとなくほわんとした姉妹。タイプは違うけど、二人のバランスが好きです。 よしもとばななの世界。
2投稿日: 2017.04.29 - retoly9"powered by"
よしもとばななの作品で初めて「う〜ん、いまいち」と思ってしまったけど、あとがきを読んではっとした。本当の本編はあとがき。
0投稿日: 2017.01.13 - r1010039"powered by"
じんわり。 口にするものだけでなく、私たちはいろんなものを食べているんだということが腑に落ちる。 雰囲気や、考え方。 環境をよくしたり、空気を停滞させないようにするって大切だな。
1投稿日: 2016.09.02 - 恵賭 -keito-"powered by"
世界が自分にはどのように見えているのか、再認識したくなるような作品。 他のレビュワーさんを見ても思うけど、 思わず書き留めて置きたくなるような素敵な言葉がたくさん綴られている。 個人的に凄いなあと思うのは、風景描写なんかほとんどなく、読者のイメージに委ね、共感度合いを高めているところ。 文中に "それでも、こんな風に美しい夕方に~" とあるけれど、具体的な景色の描写はまったくない。 それぞれ読者が十人十色の夕方の風景を思い浮かべ、登場人物と自分を重ね合わせてゆく。 日記のように身近な小説、とでも言うべきか。
1投稿日: 2016.02.20 - sachiiro"powered by"
よしもとばななの世界でした。 死。 成長期の境遇がいかにその後の人生を左右するのか。 目に見えない繋がり、直感、魂。 人は動かない時と動く時を繰り返して生きている。 心が落ち込んだ時、がむしゃらに動き回るタイプと 引きこもって落ち着いて考えたいタイプとに別れることに非常に共感。 短いお話にぎゅっと詰まっていました。
1投稿日: 2015.12.30 - kayohiko"powered by"
何が起きたかよりどう感じたかが中心のような、感覚的な小説なんだけど、その言葉のあてがい方が絶妙。 起きることをそのまま受け止めること、波に抗わずちゃんと流されること、自分なりに心のけじめをつけていくことにより前にすすめることなどが表現されてて、安心できる。 そして旅に出たくなる。
1投稿日: 2015.11.15 - s-t0526"powered by"
「先がなくてもいいよ。一分でも一秒でも、いっしょにいられるだけいっしょにいよう。しっかりと暮らそう。もしそれが積み重なって一日でも二日でも多くいっしょにいられれば、それでいい。」
1投稿日: 2015.09.04 - ゆみ♥そら"powered by"
どん子とぐり子という姉妹が 両親の突然の事故死の後 親戚の家を転々とし 最後に祖父を看取ったあとに ふたりで`どんぐり姉妹´というネームで 相談サイトを開設する話。 もう少し その相談のやり取りを 読みたかったですが ばななさんのいつもながらの ゆったりとした優しい時間が流れる 物語が心地よかったです。
1投稿日: 2015.08.23 - さかな"powered by"
姉妹のお話。アンバランスなバランスが、優しい気持ちと少し寂しい気持ちを連れてくる。 2015/7/13
1投稿日: 2015.07.13 - kotobamodenai"powered by"
読んでると 悲痛ってことばが出るとしかめたくなるくらいに はいりこめます。 どんぐり姉妹は手紙をよむと、すくない文字数でしっかり感動できてお得。 よみおわっちゃった。。
1投稿日: 2015.07.06 - KEI+kay"powered by"
昔から割と好きな小説家:よしもとばななさんの作品はいくつか読んだことがあるのだけど、ちょっと違うけどなんとなくスピリチュアルな世界もあって「アムリタ」を思い出した。 『どんぐり姉妹』の世界観はまるでインディペント映画でイメージが画になるようだった。
1投稿日: 2015.05.18 - jamaicahawaii"powered by"
いつも、誰が死んでしまうところから、始まる。身近なひとを亡くしたとき、心がどうなるのか、追体験している感じがする。
1投稿日: 2015.04.25 - mikap16"powered by"
共感することがあまりにも多かった作品。 読み終わったあと、人とは違う自分の生き方に対する明るい諦めと、そのどうしようもなさに襲われた。 それでも受け入れて、ゆっくり自分らしく生きてゆこうと感じさせてくれるあたたかさがある。
1投稿日: 2015.03.22 - reader93"powered by"
どん子とぐり子という、冗談みたいな名前の姉妹の物語。誰かの役に立ちながら、自分たちの生活もそれなりに満喫している。悲しみを経験した二人の人生が最終的には良い方向に向かって良かった。
1投稿日: 2015.01.02 - meghoro"powered by"
高校時代に、好んで読んでた よしもとばなな。 最近は幻想的過ぎて 遠のいていたけど、 久しぶりに読むとやはり 表現が詩的で素敵。 傷ついた心を再生していく。 ゆっくりと前向きな作品。
1投稿日: 2014.12.16 - はながら☆"powered by"
久々にばななさん読んだ。つぐみや哀しい予感に出会った当時の衝撃を思い出すような、素晴らしい作品でした。少なくとも、わたしには、一文一文が心に響いて、読み進めるたびに微笑んだり感極まったり心臓を掴まれたりしました。よしもとばななさま、わたしの気持ちを代弁してくださって、いつもいつもありがとうございます。
1投稿日: 2014.11.10 - aoikotori"powered by"
じわ~と沁みてくる よしもとばななさんはどの作品でも言えることだけど 無意識に自分の意識が物語にスッと入っていく感覚が好き
1投稿日: 2014.11.08 - イシグロ"powered by"
やっぱり、よしもとばななさんの作品、好きだなあ。 幻想的なのに現実を生きていて、誰とも分かち合えない悲しさや寂しさをちゃんと抱えている、そして現実をしっかり見据えて深く考えながら、日々を過ごしている。そんな感じ。 「ハゴロモ」と似ているな、と思いました。あのしんとしていて優しくて少しずきっとするような感じ、とても似ている。でもどちらもちゃんと違う物語で、すてきな言葉や思考がいっぱい散りばめられています。何度も何度も、じっくり読みたくなる言葉たち。 本文36頁「人間って(略)ごはん以外のものも毎日食べているんだ。雰囲気とか、考え方とかそういうものまで」この文章が特に好き。
2投稿日: 2014.10.24 - きら"powered by"
読みやすいけどなんだか今の私にはちょっとしっくりこなかった。どちらかというと妹じゃなく姉に感覚が近いから、妹視点だったのが原因なのかなあ。でもやっぱりばななさんの書く食べ物の描写が好きでお腹がすきました。
0投稿日: 2014.09.23 - fumiyan"powered by"
よしもとばななさま、はじめましてでした。 うん、よかった。 薄かったし、すらすら読んだけど その中で、気持ちがどんどん 濃くなっていく感覚があったのだ。 うん、よかったよ。
1投稿日: 2014.06.24 - rissyunn3773"powered by"
人の生き方の多様性をいつでも優しく描くばななさん。いいんだよ、いいんだよ、自分のままで、いつまでも ね って言ってもらっているようで 自分にも人にも優しくなれる気がします。
1投稿日: 2014.06.20 - ますく555"powered by"
小さい頃に両親を失ったどん子とぐり子が、 WEBに、メールの返事をする、他愛のないやりとりがテーマのサイトを作るお話。 わりとふんわりとしていて、 もちろん、ばななさんらしい切なさも混じっている小説。 日々、生活する中で、そのスピード感に合わせて、 擦り減っていったり、破壊されていったり、異次元に葬られたりする、 でも、実は大事な他愛のない会話やこころごとに支えられている、こころの部分。 それって生きていくうえでの、その人の豊かさに関係している。 気の利いた冗談やウィットに富んだ話ができるわけじゃなくても、 その人の心の中に息づくいろいろなきらきらしていたりどろどろしていたりする記憶が、 その人自身の厚みを作りだしていて、それが豊かさだったりする。 何も書かないでテレビにもでないで、まったく世に出なかった人が、 その内面にいろいろ宿したまま旅立っていくことだって、美しいじゃないかと 著者は本書の中で言っています。 美しさ、豊かさのそういう捉え方って僕は好きですし、 本書を読んだがために本書から言葉を得て「僕もそう思ってた!」と言えるのですが、 とても共感できるところが多かったです。 集合無意識なのでしょうか、そういうものを描写するところもありましたが、 それってきっとユングと考えを一にするイメージがあるからなのかもしれないです。 よしもとさんは河合隼雄さんとも対談されてましたし。 心が、生活に触れている感覚器であるところが、 じゅわーっと充電できるような作品です。 共通して「教育」や「推薦図書」についての訊いていますが、 そのインタビュイーに合わせた質問を多数していて、彼らの専門の世界が垣間見られます。 とくに、トム・レイトンさんのいるインターネットの裏側の話は、 まるで詳細に聞いたことが無かったので、とても興味深かったです。 数学にとことん強くて才能もあれば、アカマイ社に入ってネットの裏側で頑張りたかったかもしれない。 また、同じような質問に対しても、答えが人によって違ったりもして、 各々が自分なりの答えを持っているわけで、 正解が世界に転がっているわけでもないのだよな、 ということを改めて感じさせられました。 チョムスキーさんの章では、アメリカがやってきた、 権力を維持するための支配的で利己的な行動についての言及があって、 そういうのを歯に衣着せぬ言いようで言い放つ彼の正義感と勇気には、 それによって逆に、そんなことは露知らない、 あるいは知っていても、臆病さゆえにそれを隠す現代人は 牙の抜けた虎のようになってしまっていることを 感じさせられました。 ほんとねぇ、毒づいてしまうけれども、 個人の知的探究心や好奇心が弱まり、エンタテイメントの享受などにばかり走って、 肉体的には肥満でっていう国民が増えているアメリカや日本を 俯瞰的に眺めてみるとどうですか。 家畜だって思えてしまうきらいはないでしょうか。 僕もとりあえずは肥満を解消したいところだなぁ…。 また、あとがきで教えられましたが、 気配り上手さんがなぜ気配りにがんじがらめなのか。 それは、多くの人が個人の違いを認め合っていないのを知っているから、 ということなんですよね。 はっとしました。
1投稿日: 2014.05.30 - コンセント"powered by"
実際の世界は全て私の内面が反映されて作られているというのは、あながち嘘ではないと思う。 合わないところで、少しずつ心の中のものをすり減らしていくと、人は病気になるんだ、と思って、人の強さそして弱さに驚いた。人間ってそんなにわかりやすくできていて、ごはん以外のものも毎日食べているんだ。雰囲気とか、考え方とかそういうものまで。 姉を自分なりに助け、質素に暮らし、両親が私にはじめにいっぱいくれたきらきらしたものを、一生かけて発酵させていくことに決めた。 一歩一歩、進んでいるな、まるで、一ヵ所でぐるぐる回っているみたいに見えるけど、四季はめぐり、状況は変わり、私たちは少しずつ大人になっていっている、と思った。
1投稿日: 2014.04.13 - のぅもりぃ"powered by"
昔はベストセラーになってたけど、興味が全くなかった作家さん。でも最近良く読んでいる。そしてその世界観が好きだ。この人にしか出せない世界観と文章だな~と思った
1投稿日: 2014.03.09 - naho1128"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
人生で何度かある、外に出れない時期。ぐりちゃんみたく原因がはっきりすることはあまりないけれど、ぐりちゃんには多々共感。 今は身を低く、力をためて。そう思っていないと、やられてしまう。だれに攻撃されるでもない、自分の中の自分がずれてくるのだ。自分の中の自分がずれてくると、実際に合う人たちにその違和感が伝わる。そして人々の対応もおかしくなってくる。そこで自分が変だと思ったらおかしくなる。自分は身を低くしているだけなのだ、今はそういう時間なのだ。そういう態度をメロディを奏で続けるような軽い感じで保っていると、しだいに周囲も柔らかくなってくる。その一連の流れをよく見ていると、実際の世界は全て私の内面が反映されて作られているというのは、あながち嘘ではないと思う。P8 →塞いだときは落ち込む。人ともうまくいかない。そんな負のスパイラルに入ることってよくある。でもまずは自分がずれていることを自覚することが大事なんだな。 この世には、意味なく存在するものはない。魚だって、親だって、トラックだって、居眠りだって。でも深い意味があるっていうほどのことでもない。それらはただあるだけだ。よくも悪くもない。P23 →深い意味はないけど意味はあると認められると心が楽になるねー 合わないところで、少しずつ心の中のものをすり減らしていくと、人は病気になるんだ、と思って、人の強さそして弱さに驚いた。人間ってそんなにわかりやすくできていて、ごはん以外のものも毎日食べているんだ。雰囲気とか、考え方とかそういうものまで。P35 →素敵!そうそう、こういうことだよ、私や私の友達が感じているのは!! みんなたわいない会話を交わしたくてしかたないのに、一人暮らしでできなかったり、家族の生活時間帯がバラバラだったり、意味あることだけを話そうとして疲れていたり。人々はたわいない会話がどんなに命を支えているかに無自覚すぎるのだ。P55 →あーそうそう、たわいない会話っていいよね。。 今の私なら、もう少し明るいものを発散したりできて、おばさんたちの対応も違ったかもしれない…彼らにしたら、慈善的な気持ちでふたりを引き取り、恩返しに婿養子をもらってくれるだろうと本気で思っていた夢がつぶれてしまった上に、まるで親の敵のように家を出ていかれてしまい、親戚の手前みっともない思いをして、かなり苦々しいだろう。悪かったと思う。たまたま価値観が違っていただけで、大喜びでお見合いしてその人生をしめしめと受け入れる姉妹だってきっとこの世にはいるんだろうに。せめてっもと穏便に、私のことを思い出した時に甘い気持ちになるくらいの別れ方はできなかったものだろうか。でもそんなことを思うときはいつでももうみんな終わってしまっている。私の間抜けな人生の地図は、ずれて遅れている時計は、いつでもそんなふうだ。P83
1投稿日: 2014.02.26 - りんご"powered by"
今まで読んだのとは少し逸れた感じ。日常とか、そういうの。おねーさんの考え方が刺さって痛かった。でもきっとそうだと思う。いい感性。
1投稿日: 2013.12.15 - nekobambi"powered by"
なんだろう、今回はあんまりしっくりこなかった。短編すぎて世界に入り込むとこまでいけなかったからかな。あとキャラクターの性格がみな純粋で素直で透明感ありすぎて読み応えがなかったからかも。
1投稿日: 2013.11.07 - youkayoukayou"powered by"
ずっと続かないものを愛してる。 どん子はそれを生き急ぎ、ぐり子は座りこんで終わりを待ち続ける。 面白く皮肉な対比だけど、お互いに敬意を抱きあっていて素敵だなあと思う。 [ずっと続かないもの]に対して 戦う手段は、その最後をいつにするかということ決めるくらいだ。 最後を決めてしまうことは、 たとえカッコ良くてもどこか損をしたような気がするし、 いつかやってくるだろうと思い込み待つことは、すごく自由だけど怠惰な気もする。 私はぐり子のように奔放に終わりは待てない、 始まりと終わりの刹那的気分の中毒者になっている。 生きることも、恋も同じなんだなぁ
1投稿日: 2013.11.07 - かじや"powered by"
勧められて読んだ本。すごくしっくりしてしまった。何がいいとか悪いとかそういうことじゃない揺蕩うということ。
1投稿日: 2013.10.13 - mojae"powered by"
どん子、ぐり子ってww 能天気な両親であるなあ しかしよしもとばななの描く日常や、ふっと消えそうな心の色々を丁寧に書くのが上手だなあとおもう。慎重に型抜きをしてるみたいな気持ちにさせられる。 「初恋の瑞々しさ」、と言っちゃえばそれで済むのかもしれないけど、かみしめる気持ちとか、あえて言わないこととか、たくさんいろいろあるけど、でも麦くんのはにかんだ笑顔が頭にクリアに浮かんでくる。きっと読んだ人それぞれの麦くん像があるのではないかしら。 いつも間に合わないぐり子は間に合わなくなってから後悔する。わたしもだなあ、とおもう。そのときの苦しさはやっぱりあとになっても辛い思い出。いかに愛してくれていようとも、自分の受け取り型でまったく平行線になってしまう はーこの本も好き。
1投稿日: 2013.09.24 - momohei"powered by"
ばななさんの作品はいつもながら心をほっこりさせてくれます。凹んでいるときやテンションが低いときに読むのがいいかも。 しかし、 こんな姉妹だったらいいのになー。。 と自分の状況と比べて若干悲しくなりました。
2投稿日: 2013.09.23 - yu-honrireki"powered by"
どん子とぐり子という姉妹の話。 姉妹が仲良いのは素敵だけど そこで完結してしまうのは問題だ。 育ちにいろいろあったからこそ 他の人も加えて幸せになってほしい。 しかしまあ こんな名前だったら嫌だよね。
1投稿日: 2013.09.14 - TODAY'S BOOK"powered by"
吉本ばななは好きだけど、 巡り合わせとか、予感とか、 あまりにもそういうのがたくさんでてくると、疲れてきてしまう この作品は、 読んでてちょっと疲れてしまった
0投稿日: 2013.09.14 - reina*"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
オカルト的になってしまったよしもとばななは確かに苦手…だけど、こういう誰かが死んでもほのあかるい彼女の作品はついつい手にとってしまう。 そしてちょっとくらい考え方がおかしくなっていても、こだわってなければ、やがて傷はふさがり、幸せはどこからでもにゅるにゅる出てくる。 名文。
0投稿日: 2013.09.04 - nekox44"powered by"
よしもとばななを読んだ後の気持ちは、温泉に入っている時の気持ちに似ている そんなぼんやりした気持ちでいたら、 いままでの人生でしてきたこと、その全部のことが、今に繋がって、そして私の未来を作り出そうとしていることがひしひしを感じられて、遠い気持ちになった。 今日はブルームーン。 満月は満ちるタイミング。コップに水がたっぷり。重くて、揺れて、でもそれにとっぷり、浸かってるみたい
1投稿日: 2013.08.21 - haru24haru"powered by"
現実的なことは抜きにして、 わたしもどんぐり姉妹がいたらメールをしたい。 他愛もないことを、聞いてほしい。 吉本隆明の言葉があとがきにあった。 あたたかで寂しい言葉だ。
1投稿日: 2013.08.21 - keroruu"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
人の心の善悪の表現 悪と思ってしまうことを切り捨てない優しい目 人生はさくさくと進んで行く様子にしみじみ そんなばななワールド炸裂 でもね、ばななさんの判断の自信というか ちょっと、そこまで自信持てないなぁと思う部分もあり 少し離れて対岸で読んでいるような気持ち 読書って、その本、その本で、色々な発見があるね そして、場所だけでなく、心のあり方も たくさんの旅に出ているような気持ちの幸せ
1投稿日: 2013.08.20 - 木村まろう"powered by"
中の装幀がすごく好き。 文庫本でこういう工夫がされていると、本への愛情みたいなものが感じられて、すごく愛おしくなる。 よしもとさんの作り出す世界の中で生きられたらいいのになあ。
1投稿日: 2013.08.11 - 萵苣(chisya)"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
静かで時折寂しくなるおはなし。 お姉ちゃんパワフルだなぁ。どことなく危ういのだけれど。 逆に危ういような妹さんの方がじんわりどっしりしてて、なんだかんだ絶妙なバランスの姉妹なのかも。
1投稿日: 2013.08.05 - claudine"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
姉が「どん子」で妹が「ぐり子」な、どんぐり姉妹。 姉はライターで、妹は半引きこもり。 そんな二人は、「どんぐり姉妹」というサイトで、なんていうことはないメールのやり取りの相手をする、という仕事をしています。 姉妹は、かなり波乱万丈な人生を歩んできたのですが、何と言うか、歪まず、まっすぐに生きている、という感じがします。 相変わらず、よしもとばななさんの書く文章は凄いです。 この小説の中で一番好きで、どきっとしたのは、初恋の人との思い出の場所に、再び立った時の、「生き物としてまだ生々しい年齢の私たちは全身で相手を求めていて、得られず、欲望ときれいな気持ちは奇妙なあたたかさで混じり合い、見る景色全部に溶けていった。」という文です。
2投稿日: 2013.07.30 - 葉明"powered by"
文庫化したので再読。 以前、読んだ時はぼんやりとした話だと思ったが、 自分自身、父が亡くなるのではないかという体験をした今、 ぐり子の壊れ具合がちょっと分かる。 もちろん両親を失ったどんぐり姉妹の歩んだ人生を思えば、 軽々と共感はできないし、 あそこまで極端に壊れてしまうと共感のしようもないけれども、 人や世界とつながることはとてもパワーがいるから、 パワー欠如でフェードアウトしてしまうのは分かる。 そんなぐり子も、不思議なメールの仕事を始めることで もう一度世界とのつながりを確信する。 自分と直接つながっていなくても、 自分の行いが誰かと、その誰かとつながるさらに別の誰かと。 やっぱり時間は偉大な特効薬なのだなと思う。 父隆明が最後に読んだ娘の作品だというが、 このまま書き続けろといったというのだから、 娘であるばなな女史はうれしかったのではないだろうか。 いや、むしろ父のほうが娘のことを誇らしく思ったのかなぁ?
2投稿日: 2013.07.28