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帰還 ゲド戦記4
帰還 ゲド戦記4
アーシュラ・K.ル=グウィン、清水真砂子/岩波書店
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総合評価

28件)
3.9
6
12
7
1
0
  • はなちゃんのアイコン
    はなちゃん
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    私には普通に面白かった。 当時ゲドのことで評価が別れたようだが。 やはり三巻で力を使い果たしたよね、ゲド。 テヌーはこわれた腕輪の時も感じたが、感情が乱高下するのは今回も一緒。 ジブリのゲドででてくるテルーが出てきたけど、ジブリとルグウィンの作品は全くの別物と思った方が楽しめると思う。 テルーが最後どうなるのかが気になる。

    0
    投稿日: 2025.06.08
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    ミラク
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もやもやしたものが残ってしまった。テナーの立場が元々『高位(男の姿がない世界)』だったから、元の地位だったらこうではないのにみたいなものにも見えてしまう。つまり『自分が女性だから不当に扱われている』ではなくて、『自分は高位であるはずなのに、相手(男)が不当に扱ってくる』という対立っぽく見えちゃうんだよな。 では、子どものテルーの立場はどうかと言えば、男たちが執着する必要性がわからない。 この世界設定とテルーの設定と物語のテーマがいまいち合致せず、モヤっとしたものしか残らなかった。個別に見たら素敵だという事はわかるのだけど、合わせると微妙にあちこちズレてるような感じがする。 それとも私が感じた『物語のテーマ(女子供の苦しみと男たちの苦しみ)』は間違っていて、単に『物語(世界観)を楽しむ』に全振りしたらよかったのだろうか。 ゲド戦記を楽しみにしていただけに、世界観に没頭して楽しむことも、物語に惹かれることも、テーマに感動することも出来ない自分にがっかりし続けてる。 キャラクターが魅力的かと言われても、うーん。これというエピソードが見当たらない。設定が強烈で、設定だけで押してる感じがする。テナーに至っては『普通の女になるために努力した』となっているけど、それは『全てを持ったものの特権』でしかなくて、共感しずらいんだよな。こういうの全部もやんとする。 そして、最初の方は『貧しい人たち』『持たざる人たち』への視線が差別的で、読んでて辛くなってしまった。テナーの特権性がよくわかる。『短気で、無知で、陰険で、みだら』54-55pとコケばばに対して書いてある。これが、最後の方は体調が悪いと聞いたら駆けつけるくらいには仲良くなるのだから不思議だ。 物語は、火の中に放り込まれたテルーをテナーが育てる話。色々あって最後にはテルーは竜であるカレシンから「わが娘」と言われるのをテナーとゲドは聞く。 テルーはゲドとテナーを父母として、今は人間として生きることを決める。 ごちそうさまでした。

    0
    投稿日: 2025.06.06
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    sonica00
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    一巻を若かりし頃に読んで、これもしばらくしてから読んで、今、人生を一周した初老の女性のものがたりを同世代の視点で読む。読書はいつ読むかも大事で、面白いなあと思う。 大賢人だった過去をもつおじさんのゲドも愛おしい。 テルーの傷も、己と重なる。 続きも楽しみ。

    0
    投稿日: 2023.11.22
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    下山はじむ
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ル・グウィンが16年もたっているのに続編を出す決心をした理由を、映画ゲド戦記の宣伝用冊子「ゲドを読む」の中で文化人類学者の中沢新一さんは、こんなふうに語っています。 『当時のフェミニズムは、男性が持っている力の領域に女性が参与して、その力を自分たちに取り入れていくという考えが広がっていました。そこで大学教授になろう、経営者になろう、アーティストとして自活しようという女性たちが出てきました。家庭でも男性に従属しない人間になって、しかも母親としても伝統的なあり方を否定していこうという風潮も強かった。そういうフェミニズム思想がアメリカで盛り上がってきたときに、ル・グウィンは、それに対して違和感を持ったのだと思います。前の三部作では、ベトナム戦争以前の男性中心的な白人社会の価値観をよしとせずに、黒人たちの古代の価値観による大転換をはかりました。そして今度は、フェミニズムに対して「それもちがう」と思いはじめたのだろうと思います。』 これには異論もあるでしょうが、私は、この中沢さんのコメントを「ゲド戦記」を読む前に読んでしまったので、そうゆう考え方から離れられませんが、「帰還」は少なくともファンタジーではないと思います。「帰還」は中学生の時に三巻まで読んだ人が16年後の30歳で読む大人の本ではないでしょうか? また、中沢さんの話の中には、ゲドにはモデルがいて,それはフランスのグロタンディークという天才的な数学者だというのもありました。

    0
    投稿日: 2023.10.03
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    海と青硝子
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    「さいはての島へ」から18年を経て発表された続編です。舞台はゲドが竜に乗って飛び去った直後の、故郷ゴント島。 「こわれた腕環」の後、農夫と結婚して「普通のおばさん」になったテナーと、魔法を使い果たして「普通のおじさん」になったゲドが再会します。そして、男たちから理不尽な暴力を受け、その後も付け狙われる少女テルー。ストーリーにも増して心に刺さってくるのは、現代私たちの社会にもある人権の問題です。 ラストでテルー(真の名はテハヌー)の秘密が明かされますが、物語はまだこれからだ、と暗示する終わり方ですよね。

    2
    投稿日: 2023.07.30
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    かん
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    話の中で出て来る男女の差のようなものが、女性の作者ならではだと思った。 テナーの、2巻とはまた少し違う葛藤が描かれていて印象的だった。

    0
    投稿日: 2023.02.16
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    しゅべ
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ぐっと大人向けの話に変わったなという印象。 テナーとコバとの葛藤はまさに自分自身がどこかで抱えているものだったので読んでいてしんどかった。 フェミニズムと自分自身が何者であるのかの葛藤、彼女と彼女の周りに生きる人々とのズレに考えさせられるというか、時に怒りを覚えて頁をめくるのがかなり時間がかかってしまった。 ゲドの自分自身の全てだったものを失った姿が印象的。 テハヌーのトリックがめちゃくちゃいいのに映画で全てを台無しにされていて悲しい

    0
    投稿日: 2022.11.17
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    まさき
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3巻から18年を経て刊行されたという4巻 この年月があったから書けたんだろうなぁという内容 1巻のゲド、2巻のテナー、3巻のレバンネンと、ティーンエイジャーを中心に据えてきたのとはガラリと変わり、魔法を失ったゲドと、農園の後家となったテナーの話 3巻の終わりにあったように、ゲドのこの先は誰も知らないめでたしめでたしっていうのも綺麗だけど、たぶん作者が年齢を重ねる中で、めでたしめでたしの先に思いを馳せるようになっていったんだろうなと 男女の間の超えられない差が語られる箇所が多く、女性が書いてるんだなと実感 テルーの存在はいささか突飛

    0
    投稿日: 2022.03.12
  • learnchiのアイコン
    learnchi
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    すごかった。全てをやり遂げた男と女のその後の物語だ、とまったりと読んでいたら、最終章で披露されるテルーの秘密に全部持ってかれた。

    0
    投稿日: 2022.02.26
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    あおたん
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今回も面白かった!テルー=テハヌー=竜の子、だったのねー!っていうのはゲド戦記の映画が台無しにしてくれたけど。今までの作品でも、ゲドやテナーが闇と闘う話で、人の心の闇に触れることが多かったけど、今回は根深い現代にもある闇な感じがしたな。魔法は男にしか使えないもので、女は下に見られていて。テルーが強姦され火の中に入れられたりと恐ろしい目にあったことだったり、テナーが自我に目覚めて男とは?女とは?自分の人生や役割とは?ってなるところだったり。大人向けフィクションだと思います。ゲドはついに魔法の力を失って、普通の男として生き、テナーと夫婦になり幸せを見出していきました。

    0
    投稿日: 2021.06.28
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    ゆいちゃん
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ゲドの帰還だと思っていたら ほかにもたくさんの帰還があって、とてもよかった。 歴史の影になっていたテナーの物語。 ゲドとテナーはきっと恋人になるだろうな、と思っていたので、長い時間がかかったけど本当に嬉しい。 この巻はまさにテナーと女性の物語で、 魔法を失ったゲドはふつうのおじさんになっていて寂しいけど、テナーがふつうのおばさんとして生きていた期間が知れてよかった。 世界を救っているかもしれないけど自分に逢いに来てくれない、ゲドのことなんか、待っていられなかったよね。わかるよ。なぜか待っててもらえると思っているんだ、男って。 女性では大賢人になれないということに憤り、 皿を洗えない息子に「育てかたを間違えた!」と絶望するテナーに、ここにきて親近感を感じてしまった。 これは私が大人になってから読んでよかったなと思えるところ。 最後にテルーが目覚めるところでおわる。 続きも楽しみ。

    5
    投稿日: 2020.12.22
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    あふろざむらい
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    オジオンが死ぬ。 傷ついたゲドが竜に運ばれてくる。 今回の主人公はテナーだ。彼女はすでにふたりの子どもがいる。そして、捨てられていた子どもテルーを育てている。 4巻になって、大人向けの小説になっていた。話の内容もそうだが、ひどく内省的だ。今までは、冒険があったが、今回はそれがない。日常の中での哲学的な考察が続く。 エンターテイメントは控えめで、人間として生きていくことについて熟考した小説となっている。 行きて帰りし物語という形で言うと、オジオンの家を出て自分の家庭を持ったという意味では帰還といえる。また、ゲドの帰還でもあるし、テナーの娘テルーの帰還でもある。いろいろな人物が帰還する。

    0
    投稿日: 2020.08.25
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    rakuko
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    再読。3巻を読むのに辛抱すれば4巻はグッと面白い。 そして作者の問いかけがあるばかりで、答えは読者に委ねられているので腰を据えて読まないといけない。 しかし正直、個人的には、やはりテナーにはオジオンの弟子になり、ゲドが初めての人であって欲しかったかな。特に息子に対する失望をテナーが語る場面では、こちらまで切なくなる。「愛しているがゆえの失望」だなんて、いやいや、うまく育ってくれる方がいいに決まってるじゃない。テナーは「無駄なことなどない」と言っているけれど。

    0
    投稿日: 2020.04.18
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    Chanrisa
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    このレビューはネタバレを含みます。

    性別、自由、力など現代社会にも通ずる様々な問題についてテナーやゲドとともに考えさせられた。 ゲド戦記を読むと、自分の使うことばにもっと注意を払って、そして責任を持とうと思える。 大賢人となったゲドも人間であり、弱さもあって、完璧ではない。シリーズ第2巻で自由を手に入れたテナーも、その後様々な苦しみにぶつかり、後悔がある。ゲド戦記の登場人物たちはそんな人間味に溢れている。だからこそ架空の世界の物語がこんなにも現実味を持って、私の胸を打つのだと思う。 アレンが発することば一つ一つへの信頼感、この人なら大丈夫だという安心感がすごかった。3巻の彼を思い返してみても成長が嬉しい。 そして何より驚いたのはゲドとテナーがくっつくこと(!)。シリーズ第2巻を読んだ時に、「テナー、こんなの絶対ゲドのこと好きになるでしょ!」と思いつつ、年の差や物語の主題的にそういう展開はないとも思っていたので今作でのこの展開には嬉しくも驚いた。 今回のゲドは、人間らしく、弱くもしっかりとした、男らしい男でした。

    0
    投稿日: 2020.01.16
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    teastrain
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「こわれた腕輪」のテナーとゲドが再会する話。 あの話で二人は確かに惹かれあっていたんだな、とわかる。 テナーが結婚したと知った時にどう思ったか?という話題で、ゲドは「がっかりした。」と答えている。テナーは魔法使いになるのをやめたことだと思ったみたいだけど、私は恋愛としてでは?と思った。 それから、テナーが使った食器を下げない問題で息子にがっかりしたり、ロークの魔法使いが女を大賢人にすることを考えもしない辺りにイラついたり、女性から見える世界に共感してしまった。 ゲドは魔法と冒険に夢中になれたのと対照的。

    1
    投稿日: 2019.10.18
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    mattopernatto
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3冊目のゲド戦記から16年後に発表されたゲド戦記4番目のお話。訳者の清水さんが書いているように、竜の親分カレシンに乗ってゴント島に帰ってきたゲドを迎えたのは、2巻目でゲドとともにハブナーに伝説の腕輪を持ち帰ったテナーだった。 この巻は、そのテナーが再び主人公になり、養子に迎えたテルー、そして一切の魔法を失って普通の中年男になったゲドが脇役となる。 3冊目までの冒険小説ぶりとは全く違う内容なのだが、まず驚くべきことは、この話の主人公が40過ぎの中年の未亡人だということだ。どこが少年少女向けの小説なのか。私は中年女だから、このテナーのぼやきやら疑問やらが手に取るようにわかるが、若い人にはたぶん全然ピンとこないと思う。 相変わらずの対比、物事の相対化がすごい。この巻では、対比は男と女、そして知とそれ以外のもの、いわば生活のようなもの、が相対化して現れている。明らかにフェミニズム的な観点から描かれた小説である。 女が手仕事やら様々の家事仕事、女まじない師たちが司ってきた出産や葬式などの儀式が、ここでは肯定的に、なくてはならない生活の一部として描かれている。またそれを動かしてきた女そのものへの愛も感じられる。 知の象徴であることばは、つまりことばを操るアースシーでの魔術は誰のものであるか。男が元来占有してきたことばの世界とは、また別の世界、同じように大切で尊い世界を担っているのは誰か、というのがはっきり浮き出てきた感じだ。 こういう対比を全体としてドラマ仕立てにして提示できるというのは、相当の力量だと思う。書くという技術もすごいし、またストーリー展開もテルーという謎の子供を登場させることで俄然面白くなる。 テルーは、どうやら男女やら知と生活やらの対比の世界とは違うところにいるらしい、というのは最期のほうでわかるわけだが、それから5巻目に続く展開が楽しみでしょうがないという気分になって終わるところもすごい。 それにしても、3巻までのゲドの活躍ぶりとは打って変わった、ゲドの普通の男ぶり・・・。大賢人の見る影なく、しょんぼりと生きてるところをテナーの愛に救われるというのがまたいい。これで二人は同等の人間として愛し合うことができるようになったわけだから。

    0
    投稿日: 2018.02.13
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    ている
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    なんだろう、、生き方とか、考え方とか、 たくさんのことを教えてもらった気がする。 時間置いてまた読み返したい一冊。

    0
    投稿日: 2017.05.04
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    harmonixy
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    このゲド戦記シリーズは大魔法使いの一生の中で一貫して 人間世界がもたらした視野の狭い知識と知恵と所有意識によって 自然界の調和した食物連鎖に見る営みからはみ出した 人間の強欲と対立関係が必要とする嘘と秘密による暴力と イジメ真理からなる無理心中とも言える共食い問題について 文化的な無限なるモノとして掘り下げている この自滅的問題を逆手に取ることで自分とその環境が不安恐怖に陥り 全体観を見失っているという事実を知って 自らの意識をもって自然界の真理を解き明かし 自律へ向かう集いの道を切り開けるようになっている このパラドックスこそが 無限なる全体観と有限なる部分からなる自己簡潔構造が示す この世の有り様なのだろう これは空想大冒険物語のメルヘンであると同時に 正しくリアルな知識と知恵を取り込んだ人間社会が抱える 大自然と遊離する対立と暴力の問題を取り上げた ドキュメントの要素を十分に表現してその解決策を模索している 大人にとっても最大の難問を提示し 子供と対等な立ち位置に立って正面から取り組んでいる

    0
    投稿日: 2014.11.19
  • うずまき猫のアイコン
    うずまき猫
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    やっとここまできた~!という達成感。まだあと2冊残ってるけど。 今作はテナーが語り手となったテルーのお話。 未亡人となったテナーと、親に焼き殺されかけた少女テルーの元に 魔法の力を失ったゲドが竜に乗り現れ、共に生活をはじめます。 オジオンが亡くなり、ゲドが力を失ったことにより引き起こる禍がテナーとテルーにのしかかります。 これまでゲド戦記を読んできてずっと感じていたのが、物語の世界観は壮大だけど、暗くて抑揚がないということ。 ここはそんなに細かくなくていいなと思う部分で淡々と語り続けたり 逆に、ここはもっと書いてほしい!って部分が妙にあっさりしていたりして...。 日本語に訳してあるのに言葉の壁があるような感じがありました。 で、実は3巻を読み終わったあとジブリのゲド戦記を観たんです。 そうしたらまるで霧が晴れたように、モヤモヤ解消。笑 私の中でゲドもレバンネンもテナーもテルーもようやく動き出したみたいな感覚がありました。 とはいえやっぱり原作ありきですから、原作を読まなければここにはたどり着けなかったと思います。読んでよかった。 そして改めて児童書ってなんだろう?とも思いましたね。深い。 もし中学生くらいの時に読んでいたらどうなっていたんだろうな~。

    2
    投稿日: 2013.08.27
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    asuka
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    が、それだけでは十分ではなかった、正義と真実とでは。正義と真実との先にまだ何か、隙間とも、空白とも、深淵ともいうべきものがあった。 ゲド戦記4巻目。 相変わらず完成度が高いわ~。児童書というより哲学書に近い。 地に足をつける。 女の生きかた。 距離があってこそ愛することができる肉親。 偉大な人物では手に入れられないもの「幸福」。

    0
    投稿日: 2013.08.22
  • showideのアイコン
    showide
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    ゲド戦記4。ゴント島で一人暮らすテナーは、魔法の力を使い果たしたゲドと再会し、大やけどを負った少女とともに、共同生活をする。やがて、三人は、領主の館をめぐる陰謀に巻き込まれる。

    0
    投稿日: 2013.07.30
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    shinyanagato
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    ゲド戦記四作目。 ここからは、テハヌーが主人公となる。 この作品だけは他の作品と比べて、かなり話の内容が違う印象。 テハヌーが主人公でそれを補佐するのがテルーなので、凄く 女性色が出てくる。物語の舞台が男尊女卑って感じなので それがまた不思議な感じ。

    0
    投稿日: 2012.11.09
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    ryo31103110
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    ゲド戦記の第四作。 回を重ねるごとに、どんどん暗くなっていくゲド戦記だが、この作品はマジに暗い。 親から虐待により、身も心もボロボロになった少女テルー(顔や身体の半分は醜い火傷)。虐待のおぞましい体験で心を閉ざしてしまった彼女を引き取る、魔法使いであった過去を持つテナー。 物語は、ふたりの女性を軸に、邪悪が支配しつつあるゴント島の人々を描く。 ゲドはどうしたか? もはや力をなくし、世捨て人のような存在で登場する。 暗い。。。暗すぎる。。。 この物語、宮崎二世監督が映画化したらしいが、エンターテイメント要素は0なのに、子供達を喜ばせる事ができたのか不思議。 観てないのでなんとも言えないが、アニメになるような題材ではないと思う。 ファンタジーの姿はとっているものの、この作品は人間と世界の関係を哲学的な示唆をあたえつつ、寓話的にまとめた傑作だと思う。 怪物や魔法はほとんど出てこないが、大人のためのファンタジーといった印象です。 ちなみに本屋に行くと、「子供の読み物」ってところにあったりするのだが、小学生だと読み手をかなり選ぶと思います。 大人のためのファンタジーではないでしょうか?

    1
    投稿日: 2012.01.18
  • mkosyのアイコン
    mkosy
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子どもの頃読んでいたらいろいろ考え方や生き方が変わっていたかも。 でも、おとなになった今読むからそう思うのかな。 これまでは個人の中の挫折と回復、成長を主に描いていた様に思うけど、4冊目はもっと社会からの影響みたいなものがどんどん出ていた。魔法という力の支配する価値観が揺れ動いている世界の中で、被害を受ける側、犠牲を払う側が自分の存在する意味や力を考える話。一度手に入れたものを失う人、最初から奪われ続けている人。 年をとっても面白いと思う。この先、幾度も読み返しそう。

    0
    投稿日: 2011.08.03
  • sheのアイコン
    she
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    色が違う。いままでと。 かなり大人向けだなぁ。 テナーはもともと不安定なとこがあったけど、 今回も不安定で、 でもテルーのことすごく思ってるのがわかる。 ハイタカが変わっちゃってるのが悲しくて、 テナーのいらいらもよくわかるわ。

    0
    投稿日: 2011.07.25
  • sodasodaのアイコン
    sodasoda
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    今は、多分、この巻が一番好きだな。誰も彼も弱くなっていて。弱りきっていて、寄り添ったり、そっと見守ったりしている。力とか男とか女とか不条理だとか恋だとか愛だとか・・・・呆れるほど盛りだくさん。「子どもであるということ」まで描いてる。読む側にも準備ってものが要ります。

    0
    投稿日: 2011.07.21
  • pupapupaのアイコン
    pupapupa
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     ゲド戦記の4作目。最初の3作から十数年の間を空けて執筆、出版されたものらしい。それなのに、作品の世界では時の流れをあまり感じさせず、「さいはての島へ」のすぐ続きへとなっている。  これまで、「はてみ丸」とともに多くの航海に出て、様々な島や街へと移動し続けていたゲドが、彼の故郷であるゴントというひとところにじっとしている姿が印象的だった。  大きな仕事をやりきったあとの達成感、そしてそのあとにやって来る二度ともう同じ姿には戻れないという虚しさ・・・ そんな思いがゲドから感じられた。そして少しうらやましく思った。  今作品では、幼い少女が登場する。きっと残りの2巻ではこの少女の生きる道について多少なり描かれるのだろう。未来への希望を残すことを忘れない。作者の心づかいである。

    0
    投稿日: 2011.07.19
  • harukiyaのアイコン
    harukiya
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    なかなか重かった。 魔法を使い尽くしてしまったゲドは、リタイアした仕事人間のよう。自らを巫女に祭り上げた男性社会への復讐か、なんと田舎の農民と結婚していた腕輪のテナーや、搾取され辱められ、社会の最下層の象徴のような少女テハヌー、蔑まれる魔女など、読んでてとても重苦しい気分になった。 しかし、ネタバレになるが、このテハヌーこそ竜の子であるとのラストが、ほんの少し救いだった。

    0
    投稿日: 2010.05.09