
総合評価
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- あやこ"powered by"
福井県にある海市は中・韓・ロシアのマフィアがはびこる無法地帯となっていた。 現場の警官たちは殉職していった仲間たちの仇を打つため地下組織「P」を結成し、対抗していく。 こういう系が苦手だと痛感させられた……! 物語は色んな人の視点から描かれ、序盤は点ばかりだったのが中盤から徐々にそれぞれが繋がり始めていくと景色が見え始めるんだけど、とにかく人が死にすぎ!それが苦手なんだ……。 どんな組織にも色んな側面があって、必要悪ってほんとに必要なのかと思いつつ読みました。 読了後はどっと疲れた……。
1投稿日: 2020.04.12 - qozaicbooks"powered by"
2回目。やっぱり骨太。読めば読むほどいろんな登場人物のエピソードのかけらが高密度で合体してすごい重量感になっていく。ハードボイルド?なんだろうか?打海さん独特の文体のせいか、2回目も一気読みしてしまった。骨太ハードボイルド読みたい方に一番にオススメしたい本。
0投稿日: 2019.07.07 報復の連鎖は怖ろしい
北陸の小都市が舞台。Pという警察官の地下組織に監察官が闘いを挑む。 Pは伝説を作り上げ正義感の強い警官を巻き込んでいくがその熱気は些細なことで破壊衝動と報復テロへ変わっていった。 難民流入による治安の悪化、経済の疲弊、国家とマフィアとの二重権力、キャリアと下級警官に分断された警察組織内の権力闘争。 シリアや欧米で起きていることを考えるとタイムリーな作品を読んだという感じがするがこれは15年前の小説である。 警察官が日々直面する恐怖や組織の重圧などを丁寧に書くことで何故報復の連鎖に繋がっていったのかを解明していく。 複雑なストーリーで登場人物も多く600ページの大作なので時間をかけてジックリ読むつもりでいたが想像以上に時間が掛かった。 前半は混乱して読み辛かったがこの部分を丁寧に読まないと後半の感動はなかったと思う。 ハイライトと書籍内検索を駆使して8日目で読了。感動と達成感のひと時である。 それにしても舞台上の全員が興味を失うまで終わらない報復の連鎖は怖ろしい。「復讐するは我にあり我これを報いん」という言葉の重さをあらためて感じている。
0投稿日: 2017.02.21- Bookrium"powered by"
福井県にある架空の都市を舞台に、実力行使の報復でマフィアに対抗する下級警官達のゲリラ的活動の表と裏を描いた物語。 総括するとこんな感じですが、ボリュームのある作品の中で1つの出来事が視点によって複数の意味を持ち、偽名と裏切りが多発する中で人間関係が非常に複数で、仕事の合間に読んだせいか充分に理解できなかった。 多くの登場人物が目的を達成することなく死んでいき、全体的には救われない印象でしたが、時間のある時にもう一度落ち着いて読み返してみたい。
0投稿日: 2016.10.21 - Yoshi_Navyfield"powered by"
中国・韓国・ロシア系の各マフィアが覇権争いを繰り広げる、福井県の海市を舞台に、それらマフィアと警察内の報復組織P、そして警察組織自体の抗争を描く骨太なハードボイルド小説です。 細かくカット割りされるように、何人もの登場人物の視点が切り替わって事件の進行が語られ、600ページにも及ぶ長編ながら緊迫感を持続したまま読み通すことができました。 また、これは僕が男やからかも知れませんが、出てくる女性キャラがみんな力強く、たくましく、したたかで、セクシーに描かれていると思いました。 打海文三さんは初読でしたが、積ん読も含め、他の作品も読んでみたいと思えました。
1投稿日: 2014.02.03 - umekou"powered by"
これはいい作家と出会えました。 全く伊坂幸太郎に感謝。 単行本で592Pがあっという間です。 というか一度に読んでしまいたい、読んでしまわないと理解できないんじゃないか。 そんな風に思いました。 舞台設定などからすれば村上龍の作品などとオーバーラップするところがあり、話の進め方からすれば伊坂幸太郎作品にも共通する箇所が見受けられます。 ただインパクトの強烈さは先に挙げた両者を凌駕するものを感じます。 序盤に発生した事件をきちんと把握・理解していないと度々ページを戻すことになります。 無駄な文章は一切なし。 作品の世界にのめり込んでしまい、読み終えた後はその重みでグッタリしました。
0投稿日: 2014.01.13 - tsubakiko"powered by"
硬質な文章に見合ったハードボイルドさ。ハードボイルド小説、というよりは大人のヒーローものです。男でも女でもぞわりとくるヒーローを明かそうと奮闘する話。しかしストーリーが多重構造を極めていて一回では全貌を理解しきれず…
0投稿日: 2013.12.07 - Ethan"powered by"
第5回(2003年) 大藪春彦賞受賞 架空の都市、福井県西部の海市。 大陸の動乱を逃れて大量の難民が押し寄せ、海市は中・韓・露のマフィアが覇を競う無法地帯化。 相次ぐ現場警官の殉職に業を煮やした市警の一部が地下組織を作り、警官殺しに報復するテロ組織が誕生。 警官の警官による警官のための自警団。 彼らは「P」と呼ばれた。
1投稿日: 2013.08.24 - alexx"powered by"
日本海に面した架空都市を舞台に、中・朝・露のマフィアと警官による自警団の争いを描いた純日本製ハードボイルド。 多視点の構造によりストーリーが難解になっているため、格好良いと思えるシーンを拾い出しつつ読むのが良いかと。
0投稿日: 2013.08.21 - tsukasa26"powered by"
ルカ ロシア チェコスロバキア プラハ 美術大学 福井県 海市 警察殉職率 テロル リクルート=企業などが人員を募集すること キャリア 水門愛子 小久保 P シンパ 金子酒店 斎藤淑子としこ 復讐 古田 ウェイトレス 洪考賢 長野県生まれ ベトナム人 ト・トイ 8歳の娼婦 3匹の猿 ユニット 小川隼人 敦賀市 昴18歳 妹 李 嫉妬 キム兄弟商店 鯖江市 吉雄 舞鶴市 ボーリング場 魂 馬場 放屁 恥辱 奴隷 ヒエラルヒー上下関係によって、階層的に秩序づけられたピラミッド型の組織の体系。狭義では、カトリック教会の教皇を頂点とする聖職者の位階制。広義では、中世の封建社会の身分秩序をさすが、現代では指揮・命令系統によって整序された軍隊や官僚機構についていう。位階制。身分階層制。ヒエラルキー。 ふく‐ぼく【副木】骨折した手足などを固定するためにあてがって支えるもの。添え木。
0投稿日: 2013.02.09 - りいこ"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
犯罪都市、海市。そこでうごめく犯罪組織と警察と警察の自警団。分厚い本をこれでもかと疾走する物語。物凄く、引きこまれた。これはもう、この人の本はすべて読まなければならないと思った。ほんとうに面白くて分厚さも忘れて一気に、とはいっても丸二日くらいかかった記憶があるけど、とにかく一気に読んだ。そして、読み終わった直後、著者のほかの本を物色にいった本屋のポップで著者の逝去を知った。あまりにショックで読まなければと思ったにも関わらず他の本に手を出せずに今日まで来てしまった。 だが、これは本当に面白い。そして、著者のほかの作品も読みたいと今も思っている。
1投稿日: 2011.12.17 - より"powered by"
図書館で借りました。 とりあえずこの頃は大きな活字のゆったり印刷(簡単に言うと文字が大きくて行間が広い)に慣らされている身としては本を開いて活字のみっちり詰まり具合にオオウと思いました。魍魎の函の先生が書きそうな文章だ。 面白かったのですが章ごとに視点が変わるので付いていくのに苦労しました。後、この名前確かどこかで読んだんだけどどこに出てきたっけ?と探すのに戸惑ったり。一気読みなら問題ないのでしょうが電車通勤でチマチマと読み進めるのは難しかったです。 正直難民が日本海を越えて日本に定住、そのまま外国人街を作り抗争を繰り広げるってアリかなあ…とも思ったのですが昨今都内でもとても日本と思えないような街になっているところもあるしあながち絵空事でもないのかもしれません。 コウにはまるっきり共感は出来ませんし何がしたいのか何が目的なのか読み終わってもわかりませんでした。が、確かにカッコイイオトコだった。正直ラストのエピローグは読みたくなかったかな~ あの辺りは個人的に想像するラストでも良かったのではないか、と思いました。
0投稿日: 2011.10.31 - neccolo"powered by"
日本海に面した、架空の国際犯罪多発都市の警察とマフィアをめぐるクライムノベル。 構造は難解だし、公安警察と下級警官のテロ組織とが、何重もの潜入捜査とスパイ合戦を繰り広げるので、人物相関も複雑。 しかし、それを補って余りあるのが、魅力溢れる登場人物で、特にすべてを操る孤高の黒幕には、男も女も夢中になる。 曰く、言葉、声、仕草、振る舞いにゾクッとくる色気があり、決断力と実行力は申し分なく、知性とユーモアがあり、 意表をつく行動、奔放なイマジネーション、眠らないポテンシャル。 映画化するなら大森南朋にやってほしいなあ、と当てながら読みました。
0投稿日: 2011.10.16 - myjmnbr"powered by"
こりゃノワールだ。久々に密度の濃い小説を読んだ。 プロットが複雑だし、登場人物は多い。最初は通勤中に読み始めたが、「これは集中力がいるな」と 家で読むのに切り替えた。 読み応えがあって面白かったんだけど、 なにしろ登場人物が多すぎて焦点が絞れていないため、メイン格の人物に感情移入ができず、物語としての訴求力を欠いてしまった。残念。
0投稿日: 2011.10.03 - hhhtmcnerd"powered by"
物語の密度が濃くて展開も早いのでよく覚えておかないとコレ誰だっけ…ってなる。裏切り、裏切りで先を予測させてくれない。もう一回読みたい気分にさせる小説だ。
0投稿日: 2011.10.02 - lilychocho"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
きっとこういうのをハードボイルドって言うんだと思う。 県警とマフィアと公安とキャリアと、それぞれの思惑。 警察を警察たらしめているのはただの法律。 復讐の連鎖の裏にいた魅力的な(笑)人物は…って話。 もし私が親だったら、子供には絶対に読ませないだろう本。
0投稿日: 2011.09.06 - hamukatsu"powered by"
難しかった。 作品の紹介 福井県西端の新興港湾都市・海市。大陸の動乱を逃れて大量の難民が押し寄せ、海市は中・韓・露のマフィアが覇を競う無法地帯と化した。相次ぐ現場警官の殉職に業を煮やした市警の一部が地下組織を作り、警官殺しに報復するテロ組織が誕生した。警官の警官による警官のための自警団。彼らは「P」と呼ばれた―。第5回大薮春彦賞を受賞した、著者渾身の最高傑作。
0投稿日: 2011.08.31 - mukkey"powered by"
福井県西端の新興港湾都市・海市。大陸の動乱を逃れて大量の難民が押し寄せ、海市は中・韓・露のマフィアが覇を競う無法地帯と化した。相次ぐ現場警官の殉職に業を煮やした市警の一部が地下組織を作り、警官殺しに報復するテロ組織が誕生した。警官の警官による警官のための自警団。彼らは「P」と呼ばれた―。第5回大薮春彦賞を受賞した、著者渾身の最高傑作。 「Google ブック検索」より
0投稿日: 2011.05.02 - satomusu"powered by"
うーん、時間がかかった。 登場人物が多いのと、組織と背後関係、プロットも ややこしいので何度も読み直しなから読了。 面白かったけど、いまいち腑に落ちなかった。いろいろ。
0投稿日: 2010.10.22 - loremomnia"powered by"
様々な人種が入り交じる日本海の港湾都市が舞台。警察の殉職率が高い事で匿名の警察関係者が報復を目的とした組織を作る。 この設定だけでもかなり興味を引く。 物語はマフィア、警察、警察有志の地下組織の三つを軸に進む。登場人物が多いものの、文体がドライなので読みやすい。 映像化は不可能かもしれないが、ぜひして欲しい。ケーブルテレビあたりで。
0投稿日: 2010.04.10 - kiln-175199"powered by"
読み返したくなる作品。 地方都市でのマフィアを巻き込んだ警察内部の抗争を描いた物語。 舞台が人種のるつぼとなっていて、登場人物の名前も国籍もバラバラ、ということで最初はとても読みづらいです。 しかし、キャラクターの個性がはっきりしていてスピード感があるので、視覚化しやすい描写も相まって、途中からは一気に読み進められます。 終盤の盛り上がりと、広げた話の閉じ方も見事で、読み終わってしまうのが寂しく感じられる傑作でした。
0投稿日: 2010.01.11 - ソラチ"powered by"
濃密なハードボイルド。なんで彼はあんなに魅力的なのだろう。彼に出会い魅せられたらリアルに死にそうだけど、それでもどうしようもなく惹かれてしまうような、理不尽なハードボイルドでした。
0投稿日: 2009.07.12 - 榊"powered by"
この人らしい書き方なんですが、途中何度も読むのを挫折しそうになりました(汗) 愚者シリーズの方が好きだな
0投稿日: 2009.01.06 - 蟻迷弧人"powered by"
タイトルに魅かれて購入しました。 語り手の視点が目まぐるしく転換する、とても複雑な構成になっていますが、最後まで飽かずに頁を繰らせる緻密な筆致で満たされています。 とくに架空都市・海市の微に入り細に入る描写が非常によかったです。舞台となる北陸の新興都市は、北朝鮮系の十星会・中華系の梟雄幇・ロシア系のマフィアグループが三つ巴に縄張りを競い合う非合法地帯として描かれています。街角に佇む欧亜混血の娼婦、牡丹紅酒楼、老沙事件、『日本海NEWS』など、都市生活の断片に与えられた独特の名称には、SFのサイバーパンクを彷彿とさせるネーミングセンスの妙味を感じました。ウィリアム・ギブスンの CHIBA City,コミック『AKIRA』のネオトーキョー、映画『ニルヴァーナ』の印僑街、押井守が描く美しいアジア諸都市……。SFの要素はまったくありませんが、これら異文化混交の未来都市に列なる濃密な猥雑さを分かち合っていると思います。雪国のモノトーンを強調した緊張感ある風景描写にしびれました。 断片的な証言から浮かび上がる陰謀の複雑さも圧巻です。濃密な読書時間を求めている方にはお勧めの一冊です。 追記:福田和也『地ひらく〈上〉―石原莞爾と昭和の夢』に、両大戦間のハルビンに関する論評がありました。それを読んでいてふと、「打海氏は単にエキゾチズムを醸し出すために「ハルビン」という呼称を採用したのではない」と気づきました。おそらく打海氏は、第二次大戦前の混乱した満州情勢―関東軍、中国軍、地方軍閥、ロシア軍が入り組んだ緊張関係を形成し、様々な陰謀とテロが画策・実行された―を下敷きに、想起させ、共鳴させるために、「ハルビン」という名称を用いたのでしょう。もしそうだとすると、石原莞爾等と相応する存在である作中のテロリストグループには、もっと壮大な理念を与える必要があったと思います。理念なきテロリストという設定は、ダンディズムの極北として採用されたのかもしれませんが、共鳴を意図した史実に引き比べるならば、浅薄な印象を拭い難いと思います。本作の大きな瑕瑾になってしまったのではないでしょうか。
0投稿日: 2005.08.21