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反人生
反人生
山崎ナオコーラ/集英社
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総合評価

26件)
3.4
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5
11
3
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    このレビューはネタバレを含みます。

    社会に出ない の 友だちのはずなのに、いつの間にか、社会になっちゃっていたんだね 越境と逸脱 の 友情ってものにも終わりがくるんだなあ って言葉 そう、そう、そう、、、 そうなんだよ~~~ って思った 寂しいけどそういうものなんだな。。。 時が経てばまた変わりそう

    0
    投稿日: 2024.06.14
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    山崎ナオコーラさんの作品って、良い意味で後味が悪くてクセになります。スッキリしないのに、また読んじゃうんだよなぁ

    0
    投稿日: 2024.02.22
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    表題作よりも、最後の「社会に出ない」がとても好きだった。 P.158 スマートフォンで住所を調べよう、ということを言いださないのと同じように、私たち全員が心の中で思いながら、何年も誰も言わないことがある。 それは、山崎くんがおそらく、働いていないだろう、ということだった。 大学にいるとき、山崎君は就職活動を一切していなかった。大学を出たらバンド活動をする、と言っていた。卒業後にライブが三回あって、私は三回とも聴きにいった。 しかし、そのバンドは一年ほど経つと、メンバーのひとりに子どもができて、その人が就活のために音楽をやめると言い出した、という理由で、解散してしまったらしい。その後の山崎くんの足取りを、私たちは知らない。ただ、もしも何かしらの形で音楽を続けているとしたら、連絡をくれるような気がする。だから、今は音楽活動をしていないのではないか。そして、あの山崎くんのことなので、アルバイトはもちろん、金を得るような活動はしていないのではないか。音楽活動、あるいは金を得る活動をしていない。そのせいで、私たちに会いたくなくなってしまったのではないだろうか。(略) 「山崎は、僕らからも、プレッシャーを感じるのかね」 杜屋くんが話を戻した。 「俺らは、山崎に会いたいだけなのにな。俺らは山崎に対して、どうあって欲しいとか、こうなっていて欲しいとか、そういうのはなんにもないのにな」 面長が言う。 「そうだ」 私は、ふいに気がついた。山崎くんには自信をもって自分たちに会って欲しいと思っているのに、私自身ができていない。 「ん?」 面長がこっちを見る。 「私、この前、赤ちゃんができたの。わあ、やったあ、と思ってたんだけど、しばらくしたら流産って診断されて、手術しなくちゃならなくなって…」 私は話した。 「稽留流産?」 杜屋くんが、特に驚いたふうもなく聞く。 「よく知ってるね、そんな言葉」 私は言った。 「まあ…。うちの姉にもその経験があって」 杜屋くんは言う。 「え?俺、よくわかんない。手術したってことは、おろしたってこと?」 面長はきょとんとして尋ねる。 「いや、赤ちゃんが欲しくて作って、妊娠できてすごく喜んでいたら、とても悲しいことに途中までしか育たなかった、ということ、かな?」 私は説明をしながら、面長の言葉に少し傷ついていた。稽留流産の手術は、中絶と同じような作業だ。そのことが妙に辛く感じられていた。しかし、ここまで混同されて相手に伝わるものだということは初めて知った。それでも、伝えたことに対する後悔は湧いてこなかった。よく考えたら、意思によって生まれなくなることと、生物学的な理由で生まれなくなることに、線引きの必要はない。線を引きたがっていた私はあさましかった。 「ふうん。俺にはよく理解できないけど…。それは、辛かったね」 面長は言った。 「うん。ありがとう」 私は笑った。 「それで?」 面長が言う。 「いや、あのさ、今回、杜屋くんから恒例の飲み会のお誘いメールをもらったとき、『みんなに会いたくないな』って、ちょっと思ったんだよね」 私は続けた。 「ふうん」 杜屋くんは、街路樹の葉っぱを手で弄んだ。 「あと、こういう話はしちゃいけないだろうし、顔にも出したらいけないだろうから、会うとしても頑張らないと会えないな、とか」 私は坂をとんとんと下りていく。 「なんで?それって、人に話しちゃいけないことなの?」 面長が私の隣を歩きながら尋ねる。 「うーん、『気を遣わせる』から、かな?」 私は顎に手をやった。 「まあ、気ぐらい遣わせてよ。いいんじゃねえの。みんなで生きているんだし」 面長が言う。 「うん、うん」 杜屋くんが頷く。 「亡くなった人の話をさ、『暗い話は、もう止めときましょうか』って切り上げることあるけどさ、亡くなった人の話を、もっと普通にしたい、っていう気持ち、俺あるよ」 面長は言った。 「次の赤ちゃんができてから、『実は、前に流産してしまったことがあって』と、告白する人は結構いるよね。うちの姉の話も、僕は、姪っ子が生まれたあとに、昔話として聞いたんだよ。ただ、僕は姉とかなり仲良いからさ、そのときに聞かせてもらっても、こちらとしては良かったのに、っていうかさ…。いや、本人が話したくないことなんだったら、もちろん話さないのがいいに決まっているんだけど、たんに僕を気遣って、とか、雰囲気を暗くしないように、とかっていう理由でそういう順序で話したんだとしたら…」 坂を下り切り、左に曲がろうとしながら、杜屋くんが言う。 私は、電柱柱の住所表記を指さした。 「僕さ、一度転職してるでしょ?最初の会社がしんどくて辞めたんだよ。ブラックで、辛くてさ。それで、休職中の時、嫌で辞めたからさ。それも、そのときは、『本当は、もうちょっと頑張れた。我慢が足りなかった』『残してきた同僚に悪い』とかくよくよ考えていたし」 表記を確認して頷いてから、杜屋くんが喋る。 「そういえば、一年くらい、飲み会が開催されなかった時期、あったな」 顎を掻きながら面長が呟く。 「あ、あったかも。じゃあ、杜屋くん、一年ほど、働いていない期間があったんだ?」 私は言った。 「そうなんだよ。再就職が決まって、今の会社でなんとかやれるようになってから、やっと、『みんなに会いたい』って思えたからね。だからさ、まあ、僕もなんだよ…」 杜屋くんは頷く。 「友だちのはずなのに、いつの間にか、社会になっちゃっていたんだね」 面長が、今度は耳を掻きながら、言った。 宙ぶらりんな今の私にとっても刺さる文章。私も、みんなが山崎を思うように、友達に対しては「ただ会いたいだけなのに」と思うのに、自分は一区切りついてから、とか思ってしまっている。 私たちはみんな社会の中に生きているんだなぁ。

    6
    投稿日: 2023.10.22
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    割と好きな世界観。 表題作では、主人公が淡々としているからかえって感情移入しやすかった。少し先の未来が描かれていて、こんな感じになってるのかなぁと想像できて面白い。主人公が普通に同性愛の概念を持っていて好感を持った。 サンリオはまだあるんだな。丁寧に「マイメロ」について説明されて、何か笑った。 最後の「社会に出ない」の、本気で会おうとは思っていないけど、大学のサークル仲間の家を探す感じとか、なんかリアルだなぁと思った。

    0
    投稿日: 2020.05.09
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    「ゆるいつながり」をテーマに据えた短編集。 ゆるくあろうと思っても、崩れてしまう関係もあれば、 気づくと続いている関係もある。 人と人との糸は、とても複雑だ。

    0
    投稿日: 2018.10.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文章が、綺麗だなぁ、と感じた。 友達だと思っていた人から、友達を終わりにしよう、 と言われるって、どんな気持ちになるんだろうな。 そのままだっていれるはずなのに、 終わりを選ぶのは、何故なんだろうな。 男と女だからって理由だけではなんだか割り切れない。 切ない気持ちになった。

    0
    投稿日: 2018.09.13
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    久しぶりのナオコーラは、子どもを産んで男女の友情を気にしてた。 最後の「社会に出ない」は、エッセイなのかなってくらいリアルでおもしろかった。 社会になっちゃったらつまらない部分もすごくある。

    0
    投稿日: 2018.06.26
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    鋭すぎる、と思っていた彼女の部分が少し丸くなり、読みやすくなった気がする しかし独特の感性は残ってて。これからも楽しみ

    0
    投稿日: 2018.04.12
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    彼女の作品はまだ2作くらいしか読んでないけど、これ1冊でなんとなく山崎ナオコーラ的哲学なり世界がわかるような気がしました。 この本は短編集ですが、反人生は、上品な55歳になった女性が「人生作り」には興味ないといいつつ、色々毒づいているのがおもしろい。 けっこうこういう感じの年上の女性に何度か会ったことあるかも。割といないようでよくいるタイプの人かもしれない。というか実は皆こんなようなこと考えているのかもしれないね。なんとなくシュールな感じがよかった。

    1
    投稿日: 2017.04.18
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    短編集。 特に共通点はないような気もするけど、 「他者との関わりかた」みたいなものをどのストーリーからも感じたかな。 個人的には表題作の『反人生』よりも最後の『社会に出ない』が共感できた。 社会人になってから学生時代の友達に会うのって結構複雑なところある。 自分の仕事とかプライベートが順調ならまだしも、うまくいかないことがあると会いたくないなーと思うことも確かだし。 学生時代はそれも含めて飲みながら相談したりできたけど、なんとなく弱みみたいなの見せられなくなったり。 社会人というか大人になるって大変だなあってしみじみ。 山崎くんには結局会えなかったけど、きっと会いたくない理由があるんだろうな。 それを無理やり引っ張り出すのってやっぱり違うと思うし、ラストはあんな感じで正解だなーと思った。

    0
    投稿日: 2016.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    《反人生》 「人生作りには、興味がない」 「むしろ世界を作りたい」  ヒロインの萩子は、一瞬一瞬のきらめきのために頭を使いたい、という刹那主義者。『世界の傍観者』であり、自分の物語は持たない。頭の中で生まれ、頭の中で死んでいくと思っているという。  一方、彼女の好きな人の婚約者は、『人生を作る』という目標を持つ真逆の人物。二人の結婚式をぶち壊し、はたと気づく。世界を見るだけでは済ませられず壊したり、行動したり、人生にあらがうことはできないと。  なんちゅうことを考えとるんや、ナオコーラ。そして相変わらずナオコーラの小説のタイトルは強い。 《T感覚》  母と娘の別れ。死ねば肉体は皆のものになる。  たった4ページだけど、美しい物語だ。 《越境と逸脱》  共感という意味ではこれが一番。  真面目な世界、常識から逸脱するために、男友達とつるむ。「女子会」の議題は恋愛や進路相談、内容のある話ばかりでつまらない。だから越境する。  でも、自分も社会に出て、結婚なんてしちゃったらすっかりモラリストになってるねんな。そして友だちにも変な期待をしてる。「ああ、変わったな」と。  異性に友情は成立するのか?なんてそんな単純な問いかけじゃない。友情は、形を変える。 《社会に出ない》  これもうんうん頷きながら読めた。  『みんなに会いたくないな』って思うことあるもん。そして、周りにもそんな人がたくさんいる。友だちなのに社会になってしまってるのかあ。  友だちが無職でも不妊でも明るく話してくれればなんとも思わないし、喋りたくないなら聞かないけど、いざ自分が当事者なら会わないのが一番楽って思っちゃうな。

    0
    投稿日: 2016.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夫が亡くなっても、生前だった頃の習慣を崩さない静かな生活。 バイト先の25歳の同性の早蕨に恋心を抱き マイメロ収集、ビーズ手芸 日本は何度か震災や戦争を繰り返して、 寿命も伸びた未来での萩子の日々。 早蕨がメールで萩子をわざと荻子って間違えるところが面白かった。 萩子は早蕨の結婚式をどういう風にめちゃくちゃにしたんだろう。 同じ世界に生きていながらも、 個人が感じている世界はまったく別のもの。 他短編。 T感覚、男友達をやめると別れを告げられたとき 一方的に友人関係を遮断された学生時代の友達を探して。 たしかに、友達って、恋人と比べると境界線が曖昧だもんね。 いつだって言葉にしないまま関係性を終えることが出来てしまう。 オトナになると、世間体や社会的立場とか いろんなものがくっついてきて正直になれないときもあるし。 切なっ。 「社会に出ない」は著者自身の話なのかな。)^o^( 2023年再読。 萩子は早蕨の結婚式をどういう風にめちゃくちゃにしたのか、過去の自分と同じところを気になった。 それにしても、7年前の自分、ちゃんと読んでる。。

    0
    投稿日: 2016.07.01
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    表題作は正直理解できない部分も。マンドリンサークルの話は『長い終わりがはじまる』でもあったけどきっとこれ作者の実話なんだろうなーと思う。

    0
    投稿日: 2016.04.02
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    本の存在を知り、真逆の世界や価値観を感じ取ったので、自分に都合の良い、知りたい事しか知ろうとしない習性が人には大なり小なり有るが、あえてそこを広げてみたいという好奇心で反人生を読んでみた。反人生、面白い。人生を謳歌する事へのアンチと言うほど批判している訳ではないけど、こう言うスタンスも有るんだという方の抜けた、私はこうですという表明が感じられた。

    0
    投稿日: 2016.02.24
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    2034年、反人生を唱える萩子と死んだ夫と早蕨ー反人生 死んだ母と血の流れーT感覚 異性との友情、憧れ、終わりー越境と逸脱 集まりに来なくなった山崎ー社会に出ない P116 ニ対一は楽、対話とわいわいは違う、絆を結びたいときは一対一 P130 『友人関係があった』ということを、最後に一緒に確認できて良かった P170 友だちのはずなのに、いつの間にか、社会になっちゃっていたんだね

    0
    投稿日: 2015.12.08
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     夏の光は網戸に葉の影を作るのだった。たくさんの手のような葉はゴーヤーのもので、だが今日はまだ、現実のそれは視界に入っていなかった。頭の中に浮かべている葉とその影の雰囲気が、手に似ている、というだけのことだった。

    0
    投稿日: 2015.11.07
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    山崎ナオコーラの小説には必ず作家自身のアバターが登場する。もちろんどんな小説にだって多かれ少なかれ作家自身が投影された登場人物は描かれると思うし、作家が登場人物に自身の言葉を語らせることはあるとは思う。ただ、山崎ナオコーラの場合、投影と呼ぶのが慎ましやか過ぎると思う程にそこに山崎ナオコーラ自身の価値観を放つ人物がいるのだ。 もちろん山崎ナオコーラの何を知っているのかと問われれば何も知らないと答えるしかない。それでも文藝でのデビュー以来、小説もエッセイも順々に読み次いで来て見えているものが、この登場人物は山崎ナオコーラだと告げる。そう思ってしまうと読んでいるのが小説だとしてもほとんどエッセイを読んでいるのと同じような読書となってしまう。そして、ああやっぱり山崎ナオコーラだなと思う。 人って誰でも自分一人が世の中から浮いていると感じつつ、強い言葉で言えば迎合して生きているものじゃないかなと思う。サラリーマンなら酔って新橋のレンガ通り辺りで管を巻く時だけ自分自身に戻れた気になるなんていうのは極々普通のこと。でもその些細な違和感を普通の生活の中では誰も気にも止めない。そんな日常を過ごしている中で山崎ナオコーラを読むと、はっとする。彼女の些細な違和感への拘泥は誰しもが見て見ぬふりをするか無意識の内に見過ごしているもの、敢えて感じないように蓋をしているものを覗き込む行為。もちろん作家の表現する言葉を全て真っ直ぐに受け止める程にナィーブでもないし、登場人物が主張していることを肯定出来るものでもない。それでも、やはり、はっとしてしまうのだ。 明日のことは気になるし、明日がくる前提で準備もして置かなくちゃならない。でも今を、いや今自分の感じていることを蔑ろには出来ない。そのジレンマは陳腐なようで実はどこまでも堕ちていく暗い穴の淵に立つ行為。あるいは、現実を、実在するものの積み重ねであると捉えるか、はたまた全ては頭の中のことだと捉えるか。自分自身と呼ぶ存在をアンカーするものは何なのか。頭の中にあるもの以外の存在に自分がどのように見えているかばかりを気にして忘れそうになる自分自身。そんなことを山崎ナオコーラは、何なの躊躇もなく描き出す。少しだけ勇気をもらう。

    2
    投稿日: 2015.11.06
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    2015/10/14 「反人生」 「T感覚」 「越境と逸脱」 「社会に出ない」 良かった本ってなんだろう。 一気読みしてしまう本?泣いてしまう本?考えさせられる本?後から何度も思い返す本? 山崎ナオコーラの本はわたしにとって「後から何度も思い返す本」 気を遣わせたくないから辛いことは話さない。情けない自分を見せたくないから友達に会えない。そんな「社会に出ない」にグゥっときた。

    1
    投稿日: 2015.10.14
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    ナオコーラさんの短編作品。私の頭がポンコツ過ぎて、全く内容が頭に入っていかない。登場人物達の名前が個性的な方が多くてそれも難解。反人生のタイトル通り、何かに、誰かに対して反発しているというのは解るのですが、やはり独特なので、共感できない部分が多い中、母と娘の短すぎる内容でもよく内容が理解できた作品でした。欲を言えば、もう少し掘り下げて書いて欲しかったです。でも、このページ数だからこその良さ、なんでしょうね。この作品によって、短編4作のページ数のバランスは他では中々無いと思うので、これもタイトルにひっかけているのでしょうかねぇ?

    0
    投稿日: 2015.09.29
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    前2篇はけっこう好き。しかし後ろ2篇の、男女のグループの存在、可能性、存続、結果、みたいなお話は、今の気分ではなかった。山崎氏はよっぽど学生時代とか、そういう中にいたのかなぁ。わたしは個人的に、そう、文中にもあったように、暗さの肯定や悪の追求、のようなことを文学に求めているんだな。

    0
    投稿日: 2015.09.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作を含む4つの短編集。帯に書いてある、『日常生活に潜む美を見つめ、精神の自由を描く作品集』というのは非常に的を得ている。どの作品も個性的だけど、どこか繊細でもあり、美しさも兼ね備えている素敵な作品たちである。型にとらわれず、自分の思うがままに突き進む姿勢というのも時には大切なのかもしれないと作品を通して感じた。

    0
    投稿日: 2015.09.20
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    毎回次こそは面白いだろう、と思って手にする山崎ナオコーラ作品。 やっぱり私には合わなそうです…。 独特の固有名詞などが魅力なのでしょうが、これがまた割と寒い。 「越境と逸脱」だけは少し良かった。 友だちをやめる、ってなんだかすごく大仰そうな響きですね。 彼なりのけじめの様なものなのかな。 みんな成長して大人になって、大切なものができて、そしてそれらを守るために真っ直ぐな道を歩き始める。 みんなそうやって生きていくのは分かってる。 けれど、私も越境と逸脱をし続けていたい人生だったなぁなんて。 真っ直ぐ歩けている自信も、正直あまりない。

    0
    投稿日: 2015.09.16
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    今年はたてつづけの刊行がとっても嬉しい。 そして、ナオコーラさんがつよい想いを持って文章をつむぎだしているのが本当すごく伝わってくる。 今回も、ともすればシニカルな、変わっているといわれるような女性たちが出てくるけれど、彼女たち、めちゃめちゃ格好いい。 装丁も相変わらず最高だなぁ。

    0
    投稿日: 2015.09.12
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    読みやすい中短編小説がつまっていた。 表題作の反人生。わたしは結構、すき。 夫に先に逝かれ、バイト先の若い女の子に恋心をいだき、我が強く、ときに臆病な荻原萩子が愛らしかった。

    0
    投稿日: 2015.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中短編集。性別。結婚観。母娘。友達。「社会にでない」がツンと胸にきた。会いたいのに会いづらくなってしまう寂しさ。諭したりハッパかけたり、そんなことしないから、会いたいよ、という。

    0
    投稿日: 2015.09.09
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    『反人生』お金のためでなく働くなんて優雅。気に入ったお店で気に入った女の子と話ができる、それが萩子さんの幸せなのね。 『T感覚』10〜4月まで湯たんぽ使用。かなりの冷え症ね。冷たいつま先があたたまる感覚ですか。 『越境と逸脱』自分でもできそうなんだけど、実現するのが難しそうなこと(この場合、海外ひとり旅)、それを男友達の経験を聞くことで満たす。あぁ、そんな手もアリか。そんな友だち関係だったのに、付き合いが面倒になる時期がやってくるのね。 『社会に出ない』友人に気にかけてもらえる存在か〜。どんな人だったんだろう? すべてをさらけ出さず、謎の部分があることが魅力? 自宅が見つからなかったのも良かったな。これで会えてしまったらおもしろくないもんね。

    1
    投稿日: 2015.09.07