
総合評価
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- aqua"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
不思議なものたちが引き寄せられてくる古い箪笥を譲り受けたことから始まる連作短編集。 ぽつりぽつりと呟く日記を読んでいるようで心地よいリズムだった。 この世のものでない存在も面白かったけれど、昔からのものを大事にする穏やかさや、新しいものや分からないことを否定しない人間性がよかった。さまざまなものと共存していると気づかされる。こういうしなやかさを私も持ちたい。
0投稿日: 2020.01.12 - しゅうこ"powered by"
単行本の方を読んだのは2007/10/25になってたけど全然内容を覚えてなかった。箪笥を通して不思議ななにかが起きる、和風な話だったような…くらいの印象。 読み直したらめっちゃ面白かったやんか。非日常のはずのものがスーンと入ってきてて、なんのことなく日常に受け入れられている平和な雰囲気がいい。あと食べ物がおいしそう。最初のラーメンと鳩のクリームパンが特においしそうだった。 解説読んだら、文字遣いが単行本とだいぶ違うらしいんやけど、今のわたしにはこっちの方がいいな…もう若くないからなわたし…
1投稿日: 2019.08.20 - snufkintopanda"powered by"
梨木さんの「家守綺譚」を思い出した。うつつと夢とを行き来しながらもそれを当たり前のように受け容れていく様がとても好き。
0投稿日: 2016.06.26 - もっこ"powered by"
少年が主人公の甘くてステキな言葉が詰まった作品と違い 不思議で懐かしくて優しい物語。しかも語り手は女。 不思議なものを見たり聞いたりするのは弟である。 そんな弟を、すんなり受け入れる家族がステキだ。 梨木さんの家守奇譚を連想しました。 人から人へ渡り歩いてきた箪笥。 箪笥に選ばれた者が体験する不思議。 久しぶりにホッコリしましたぁ
0投稿日: 2016.05.19 - yunomaru"powered by"
姉弟の日常に起こる不思議な出来事の短編集。 ざわざわするけど癒される。 忘れたころにまた読み返したくなるお話。 もう何度読んだかわからないくらい、お気に入りの一冊。 長野まゆみの著書の中では異色で、綺麗な少年は出てきません。 読み終わりたくないなぁって気持ちで読んでいました。 続編出ないかなぁ。
0投稿日: 2015.04.21 - 【静】"powered by"
こちらの世界と不思議の世界との、朧気な現象を、さも自然に懐かしく感じさせる、長野さんの真骨頂とでも言うべき作品。古い和箪笥の取っ手の金具が蝶、小引き出しの金具はコウモリという懲り具合が、いかにも興味をそそります。
0投稿日: 2014.11.21 - mirutan"powered by"
親戚の家から、古い紅い箪笥を譲り受けた私。 その箪笥は突然引き出しが開かなくなったり、お酒を飲んだり、あるはずのないものが出てきたりする。 風変わりな弟と共に、主人公が遭遇した箪笥にまつわる不思議な出来事を描いた短篇集。 掴みどころがない、ふわふわとした物語である。 弟のキャラクタが味わい深い。 ホラーよりのファンタジーというイメージ。 寝しなに少しずつ読んでいくのが合っていそう。
0投稿日: 2014.01.06 - りくまる"powered by"
☆3.6 親戚から譲り受けた、古い紅い箪笥。その引き出しから時々不思議なものたちがあらわれ、また箪笥に呼ばれるように、この世ならぬ人々が私を訪ねてやってくる...。 古い紅い箪笥の影響で、現実とちょっと不思議な世界の入り混じった空間になってる。訪ねてくるのは怖いものたちじゃない、ちょっと不思議なものたち。マイペースな弟や大家さんもいい味出してる。
0投稿日: 2013.07.26 - しずる"powered by"
古い箪笥からはじまるお話。短編集。そこそこ面白いけど、長編をいっぱい読んだ身としては物足りないかな。
0投稿日: 2013.01.31 - hinasayo"powered by"
いかにも長野さん、な文章なのですが、今回はほかの作品とどこかひと味違ったように感じます。 設定に少年が出てこなかったのが、珍しいと思いました。 姉と弟の組み合わせは結構何回か読みましたが、今回の姉弟の掛け合いが一番好きです。 綺麗な文章はもちろん、いつもみたいに登場人物たちに危うい感じがしない作品だったので、安心して人に勧められる一冊です。
0投稿日: 2013.01.17 - reika"powered by"
長野まゆみの初期作品を好んで読んでいた私にとって、 これはごく最近の作品となる。 読み進めるうち、不安になった。 紛れもなく長野まゆみの作品で、面白い。 でも、作家仕事の仕舞いの支度をしているような気になってしまった。 交錯し、曖昧で、美しい道具仕立てであるのは変わりない。 でも、それらすべては全く不安でないのだ。 初期作品でのこれらの要素は、永遠に続く美しい不安だった。 でも、これはまったく不安でなく、むしろ曖昧なままを良しとする暖かな曖昧だ。 安心できる作品を読んで不安になってしまった。 長野まゆみには、こういう古い日本の風景を記録せねばという義務感があるのだろうか。
0投稿日: 2012.12.28 - 鈴雨"powered by"
これほど不思議な雰囲気の漂う小説。という説明がしっくりくるものもないでしょう。 次へ次へと言葉を求めていく。それは小説として求められるべき文章力なのですが、この作品では言葉をじっくりと噛みしめながらよみたいという欲求がわき上がります。 長野まゆみ先生の初期作品のような、総じてほっこり出来る雰囲気をもつ小説でした。
0投稿日: 2012.08.03 - A(仮)"powered by"
おもしろい。 こんな箪笥ほしいなあと思います。 蝙蝠の引き出しが一つであんなに不思議なことがたくさん起こったのだから、もらったのが蝶ではなく飾りが蝙蝠の方の箪笥だったらもっと不可思議なことが起こっていたのかな。 蝙蝠はドラキュラとセットになっていることが多く、不吉なものというイメージが強いですが、中国では縁起ものなのだそうです。 お店が繁盛するようにということでカステラのお店、福砂屋さんの商標は蝙蝠なんだとか。
0投稿日: 2012.06.08 - radio-lala"powered by"
子供の頃よく想像した、ドアの向こうにある異次元の世界を髣髴とさせる。 この書ではドアではなく箪笥なわけだが、異次元の世界へこちらから赴くのではなく、向こうの住人がやってくるのである。 ワクワクしながら読み進めることのできる1冊。
1投稿日: 2012.02.02 - kei M"powered by"
見える人の弟と、たんたんと家族をやっているお姉さん。 多少の不可思議なことには動じない。 弟のお嫁さんも動じない。 不思議な風景が、"住む場所を選ぶ箪笥"を中心に語られていく。 短編集だけれど、一編読んでは余韻にひたり、短編の数だけ日数が過ごせる本。
1投稿日: 2012.01.01 - N.5ho"powered by"
すべてを語られてしまうほど退屈なことはない。 それは親切でも丁寧でもなく、ただ、無粋というものだ。 この世とあの世をわけなきゃいけないなんてことはなく、 あっちとこっち、ゆるゆると行き交い、交錯する。 しろとくろに分けろなんて、だれも決めていないのだから。 「私」は「弟」にくらべると、こっちに重心を置いて生きている。 それが、読者を安心させて、物語に深く入り込ませてくれる。 「弟」があれやこれや、正体不明の存在を引き寄せてしまうのは、彼がそういう存在も、あって当然と自然に受け容れているからだろう。 ただ、物語を楽しむだけでなく、いまは耳にすることもめっきり減った言葉や名称に触れられることも、また一興である。(片手に辞書があると良い)
0投稿日: 2011.12.15 - あや"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
長野まゆみってそういえば読んだことないと、図書館で借りてきてみました。 不思議な淡い色合いを持った作品で、進んでいくテンポが好きだった。且つ、ちょっと妖が関わる感じがほのぼので。 何故か長野まゆみはBLなイメージだったのだけど、違うのかな?もっと他の小説も読んでみたいかなー。
0投稿日: 2011.12.07 - arumi47"powered by"
少年アリスからの読者にとっては年齢を感じさせる作風になったなぁというのか素直な感想です。 妖との遭遇が日常的に淡々と綴られていくのは長野作品らしいです。
0投稿日: 2011.11.08 - 永杜"powered by"
親戚から貰ってきた、重厚な、昔ながらの箪笥。 それをもらった『姉』と、それを姉の家まで運んだ『弟』の 文章だけの箪笥話。 会話文はあるのですが、かぎかっこで、というわけではなく ただ文章があるのみ。 淡々と話が進んでいくので、状況その他が分かりやすいです。 しかし、年代が分かりません。 今なのか、それとも少し昔なのか。 名前を言ってはいけない、という事で、唯一? 登場して 他者から名前を呼ばれている甥っ子も、あだ名。 …そこが謎です。
0投稿日: 2011.05.24 - c8n8"powered by"
長野女史の作品では珍しく、大人の女性が語り手。 文章の雰囲気もなんとなく、長野女史らしくないという印象。 すっきりさっぱりしすぎている。 やはり長野作品は初期だなあ、と思ってしまった。
0投稿日: 2010.10.18 - masamunen"powered by"
長野作品では一番好きかもしれない。長編は中だるみになるのでごくみじかい話の方が巧い作家さんだと思う。珍しく女性主人公
0投稿日: 2010.05.26 - 春な"powered by"
視点も時間もあやふやでふわふわしていてなんだか新鮮でした。 姉弟とあやかし。ハトくんがとてもかわいいです。 音とか。
0投稿日: 2009.07.11 - yuki"powered by"
「そうそう、そうなんだよな〜」「あぁ、そうだったよね〜」 小さなエピソードに妙に共感できたのは子供時代を送った「昭和」が感じられるから? 箪笥の引き出しをめぐる不思議な短編連作は、どれも郷愁を覚える心が和む作品。
0投稿日: 2009.02.07 - もんきぃ"powered by"
パート仲間さんに借りました。 不思議な香りのする短編連作集です。 連作だから〜お話のトーンは同じ。。。です
0投稿日: 2009.01.23 - 大吉堂"powered by"
ほう、長野まゆみってこういう雰囲気の話も書くんだ。というのが第一印象。譲り受けた箪笥から現われる怪異。聞こえないものを聞こえてしまう少年期の弟、それらがすごく日本的な感覚なんです。 此岸と彼岸、夢と現、過去と現在、それらがない交ぜとなり境界線が薄れていく。しかし登場人物たちはきちんと地に足のついた生活を送っている。どちらかに片寄るのでなく、たゆたうように境界線の辺りを漂う文章が気持ちよかったです。
0投稿日: 2009.01.22 - サカネ"powered by"
長野作品なのに一般向けで超びっくりした! 何このほのぼのした話! 箪笥、という言葉はやはり魅力的ですね。古い空気と独特の懐かしい香りがある。それらを言葉にしたような話です。読みやすい短編形式です。
0投稿日: 2008.12.23 - Зумичка Zumichka ズーミチカ"powered by"
すごく好きです。ゆっくり読まないと置いていかれるような小説。たびたび登場する「あめふらし」から『あめふらし』を手に取った。リンク具合がたまりません。
0投稿日: 2008.10.01