
総合評価
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powered by ブクログ昭和ヒューマンホラー系かと偏見を持っていたが、青い壺が良い感じに様々な人間関係に溶け込む素敵な短編集だった。小説家の方々が口を揃えてこんな小説を書きたい、と仰るのも納得だった。程よく好奇心を刺激し、しっかりとほしいオチがあって小説作品として非常に楽しく読める作品だった。
3投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ今、話題の文庫。 陶芸家か作った自信作の壺がいろんな立場の人の手に渡り、そこそこでドラマが展開される。 同じ青い壺でも、所有者が変われば価値もどんどん変わっていく。結局モノの価値なんて、自分がつけるようなものだとつくづく感じた。
12投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログ13の短編がそれぞれいい味を出している中に自然に青い壺が溶け込んでおり、様々な人生模様を静かに見守ってきた感じになっています。昭和の作品とは思えないくらい高齢社会の現在にも刺さる内容でした。歳を重ねて感じることはそう変わらないということでしょうか。 無名の青い壺だからこそ作者の手を離れた後、制限なく壺の運命に任されることになったのかもしれませんね。
14投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ有吉佐和子の文章力が秀逸で、ぐいぐい物語に引き込まれ、時間が許せば一気に読んでしまえるくらいでした。 他の本を読んでいる途中に、図書館から予約本確保できましたの連絡があり、それを中座して読んだのですが、この読ませる力の差が歴然で驚きました。ソレも決して面白くない本ではないのですが。 私がまだ小さな子どもだった時代なのではっきり覚えてはいませんが、懐かしい感じがそこここにあって、あゝいい時代だったのだなぁ、ということと、まだまだ戦後だったのだ、この頃は…と複雑な思いになりました。 あの頃に立ち返って、今私たちが失ってしまったこと、忘れてしまったことによく思いを馳せねばなりません。 2025.10.20読了
2投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログなるほど 50年も前に出版された本なのに、再ブームがくるのもわかる 設定や言葉の言い回しなどは古い(当たり前)ものの、物語の展開が気になって先を読んでしまう 13の短編集 陶芸家が焼いた青い壺が、1つの物語ごとに手渡っていく 時にはデパートで売られ、時にはお礼の品として贈られ、盗まれ、また売られ…… 10年に渡って転々としていく壺 これはもう主人公は「壺」 いやぁ、面白かった! 図書館で4ヶ月待った甲斐があった(笑) 短編の中で、老女たちの50年振りの同窓会旅行の話が1番面白かった 今の60代、70代は軽々と新幹線で京都旅行なんて楽しめそうだけど、当時は大変なことだったんだろうな 時代設定は昭和30~40年くらい? 高度経済成長真っ只中 戦前生まれの方々でも、比較的育ちのいい品の良い登場人物が多いなぁという印象 骨董品にも歴史があると思うと感慨深い
22投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ青い壺を中心に、その周りで繰り広げられる人間模様。それは何も言わず、様々な偶然が重なって時と持ち主を変えながら、ただじっとそこに佇むだけ。 読んでいる間はワクワク感やドキドキ感は正直ない。ストーリーの構成が面白く引き込まれていく感じがあり、物語の最後の持ち主から次にどのような人物の手に渡るのか、そのきっかけや背景は?など次の展開に興味がそそられる作品。 実は本書をブックオフで購入したのであるが、読んだ後、自分の手元にある本書が、どのような人から人へと繋がって自分の元にやってきたのかなど、ふと思わずにはいられなかった。
3投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ美しい短編集。 男は嵩高いという言葉が印象に残っています。背が高い男性が好きだけど、確かに老いてからは嵩高いと煩わしく感じてしまうかもしれないです。再婚相手選びの参考にしています。
0投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ次々と移動し、その先で見る様々な人たちの人間模様はどれも人生の課題で、共感したり参考になり、改めてこれからの人生と向き合いたくなる。 そして青い壺の視点でその人間のイザコザを見て見ると、それらは滑稽にも見えてきておもしろい。
32投稿日: 2025.10.24
powered by ブクログテレビで紹介されてた。 どんな内容か、気になりました。1つの壺が、転々と渡り、その都度、持ち主の壺への気持ちが同じでないところが、面白い。
2投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログあまり刺さらなかった…けど、 昔の本がこんなに今読まれているのはすごいし、 昔の思想や価値観が話の節々に表れていて、それは興味深かった
8投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログふたりの帯の評価をみて購入したが、 全く馴染めなかった。 昭和1桁生まれの作者だけに 文章が古めかしくて読みにくい。 話もそんなに面白味がない。 なぜベストセラーになっているのか 不思議である。 我慢して読み進めるも、ストレスとなり 数ページのところで、 辞めた。
1投稿日: 2025.10.20
powered by ブクログ戦後の昭和の世相を反映しているが、人の心理というものは変わらないのだと感じる。 壺が人の間を移動する理由や心理描写にぐいぐい引き込まれてしまう。
10投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログ長年読み続けられている理由がわかるなぁと、青い壺をめぐってつながるお話。 古い言い回しなのに、今の私でも共感できたりして面白かった。
0投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログある青い壺に関わる短編集 少し古い時代のお話(昭和後期)だが、詳細にそれぞれの人の感情、動きが描写される。帯で黒柳徹子さんが、感情が手に取るようにわかる、と記載してあったが確かにそう 面白いかというとそこまでのめり込むほどではないが、なぜか読み続けられるかと思う
1投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ壺をめぐった色んな人の物語が13話。 盗まれたり、海外にまでいってしまう壺。 表現が美しく時代を超えてもなおベストセラーとなるのがわかるような本でした。
2投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ青い壺が色々な人の手に渡っていく。壺の周りの人間模様が描かれている短編集。 戦後まもなくという感じだった。 面白かった。 あとがきを読んで、修道女の名前が著者の洗礼名から取られていることを知った。この著者の他の本も読んでみたい。
2投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログ昭和の戦後復興の時代に作られた青い壺、さまざまな評価を受けて13話を渡り行く。 出だしは辛気臭いと感じたけれど、図書館のこの後34人待ちでは、読むしかない‼︎と進むうち、人間模様の機微に触れ、引き込まれて、ほうれん草をどうにかするには?と考えながら、昭和、戦争、令和の現在では、感覚のずれは否めないけれど、人の気持ちや想いは同感できるものがいつも時代にもあるのやな、と思った。
1投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログ青い壺がつなぐそれぞれの人生。どれも味のある日常だがそんなに感情は揺さぶられないので淡々と読んで終わった、という感じ。 皆さんの評価にあるような気持ちまで至りませんでした。 また再読してみようと思う。
0投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ流転する青い壺の評価が勝手に決められていく話。 今と価値観が全く違う時代に書かれたお話なのが興味深い。(この時代を過ごした人は、そりゃ話通じないよなと思う)
0投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログ昭和50年代に刊行されたとは思えない! 今の時代にも瑞々しい、多様な人の心模様が13話の短編から炙り出されています。 ひとつの美しい「青い壺」が出会う人間たち。 細やかで端的な言葉や動きによって、それぞれの輪郭が表されていくこの小説の美しさに感銘を受けました。 両親をスペイン風邪で亡くし、幼い頃に孤児になった働き者のシメさん。高齢になってからも黙々と病院で勤めを果たし、患者がいらないというバラを集めて花びらの枕をつくる。 1日の終わりにその枕に頭を預け「極楽だな」と呟ける幸せと人柄を、とても美しいと思いました。 それまでの、切ない、面映い、心寒い、家族や友人、雇用主と働き手、作り手と売り手の間に生まれた言葉にならないすれ違う思いにハラハラしてきた最後。 シメさんのこの言葉と、省造さんが思い至った結論に心が揺さぶられました。 また読みたい!
0投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログ話題と聞いて読んでみた 一つ一つのエピソードは、ふぅんという感じのヒューマンドラマ、最後まで読んでもすんごい盛り上がりはない。 出版社とマスコミが作り上げた盛り上がりではないだろうかいう印象
6投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
省造が焼いた青い壺が様々な人の手に渡り、ドラマが生まれる。どれもその後が分からないので想像力を働かせるけど全部途中で途切れるので結末がわからずモヤモヤした。次から次へ焦点が変わるので短編小説を読んでいるようだった。 嫁姑問題や、子どもが巣立って燃え尽きてしまった女、親の介護、相続。渡る世間は鬼ばかりをみている感じで、読んでいて楽しい気持ちにはなれなかった。20代の自分には共感できる登場人物も少なかった。
0投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
傑作です。21:00くらいから読み始めて、明日のためにもう寝なきゃと思う暇もないくらいあっという間に0:00に読了。非常に濃い3時間でした。印象に残ったところを読み返したいけどさすがにもう寝ます…。 本の中でじわりじわりと時が進んで行くペースも良かった。一話ごとの繋がりは少しずつで何とかついていけるレベル。 原副社長の提案が好きだなぁ。 白内障手術できて良かった。。 終わりの方にそう来るか、と心が冷えたり熱くなったりする描写がある。髪が逆立つとか、鳴き声とか。すごい。すごいなぁ…。 ホロホロ鳥を食べてみたい、というかこの空気感を再現したような食事がしてみたい。 少しずつデリカシーのない台詞が面白かったり、複雑な気持ちになったり。 台詞の言葉遣いが良い。 とにもかくにも全然安易じゃない。私なら調べたことは調子に乗って全部書いちゃう。 ストーリーを盛り上げるために、前に出てきた人の直截的な悪口を書いちゃうかも。そんなことされてたら悲しくなっちゃうな。 上質な小説を読んだなぁ。 2025.10.5(日) 24:42
1投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ昭和の作品が令和になって話題よんでいる作品「青い壺」 昭和の時代の古き?良き時代の話が令和になり新鮮なのか、はたまた、昭和世代が懐かしさで読んでいるのか。いずれにせよクスッと笑える部分もあり楽しく読ませていただきました。
13投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ青い壺が思いがけない流れで、様々な方の手元に渡っていきます。その経緯も面白く、また、壺を手にした方々のエピソードが、共感できるところが多く、クスッとしたり、そうか…と気が重くなったりしながら読みました。 執筆された時代の社会・常識・人々の営みが、令和の今と違っているところ、逆に、同じところもあり、興味深かったです。
0投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ舞台は戦後間もない日本。人々の暮らしや心にも、その影響がまだ生きて残っている頃である。 ある無名の陶芸家の手から、ひとつの美しい壺がうまれる。これが美しい物の運命というものなのか、壺はその後、あらゆる人の手を渡り歩き、それぞれの人生をその身に染み込ませてゆく。 美術品の価値って、なにによって決まるのだろう? ミケランジェロの『復活のキリスト』を見ても、わたしの心はどうにも動かないけど、セガンティーニの『アルプスの真昼』にはしっかり心を奪われ、ずーっと見つめてしまったりする。どちらも名高い作品だけど、それを知らずに手に入れたとすると、わたしはミケランジェロの作品をメルカリにでも出品してしまうかもしれない。 この物語の青い壺も、見る人によって価値がまったく変わってしまう。 生花をしている夫人から見れば花を選ぶ気難しいただの花器であるし、 美術評論家にとってはそれ自体の美しさよりもそれが持つ名声が大事だったりする。 お金持ちが所持しているからじゃあ価値のある物なのだ思う人もいるし、 骨董品店でそれを安く売ってしまう人、掘り出し物だと買う人もいる。 思い出の品として譲る人がいて、お金の代わりとして渡す人がいる。 なにが良くてなにが悪いとかでもないし、誰が正解だとも思わない。それぞれがその壺と出会ったときに湧き出てきた、ごく自然な感情なのだろうから。 そしてその自然な感情の根底にある価値観は、その人の人生そのものなのだということを、この物語を読んでひしひしと感じ、ふむふむと納得させられた。だったらなおさら、その価値観に是非なんてない。そりゃあ、やな奴も出てきたりするけど、彼らの人生がそうさせたのだと思うと、なんだかな、仕方ないのかな。 さて、ミケランジェロが世間的にすごいということを、わたしはもう知ってしまっている。それを踏まえても、わたしは『復活のキリスト』の前をスルーして、セガンティーニの『真昼のアルプス』の前で立ち止まる。そんな人生をわたしは生きてきたわけなんだなあと、客観的に思ったりした。
5投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ▼有吉佐和子さんビギナーです。復刊されてものすごいロング&ベストセラーになっている「青い壺」をふと読んでみようかと。初出1976だそう。 ▼13の連作短編で、共通するのは、その掌編の主人公たちはみな、とあるひとつの青い壺の持ち主だということ。つまり青い壺が次々に持ち主が変わっていく。 ひとつひとつは、例えば映画やドラマにしたら物足りないだろうな、というありふれた淡い人生のひとこまに過ぎません。ただ、それぞれの人物が、それぞれに自分の人生としてはそれなりに痛みがあったりよろこびがあったり緊張があったり情感があったり空しさや悲しみと戦ったり、うれし涙や悔し涙…という、つまり読者私たちのどこかの等身大な感情を触っていきます。それぞれに心理描写、ぶ厚く、わかり易く、輪郭豊かに描かれる。それがコクですね。 ▼エピソードによっては、青い壺のからみ方が弱かったりやや強引だったりもした印象。ただ、それよりも前述したような、人間のえぐりかた、「筆致」がすごい力量を感じさせます。さすが。 個人的には目の病に苦しむ女性とその娘さんのお話、数十年ぶりの同窓会に参加する70歳の女性のお話、が印象に残っています。 ▼こちらが男性のせいでしょうか、特段の理由なく有吉佐和子さん読んできませんでした。田辺聖子さんもちょっとしか読んでません。山崎豊子さんもしかり。そういう女流の作品も、今後は愉しんでいきたいです。 ▼以下備忘。ネタバレです。 陶芸家が、奇跡のように美しい青い、青磁の壺が焼けた。売りたくなかったが、妻が百貨店の人に売っちゃった。 その後、 ・定年退職したが、仕事をしていた頃が忘れられずおかしくなってしまう男性 ・戦前の豪奢な生活が忘れられない老婆。 ・目の病に苦しむ初老の女性と娘。 ・仕事がうまくいかない新人栄養士。 ・戦中派の心情と、戦後全共闘世代がバチバチぶつかるバー。 ・女学校の同窓会に参加する70歳の女性。 ・スペインで壺を発見して、数百年ものだと言い張る美術評論家 などなど。
10投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ読みたい本が次々溜まって行く中早めに 読みたかった有吉さん作品。 なんだろう。文中に沢山の(昔言葉?)が 出てきて読みにくさと言うよりも 現代の日本語が如何に乱れてるか…と 思いながら読み進めでも全く古さを感じない 物語は、無名の陶芸家が作ったひとつの壺から 始まるショート連作。 青磁の壺が様々な人間の手を渡り歩き その都度に起こる人間模様。心の葛藤あり、 迷いあり。喜びあり。 戦時中の事も書かれてるけど決して 重く描かれていないのでどんどん引き込まれて 気がついたら読了してました。 この秋沢山読みたい。
26投稿日: 2025.10.03
powered by ブクログ青い壺をめぐる連作短編集。 陶芸家の窯から誕生した話から始まって、12人(陶芸家を入れると13人)の人物の手を経て最終話で再び作者の陶芸家の前に姿を現す。 人はさまざまな想いをその壺にぶつけ、反映させる。思い思いの値をつける。しかし壺それじたいは何も語らない。人々の思惑だけがときに滑稽に、ときに残酷に、巡り続ける。
0投稿日: 2025.10.01
powered by ブクログ大阪までの往復で読むのに売店でベストセラーになっていたのをチョイス。 発行された時をリアルに生きていたけど、この作品は知らなかった。と言うより有吉佐和子に興味がなかったと言うべきか。(調べてみたら「華岡青洲の妻」と「恍惚の人」は読んでた。母か叔母から借りたのか) 自分より少し上の世代の物語だけど時と共に壺の持ち主の変遷はあるものの、人と人の関係性のテーマは現代でも同じようなモンかと。文章が上手くて新幹線では読みきれなかったのに、残り自宅で最後まで読み通せた。 今、こんなうまい文章を書く人おるんかなぁ?
0投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ青磁に生涯を捧げた職人が焼き上げた見事な青い壺、次々に変わるこの壺の持ち主達の人間模様を描いた作品。 時代背景は少々古いものの、いつの世も変わらない人間同士の面倒臭さ、尊さを噛みしめながら読了。
0投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ最近は現代が舞台の作品ばかり読んでいたので、半世紀も前の市井の暮らしぶりが新鮮だった。 とはいえ、戦後30年ぐらいでバブル到来前だと、一般市民の生活は裕福度でいえば現代の状況に近いのかもしれないと思った。暮らしてはいけるけど、贅沢は時々だけ、みたいな。 青い壺とすれ違う人々の悲喜交々を読みながら、日々生じる悩みも、この頃からあまり変わってないんだな、と不思議な気持ちになった。
0投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログ面白かった!! 有吉佐和子は学生の時に「複合汚染」を読んで、社会派の作家というイメージを勝手に持っており、それっきり一作も読んだことがなかった。母に勧められ今回読んだのだが、人間のどうしようもなさを軽いタッチで描いており、一気に読んでしまった。 これはぜひバカリズムの脚本で深夜のドラマ化して欲しい!
0投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編のストーリーに青い壺が寄り添って物語が展開される。 様々な人たちの何気ない本音や「あるある」の描写は、今の時代にも通じるものがあり楽しく読むことができました。 とくに、入れ歯を洗うおばあちゃんたちの同窓会旅は「ひどい話だなぁ」と思いつつ笑いながら読んでいました。
3投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログ50年も前に発売されたこの本が今かなり売れていると聞いて、その理由が知りたくて購入。 とある美しい青磁の壺がさまざまな人たちの手に渡りながら展開される、13の連作短編集です。 老後の夫婦関係、厄介な嫁姑問題や遺産相続のごたごた、老いと健康、そして肉親の死の受け止め方など、今も昔も人間は同じようなことで悲しみ、喜びながら生きているんですよね。 そんな普遍的なテーマが淡々と、丁寧かつ鮮明に描かれているからこそ、この小説は時を超えて多くの人を魅了しているんだなあと感じました。
5投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログこの話が50年前に書かれたことにびっくり。 相続問題、定年後の夫問題、老化の悩みなどなど、人間の悩むポイントって変わってないんだなと驚いた。
0投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログ定年後の夫婦関係(まさに、亭主元気で留守が良い状態)、不倫関係の2人、嫁姑関係、相続問題。青い壺の渡る先に見る、いろいろな世間と人間関係の物語。昭和50年代に書かれたものなのに、人間関係って今も根本は変わっていない。だから、読み応えがあったし、ホッとしたし、また再読したいと思いました。
0投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夫の蔵書。青い壺を巡る連作短編…かな。時代感は否めないところもあるけど、だとしても、身につまされる話だったり、切なくなる話だったり、古い!って感じはしなかった。修道女さんの話は本当に悲しかった。
1投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログ50年経っても色褪せないどころか、今を照らし出している。作者のもとを離れた青磁が時間と空間を旅して帰ってくる数奇なお話。「美とは何か」「価値は手にする人によって変わる曖昧さ」といった太いテーマから「介護」「嫁姑」「遺産相続」といった今日的、普遍的問題までユーモアたっぷりと有吉さんらしい落ち着いた文章でゆったり楽しめた。「恍惚の人」「複合汚染」「華岡青洲の妻」など、もう一度読んでみたくなった。
0投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログ平松洋子さんの解説が秀逸! 定年を迎えた夫の邪魔さ、古希を超えた女学校の同窓会のキャピキャピぶり、もう分かる分かる分かる。 初出は昭和51年、50年前とな…
0投稿日: 2025.09.19
powered by ブクログ途中、不幸の壺なのかと思ったがそうではなかった。 70歳がものすごい年寄り扱いで驚く。 お婆さんの同窓会があるある。
0投稿日: 2025.09.17
powered by ブクログ私はメ○カリで、よく本を買うのですが、 そのお薦めにずっとこの本が出ていて 気になって購入しました。 有吉佐和子、というと社会派なイメージがあったので、こんな作品も書かれるのだなぁ、とちょっとびっくりしました。 作品は昭和50年頃に刊行され、一度絶版になったものが、復刊されてじわじわ人気が出た「青い壺」とまではいかないけど、 ちょっと不思議な経緯を持つ作品だそうです。 私たち昭和世代には、登場人物に多分母くらい(昭和10年生まれくらいかな)の年代の女性の雰囲気があって、とても懐かしい思いで読みましたが、若い方たちはきっと違う思いで読まれているのでしょうね。 とても言葉づかいが綺麗なので、やはり歳を重ねたら、それなりの言葉づかいになった方が良いよなぁ、と思いながら読みました(思いはするけど、なかなか難しいです笑) 特に、戦後物がない時代に疑似ディナーを楽しむご夫婦の話は、いろんな一流品が出てきて、華やかな映画を観ているようで好きでした。 そして、そのお話に出てくる「ほろほろ鳥」を奥さんと一緒に食べに行ってくれる息子さんの話も素敵だなと思いました。 他のお話も、それぞれ昭和を感じられて、 心地よさを感じました。 今度実家に帰る時に、母にも薦めてみようかな。
15投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログとある陶芸家が生み出した青磁の壺を巡り、壺を中心とした出会いや別れであったり、時には壺をちょっとしたエッセンスとして、13篇の壺に纏わる物語で構成されている。 1970年代に作られた物語であるにもかかわらず共感できる描写もあり、戦争を生き抜いた人々の語りが登場しても、色褪せた古臭さみたいなものを全く感じず、上品な味わいのみを感じながら読めたのは、筆者の筆力なんだろうと思う。 この壺は、家柄、経済状況、年齢、性別を問わず様々な人々に出会う。譲られ、売られ、盗まれ、また国外も旅し、遂には作り手の目の前に戻る。この流れには巡り合わせの美しさを感じた。縁の不思議な必然性のようなものに思いを馳せずにはいられない。 前向きで心温まるエピソードや、切なさや寂しさが残るエピソードなど多岐に渡る物語に出会うことが出来、読者もまた、壺と旅を共にしている気分になれる。
11投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある男の手によってたまたま焼けた美しい青磁器が、数奇な運命で色々な人たちに渡っていく短編集 その道すがらも面白いが、なんと言っても時代背景、その時代を生きる人たちの価値観をしれることがこの作品の良さ なんでもないような話を飽きさせずに読ませることは、きっと突飛な物語を描くよりも難易度の高いことであり、この作品はとにかくその時代を生きた人達のリアルな価値観が会話劇の中から垣間見える 有吉佐和子さんの観察眼、世相を捉える目が素晴らしい 戦時中、戦後を経験し辛い経験をした人、恩恵を受けた人、大家族、嫁姑、夫婦間の関係、一昔前の日本家族の姿、人々の価値観を知ることができる貴重な文献だと感じた 今を生きる人たちには新鮮に映るだろう描写が多数あり、いろいろ考えさせてくれる作品
1投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログ品の良い方々の生活っぷりが見れてその時代に想いを馳せる。 壺も不自然に話に絡まず、静かにそこにある感じがとても良い。壺はどの人からも「美しい」と評されるけど、教養の有無によってさらに評価が分かれるのも面白かった。壺は何もしゃべらない、!
1投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログ有吉佐和子『青い壺』文春文庫。 昨年末にテレビで取り上げられてから、じわじわと売れているようだ。 美しい青磁の壺をテーマに描かれる13話から成る連作集。 1人の陶芸家が焼き上げた見事な出来栄えの青い経管型の壺。誰もが魅了される壺の持ち主は次々と変わり、様々な人間模様を見せてくれる。 ストーリー的には、馳星周の傑作『少年と犬』にも似ている。もっとも馳星周の方がだいぶ後になるし、犬と青い壺では大きく異なる。何故、馳星周の『少年と犬』を思い出したのかと言えば、この『青い壺』という作品がそれほど面白かったのだ。 『第一話』。才能や技量だけでなく、様々な偶然や運が重なり、芸術は成立する。なかなか思うような作品が作れないのが、陶芸の世界なのだろう。 父親の後を継ぎ、青磁ひとすじに制作を続ける陶芸家の牧田省造。ある日、デパートの注文品とともに焼き上げた一点物の経管型の青い壺は見事な出来栄えで、見る者を魅了した。青い壺は道具屋が古色を付けたら買い取ると言ったのだが、デパートの社員が美術品コーナーに展示したいと引き取っていく。 『第二話』。馬車馬のように50年間も働き続けた男が定年を迎えた時、やはり壊れていくのだろうか。自分自身60歳を超え、未だに普通に働いているが、65歳まで残り3年を切ったが、まだ定年後の暮らしなど想像も出来ない。 定年後半年が過ぎても、家でぼんやりする夫の寅三を持て余した妻の千枝は、寅三が68歳まで世話になった副社長の原へのお礼にデパートで青い壺を買い、寅三に持たせた。 『第三話』。生け花の世界も奥が深く、難しそうだ。ましてや青い経管型の壺となると難易度は上がるようだ。 副社長夫人の芳江は青い壺に美しく花を生けようと悪戦苦闘していた。そんな中、で夫の部下の女性と甥っ子が見合いのために相次いでやって来る。見合いは不首尾に終わり、帰りしな甥っ子が言い残した言葉が気になる芳江。 『第四話』。親族同士の財産争いは、時として醜い争いになるらしい。中には父親が亡くなり、母親に遺された遺族年金の果てまで寄越せという子どもが居るようだ。遺族年金の申請用紙に子どもたちが相続を放棄することに同意する欄があるのは、昔からそのような争いがあったということなのか。 副社長夫人の芳江は、青い壺に美しく花を生けようと奮闘する。そんな時、孫を連れた娘の雅子が急に帰ってきて、婚家の醜い遺産争いを愚痴始める。芳江はその話を夫に伝えていると、青い壺を目にした夫は突然、青い壺を誰かにあげてしまえと言い出した。青い壺は次に誰の手に渡るのか。 『第五話』。白内障は手術を受けると驚くほど回復するようだ。一昨年、自分の母親は両目の白内障の手術をしたが、日帰りで翌日には眼帯が外れ、驚くほど見えるようになった。 東京の狭いマンションで1人暮らしを続ける千代子は老いて目が見えなくなった母親を引き取る。2人暮らしが始まり、生活に張り合いが出て来た千代子は、都内の老人病院を知り、母親を診察してもらうことにした。左目は緑内障でどうにもならなかったが、幸い右目は白内障で、手術をしてもらうと母親の右目は見えるようになった。目が見えるようになった母親が千代子の部屋で目にした綺麗な青い壺。あの青い壺は千代子の元にあった。 『第六話』。今年は戦後80年だと言う。本作が書かれたのは50年前ということで、描いている時代は戦後30年である。戦後30年というと今よりは戦争の記憶が残っていたのだろう。 夫婦2人で、戦後の焼け跡から始めたこぢんまりとしたバア。バアの客の医師の石田は『御礼』と書いた細長い荷物を置いて帰った。『第5話』で千代子の母親が白内障の手術を行った医師の石田に、あの青い壺を感謝の印に贈っていたのだ。 『第七話』。物資や食糧が不足した戦時中に何とも粋なことをする人も居たものだ。 医師の石田一朗の忘れ物だと言って、バアのマダムの梶谷洋子が届けてくれた青い壺を見た年老いた母親は、戦時中に外務官僚だった亡き夫との思い出が甦り、夫の粋な計らいについて饒舌に語り出した。そして、我々は千代子の母親の名が鈴木キヨであったことを知る。 『第八話』。まさかの急展開に息を飲んだ。あの青い壺は一体何処へ…… 長女が嫁ぎ、長男はアメリカに留学。姑が他界し、夫と2人きりになった厚子は部屋を片付けていた。毎日、帰りの遅い夫を待つある日、上機嫌で帰ってきた夫から次の土曜日にレストランに行こうと誘われる。我々は夫の名を石田一朗であることを知り、鈴木キヨの白内障の手術を行った石田の手元にまだ青い壺があることを知り、安堵するのだが…… 『第九話』。なかなか青い壺は登場しないのだが、最後の最後に新たな持ち主の手に渡る。自分も数年前に中学校時代のサッカー部の仲間から同級会に誘われたが、残念ながら中国出張と重なり、欠席した。その後、新型コロナウイルス感染禍が始まり、再び集まる話は無かった。 女学校の卒業から半世紀、弓香は同級生たちと久しぶりに京都で集まる。戦争を経て子育ても終えた彼女たちは、家庭の状況も経済状態も健康状態もそれぞれであったが、楽しい時を過ごす。 『第十話』。青い壺の持ち主は目まぐるしく変わる。どうやら青い壺は持ち主に幾ばくかの幸運をもたらすようだ。弓香が京都旅行から戻り、骨董市で僅か三千円で手に入れた、あの青い壺を孫娘の悠子に土産に渡す。 母校だったミッションスクールの初等科に栄養士として就職した弓香の孫娘の悠子は、子供たちに野菜を食べさせたいと工夫を凝らすが、ある日、真っ黒なほうれん草のスープを作るという大失敗してしまう。 『第十一話』。青い壺は何処へ行ってしまうのか。肉親との別れほど悲しいものはない。昨年末、自分も父親を亡くしたが、涙こそ流しはしなかったが、心にポッカリと穴が空いたような気分が続いている。 世話になったシスターが45年ぶりにスペインに帰郷すると聞いた悠子は、青い壺をプレゼントする。 『第十二話』。スペインに渡った青い壺はどうなったのか。青い壺は1人の男性がスペインから日本に持ち帰っていた。 スペイン旅行中に急性肺炎になったという入院患者の男は、病室に飾った青い壺に触られそうになると、怒鳴るのだった。 『第十三話』。最終話。因果応報。人生とは人との繋がりで、与えた物、貰った物が、巡り巡る仕組みになっているのかも知れない。青い壺の運命は…… スペイン旅行中に急性肺炎になった男は高名な美術評論家だった。その男に呼び出されて、家を訪ねた陶芸家の牧田省造は、男がスペインのバルセロナの骨董店で見付けた12世紀初頭の掘り出し物だと言う青い壺を見せられる。 本体価格770円 ★★★★★
79投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
青い壺をめぐる13話の短編集 短編ではあるがところどころで、前の話で出てきた人物との関わりがあって面白かった。ラストも予想とは違う形で終わった。 読みやすく夢中になってすぐ読んでしまった。
1投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログ青い壺が映し出すリアルな生活感、数珠つなぎに持ち主が代わりそれぞれの人生模様が面白い 自分の退職後についても考えさせられた
1投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ青い壺に縁があった人たちの物語。 女性の語り手が多く、家族を支える存在でいた女性の難しさというものを感じた。 70歳を超えたような人々の語りを見て、私も将来彼女らに共感するようになっていくのか...?と思いながら読んだ。 特に青い壺に曰くがあるわけはないが、美しいと人々を惹きつけた。 一方、壺を手放したがった人は、壺を贈ってきた人をよく思っていなかったのかもしれない。
1投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログ本屋さんで大きく紹介されていたのをきっかけに手に取りました。 青い壺がどんな存在なのかを想像しながら読み進めるのが面白かったです。ただ、時代設定が少し昔なのか、私にはあまり馴染みにくい部分もありました。 物語は青い壺がさまざまな人の手に渡っていく中で、それぞれのストーリーが描かれていきますが、切り替わりが多くてついていけないところもありました。それでも、ひとつの壺を通して浮かび上がる人間模様を見ていくのはとても興味深かったです。
5投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログ無名の陶芸家が焼いた美しい青磁の壺 偶然がいくつか重なり焼き上がった素晴らしく美しい壺 その壺がいろんな人の手に渡り、いろんな人生になんとなく関わったお話 話題になっていてどんなお話なのか興味があり図書館で予約したら60人待ち! やっと読めました 壺には何らかの力があって関わる人の人生を操作しちゃうのか?なんて勝手に想像していたら全く見当違いでした 登場人物は、まわりまわって1つの壺を所有する昭和のごく普通の人たち 多少裕福であったり、そうでなかったりするけど、まぁドラマチックな設定は特にない 劇的なことは起こらないが、日常ってこんなだよね 13章ある中の、第9章 50年ぶりに同級会に参加した女性達の話が興味深かった 言葉遣いが上品で、丁寧で、50年前お嬢様だったおばちゃん達の可愛らしさがよかった 女性ってなんだかんだ文句言うけど、最後は笑って人生楽しめるよねって思った 壺が全然出てこなくて関係ないのかな?と思ってたら、やっぱり出てきた!笑
13投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログとても長くて楽しい旅を終えたような気分です。砧青磁の美しい姿を思い浮かべながらの旅でした。決して次から次へとページをくるという種類の作品ではありません。ゆっくりそしてじっくりと楽しませていただきました。 よく百貨店なんかでこういう作品の展示会がありますが、砧青磁がどんなものであるのかぜひみてみたいです。タクシードライバーと言葉を交わし新幹線に飛び乗った省造の気持ちが、このあときっと開いて行くのだと予想される良い終わり方だったと思います。
2投稿日: 2025.09.04
powered by ブクログ偶然できた美しい青い壺。 この壺の持ち主が変わるたびに、それぞれの物語が展開される。 戦後昭和の時代背景だろうに、違和感なくスッと入ってくるお話ばかりだった。 どの時代も人の関心ごと悩みごとってそう変わらないのだなと。 ただ登場人物が皆上流階級ぽくて、なんとなく浮かぶ情景が美しかった。
2投稿日: 2025.09.03
powered by ブクログ次々に人手に渡る青い壺とその周辺の人間模様の話。 深刻な話もあるが、どこかクスっと可笑しく、読後感は悪くない。
0投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログ「信じられないくらいに面白い!」という帯がついてましたのでわくわく読み始めました。 青い壺をめぐる13篇のお話。 窯から出されてからたくさんの人の手に渡り、スペインにまで行ったと思ったら、作った省造のもとへ。でもまだこの壺の旅は続くんでしょうね。 「次のオーナはこんな人か」「今回はこんな値段なのね」「あらやっと壺出てきた」なんて、壺目線で読書したのは初めて! 特にお気に入りは お母さんの目の手術のお話、ホロホロ鳥、おばあちゃん達の旅行、ラストでブチ切れられちゃう省造。
0投稿日: 2025.08.31
powered by ブクログ5話 8話 12話が好きだった お金持ちの傲慢な老人よりも、お金持ちではなくても幸せそうに暮らしているおばあちゃんに好感を持った 昭和に書かれた本で、時代背景など違うところはあるけど人間の心理はどの時代でもあまり変わらないなあと
1投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログ陶芸家の省蔵が焼いた青磁の壺が、人から人へ渡っていく13話の連作短編集。 昭和51年に文藝春秋に初出誌された古い作品。 昭和30年代あたりの人々の生活ぶりや言葉遣いがなんだか新鮮だった。 9話で、50年ぶりの級友たちとのワチャワチャした京都旅行の様子や11話のシスターとの交流がとても愛しかった。 様々な人の手を渡り、ラストには省蔵本人の元へ現れた青磁の壺。 国や時を経ても凛とした美しさが目に浮かんだ。
2投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログリバイバルヒットして売れているのもまったく不思議でない。これは面白い。 青磁の壺の持ち主になった人々を描く連作短編。 戦中を経験した市井の人間たちの、戦後(といっても60-70年代か)模様。その辺にいる人たちを間近で観察しているような、生々しさ。 特に老いをめぐるシビアな視点が面白い。2話なんてもはやホラーですよ。
11投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ話題になっていたので読んでみました。 初読み作家さん。青い壺が行く先々のエピソードが丁寧に描かれていて淡々としているのに、入り込みやすい作品。青い壺は不幸を招いているのかな? 今後の行く末も気になった。
47投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ話題になっていたのと、BSテレ東の「あの本、読みました?」でも紹介され手に取りました。有吉佐和子といえば『複合汚染』を30年位前に読んだのみ。この本は陶芸家の省造が驚くほどの出来映えを見せる青磁の経管を焼き、その持ち主がどんどん変わって行きつつ、持ち主の人生を浮かび上がらせるようなエピソードが13話綴られていきます。昭和51年初出のようで、時代を感じる背景、家族関係はありつつも、今の世にも通じる人物描写が良かったです。私はテレ東でも紹介されていた第7話の、戦争中に洋食のコース料理を自宅で食べる話です。どういう食事なのかは読んでのお楽しみ。 今の時代とかなり異なるので、想像力や知識がないと読みづらい本です。高校くらいから。読めれば小学生でも大丈夫。 第一話 省造が壺を焼き上げ、それを購入しようと最初に申し出た者に売ろうとしたが、彼はその壺をそのまま売るのではないようだ。それを知って不機嫌になる省造。そして壺は…。 第二話 長年連れ添った夫婦は副社長にお礼を携え会社にいくのだが、夫の寅三はおかしな行動を真顔で取りはじめた。『男が嵩ばる』この時代からあるんだね、この感情。そして言葉が格調高い。 第三話 貰った花器が思いもかけず生けにくい。そんなことをしつつ、若い2人をお見合いのように会わせようとした一件。 第四話 同じように悩みながら花を飾りつつ、子どもたちが遺産をあてにするような話を夫とする。そして夫は花器をうちにおいておきたくないと言う。 第五話 花器を貰った千代子は緑内障で盲目になった母が実家で良く扱われていないのを知り、東京のマンションに引取る。改めて受診すると、実は…。壺はお礼の品として医者に渡される。 第六話 医者の石井は行きつけのバーにウイスキーと勘違いして壺を渡す。そのバーでのあれこれ。 第七話 届けて貰った壺をみて、一朗の母は戦時中に外交官の夫と取ったディナーの話をする。 第八話 子どもも家を出て、大変手のかかる義母も逝ってしまった厚子はなんだかぽっかりと穴の空いた気持ちだっと。一朗は2人で食事でも行こうと誘うのだが、その食事には夫が用意したサプライズがあった。帰ってきた家にはなんと。 第九話 戦前に女学校の寮で仲良くしていたメンバーが同窓会で京都に集まる。その老いた姿と、久しぶりに出会う人との想いと。洋服選びから、お小遣いから、泊まる部屋、食事など多岐に渡る感想が面白い。そして壺は思わぬかたちと値段でこの人の前に現れる。 第十話 自分が通っていたカトリック系の学校で栄養士をしている悠子は残りが多い野菜のおかずをなんとかたべさせたい。工夫しながら失敗もある日々の中で、シスターの優しい見守りに気づく。 第十一話 あるシスターが母が危篤でスペインに里帰りするのだという。その修道会の規則を改めて感じ入る悠子。 第十二話 シメは病院で清掃の仕事をしていて、お見舞いの花を職人芸のごとく復活させたりする。また、要らなくなったバラを貰い集め、乾燥させ、枕に仕立て上げたりする。そんな中で、スペインから帰ってきてそのまま入院してる男が花器に挿した花の世話をしようとしたらとんでもない剣幕で怒られてしまう。 第十三話 ようやく肺炎が治った古美術鑑定もする評論家はスペインの骨董屋でおもしろい青磁の壺を見つけたとある男に言う。
4投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ私の産まれる前に書かれた本とのことだが、違和感なく読めた。 好きな章は第9話。おばあちゃま達が同窓旅行に出かけた際の、文句を言いつつもまんざらでもない様子が自分の祖母と重なりかわいらしかった。
2投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
様々な人々のもとを周り回って戻ってきましたね 自分のところに戻って来たわけではないですが、近くまで 自分のものだとはっきり言い切れる自信が素晴らしい 良いものは誰が作ったとかではなく、良いのです 自分がその良さをわかっていればよいのです
1投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ一つ一つの話が短めなので読みやすく、結構早くに読み切った あまり残るものは、、、 表現が繊細?なので、お恥ずかしながら辞書引きながらでした、、
2投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ童謡?のとんでったバナナみたいなお話。壺の行くさきでそれぞれの生活がある。刺激のある話や、不思議な話はありませんのでちょっと物足りないかも
8投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ人には生活があって、日常はそれぞれ違う。 その中に異質であったり馴染んだりする青い壺。 生活に小さなさざなみを広げるこの壺。 評価は高い本だが、私はハラハラしながら本を読むのが好きで、心に波紋を広げてくれる本が好きなのだ。
1投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログオーディブルにて。 1つの青い壺が迎えられた先々で見聞きする話を我々もいっしょに味わえる短編集。 1話1話は地味なお話なもののじんわり温かみがあり、次はどこへ繋がるのだろうという一連の楽しみがある。時代が古いので、当時の考え方や生活様式が面白い。
4投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
戦後からあまり年数が経っていない時代の話だったのでイメージしづらい部分もあったが、登場人物は「こういう人いるなー」と思うことが多く、楽しめた。 個人的に第五話と第八話が好きだった。第八話の終わりは楽しく素敵な時間から一転したところで終わるのでエンタメ性があった。 また、第九話の「五十年前に日本で最高の女子教育を受けたインテリ老婆たちは、案内人の心配りにすっかり激昂してしまったのだった。」の文章も好き。全体的に上品な言い回しで来たところで「インテリ老婆」というワードが今どきっぽさを感じた。かなり好きなワード。 最後の三文で私の心も落ち着いた。
2投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ「ちょっと聞いてよ」 気を使ったり使われたり、あきれたり、懐かしかったり。 ああ、わかるわかる、とどこかで誰かが思っていそうな胸の内。 いかにも人間ぽくて、ちょっとユーモラス、そしてそこはかとない哀愁も。 さっと通り過ぎて忘れてしまうのとは一味違うらしい青い壺。 どんな壺かなあ。
2投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログ原田ひ香さんの帯が気になり、初めて有吉佐和子作品を手に取ってみました。面白かった。青い壺を巡って…戦争の話が出てきたりと昭和初期の話だが、家族の在り方、親子間の悩みなど、現代とそう変わらないんだなと思いました。
3投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログ戦後に苦労した人が多く出てくる、古いお話なのに、人間関係がテーマだからか、全然古く感じません 第四話に出てきた、寿命と一緒にお金を費い切るのは、まさに“DIE WITH ZERO”でした 青い壺はすごくいい物だからなのか、10年のあいだに持ち主を変えながら行ったり来たり その間に人は亡くなったり、関係が変わったり…そんな移ろいが心に残る作品でした
1投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログ100分de名著を見て手に取った一冊。 いつの間にか平積みで本屋に並ぶようになっていてびっくり。 はじめて有吉佐和子先生の本を手に取りました。 昭和に描かれたどこにでもある人間模様の中、手から手へと渡り歩く青磁の花生け。人間はどの時代を生きても根本は変わらないことに気付かされます。 決して派手派手しく、花生けが出てくるわけではないけれど印象的に人から人へ渡り歩きます。終わりの第一三話がとても印象的でした。
12投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログ話題のようなのでとりあえず読了 短編なのに微妙に登場人物と青い壺が連動していて ふむふむという感じになる 構成がとにかく素晴らしい 連続ドラマに向いているような気がする 読んでいて心地よいというのが1番いい表現 最後はやはりそうくるかという終わり方 勉強にはあまりならないが心が穏やかになる本
1投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログ2025.08.12読了。 今年2冊目。 青い壺を通して、それにまつわる人々の人生を巡るお話。 第7話の戦時中の食糧難に春恵が夫の提案で昔外国で食べた優雅なディナーを模した食事をしたことを息子夫婦に話しているお話。 第8話はその息子夫婦のお話。 どのお話にもその人その人のストーリーがありしみじみ味わい深いものでしたが、こちらの2話が特に好きでした。 素晴らしい出来であるにも関わらず、巡る先で価値が変わる青い壷。 大量生産が当たり前な今ですが、巡り合わせに感謝して大切にしていける、大切にしたい物を選んでいきたいなと感じました。
0投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログ最後話がつながったのはスッキリして良かった。 人気が出たのはそれ以外にも理由があるのだと思うが、個人的にはわからなかった。 また機会があればチャレンジしたい。
1投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログ昭和の時代をある程度知っている人だと「あるある」と感じやすいのかなと思うけど、昭和を知らない私にとっては、背景説明がないと入り込みにくいなと感じた。 ストーリーとしては面白いのかもしれないけど、昭和を知ってる人向けの作品って感じかな。
2投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログ青い壺 2025.08.10 青い壺とそれに関わった人々の物語。人とものの巡り合いは運命であること、時代や人によって同じ壺でも評価や価値が変わることを感じた。 ものの価値は値段ではなくて、その背景や歴史なのかなと思う。 美術館や博物館にあまり興味はなかったけれど、この本を読んでもっと昔のものの価値を感じる機会が欲しいなと思った。 最後に作り手に戻ってきて、価値を認識する場面が良かった。 大量生産、大量消費の時代にぜひ読みたい本。
1投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ今も昔も人間模様は変わることがない. 一つの壷を通してこんなにも多方面の人生物語があると思うと、なんだか人生って面白いなって感じた!
0投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ祖母や母の過ごしたのは、こんな時代だったように思える。人への想いや対応が適切な距離を保っていて、剥き出しの心の声が余計に生々しく思える。遠慮のない女性達の思いがとても面白い。
0投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログ恥ずかしながら作者を知らずてっきり最近の作品かと思ったら40年以上前の作品でした。そういうギャップも相まって絶妙な時代背景を感じつつ、青い壺が見届けるさまざまな人の人生を追体験できて面白かった。青い壺が必要以上に目立ってないのも面白い。
9投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログ■前説 昭和の作家たちは、物語だけでなく“題名”に魂を込めた名人が多くいた。「斜陽」「点と線」「永すぎた春」「恍惚の人」─題名が時代を超えて一人歩きし、今となっては「それって元は小説の題名だったの?」って言われるほどに。 この『青い壺』もまた題名がすでに美しく、謎を醸す。著者 有吉佐和子が半世紀ほど前に発表したこの小説は、文藝春秋社の編集者の情熱によって文庫化され、ロングセラーとなった。 昨年読み、気になる箇所があり再読。鋭く辛辣な風刺の巧さに改めてしみじみと感じ入った。 ■あらすじ 名もなき陶芸家の手で焼かれた、ひとつの美しい青い壺。その壺は、ふとしたきっかけで人から人へと渡り歩いていく。 目利きの骨董商、心ない持ち主、偶然手に入れた外国人、アートに惑う評論家…。あるときは粗大ごみのように捨てられ、またあるときは歴史的名品として崇められる。けれど、壺そのものは美しさをたたえたまま何も変わらず、ただただ静かにその身をさらしていく。 やがて、風のように巡り巡ったその壺は、ある日思いがけず“つくり手”のもとへ戻ってくる。そして、陶芸家が選んだ最後の行動は、名声よりもずっと深い“ものづくり”の本質を突きつけてくる…。 ■内容 名もなき陶芸家が焼いたひとつの壺。青く静謐なその壺は、持ち主を変えながら旅をする。 そこに描かれるのは、人の欲深さ・名誉欲・見栄・無関心。そして、何よりも芸術に対する無知と盲信が、〈値打ち〉を株価のように乱高下させる。それは、芸術品にとっての祝福なのか…呪いなのか… ■感想 一言で言うなら…「ひとつの壺が語る、人間の欲と滑稽と、静かな誇りの物語」。 昭和の香気さを放つ軽妙な小説ながら、終始、読者に問いかけてくるのは、はたして「値打ち」とは何なのか? この青い壺のように、ただ美しいだけのものを、「「いくらですか?」「本物ですか?」「将来、値上がりしますか?」と、誰かに測られるものではないと頭ではわかりつつも、人は「付けられた値段」に安堵し、「鑑定」に依存し、「評価」に踊らされてしまう。 そういう人間の愚かさを、有吉佐和子は淡々とした筆致の中に、皮肉をたっぷりまぶして描き切る。その視線は辛辣、でも冷酷ではない。 当時から半世紀経ち、値打ちに踊らされる人たちが巨大なマーケットを生んだのか「転売ヤー」なるものが跋扈し、みっともない人たちが大手振って歩く時代に突入しています、有吉さん。
9投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログこんな面白い小説が50年ほども前に書かれたものだとは驚き。人気があるのも納得の面白さだった。 舞台は昭和レトロな世界だけれど語られる家族問題や社会問題は現代社会の人々にも共通する。 連作短編の形式で少しずつ読みやすいし、それぞれの登場人物やその家族に自分の身内や知人が重なる。 ドロドロしているようで爽やかさもあり、深刻な内容を含んでいても暗くなくて、エンタメ性が高い。多くの人にオススメしたい小説。
0投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ綺麗に繋がってる連作短編。構成がよく練られている。人生の流転と親子の物語。全編モノローグというスタイルも,短編集の一編ならありなんだなと感心させられる。
0投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
青い壺にまつわる人達の話。 最後の章で、作者の元に戻ってくるんですよね。 と思いながら読んでましたが、 どこへ行っちゃうの? どうやって戻ってくるの? と気になった。 この本の単行本が出版されたのが 昭和52年。 話もその頃40年50年代の頃の家族の話。 戦争が終わって20年、30年。 戦争を知っている親たち。そんな時代。 私の好きな本で「あずかりやさん」があります。 その本では、あずかりやさんの周りの 色んな物の目線で話が進んでいく。 お店の暖簾だったり、時計だったり、 オルゴールがあずかりやさんの所に来るまでの話もあった。 その影響で 青い壺はどう思っているんだろう? こんな事言ってるかな?思ってるかな? なんてことを思いながら読んでました。 青い壺の声はありませんが。
0投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ京都から東京、スペインと青い壺が渡っていく。 人物のそれぞれの年代や土地での言葉遣いがさまざまで興味深い。昔は言葉遣いや身のこなしで、学があるか良家の出身かなど判別したのだろう。青い壺はキーワードではなくその周囲の人々の生活の中にそっと存在してる。何の変哲もない日常を切り取った13編の物語。今回は特筆すべき感動はなかったのだが読むたびに感想が違ってきそうだ。
0投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ半世紀前ものの作品。 昭和レトロの雰囲気を持つ人間模様を描いたストーリー。 短編集でありながら、 砧青磁の鮮やかな綺麗な壺がバトン形式で登場。 そもそも、 砧青磁とは何かから調べて、本当にストーリーでも表現される土管のような壺なんだね。なんとなく、見たことあるかも(*'▽'*) 13人の人生ストーリー。話が変わるがわると流れる中、必ず、ちょいと現れる青い壺。かなり、昔のストーリーなのに、現代でもあるある的な内容。 昭和初期、戦争前後の背景。ドロドロ模様もあるが、何故か笑えたりするほどのコメディチックな光景。 文面の書き方がとにかく上手いので、人物や周囲が勝手に頭に浮かぶ。 どのお話も面白く共感出来る。 それにしても、壺が10年間で13人の間を旅するのは面白い。 そして、最後にはここに来るとは。 私の生まれた年に、発行した小説とは思えん。 有吉佐和子先生の本、その他も評価いいので是非読みたい!
12投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ文庫本、読み終わった後、あれあこんなに薄かったかと思うほど内容がしっかり。 無駄のない文章、短い中で的確に情景と心の動き見せてくる、すごい。 楽しかった。
0投稿日: 2025.07.30NHKの番組「100分de名著」をきっかけに読んでみました。
私にとっての有吉佐和子のイメージは、もっとお堅い小説を書く作家といった感じでありましたが、この本は文章も平易でグッと読みやすく、とても面白い連作小説でありました。 青い壺が不思議な流転をしていく小説です。でも、第1話こそ、この「青い壺」の出自が描かれますが、後に続く話は、青い壺をめぐる人間模様が中心です。中には、読んでいる間、壺のことを忘れてしまって、その内容にのめり込んでしまうほど、面白い話が続きます。そして、あ~そう言えば、壺の小説だったと思い出した話もいくつかありました。 すべての話に共通するのは、やはり「普通の幸せ」ということかな。ささやかな幸せがあれば人は生きていけるものですね。でも一方で、やっぱりエゴみたいなものもあるんですよねぇ。最後の話で、青い壺の作者は、この青い壺に再会するわけですが、その後の決意は、なかなか興味深いものです。 それにしても、骨董の価値というのは、難しい物だと改めて思いました。
0投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログポッドキャストを聴き話題になっていることを知り、すぐに購入しました。おもしろい!一瞬で読み終わってしまいました。 作者がすべてのエピソードを実際に見ていたのではないかと思うほど、丁寧でこまかな描写に溢れていました。青い壺の10年間の旅路。きっと実際の骨董品もこんな風にたくさんの人の手を介してひっそりと持ち主の生活をのぞき見しているんですね。
1投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログモノクロの古い映画を見ているように様々な人物、人生が脳裏に浮かんだ。人間、自分の人生しか経験できない。時代の差がある時はもちろん、同じ時代でも、きっと千差万別の人生があるのだろう。普段は忘れてしまうそんなことを青い壺の行き先を追いながら感じた。青い壺に古色がついたのは、壺が短い間に千差万別の人生の場を旅したからかな。
0投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ故郷が誇る偉大な作家さんの作品なので、思わず手に取って読みました。美しい日本語に触れて、SNSや簡易な言葉に慣れている現在、このような上等な文章に浸ることは本当に大切だと感じました。筆者の素晴らしい描写により、見たことのない青磁の壺をリアルに想像しながら読み進めました。1話ずつじっくりと読書するには、最適の作品だと思います。ただ、集中して読んでいると、単調というか、最後の方は盛り上がりにかけ、つまらない、と思ってしまったのが正直な感想です。
1投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ青い壺が転々と様々な人のもとを移動するが、持ち主それぞれの生活や生き方が描かれている。13話の短編集。1977年刊行ということで、戦前を生きた人の話や当時の様子が興味深いと感じるところもあったが、淡々としていてストーリーの展開はあまりなく、面白いとまではいかなかった。
0投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログホームドラマのようで読みやすい。 自分より少し前の時代の空気を懐かしく感じた。 ホロホロ鳥の話、掃除婦の話、修道院の話などいい話ばかりでした。
0投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ青磁の経管の移り変わる持ち主ごとの人間模様が描かれた作品。それぞれが抱える嫁姑問題や兄弟間の介護問題、退職後の社会的な孤独の問題などなど様々な物語が描かれる。 それぞれ面白く読めるが、結局、今、問題とされてる社会問題は、昨日今日顕在化したものではなく、数十年見て見ぬふりをしたり、解決しようとしてもできなかったりと、日本が敗戦後、ずっと抱えてきたものなんだなという気づきも得られる。 白内障の手術で視力を回復する親子の物語や戦中に手に入る食材でヨーロッパ滞在中の食事を再現する夫婦の物語など、特にほっこりする。
0投稿日: 2025.07.25
powered by ブクログ読みやすい。 話の内容はたぶんそんなことなかったんだけど、登場人物に老人が多くて全体的に切ない感じがした
0投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ壺は価格も時間も場所も選ばず、心の動くまま、思いつくまま歩いていく。 最後はどこに落ち着くんだろう。
0投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ50年近く前の作品なんですよ。 でも全く古さを感じない。 むしろ、現代の話かと思うほど。 登場人物の背景に戦争が見え隠れするけれども、人間って50年くらいじゃ本質は変わらないですね。 巡り巡る青い壺。とんな壺だったのかしら。
0投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ一点のよくできた青い壺が巡り巡って様々な人間模様を描く作品。短編小説集で読みやすく、いつの時代も色んな感情を持って人は生きているんだなぁと面白く読み終えました。
6投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ・ 読書記録25-25 青い壺 有吉佐和子 作 25-25 青い壺 有吉佐和子 作 文藝春秋社 全13話の連作短編集 陶芸家の生み出した壺がさまざまな人の手に、それぞれの理由で渡っていく様を昭和の世相、社会、家族を背景に描かれる 言葉遣いの丁寧さ、言い回しが『渡る世間は鬼ばかり』を見ているよう 昭和の言葉遣い あたたかくてほっとする #本好き #読了 #부엌독서실 #本のある暮らし
4投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ一人一人の話が面白く、短いのにその人の人生を覗き見させてもらっているようだった。 どこかおかしさがあり、どの話にも愛着を持って読めた。 古い作品が今また再ブレークとなって良かった。
0投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ最初と最後に青い壺とその作者が主人公になる。青い壺を脇役にして様々な人の人生の紆余曲折が良い味をもって細かく描かれる。懐かしい昭和の風景が思い出されて、普段ミステリー中心の読書の中で、良い風と匂いを味わった気がした。こういうのも良い。
0投稿日: 2025.07.17
