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ぼくは勉強ができない
ぼくは勉強ができない
山田詠美/文藝春秋
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総合評価

39件)
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  • りなこんのアイコン
    りなこん
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    秀美くん、勉強はできないと自負しているが決して馬鹿ではない、頭の回転がいい人。そして高校生みんなが羨むような年上女性と付き合っている人。性格も飄々としていて年上にも物怖じせず質問できる人。やっぱりこういう人ってピカイチにもてちゃうよな〜。性格モテのすべて。推しキャラは仁子。

    0
    投稿日: 2024.09.28
  • まめっちのアイコン
    まめっち
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    娘の現代文の課題図書のリストにあったので、昔読んだことを思い出し再読。もう30年くらいぶり?結構忘れてるもんで、新鮮な気持ちで読めたので再読も良いなー。 主人公の時田秀美は変わらずキラキラしてて、詠美さんの表現は、年を重ねた今も刺さるものがある。 主人公の時田秀美は「勉強ができない」が女にモテる。17歳の彼にとって学校はつまらないもので、同級生を少し上から距離をとって眺めているようなところがある。彼にとって大切なものは、学校の外にあるようだ。 私も高校生のころは学校よりもバイトや絵の教室や、他校の友達と遊んでるほうが楽しかったのを思い出し、秀美に共感してた。 そんな高校生活に後悔は全くしていないけど、学校外で楽しく頑張ったように、もう少し学校でも全力で楽しむ努力をしてもよかったのでは?とそこを後悔してる。 だから、最後に秀美が大学進学を決めてくれてホッとした。「世間」や「社会」に反発していても、必要とあればそれも受け入れることができる秀美は、勉強ができなくても、術は知っている。バカじゃなくてよかったと思った。

    2
    投稿日: 2024.07.14
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    Cherry Kacy
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    ぼくは勉強ができない…、暗いお話?って思ったんだけど、端的に言うと自分の偏見を他人に押し付けるな!みたいなね、お話だった。 ズキューンってきたよ、こういうの好き…(*☻-☻*) 確かに、そういう傾向が度々あると思うんだよね。例えばさ…、思いつきませんでした。

    4
    投稿日: 2024.03.13
  • ちくわのアイコン
    ちくわ
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    学生時代に読まなくてよかったと思った。 学生がテーマの話があまり好きじゃないからさらさら読んじゃったけど、さすが山田詠美さんだ〜という陳腐ですがストレートな感想を持ちました。 賢者の愛より先にこちらを読みたかった…

    0
    投稿日: 2024.01.31
  • らむきーのアイコン
    らむきー
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    高校生の時に初めて読み、挫折。 当時は女にモテることをひけらかし、先生たちに歯向かう生意気な主人公をバカにしていた。 同世代だが、先生の側に立って読んでいたように思う。 しかし三十路を超えて再読すると、あら不思議。 主人公の言い分がとても分かるのだ。 世の中のおかしな部分を容赦なく糾弾し、なぜ?のマシンガンを撃ちまくる主人公。時に過激な言動でも、いまは鼻白むことなくむしろ狼狽える先生たちの姿を見るのが痛快だった。 おまけに勉強ができないと言っているのに、最後のタイトルは 勉強ができる、って・・・。 結局できるんかい!と言いたくなった。 異性にモテるということは秀でている箇所があることを示唆しているし、モテの才能は頭の良さにも通ずると思っている。 ある意味教科書になりうる本だなと。

    0
    投稿日: 2024.01.09
  • えりなのアイコン
    えりな
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    めちゃくちゃ素敵な作品に出会えました。 時田秀美くんの考え方、とても好きです。 大人にこそ読んで欲しい作品。 好きな言葉がありすぎてメモとってしまったくらい。あざとい女子山野さんとの話が結構印象に残ってる。 最後の三角定規と分度器の話、こうくるか、、と思って好き

    2
    投稿日: 2023.02.26
  • ふるえるワカメちゃんのアイコン
    ふるえるワカメちゃん
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    10代の頃ひとに勧められて読んだ数少ない本の中の一冊。ゲームのセーブポイントみたいな存在で、時々読み返したくなる。先日、身の丈に合わない本を読んでオーバーヒートしてしまった頭をちょっとリセット。ページの向こうのリア充な世界が、残念な現実の自分と向き合う勇気をくれる。

    2
    投稿日: 2022.09.05
  • rikaxのアイコン
    rikax
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    このレビューはネタバレを含みます。

    片親だから、可哀想とか、周りが決めつけてはいけないのだと学んだ。 可哀想とか、もったいないとかもだけれど、他人が人に対して言っていいものじゃないのだと。 主人公の先生に対する意見については、本当に本当のことを言っているのにそれに対して怒られてしまう。 価値観とかは、やはり人それぞれだから、人の意見にもっと柔軟に聞き入れる態度が必要だと感じた。 個性的なキャラクターや登場人物が出てきて、読んでいてとても面白かったです。

    0
    投稿日: 2021.11.28
  • けいのアイコン
    けい
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    周りに何を言われても自分の意見を持ち続ける強さがとても良い。 まわりの大人たちがこれまで培ってきた偏見や彼らの言う常識を「そういうものなのか」とありのまま受け入れる方が多数派であり簡単であり大人になった時に大変な思いをしなくて済む方法なのかもしれない。でもそのまわりの常識や偏見に対して疑問を持つことこそが人生を豊かにする秘訣であり、本当の意味での成長なんじゃないかなと思う。 中学生か高校生の間に読んでおきたかった。今のその歳の子たちに強くお勧めしたい。 そして自分自身も繰り返し読みたいです。

    0
    投稿日: 2021.10.09
  • 四日市大学情報センター(図書館)のアイコン
    四日市大学情報センター(図書館)
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    主人公秀美は勉強ができずひねくれた性格だがなぜかモテる。それは自分にとって勉強よりも大事なものは何かをわかっているからだ。自分自身が片親だからひねくれた性格なのだと周りからの陰口や偏見に疲れている。だからこそ、既存の基準に囚われず一度すべてを受け入れ、その中から自分の考えや価値観に沿って無理なものは無理と取捨選択をするという考え方は学ぶことがたくさんある。 最終的に秀美は勉強はできないが進学することを決める。それは勉強よりも大切なものを守るために勉強をするという学生へのメッセージだと思った。

    0
    投稿日: 2021.07.19
  • 桂のアイコン
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    ずっと読みたかった本。 30年も前に書かれていたとはビックリ。 個人的には「賢者の皮剥き」が印象に残った。 皮剥き器でいろんな雑念を削ぎ落として、本当の自分と向き合いたいと思った。

    0
    投稿日: 2021.05.20
  • 太田豊太郎のアイコン
    太田豊太郎
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    このレビューはネタバレを含みます。

    父親のいない子供は不幸だとか、高校生の交際は不純異性交遊だとか、大人たちが思い込んでいる偏見になぜを突きつけてくる時田秀美くん。勉強ができることが大きな価値基準になっている世の中で、僕は勉強ができないが女にはモテる、と言い切れるその価値観の相対化がすごく良い。1日25時間の人間の体内リズムを24時間に調整できなくて、常に1時間の時差ぼけを抱えていたという自殺した片山くんの話が印象的。桜井先生が理解があって良い先生だった。

    0
    投稿日: 2021.05.05
  • mutotsu55のアイコン
    mutotsu55
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     8編+番外編の連作小説集。とにかく登場人物のキャラクターが濃い。主人公の時田秀美君然り、そのお母さん然り、担任兼サッカー部顧問の桜井先生然り、とにかく会話の端々に面白さがついてくる。ぱっと見は面白いだけの小説なのかなと思っていたが、これがなんとも奥深い。思わず「うーん、なるほど」と思ってしまうことも多く、ある意味勉強になる。それぞれの短編がそれぞれの問題を投げかけてくるように思えるので、どの問題を自分なら一番真剣に考えるかというテーマで読み進めるのも面白いかもしれない。個人的には「雑音の順位」が印象に残っている。  この小説の発表が1991年だから、今から約30年前になるが、内容は全く色褪せていない。高校生の考えていることなんて、根本は何も変わっていないんだなと思ってしまう。考えていないようでいて、いろいろ考えている。そうした姿がなかなか面白い。

    0
    投稿日: 2021.03.12
  • Yumのアイコン
    Yum
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    ちょっと立ち止まって冷静に物事を観察したいときに読み返したい一冊。 1日で読み終わりました。 この作家さんの頭の中をもっと見てみたい。

    0
    投稿日: 2021.01.03
  • 康子のアイコン
    康子
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    高校受験の時に使っていた国語の問題集の中で、唯一覚えていたフレーズが出てきてびっくりした。彼は数年のうちに確実に死を迎える存在であるってところ。賢者の愛読む前にこっち先読んだかなきゃいけなかったんだな、、 文庫版の初版、時田秀美くんが十一才になっていて、(誤植?)えっ小学生なの?!って気が動転しちゃってあまり集中できなかったので星2つで、、

    0
    投稿日: 2020.09.14
  • おにぎりのアイコン
    おにぎり
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    普段全く読書をしない、してこなかった私だけど あるとても魅力的なポッドキャスターがこの本について話していたのをきっかけに読書を始めた。 「あなたの高尚な悩み」の植草くんのお話は笑えたし 「番外編・眠れる分度器」の三角定規の話はとても良い言葉だった。 これから色々な本を読んで、またもう一度読み直してみたいな。

    1
    投稿日: 2020.06.23
  • mokamocaのアイコン
    mokamoca
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    主人公は男子高校生の時田秀美。 父親はなく、母と祖父と暮らす。 本人は全くその生活をなんとも思ってないのに、秀美の素直でストレート過ぎる生活故に、父親がいない複雑な家庭だからだと言われる。 それはとても腹立たしいことだ。 でも、秀美のように素直に生きることが出来たら、どんなによいだろうと思う。 たまにその性格で人を傷つけることもあるけれど… それもまた、秀美の成長に役立っていると思う。 大人になった秀美はどんな男性になるだろう? 2020.3.22

    0
    投稿日: 2020.03.22
  • 和希のアイコン
    和希
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    主人公の時田秀美はもちろん、その家族にとても愛着が沸いた。彼らのようなダンディズムをもった大人に出会いたい。 番外編の眠れる分度器の最後の秀美の発見すごくないですか?ぞくぞくしました。そんな考え方があるのか!

    0
    投稿日: 2020.03.19
  • ヤマザキ.from.Hellのアイコン
    ヤマザキ.from.Hell
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    山田詠美さんの思うかっこいいが丸く詰まってる。 かっこいいが何か分からないとき、それは日々起きるけど、秀美が基準になる。 あと、秀美のお父さん一回だけ出てきてよかった。

    0
    投稿日: 2020.02.24
  • 卯月さくらのアイコン
    卯月さくら
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    最初は恋の話や性の話があったり、理屈っぽいことばが並んでいて、あまり面白くなさそうと思った。でも、読んでいて勉強だけが人生じゃない事や、人の生き方には色々あって、教師とはどの道を進む子どもを支えていかないとと思って、いろいろ考えた。

    0
    投稿日: 2020.01.10
  • まのアイコン
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    0009 何回読んでも新鮮だしハッとする。でも心が落ち着く…。秀美くんはかっこいい。番外編の眠れる分度器も好きもなんだよな。

    0
    投稿日: 2019.12.28
  • ありんこゆういちのアイコン
    ありんこゆういち
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    内容(「BOOK」データベースより) 「ぼくは思うのだ。どんなに成績が良くて、りっぱなことを言えるような人物でも、その人が変な顔で女にもてなかったらずい分と虚しいような気がする」―時田秀美は17歳、サッカー好きの男子高校生。勉強はからっきしだが、めっぽうモテる。発表から四半世紀、若者のバイブルであり続ける青春小説の金字塔。

    0
    投稿日: 2019.10.29
  • soniagandhiのアイコン
    soniagandhi
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    時田仁子の「後で苦労したっていいじゃない。痛い目に合わなきゃ学べないこと、沢山あるわ。」にすごく共感しました。 人生って本当にそうだなーと、逆に痛い目にあって苦労したことのほうが、自分を後から守ってくれる教養につながるし、自分の軸になるものになると思うから。

    1
    投稿日: 2017.01.29
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    glideoff
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    上から目線で説教臭くて押し付けがましい小説だった。主人公は他人に対する優越感に浸っていて不愉快。なるほどその通りだなあと思うことも書いてあるのだが、登場人物のキャラもセリフも展開もいかにも「教育的」で鼻白む。とはいえ、こういう小説を苛々せずに軽く流せないところは自分の精神的未熟さの表れだとも感じた。

    1
    投稿日: 2016.08.18
  • majik0825のアイコン
    majik0825
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    ストーリーの最初の方の秀美の考え方や環境は、何か羨ましくなる。 もし、今同じ世代に彼がいたらどうしたら彼のようになれるのだろうかと考えてしまうだろう。 話を読み進めていくなかで、発覚していく周りと違う家庭環境や苦悩。それを乗り越えてきたからこその考え方なのだと思う。 自分と比較して考えてみてもとてもリアルで、勉強になる一冊だった。

    0
    投稿日: 2016.05.16
  • inutoolsのアイコン
    inutools
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    「勉強ができる=世間の常識を盲信する」と考えると、秀美の言動には耳の痛い思いをさせられたりもします。 学校生活の場面が多いので、過去の自分を振り返って「アイタタタ…」と反省させられまくりでした。

    0
    投稿日: 2016.01.04
  • tina0814のアイコン
    tina0814
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    いわた書店の選書で入っていた本。 タイトルからとても興味深い感じだった。 とても冷静な高校生のお話だが、実際にこういう友達がいるので、友達が高校生だったころはこんな感じだったんだろうなと思いながら読んだ。 主役は男子高校生、彼は母親と同じ歳ぐらいの恋人を持ち、祖父と母親との三人暮らし。 母親は息子のことを子供扱いしないからこそ、息子は年が離れた女性を身近に感じ恋人としたのか…? とにかく同じ高校のマドンナ的女子には見向きもしない主人公。 恋愛には歳は関係ないというが、私はやはり疑問に感じることがある。 凄い現実的な話になるが、私が高校生の頃、アラサーの男と付き合っている友達がいた。 その子は「彼はとても大人で落ち着いてて…」という風に言っていたが、、実際自分がアラサーになってみると、この年で女子高生と付き合うなんて感覚がおかしいし大人ではないと感じてしまった。 なんかそういう感じで年下のほうはいいかもしれないが、正直、年上の方どうよってなる。 そういう疑問がちらほら見え隠れしながら、この本を読み進めていった。 恋愛面はさておき、主人公の考え方や冷静さは読んでて清々しいものがったのでこの小説自体は結構気に入ったので☆5!!!

    0
    投稿日: 2016.01.01
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    カラモモ
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    秀美くんみたいな子が同じクラスにいたらきっと親しくはしないだろうけどなんだか楽しそうだなぁと思った。 私としては共感する部分が多くてうれしい気持ちになりました 笑 自分も学年で一番モテる女の子をみて「隙がないなぁ~」と感心してしまいます・・・ 私は真理が一番好きなんですが、再読してみるとお母さんもいい女性だなぁと実感しました。 自分の子供に対して一人の人間として対等に接して、考えるなんて普通なかなかできることじゃありませんもんね・・・。 調べてみると思っていたより古い本でしたが、そんなことを感じさせずいつ読んでも新鮮な一冊でした!

    0
    投稿日: 2015.10.28
  • ogitのアイコン
    ogit
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    (15.08.23) 主人公、時田秀美は母親と祖父と3人で暮らす生徒。風変わりな母親の教えもあり、秀美自身も変わっている。そんな秀美と、教師やクラスメートと、年上の恋人とのやり取りを描いた作品。興味深くて、そしてふっと笑ってしまうようで…じんわり心が、温まるような一冊だった。

    0
    投稿日: 2015.08.23
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    つづき
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    有名すぎて、タイトルだけは知ってたやつ。 出てくる人物がそれぞれ魅力的で、私もあっという間に秀美のファンになってしまいました。 一見ちゃらんぽらんなんだけど、しっかり自分を持っていて賢くて大人。 高校時代こんな男の子いなかったな〜。 それともう一人、なんとなく感情移入できたのは秀美の母・仁子。 率直に言ってしまえばダメ母なのだけど、息子に対しての接し方には迷いがなく、一人の人間として対等に向き合ってる姿勢が素敵だった。 芯の通った強い女性なんだろうな。憧れるし、少し見習いたいと思いました。 それにしても、この小説の初出が1991年であることがとにかく驚き(私まだ生まれてない…)。 青春はいつの時代も変わらないものなのかもしれない。

    0
    投稿日: 2015.08.12
  • whimsical-cat33のアイコン
    whimsical-cat33
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    ビリギャルに出て来て、気になったので購入してみました。 この作品の良さはもう、秀美くんの魅力に尽きますね。 同世代の頃に読みたかったなぁ。 でも大人の今だからこそ、 秀美くんが大人の価値観にぶつける疑問に ハッとさせられたりもする。 もっともっと秀美くんのエピソードを読みたいと思いました。 ちなみに私は真理が好きでした。

    0
    投稿日: 2015.08.01
  • 桧屋あろうのアイコン
    桧屋あろう
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    中学生の時、読書感想文で選んだ本。 もう内容は忘れてしまっていたけど、本棚から発するその存在感ある背表紙を見る度、また読みたいなと思っていた。そんな折「四半世紀後の秀美くん」が加筆された本書を発見。 思い出した。 「勉強よりも大事なことがある」という感想文を確かに書いたことを。 自分の子供に「参考書」として一冊だけプレゼントするなら、本書を選んであげたいと思う。

    0
    投稿日: 2015.07.24
  • かわずのアイコン
    かわず
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    新潮文庫から出ているこの本がずっと気になっていた。 2年くらい前かな?私の一行フェアで、多部ちゃんがこの小説の「いやになるほどの自分があるの?」という一行を挙げていたんだよね。そのとき私は本屋でバイトしていて、毎日のようにその帯を見ながら「買おうかな~どうしようかな~」と悩んでいて、結局買わないままこれだけの月日が経ってしまった。 しかし! この間本屋で、文春文庫から出ているこの小説を発見。しかも解説を大好きな綿矢りさが書いているじゃありませんか!そして即買い。 時田秀美という男子高校生は達観しているというか俯瞰しているというか、なんとも言えない色気をもった不思議な青年(少年…ではない、よね?)だった。 特に好きな項目は ・健全な精神 ・〇をつけよ ・賢者の皮むき かなぁ。 なんとなく東京タワー(江國香織)の透くんを想いながら読んだ。私は彼のことも好きだったんだよ。あとノルウェイの森のワタナベくんとか。 ただ秀美くんは可愛さが多いというか、愛しいと思える部分が強かった。高校生らしさがちゃんとあった上での大人っぽさなんだよなぁ。 読んでいてとても癒されました。でも考えさせられることもアリ。ありあり。 素敵な小説に出会えたなぁ。嬉しい。

    0
    投稿日: 2015.06.28
  • pokokuroのアイコン
    pokokuro
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    このレビューはネタバレを含みます。

    多様な価値観にぶつかる少年の話 17歳の時田秀美は誰でも一度は感じたことのある思春期に浮かんでくる感情に正面からぶつかっていく。世間一般の正解ではない自分にとっての正解を探し、クラスを友人を教師を母親を自分の視点で見つめる。時に、自分自身に悩み、その理由を探り、母親や教師の助言に少しづつ世の中の見方を自分自身の中に形成していく。勉強も恋愛も家庭も一つとして同じもののない、生ものの感情に正面からぶつかる少年の話。

    0
    投稿日: 2015.06.14
  • 円軌道の外のアイコン
    円軌道の外
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    しぶとく続く(笑) 「10代の頃に読んだ作家を再読しよう」企画の第四弾。 山田詠美は村上春樹や村上龍と並んで 学生時代からよく読んでた作家だけど、 中でもいちばん好きで 思春期に自分っていうものを作る上で最も影響を受けた作品が 「ぼくは勉強ができない」でした。 新装文庫本の綿矢りさの秀逸な解説の言葉、 「私にとって本作は美学という科目の教科書で、ただ勉強するだけでは得られない、個人がどう世の中を粋に生きてゆくか決めるスタンスを教えてくれた。血肉となって現在でも身体の中で息づいている」 がこれ以上ないほど僕の思いを言い得ていて 「ああ~、僕だけやなく、みんなコレを読んで大人になったんやなぁ~」と分かって感慨深かった(笑) 今回再読してあらためて思ったけど、 僕に学校では決して教えてくれない「生き方」を教えてくれた17歳の時田秀美くんはフィリップ・マーロウ同様に 今でも自分にとってのヒーローだった。 しかし、なぜ四半世紀も前の作品が これほどの影響力と支持を集めてきたのか。 まぁ読めば分かると思うんやけど、なんと言っても17歳の主人公・時田秀美くんの凛としたカッコ良さに尽きる。 カッコ良いと言っても喧嘩が強いワケでも、スポーツ万能なワケでも、飛び抜けてイケメンなワケでもなくて(笑)、 (秀美くんは人気者ではあるが、性格はむしろ穏やかでヘラヘラして、威厳がないし貧乏人であります笑) 偏見に支えられた大人たちや 媚びへつらったり、間違った美意識で動いてるクラスメートたちとの戦い方、向き合い方、苦悩する姿が、とにかく男前なのです(笑) (僕が学生時代に初読みした秀美くんの感想は、なんと色気のある男だろ~だった) 母子家庭は不幸なのか。 避妊具を持つことは不純なのか。 優しそうに見える子がクラス委員になってはいけないのか。 (そこにあるのは勉強ができなきゃ委員長の資格がないという大人たちが決めた暗黙の了解だ) 大人たちが植え付ける偏った価値観に一人立ち向かい、 大人たちが作った暗黙の了解や常識に異議を申し立てる 詩人のようにロマンチックな少年。 父親の顔すら知らない秀美くんを 「一度言ったことは簡単に引き下がらないカッコいい男になるのよ」と言って育て上げてきたのは母親であり、おじいちゃんの愛である。 クラスのみんなに向かって「僕は勉強ができない」と平然と言ってのけ、 「恋は勉強より楽しいのだ」と先生やガリベンくんに この世の真理を提示してみせる心意気と気概。 自分を過大評価することなく、 人生で大切なのは決して学校の勉強ではないのだと言い切る颯爽とした姿は、 本当のカッコ良さや男らしさを求め真実を模索していた青臭い学生の僕には本当に衝撃的だった。 そして年上の女性である桃子さんとの恋愛の中で 人は恋人とでなくても寝てしまうことがあると知ったり、 人生を構成しているのは殆どが無駄と呼ばれる領域で 恋愛には不健全で淫らな精神が必要だということ、 事実は事実で定義とは違うということ、 自分の中にある嫉妬の感情や憎しみの感情の存在に気づいたり、 書物が人間にもたらす効用や喪失感を初めて知ったり、 秀美くんが物語の中で人生の勉強をこなしていくと同時に 読む側の僕らも見過ごしていた大事なことにふと気付かされていく。 (この小説が凄いのは、今読んでもストンと腑に落ちたり、目から鱗の瞬間が沢山得られること) 「大学を出ないとろくな人間になれない」という大人はいても 「いい顔の人間になりなさい」と諭す大人の少ない事実。 (秀美くんはまさにそう言われて育ったのだ) カッコいい生き方とはなんぞや など この小説には本当にいろんなことを教えてもらった。 彼氏と自由恋愛する秀美くんの母親。 近所のおばあちゃんに恋をしては秀美くんのムースで髪を整え、秀美くんのお気に入りの服を勝手に拝借するお茶目なおじいちゃん。 バーで働く秀美くんの恋人の桃子さん。 可愛く見えるための努力を惜しまない幼なじみの真理。 美しく病弱な副委員長の黒川礼子。 すべてを計算し尽くす、媚びた美少女の山野舞子。 先生と生徒ではなく、男同士として接してくれるサッカー部の顧問の桜井先生。 魅力的な登場人物がひしめき、 難しいことは抜きにして 純粋に青春ストーリーとして楽しめるのがまた素晴らしい。 歯切れのいいリズミカルな文体。 メッセージ性とユーモアの絶妙なバランス。 懐かしいホームコメディの香り。 青春と呼ばれる季節に生きる者の苦悩と喜びを瑞々しい感性で描いた 今でもまったく色褪せない名作です。 是非とも若いうちに読んで欲しいなぁ~

    17
    投稿日: 2015.06.11
  • Lucyのアイコン
    Lucy
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    このレビューはネタバレを含みます。

    懐かしい。まだ本なんてあまり読まなかった高校生のときに影響を受けた本(歳がばれるな)。大人になった今読んでもやっぱりいい。 高校生の頃は割とまじめな方だった私は、秀美くんみたいな男の子が周りにいたら友達になれなかったかもしれない。でもきっとほんとは憧れて、羨ましいとさえ思っていたはず。自分のことを「ぼく」って言える高校生なんてなかなかいない。人に迷惑をかけたりルールから外れることを「かっこいい」と勘違いしてしまう思春期の男の子たちに交じって、秀美くんはとてもまっすぐ素直に生きてるだけなんだ。本当のかっこよさっていうのはここなんだ。 片親だとか貧乏だとか、興味本位で勝手にレッテルを貼る大人たち。「可哀想」なのかどうかは、周りが決めることじゃない。学校で学ぶことは「勉強」だけであって欲しくない。「眠れる分度器」の角のたとえ、泣けました。 お母さんもおじいちゃんも本当にすてき。そしてこんなすてきな本を生み出してくれた山田詠美にも感服です。

    2
    投稿日: 2015.06.10
  • 8833ariesのアイコン
    8833aries
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    20150604 私が生まれる前から秀美くん達は存在していたんですね。知りませんでした。 真理が好きだな、突き抜けてる感じが。 題名の『ぼくは勉強ができない』はそのあとに、「けどー」が付くんじゃないかな。「わたしは勉強ができない」けど、ナントカだ!って胸を張って言えるようになりたい。

    0
    投稿日: 2015.06.04
  • 文藝春秋公式のアイコン
    文藝春秋公式
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    【不朽の青春小説が今再び!】勉強はできないが女にはモテる――高校生・時田秀美に女は皆ときめき、男は皆あこがれた。著者書き下ろしメッセージも収録。

    0
    投稿日: 2015.05.28
  • しんちゃんのアイコン
    しんちゃん
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    素敵な少年?青年?の時田くん。高校生の彼と、ユニークで力強い養育者達。年上の素直で大人な恋人。 「でも、おまえ、女にもてないだろ」「セックスのどこが不純なんだ。」彼の素直でまっすぐな言葉たちが、大人を打った。高校生に近い気持ちなら、きっと彼の言動に羨ましさを覚える。 きらきら輝いて、自由に見えて。 大人、教師としてみると彼は異端かもしれない。それは番外編の「眠れる分度器」にも現れている。時田くんの小学生時代の担任奥田先生の話。彼も彼なりに、考えているのだ。「痛い角が六つ集まったら、360度になるんだ。まん丸です。もう痛い角はなくなってしまうんです。」父親がいないというハンデもこんな風に前向きに捉えようとする、時田くんの姿に心打たれました。

    0
    投稿日: 2015.05.26