
中世芸能講義 「勧進」「天皇」「連歌」「禅」
松岡心平/講談社
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総合評価
(2件)3.5
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- yoshidamasakazu"powered by"
松岡心平 中世芸能講義 中世の芸能に影響を与えた 勧進、天皇、連歌、禅 のテーマについて 論じた本。 中世芸能が、仏教や天皇制と強く結びついて成長したことがわかる。連歌や禅の熱狂的な共同原理の中に見られる無縁性(権力や政治から離れて生きる)が 中世思想の特徴なのかもしれない 各テーマのポイント *仏教の経済活動である勧進が興行化され、芸能化されたことで 能楽に至った流れ *天皇制の中で穢れを一身に背負う存在として 必要とされた河原者、芸能者など非人の役割 *連歌や禅の熱狂的、無縁的な共同原理 *禅のバサラ文化への影響 勧進興行は 今で言う 大仏再建のためのクラウドファンディング。人集め、資金集めのために勧進を行う聖が 芸能化していることがわかる。その先に猿楽があり、それらを様式化、昇華させたのが世阿弥とする論調 能「鵺(ぬえ)」「蝉丸」は 形象化された穢れであり、穢れを 天皇制の内部から排除することを意図しているとのこと 連歌や禅に見られる無縁の人たちの熱狂的な共同意識 *あの人がこう詠んだから自分はこう詠むといった個人個人が別個の世界ではなく、集団である一つの世界を追いかけていく *一切の社会的関係を絶ち、何らかのシンボルのもとに平等に支配する自律的な無縁の共同体という感じ
0投稿日: 2022.02.15 - Norio Sasada"powered by"
久しぶりに歴史関連の書物を手に取ってみました。 日本中世芸能の世界を、「勧進」「天皇」「連歌」「禅」という四つの切り口から論じたものですが、講義形式で語りかけるような文章の説明が続くので、素人でも入り込み易いですね。(内容が理解できているかは別物ですが・・・)
0投稿日: 2020.08.05