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バイロケーション
バイロケーション
法条遥/KADOKAWA
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総合評価

44件)
3.7
7
12
16
1
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もう1人の自分がいるって想像すると、なかなか怖いものがあるけど。自分はうまく共存していける道をみつけたい。それにしてもオリジナルの忍には、かなりひいた(ー_ー;)

    0
    投稿日: 2025.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これは一気に畳み掛けて読んだ方が良かった! しまった〜忙しくてちょこちょこ読みしか出来なかった事に後悔。 読んでる間は頭こんがらがってて楽しかった。そしてこのオチ、最高です。 絶対に再読する本。 満足しました。

    0
    投稿日: 2023.07.17
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    自身と同じ容姿、行動を取るもう一つの存在「バイロケーション」。 いつの間にか顕れ、そして消えていく自分のコピーを目の当たりにし恐怖に怯える主人公・忍。 突然訪れた日常の破綻に手を差し伸べてきたのは同じくバイロケーションに悩まされる人達で組織された「会」彼らはバイロケーションの存在の抹消を目指していた。  自身とは別の二重存在をテーマにしたSF小説であるとともに、不気味な存在を示したホラー小説である。 そして「会」という謎の存在、彼らはバイロケーションに対して志同じはずなのだが・・・? SF、ホラー、ミステリどれをとっても面白い傑作。

    0
    投稿日: 2023.05.09
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    〜じゃ と話す老人とか 主人公の性格の悪さとか なのでの多用とか なぜ浜松ばかりとか いろいろ気にはなるが まあ楽しんだ。

    0
    投稿日: 2023.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    榮はなんだかんだでいい奴なのだろうと予想していたから、最後は驚いた。本当に忍たちのことを研究対象としてしか見ていなかったんだろうな。飯塚は被害者たちの気持ちを汲み取れない、ただの残念な男だが、榮はそれらを理解した上で立ち回ってる。本作一番の邪悪だった。

    0
    投稿日: 2023.02.10
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    映画を観てから読んだのでどっちが本物か偽物か読み返す事なく内容が入ってきた。もし観ていなかったら一日で読みきれなかったと思う。 偽物が悪者と思ってしまうけど、本物でも悪者になるんだなぁとの感想と映画の方が映像の暗さのせいかホラーっぽいと思った。

    0
    投稿日: 2022.02.19
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    これはホラーというよりはSFミステリーですね。設定は嫌いじゃありません。どっちかっていうと好きな方。でも後味悪いなぁ。 ずっと気になってたのは、本体が死んだらバイロケーションも存続しないだろうから、殺し合うのは違うかな?と。ま、バイロケも自分が本体だと思ってるからなんだろうけど。 あと、バイロケーションって言葉に凄く違和感を感じる。超常現象用語なんだろうけど、現象はバイロケでも、自分のドッペルゲンガーをバイロケって呼ぶのが気持ち悪かった。これは私の慣れの問題だけど。

    0
    投稿日: 2022.01.19
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    設定がかなり強引な気がした。 いろいろ都合良く決められている。 途中、かなりこんがらがってきたけど、ちゃんと最後に謎解き(?)があって、ああ、そうなのかと納得したようなしないような。 でも、面白かったか面白くなかったかと訊ねられたら、面白かったと答えると思う。 続編があるみたいなので、そちらも読んでみたい。

    0
    投稿日: 2019.10.20
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    バイロケーションというドッペルゲンガーの現れる一つの現象を扱ったSFホラーミステリ。特にバイロケーションの設定が面白く、全く同じ記憶を持った自分が現れることの影響や、日常生活に与える不利益などを非常に分かりやすく伝えており、ホラー特有の日常に潜む恐怖という点はクリアしている。記憶が同じ存在の差異を見つけるための策などもよく練られている。可読性も高く、淀みなく読めた。展開の予測のつかなさやテンポなどもよく、結末の理不尽な感覚も作者の持ち味が出ていて素晴らしいが、全体的に細かな設定を積み上げたせいか、やや小ぢんまりと纏まってしまったのが惜しまれる。主人公の独特の境遇も仕掛けを予期はさせるが、真相は予想外ではあった。

    0
    投稿日: 2019.05.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ジャンルはミステリ寄りのホラーだけど別に怖くはない。実際にバイロケーションが出たら恐ろしいとは思うが、うまく共生できれば二馬力になるかも…と思ったり。 結局バイロケってなんなのかとか、警察はどうなったのかとか、飯塚の立場とかよくわからないまま終わった部分も多い。オチの展開も早々に読めてしまう。加納が殺された辺りが盛り上がりのピークだった。飯塚に護衛をつけられた辺りの忍は、見張られているというストレスはわかるものの、守ってもらって?もいるのに不満ばかりで、自分ではなにもしないくせに当たり散らして見ていていらっとしてしまった。最後まで本物の忍はいいとこなしだったし。

    0
    投稿日: 2017.09.08
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    オリジナルである自分、バイロケーションと呼ばれる自分。 自分ではあっても自分ではない存在。 もしもその姿を目の当たりにしてしまったら、精神的に受けるダメージは想像もできない。 自分だったら・・・そう考えると、見なかったことにしてしまいそうだ。 それでも実際に被害が及ぶようになったら、どんな解決方法がベストだと言えるのだろう。 幸せな新婚生活。 突然現れたもうひとりの自分。 そして、少しずつ蝕まれていく精神。 崩壊していく幸せな生活と、転落していくだけの人生。 人生なんてちょっとした出会いや機会から変わっていくものなのかもしれない。 そのときは気がつかなくても、人生の分岐点に立っていることがきっと何度もあるのだろう。 バイロケーションの存在の怖さよりも、徐々にかけ離れていくオリジナルとバイロケーションの生活の違いが怖かった。 頑なな心は、人を幸せから遠ざけてしまう。 程度問題ではあるだろうけれど、殻に閉じこもっていては幸せはつかめないと言われているような気がした。

    5
    投稿日: 2017.06.05
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    設定とか面白いと思うし、読んでるときの違和感はなるほどこーゆーことだったのかと思えるし続きも気になり一気に読んだのだけど、なんか浅いんだなぁ。作者の力量のせいか。

    0
    投稿日: 2015.05.05
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    2014.8.8読了。 この人の作品はリライトを読もうと思って、なかなか読めなくて、リライトには続き(リビジョン?)があると知って、とりあえずじゃあ続きがあるかは知らないがこれを読もうとなった。 内容は面白かったが、素人が読むと頭がこんがらがりそうになって、消化不良とまではいかないまでも、ストンと腑に落ちてすっきりとしない感じがする。一度最後まで読んでから、全容をざっくり把握してもう一度最初から読むと、より楽しめるのではないかと思う、というか実際にしてみようと思う。 やっぱり最初にバイロケーションを見たアンリスでの場面が、最初ということもあって一番インパクトがあり面白かった。

    0
    投稿日: 2014.08.08
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    一気読みしてしまった。 ドッペルゲンガーと似て非なるバイロケーションという 設定は、突っ込みどころもなくはないけど 少なくとも作中一貫してブレずに小説の土台として このネタを余すところなく使いきっているので 自分としてはこういうものだと納得して読めたのが 読後の満足感につながっている気がする。 こういう新設定は往々にして破綻しがちなんだけど 最後まで「やりきった」のを素直に賞賛したい。

    1
    投稿日: 2014.05.21
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    ホラーや! 途中でからくりは分かったけど、結末はあんまり予想してなかったなぁ。まあ、予想通りとも言えば言えるんやけど。ホラー要素の怖さが勝ちました。

    0
    投稿日: 2014.03.28
  • 混乱必死ながらも面白い!

    何の予備知識もなく「映画化」の文字に惹かれて手に取ってみました。まず「バイ・ロケーション」という自身の分身に悩まされている被害者の会、という設定が面白かったです。現実味が薄いせいかホラー的な怖さはほとんど感じなかったのですが、胡散臭さを感じながらも会に頼わざるを得ない主人公のジレンマには共感させられました。また、違和感の正体が少しずつ解明されていく過程がミステリーのようで面白く、心地よく騙されてしまいました。最後は怒濤の展開ですこし混乱してしまいますが、読了後の満足度は高かったです。続編もぜひ読んでみたいと思いました。

    0
    投稿日: 2014.03.16
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    ドッペルゲンガーとか分身的な存在、バイロケーションを巡るお話。ジャンルはホラーだけど中身はホラーというよりミステリな感じ。 ホラーというジャンルにしては、設定が細かく、超常現象への恐怖というより、それに対するそれぞれの考え方に焦点を当てている様に感じた。 読んでいるうちに語り手や登場人物達が本体なのかバイロケーションなのかわからなくなってくる。 どんでん返しの連続なので、ドキドキしながら読めた。(実際に現れたらたまったもんじゃないし) 作者的にも内容的にもオチは読めていたが、それでも切ないラストだった。 買ってからしばらくしたら映画化した。映画版は色々設定がホラー寄りに変えられてるらしい。

    0
    投稿日: 2014.03.08
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    角川ホラーからの刊行ですが、めっちゃミステリー。 とういえば映画化してなかったっけ?その後話題を聞かないということは失敗したのかしら??

    0
    投稿日: 2014.03.03
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    実はホラーミステリー。 設定がおもしろそうで購入。オチは期待外れの気もしましたが、ラストは…多少予測どおりとはいったものの、なかなかおもしろかったです。 途中、まわりくどいとかいうか、スッキリしないというか。伏線張りきれてない感じはありましたが。 読みどころは、この“もうひとりの自分”という現実離れした状況からの、実は奥深い衝撃的な結末。 よくあるホラーのただ怖いということではなく、人間であるからこそ・感情があるからこそ、恐ろしいということ。 幸福は共有できない…でも苦しみは共有してもらう。 まぁ所詮、現実の世界ではあり得ない。なんて思っていたけれど、読み終わってふと… この苦しみや苛立ちの種類は、認知症とか精神病とか脳疾患を抱えている人の苦しみに近いのかもしれないと気づかされたら、私にとってはただのホラーミステリーではない特別な一冊に。

    1
    投稿日: 2014.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

     ネタバレどーんとあるので気をつけてください。  まず始めに、えええええええそんなのありかよおおおおお!????  いやね、ミスリードは重要ですよ勿論、じつはこんなんでしたーとかよくあることじゃありませんか。ラストも納得が行くけど哀しいというか、映画の宣伝文句である、本物を必ず殺す、というアオリはあながち間違いでもなかったのだなあ、と。 簡単に言うと、所謂ドッペルゲンガーみたいな自分と瓜二つの存在をバイロケーションというのだけれども、そのバイロケーションはオリジナルの記憶も引継ぎ現れる時間もアトランダムで私生活がぐちゃみそになっちゃうんですよ、さあどうしましょう?というお話です。  んでもって主人公は結婚して画家じみたことをしてまったり暮らしているのですが、ある日バイロケーションに出会ってしまって、どうすべと奔走するのです。  そしてその中で、主人公自体がバイロケーションであり、本物は結婚したこともなく処女のままで画家としてのレベルは主人公に及びもしない哀しい哀しい人間で、とりあえずゴミクズじみたものになっちゃってて、ことの真相を知らされて、すり変わりゃ万事解決なんすよどーすか!?と言われて、ふざけんなあたしよりなによりも上にいきくさった人間に屈しろとかあたしである必要性なんかねーじゃねえか!とブチ切れて自殺しちゃいました。オリジナルが死んだので勿論バイロケーションも死にます。旦那はなにひとつ知らないまま、いきなりいなくなったバイロケーションを呼び続けるのです。  むなしー。  そりゃ、旦那はなにも知らないのだから、バイロケーションの代わりになればどうにでもなるのかもしれないが、それはオリジナルがなにひとつ関与してないものであって、それの代わりをしろったってしたいわけがねーよ。しかも入賞とかなーんにもとったことがなく決死の思いで送った作品が実のところバイロケーションが描いたものが入賞し自分の作品は一次予選ですっ転んでたなんて、そりゃープライドはズタボロ、自分の存在価値はズタボロ、死ぬことしかえらべないに決まってるべや。

    0
    投稿日: 2014.02.14
  • もう一度読み返したくなる小説

    ホラーが苦手な私ですが、この小説はすっと読めました。 読み進めると、今読んでいる箇所が主人公の行動なのか、バイロケーションの行動なのかが理解らなくなってくるので、読み終わった後、カラクリが分かった状態でもう一度読み返したいなと思わせる小説でした。

    0
    投稿日: 2014.01.29
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    映画のCMを見て興味を持ち読んでみました CMだとホラー系なのかなと思っていたが、読んでみるとそんなことはなく怖い系というよりも超常現象系なのかなと思いました。 自分は読み進めていくうちにこの主人公はオリジナルなのか、それともバイロケーションの方なんじゃないか、と思い、途中で混乱していました(笑) ただ、比較的ラストを予想しやすい作品だと思います。 少しひねくれた作品を好む人には合わないかもしれないです

    0
    投稿日: 2014.01.21
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    もう一人の自分、バイロケーション いわゆるドッペルゲンガーとの恐怖と戦いを描いた作品です 話の展開も早く、主人公の心情もストレートに描かれていて スラスラと読める作品でした 大きな驚きや予想外な展開があまりなかったのがちょっと残念

    0
    投稿日: 2014.01.19
  • 素材は良いけど…

    ドッペルゲンガーとは異なる、「バイ・ロケーション(同時両所存在)」という設定がおもしろい。序盤、主人公が恐怖に遭遇し、その事象にまつわる「会」に巻き込まれる展開も、テンポがあって以降のドキドキ感を期待させる。 …が、そもそもの状況設定の違和・無理感や、中盤以降のご都合主義的な内容はもう少し改善してほしかったところ。何よりホラーとして致命的なのは、怖くないことだろうか(笑)。

    0
    投稿日: 2013.12.30
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    感覚的にはSFチックなミステリって感じかな? バイロケーションとは、ドッペルゲンガーとは 違う同時両所存在。 本人に近いところに出現し、その時の本人と同じ姿、記憶を有し 本人として行動してしまう。そして、いつ消えるかわからない。 ある意味、それって怖い。 設定がしっかりしてるから、色々考えてしまいました。 哲学問答みたいな部分もあったし・・・。 自分だったら、どうするんだろう・・・とか。 怖くて猛烈に腹立たしくて、切ないなぁ。

    0
    投稿日: 2013.09.21
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     出版当時、表紙を見て面白くなさそうと思い、またあまりホラーっぽくもなさそうだとスルーしていたのだが人から勧められて読んでみた。面白かった。文章が凄く上手くて読みたい気持ちにさせられた。  バイロケーションは本物と同じスペックと記憶と経験を有してそれを更新し続ける上に、出現した時に得た経験値まで得て人生の競争相手になるので、ドッペルゲンガーよりもタチが悪い。イヤミスみたいな小説だった。  加賀美からの、目指してきた画家の道と恋人でどちらが大切かという問いかけに高村忍が出した答えの通りになって救いがない。そこがホラーだった。

    0
    投稿日: 2013.05.14
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    ホラー小説大賞、長編賞受賞作。 受賞時は20代やったんかな。 途中で意味が分かった時の、 あの鳥肌は忘れられへん。 確かにホラー。こんな…こんな感性、アリかよ?

    0
    投稿日: 2012.12.06
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    第17回日本ホラー小説大賞・長編賞を受賞した作品。 ストーリーは途中ごちゃごちゃして混乱してしまいましたが後半でどうにか納得。 まだ若手作家さんですが文体がなかなか好み。 今後の作品も要チェックです。

    0
    投稿日: 2012.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【第17回日本ホラー小説大賞 長編賞】 最後は、飯塚さんの作戦ミスだなあ。 忍が最終的にあの選択をしてしまったのは、わかる。 自分より恵まれている偽物なんて、その存在に耐えられないよなぁ。しかも、自分がオリジナルのはずなのに偽物の代役なんて…。

    0
    投稿日: 2012.08.26
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    正直、裏表紙のこの解説ではあまり惹かれなかったのですが、長編賞受賞という言葉に惹かれて買ってしまったこの作品。ドッペルゲンガーとは異なる、といっても自分そっくりサンと出会って ドタバタ騒動が起きるんだろうとなめていました。が、が、が!   あらぬ容疑で警官である加納に突き出された忍は、彼の車で高級レストランへと連れて行かれる。 そこでは、自分とまったく同じ容姿で自分の近くを闊歩する謎の存在、バイロケーションに悩まされる人々が会合を開いていた。そこで彼らが語るのは、とても理解できないようなおかしな話。そして胡散臭い会の名前 もう一人の自分であるバイロケーションをなんとかする会 彼らは本当にそのような存在を信じているのか。しかし、その存在を認めれば自身が被った容疑に説明を付けることができる。 そして被害を被った会のメンバーのためには金も権力も惜しげもなく使う謎の主催者の正体とは。 バイロケーションは身が偽物であると自覚していないため、本人がバイロケーションを憎めばバイロケーションももう一人の自分に対して憎しみを抱く。 作中ではバイロケーションを殺したいと思っていた警察官、加納は自分のバイロケーションと出会い、(お互いがお互いを偽物だと思うため)殺し合いにまで発展しそうになる。作中では絶えず『忍』視点で話が進むため、どちらが本物かは見分けがつかず、話を読んでいても何を信じればいいかわからなくなっていく。 二度読み必須の作品。最後は切なく終わります。

    0
    投稿日: 2012.08.12
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    手に汗を握って、というわけではないが、一気に読ませる筆力はある、この先の化け具合が楽しみな作家。 後半でオチがなんとなく見えてしまい、驚天動地なカタルシスはなかったけれど、安易なハッピーエンドで終わらせないところに非凡を感じる。このエンディングゆえに忘れがたい作品となるのでは。

    1
    投稿日: 2012.05.04
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    バイロケーションという不思議な存在、謎が謎を呼ぶ会とそのメンバーと、先を読ませる気になる要素があり、最後まで読了。リーダビリティは良い。日本ホラー小説大賞受賞作であるが、ぞっとする恐怖はない。ラストにしんみりしてしまった。愛し愛される人がいるかいないか、その一点の違いが人生を大きく分ける。早くいい人を見つけようと思いました……。

    0
    投稿日: 2012.02.19
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    もう一人の自分が現れるという現象・バイロケーションに遭遇した忍は、同じ境遇に苦悩する人たちの集まりに参加するのだが……。 第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。導入部から謎、謎、謎の連続でページを繰る手が止まらない。細かな描写の積み重ねにより、もう一人の自分が存在するという恐怖を盛り上げつつ、そこに設定をうまく使ったミステリ的な仕掛けを隠す手法が見事。ラストの後味の悪さも好み。

    0
    投稿日: 2011.12.19
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     ドッペルゲンガーの小説を読んだことが無かったので、バイロケーションという設定のどこが具体的に新しいのか正直分からないのだが、終盤のに入った段階で、このドラマを作る上でこの設定が無くてはならないものだったと気づく。大きなオチに当る部分(と考えていたもの)が中盤に仄めかされてしまうので、「え、なんで?」と思っていたが、最後の全てが明らかになる所では、緻密に組み立てられた斬新なドラマならではの驚きがてんこ盛りで舌を巻いた。間抜けなほど口をあんぐりと開けていたように思う。とても楽しめた。ただ、ちょっと最後だけに偏りすぎてバタバタした感じはするが…。  20代の新人がこれだけの作品を書いたことに驚く。「今後大化けしそう」とのホラー小説大賞選者の意見があったが、おそらくその通りになるだろう。次の作品を首を長くして待ちたい。

    0
    投稿日: 2011.11.17
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    バイロケーションという設定があまりにも作りこまれている感が強くまた説明不足かな、と思うところもあったのですが、いろいろと面白味の多い作品でした。 主人公と同じくバイロケーションに悩まされる人が集う会に主人公も参加するわけですが、その会の秘密主義があまりに徹底されていて謎だらけの展開に導入も早くて話に引き込まれました。 伏線の張り方もばっちりで、また主人公の生活や精神が徐々にバイロケーションに侵食されていく様子の描き方もうまく、話の流れはなんとなく読めたものの、伏線が一気につながるラストは圧巻でした。 その場面での主人公の描き方もかなりの迫力で、後味の悪さがいい感じで尾を引きました。 第17回日本ホラー小説大賞〈長編賞〉

    0
    投稿日: 2011.10.29
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    「分身の恐怖」 自分が増えると楽になると思ってる人。 それは間違いですよ。 不幸が二倍になるどころが、 二乗も誇張ではない。 自分が消されるかもしれない恐怖もあるしね。

    1
    投稿日: 2011.09.16
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    救われないラストになるのは、ホラー小説だからしょうがないのか。だけどホラー小説なのにあまり怖くない。全体的に怖さよりも「なぜ?どうして?」的な要素が強くて読み応えがありました。ただ、超常現象にこれだけ制約つければトリックも何もないなという気がしないでもないです。

    0
    投稿日: 2011.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これは良かった~ ラストもうすうすわかっていたけど、それを凌駕する心理描写があり、必死で読みふけってしまった。 でもそうよねー私でもそうなるかも~変にうなずいてしまったり。 結局愛なのね、愛。

    0
    投稿日: 2011.07.18
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    もう一人の「自分」が自分の近くに現れる事による被害に悩まされる主人公が、同じ境遇の人たちに知り合い、立ち向かう話です。 説明下手な私がこう書くと陳腐になりますが、内容はとてもうまく出来ていて、ラストまで夢中で読破しました。 設定が作り込み過ぎとか、ややこしいのにちょっと説明不足で置いてきぼり食らってるような気がしたりで 最後理解出来なかったら…とか不安になりましたが、大丈夫でした。 他人が信じられず、自分の存在もあやふやになっていくような恐怖が、なかなか面白かったです。

    0
    投稿日: 2011.02.12
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    画家を目指す忍は、ある日周囲の奇異な視線に違和感を感じていた。そして、身に覚えもない犯罪の犯人として、警察官・加納に有無をいわさず連行されてしまう。訳もわからぬまま、連れて行かれた先は、警察ではなく、「バイロケーション」という、自分と同じ容姿をし、同じ記憶に同じ行動をとる奇怪な存在に苦悩する人々が集う「会」だった。はじめは胡散臭く思い、会との関わりを拒否した忍だが、徐々に神出鬼没のバイロケーションに戦きはじめ…。 「自分」という、唯一無二のはずの存在が崩壊する恐怖。そして、本物と偽物は決して相容れることができないという現実。 恐ろしくも、哀しい話でした。 日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

    0
    投稿日: 2010.12.18
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    第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。確かに 怖さはあるものの、題材的にSFの要素が強く、なかなかに 状況を理解するのに頭を使う作品。 自分と同じ人間が現れるドッペルゲンガーに似て 非なる現象「バイロケーション」(同時両所存在)が 引き起こす悲劇を綴った怪作。 自分の偽者が自分と同じ行動を取るという 不可思議な現象。その偽者は一見なんら 人間と変わらない生活習慣までこなすという やっかいな存在。その思考、嗜好、記憶まで同じ。 更にやや細かい設定が諸々あるんですが、その 設定自体がストーリーを運ぶ為に作られたようなものも あってやや理解に苦しむ場面も多々あった...かな。 かなりシンドいラストもホラー作品なので 致し方ないと思いますが出来たらこの展開で違う 結末を読みたかったかも。それでも十分ホラーに なり得るんではないかしら。主人公「忍」の 本当に最後の台詞は...身を裂かれる思いです。 今後の作品も期待出来そうな新人作家さんの 登場ですね。

    0
    投稿日: 2010.12.01
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    http://twitter.com/#!/ZEZEZENZO/status/5659258959958016

    0
    投稿日: 2010.11.20
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    ホラー小説大賞長編賞作品。いわゆる「ドッペルゲンガー」の恐怖を描いた作品だけど。よくあるドッペルゲンガーよりも悪質かもしれません。そしてかなりミステリ的。 オリジナルとバイロケーションの見分け方などミステリ的要素がいっぱいで、頭がぐるぐるします。引っ掛かりを覚える点も多くて、中盤までは軽く混乱。だけど終盤にまとまってくると、なるほど。そういうことだったのか! しかしこんなものが現れてしまったら。本当にどうすればいいのでしょうね。怖くて悲しい物語です。

    0
    投稿日: 2010.11.07
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    バイロケーション――同時両所存在というその名の通り、本人とは別の場所に突如として発生する<もう1人の自分>。ドッペルゲンガーとは違い、バイロケーションは言葉を喋り、物に触れ、まるで本人のように(実際バイロケーション自身は自分こそが本人だと信じている)振舞う存在である。 この設定だけでワクワクが止まらなかったが、読み進めて期待を裏切らない出来だった。ハッキリいって超絶に面白かった。 第17回日本ホラー小説大賞、長編賞ということで「ホラーかな」と薄々考えていたが、どちらかというとミステリ寄り。まあ前々から日本ホラー小説大賞は良質なミステリ作品を送り届けてくれていた(小林泰三しかり恒川光太郎しかり)からジャンルのことはこの際どうでも良いでしょう。 本書の気に入った点。文章の読み易さ、理不尽な恐怖の中に練り込まれたユーモア・毒の効いた皮肉。読んでいて思ったが、作者は抜群にバランス感覚が良い。悲壮的にならざるを得ないシーンが挿入されたその後、必ずニヤリとさせる黒い笑いを提供してくれる。だから中だるみはなく、退屈しない。 主人公の護衛を努める面子が<金髪>だの<ゴスロリ>だの<セーラー服>だの、こういったファニーなギミックは好物だし、オチは読めてしまうけど、個人的には好きだ。ああいうエンディングって余韻があって良いです。 作者の次回作も楽しみです。苦労された方らしいので、存分に書いて欲しいと思ってます。【421P】 詳しいレビューは→http://d.hatena.ne.jp/kikinight/20101119/1290117057

    0
    投稿日: 2010.11.06