
総合評価
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- 愛"powered by"
何もしらない作家の初めましてが短編集だとあまり刺さらないことに気づいた ダナエ(絵の方)が好きなだけにハードルがあがってしまったんだろうな
0投稿日: 2025.05.19 - bambino"powered by"
3作品とも著者の特長が出ていて面白かったです。「ダナエ」はギリシャ神話を読んでみたくなるような気持ちになりましたし、犯人の動機がわからず早く読み進めたくなる構成でした。「まぼろしの虹」と「水母」は、その後に含みを持たせるような終わり方で、私的には少し物足りなさを感じました。短編は感情移入できる主人公の内面を知るまでの時間と、感情移入後の展開が短く、その面でも物足りなさを感じました。それでも私は本作を含め、藤原伊織さんの、根底にどこか孤独や潔さ、そして圧倒的な優しさが漂う作品が好きです。
0投稿日: 2023.02.26 - シキモリ"powered by"
中短編三作品から成る著者存命中に刊行された最後の作品集。レンブラントの絵画「ダナエ」をモチーフにした表題作はミステリー色が強く、家族を題材にした「まぼろしの虹」は文学色が濃い少々風変わりな作品。最後を飾る「水母」は犯罪小説的な味わいがあり、バラエティに富んでいる。登場する男たちは過去への郷愁を抱え、ままならない現実に目を瞑るしかないが、解説の小池真理子氏が評した<荒ぶる諦念>に即した矜持を持ち合わせている。情緒的で感傷的なやせ我慢の美学に満ち溢れた一冊。著者の作品は長編より短編の方が私は好きかもしれない。
0投稿日: 2022.12.31 - aya1124"powered by"
これが読んでいない最後の藤原伊織作品になると思いながら読了。 ダナエは手のひらの闇、水母はシリウスの道に繋がるような。 とにかく藤原伊織作品は主人公がかっこいい。 黙って力になってくれるところ、 説明しないところ。 シリウスの辰村は私の小説カッコいいランキング上位だけれど、水母の方が先に書かれたようなので麻生が元になっているのかな。 もっとたくさん作品を読みたかった。 また読み直そう、テロパラからシリウス、ダックスフントも、蚊とんぼ白髭も。
1投稿日: 2019.10.13 - 空きみ"powered by"
大きな余韻。謎多き終わり方が何とも言えず心地良い。以前一度だけ浅田作品で似たような作品があった。その時は読者への挑戦状に思えたが、本作は読者に委ねられているといった優しい雰囲気を感じた。初読みの作家さんでしたが、すでに他界されているようで新刊が出ないのはとても残念。刊行済の他作品も読んでみたいと思う。 あらすじ(背表紙より) 世界的な評価を得た画家・宇佐美の個展で、財界の大物である義父を描いた肖像画が、切り裂かれ硫酸をかけられるという事件が起きた。犯人はどうやら少女で、「これは予行演習だ」と告げる。宇佐美の妻は、娘を前夫のもとに残していた。彼女が犯人なのか―。著者の代表作といえる傑作中篇など全3篇収録。
0投稿日: 2016.05.08 - ありんこゆういち"powered by"
藤原伊織の遺作となった短編集です。あまり短編は読まないので放置していましたが、早く読めばよかった。非常によかったです。 シリアスな空気の中で不思議な優しさというか優しさがあります。これは彼の本に通底している特徴です。
0投稿日: 2016.02.17 3つの作品からなる中篇集
『ダナエ』、『まぼろしの虹』、『水母』の三篇からなる中篇集です。 個人的にもともと長篇集が好きなので、どの作品も若干物足りなさを感じました。 もっと読んでいたいという気持ちにさせられるから、きっと物足りなく感じたのだと思います。 個人的には『まぼろしの虹』、『ダナエ』、『水母』の順に面白かったかな。
0投稿日: 2015.07.24- mhsingapore"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
藤原伊織の作品は全部読んでたと勝手に思ってたのだけど。すっきりと自暴自棄なオヤジと、すっきりと陰のある女性たちが出てくる中編集。本筋からしたらたぶん要らない要素がかなり印象的で、特に「まぼろしの虹」で出てくるおでんの描写は、梅雨時だけど本当に食べたくなる出来。傑作「テロリストのパラソル」のホットドッグと合わせ、この人グルメライターになっても成功しただろうなあ。
0投稿日: 2015.06.27 - yuusukee108"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
藤原伊織氏の短編集。個人的には『雪が降る』の方が好きでした。でもこの作品もそれぞれのお話に藤原伊織さんらしさが出てて楽しめました。大好きな作家さんです。
0投稿日: 2015.01.24 - fuumizekka"powered by"
会話で物語を作る作家さんなんですかね、伊織さんは。 初めてだったので、他の作品はわからないんですが。 短編集ですが「孤独だけどいいオトコ」が、全てに出てきます。 そんな感じの本。 あとがきが良かったっす。
0投稿日: 2014.04.07 - yatsud60"powered by"
中篇一本に短編二本。導入がやや入り込みづらいが、入ってしまえばとてもしっかりした作品だった。特に人物が良い。とりわけ女性が良い。やわらかくありながら、サバサバとバードボイルドであって、惹かれる。いいな、と思わされる。読後に「テロリストのパラソル」の著者であると知り、なるほどと思うと同時、これが遺作であるということが残念でならない。
1投稿日: 2013.02.02 - kiyomaru"powered by"
作者の作品の中では、ハードボイルド色の薄い感じがします。 ただ、他の作品と共通で、主人公は、ストイックなかっこよさがあります。 作者もその様な性格だったのでしょうか。 好きな作家だったので、これが読み納めかと思うと残念です。 この本では、広告業界、アート業界の話が多く、興味を惹かれます。
0投稿日: 2012.12.12 - Bookrium"powered by"
解説を読むと病気が一時的におさまっている時期に書いた作品だとか。 それを知ったからなのか、藤原氏の作品の中でもかなり感傷的なトーンを感じました。 「まぼろしの虹」はいい意味で”らしくない”作品で、長編で読んでみたかったな。
0投稿日: 2012.11.10 - hiromin"powered by"
表題作と他2篇。 表題作は途中までなかなか面白そうだなぁ、と読ませるけど、最後はなんだかよくわからない。私の読解力がないからかもしれないけど。 他の2作もイマイチだと思ってしまいました。
0投稿日: 2012.02.18 - happysummerdays"powered by"
2011.12.24 開始 2011.12.26 読了 藤原伊織は初めてか? しっかりとした筆致。変に飾らない描写。自分好みである。
0投稿日: 2012.01.03 - 3cheers4GIPS"powered by"
宝石のようなきらめきの、美しい一冊。 死を意識した作品ともいわれているが、 なんとも言葉にできないような、はかなく美しい作品に仕上がっている。 テーマが特にファンタジックなわけでもなく、 しっかりと日常が描かれているのに、 ここまで透明感のある文体はどうしてなんだろう? この人の作品がもう読めないこと、その事実が切ない。
0投稿日: 2011.11.27 - 05"powered by"
亡くなる前、最後の短編集。 出張帰りに本がなかったので静岡の駅で購入、 東京に着くまでに読み終えました。 ダナエ、というと私はクリムトの絵が一番に浮かんでしまうんですけど ここではレンブラントの方がフォーカスされてました。
0投稿日: 2011.10.29 - labgarden"powered by"
ハードボイルド、切ない中編小説です。ウイスキーにぴったり!秋の読書にぜひ。 by ulis99226
0投稿日: 2011.10.01 - keroruu"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
藤原さんの小説は、男のロマンが感じられるハードボイルドで、それが鼻につかず心地好い きっと文章が美しいのでしょうね そして登場人物に好感が持てる 今回は短編だったので、あっという間に読んでしまう読みやすさ ダナエというのはエルミタージュ美術館にあった破壊された絵のことで その絵のもつ物語と関連しながら実際の事件が解決されようとするのだけれど・・・ 推理小説なので、いや、どんな小説は読んでも結論は言っちゃいけないですね 稚拙な言葉ですが、おもしろかったです
0投稿日: 2011.09.04 - shouya1115"powered by"
やっぱり藤原伊織は面白い。 みんな仕事とかで抜群の力を発揮してた過去をもちつつ、何かのきっかけで斜にかまえるようなスタンスの生き方になって、今は世の中を達観しつつハードボイルドに暮らしてるっていう主人公だよなあ 厨二病かもしれんが皆かっこいいんだよな
0投稿日: 2011.08.06 - いるか"powered by"
大好きな作家です。 本当に惜しいことに、2007年に既にお亡くなりになられております。 この作品は、亡くなられる直前に出版された短編(中編)集です。 解説を、これも好きな小池真理子氏が書かれております。 この解説もまた良い。 これだけで一編の小説というか、弔辞というか、そんなかんじになっております。 なにかと縁のあるお二方で、伊織氏が亡くなる前に、『デート』と称して二人で飲みに行っていたということです。 なんだかあまりにも美しすぎて泣けてきてしまいました。 で、肝心の作品。 なんとなく静かな語り口のなかで、大人のオトコの激情が、かなり抑えた文体で描かれております。 どうしようもない状況を、それでもグッと我慢して、だけどそれぞれの行動で自分の哲学を語る。 う~~~ん、渋い! ハードボイルドの原点ですね。 成功した画家が個展に展示した絵を目茶目茶にされ、さらにまた脅迫が…。 それを何故か画家は軽く受け止め、更に何か考えがあるようだが、画家には何があったのか…? 『ダナエ』という聞きなれない言葉は一体何なのか? 複雑な関係の姉と弟と、彼らに付きまとう影。 『まぼろしの虹』とは、何なのか? 母親の不倫相手のオトコの別のオンナの背景とは…?? 『水母』。昔のオンナの展示会に立ち寄った元敏腕CDの選択とは何か? それぞれ、渾身の作品群です。 この短編集と同じ系統では稲見一良っていう、やはりお亡くなりになられた方の作品があります。 この人たちみたいな足跡を遺したいものです。 合掌。
0投稿日: 2011.06.12 - ayustat"powered by"
世界的な評価を得た画家・宇佐美の個展で、財界の大物である義父を描いた肖像画が、切り裂かれ硫酸をかけられるという事件が起きた。犯人はどうやら少女で、「これは予行演習だ」と告げる。宇佐美の妻は、娘を前夫のもとに残していた。彼女が犯人なのか―。著者の代表作といえる傑作中篇など全3篇収録。
0投稿日: 2011.03.03 - ウェルズ"powered by"
収められているのは「ダナエ」「まぼろしの虹」「水母(くらげ)」の中篇3篇。 タイトルとなった「ダナエ」の主人公・宇佐見は萩原朔太郎の詩の一節に象徴される「何物をも喪失せず、同時に一切を失ってしまった男」として描かれている。人もうらやむ成功を収めた今も、過去を引きずりどこか世捨て人のような生き方しかできない男。伊織さんは溢れんばかりのロマンティシズムとリリシズムをもって描ききっています。主人公の想いに思わず涙してしまったほどです。 こうした男のリリシズムは、この本に収められている「水母(くらげ)」の主人公にも共通しています。昼日中から酒場の椅子に腰掛け酒を飲んでいる男、酒を愛し、博打を愛し、考え方は堅苦しく礼儀正しいくせに放蕩を愛する男、仕事にはけっして妥協しないくせに私生活には逸脱を愛する男。自堕落に見えても矜持だけは持ち続けている男。直木賞を受賞した伊織さんの名作『テロリストのパラソル』の主人公であったアル中のバーテンダー・島村もそうでしたが、とにかく切ないほどにカッコイイのです。
0投稿日: 2010.12.18 - あおさわ"powered by"
テロパラで大好きだった藤原先生久々に読了。そこはかとない上品なハードボイルドの香りが素敵です。3作とも素晴らしかったです!!
0投稿日: 2010.09.27 - peperoni"powered by"
この本を読みたくなったのは、ある日配信されてきたメルマガ『NIKKA倶楽部メールマガジン』の記事のせいだ。お酒をあれこれ親しんでいた時の名残で、『ニッカウヰスキー』からのメルマガ配信を受けているのだが、その中に「本をつまみにウイスキーに酔う」というテーマで、この本が『バー読大賞2010』受賞書籍として選定されていたのだ。 何でも、「ウイスキーに合う本」を丸善メーリングリスト読者を中心に一般募集した結果だという。同時に受賞したのが、『食堂かたつむり』(小川糸)ということで、がぜん興味を覚えたわけだ。 この本には、代表作「ダナエ」の他「まぼろしの虹」、「水母」の計3編が収録されているが、やはり「ダナエ」が群を抜いて水準の高い出来だ。ミステリとしても知的なゲームとしても楽しめる。じっくり構成された題材を、ギリシア神話やレンブラントの名作に降りかかった災難などを引き合いに出しながら、読者の想像をあれこれ喚起させながら、最後の一点に落ち着かせていく手腕は素晴らしい。 惜しむべきはこの作品を残したまま、藤原さんが2007年に亡くなってしまっている事実だ。藤原さんと1996年に直木賞を同時受賞した小池真理子さんの「あとがき」は、亡き友人への惜別の思いをこめてなかなか。
0投稿日: 2010.08.25 - xmayumix"powered by"
中編集。 *ダナエ *まぼろしの虹 *水母(くらげ) 藤原伊織らしいハードボイルドな雰囲気の作品だった。 「ダナエ」は画廊で絵に硫酸をかけられるという事件がおこるが、絵の作者は激昂することもなく…。 画家と、その義父の造形がいい。 話の展開は、甘い部分もあると思うけど、2時間ドラマなんぞにしたてるととってもいんだろうなぁ。 「まぼろしの虹」 ちょっと欲張りすぎたかなww 親同士が再婚して姉弟になった二人がいて、その親の関係に亀裂がはいって…。ひょんなことから、弟は義母の不倫相手の恋人の家族と出会う。 弟の人間関係への執着心のなさは、彼のバックボーンを描くことで必要だったんだと思うけど、恋人の家族、その母息子の造形に意味をなくしている感じだった。 「水母」 元の恋人が困った立場になっていると聞かされて…。 だめ男がこっそりがんばるっていうのが基本好きなんでねぇww でもこの3篇の中で一番印象に残っていてよかったなと思うのが「まぼろしの虹」なんだから、よくわからんよね。
0投稿日: 2010.06.26 - より"powered by"
テロリストのパラソルは読んだことがあります。面白かったなあ、と言う印象とこれから色々作品を出されるんだろうなと思っていたので数年前に訃報を聞いたときにはびっくりしました。 この前古本屋で見かけたので購入しました。 ダナエってギリシャ神話のペルセウスのお母さんだったのか。どこかで聞いた名前だったのですが。 なんて潔い、簡潔な人生だろう、と読んで思いました。周囲に居る人は大変かも知れませんが。どれも大変面白く読みました。
0投稿日: 2010.05.20 - heizou"powered by"
「ダナエ」「まぼろしの虹」「水母」の短編集。 どれも、未完で終わっている感じがする。 作者が、食道癌を患った時と重なっているのか?少し残念 ミステリー一歩手前で終わっているようだ。
0投稿日: 2009.10.24 - うし"powered by"
大好きな作家の一冊、遺作が未完の為、事実上の最終作品かな? 単なるミステリではない、少し感動的ですらある。 お勧め
0投稿日: 2009.10.22 - ごっつ"powered by"
藤原さんが書く男性は魅力的だなぁ。愛するろくでなしというか、モテるオトコ。 ルーズなんだけど、どっかクレバーでタイト。 石田さんもそうですが、藤原さん、車谷さん、乃南アサさん、内田さんとか、制作会社とか代理店勤務経験者の作家さんの文体って共通点があるように思えます。 ここが! という風には即答できないのですが……。 私的にはすとんとハマることが多いな。
0投稿日: 2009.09.16 - ほりんちゅ"powered by"
「ダナエ」「まぼろしの虹」「水母」の3編を収録。 有名画家が描いた経済界の重鎮の肖像画が傷をつけられる。犯人は、画家の別れた女との娘だった。父と娘の裏側にあるものが描かれている。 女子サッカーのシュートを見る男二人。一人は両親の離婚に悩む普通の男もう一人は自首直前のやくざ者。これが複雑に絡まって、面白い。 映像作家であう元妻の作品を見て、懐古と疑問を感じた主人公。そこには彼女にまつわる過去があった。これもよくできている。 藤原伊織はやっぱりすごい。
0投稿日: 2009.08.11 - ニセ人事課長"powered by"
藤原伊織が亡くなってから今日で丸2年。 生前、最後に出された単行本がこの短編集で、今となって文庫で読む。 スタイリッシュで洒落た文章。才能だけを頼りに自分の生きたいように生きる男たちを描いて相変わらず格好良い。 一番“らしい”のは最後の「水母」ですかね。 標題作の中に、画家である主人公の絵の暗すぎる色調を“ウサミ・ブルー”と評して『大胆なのに、鋭くて繊細で、人間の切なさが、画と線に溶けこんで』と説明する場面が有るけれど、この本の印象が丁度そんな感じ。 何時にも増して、生きることに対する諦観めいたものが全編を貫く。
0投稿日: 2009.05.17 - 権太"powered by"
2009/5/8 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。 2021/10/6〜10/8 5年半ぶりの藤原作品は、最後の短編集。「ダナエ」、「まぼろしの虹」、「水母」の3遍。独特の文体は相変わらず。表題作「ダナエ」が一番良かった。直木賞を同時受賞した小池真理子さんの解説も素晴らしかった。
0投稿日: 2009.05.08