
総合評価
(2件)1 | ||
0 | ||
0 | ||
0 | ||
0 |
ロックのレジェンドに導かれて
本巻の1話目の扉は『ヨシュア・ツリー/Joshua Tree』。全米チャートでNo.1を獲得し,U2を一躍ビッグ・バンドに押し上げたこの記念碑的なアルバムと,そのツアーを追ったドキュメンタリー『魂の叫び/Rattle and Hum』(と同名のアルバム)でU2はアメリカン・ルーツミュージックへの傾倒を示し,B・B・キングと共演したり,プレスリーの墓参りをしたりしている。 グレイトフル・サウンドで傷だらけになりながら「最後の」ライブ・パフォーマンスを行い,そのまま分解してしまっていたBECKのメンバーも,竜介という水先案内人を欠いたまま,よちよち歩きの再出発を果たし,本巻からアメリカ・ツアーへ旅立つことになる。 U2が上述の2作品を経てまったく違う形に生まれ変わったように,この世を去ったロックのレジェンドたちの夢に導かれて,アメリカ・ツアーはいくつもの意味でBECKにとって再生の旅となる。 漫画という表現手段でここまで音楽を表現できるものか。どれだけ頑張って実写映画化しても,原作で心揺さぶられた読者の魂の中で鳴り響く自由なサウンドは表現できないと思ってしまう。毎回の名盤のパロディ扉絵にも現れる作者のロックへの愛情と深い造詣,そして何より漫画家としての力量によって生まれた,音楽を使わずに音楽を表現することが無限の自由を生む,稀有なシリーズ。
0投稿日: 2015.07.09- リカ"powered by"
コユキのがんばりで、4人が戻ってきたBECK。 でも、竜介は相変わらず行方不明のままです。 そんな要不在の彼らに、全米ツアーの話が舞いこんできました。 50日間46箇所の地獄ツアー。費用はすべて自己負担。 彼らはそれでも、行くことにします。 コユキは、高校を中退して、音楽活動に専念することにしました。 突然の展開に驚きましたが、生半可な気持ちでは、目指す道を極められないと作者は伝えようとしているのでしょうか。 シアトルにはジミー・ヘンドリックスのお墓があるんですね。 メンバーたちが有名ロックミュージシャンの夢を見るシーンが登場するにつけ、作者はつくづくロックが大好きで、これはビッグネームたちへ捧げるオマージュ作品なんだなあと思います。 海外的には「モンゴリアン・チョップ・スクワッド」という名前のBECK。 私はてっきり「アジアン・カンフー・ジェネレーション」からかと思いましたが、「アーバン・ダンス・スクワッド」からだそうです。
0投稿日: 2010.07.26