
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
心の片隅を覗き込むような ちょい怪奇な面白い短編集でした。 ちょっとした編愛や夢に囚われた世界のままゆっくり沈んでゆくのに不快じゃなくてむしろ心地よい 小川洋子さんは大好きですが、ほんとに幅広い作家さんですね。 「ラヴェール嬢」とかほんのり谷崎じみてて好きだし、「銀山の狩猟小屋」も想像力を掻き立てる感じがいい。 「涙売り」は偏愛と狂気が余韻を残し印象深い。人間椅子ちょっと思い出しました。 リーちゃんの屋敷に住んでみたいと一瞬思ったけど、病気も旅行もできないね… やっぱり無理だわ
6投稿日: 2026.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人と人の思わぬ交流を描いた短編集。 最初の「曲芸と野球」は無茶な練習を繰り返す曲芸師のお姉さんとヒットの打てない少年が他の人なら気にしないような合図でお互いを励まし合うという話だった。心温まる人生の妙味を味わえるような個人的には好きな短編で、この短編集はこういう方向性の物語が多いのかなって思っていたが、以降「パラソルチョコレート」を除き、全てがファンタジーの作品であったため拍子抜けした(「ラ・ヴェール嬢の秘密」はどちらかと言えばファンタジーではないが)。 「曲芸と野球」以外では「パラソルチョコレート」が好きだった。シッターに預けられた二人の姉弟が毎週カフェに連れて行かれるのだが、シッターさんはそこで一人でチェスを打っていた。姉がひょんなことから一人でいる時に家で空き巣と遭遇するも、空き巣から自分は裏側の人間だと言われ子ども騙しに踊らされてしまう。けれど、その子ども騙しで世界を理解しようとする様子が微笑ましかった。過程は全くの間違いではあるが、最後には子どもらしい正解に辿り着き、続きが知りたくなる物語だった。3.8。
10投稿日: 2026.03.19
powered by ブクログ小川洋子さんの作品の全てを読みたい。 けして社会の真ん中に居ないであろう、少し変わった人々にスポットを当てる静かな世界観とその描写が心にストレートに刺さります。 この短編集では、ちょっと怖いと感じる話が多めでした。 「パラソルチョコレート」が特に好きでした。
1投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログ9話の不思議な世界の短編集だ。 特に印象深かったのは⋯ ⚫︎「 曲芸と野球 」 「私」が少年野球を楽しんでいた小学校4年生の時、常に3塁側のファールゾーンで女性の曲芸師が椅子を4脚積み重ねての稽古をしていた。 しかしチームメイトには、その曲芸師の姿は視界に入っていないようだった。 大人になった「私」は、年に数回のペースで草野球を楽しむのだが、今でも三塁側のファールゾーンから曲芸師が「私」を見つめている。 ⚫︎「 イービーの叶わぬ望み 」 老舗の中華料理店のエレベーター内で、誰かに産み落とされていたイービー。 お店に勤めていた心優しいチュン婆さんがイービーの育ての親になる。 成長とともにイービー少年はエレベーターボーイ(E.B.)として働くようになり、その優秀さもあって皆から愛される存在となった。 育ての親のチュン婆さんが亡くなると、イービーはエレベーターから一歩も出なくなり、狭いエレベーター空間に合わせるように身体の成長も止まってしまう。 他の短編に登場してくる人物も、独特の個性を擁した者ばかりで魅力的なのだ。 小川洋子女史が綴る人物たちは、ただ単に変わった人物像に留まることなく、世を超越した存在感となって綴られている。
7投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ9編の話のうち、恋愛感情に触れた話がいくつかあった。小川洋子さんの小説が纏っているほんのりとした愛情が、明確に恋愛感情として描かれている話は特に好きなので、登場人物のそれぞれの愛し方に読み耽った。タイトルの『夜明けの縁を彷徨う人々』という一文になったつもりで、私もページを捲った。『ラ・ヴェール嬢』という題名の話が登場するが、ラ・ヴェールとはフランス語で緑という意味らしい。賃貸物件のサイトの引用を見つけてようやく見つけた意味だったが、この簡単に、明確に辿り着かない答えすらも題名に込められているのかなと思う。
7投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログサクッと読める幻想小説。テーマを述べるとすれば個人的には「喪失」なのかなと思います。仄暗い世界で生きている人々に耳を傾ける登場人物。 だけれどもその喪失から得た感情はとてもリアルな内容だと思いました
11投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログ奇妙で怖さもあるけれど、どこか滑稽さも漂う短編集。野球の話2つとエレベーターに住む「イービー」の話が記憶に残る。文章と描写が美しくて小説なのに映像を見ているような感覚。全面帯を見て選んだ一冊、心に残る素敵な読書体験になりました。
9投稿日: 2025.05.10
powered by ブクログ短編9つ。こういうグロテスクで美しい物語は夜に静かな部屋で読みたい。 身体的にアンバランスな登場人物が多い印象。 そして皆素直でまっすぐなことがまたパラレルへと誘われる。(現実だとどこか性格や認知が歪んでしまいそう) 星新一のショートショートや、 村上春樹のファンタジーを混ぜて グロを3滴、淡々綴った、みたいな印象。
1投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ初小川洋子さん。奇妙でユーモラスな人たちのお話がどれも面白かった。夢の中の世界みたい。短編集は時間かかるものが多いけどこの作品は数時間で一気読みした。 「曲芸と野球」 スポーツの話は中々入り込めないから心配したけど、僕と曲芸師の不思議な絆が面白くて引き込まれた。最後の方でなんだか怪しくなってきて。最後は幻覚なのか…? 「教授宅の留守番」 まず舞台設定が面白い。部屋の中にどんどんお祝いの花が届いて埋もれてその中でお腹いっぱい食べ物を食べまくる。 「イービーのかなわぬ望み」 このお話とても好き。人間椅子を思い出す雰囲気。イービーが上手に半分にした小さなデザートを食べさせてくれる。私の淡い恋心みたいなものにきゅんとする。 「お探しの物件」 世にも奇妙な物語みたいな雰囲気で面白い。中でも好きなのは、「酷い先端恐怖症の女の人のために作られたのに肝心の本人は一歩も新居に踏み入れられず亡くなった丸い家」と「あらゆる動物の中で最も長寿なゾウガメのリリアン邸」がお気に入り。 「涙売り」 涙で楽器の音色をよくする女性が関節カスタネットのために痛みの涙を流す愛の狂気的物語…。自分の足の指を切っていくの怖すぎる…笑 「パラソルチョコレート」 このお話も好き。子どもの私の裏側にいるおじいちゃん。パラソルチョコレートで繋がった表と裏の二人。よくわからないのに温かい。 「ラ・ヴェール嬢」 村田沙耶香さんみたいな奇妙さと桜庭一樹さんみたいな性愛の描写って印象。小川さんこういうのもかくんだ。 「銀山の狩猟小屋」 あまり刺さらなかった。 「再試合」 二度目の野球のお話。小川さんが野球好きなのかな? お風呂にも入らず歯も磨かず、毎日カレーを食べて、レフトの彼を見続けるのが絶妙に気持ち悪い。百三歳のおじいさんの言おうとしてることが全部わかるようになるのが(笑)この女の人も前歯が一本しかなくなっておじいさんとお揃いなのが(笑)
0投稿日: 2025.04.17
powered by ブクログ『ミーナの行進』がとても面白かったので小川洋子さんの小説を2冊借りて来ました。 こちらは9編の短編集でしたが、最初の『曲芸と野球』から圧倒されてしまいました。曲芸師の身体はどうなってるんでしょう? 次の『教授宅の留守番』はD子さんの正体に最後は怖っ! そして極めつけは『イービーのかなわぬ望み』です。不思議〜。本当に不思議な世界観。 この感覚は前に今村夏子さんを読んだ時と似ているかも。 ちなみに好きなお話は『パラソルチョコレート』です。懐かしくて私もまた食べたくなりました。 小川洋子さん、何をヒントにこんな不思議なお話の数々が思い浮かぶのでしょう。もう1冊借りてきた本も読むのが楽しみです。
8投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログ三日月の下 暗い絵本の森の中 押し手のないベビーカーに乗る子豚 見たくないから見ないように生きてきた世界 どんだけ魅力的なんだ
4投稿日: 2025.02.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
相変わらず良かった! 「静謐」という言葉がぴったりくる小川氏。彼女の2007年の作品となります。 短篇9編からなる本作、全般的に幻想的(シュール!?)、でも筆致はしっとり。 そうしたギャップが、真面目な顔して冗談をいうかの如く、ユーモアを湛えた雰囲気すら醸成しています。 あるいは、冗談だと思っていた話が実は本人は本気で、その本気が狂気・ホラーの世界につながっていくかのような小品もあります。それもそれで味わい深くありました。 ・・・ どれも良かったのですが、一番印象に深い作品を挙げます。 私としては「イービーのかなわぬ望み」。 エレベーターで生をうけ、そこで育ち、エレベーターボーイとして働きつつそこで住まう男性の一生。それだけでシュールなモチーフですが、そこまでしっとりと描かれると、何というか、そうですか、と受け入れざるを得ない笑 他にもっと面白いものもあるも、印象という観点だとこれが一番記憶に残りました。 ・・・ なお、面白いでいうと、 留守番だと思った人が実は・・・という展開の「教授宅の留守番」と、芸術や芸事に効く涙を売る女性の話の「涙売り」が良かった。 でも、改めて申し上げると、どれもシュールで静謐で味わい深いのであります。 因みに短篇のタイトルは以下の通りです。 「曲芸と野球」 「教授宅の留守番」 「イービーのかなわぬ望み」 「お探しの物件」 「涙売り」 「パラソルチョコレート」 「ラヴェール嬢」 「銀山の狩猟小屋」 「再試合」 ・・・ ということで久方ぶりの小川作品でした。 今年は小川氏の作品を渉猟してみようかしら、とも考えております。 現実と異なる世界を味わいたい方にはおすすめ。
0投稿日: 2025.01.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんというか、幻想的とはこういうことを言うのか。。。 と、閉じた瞬間にため息が出る。 やっぱり、この世界観が好きだ。
1投稿日: 2024.07.29
powered by ブクログ静謐と陰鬱の境目にある物語が続いている。その違いは読み手側の主観と願いによるもので、現実問題起こっている状況はどちらとも取れるもので、小川さんは演出してどちらかの印象に誘導させようとしている意図はないのが面白い。 子供の頃、新潮文庫のグリム童話集を初めて読んだような気持ち。 磯良一さんによる挿画挿画が、不気味な物語の切り替えの演出を買っていて、一冊の短編作品集としても良い仕上がりだと思った。 (曲芸と野球/教授宅の留守番/イービーのかなわぬ望み/お探しの物件/涙売り/パラソルチョコレート/ラ・ヴェール嬢/銀山の狩猟小屋/再試合)
0投稿日: 2024.07.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夜明けの縁をさ迷う人々 収録作品は以下の通りです。 曲芸と野球、教授宅の留守番、イービーのかなわぬ望み、お探しの物件、涙売り、パラソルチョコレート、ラ・ヴェール嬢、銀山の狩猟小屋、再試合 どの物語も、正常と異常の縁をさまよう人の物語です。曲芸、エレベーター、楽器、全集など各短編ではガジェットが異なりますが、それらに執着するがゆえにバランスを踏み外して、縁をさまよっていた人々はその執着するものの引力に引き寄せられ、崩壊します。もう一つ共通しているのは、ぬるりとしたエロティズムでしょうか?ふとした言葉で垣間見られる隠微さ。 印象的だったのが、野球ではじまり野球で終わるという構成。野球というものが「フィールドオブドリーム」のような奇跡が起きそうなスポーツ(もはやスポーツではなく文化なのかもしれません)なんだなと再確認した次第です。サッカーも文化ですが、不思議や奇跡が入り込む余地が少ないのと対照的かなと。。。 忙しい毎日を離れて、異界の縁を楽しんでください。 竹蔵
0投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ奇妙で微笑ましくも少し怖い9つの短編。 狭い。小さい。無くなる。 待ってましたと言わんばかりの小川ワールド。 野球や甲子園の描写が魅力的。 生き生きとした人や風景と匂いが伝わる。 「夜明けの縁」とは何か。 しばらく思いにふける。
5投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログ何とも表し難い読後感であった。収録作はどれも、日常ありそうな風景の中に一抹のファンタジー要素を含んでおり、不穏な気配を漂わせている。 普段小川洋子さんの作品にはしっとりとして柔らかな静けさを感じるのだが、本書ではそれがあまり感じられず、ストーリーの運びは紛れもなく小川洋子作品であると思えるのだがどこかにずっと違和感があり馴染めずにいた。 最後の「再試合」を読み終わった今は、私も同様に日常にありそうでなさそうなことが起こり引き伸ばされた世界で小川洋子を読んでいるのではないかという気持ちになっている。
3投稿日: 2024.02.03
powered by ブクログ世界のどこかで息をしている、奇妙でかなしい人たちの短編集。 特に刺さったのが以下の4編。 「教授宅の留守番」不倫相手の冴えない男とその奥さんを滅多切りにして地面に埋める愛人の女っていう概念、わりと小川洋子先生定期的に書く気がするんだけど、一体何があったんだろうか……。 奇妙な味ぶりが、途方もなく小川洋子してる。 「イービーのかなわぬ望み」エレベーターから出ずに一生を終えようとした男の、少年の、幸せでかなしいおはなし。 もう発想が小川洋子すぎるし、それをすぐそばで見ていて奔走したかった女の人の視線も小川洋子すなあ……となる。 救いなんてかけらもないのに、穏やかでどこか幸せなエンドロールが見える。 「涙売り」肉体の欠損は、小川洋子の文脈ではなんの欠落にもならない。 それが愛ゆえならば、なおさらのこと。 狂っていようが、どれだけ身勝手だろうが、自分のためだけに誰かを愛して、死ぬのだ。 「ラ・ヴェール嬢」奇妙な雇い主、みたいなテーマもよく出てくるよな、小川洋子文学。 気品も行儀の良さも、人格も感情も、一瞬で裏返る。 すべて自分が見たものが真実なのだから、事実なんて関係ないのかもしれないけれど。
1投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ『女が死ぬ』松田青子さんや今村夏子さんが好きな人にはオススメできる作品。文章はお上手でいかにも純文学的な雰囲気なのだけど、けっこうシュールなお話が多くて思わずくすっと笑ってしまった。 一番笑ったのが『再試合』という作品。数十年ぶりに甲子園に出場することになったとある高校に通う女子高生が主人公で、彼女はレフトの選手に淡い恋心(というか崇拝に近い)を抱いている。順調に試合を勝ち進み、ついに決勝にいくのだが試合が再試合になってしまって……。 オチは完全にギャグで、思わず「なんでだよ」と言ってしまった。 面白かったです。
1投稿日: 2023.08.10
powered by ブクログ久しぶりの小川洋子さんの作品。野球を舞台にした作品が、生き生きと躍動感たっぷりで素晴らしい。阪神タイガースのファンでしたっけ?
0投稿日: 2023.04.14
powered by ブクログ題通り不思議な話が多かった。 結局なんなんだ?というものが多かった 短い割に意外と進まず…. パラソルチョコレートがすごく好き
0投稿日: 2023.03.13
powered by ブクログ初手から小川節炸裂で大変よかった。精神的なグロテスクさというのかな。リアリティのある筆致ではないのに、その情景を鮮やかに想像させる文章が相変わらず好み。夜明けの縁はそう、あちらとこちら。ボーダーにいるのはこの物語の人々か、それとも私か。
0投稿日: 2023.03.12
powered by ブクログ9つの物語からなる短編集です。 どのお話も現実世界では、 あり得ない、起こり得ないことばかり。 シュールではありますが、 波乱にとんだ展開があるわけじゃなく、 翻弄されるような波風が立つわけでもなく、 とても静かな調子で語られるお話たち。 まるで明け方に見る夢の中の出来事のようです。 狂ったような、切ないような、怖いような、悲しいような・・・。 まさに、 夜明けの縁をさ迷っているような気分になれます。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
0投稿日: 2023.02.03
powered by ブクログ・曲芸と野球 ・教授宅の留守番 小川さんにしては珍しいタイプのホラーだと思った! ・イービーのかなわぬ望み E B(elevator boy)の話 どうしてこんなストーリーが思い浮かぶんだ‥ ・お探しの物件 ・涙売り ・パラソルチョコレート わたしの裏側を生きるのはどんな人かな ・ラ・ヴェール嬢 ・銀山の狩猟小屋 ・再試合 レフトの君のお話
0投稿日: 2022.06.14
powered by ブクログ丸い部屋で眠るのって、どんな気分なのかしら。 きっと深い安らぎに包まれて、小さな心配事なんて全部消え去ってゆくんでしょうね。 だって丸い部屋で眠る時の自分は、円の直径になるのよ。
3投稿日: 2022.05.30
powered by ブクログファンタジー要素が強そうだったり、 ホラーっぽい展開だったり、 不思議な世界観の9つの短編集。 あり得ないような描写が さもリアルに描かれているように感じた。 イービーのお話は、 どことなく猫を抱いて象と泳ぐの世界観に似ている気がした。 小川洋子さんの描く世界の人物は 小さな幸せをこれでもかと抱きしめて 大事に大事にしているイメージ
0投稿日: 2022.02.14
powered by ブクログ9の短編、どれも良かったです。「世にも奇妙な物語」に出来そうな感じ。私は特に「涙売り」と「教授宅の留守番」が好きです。特に「涙売り」は愛する人の役に立てれば自分が痛い思いをしたって幸せなんだってことを短い話の中でも、すごく感じました。「涙売り」の彼女は実際にいたら変な人だけど、それぐらい人を愛することができたら素敵でしょうね。
1投稿日: 2021.10.13
powered by ブクログ今日は待ち時間が多いから活字読もうと本棚から取った本。昨晩開いて読んでない本だよな?と思ったら、読んだら過去にも一通り読んだものだった。 現実と非現実、歪んだ世界なのに魂だけが透明でまるみを覚えている……そんな小川先生の世界を久しぶりに浸れて「私が好きなやつ~!」と思わず拍手。 一枚フィルターがかかったような映像が次々と脳を刺激してくるから、すっかり湿度を忘れて冷えた鈴を触っている気分になった。 イービーの話と最後の野球の話が好き。
1投稿日: 2021.06.26
powered by ブクログ妄想、ホラー、人間ドラマ、官能、フェティシズム等など、様々なジャンルを持ちながらも、共通しているのは、風変わりながらも、愛すべき人たち。 たとえ、風変わりすぎて、周りから疎んじられたり、存在すら意識されなくても、たった一人の愛があるだけで、その人の生き様が報われたかのように思われたことには、読んでいて共感を覚えたが、哀愁も感じた。永久という言葉は、一見、素敵に思えるが、あくまで捉え方次第であるし、私だったら、相手の心の中ではなくて、せめて自分の心で報われたという実感が欲しい。まあ、たった一人の愛に出会えただけで、充分だと思えるのもありますがね。そのたった一人が、実はすごく難しい。
19投稿日: 2021.06.14
powered by ブクログストーリーというよりも描写の残し方が全般的に秀逸。 ストーリーは「教授宅の留守番」と「銀山の狩猟小屋」が面白く、前者はテンポの良いコントから小説らしいオチにもっていく形がよかった。後者はいまだにサンバカツギがなんなのか謎で想像力を掻き立てられた。
0投稿日: 2021.03.31
powered by ブクログ捻れた恐怖を感じさせる短編集。 その怖さはあからさまなものではない。 真夜中に自分の部屋でふと目覚め、クローゼットの扉が細く空いているのに気がつく。きちんと締めなかったせいだ。大したことじゃない。なのになぜかそこから目が離せない。人の身体を借りた闇の獣が、息を殺してこちらをずっと覗いているのを感じる。 そういった恐怖だ。 タイトルの『夜明けの縁』というのは、人間の正気と狂気の境目だとわたしは考える。 この9つの短編集に出てくる人たちは皆、その縁を覚束ない足取りでさ迷っている。そしてこちらに戻ってくる人もいれば、あちら側に落ちてしまう人もいる。 すべて現実味のない話のはずなのに、じわじわとその縁が自分に近づいてくる。離れようとすればするほど、足は勝手にそれに向かって動く。やがて死によって、あるいは絶対的な喪失によって、永遠から逃れることができた人の心にのみ平安をもたらす夜明けがやってくる。
1投稿日: 2020.09.21
powered by ブクログタイトルと文庫本のカバーに惹かれて購入。 こういう日常と幻想の境目がないようなお話は大好き。 迷い込みたいんだなきっと。 意味を深読みすることもできるかもしれないけど、それよりその世界に浸っていたい。 私は涙売りでいいです。
0投稿日: 2020.07.27
powered by ブクログ小川洋子さん「夜明けの縁をさ迷う人々」、2007.8発行、9つの短編小説が収録されています。どれも味わい深いです。興味深い話、怖い話、奇妙な話。興味深く強く印象に残ったのは、「ラ・ヴェール嬢」と「お探しの物件」。「涙売り」と「教授宅の留守番」は怖い恐い話でした。奇妙な話の中には、彼岸と此岸の交差する話が多いです。
0投稿日: 2020.07.11
powered by ブクログ多感な時期に読んで一番心に染みたのが小川洋子の作品だった。 優しいのに残酷、綺麗なのに歪んでいて、何処か切なくて美しい。 ずっとこの世界に浸り続けていたかった。
0投稿日: 2019.01.09
powered by ブクログタイトルの「夜明けの縁をさ迷う人々」の場面を想像してみる…夜明け。眩しい光が差し込めるがそれを嫌い闇を求めてさ迷う人々。小説はその場面を切り取り彼らは永久に日の目を見ることがない。小川さんの作品から感じる世界にはどれも独特の時間軸が存在し時間がゆったりと流れるている事。人と人との微妙な距離感。見事なまでの五感の表現方。儚さ、切なさ、狂気、淫靡、孤独…といった感情を独特の時間の流れとともに読後に様々な想いを胸に抱かせてくれる。淫靡で狂気を伴っていてもそういう美しさもあるよなぁ…と感じさせながら。
0投稿日: 2018.08.15
powered by ブクログ面白かったです。タイトルも良いです。 不思議でなんだか奇妙だな、と思いながら読んでいると、終盤になるにつれ狂気を帯びてくるお話たち。 特に、「教授宅の留守番」「涙売り」が好きです。「ラ・ヴェール嬢」の淫靡さも好き。 最初と最後の短編が野球のお話で、最後のお話は、小川洋子さんはこんな眼差しで野球の応援をされているのかな…というのが感じられました。
0投稿日: 2018.05.10
powered by ブクログ『小川洋子に見られている』 見ている。小川洋子が見ている。あなた自身も気がつけない些細な癖を。今も見ている。吸い込んだ空気があなたの小さな胸を上下させるのを。悩んでいるからって、小指を噛んだりしたらいけない。あっという間に小川洋子に見つかって、彼女が操る言葉に絡め取られ永遠に閉じ込められてしまう。 小川洋子は覗き見ている。夜明けの縁をさ迷う人々を。
0投稿日: 2018.04.04
powered by ブクログ純粋なスリラーっぽい作品もあり、多少毛色が異なる短編集かもしれないけれど、やはりこの作家独特の死の気配とフェチ感が充満しています。小川洋子を説明するに簡単な作品集かもしれませぬ。
0投稿日: 2018.01.29
powered by ブクログ小川洋子さんの世界観が惜しまなく詰まっている作品です。 とてもギリギリな所を一点だけを見てさ迷っている、そんな狂った様な痛みを持って、そのくせ麻薬的な心地よさを持った、そんな人たちの話。 「夜明けの縁をさ迷う人々」 しっくりくる題名です。
0投稿日: 2017.09.17
powered by ブクログファンタジーのような、ホラーのような短編集。 最初に読んだときはこのファンタジー的な要素に全くついていけなかったが、フェチズムを表現した作品と捉えてやっと読むことができた。要は私のような、話に起承転結を求める人が前情報なしに読むとちんぷんかんぷんになるのでそこは注意。 個人的にはイービーの話が好み。どんなに語り手や読み手が悲しさや切なさを感じても、登場人物本人がそう思ってないなら、それは幸せなことだ。
0投稿日: 2017.08.09
powered by ブクログ奇妙だけれど、圧倒的な存在感と不吉さを持った短編集。感動作ではないが、これもまた、何かの最高峰であることは間違いない。
0投稿日: 2017.02.20
powered by ブクログまさにの題名買い。いかにも小川氏らしいのエロコワなナイン・ストーリーズ。本を開いて、夢のような旅が始まって、本を閉じたとしても、この耳が痛いほど静かな夢の世界にもう出られないような恍惚さが頭に漂う。
0投稿日: 2017.01.07
powered by ブクログ・・・もしかしたらこんな人たちもどこかにいるかもしれない。人の心の片隅にひそかに息づくような人たち。中華料理店のエレベーターの中で生まれ、育った一人の男は閉店とともに消えてしまう。エレベーターという狭い狭い空間の中の一生。その一生を思う時、清らかさとペーソスとひんやりとした空気の存在を思う。
0投稿日: 2016.09.22
powered by ブクログまるで夢の中にいるような浮遊感を持つと同時に、不思議な世界観に溺れてしまいそうでもある短編集。 どの短編も、読み進めていくほどに主人公のいる世界が歪み、輪郭がぼやけ、視界には靄がかかっていく。 ところどころで出てくる不気味で恍惚とした単語には、背中を指先で撫でられるような感覚を抱いてしまう。 小川洋子さんは想像や妄想のオールだけを持って遠い世界へどこまでも舟を漕いでいける人だと思う。そのまま本当に何処かに行ってしまわないように、小説がこの世界と小川洋子さんを繋ぐ役割を担っているのだろうか、と思わずにはいられない。 稀有な才能。出会えたことに感謝したい。
0投稿日: 2016.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「曲芸と野球」少年野球チームでプレイをする小学生の主人公から遠く離れた原っぱで、椅子を積みあげ、逆立ちの練習をしている曲芸師の話。 「教授宅の留守番」 「イービーのかなわぬ望み」ティム・ロスの映画と同じ設定で、船のかわりにエレベーターから出ない青年の話。 「お探しの物件」 「涙売り」楽器の音を調整する涙を持つ女性の話。 「パラソルチョコレート」 「ラ・ヴェール嬢」 「銀山の狩猟小屋」 「再試合」
0投稿日: 2016.03.04
powered by ブクログ小川洋子の短編集。純文学と構えるほどでもなく、ちゃんとオチらしいオチがある。 9作のうち、やはり印象に残るのは、ちょっとホラーやファンタジーがかった「教授宅」「イービー」の話。小川洋子は、後ろからゆっくり迫ってくるような恐怖を描かせたらやはりいい。 さらに、他の本もだけれども、なんてことはない言葉にスポットを当てて、どんどん際立たせて盛り上げていくところが、小川洋子作品の醍醐味であって、この本においても、そういううまく際立って光る言葉がいくつも出てくる。 小川洋子というと「博士」から入る人が多そうだが、その次あたりにおすすめできるのは、この本や「海」だろうなあ。
3投稿日: 2016.03.02
powered by ブクログ小川洋子ワールドの短編9編。どの作品も小川洋子ならではのユーモアに満ち溢れながら、突出した嗜好のためにある種疎外された人々を、ある時は哀しみをもって、またある時はホラーテイストにて、そして、短編ならではのスピード感と意外性をもって、珠玉に紡がれた小説群になっています。 どの短編も短編ならではの趣向が滲み出ていますが、しかし例えば、曲芸師と野球少年の心の交流を描いた『曲芸と野球』であったり、また、老舗中華料理屋のエレベータを生涯の住処とした『イービーのかなわぬ望み』や、楽器に有効な不思議な涙を持つ女性が人体楽器に寄り添う『涙売り』は、小川洋子の他の長編でもみられるそこはかとない哀しみを描いた作品であり、ちょっと短編で終わらせるには惜しい構想を持った作品だったと思います。 それから、どの作品も次にどんな展開があるのだろうかとわくわくするような緻密な構成になっていますが、特に『教授宅の留守番』や『銀山の狩猟小屋』は小川洋子のユーモアにカモフラージュされながらも、次第に盛り上がっていくサスペンスな展開が面白かったです。 『ラ・ヴェール嬢』は最もエロティックな内容であり、『再試合』はフェチシズムに溢れながらも底冷えのする内容ですが、どちらも状況の2重構造をクッションとすることにより巧みに終局に向けてまとめあげた作品で技巧的な構成がなかなか面白かったと思います。 反対に、不動産を題材に様々におかしな人々を描く『お探しの物件』や、チェス好きのシッターの奇妙な過ごし方とその家に住む「何か」と少女との会話を描いた『パラソルチョコレート』は多面的な作品であり、これらはそれぞれの局面が折り重なるように繰り出される面白さがありました。 全体としてどの作品も読者を飽きさせない様々な趣向を凝らしつつ、小川洋子ならではの可笑しみの奥底に潜む悲哀や恐ろしさが余韻となっていつまでも残る物語群であり、秀作揃いの短編集だったと思います。表題のごとく、暗さと明るさの織りなす境目に蠢く多様な人間たちの妙が面白い一冊でした。
12投稿日: 2015.06.30イービーでかなりやられた!
「教授宅の留守番」「イービーのかなわぬ望み」「涙売り」「パラソルチョコレート」「ラ・ヴェール嬢」。すごい威力だ。小川洋子はおそろしい。すばらしい。いやらしい。上品なのにぞっとする、この人にしか描けない世界をさまよいました。
2投稿日: 2015.06.17
powered by ブクログ9つの短篇が収録されている。説明文には「世界の片隅でひっそりと生きる、どこか風変わりな人々」とあるが、「どこか」どころかとても変わった人がどれにも登場する。そしてたいてい、彼ら彼女らは悲しい運命をたどる。私が一番よかったと感じたのは「曲芸と野球」。語り手の小学生「僕」が少年野球でなぜ流し打ちしかしなかったのかという謎からお話は始まる。そして大人になった「僕」を描いて物語は終わるのだけど、この少年が魅力的に描かれている。短いお話なのだけど、悲しいお話が多い中で、そしてこれも悲しいのだけど、さわやかな読後感があった。他の短篇も全部謎めいていて、内容もおもしろいのだが、文章が丁寧でいい。たとえば「涙売り」の次の文章。「私は彼の左足を抱き、くるぶしに耳を寄せます。すると洞窟の果てにある泉に、一滴涙がこぼれ落ちるような音が、鼓膜に届いてきます。」
0投稿日: 2015.04.17ちゃんと女性的だけど、どろどろしてない、不思議な短篇集です
9つの短篇が収録されている。説明文には「世界の片隅でひっそりと生きる、どこか風変わりな人々」とあるが、「どこか」どころかとても変わった人がどれにも登場する。そしてたいてい、彼ら彼女らは悲しい運命をたどる。私が一番よかったと感じたのは「曲芸と野球」。語り手の小学生「僕」が少年野球でなぜ流し打ちしかしなかったのかという謎からお話は始まる。そして大人になった「僕」を描いて物語は終わるのだけど、この少年が魅力的に描かれている。短いお話なのだけど、悲しいお話が多い中で、そしてこれも悲しいのだけど、さわやかな読後感があった。他の短篇も全部謎めいていて、内容もおもしろいのだが、文章が丁寧でいい。たとえば「涙売り」の次の文章。「私は彼の左足を抱き、くるぶしに耳を寄せます。すると洞窟の果てにある泉に、一滴涙がこぼれ落ちるような音が、鼓膜に届いてきます。」
2投稿日: 2015.04.12
powered by ブクログ短編集。1〜5で評価 ⚫︎曲芸と野球、再試合→0.5 ⚫︎お探しの物件 、パラソルチョコレート→3.5 ⚫︎教授宅の留守番、イービーのかなわぬのぞみ、涙売り→3 ⚫︎ラ・ヴェール嬢、銀山の狩猟小屋→2.5
0投稿日: 2014.09.30
powered by ブクログ9編の短編集。ほんのちょっと風変わりな人(河川敷で椅子を重ねてその上で逆立ちの練習をしている曲芸師の女性や、エレベーターで生まれてエレベーターで育ちエレベーターボーイを生業としている男、楽器の音を素晴らしいものに変化させる涙を売る涙売りなどなど…)がそこには登場するのだが、基本的にはどの話も最初は語り手の目を通して、そこまで「常軌を逸脱していない」日常が描かれている。そのうち、話が進むにつれて、見たこともない、聞いたこともない、不思議な世界に引き込まれていく。現実と虚構の間を揺れ動き、そして虚構に落ちるような…。 これは「夢」のような話だと思った。「夢」といってもファンタジックなものではなく、眠っている時に見る「夢」。「夢」の中ではどんな不条理なことが起きようともなんら問題はなく、ごく普通の風景になる。まさにタイトルにあるとおり「夜明けの縁をさ迷う」時に見る「夢」のような話たちなのだった。
0投稿日: 2014.01.17
powered by ブクログ短編集。 以前目にした作品もありましたが、再度読んでみてもぞくりとします。 知らない場所に取り残されたような心細さを感じつつ読了。
0投稿日: 2013.11.11
powered by ブクログ細胞のひとつひとつ分解されていくような感覚に陥る短編集。 読むだけで、彼岸にいってしまうのではないか、私。
1投稿日: 2013.10.06
powered by ブクログ流石。 一見のどかな文体なのに、その内容は背筋がぞくっとして、体温がうばわれていくよう。 リアルな日常が描かれているのに、いつのまにかホラーな世界に足を踏み入れている。 その境界線がなくて地続きになっているから、ますます怖い。
1投稿日: 2013.10.05
powered by ブクログそれぞれの素材そのものは日常の範疇に収まるのだが、それら相互が関係性の中に置かれた時、奇妙な逸脱が始まる。例えば、巻頭の「曲芸と野球」にしても、グラウンドで野球をすることは、きわめて日常的な光景なのだが、その片隅で曲芸師が時には瀕死のケガを覚悟しながら芸の稽古に励むとなると、そこに俄かにある種の歪みが生じて来るのだ。こうした、事物やあるいは登場人物相互の関係性の異和が、小川洋子に特有の物語世界を紡ぎだしてゆく。篇中では「銀山の狩猟小屋」のサンバカツギ、あるいは「涙売り」が怖さでは筆頭か。
1投稿日: 2013.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
9編の短編集。 持ち味のきれいで幻想的で、どこか生々しくエロティック。真綿でロを塞がれるような圧迫感。 相変わらずの上手さと雰囲気でした。 なす術もなく波にのまれて、沈められるような感覚でした。
0投稿日: 2013.09.23
powered by ブクログ「パラソルチョコレート」良かった。 小川洋子っぽくはなかったけど、ほんのりやさしくてよかった。 「教授宅の留守番」「ラ•ヴェール嬢」あたりのダークさは、小川洋子って感じ。 悪びれないというか、悪意のないダークさ。悪意のない悪意。 「イービー」、「お探しの物件」は独特の世界観を前面に押し出した感じ。
0投稿日: 2013.08.06
powered by ブクログ小川洋子の短編集。九つのお話のそれぞれが、内容も語り方も多様でとても面白かった。短編だからこそ、相当突飛な設定と物語構成が生きていると思う。小川さんの小説は物語が先にあって登場人物がその流れに乗っているのではなく、人物と要素が先にあって、それらのダイナミックな関係性の中で物語が生まれているように思う。そうした関係性、構造からストーリーを動かしていくのは、村上春樹の作品にも共通している気がして、私がこの二人の作家を好む理由はそこにあると思った。そして両作家とも、その構成要素が持っている特性が根源的な人間の心理を表していることが多く、二人とも河合隼雄との豊かな対談集を出していることに納得する。 九つのお話の中だと、長い年月を掛けて完成した宝箱か目録をじっくり見ているような「お探しの物件」と、まさにユング心理学でいう影が登場し、子供が大人の物語をそっと見出す「パラソルチョコレート」が特に好きだった。「教授宅の留守番」も構成要素の絡み合いが段々加速していく感じがかなり面白いが、ラストで落ちを直接語りすぎてるのが残念に思った。あと、「イービーのかなわぬ望み」は「猫を抱いて象と泳ぐ」の前身のような物語だし、「涙売り」は小川さん特有の病的な献身さから身体部位が喪われていく物語で、九編とも小川小説のダイジェストの趣もあって楽しめた。
2投稿日: 2013.07.13
powered by ブクログ小川さんの書く物語には、偏った人が多いと思う。何かを偏愛していて、その偏りが著しいために、例えば長方形の箱に砂を入れて右に傾けると左に大きな空洞ができるように、別のところが欠けてしまっているような。人としては歪で、不完全なのだけれど、皆そんな自分に満足しているように感じる。 一般的な人としての生活や幸福とは、別の次元に生きている人達。そこまで思い切って自分を傾けられるものが無かったり、気概が無かったりする「普通の」私は、眩しいような切ないような複雑な感情を呼び起こされる。 でも、読み終わると、このままの自分を、なんとなく、静かに、受け入れられるような気分になる。
0投稿日: 2013.04.05
powered by ブクログ寓話っぽいのかな~と思い読み進めていると、ガツンっとやられる。「イービーのかなわぬ望み」「涙売り」が良かった。
0投稿日: 2012.11.27
powered by ブクログ表紙が気に入って衝動的に買いました。笑 小川洋子さんの文章には絶望的ではなくどこか優しいかんじの孤独を感じられて好きです。 エレベーターの中に住んでいる男の子の話が僕は一番好きです。
0投稿日: 2012.11.22
powered by ブクログエロとグロとファンタジーが僕好みに最適にブレンドされていました。文体は読みやすく、物語の流れも自然で違和感ありません。それでいて最後には意表をつく結末が待っていて、とても楽しめました。
0投稿日: 2012.10.15
powered by ブクログ表紙と名前に惹かれて購入 今まで読んだ小川さんの本の中では一番読みやすかったかも 小川さんの文って生々しいし乾いてるし、ほんとう凄いです 教授宅の留守番がよかったかなあ 花だらけの家とか冷凍のマグロとか、不思議な感じと登場人物の淡々とした感じが相まって好みでした!
0投稿日: 2012.10.07
powered by ブクログ博士の愛した数式のあとに読んだら衝撃を受けすぎた作品。 でもこっちが素に近いんだなということをほかの作品を読んで察しました。うん。 全体的に愛、をテーマに書かれているのかな、という思いはありましたが、普通の愛じゃなくて狂気を孕んだタイプの。 私は静かな狂気とか、あつくて静謐な恋愛が好きなのですがこれはちょっと違うなと思って、星2つ。 好きなひとは好きだと思う。 おじさんは好きだっていってた。
0投稿日: 2012.09.20
powered by ブクログ不思議な短編集。 当たり前の世界の中で、不思議なことが、ふわっと起こるような。 お気に入りが多すぎる ・教授宅の留守番 普通そうに見える人の異常性が少しずつ垣間見えてくる怖さ ・イービーのかなわぬ望み 長野まゆみを思わせるような、不思議幻想的・魅力的なお話。 エレベーターで生を受けたイービーと、彼に恋した女の子の話。 ・涙売り 楽器につけると音が良くなる涙をながす女性。自分の愛する人のために、体を失いながらより良い涙を流し続ける。欠損・体のパーツの美しさを描く小川さんらしい話 ・再試合 いつまでも終わらない甲子園。不思議・奇妙・ちょっと怖い。 こちらも体のパーツと小川さんの野球好きが伝わってくるお話。 延長線・再試合。いつまでも終わらない永遠の決勝戦。 全体的に、「体のパーツ」を主眼においた話が多い気がした。失われる足の指、ボールを投げるための筋肉、柔らかいかかとの肉。普通見ないよ、そこ。普通感じないよ、それ。それを小説に出来るのがすごい。 イービーに惚れた。
0投稿日: 2012.08.26
powered by ブクログ小川さんの本はさらりと読めて、とても好き。 本書は短編集で、野球に始まり野球に終わります。どれもこれも美しい文体と、幻想的な雰囲気でとても素敵です。 余計なことを書こうとすればするだけ、言おうとすればするだけ、彼女の世界をぶち壊していく気が致します。だからまぁ、まず読んで下さい!
0投稿日: 2012.08.12
powered by ブクログおどろおどろしい雰囲気漂う短編集。何が起きるかわからない展開がミステリアスでスリリング。毒々しい後味の悪さが澱のように残る。この気色悪さに抗いがたくそそられる。
0投稿日: 2012.08.05
powered by ブクログ9つの短編集。 グランド脇で逆立ちの練習をしている曲芸師、エレベーターで生まれ育った少年、涙売りの女性等、どこか不気味で背筋がゾクっとする話ばかり。 しかし、小野洋子ならではの静かで上品な言葉遣いで表現されている為、一風変わった奇妙な童話を読んでいるような気持ちになれる。 個人的に、物語の合間に描かれている挿絵が好きでした。
0投稿日: 2012.06.26
powered by ブクログ久々の小川洋子。 彼女らしさ満載の9つの短編。 やっぱりこの人の作る世界観ってすごい!!と改めて思う。 逆立ちの練習をする曲芸師の話、 教授宅で留守を預かる賄い婦の話、 エレベーターで生まれ育ちエレベーターで働き暮らすE.Bの話、 涙を売る放浪娘の話・・・ 等等 どれもめちゃくちゃシュールなんだけど、でもなぜか普通に入ってくるというか受け入れられるし、気づくとその世界にはまっている。 ほとんどの話にはオチというオチはなく、するするする・・・とゆっくり消えていく。それでもすごい余韻が残る。 (いくつか世にも奇妙な物語的なうすら怖いオチがあるものもあったけど。若干それは安い展開だったような気がする。とはいえ、それでも小川洋子の筆力で十分楽しめるものになっていた。) 1つ目の話は野球少年の話で、ラストを飾る話も甲子園球児の話だった。 野球というスポーツがモチーフになっているだけで、それだけで爽やかになるはずなのに、そうならないのが小川洋子のすごさだと思う。 河川敷で野球をする少年が主人公なのに、なぜか妖艶な雰囲気になる。 甲子園球児に恋する少女が主人公なのに、全然甘酸っぱさがない。 この怪しい世界観はやっぱりクセになる!!
1投稿日: 2012.06.12
powered by ブクログ淫靡で妖艶で恐ろしげ、しかし静謐で純粋。そんな小川洋子の魅力が詰まった短編集。 グランドの片隅で逆立ちの練習をする曲芸師、エレベーターで生まれ育った男、涙を売る放浪の少女、教授宅の留守番を預かる賄い婦、どこが歪んでいるようで真っ直ぐなようで。小説ならではの酩酊感を味わえます。
0投稿日: 2012.06.06
powered by ブクログ小川洋子の作品は、「博士の愛した数式」しか読んだことがありませんでした。その時の印象は、”慈しみ”という感情に包まれているというものでした。 この短編集に収められている作品は、どこにも”慈しみ”がありません。”心に巣食う奇妙な性向”のために、いわゆる”普通”には生きられない人々の人生を描いている。 私たちの生きるこの世の一部が、奇妙で理解できないもので できていると改めて認識する。 ■イービーのかなわぬ望み 中華料理店のビルのエレベーター中で、産み落とされた男の子。 母親は直ぐに消えていなくなる。 彼は、エレベーターの中で育ち、いつしかその店のエレベーター ボーイとして働くようになる。彼はは、エレベーターボーイ、、略してイービー(EB)と呼ばれる。彼の生活のすべてはエレベーターの中にあった、そこから外に出たことがなかった。それでも、かれは、そこで暮らすこと不満はなく、満ち足りている。普通に考えれば、到底生活できそうにもないが、彼はそこで生まれた故、エレベーターの中は、母親の羊水の中にいるような安心感に包まれるのかもしれない。 彼にとって、エレベーターの室内は、自分を認めてくれる唯一の場所。誰にもそんな場所は、あるだろうが、それが多くの一般の人々と違うなら、やはりその人たちは、この世の縁をさまようしかないという現実が待っている。 なんとなく、安倍公房の”砂の女”をイメージしてしまいます。 ・パラソルチョコレート 両親が忙しく、おばさんベビーシッターに育てられていた私は、 ある日、自分の生活の裏側に回り込んで生活している”死者”とであう。死者は、あの世に行くと、誰かこの世の人間の裏側につくことになっているらしい。本人が学校に行っている間は、家に、学校から戻ってくれば学校へいくという風に。 仮に、こんな”死者”がいるとしたら、なんだか、自分の生きていることの意味が、2倍になったような気もします。 奇妙な世界だが、こんな世界ならあってもいいと思います。
0投稿日: 2012.06.01
powered by ブクログ9つの短編集。 グランド脇で逆立ちの練習をしている曲芸師、エレベーターで生まれ育った少年、涙売りの女性等、どこか不気味で背筋がゾクっとする話ばかり。 しかし、小野洋子ならではの静かで上品な言葉遣いで表現されている為、一風変わった奇妙な童話を読んでいるような気持ちになれる。 個人的に、物語の合間に描かれている挿絵が好きでした。
0投稿日: 2012.04.22
powered by ブクログ怖いけれど好きで読んでしまう、小川洋子作品。 精神的に麻痺させられているような、どこまでも純粋に美しいと淡々と見つめる語り口で、摩訶不思議で残酷?な出来事が記録されている。 あり得ないと考えることは簡単だけれど、もしかして隣人が…と想像することの方がスリリングで魅惑的。 甘くて強いお酒のような作品集。
0投稿日: 2012.02.22
powered by ブクログ洋子さんが 眠りから目覚めの間の 朦朧としているときに思いついた短編集・・・・・なのかもしれない 磯良一氏の挿絵が夜明けの縁のゆがみをうまく表現している 1 曲芸と野球・・・少年の頃の思い出・曲芸士と野球少年だった自分 2 EBのかなわぬ望み・・・小さな人が主人公、猫を抱いて・・・を思い出す 3 お探しの物件・・・短編集の中の短編集 4 涙売り・・・人体楽団 演奏している半裸の上半身 ゆれる葉の影に愛撫されるように・・・等きれいな表現があるものの最後はグログロ>< 5 パラソルチョコレート・・・出ました チェス この程度のお話が好き 6 ラ・ヴェール嬢・・・うす味 7 銀山の狩猟小屋・・・ゾクゾク 不安と不気味に引きずり込んで・・・ 8 再試合・・・さわやか系高校野球! 洋子さん得意分野・・・ が・・・最後は朦朧・・・
0投稿日: 2012.02.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
稲沢という街は全国的には全く知られていない。 大都市名古屋から電車でたった10分なのに長閑な田園地帯だった。少なくとも私が知っている20年ばかり前までは。 そこにある農協が仕事上のお客だったので車でよく通った。 見通しのいいだだっ広い田んぼや畑のなかのひと区画だけに、ぽつんと立派な「松」や「梅」が生えていたりした。実は植木の産地である稲沢では松や梅も「作物」なのだ。 ぽつんと立っていたのは植木だけではない。「三菱エレベータ」と記された細長い塔も畑や野原しかない中に唐突に立っていた。シュールなあの光景を小川洋子の短篇集『夜明けの縁をさ迷う人々』を読んでいて不意に思いだした。(今、ネットで調べてみると三菱エレベータ稲沢工場のテスト塔は世界で有数のエレベータ製品テスト塔であるらしい) 3編目に収められている「イービーのかなわぬ望み」の主人公イービーは、映画『海の上のピアニスト』の船上で生まれ陸に上がったことがないピアニストのようにエレベータの中で生まれエレベータの中で生きている。『ブリキの太鼓』のマルタンみたいに少年の時点で成長を止めてしまっている。この小編はそういう「虚」の世界をありありと迫真性をもって読ませてしまう。小川作品のひとつの真骨頂だといえる。小川ワールドの類稀な「虚」の迫真性は、それと同時に、読む者の過去の様々な記憶の中にある光景や場面という、いうなれば「実」の記憶をも触発してくれる。小川作品の迫真の「虚」は読む者の精神の奥底に日頃なら沈殿している深層の原風景に通底する共鳴装置を内蔵してでもいるかのようだ。 中華料理の店内エレベータのエレベーターボーイであるイービーは、料理店の取り壊しに伴う移転で働き場と生活の場を失う。店主は、新しい店では皿洗いでもやってもらうから問題はないだろうと、こともなげに言う。 読んでいる私は、懸命に守り育てた事業所を、いとも容易く閉鎖されたり移転させられた、自分の過去と重ね合わせてしまう。「スタッフを守るとか育てるとかは考えなくていい。移転したら行った先でまた新しい人材を雇えばいいのさ」と会社は簡単に言いのけた。 行き場を失ったイービーが目指したのは、エレベータの製造工場のテスト塔だった。そこで一日中製品テストのためにエレベータの箱を上下させ続ける係員になるのがイービーの夢想する理想だった。「かなわぬ望み」という短編のタイトルから明らかなように、小川の描く虚は、無惨と理不尽という共鳴装置を用いて現実世界に溢れる人々の踏みにじられた無念さに通底する。本書のタイトル『夜明けの縁をさ迷う人々』とは、各々の短編に登場する女曲芸師だったり、忘れらた文豪の娘だったり、そしてエレベータのなかの永遠の少年であったりするであろうが、同時に現実世界を「さ迷う」私たち自身でもある。 稲沢の野原にシュールに突き立っていた塔。 仕事のことも世間のことも、人生の行く末さえ見えずさ迷っていた私が眺めたあの塔は、イービーが目指して行き着くことができなかった塔と、全く同じものだったに違いない。
0投稿日: 2012.02.18
powered by ブクログ博士の愛した数式や猫を抱いて象と泳ぐ よりは薬指の標本に近いような感じでした。 どの物語も少しショッキング。 ちょっとエロくてグロい・・・みたいな。 人間の本質を表したような・・・。 私はちょっと読んだ時驚いたけれど、人によってはすごく良い本なのかも。 パラソルチョコレートは素敵でした。
0投稿日: 2012.02.04
powered by ブクログとても不思議なお話、というか人々ばかりが集った短編集。 現実と虚構の境が曖昧で、ふわふわしているような。 なんだか怖かったりする。 イービーのお話が一番好きです。
0投稿日: 2012.01.09
powered by ブクログなんとなく翻訳物っぽい。 小川洋子さんらしい、グロテスクな静謐さを感じる。 死の気配。 どこか歪な物語たち。
1投稿日: 2011.12.05
powered by ブクログどの物語も小川さんしか書けないような癖のある登場人物ばかりだ。 1話目から野球少年と曲芸師の組合せだもの。ファンタジーというより正直、ぶっとんでいる。 9種の短編どれもに物悲しい風が吹いている。 エレベーターの話は『猫を抱いて象と泳ぐ』にとてもよく似ていた
0投稿日: 2011.11.19
powered by ブクログ久しぶりにめっちゃ面白かったー やっぱり小川洋子さんの表現がすごい好きだなあ 本当にきれいですごくすごく好き
0投稿日: 2011.11.04
powered by ブクログなんとなく注文の多い料理店のようで、ちょっと皮肉っぽい視点を持つ短編集。すべての作品に「死」が見えている。夜明けの縁は「彼岸」か? ただし、暗さというよりなんとなく夢の要素も感じる。 ちょっと教訓じみたところが、いまいちすっきり受け入れられない感じがあり、点は低めにつけた。 それにしても小川洋子さんって、いろんな作風で書くな・・・ 語り口調は一緒だけど、内容は別物。
0投稿日: 2011.10.26
powered by ブクログ短編ということもあるのか、「猫を抱いて象と泳ぐ」で感じた感動はないなあ。リアリティの無さ、奇抜さが面白さなんだとは思うんだけど、なんかマイナス要素に思えました。
0投稿日: 2011.10.02
powered by ブクログ小川洋子さんの静かな悲しいをなでるような感じが好きなのですが、この作品は手でえぐりだすような感じ。もう少しとおくがいい。
0投稿日: 2011.09.20
powered by ブクログ9編が収録されています。 「曲芸と野球」 「教授宅の留守番」 「イービーのかなわぬ望み」 「お探しの物件」 「涙売り」 「パラソルチョコレート」 「ラ・ヴェール嬢」 「銀山の狩猟小屋」 「再試合」 不思議な世界が広げられて、そのまま答えもなく終わり。というような感じばかりでした。どうなるんだろう。このような独特の雰囲気がこの作者の特徴なのかしら?
0投稿日: 2011.09.07
powered by ブクログ想像したくないのに思わず想像させてしまう小川さんの文章力。 ジメジメとした不気味さが漂う本だった。
0投稿日: 2011.07.25
powered by ブクログたぶん、たぶん、初めての小川洋子作品です。博士の愛した数式も、映画では見たけれど、小説では読んでなかった。自分でも意外でした。 初めての小川洋子作品だというのに、お茶をこぼして、ぐずぐずにしてしまいました。ご存知の通り、本は水にぬれると、ぐずぐずの後にぱりぱりになります。こうなると、もう本棚への収まりも悪いし、古本屋にも売れないし、こきたない感じがするし、みすぼらしい。ごめん。私はがさつなので、こんな本がたくさんあります。ぱりぱりのばさばさになったって、物語の価値が損なわれるものではない。でも、ごめん。 三浦しおんとか、山本文緒とか、よしもとばななとかみたいな感じかと勝手に思っていたら、村上春樹みたいだった。てか、村上春樹だ、と思った。村上春樹じゃん、と思いながら読んでたら、でもなんか違う、誰だろう、誰かだったような気がするけど、誰だか思い当たらないので、小川洋子だ、ということでいいと思った。女流作家なのに、かなり骨太。行当たりばったりのふんわり感がまるでない。かなり予想外でした。
1投稿日: 2011.07.18
powered by ブクログ小川洋子さんワールド全開です! 特に、よく小川洋子さんの物語に出てくる奇妙な職業は、よくこんなにいろんな職業を思いつくな~。と感心してしまいます。妄想癖のある私にはとても楽しい時間です。
0投稿日: 2011.07.15
powered by ブクログ日常からいつの間にか非日常世界に迷い込んでしまうような短篇集。野球好きな私は「曲芸と野球」と「再試合」がお気に入り。 「野球は勝敗が付くまで、アウトを取り続けなければならない。時間で終わりを決めることは許されていない。野球は、終わらない運命を背負ったスポーツなのだ。」という言葉は心に染みた。
0投稿日: 2011.07.04
powered by ブクログ9編から成る短編集。 「博士の愛した数式」と同じ著者ということで読んでみたが、正直、???と感じてしまう内容だった...。
0投稿日: 2011.06.24
powered by ブクログ導入は普通の小説なのに、読み進めると独特の世界観が広がってくる。 短編なのであっさりと読み終わってしまうが、どうも自分には世界観が合わないような…。
0投稿日: 2011.05.21
powered by ブクログ風変わりな人々を描いた短編集。 そこにはちょっと背中が寒くなるそうな気味悪さもあったりして不思議な感じになりました。
0投稿日: 2011.04.09
powered by ブクログわたしが直視できずに世界の陰に隠してくあらゆるものを、さらっとした手つきで抉り出しては白日のもとにプレゼンテーションすることに定評のある小川女史。いつもなら「涙売り」か「ラ・ヴェール嬢」あたりを気に入るところだけど、今の心境では「お探しの物件」と「パラソルチョコレート」がベストだった。かわいい
0投稿日: 2011.03.27
powered by ブクログミーナも博士も大好きだけど、こういう小川洋子の方が好きです。 官能的で薄暗くて、湿っている。 そんなイメージ。
0投稿日: 2011.03.12
powered by ブクログ小川洋子の短編集を読むのは楽しい。 今回はいつもよりさらにきわどい線を攻めていて、かなりドキドキしました。 「きわどい線」というのは、読者を不快にさせてしまう、というライン。 でも、ただの怖い話、グロい話、あるいはブラックジョークにしないところがこの人の手腕。 私はいつもそのあたりに感服してしまうのです。 切なかったり、なまめかしかったり、不条理だったり、怖かったり。 それらの比重を話によって変えつつ紡ぎだされた9つの短編です。 その中でも、今回いちばん印象に残ったのは、「涙売り」。 「私は十八の歳まで、涙を売って暮らしを立てていました。」という始まり方は、どこか童話のような美しさを感じさせます。 その美しさを保ちつつ、徐々に緊張感を高めていき、最後のアクロバティックな着地に持っていく流れの見事さ。 怖い、けど、すごい。 「博士の愛した数式」などの長編もいいと思うけど、やっぱりこの人は短編の人ではないかと思うのです。 短編のときの「攻め」の姿勢が結構好きなのかも。 人によっては不快になるかもしれないので、 一編だけ試し読みしてから借りるなり購入するなりすることを勧めます。
0投稿日: 2011.03.04
powered by ブクログ小川洋子の短編集。小川節炸裂で読んでて楽しかった。美しいけれど薄ら暗い、叙情的な話が多い。まさに夜明け前の一番くらい時間にふさわしい小説である。 『曲芸と野球』と『ラ・ヴェール嬢』が中でも好き。 前者は共同体からはじかれた曲芸師と三塁側にバットを振れない野球少年の話で、少年と曲芸師のささやかな交流がうまく表されている。 後者はマッサージ師にラ・ヴェール嬢がかつて作家Mと行った密やかな遊技を語る話。マッサージ師は彼女よりも遙かに饒舌な足の裏から彼女の話を聞くのである。
0投稿日: 2011.02.28
powered by ブクログ小川さんがこんなにもフェティッシュな人だとは知らなんだ。博士の愛した数式読んで得た印象と違う…! 足指っつーか足裏っつーか唇っつーか いっそ内臓とか「淵」のフェチなんだろうな。これは感覚の話なので全く伝えられる気がしてません^^^^
1投稿日: 2011.02.08
powered by ブクログエレベーターボーイ(EB)の話が特に好きだった。閉鎖された特殊な空間でのみ生きる人。 それから物件が求める人物を探す不動産屋の話もいい。 ひょうたん屋敷とか、角のない家とか。 ちょっとだけ日常からずれたところにある、変なリアリティのある物語の詰め合わせだった。
0投稿日: 2010.11.22
powered by ブクログ作者の中では夜明けってこんなイメージなのかなぁ。 ほわんとした気持ちで読もうとしたら、手ひどいしっぺ返しを受けました・・・。
0投稿日: 2010.11.14
powered by ブクログ小川洋子さんならではの全体的にじとっとした雰囲気がある短編集。「お探しの物件」が真ん中に入っているのが面白い。 イービー切ない…
0投稿日: 2010.11.07
