
総合評価
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4 |
- Ayaka.F"powered by"
岩井志麻子さんのトークが面白過ぎて作品も読んでみようと思って手に取った一冊。 昨今怪談ブームだそうだが、人々が怪談に求めるのはまさにこういう体験なんだ、と読後ふいに思った。 怖いものには禁忌や穢れがつきまとう。もっとストレートに言えばエロは怖さに必然の要素と言っても過言ではないかもしれない。それはきっと穢れでありながら命に直結することだからなのだろう。 理性では絶対に避けたいと思いつつ覗いてみたい、というアンビバレントな欲望は誰しもが持っているものだと思う。 そうした欲望を喚起する魅力がある作品だと思った。
0投稿日: 2025.07.07 - 來采"powered by"
ぼっけえきょうてえ、とてもこわい。 様々な怖い話が岡山弁を軸にして収録されていて、1話ずつ噛み締めながら読んだ。 叫びたくなるような恐怖ではなく、脳髄がぞっとするような恐怖。
0投稿日: 2025.07.06 - aqua"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
岡山の方言で客に語りかける女郎の身の上話は、その悲惨さを忘れさせるほどのリズムの良さで、このまま聞いていたいなと思わされた。 『密告函』で見せられた女の怖さは、誰しもが持っている一面のような気がして、最も共感できる。厳密に言うとトミは悪くないし怖くもない。当然のことをしたまでだ。 『あまぞわい』が好みだった。時代が昔であれば男の一存で何もかもが決まっていくものだったと思うので、不安定に生きているユミの苦しみが切なかった。運命付けられたような人生に悲哀を感じて印象深い。 『依って件の如し』は別のアンソロジーで読んだことがある。すべてが繋がったときの衝撃は忘れられない。 4篇すべて濃厚な空気が流れていて楽しめた。
1投稿日: 2025.06.15 - ひまわり"powered by"
怖いというよりは悲しい物語たち。 当時の女性たちの哀しさが怖さに通づるのかな? 岩井先生、テレビのイメージから今まで拝読してませんでした、すみません!
0投稿日: 2025.05.22 - さち"powered by"
こわい、シンプルに怖い。 小さい時に、大人から聞く聞く怖い話感あった。 岡山弁がまたこわいこわい。 ぼっけえきょうてえ 密告ばこ あまぞわい 依って件の如し 個人的にはあまぞわいが好きかなあ〜 男尊女卑、男女の考えの違いが見えて面白い 海女でも尼でも、この「アマ」のあまでもある。 惚れてるから泣き続けてるんじゃなくて、ずっと憎んでるぞ、って伝えてるだけ。女なめんなよ
0投稿日: 2025.02.23 - 久能整"powered by"
明治時代の岡山が舞台の怪奇文学が四編収録された短編集で、終始陰鬱な雰囲気と閉鎖された村に住む人間の生々しい悪意とおぞましい真相が岡山弁の語り口と相まって独特な怖さを醸し出していた。確かにこれは「ぼっけえ、きょうてえ(とても、怖い)。」
0投稿日: 2025.02.15 - しんめん"powered by"
近代の有名なホラー小説としては両手で数えるまでに出てくる程の知名度を持つ本作。 表題に岡山弁が使われている通り、リアレンジされた岡山県産の怪談が4作収録される。 表題作含め、空気の作り方や描写は巧みなものの、丁寧な助走のまま終わってしまう感触。 ただ『あまぞわい』は、漁島の閉塞感と土着の不気味さが迫る見事な出来。 突き刺す様な恐怖は無いが、とても良い意味でホラーの入門として過不足無い作品だった。
13投稿日: 2025.01.05 - 2243437番目の読書家"powered by"
じっとりとした気持ち悪さを感じる恐怖の短編集。岡山出身なのでさらに共感。ちなみに「きょうてえ」使ってる人は見たことねぇ。
0投稿日: 2025.01.02 - おびのり"powered by"
1999年第6回日本ホラー小説大賞 2000年第13回山本周五郎賞 受賞作 「ぼっけえ、きょうてえ」 岡山の遊郭の醜い女郎 客に話始める身の上話 恐ろしいのは人の業 ホラーかというと そうではない気がする トータルリコールもセットで思い出します 「密告函」 疫病蔓延し始めるある村 罹患者を密告できる投書箱が役場に設けられる 函の管理を任せられた男が落ちる闇 よくできた妻の隠れた恐ろしさ 「あまぞわい」 そわいは海の浅瀬 岡山の酌婦が島の男に見受けされ結婚 美しい髪も肌も海の仕事に荒れていく 男は既に浮気と暴力 海女ぞわい が男の話 尼ぞわい が女の話 女は島の教師に恋をして それは夫の知るところとなる 怖い恐いというより 貧しい女の生きる術 そわいが 女の場所になる 「依って件のごとし」 うー、これは辛くて、好きかも 家族は兄が一人だけ 村で疎外されながら過酷な労働をさせられる兄妹 それは 村人の死んだ母親への嫌悪の為 兄は労働にも出兵にも耐えて、妹を引き取る そして 隠されていた真実にタイトルがストンとくる こういう話は、ほんとうにあったんだろうな
88投稿日: 2024.09.15 - みなみ"powered by"
特別怖いわけではないけど、文体は知的だし(まあ古いだけである程度堅くなるから知的には見えるんだろうが)、モチーフというか構図?など、話の建て付けも巧みというか、小綺麗にまとまってる感じがして好感が持てる。 ブクログのの感想を見る限り、書いた人は今タレントやってるらしいけど、こんな小説が書ける人がテレビであーでもないこーでもないとコメントしてるとしたら、意外だな。
3投稿日: 2024.08.28 - MATSURI"powered by"
表題の「ぼっけぇ、きょうてえ」を始めとした 短編集でヒトコワ×幽霊の融合作品です。 各話ごとに人の醜い部分が表現されていて 独特な後味の悪さがあります。
20投稿日: 2024.08.11 - 犬"powered by"
子供の頃うちにこの本があって、読んでみたかったけど母親曰く「岡山弁が読みづらい」とのことだったので敬遠していた作品。最初は少し読みづらいなぁと感じたものの、すぐに没入できたし土地の匂いを感じることができてよかった。 どの作品も暗く生臭く、気持ち悪い。 最後の「依って件の如し」がいちばんすき。 子供の頃見た光景をふと思い出すシズ。誰も知らなかったシズ自身の生い立ちが明らかになった時、思わず「うわぁ...」と言っちゃった。冷酷で残酷な結末だ。 岩井志麻子の作品は初めて読んだけど、文章が好みなので他作品も読んでみたい。
1投稿日: 2024.07.21 - ahiru"powered by"
あああ、ぼっけえ、きょうてえ…。 小学生くらいの時に読んだ気がするが、怖いのと、ちょっと難しかったので「なんかすごく怖くて難しい本」として諦めた記憶がある。 時を経て、読了。怖かった。 自分自身が読み終わってゾッとするタイプの本ではなく、読んでいる間なんだか陰鬱な、薄暗い、ジメジメとしたいやぁな気持ちになるホラー。幽霊より妖怪より、人の、じんわりと嫌な後ろ暗いところ。ああ、きょうてえ。 「ぼっけぇ、きょうてぇ」女郎の語る半生の、お客さんにだけ伝える怖い秘密。 「密告函」流行病の兆しのある人を密告する箱と、村外れの不思議な女。 「あまぞわい」岩礁の言い伝え、泣くのは尼か海人か。 「依って件の如し」兄妹の話。苦い。苦い話だった。
0投稿日: 2024.06.17 - カキヤ"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
人生で初めて読んだホラー小説。明治時代あたりの話が好きだったため、読むことができて嬉しかった。 調べると映画化もされているらしかったが、思いのほかきょうてえ話だったから、視聴を躊躇っている。 読み進めていけばいくほど斜め上の展開が待っている。 色恋に妬み恨みが付随した話が主だった。 登場人物は周りから聞いた怖い話に恐怖し、事件に遭遇又は事件を起こし、化けて出た幽霊などを目撃するが、結局怖いのは人間であった。 明治時代の岡山あたりの背景もあり、今では考えられない生々しい世界があった。
1投稿日: 2024.05.21 - kazubook21613"powered by"
これ、なんといっても題名がいいですね。岡山県人でないとまず分からないけど、色々想像力をかきたてられます。 純然たるホラーというより、土俗的で人間の業を描いた短編が四つ。どれも雰囲気は似ており、貧しく因習に縛られながらも必死に生きる女性が描かれている。読んでいてなんとも切なくなるが、日本人のイヤラシしさもよく描かれていると思う。 こういう作品を読んでいると、岡山が津山三十三人殺しが起きた地であるのも、横溝正史が傑作を産んだ地の舞台が岡山が多いのもうなづける。 一度瀬戸内の岡山でなく、北部の岡山をゆっくりおとづれてみたい。
18投稿日: 2024.01.31 - ゆたか"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
岡山地方の方言が出てくるので少しわかりにくいが、四つのホラー短編共に楽しく読めた。読んでいて夢に出てくるかと思うくらい怖い苦笑。
0投稿日: 2023.12.09 - 茶菓子"powered by"
ホラーをあまり読んだことがなかったので、ホラーというジャンルだけで内容はまったく知らずに読んだのだけど、怖い、というよりとにかく気味が悪かった。 全編を通してなんとも生臭いような気味悪さが漂い、吐き気をもよおすようなねっとりした描写が嫌でたまらないのに、やけに引き込まれてしまう。 岡山と田舎と人間が嫌いになる。 ここまでくると読後感メチャクチャ悪い…となりそうなんだけど、あとがきが妙に笑えた。 著書「おじいさん」みたいな京極夏彦がしゃべるしゃべる(笑)めっちゃしゃべる。 一番ぼっけぇきょうてぇのは、なるほど作者 岩井志麻子です(笑)
0投稿日: 2023.12.01 - ゆり"powered by"
短編ホラー集。全編岡山弁で綴られている為、意味不明の言葉も多々あり読みづらかったが、それが更に恐怖を増すのか、ゾクゾクッとする場面もありました。どの編も、昔の田舎の暗い雰囲気の情景が浮かびました。全編とも読み終わった後に表題の「とても怖い」…という一言に繋がった感じでした。
12投稿日: 2023.11.13 - yukimisake"powered by"
たまに訪れるホラー読みたい病が発病したので前から気になっていたこちらを拝読。 結果、あまり怖くありませんでしたが、昔祖母から御伽噺を聞いていた時のようなノスタルジックな感覚にはなれたので違った楽しみ方をしました。 私の親戚が岡山だった事もあり、よく遊びに行っていたのでこのお話の舞台も親近感が湧きました。思い起こせば従妹の家もかなり田舎だったので、確かにこんな不思議な事が起こりそうな空気感ではありました。 短編集なのでまたそれぞれに感想を書いてみたいと思います。全体的に日清戦争前後辺りのお話のようなのでそれを踏まえてお付き合い頂ければ幸いです。 【ぼっけえ、きょうてえ】 最初なんだこのタイトル?!と首を捻りましたが岡山弁で「とても、怖い」と言う意味らしく、遊郭に春を買いに来た客に遊女が自身の怖い身の上話をする、と言うお話。 当時はよくある話の食いぶちを減らす為と金を稼がせる為に売られて来た彼女ですが、それにしても生い立ちが壮絶すぎて怖い通り越して悲しくなりました。 岡山弁で語られるので信憑性も増してきて、思わず親戚に忌み地じゃないのか、そこ大丈夫?!と電話しそうになりました。(迷惑) 水子が出てくると怖いと言うより悲しさが溢れますね。自分がこの客だとしたら最後の遊女の言葉になんて返すかなあ…「だが、断る!!」しかないなあ… 【密告函】 個人的に一番好きなお話でした。 献身的な妻を裏切って怪しい祈祷師の女と不貞を働く男の話なので、これを好きだと公言すると私の人格まで疑われそうですがホラーとしては一番楽しめました。 伝染病が蔓延して多くの死者を出している岡山県某市。 まだ医療も発達していない時代なので当然物凄い勢いで蔓延していきます。例に洩れず差別も横行するので、市役所に感染した人を無記名で投函する密告函が設置されます。これを主人公の不貞男、弘三が調査する役目を担うのです。 嫌でした、この仕事。伝染病以前のお話の蠅がたかっている強烈な家に彼が出向いた時は食べていたポテチをそっと皿に戻しました(読書中のおやつが一番おいしいです) その流れで怪しい祈祷師の美女と出会ってしまうのですが、この祈祷師の力なの弘三は怪奇現象に悩まされます。 これがもし祈祷に使われる怪しい煙のせいだとしたらまた違った方向で怖いのですが、本当に怖いのはダークホース、弘三の妻のトミ。 どんどん弘三に対しての地味な嫌がらせがエスカレートしていって遂に… ラストシーン、良かったなあ。映画でこの終わり方ならそれはもう震えて映画館を後に出来ます。 【あまぞわい】 今度は不貞の女が登場します。皆どんだけ浮気すんねんというツッコミも入れたくなりますが、こちらはちゃんとした訳ありです。 元遊女(作中では酌婦)のユミが漁村の漁師の錦蔵に身受けされて漁村に嫁いで来るのですが、漁師の妻も中々ハードな職業なので当然ユミは馴染めず村八分になってしまいます。 そのユミを見て錦蔵がユミに暴力を奮うようになってしまうのです。DV>不貞だよね、とユミが思ったかどうかは定かではありませんが、これまた漁村では浮いている村一番の金持ち、網元の息子の恵二郎と良い仲になってしまうのに時間はかかりませんでした。 結局バレて最後にはこの世のものではない『あまぞわい』に恐ろしい目に合わされてしまうのですが、このあまぞわいは錦蔵が聞いていた伝承とユミが聞いていた伝承が微妙に異なります。要は海で亡くなった海女さんのお化けです。 全然怖くなさそうな書き方をしましたが、実際はもっとおどろおどろしい情念がこもったスタンド攻撃をして来ますので非常にやっかいです。 これも怖いと言うよりは悲しかったなあ。皆思うように幸せになれたら良いのに… 【依って件の如し】 タイトルかっこよすぎだろ!と思って読み始めたらこれまた悲しい話でした。 『くだん』とは中国発祥の妖怪で、この本の中では頭が牛で体が人間のまあ化け物のような形で描かれていますが、これまた貧困にあえぐ兄妹が必死に生きている所からお話が始まります。 妹のシズの母は亡くなっていますが、美人でしたが狐憑きのような奇妙な行動を繰り返した為に、村で公然と行われていた夜這いの対象にもなりませんでした。(津山三十人殺しでもこの件が問題になっていましたが、凄い風習ですね) そのせいでシズと兄の利吉も村八分になってしまい、利吉が必死にシズの食い扶持を稼いでいます。 シズは少し知恵遅れな所があるのですが、覚えている母の面影は何故か真っ黒な牛の頭をした女の姿なのです。これらがとんでもないラストへの伏線です。 このお話は途中までは不気味な空気を纏った悲しいお話だったのですが、最後「嘘だろ?!」と小さく叫ぶ位の強烈なお話でした。 兄ちゃん…そりゃあないぜ!!! ジョジョ風味満載でお送りしましたが、総括としては切なくておどろおどろしい御伽噺、と言った感じでした。 間違ってもお子様には聞かせられませんが。 そして岡山の恐怖は続きます。 狙った訳ではないのに、この後名探偵のはらわたを拝読し私は再びこの恐怖の地へ足を踏み入れる事となるのです。(東京に続いて失礼すぎる) to be continued
24投稿日: 2023.10.14 - 詩暢"powered by"
怖いものが読みたくて長いこと溜めていた本 ちょっと読みづらく思ったほど怖くはなく どこかで聞いたり読んたりした昔話のよう
0投稿日: 2023.09.16 - mimimom"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
私は図書館で借りるか、購入した本は、メルカリに出すかして処分していますが、これはずっと手元に置いておきたい一冊でとても気に入っています。 生まれも育ちも南関東の自分は、岡山の北部ってこういうところなんだ、とまず学びました。瀬戸内海側の岡山と比べての、岡山北部の暗さがよくわかりました。 結局、怖いモノって、幽霊とかお化けじゃなくて人間が1番怖い。 貧しいことが怖い。不潔なことが怖い。近親相姦マジ怖い。 なんだろう?異界のものの怖さではなく、 現実世界の怖さが上手に描かれていて、おそろしかったです。マジで。おすすめのホラー小説としてぜひ、周囲に教えてあげたい一冊です。まだ読んでいない人はぜひ手に取ってみることをお勧めします!
0投稿日: 2023.08.01 - RIN"powered by"
ホラー的な怖さもあるが、昔の童話を読んでいるような不思議な怖さもあり面白かった。明治時代の岡山を舞台にしており、どれも女性が惨めで貧しくて切なかった。
2投稿日: 2023.07.23 - 宮っち"powered by"
方言が若干読みにくいな〜と思いつつも読み終えた。 ホラー的な怖さと言うより、人の暗部が浮き彫りになっていく気味の悪さを感じた。
1投稿日: 2023.07.23 - yurisyo"powered by"
登録しているとばかり思っていたけど、 登録してなかったのか、これ。 …と、いう事で再読。 何年ぶりだろう、TwitterのTLに甲斐荘楠音の絵が流れてきたのをきっかけに、夏だし再読するか!と本棚から出してきた。 話のスジをほとんど忘れていたけど、 これって今ならイヤミスとも評されそうな作品。 表題の「ぼっけえ、きょうてぇ」もだけど、他の3作品も本当に極上のイヤミスだと思った。 どの作品も明治時代の岡山、北の方の貧しい農村だったり、あるいはあけっぴろげながらも排他的な漁村が舞台で、全編で岡山弁がとても効果的に使われている。 「ぼっけえきょうてぇ」のみ、遊女の独り語りで話は進行するんだが、これについては本作もさることながら文庫本の解説が素晴らしくて、気を抜けばそのままコピペしてしまいそうなほど。 …さすがの京極夏彦先生だわ。 語られる内容は、最初からわりとハードなんだが、途中からもうひとつギアが入ったようにさらに不穏で大変しんどい展開になっていく。 淡々と独り語りするそのおぞましい物語を聞かされている聞き手…、遊郭の客に、読者が思わず同一感を得てしまう構成になっているんだけど、そうなった後のラストが秀逸。 これは確かにタイトルを思わず口にしたくなるな。 表題以外の3作品もそれぞれが恐ろしさや陰惨さに際立っていて、読み終えた後すごくイヤな気分になる。 なんと言うか全編通してこの時代の、女性であることの業が特濃に漂っていて、それを感じさせる表現力が半端ないと思った。 密告箱のラストは、この作品だったことさえ忘れていたけど、食中毒の季節になると普通にうっすら思い出したりしてたから、イヤな印象を与えるインパクトが物凄いんだと思う。 メンタルがわりと元気な時に、お腹の底からやってくる、いやぁなザワザワ感を楽しむにはうってつけの作品です。
3投稿日: 2023.07.18 - わいわサルや"powered by"
「ぼっけえ、きょうてえ」とは 岡山県の方言で「とても、怖い」という意味である…………(´-ω-)ウム 怖いと言うより、悍ましい感じの話で終始 胸糞さ全開でした!!Σ(゚д゚;) 幽霊だの祟りだの怪異だのと言うよりかは終始、ヒトコワがメインでした!! おすすめホラー小説として度々、目にしてきた 本作『ぼっけぇ、きょうてぇ』 実はわたくし、岩井志麻子作品は初読です!! どんな人なんだろ〜と思い、ググると… 「見た事ある!!」そう!岩井志麻子先生を 僕は某番組で見た事があったのだ!! その時はホラー作家とは気付かず… 「なんだ?このヒョウ柄全身タイツのおばちゃんは?まじウケる笑笑」としか思っていなかった。 しかし…本作の著者である事に気付いた時は ある意味で1番!ぼっけえ〜、びっくりした!www 話が脱線しましたね笑笑 戻します!! 物語の構成は……短編集的な感じでいいのかな? 繋がっているようで繋がっていない 一応舞台は共通して岡山県で、 必ずと言っていいほど、亭主関白が突き抜けた とりあえず殴っとけば大丈夫みたいなクソ男が登場してくる。 あと色々共通点はあるのだが、話は別々なので 短編集だと思う。 では少しあらすじを交えて物語を紹介していきます。 1、ぼっけぇ、きょうてぇ 本作のメインみたいな物語でいいのかな? 遊郭で働く女郎視点で話が進みます 客の男が自分が寝るまでお話を聞かせてくれと言い、女郎は遊郭での話、そして自分の幼少期の話を始めるのでした……… この女郎めちゃすごい顔してますwww あと幼少期が凄まじいです… 1番印象に残ったのが父親の無理矢理すぎる言い訳があまりにもアホすぎるので笑ってしまった。 2、密告函 岡山県内でコレラが流行し、とある村ではコレラ陽性、疑いの者を知っているのならば密告函に 投稿せよ!ただし匿名でも構わない。 こうしてどう考えても一悶着ありありな対策を実施した役場、担当に選ばれたのは弘三くん すると同じ名前を幾つも発見 それはエセ祈祷師の娘お咲、彼女は金さえ払えば 誰にでもオカイチョウ〜する女であった。 調べない訳もいかず、弘三くんはお咲を調査する事になるのだが……… 最近までコロナ禍だったから、、みたいな感覚 しかしコレラより人の欲望からの妬み恨みの方が 怖かった…… 3、あまぞわい 岡山県内のとある漁村に干潮時だけに顔を出す 岩礁、その穴を「そわい」と言い 良い死に方をしなかった人間が居ると言う言い伝えがありました。 ひょんな事からその村に嫁いだユミ しかし村人の嫁たちに村八分にされ 挙句に旦那からは暴力の日々、、 そんなユミに救いの手がしかしそれが悪夢の始まりとは知らずに、、、、 怪異と思いきや!! 昼ドラの様な愛と欲望のドラマみたいwww 3、依って件の如し 利吉とシズ2人は母を、亡くし 村人からも村八分にあい 超極貧生活を、おくっていました。 そんな蔑まされた生活を変える為に 兄は日清戦争に志願兵なり出兵するのでした 兄の出兵中は妹シズは隣近所の由次一家に引き取られる事にそこからなんとも悍ましい事になるとは、、、、、 まさかの最後は、、、ふんっ!∑(๑ºдº๑)!!ってなったwww やりすぎや!!www 篇読み終わって思ったのは 確かに物語は面白い! 個人的には良かった作品は 「ぼっけえ、きょうてぇ」 「密告函」 「依って件の如し」 が良かったです!(≧∀≦) しかし人間の醜い部分をこれでもかと 悍ましく書かれていたので終始胸クソループ状態 しかし!実際にあったであろうなんかを、織り込んでいたりと少し勉強にはなった! 恐怖とかを、求めるには適さないが 閉鎖的村が、好きな人は好きかも! 是非!機会があれば読んでみてほしい。 人間とはこうも醜いきょうてぇ〜生き物である事を知る為に、、、、( ≖͈́ ·̫̮ ≖͈̀ )ニヤリ
4投稿日: 2023.06.13 - Kani"powered by"
怖く…はないが…、悍ましい。 色々な意味で勉強になりました……(´•ω•̥`) ●ぼっけえ、きょうてえ 「ぼっけえ、きょうてえ」は、岡山地方の方言で「とても、怖い」という意味らしい。 全然知らずに読んだので、造語かと思っておりました。 『ぼぎわんが来る。』のぼぎわんみたいな。 遊郭の女郎が客に身の上話をするのですが、その内容がぼっけえ、きょうてえんです…:(´◦ω◦`): 怖いというより、不気味…。 客が寝付くまでの静かな空気の中、方言で語られるので、余計不気味…。 女郎は津山出身。 岡山、津山と聞くと『八つ墓村』の元になった津山事件(津山30人殺し)が思い出される。 この事件はずっと後の話だが、何だか複雑な気持ちで、不気味さが増す。 短編集なので、ぼっけえ、きょうてえ話が他に3話収録されている。 ●密告函 明治34年、コレラ病が蔓延。 罹患した事を隠そうとする人々。 そんな中、岡山市役所に『密告函』が設置される。 密告された人の家を回り、コレラに罹っているかどうか確認する弘三。 密告された者の中に「お咲」という名前が目立つ。 お咲は非常に魅力的な女性なので、恨みや僻みで書かれたのだろうと無視するが…。 この話も怖くはない。 面白かった。 コロナ禍と被り、昔だったらこんな感じになっていたのかな…と、非常に興味深かった。 女…やりよるね( ≖ᴗ≖)ニヤッ ●あまぞわい 「そわい」は潮が引いた時にだけ顔を出す浅瀬や岩礁のこと。潮が満ちたら隠れる。 海女(あま)が生贄のような形で亡くなり「あまぞわい」と呼ばれる。 ユミは町育ち。 漁師に嫁ぎ、外見はすっかり変わる。 何もできないユミは村の女達から爪弾きにされ、夫からの暴力が絶えない日々だったが…。 こちらも、なんとも悲惨なお話。 どの話も女は暴力を振るわれたり、犯されたり(´・_・`) 昔はそれが現実だったんだろうなぁ。と。 海の女は強いと思った(-_-;) ●依って件の如し 利吉とシズの兄妹は母を亡くし、2人で生活していた。 シズはまだ幼い。 利吉は志願兵となり、日清戦争へ。 シズは、由次一家へ引き取られ、牛小屋で生活する事に。 戦後いつまでも兄が帰還しない中、シズは牛のような扱いを受ける。 この話が1番インパクト強かった…(^▽^;) 結末にびっくり。 牛と共に育った少女。 牛が唯一の話し相手……(´;︵;`) どの話も真実が織り交ぜてあるのかな。 目を背けたくなるようなきょうてえ話ばかり… 昔の日本の様子が伺えました。 怖くはないが、興味深く、面白かった!!
24投稿日: 2023.06.13 - 原田雅輝"powered by"
本作は言い伝えが強く伝えられている土地を舞台とした部落ホラー(?)である。言い伝えや登場人物の生い立ちが異なる4つの物語で構成されている。 ※以下ネタバレ注意※ 特に好きだったのは「密告箱」でした。平穏な暮らしに満足ができない男が破滅的な女と出会い、堕ちてゆく。そして、しまいには連れ添っていた女の怨念自体が密告箱となって男を陥れる様は男が根本的に悪いのだが、可哀想でした。他の物語はあまり響かなかったので星3つです。
2投稿日: 2023.05.16 - Chacha"powered by"
4篇の短編集。やっぱり好きなこの世界。 題名の意は岡山地方の方言で「とても、怖い」 物の怪よりも人間が1番きょうてえ。 短いので入りやすい作品かと思います✍ 「でえれえ、やっちもねえ」を読みたいなと思ったらまず今作を読み返したくなって… 1冊丸ごと岡山弁で綴られているので分からない言葉も多いのに サクサク読める、というか止まらない面白さの「ぼっけえ、きょうてえ」 怪奇的な怖さではなく人間の業の怖さのお話。 最後まで読んで「コワッ…」人間ちゃ怖い…。 タイトルどストレートにとても怖いって付けるって なっかなかのハイセンス。
1投稿日: 2023.05.13 - 翼"powered by"
『ぼっけえ、きょうてえ』 表題作は岡山県の方言で「とても、怖い」という意味。そのタイトル通り、この作品は「ぼっけえ、きょうてえ」のである。 表題作の他に3篇収録されており、そのどれも明治時代の岡山の田舎の女性の物語。田舎の閉鎖的な因習の残る集落で、人間の醜さと怪異を鮮明に描いている。京極夏彦先生の解説にもある通り、「ぼっけえ、きょうてえ」という言葉は、登場人物の言葉はではなく、読者の、そして作者の言葉である。読後に戦慄を禁じえない傑作恐怖小説。
3投稿日: 2023.01.15 - あっちゃん"powered by"
全体に白黒‼︎真夏のシーンでさえ始終白黒の本(笑) しかしうすら怖い内容でグイグイ読み進めます。 面白かった。
2投稿日: 2022.12.14 - 大村実"powered by"
ぼっけえ、きょうてえ 岩井志麻子 読み終えました。 短編4つが書かれています。 岩井志麻子初めてです。 長編が読みたい。 何が良いかと言うと、表紙カバーの絵がいい。 それにつきます。 以上
0投稿日: 2022.09.24 - すい"powered by"
人間の怖さをこれでもかというくらい煮詰めたような作品。 何番目か忘れたけれどコレラの話は背筋が凍る思いがした。 漁師の妻の話は、男女の価値観の違いが丁寧に描かれており、とても他人事とは思えずいろいろ考えさせられた。
0投稿日: 2022.09.01 - 彩海本"powered by"
スーッとする。 もう背中がスーッとする。 この岡山弁の語り口調で、ねっとりとそしてしっとりと、淡々と語るなんとも言えない怖い話。 わっ! とか脅かすこととかはないし、大逆転なんかもないんだけど、もちゃもちゃ話て尻ギレで終わる。 この流れが、読み終わったあとに、 スーッとなる。 なんだこれ。なんとも言えない世界観なのよ。 暑い暑い寝苦しい夜に。丁度よく涼しくなります。
0投稿日: 2022.07.29 - あきと"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
表題の「ぼっけぇ、きょうてぇ」がとても良かった。なまぬる~い空気を感じます。江戸時代の閉鎖的な村では空気も人間も淀んでいくんだなーと思いました。ところで、僕はよい本とは心が動く本だと思います。これは良い方向にも悪い方向にもです。この本では心を気持ち悪い方向に思いっきり引っ張ってくれました!ありがとう!!
0投稿日: 2022.07.01 - jugushi"powered by"
明治から大正時代の陰鬱としたイメージを体現した作品だと思いました。それ以前の因習等が信じられている時代から現代の目に見える物だけが信じられる時代の間の、なんとも言えないない怖さを感じられました。あと、中国地方って東北地方とはまた違う雰囲気の怖さがあり、東北の人間としてはより一層怖かったです。
1投稿日: 2022.06.25 - もんがらかわはぎ@読書垢 怪談本よみ中"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
弘三は概ね今の生活に満足していた。嫌な上司はいるが、衝突もなく、黙々と与えられた仕事をこなして定刻に帰ればいい。家には愛する嫁と子どもがいて過ぎる事もなければ不足することもない。そういう生活を、あの日までは送っていた。 *** 長らく積読していた本。随分前に出版された本だが、去年続編が出たので、これが機会に違いないと読んでみる。 読んでみると、長らく読んでいなかったことが悔やまれるほど面白い本であった。 どの話が面白いと問われると困るぐらい甲乙つけがたい。 全編を通して、著者の出身地である岡山が舞台である。時代は現代ではなく明治時代当たり。文明開化の輝かしい時代とは裏腹に、貧しい生活を強いられている農村や、沿岸部の村を舞台としており、どこまでもどこまでも寒く、暗い雰囲気が漂う。 出てくる多くの人物たちが、現在の生活にあえぎながらもどうにもならないと知り、諦観して生きている。 灰色の絵を思わせる情景のその最中、スポットライトが当たった登場人物たちが恐ろしいが、それでも妖しく美しいと”読者”に思わせるような出来事の中を過ごしていく。 登場人物たちの側に立てば、尋常の沙汰でなく、恐ろしい限り、気味の悪い限りの出来事でたまったものではないのだが、それでも鳥肌の立つような色濃い美しさを感じる。 男女の情が複雑に絡み合い、時には露骨に目の前に現れるのだが、不思議と下品には感じない。ホラーに男女の情念が持ち込まれるとドロドロした雰囲気がまとわりつき辟易するものだが、これはその感情もわかなかった。なぜかただひたすらに、それすら艶やかと感じる。実際目の前で繰り広げられると吐き気を催すほど嫌悪する内容にもかかわらずである。 肝をつぶすような派手な恐ろしさはないが、現れた恐いものがそっと寄り添っているような恐怖感を覚える。恐怖感を覚えるが狂おしい。私の言葉では表しきれない世界観なので、未読の人はぜひ読んでほしい。 いつもなら、タイトルを上げて、大体どんな話でという事を述べるのだが、語るなら全部を語りたいという衝動に駆られる。 全てを語ればネタバレどころではないので、控えたいと思う。
2投稿日: 2022.05.02 - ぴこ"powered by"
初版から何度も読んでいるホラー小説。何度読んでもぼっけえ、きょうてえ。岡山の、暗い時代の因習を噛み締めるような、日本の悪き文化を目の当たりににするような、非常にセンスある一冊。作者自身のことは忘れて作品に集中して読んでほしい。この一冊は本当に素晴らしく恐ろしいから。
1投稿日: 2022.04.29 - 法律家を目指す専業主婦!"powered by"
前半と後半で受ける印象の違う物語。 前半は、貧しくて、痩せていて、皆愚かで、それでもなぜか寂しく美しい日本の原風景のような物がしきりに浮かぶ。 そして後半は、オチに向かって主人公も人間臭く生きていく。周りの鬼や、自分の中に棲む別の鬼のせいで、美しい無垢の世界から堕ちていく、そんな印象。
1投稿日: 2022.03.11 - スタボーンマン"powered by"
"読後必ずぼっけえ、きょうてえと言うだろう" 4.4点 遊女のピロートークが思いもよらぬ終わりを迎える表題作。 当時のコレラの恐怖と閉鎖的な集落の湿度の高い恐怖を描く密告函。 幸せを掴んではすり抜け、掴んではすり抜けた末の地獄を描くあまぞわい。 こちらも田舎特有の閉鎖空間からの、閉鎖的であるが故のある行為により吐き気を催す依って件の如し。 岩井志麻子と言えばテレビで下ネタ発言をする人という認識であったが、こんな文章を書く人であったとは!(こちらが本職ではあるが) ジメジメとした湿度の高い土着の描写が、岡山という土地を知らないからこそなのか恐怖が増長しているように感じた。
0投稿日: 2022.02.23 - 岡崎コウタ"powered by"
角川ホラー文庫には何回もやられている。今回もやられちまったぜ。 まず文章に関して。 場面Aと場面Bの切れ目に改行がないからめちゃくちゃ読みにくい。これはけっこうなストレスで、僕は小説を読むときは頭の中で情景を思い浮かべながら読んでいる。だから場面Aの情景が思い描けていたのに、いつの間にか場面Bになっているのでもう一度読みなおして~というのがけっこうあった。もうすこし読者フレンドリーでお願いしたい。ただでさえ昔の言葉で読みにくいのだから。 ストーリーにも言及しておくと、怖くはないけど内容はよかったとおもう。一番よかったのは「あまぞわい」という作品。 潮が引いたときだけ姿をあらわす洞穴「ぞわい」は海で死んだものが最後に行き着く場所で、「あまぞわい」の「あま」はいったい何に由来するのか?がお話のクエスチョンで、二通りの解釈ができ、解釈の仕方によって物語の捉え方が変わるのが面白かった。 というわけで星二つ。
0投稿日: 2022.02.20 - ごい"powered by"
血や糞など悪臭漂う描写が生々しくてよい。 本から臭いを感じようと努める読書体験だった。 腕力や性欲、暴力などが現代日本よりもむき出しの世界観。 しかし文明が迷子になってしまったような現代日本より、シンプルでていないな暮らしがそこにはある気もした。
0投稿日: 2022.02.04 - jpomega2020"powered by"
最初の話が一番怖かった。どうしようもなく辛い描写が秀逸。土俗的な因習みたいな、薄気味悪い描写がほんとによい。
1投稿日: 2022.01.16 - 呂蒙子明"powered by"
期待してただけに期待外れでした。怖くはない。 しかし思わず読ませる文章というか、作者の筆力が凄い。 ラストの話は少しゾッとする内容でお気に入りです
0投稿日: 2022.01.15 - Zilu"powered by"
まずは表紙と意味不明なタイトルからして不気味。「ぼっけえきょうてえ」は岡山弁でとっても怖いとの意味。 人間的な陰湿なジメジメとした話が中心で読んでいて怖いというより暗い気持ちに。 ホラー小説ということで自分の中でちょっと期待しすぎて読んでいたため星3つで。
0投稿日: 2021.12.31 - Ryudo"powered by"
陰鬱な雰囲気に、艶かしい岡山弁が融合されて、素晴らしい世界観を醸し出しています。 表紙の横櫛も、「よくこんなばっちり雰囲気のあった絵を探してきたな」と感嘆させられました。
0投稿日: 2021.12.26 - こたつ"powered by"
第 6 回日本ホラー小説大賞を受賞した表題作の「ぼっけえ、きょうてえ」を含む、短編 4 篇が納められた本。 「ぼっけえ、きょうてえ」は岡山弁で”とても、怖い”の意。 随分前に一度読んだのですが、今回再読。 いずれの作品も、怪談というよりも人の怖さを描くものとなっています。 岡山弁で語られる、閉鎖的な村落のまとわりつくような湿った空気感が、なんとも言えない不気味さを生み出していてよかったです。
1投稿日: 2021.11.04 - しゅうこ"powered by"
これ岡山県北の話やったんや!!と分かって手に取りました。 タイトルだけはめっちゃ有名で、以前はエンタメにそんなに興味なかったからこれから先も読むことはなかろうと思いよったのに、今わたしは岡山県北に住んでるし、人のくらいとことか、ちょっと不気味で怖い話は好きだし、粗筋きいたら読んでみたくなったやん。 そうかきょうてえって怖いって意味か。「悪魔の手毬唄」でも登場人物が「きょうとい」てなんべんも言よったよね。あれも県北よね(モデルとして作東地方が有力らしい。近所。) それにしても悪魔の手毬唄もやけど、県北て闇が深いね。密告箱は最近実物が津山の民家で出てきたらしいし、県南や岡山市に対する、何か羨望と妬みがまざりつつ「あそこの人間と自分らは質がちがう」と思っとる排他的な感情とか、ほんとにすぐ近所の話を見てる気分で読んでて面白かったー。 閉鎖的な田舎の村のやばいとこがいっぱい詰まっててほんとに楽しかった。ホラーという感じはなかったけど、閉鎖的な村ってだけでホラーだよ。ミッドサマー。 田舎の村のやばい俗習とかいろいろ知りたくなった。遠野物語とか読むべき?
4投稿日: 2021.10.03 - mich"powered by"
なんというか、貧しい人たちの恐怖体験は泣きっ面に蜂というか、ただただ悲しいばかり。 日本ホラー小説大賞受賞の表題作をはじめ全4篇収録の本書はどれも岡山県が舞台。山陰と山陽。住む場所によって文化や気質が異なるこの県を舞台に、貧しい娼婦や村八分にされた兄妹など、不幸の渦中にある人びとが、その不幸がゆえに恐怖に囚われます。どれも心の底から怖い!というのではありません。登場人物の顛末になんとも哀れで、惨めな気持ちでいっぱいになる。そんな作品でした。
1投稿日: 2021.10.01 - ももたろ"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
もっと怖いのかな〜って思ったけどそうでもなかった 明治辺りの古い日本を舞台にしたホラーってやっぱり現代のものよりは怖くない 共感性が低いからだろうなあ にしても、近親交配でできた子供なのにしっかりしてるなあ
1投稿日: 2021.09.30 - ultraman719"powered by"
何かジャケットの女の人と、タイトルに惹かれて… 「ぼっけぇ、きょうてぇ」って、めっちゃ怖いって意味なんや。 4編の短編やけど、怖いって言っても、お化けとか、心霊とか言うんと違って、人の狂気とか、残酷なとことかが怖い(−_−;) 時代も明治とかの農村、とか遊郭、それも貧困半端ない。 男尊女卑、差別とか、酷い! そんなとこにおったら、狂気の一つや二つあるやろ!って思う。 どこも逃げ場ナシ!何か希望も何もない… う〜ん。しんどい… こんな時代とかあったんかな?と思いつつ。 精神的に疲れた〜ハァ…(_ _).。o○
31投稿日: 2021.09.24 - ponta"powered by"
白黒の日本映画を観ているような読書感です。対話形式なんだけど、一人語りという珍しい形式で書かれ、そのこちらにしゃべりかけてくる感じが、読み進めていく内にある瞬間にゾッとします。後ろ確認してしまいます。ろうそくの灯りで読んだりしたら、眠れなくなりますね。でも、どこか女の切ない美しい感じも読み取る事ができて、日本女性の奥ゆかしさと、恐ろしさを感じます。失われつつある日本文化を感じる素敵な作品です。
2投稿日: 2021.09.09 - 読書クマちゃん"powered by"
物語内での女性の扱いがひどく、女性の幽霊が多いのはそうした恨みの強さからなのかなと妙に納得した。 コレラに関するストーリーは今の世に少し通じるものがあって興味深かった。子どもの頃に親が「幽霊より人間のほうが怖い」と言ってたけど大人になると分かるようになるね。
5投稿日: 2021.08.27 - マイス"powered by"
四遍からなるホラー小説。 「ぼっけぇきょうてぇ」とは「とても怖い」という岡山弁です。遊女の女の昔話から、役所の男とその妻の話、漁師の妻の話、山間に住む少女の話と岡山県の田舎が題材にされています。読めば読むほど背筋がゾッとする話ばかりで、のめり込む様に読み切りました。 本当に怖いのはあやかしか?それとも人間か?その狭間で揺れ動く人たちの心をとても緻密に表現しています。 おすすめです。 「そりゃあ旦那さんの夢じゃ、夢。妾は何にも喋っとらんよ。」
11投稿日: 2021.08.18 - そっぽ"powered by"
明治時代の岡山の共同体で舞台にした、言葉にすることもできず、虐げられた登場人物たちの情が溢れるように描かれる。作品の中で、コミュニティ(村、社会)を維持していくために犠牲になるなる弱者の姿をみて、これは現在の日本そのまんまじゃないかと思ったな。学校や職場でのいじめ、東京オリンピックでの女性、障害者、性的少数者、外国人など様々な弱者に対する差別問題、コロナ問題、政治的なねじれ、遠い昔の話じゃない。
2投稿日: 2021.08.16 - ゆえ。"powered by"
ホラー小説は怖くて所有できないから代わりに買ってみてと姉に言われて買った本。 ただの恐怖というより、悲しみ、哀しみが残る。 じめじめとしていて、血生臭い。それが方言で語られるというのは雰囲気を作りますね。 現代の都市を舞台にしたホラー小説もそれはそれで日々の中でふと思い出されて怖いんだけど、民話っぽくて地方を舞台にした話は何というか、深く感情に入ってくる。自分が今いる場所じゃないけど、確実に存在した事実な感じがしてしまう。 個人的には、表題作の「ぼっけえ、きょうてえ」はそこまで怖くなくて、順に湿度と血生臭さが増してく感じだったので、最後の「依って件の如し」が1番ぞっとしたかなあ。
1投稿日: 2021.08.14 - ホーカン"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
自分が思い描いていた岡山県北の薄暗くて湿度の高い雰囲気が完璧に描かれている。 つい最近、津山の民家からコレラ罹患者の密告箱が見つかったというニュースもあり、また、有名な津山事件や美作騒擾が現実の出来事だということを考えると、この作品がめちゃくちゃリアルに感じられる。 津山って本当に近所に同じ名字ばかりだったりするんですよ。 加えて、すごいと思うのが、現代の津山を訪れてみても、なんとなくこの作品の世界観の名残を感じるというか、「そういうことがあったとしても不思議はないなあ」と思えるところ。 久しぶりに寝る間を惜しんで読み進めたすばらしい読書体験でした。
6投稿日: 2021.07.17 - ニャーテン"powered by"
再読。 読み返す度に目の前に極彩色の男女の地獄が甦る。 表題作から艶めかしくゾッとする雰囲気の構築に惚れ惚れ。続く短編では合わせて岡山の農村の土塊の匂いや潮の香りも立ち上る鮮やかさ。 コレラが蔓延する村を舞台にした「密告函」は、このコロナ禍でギスギス疲弊する人間関係と酷似しているなぁ。ラストは確かに肝が冷えるけれど、直後にニヤリとしている自分はどうしようもなく女だ…。 男と女を待ち受ける「あまぞわい」のぽっかり口を開いた暗黒に魅せられ、「依って件の如し」はサスペンスの色合いも濃く最後までドキドキが止まない。
1投稿日: 2021.06.20 - tamiase"powered by"
話に出てくる女性たちがみな不憫でならない。幽霊や化け物といった類のものよりも、生きている人間の方が恐ろしく感じた。
3投稿日: 2021.06.18 - tamasan7"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
岡山の山村や漁村での怪談(民話?)をテーマにしたホラー短編集。 表題作については「ゾンビ屋れい子」というお気に入りのホラー漫画で同じような話を読んだことがありそれほど怖くなかった。 しかし、どの話も方言で語られるからだろうか、日本特有のじめじめした恐怖が感じられる。 また、どれも怪奇にあうのは弱い立場の者たち(地位が低かったり、嫌われていたり、虐げられている者)というのがなんだかやるせない。 現状が苦しいものこそ魔界との境に近いのかもしれない。
5投稿日: 2021.05.09 - りおん"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
ずっと読みたいと思いつつ読まずにきたけど、この間『あやしい絵展』に行ったときにこの本の表紙に使われている絵があり、この本のことを思い出したのでいい機会だとおもいやっと読んだ。 想像していたより怖くはなかった。 怖いというより、切ない、やるせない、辛いといった気持ちのほうが大きい。 貧しい村社会で生きていくことの辛さや理不尽さ、女の行きづらさや強かさが全編にわたって書かれていたとおもう。 好きなのは『密告函』。 密告のことなどは、今やコロナやSNSなどで身近に感じる話だと思う。 私は強い女というか、悪女やファムファタルなどが好きなのでこの話に出てくる女二人はゾクゾクするほど良かった。 ラストの『艶めかしいその女の影は弘三の影に覆い被さると、朗らかに笑った。その笑い声に合わせて、川の中の女もうっすらと微笑んだ─。』が最高。
1投稿日: 2021.04.12 - nt"powered by"
日本の近年のホラー小説で評判のものをネットで検索してみて、この本を知ったのである。 1999年に表題作が日本ホラー小説大賞を受賞、書き下ろしの3編の短篇を併録して刊行した本書が、さらに山本周五郎賞を受賞したそうだ。 これはなかなか優れた作品集だった。 表題作は悲惨でグロテスクな世界の極限を表出しており、極めて印象が強い。これで文章がもう少し良ければ、非常に優れた文学作品として太鼓判を押すところだった。特定の相手に向かっての語りとして設定された一人称体だが、やたらと改行が多く、あるページなどは短い文が全部改行されており、詩集の中の1項みたいに余白だらけだった。改行しすぎると却って意味が掴みにくい。 他の3つの短篇ではもう少し「改行」はましであり、特に最後の作品はちょっと文学調の味わいの深い文体となっていて、角川ホラー文庫の読者にはややめんどくさいものと映らないか心配である。ただ、それでもこの文章にはどこかなじみにくいものがあった。 しかし物語内容は、いずれも非常に印象的だった。明治から昭和初期あたりくらいの岡山を舞台としていて、いかにも日本的な田舎の、土俗性が強く出ていて魅力的だ。その中で展開される物語は、その一場面のイメージが読後にも残すような強さを持っており、これは文学としてアドバンテージが高い。とても良い小説集である。
2投稿日: 2021.03.16 - 水野"powered by"
シンプルに面白かった。 個人的には、耳慣れない方言で 語られることによって、一層怖く感じた。 四編の中では「密告函」が一番好きかな。 「依って件の如し」は自分の頭だけでは オチを理解しきれなかった。
3投稿日: 2021.03.04 - umimugi"powered by"
明治頃の、岡山県北部の極貧の村を舞台に、人間の業の深さ、暗さ、恐さを見せつける短編集。 化物よりも人間が「恐てえ」と身に染みる。 生まれた境遇が悪いだけで、生きながら地獄を見る女達が辛い。
1投稿日: 2021.02.25 - bookaholic"powered by"
タイトルは岡山弁で「とても、怖い」の意味。 タイトル通りぼっけえきょうてかった。しばらく夜は一人でトイレ行けん。 化け物や幽霊の怪奇そのものよりも、明治時代の岡山の北の果ての寒村の人間模様がきょうてえ。 貧困、不作、飢え、迷信や古い因習、男女差別や他所者差別、都会に対する劣等感、濃密過ぎる人間関係、すぐに広がる噂話など、田舎の嫌な側面をこれでもかと半ば悪意を持って見せつけてくる。 怪談部分はともかく、当時の日本にはこんなダークサイドが本当にあったんだろうな…もしかしたら今でも…と考えるととてもどんよりしてきます。
9投稿日: 2021.02.16 - らじヲ"powered by"
岡山出身の友人から岡山の北部は日本のダークサイドだと言われて意味が分からず、津山事件もよく知らないし、金田一も孫の活躍世代なので、参考資料として薦められたこの本を読んでみました。 岩井志麻子さんて岡山の人だったんだね。 桃太郎が徒歩で遠征できる距離に「鬼ヶ島」があるくらいだし、岡山がきびだんごとマスカットと白桃とママカリと黄ニラとイナバの物置みたいな岡山城だけではない不思議の国であることがなんとなくわかりました。 どの時代でも貧しい人は誰かを自分より下だと見下すことで心の安寧を図るのかな。物質的な貧しさが消えても心が貧しければこの構図は変わらないのだろうな。
4投稿日: 2021.01.05 - H"powered by"
20年くらい前に「怖い」と有名だった本書。 ホラーは苦手だが、kindleで安かったので購入。 岡山を舞台にした怪談短編集。 幽霊や化け物といった類のものは人間の心が作り出すのだろう。 あまり怖いとは感じなかった。 近年は、著書よりご本人のキャラが立っているようだ。
2投稿日: 2020.12.08 - きうい@ホラー"powered by"
「5時に夢中」などで岩井志麻子先生を見たことがある人なら共感してもらえると思いますが、「この作品がどれほど読ませる作品だとしても、先生の顔と、あの下ネタは頭から取っ払えないだろう」と決めつけて、岩井先生が書いた作品はなんとなく避け続けて来ました。 が、よく行く本屋さんに置いてある角川ホラーもほとんど読んでしまったし、面白そうなホラーも見つからないため、出来るだけ心をまっさらにして読んでみることにしました。結果、すんごく面白くてあっという間に読み終えてしまいました。岩井先生は男心を本当によく分かってらっしゃる...
2投稿日: 2020.11.27 - たびにゃんこ"powered by"
遊女の語り口調で方言もあり慣れるまで読み辛い。 淡々と語られるのが余計にぞわぞわとする。 思っていた方向は違ったけれど怖いのは間違いない。 他の短編も怖くて気持ちが沈む。
1投稿日: 2020.11.06 - Tom"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
舞台は明治時代の岡山。個人的に岡山に少しつながりができたので、手に取って読み始めてしまった。 ぼっけえぎょうてい、というのは、岡山弁でとっても怖いということ、らしい。そもそも、本の表紙の絵が怖い。 岡山の遊郭で、女郎が客に身の上話を語るという設定。つらい話ばかりで、読んでいてつらくなるけど、怖くはない。 最後に、女郎は人面瘡だったということだが、、、
1投稿日: 2020.11.01 - あすみ"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
タイトルの"ぼっけえ、きょうてえ"は岡山地方の方言で、"とても、怖い"という。きょうてえ話が四篇。女郎のきょうてえ話から始まり、コレラに苦しむ村の人間がきょうてえ話、岡山の町から漁村に嫁いできた女が受けるきょうてえ仕打ち、そして家畜以下の暮らしを強いられ、村人から忌み嫌われる兄妹のきょうてえ話。件は件でも地獄にいる件とな。お咲やシズの母親など色んな意味でだらしないが、妖艶な女性がとても魅力的
4投稿日: 2020.10.28 - teastrain"powered by"
怖い。「ぼっけえ、きょうてえ」は岡山弁で「とても、恐い」という意味らしい。 どの話も岡山の貧乏で、村では排他され、家庭内では男からの暴力に怯える女が登場する話だ。 そして怖いものが、暗闇の中から幻覚か現実かわからないような形で見え隠れする。 「密告函」は良く出来た妻に対する主人公の無神経さにハラハラした。 「依って件の如し」は少し津山事件を意識したのかな。シズに親切にする人たちがことごとくやばい。シズは幼さ故に曖昧だが、ずっと化け物として怖がっていたものがじつは自分の‥‥と気づく辺りは秀逸。 私はこの土地の女達の立場の弱さが怖いと思った。 しかも物語の時代は100年も前ではない。村八分も間引きも人身売買も行われていた時代の人は、まだ生きている位つい最近なことだ。 この本がきっかけで日本の習俗の歴史を調べることができた。そして現在に不満はあるけれど、前時代の努力と幸運で今の女や子供の権利があるんだとも痛感した。 また巻末の解説で、タイトルの入れ子状の仕掛けに気づけた。京極夏彦さんが書いてるんですね。
1投稿日: 2020.10.11 - ミレイ"powered by"
表題作は怖いというより辛く悲しいなという印象。他の話は怖かった。 特にあまぞわいの、泥に引きずられていくような逃れられない描写が怖かった。逃げても業が追ってくる、逃げられない、、そんな怖さでした。
2投稿日: 2020.09.22 - facecollabo"powered by"
ぼっけえ、きょうてえ 著作者:岩井志麻子 発行者:角川ホラー文庫 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo3969
2投稿日: 2020.09.21 - mutotsu55"powered by"
1999年度第6回日本ホラー小説大賞、2000年第13回山本周五郎賞を受賞した表題作、他3編を収録した短編集。 すべての作品が、作者の出身地である岡山県を舞台に描かれている。表題作「ぼっけえ、きょうてえ」は全文岡山地方の方言を使った会話調で書かれているために少し読みにくい感じもするが、その分インパクトも強く怪奇的な雰囲気は色濃い感じを受ける。うすら寒い展開で、読む人によっては気持ち悪いという印象を持つかもしれない。 個人的には2作目の「密告函」もなかなか興味深かった。最近のSNSにも共通する匿名性や最近のコロナとも似ている伝染病下における人間心理が一つのテーマになっており、作品に描かれた時代は違えど展開には思わず唸ってしまう。
2投稿日: 2020.08.30 - 奏悟"powered by"
岡山弁に馴染みがなくて読むのに苦労したが、この方言だからこその魅力があって良い。 ホラーと言うより、民話の語り部を聞いているような心地よさもあり他の作品も是非読んでみたい。
9投稿日: 2020.06.27 - いのです。"powered by"
まず個人差はあるだろうが怖くはなかった。 4篇の話が入っていて、どれも面白いが描写不足では?と感じられる部分があり、(特に3.4話)あまりスッキリとはしなかったので星3 。 2話の密告函は非常に良かったと思う。
1投稿日: 2020.05.27 - herbtea"powered by"
岡山弁でぼっけえ怖てえお話が4つ。時代が作ったもの、閉じた村社会が作ったもの、諦めが見せるもの…。文章から嫌な臭いが漂ってきそうな貧困と人間模様。私に伝わってきたのは恐怖より悲しさ。特に表題作はさすがのインパクトですが、こんな選択しか思いつかない彼女への悲しみが勝ります。「密告函」のホラー然とした雰囲気「あまぞわい」の目に見えるようなラストシーンの余韻「依って件の如し」の思わずため息をつきたくなる陰鬱さ。どれも印象的です。こんな時代や村に生まれたら人間は誰もがこんな風に浅ましくなるものなのかもしれません。
1投稿日: 2020.05.17 - ug7729"powered by"
岩井志麻子の短編ホラー。怖いというより気味が悪いといった感じ。連休に時間がある方はゆっくりと堪能してみては!?
1投稿日: 2020.04.30 - 読んだ本を記録"powered by"
岡山に出張で訪れた時に系列店のような場所以外ではキャッシュレスが全然使えなかったです。 これはまさしくぼっけぇきょうてぇでした。
1投稿日: 2020.02.20 - 葦湯♨️"powered by"
怖さはあんまりなかった。 表題作は中島みゆきのエレーンや異国にリンクする部分があって、怖さより切なさを感じた。
4投稿日: 2019.11.18 - おしょう"powered by"
表題の「ぼっけえ、きょうてえ」は岡山弁で「とても怖い」という意味らしい。 岡山弁の訥々とした語り口がじめっとした空気感をかもしだしていて、最後まで作品の雰囲気にのめりこめた。
1投稿日: 2019.10.26 - 酔歩"powered by"
貧困にあえぐ地方の農村、漁村に根付いた習わしや言伝えにまつわる、じっとり汗ばむような日本ならではのホラー。 差別や貧困に起因する可哀相な話が、うまいこと超自然的怪異と因縁付けられていて、民俗学的な読み方もできるようになっている。 三津田先生のファンとしては、どうしても『ぼっけえ、きょうてえ』は『幽女の如き〜』と、『あまぞわい』は『碆霊の如き〜』と関連付けて読んでしまう。
1投稿日: 2019.10.10 - とらきち"powered by"
癖のある方言の文章が読みにくいと思っていたら、次第に慣れて、逆に味のある独特な雰囲気にハマりました。ショートストーリーいずれも、じっとりとした和風のホラーで、少しエロティックな雰囲気もありつつ、静かに怖い。 しばらくしたら再読したい。
1投稿日: 2019.09.10 - 中村龍"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
『ぼっけえ、きょうてえ』 怖い、凄く怖い。しかも救いがなさ過ぎる。岡山弁も恐怖感の醸しに一役かっていて効果的。話を聞いていた旦那、色々と可哀想だな。てか登場人物みんな可哀想だ。生まれや境遇が。 『密告函』 献身的な妻と妖しい魅力を持つ女の間で揺れる男の話。それだけなら普通によくある話だが、コレラ病の蔓延している時代設定と密告函というアイテムを加える事により普遍的なテーマでありながらオリジナリティのある語り口になっていて面白い。妖しい女に、密告函に、そして最終的には献身的な妻に、だんだんと追い詰められ、気づくと自分の居場所を見失っていく主人公の姿は非常に怖い。 『あまぞわい』 流れるような語り口が凄い。やはり男と女という普遍的なテーマを扱っていて、愚かでバカな男の描き方には説得力があった。おなじ「あまぞわい」の昔話で2つの謂れがあるという設定も面白くて、よく考えるなって感じ。
2投稿日: 2019.08.13 - Στέφανος"powered by"
解説:京極夏彦、山本周五郎賞、日本ホラー小説大賞 ぼっけえ、きょうてえ◆密告函◆あまぞわい◆依って件の如し
1投稿日: 2019.05.03 - だりあぽっぽ"powered by"
・ぼっけえ、きょうてい ★★★★★ むっちゃ面白く、興味深かった。 特に昔の性や遊郭は興味があるので。 間引き業ってほんまにあったんかな?ありそーやなと思ってググったら本当にあった。 それにしてもコテコテの岡山弁(老人同士のかいわみたいな)で岡山出身の自分ですら、読み慣れるまで苦労したけど他の人はどーなんやろ。 ・密告函 ★★★★★ 話はもちろん面白く読みやすい。 何より女の怖さがいい感じ! コレラについても、昔はこーやったんやと勉強になる。 岩井さんの本、初読みやけど結構好きかも! ・あまぞわい ★★★ 面白い事は、面白いが上記2つの話の方がインパクトがあるので、星3つ。 ・依って件の如し ★★★★★ 良かった! 好きシーンはシズと牛が一緒に寝起きする場面。 牛って普段あんまり可愛いと思わないが、すごく可愛くて愛着が湧いた。
2投稿日: 2019.02.12 - 橘"powered by"
職場の先輩からお借りしました。 初めて読んだ岩井志麻子作品です。 読みやすくて面白かったです。 人の闇とか暗さを感じました…少し昔の岡山を舞台にした短編集なのですが、本当にこういう世界ってあったのかなと思います。 どのお話も、人を人と思ってないようなところが印象に残っているのですが、やっぱり「密告函」かなぁ…奥さんが怖すぎました。 岡山弁の台詞も雰囲気ありました。 解説の通りに、読み終わってから「ぼっけえ、きょうてえ。」と呟いてしまいます。 先輩は本当は「夜啼きの森」を貸してくださろうとしていたようです。そちらも読みたいです。
1投稿日: 2019.01.17 - 無真子"powered by"
大変詠みやすい、ただ、なんというかアニメ「モノノ怪」の様な、あのなんとなーく不気味で観るに難儀はしないのでまぁ観るが……みたいな、「ぼっけぇきょうてい」=大変恐ろしいとの意ですが、読み応えが無さすぎるし格別恐ろしいとも思えずにパタンとラストのページを閉じると、大抵こういった類は後を引きますが、「やっと読み終えたわ、お疲れ様」で終わってしまい、残念だった。ちなみにグロ描写好きな方だとわたし含め大分モヤモヤするので読み応えが半減します。
0投稿日: 2018.11.30 - nonbe777"powered by"
日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作。 * ぼっけえ、きょうてえ「○」 * 密告函「○」 * あまぞわい「◎」 * 依って件の如し「◎」
0投稿日: 2018.11.20 - あわい"powered by"
岡山弁で語られる田舎の村々の恐怖集。 ホラー小説と言うよりは怪談集や民話といった趣。 筆力は感じられ、引っかかり無く読めたが際立つ恐怖や新奇性は感じられなかったな。 ありふれた地方怪談といった感じ。
0投稿日: 2018.05.28 - ふみ子"powered by"
品のあるホラーでした。 何より文章の美しさが癖になります。 靄のように現れる幽鬼。 果たしてそれは現実が幻影か。 岡山地方の方言っていいなあとも思いました。 この著者の本は、この本が初めてですがもっと読みたいと思いました。
0投稿日: 2018.02.19 - saori_riosa_"powered by"
読了日2010/03 ホラーというより怪談って感じ。 こういう土俗的な話、大好きです! 明治時代の山に囲まれた村に語り継がれる怖い話とか(笑) 岡山弁で語られてる所にまたまた怖さを感じます。 「きゃ~こわい~!!」って感じじゃないけど、じわじわと鳥肌が立つ感じ。 まさしく、日本のホラーです。
3投稿日: 2017.10.19 - たれ"powered by"
2017/9/24 どうしようもない貧しさを垣間見た。作者が岡山出身と言うことは知ってたので岡山弁が出てくるのは良かった。依って件の如しが一番印象に残った、読み応えがあった。牛頭。
1投稿日: 2017.09.24 - Kazuko Ohta"powered by"
文庫化された15年前から読みたかった本だけど、ホラーが苦手で手を出せず。しかし最近になって、テレビから女の人が出てくるようなやつじゃなければ大丈夫なような気がして(笑)、ホラーにもよくチャレンジ。著者が下ネタ炸裂でメディアに頻出中とも知らずに読みました。 楳図かずおの作品を思わせる表題作のほか、なんとも不気味な短編集。津山三十人殺しを取り上げた『丑三つの村』を読んでいれば、より臨場感が高まります。私ったら、ホラー苦手どころか好きみたい(笑)。 解説を書くときですら文章がページをまたがない京極夏彦。確かに、優れた怪談です。
2投稿日: 2017.09.15 - gynoid01"powered by"
角川ホラー文庫を買い漁るきっかけとなった本。 怪奇談というより、怨念、情念、愛憎といった、 男女や親子、家族や村といった密閉された世界にいる人間たちの、血生臭い話ばかりの短編集。 岩井志麻子は人が嫌悪するような描写をさせたら、日本一なんじゃないかと思う。 読んでいると臭気さえ感じる。 破水した羊水や血、嬰児の腐乱したもの。ドブ川。 折檻でズルズルになった遊女の死体、妙なひきつれのある顔の遊女。 牛の顔。汗まみれになって働いてもなお、暮らしの良くならない兄弟。 本当に気持ちが悪い。 気持ちが悪いけれど、夜眠れなくなるような類のものではない。 むしろ、わたしは安心する。 わたしにとって、こう言った濃密な人間描写は救いだ。 汚いのはわたしだけではない。誰しも人が憎く、それでも愛し合い、なんとか生きている。 ホラーとしても一級品であると思うが、ヒューマンドラマとしても良くできた作品が多い。 どんな人の心にも邪な部分が必ずあり それと同じくらい、深い愛情がある。 そしてその愛は、憎悪にも直結してくるものだ。 そうだったとしてもなにも恐れることはないのだ、と思えてくる。 こんな感想をもつのは、わたしだけなのか。
2投稿日: 2017.09.10 - こまいぬ"powered by"
再読。 どの作品もじっとりと湿度の高い厭な話。 陰々滅々とした雰囲気を堪能。 表題作がやはり一番、不快と嫌悪と恐怖が良い塩梅。 何度読んでも満足いく作品群です。
1投稿日: 2017.07.11 - ひでぽんZ"powered by"
確かに怖い。怖い話ではあるがその裏には人の心の淋しさや悲しさがあった。 やはり怨念を抱いたりこの世に未練を残してしまう人は心に淋しさ悲しさを抱えてそんな気持ちを思い残してしまってるからなんじゃないかと思った。 特にあまぞわいはなんだか切なくて悲しい物語だった。
0投稿日: 2017.07.05 - tikuo"powered by"
そろそろ角川ホラーの季節かな、ということで。岩井志麻子の代表作。岡山を舞台に、呪われた場所や人にまつわる怪談を4篇納めた作。 親にも嫌われ、売られてきた遊女の数奇な身の上話である表題作から、登場人物すべてがろくな人間でなく、解決もしようとしない話が続くので、なかなかに気が滅入るのだが、この人のスタイルだからこういうものであろう。 ホラーや怪談というスタイルながら、怖い部分以上に情景の推移などが事細かに描写されており、全体に感じるのは純文学の香りである。 同じ岡山出身で純文学で、軽く怖い話を書く小川洋子とは全くスタイルもスタンスも違うものの、人気が出たのもなるほどと思わせられるもので、別にホラー文庫で出さなくても良かったんじゃないのかな。 早い話、あんまり怖くないんですよね。怖いもの満たさで読むのではなく、こういう文芸作品としてじっくり読めば、よく出来た作品群だ。
1投稿日: 2017.06.23 - knkt09222"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
狭い共同体の中では人間関係は「倦む」。 最も倦むのは家族だ。ここにおいて繰り広げられるのは、親子の情愛ではない。夫婦の恋愛ではない。親子も夫婦も問わない情慾だ。 噂が立つ。指弾される。 倦んだ共同体が引き出す人間性は、残酷なものだ。人間は残酷だから。 情慾のため操作不能となった者を、世間は忌む。自分自身のおぞましさを隠蔽するために。 ……と、まとめられるだろうか。 おぞましいとされる側を語り手に据えることで、おぞましさの経緯が詳述される。 そして作者自身の活力に由来するのだと思われるが、「そんなおぞましさの中でもなんとか保たれる生命力」が、「モンスター野に放たれる」構図になりうる「人間賛歌」。 ここで達成されつつある「善き悪」は、文学だからこその達成だ。
1投稿日: 2017.06.04 - imemuy"powered by"
得体の知れない物へのホラーというより、牛馬のように悲惨な人生とか、性愛の外道ぶりといった人間への恐さが際立つ。岡山地方の女性の話し口調での語りがよかった。近親相姦などでどことは言えずB級感があって読んでて居心地が悪くなってくるけど。 ぼっけえ、きょうてえ。表題作が1番良かったかな。
1投稿日: 2017.02.17