
総合評価
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未来への希望と共に修道院を出るも次々に打ち砕かれる希望 登場人物みんな不倫してる 「人生ってのは、みんなが思うほど良いものでも、悪いものでもない」
0投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログ[図書館] 読了:2025/11/3 図書館の新刊コーナーでたまたま。 「乳姉妹だった女中が妊娠しその相手が自分の夫であることを知った時、彼女は過酷な現実を生き始めたーー」とあるが、知った後もただただ受け身で翻弄されるだけなのがちょっと意外だった。だが人の生き方とは往々にしてそういうものなんだろうなとも思わせる、淡々とした描写。 原題は「Une vie(A life)」であり、必ずしもジャンヌの一生を意味しているわけではない(最後に出てくる赤ん坊のぬくもり、という意味でも通る、という説が興味深かった。「一生」と言うと誕生から死までというイメージがあるがジャンヌの死まで描いているわけではない、というのもその通りだと思った。 夫と伯爵夫人が逢引している最中の小屋が、怒りに狂った伯爵によって坂道を転がされた挙句谷底へ転落して二人とも惨死する急展開やら、 息子ポールの「すぐにでも会いに行くつもりだったんです」「会いたいと思っていたところなのです」と書きながら七年帰らず、「僕はとてつもない不幸に見舞われ」「お金がなくて非常に困っています」「お母さまが助けてくれなければ、頭に弾を撃ち込み自殺するしかありません」という時だけ手紙を出し、都合が悪くなる(送金されない、結婚を許されない)と音信不通、の繰り返しというところはもはや冗談みたいで笑ってしまった。
0投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ結構感動した 作者は男なのに女の人生、考え方みたいな表現が緻密で美しいと思った 原題はune vie で別に女の一生という意味ではない
0投稿日: 2025.09.24
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それ以下でも、それ以上でもない。人生のありのままを描いている。 突き放されたり、ひょんなことに救われたりそんなことばかりだ。 夫に浮気されること、可愛がってくれる両親に愛されること、宗教にすがったり諦めたりすること、息子に捨てられること、ロザリが恩を返し助けてくれること。 夢もなく恐れもなく( nec spe nec metu )がある。期待を予見するでもなく、なにかに怯えるでもなく、ただただ日々を生きる。ロザリが最後に残した言葉の延長線に、こんな考えを持てるのではないかと感じた。 それにしても女性の心の機微を描くのが上手い。初夜の夜など、恐怖と苦しさとわずかな期待と、どの女性もひそかに抱えている思いが詰まっているのではないだろうか。そんなふつふつと心で煮え切らなかった部分を物語で言語化してくれてなんだかすっきりしたような気持ちになった。 恋愛の話。恋はどうわきあがり、恋にどう失望し、結婚にどう折り合いをつけて行くか。 家族の話。親、配偶者、子供、ペット。 お金の話。日々をどう生きるか、お金をどうやりくりするか。資産をどうするか。 社会階層の話。身分の違い。男爵、公爵、使用人、農民、聖職者。 景色。家の家具や、匂い。庭の並木道。海があったり、岩があったり、森があったり。日常に囲まれた景色ってこうだよなあと引っ越しのシーンで共感した。雨が降ったり、波が荒れたりして、都会に住む私は自然と共にある景色とか生活って素敵だなあって感じた。(と同時にそんなに綺麗じゃなかったり大変な季節もあるのだろうけど) あと人生でたくさん旅行したいなと思った
0投稿日: 2025.08.18
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修道院寄宿学校を出たばかりの少女がすぐに恋に落ち結婚するお話。浮気をする(当時の19世紀フランスでは当然)旦那が死んでも幸せにはなれず、子供のみが生きがいとなる。甘やかして育てた子は最後まで自分の元には残らず絶望した日々を一度は追い出された女中ロザリが手助けしながら歳をとっていく。 19世紀フランスでの中層階級以上における浮気は当たり前であるという背景を念頭におくと読みやすいかもしれない。
0投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログあまり人生をつんでいないからわからないけど、人生ってこんなものだよな。 ジャンヌの描写が、時を経るにつれて、すぐ数年後とかになって時間的な解像度が減ったり、過去を振り返るシーンが増えていったり、またジャンヌの目に映る景色や日常の風景も暗く薄いものとなっていくのが印象的だった。逆に、前半部分の無垢なジャンヌが人間の悪意や俗っぽさに触れていくにつれて失望していくシーンが読んでて辛くなったりすることもあったが、逆に自分がこの先こういった体験をしていくのかなとも思った。 一般的に歳をとると人間は錆びついてきて、空虚な日々を過ごすのだなということは分かっていたが、そういった認識に現実感を与えてくれるような作品だった。
0投稿日: 2024.02.12
powered by ブクログジャンヌ結婚までの流れが早すぎて、残りページ数を考えても、悲劇が起きる予感はしていた。 ジャンヌがジュリアンへの愛が揺らぐシーンから雲行きが怪しくなっていった。新婚旅行でチップをあまり渡さなかったり、急に態度を変えたり。 夫婦の仲がだんだん冷めていく様子がリアル。ジュリアンの行動がいちいち蛙化現象を誘う行動なの勘弁してくれ… ジュリアンもポールも控えめに言ってゴミクソ。ただ、ジャンヌの不幸を引き立てているという意味では一役買っている。 虚無な生活とはおそらくこういうジャンヌのような生活を指すのだろう。しかし、最後の最後でポールの赤ちゃんを連れてきたロザリのセリフからは、ほんの少しだけ希望が見えた気がした。
0投稿日: 2023.08.29
powered by ブクログ「いわゆる女」の一生ではなく、「ある女」の一生。取り違えると気分を害しそう。「いわゆる貴族社会」における「ある女」の一生、という感じか。 貴族の中で主人公の人生が、とりわけ波乱万丈、とりわけ不幸なのかどうか自分にはは分からない。ただとりわけ純粋だったのが、ある意味不幸だったのかも。 自分も含め、今の時代日本人からは想像もつかないほどの教会の力、貴族のしきたり。固定観念や既得権の怖さを思い知る。 はて、最後に息を引き取るとき、彼女は幸せだったのか。そこは本人にしか分からない。
1投稿日: 2022.11.23
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夢あふれる貴族の少女ジャンヌ。幸せな結婚に恵まれて順風満帆に進んでいくかと思われた人生航路だが……。 世間知らずで受け身な女性主人公に、あまりにも男運がないとこうなる、というようなペシミズムあふれる一作。下世話な展開が興味を引くのと、ノルマンディーという舞台のゆえなのか風景描写が魅力的で、非常に読み応えがある。吝嗇すぎる夫と借金を重ねる放蕩息子の対比、夫にも息子にも恵まれたロザリとジャンヌの対比が、人生の真実の一端を見せてくれたと思う。 自らの不幸を宿命や運命のせいにし、生きる意欲を失うジャンヌを、ロザリが叱りつけるシーンが印象深い。年をとってもあまりに世間知らずなジャンヌに読者としては幻滅してしまうが、金の無心ばかりする息子を溺愛する姿は悲しくて責められない。夢破れて失望のままに生きる彼女の最後のよすがなのだ。いっぽうで夢を見ることさえない身分であったがゆえに、夢破れることもないロザリの堅実さ。女の一生とは、と考えさせられる。そして、最後の一文が深く胸にしみた。
1投稿日: 2022.11.14
powered by ブクログ受け身で悲しい女の一生。 モーパッサンは絶対に女性だと思ったが、男性だった。 思春期の女性が感じる、訳もなく心がときめく瞬間の描写が女性的ですばらしい。
0投稿日: 2022.04.07
powered by ブクログずっと読んでみたかった古典 最近この光文社古典新訳文庫の本をよく手に取ります すごく読みやすい 他の訳を読んだことないので、この作品が特に読みやすいのかもしれないけど 純潔に育てられたジャンヌが、恋をし結婚、夫の不貞行為に悩み、親の死も経験する 愛する息子は、手紙で金を無心してくる ジャンヌが過酷な人生を生き抜く リゾン叔母さんが良い役どころで、 ジュリアンがジャンヌに優しく 「足が冷たくはありませんか」と尋ねたことに 「私は、誰からも、一度もそんなことを言ってもらったことがない」 と泣く姿が哀れな印象があったけど 最後の方になると、独り身は極端な不幸に会うこともなく、自由に動けることが、 もしかして幸せかもしれないと読んでいて思えました そして最後のロザリのセリフ 「人生ってのは、皆が思うほど良いものでも、悪いものでもないんですね」
4投稿日: 2021.11.26
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まさに激動の女の一生の物語。ジュリアンのくずっぷりにややイライラしながらも次はどうなることかとページを繰る手が止まらなかった! そうしたハラハラドキドキの波瀾万丈な人生に寄り添うレプープルの風景を甘美な情景にも寂寥とした情景にも描いているのが巧みだと思った。ジャンヌの心情の変化を暗示しているのはもちろんのこと、波乱に満ちた一人の女の人生とそこに変わらずあり続ける自然を対比しているのかしら。 それから、この作品の面白いところは19世紀の貴族の女性を主人公にしながらも、現代にも十分つながる物語であること。結婚後ふとした時に感じる夫との価値観の相違には「わかるわかる」と、まるで女友達と話す時のようにジャンヌに同調したくなったし(決して夫はあんなクズじゃないけど)、子どもを拠り所にするあまり過保護になる様子は今でいう「毒親」そのもの。橋田壽賀子が描くドラマにありそうだと思った(笑) 職業柄なのかつい物語に因果を求めて読んでしまう癖があるようで、ジャンヌの運命の残酷さの要因を清廉潔白さに求めたり、最後の結末に「なんとか報われたね」と思ったりした。だからこそ、ロザリの「人生は良いものでも悪いものでもないですね」という最後の言葉にはハッとさせられた。
0投稿日: 2021.10.17
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さいしょはとても希望に溢れている人生が、不幸なことが重なり人を変えてしまう物語。 それでも生きているだけジャンヌはえらいと思うし、よくがんばったと思う。旦那と息子に恵まれなかったが、最後にはすこし希望がうまれてよかった、、 どうかジャンヌが些細な幸せを感じていられますように。
0投稿日: 2020.10.04
powered by ブクログ中学生の頃、こんなに面白い本があったのか!と思った女の一生。大人になって読んで、暗くて絶望しそうな内容だった。確か中学の頃は最後の場面に涙したのだが、今回はへぇといった感じで、感受性の強い時期の読書体験は貴重だったと思った。今は、何度も繰り返す展開の巧みさに気を取られてしまう。Une vieが ある命 とも訳せるという解説を見て、原語で読む人々は同じ本を読んでもまた違うことを感じるのだろうなと羨ましくなった。
0投稿日: 2020.04.03
powered by ブクログ読み易いし読んでる間は楽しい。読み終わると、さー困った。何も書けない。ジャンヌという修道院で育った年頃の娘が早速結婚する。「純潔、無垢」とは「愚か、中身がない」ということでした。フレッシュな胡瓜は、屈辱という名の粗塩を揉みつけられ、こすられ、いい感じに、ならないんだよ。時代っちゃそうだけんども、自分の考えを持たないで、守ってもらう前提の生き方に対する、やっぱり作者のディスりなんだよな。最後に放逐された召し使いが戻ってきて、教育なんか受けてなくても、しっかり賢いんだよ。作者こそ、産まれてる時代間違えてねえ?
0投稿日: 2020.01.18
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久々に良い本読んだ…ありがとう…ありがとう… 対極のロザリとジャンヌ…ふたりともなんの判断も選択もないまま生きて来たけど偶然に2人とも変わっていく… ジャンヌが受身すぎるって酷評されてたけどでもちゃんと生きてないかな、って思った。ジャンヌしっかり自分の人生生きてるだろ…?って思いながら読んでた。つらいことがあってもそれでも。あとがきに私が言いたかったことが上手く書いてあったから引用すると、「そんなに簡単に自分の力でものごとを選択したりできないものじゃないか」っていうこと まぁ受け身と感じられなかった私にもちょっと問題あるのではとは思う。確かに夫がクズすぎるけれども、キリスト教社会でそう簡単に離婚できないんだよねとも考えちゃうんだな。まぁしかしジャンヌは外部に自分の幸せ求めてはいけなかった。 なにぶん表現がうまいのがジャンヌが結婚する前後の心情だろうなぁ、ここから先何もないってところ。少女時代夢を見ていたものがこうも易々と手に入れられてしまって、その先が見えなかったって話はたぶん一歩間違えれば身近にもあり得る話だから
3投稿日: 2019.11.20
powered by ブクログ一気に読まずにはいられなかった。 古くて新しい。 男というのはしようのない生き物だ。 息子をどんな育て方をすれば、こんなになるかも納得する。
0投稿日: 2019.08.13
powered by ブクログ京都〜山形への新幹線で一気に読んだ。超おもしろかった。 「アンナ・カレーニナ」のアンナも、この「女の一生」のジャンヌも(あと他にもいた気するけど」、テンション上がり下がり激しくて情緒不安定気味で美しくて無垢で無邪気で無知でなんか不幸。ヨーロッパの貴族って皆こういう感じなの?そんな彼女たちに共感して心寄り添わせることなんて普通に考えてできないんだが、何故か、できるんです。モーパッサンすごい。 最初ジャンヌが恋に恋して、恋の歓びにおののく場面、素晴らしかった。読んでるだけで光が差してきそうだった。でも美しい場面だからこそ、だいたいのあらすじ分かってるからか、のちの不幸な人生との対比が際立ってしまって読んでて辛くなった。それにしてもジュリアンて嫌な男。こういう男だけは好きにならんようにしよう!と、気を引き締める!
1投稿日: 2019.07.18
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積ん読になってて、映画化されたので、読もうと思った。 どちらかというと★2つ寄り。 女の一生じゃない。原題とは異なる。 寄宿学校を出てから、40代半ばまでのジャンヌの話。 結婚とは何なのか。 出会ってすぐに恋に落ち、瞬く間に結婚。 何の知識もなく、初夜で失望。 夫の不倫。 この夫は酷いな。最後はざまあって思ったけど。 あの転がるところの描写は凄惨さが伝わる。一番印象に残った。 子供への甘やかし。過干渉。親を利用する大人の出来上がり。 子育ての失敗が跳ね返ってくる。 不幸なジャンヌ。 夫については同情したけど、子供についてはそりゃあ仕方ないなと思えた。明らかに甘やかしだもの。 生きがいが何もなくて一人ぼっち。 思考が停止、鬱みたいになってるんだろう。 ロザリの言う通り、食べ物もあって息子は生きてるし、何を言ってるんだって思ったな。 自分が一番不幸と思っている。狭い中でしか生きてないから。 最後もどうなんだろう。 そこに落ち着くのか。 依存的な傾向がなくならない限りこの後も不幸だろうなぁ。 最後は強く生きていく方向になるのかと期待してどんどん読んでたのに、ガッカリした。
0投稿日: 2017.12.17
powered by ブクログ最後ハッピーエンドっぽい締めくくりだが、 その後幸せに暮らしてそうな気がしない終わり方。 過保護というか、世間知らずに育ってしまったことは不幸なのか。
0投稿日: 2015.12.20
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開高健「任意の一点」という小説や三原順「ロングアゴー」を思い出した。 叔母のリゾンが物語を通じて何度も現れる。ジャンヌは、最初は「かわいそうなリゾンおばさん」と見下していたのに、一緒に息子ポールに奉仕するのようになり、最後にはなぜ自分は愛されないのかとリゾンのように堕ちていくのが面白かった。 同時に、常にリゾンの影がちらつくことで「ジャンヌは自分を不幸だと思っているが、リゾンより不幸ということはないでしょう」と読者に思い出させようとしているのかと思った。それはロザリがジャンヌを農民よりマシという趣旨のことを言って叱咤するのと同じ効果があるのかもしれない。 ジャンヌも男爵もロザリも善良ではあるけれど、善良であるからといって幸福になれるとは限らない。 トルビアック神父のように、神を信奉したからといって幸福になれるわけでもない。 信じていた母も不倫をしていた、という展開はとてもよかった。
0投稿日: 2015.12.13
powered by ブクログ厳格なカトリック主義に沿う生き方と、奔放で世俗的な生き方の絡み合いと対比。 自然主義・多神教的な考えを持つお父さんが何故一人娘を厳格な教会付属の寄宿学校に入れてわざわざ貞淑な世間知らずに育てようとしたのか、そこが不可解でしたが、娘だからそうしたのであって、もしも一人息子を持っていたら別の育て方を選んだのでしょうか。 性的に奔放な社会に強い嫌悪感を感じる世間知らずで純粋な主人公。素敵な男性と出会ってすぐに結婚しますが、ハネムーンから戻ると夫は本性を表します。結婚はどんどん悪い方向に転がっていき、最後には主人公は何も悪いことをしていないにも関わらず一人ぼっちになってしまいます。弱り切った主人公を救ってくれるのは、自分の夫とかつて不倫関係になってしまった女性と、無職のダメ息子が結婚もせずに(その後籍は入れさせるが)作った孫娘。 箱入り娘として育てられ、遺産をやりくりする知恵もなく、唯一の心の救いだった子供も甘やかしてダメダメにしてしまい、それでも老後の自分の幸せをダメ息子に何とか見出そうとする主人公には切なくなります。
0投稿日: 2015.10.25
powered by ブクログなんという素晴らしい小説!世間知らずのお嬢様だったジャンヌが少女のまま眠りにつきふと我に返ると人妻になっていた、など表現が素晴らしく、自然描写も素晴らしい。結婚してケチな本性を現す夫や、逆に金遣いが荒くジャンヌにたかる最愛の息子の対比。あんなにも情熱的に恋したのに夫の本性を知り、現実を知り、冷めていくジャンヌの心理の変化。新訳で読みやすかったのかもしれないけど非常に良かった。この物語は冷めた両親と弟の放蕩ぶりをモデルに書かれたらしい。2012/405
0投稿日: 2015.04.21
powered by ブクログ恵まれた境遇で育てられた娘ジャンヌが、希望と期待を抱いて愛した男性のもとへ嫁ぎ結婚生活が始まる。しかし皮肉にも、そこから彼女の転落人生は始まった。 リアリズム文学の名作として挙げられる本作ですが、これが『女の一生』であったら人生に匙を投げたくなります。 女癖の悪い夫、心を通わせた友人、そして最愛の息子にさえ…。題名は『裏切り』でも良いのではと思うほどジャンヌには苦闘と絶望の日々が押し寄せます。薄幸な彼女がそれでも周囲に期待し、夢破れ打ちひしがれる姿に、もう可哀想すぎて読んでいられないと暗い気持ちになるか、悲劇のヒロインと化した主人公に好奇心すら湧き読み進めるかは読者によって異なるかと思いますが、私は訳の読みやすさにも助けられ後者でした。女中がポツリと漏らしたラスト1行に、この本が伝えたかった全てが詰まっているように思います。 自分の人生に悲観し嘆きながら生きるか、与えられた環境のなかで逞しく切り開きながら生きるか。実は様々な「女の一生」が垣間見える味わいのある作品です。
0投稿日: 2014.12.15
powered by ブクログ生々しい、人生の“感じ”に触れることができました。 ロザリの最後の台詞である「ねえ、ジャンヌ様、人生ってのは、皆が思うほど良いものでも、悪いものでもないんですね」という言葉は、この言葉だけを抽出すれば、なんだかサラッと爽やかに終わった物語のように受け取ることも可能ですが、本文全体を踏まえると、いかにも気持ちが悪く感じられます。 第一、この感想はロザリの感想であるだけであって、この物語の総括ではないことが明らかだからかなあ。 原題は「Une vie」で、「ある誰かの人生」「不特定多数のなかから、無作為に抽出されたひとつの人生」といった意味をするとのことです。 主人公のジャンヌだけでなく、登場人物ひとりひとりの立場、視点からだと、人生がどう見えるのか。 考えてみると、ちょっと面白いなーと思います。(特にリゾン叔母さんの視点とか…)
1投稿日: 2013.08.14
powered by ブクログくーらーい。 エンディングのカタルシス。に、いまいち共感しきらんなかったのがあれでした。 性格の問題かなぁ・・・
0投稿日: 2013.07.26
powered by ブクログ確かに、モーパッサンが師事したフローベールの「ボヴァリー夫人」に似たところが多いのですが、受ける印象は違います。私としては、文章にハードボイルド小説のようなドライさを感じました。劇的なドラマがあるわけではなく、主人公・ジャンヌも決して感情移入しやすい人物造型ではないのですが、でも人生ってこんなものだよね。と、共感や同意できるところも多いです。若い世代にはピンとこないかもしれない老成した物語ですが、これが著者が33歳の時の作品と知り驚き。モーパッサンは他人より倍の速さで生涯を送った人なのかもしれませんね。
0投稿日: 2013.05.30
powered by ブクログ表題が、女の一生であれば、反面教師というか、読んでウンザリするような主人公ジャンヌの生き方が目に付く。 ただ、原語のフランス語で題名を訳すと、そこには女とも男とも入らないらしい。つまり、ある誰かの一生。そう捉えて読むと、ラストの女中ロザリの台詞、なんて達観したつぶやきか!いっきに自分ごとかさせられる。 捉え方ひとつで読み方がこんなにも変わる、古典の奥深いところです。
1投稿日: 2013.03.17
powered by ブクログつまらないし、文章がへたくそ。 70ページを使って、どうでもいい背景の話を続けている。 余分な文章が多く、飛ばし読みぎみに読んでしまった。 作者は男性で、精神病を患った挙句、麻薬に手を出し、30代で亡くなった。 他人の一生も不幸だと信じて、自己の慰めにしたいのか、女をバカにした様な話。 まあ、当時だと、これが普通なのかもしれないが。 ロシア文学の「かわいい女」の方が、バカな女を描くにしろ、優れている作品であると思う。 ただ9ページの人の表面的な善良さに触れた記述は面白い。 「彼の最大の長所にして最大の欠点は、その善良さにあった。善良であっても、愛撫し、与え、抱きしめるといった行動力はない。もっととりとめのない、意気地のない、上からあわれむだけの善良さである、意思をつかさどる神経が麻痺し、エネルギーの欠落した、むしろ悪といってもいいような善良さなのだ。」 ピコ神父の大らかさが、この話の救いどころのひとつである。 神の存在を信じているが、認識が足りず、妊娠してしまう未婚の娘に対し、「教区に新しい一人増やしてくれそうだな」と考え、結婚にもちこんでやる。 この大らかな感じが素晴らしいですね。 父である男爵も憎めない性格をしており、乳兄弟のロザリも温かい。キャラクターとしては、素晴らしい人物も何人もみられるだけに、少し物語が浅く感じられて残念に思う。
0投稿日: 2012.07.12
powered by ブクログ出てくるのがダメ人間ばっかりなんだけど、それがこの作品の魅力でもある。ラストが素敵ですね。 描かれているのは主人公の生涯の一部、20年間ほどですが、タイトル(邦題)がしっくりきます。
0投稿日: 2012.04.06
powered by ブクログジャンヌすごいかわいそうだけど、自分にも非があるから子どもがしっかり育つことはなかった。ロザリのことを何十年も経ってから許して、ロザリもものすごく献身的にジャンヌに取り組んでいるところはよかった。
0投稿日: 2012.01.13
powered by ブクログ読んでいる最中はジャンヌに感情移入して、不幸の人生を生きているかのように錯覚するが、読み終わってふと振り返ると彼女の人生はありきたりな人生である。 ジャンヌが夫に浮気されたとき、激昂した彼女の父をなだめて牧師は言った「ねえ、皆同じようなことをやっているんですよ。だからといって、あなたの奥様が不幸だったとか、奥様への愛が減ったとか、そういう話じゃないわけでしょう」と。 そのとおりなのだ、みんな間違えることはあるし苦労している。苦しくて苦しくて死にたくなるほどつらい出来事があったとしても、あとから思い出すとなんてことはない人生の一部である。 彼女はささいな幸せを認められなかったのだ。夫とうまくいかない人だってたくさんいる、年老いた親がなくなってしまうのも、成長した子供が親と疎遠になるのも当然である。なのに、彼女は自分が暗い運命の中にあると信じて疑わなかった。 夫に浮気される以前の、まだふたりが新婚で幸せであるはずの時期も、彼女は自分の生活に満足していなかった。修道院にいたとき、ひたすら希望に胸をふくらませていた「結婚」をしてしまって、今はなにもすることがなくこれからの日々がただ年老いていく単調な毎日だと失望する。彼女は不幸になったのではなく幸せになることができなかったのだ。 彼女は確かに夫に恵まれなかった、しかしそれ意外の不幸の原因は全て彼女自信が作り出している。息子を甘やかすのだって他の人は止めていた。ジャンヌは自分はとても不幸な運命にあるとだけ信じ、目の前の幸福も不幸にならないための術も知ろうとしなかった。 ジャンヌは物語の後半、年老いてからもどこか少女のようである。そう思わせるのは彼女のその受け身な部分であろう。与えられた環境で流されるだけで、それが不幸しかないと嘆く。最初に夫と浮気した女中のロザリはジャンヌと同じで、環境に流されるしかなかった。しかし彼女はその中で自分の幸せを見つけ、流されるだけでなく選択をしようとする意思があった。ここがジャンヌとロザリの大きな違いだろう。 「ねぇジャンヌ様、人生ってのは、皆が思うほどいいものでも、悪いものでもないんですね」と。ありふれた言葉だがジャンヌの人生をきれいにまとめた言葉である。 この小説は「女の一生」というタイトルだが、話はジャンヌが死ぬ時までは描かれていない。終わったのは彼女の絶望の人生だろう。これからもジャンヌは自分の人生が不幸だったと思い続けるだろうが、しっかり者のロザリが彼女を支えてくれるから今以上に不幸なことは起きない。あとはジャンヌの気の持ちようである。息子と孫が生きていて、貴族としては少なすぎるが、小さな屋敷と必要最低限の収入、そして自分を大切に世話してくれる女中がいる。 この小説はリアリズムの真髄とも言われている。みんなが表向きに隠している不実や黒い部分をジャンヌは許せずにそこだけを見つめていたが、それは普通の人生である。そしてその人間の一生にはどうしてもでてくる不実や黒い部分がある人生ををありのままに書いたこの小説はまさに「女の一生」なのである。
0投稿日: 2011.09.20
powered by ブクログありふれた人生の惨めさ、滑稽さ。年齢をとってから読むと、それは笑えるし心安らぐし、救われる気がするから不思議だ。 人生に夢見ていた主人公が現実に打ちのめされていく。しかし自分は不幸だと考える主人公だけでなく、登場人物すべてが現実の中でみっともなさを晒しながらも、それでも何とかギリギリ現実社会の中に踏みとどまって夢を抱き続けるのだ。 自然主義文学の代表作と評されているが、リアリズムとは堅苦しいものではなく、現実社会の中でお互いに恥らいを持って知らないふりを決め込んでいる、人間のみっともなさをさらりさらりと描いてくれるのだ。 良いことでも悪いことでも、何かが自分の前で起こるのは不幸ではない。それはある意味で豊かな人生でさえある。 この物語の最重要人物はリゾン叔母である。だって彼女はいつも側にいるのに家族親戚にさえほとんど存在しないかのように人生を生きて死んでいくのだ。彼女の目から見たら、主人公の人生さえ幸せとしか言えないのではないだろうか。
0投稿日: 2011.05.10
powered by ブクログ自ら人生を切り開いて自由に生きている人間なんて、本当にいるのでしょうか。ほとんどの(本当はすべてと言いたいところですが…それは断定できないので)人間は、周りの環境や他人の影響によって、常に影響され、流されながら生きているのではないでしょうか。 だからと言って、人生というものがなんてつまらないのだろう、とか、生きる意味なんてないのではないか、と言いたいのでありません。おそらくモーパッサンも、この長編小説を書きながら、彼自身はたいへんなペシミストではあると思いますが、人生の意味や、自分の中にある生きたいという気持ちの理由を見つけようとしていたのではないかと感じるのです。 僕はむしろ、人生のそういうかなしくて、つらくて、みにくい側面を知らずに生きている人の幸せは、本当に幸せなのか、そして、その人の抱く他人に対する善意や思慕や愛情は本物なのだろうかと思ってしまいます。これは、個人的な価値観を押し付けてしまうことになりかねないので、なんとも言いにくいことではあるのですが。少なくとも僕は、そういう良さしかもたない人間は、自分の悪に気がつくことができないでいるのだと思います。 感想というよりも、なんだか自分の人間観を綴ってしまう形になってしまいましたが、この「女の一生」というモーパッサンの長編小説を読むことによって、人間というものについて(というとなんだか哲学的で小難しい感じがしてしまいますが…そんなことはなく素朴に)考えることができるように思います。 この本はまた、「光文社古典新訳文庫」から2011年の3月に出された新訳で、とても読みやすいです。すこし分厚いかな…と読書が苦手な方は(僕もそうでしたが)思われるかもしれませんが、難しい内容でもないので、意外とするする読み進められます。ぜひご一読を。
0投稿日: 2011.03.20
