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統計学 2冊パックバリュー版
統計学 2冊パックバリュー版
西内啓、清水量介、鈴木崇久、深澤献、藤田章夫/ダイヤモンド社
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総合評価

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  • お得感のあるパックです

    「統計学が最強の学問である」が読みたくて購入しました。 2冊目がついていてお得感がありますが、そちらはおまけといった位置づけです。 1冊目の方は、話題になっただけあってなかなか興味深く読むことができました。 いちばん印象的だったのは、統計学の起源として紹介されていた、ロンドンでの疫病の研究です。 このエピソードからは、2つの学びがありました。 一つは、問題の解決方法には、以下のミクロとマクロそれぞれから出発する方法があるということです。 ミクロから出発するのは、たとえば流行している疫病の原因となる細菌を調べ、その細菌を殺して繁殖を防ぐというものです。 一方、統計学のようにマクロから出発する方法では、細菌の性質には注目せず、どういう状況でどういった人々が疫病に感染するのかを比較し、より感染の低い条件を探します。 この紹介されていたロンドンの話では、後者のマクロから出発する統計学の考え方が、疫病の拡大を防ぐのに大いに役立ったようです。 もう一つの学んだことは、だれもが疑問をさしはさむ余地のない常識的な方法が、かえって問題の悪化を招くことがあるということです。 疫病が流行っていたロンドンで、その拡大を止めようとした役人の一人が、不衛生な都市環境にこそ疫病の原因があると考え、街の美化を徹底的に推し進めました。 その結果、疫病の菌を含んだ汚物がテムズ川に大量に流れ込み、その水を飲んだ人々の間にさらに感染が広まったそうです。

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    投稿日: 2014.02.09