
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
サヤ 夫・俊彦の死後、伯母が遺してくれた佐々良の家に引っ越す。子供の頃に母を亡くし、成人してから父を亡くしている。俊彦に馬鹿ってサヤと呼ばれている。 俊彦 サヤの夫。買い物帰りに軽自動車にはねられ死んだ。成仏せず人に取り憑いてサヤを助ける。 ユウ坊 ユウスケ。サヤと俊彦の息子。 細貝 俊彦の高校時代の友人。俊彦の葬儀に坊さんとして参加した。 チエミ 俊彦をはねた加害者。市内の大学に通う学生で免許取り立て。アクセルとブレーキを踏み間違えた。 俊彦の父 まあまあ名の知れた映画会社の社長。 桂山太一郎 佐々良駅の駅長。 佐野 桂山の部下。 サヤの伯母 サヤが妊娠八ヶ月のときに亡くなった。数少ない身内の一人で、サヤの読書好きはこの人の影響。ずっと独身を通し、小さな出版社で定年まで働き続けた。サヤの母の年の離れた姉。 久保 サヤの伯母の家を管理している不動産屋。 鈴木久代 ユウ坊がお腹を空かせて泣いているところを助けた老婦人。 引越センターのアルバイト青年 勝子 旅館・笹乃屋の若女将。 やーやん サヤと二卵性双生児として産まれるはずだった。 ナツ お夏さん。宿の老婦人。サヤが旅館に泊まったときにベビーバスを持ってきた。サヤの家に嫁の愚痴を言いに来る。鈴木久代とは女学校時代の同級。 森尾 郵便配達員。 手嶋珠子 珠ちゃん。老婦人。サヤの隣人。 本間妙子 サヤの伯母に手紙を出した。 初老の男 サヤの義父の代理人の弁護士。 リーダー格の母親 ダイヤ 大也。 エリカ ダイヤの母親。 マスター 佐々良付近で唯一の喫茶店〈ささら〉のマスター。 山野邉 隣の婆さん。 山野邉豊 アメリカで建築業界のノーベル賞と言われるプリッカー賞を受賞した。 ミオ ユウスケが入院した病院にいた女の子。
1投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログ10年くらい前に読んで印象に残っていた作品。登場人物ごとに短編的にまとまってて読みやすく、純粋な主人公と主人公を助けてくれる癖強の隣人達のバランスが読んでいて面白い。家族愛の話はやっぱり感動する。
0投稿日: 2025.08.13
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素敵な話だった。 突然の事故で旦那さんを亡くしてしまうけど、新たな地で優しい人に囲まれながらユウ坊を育てるサヤがどんどん強くなっていて素敵だった。 ピンチの時は旦那さんが旦那さんらしく助けてくれるのが良かった。
0投稿日: 2025.07.18
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主人公が自分とは真逆なので、前半にはちょっとイライラしてしまうところがあったが、これが他人を知る、そういう考えもあるよね~と受け流す練習なのかもと思った。 自分だったら、夫の事故の時なら弁護士雇うし、子供が取られたなら速攻警察に連絡して刑事事件にしてしまうだろう。。。
0投稿日: 2025.04.11
powered by ブクログ冒頭で旦那さんを交通事故で無くし、恨み辛み憎しみの物語、ミステリーかと思いきや、全然。 個人的にファンタジーというほどファンタジーではなく、ミステリーかと言われれば違う気がする。不思議な感覚になった本。 赤ちゃんが生まれたばかりで読むと主人公に感情移入してしまうー。
0投稿日: 2025.02.27
powered by ブクログささらシリーズ1。 シリーズものと知らず、だいぶ前に2を先に読んでいました。2よりはよかった。そしてちゃんと順番に読んだ方が2は面白かったのではないかと思う。 さやがあまりにも頼りなさすぎてイライラするけれど、他の登場人物はなかなかいい味を出していて、飽きずに読めました。
0投稿日: 2024.11.19
powered by ブクログこれから読む人、ハンカチかハンドタオルを身近に置きましょう。 夫を交通事故で失ったサヤは別の町でやり直そうとする。 この町で出会う人々が良い意味で一癖二癖あり、何気ない日常のシーンにもほんのりした笑いが詰まっている。 ゴーストになった夫が探偵役として登場する、という設定もユニークだし主人公が感情を爆発させる瞬間、読者は彼女と同じ目線になっているのだ。 喪失を抱えたひとが自分の人生を再構築するのは並大抵の事ではない。難しい事である。でも人間にはその計り知れない力がある。そう思わせてくれる作品だ。
1投稿日: 2024.09.01
powered by ブクログ何年か前に買ったきりそのままになっていた本を見つけたので読んだ。 主体性がなく、他力本願ですべて為されるがまま、どこまでも気弱なヒロイン。幼な子がいることも相まって周囲が放っておかない。オロオロしているうちに誰かが助けてくれる。 ‥とついイジワルな目で見てしまった。 個性豊かなおばあちゃんやシンママと過ごす彼女の日常は楽しそうだ。ここでの彼女は不幸ではないと思う。 ところでこの小説は連作ミステリなのか?ファンタジーじゃなくて?
1投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログサヤの子供が生まれて2ヶ月。カツオのたたきを買って帰る途中に夫が車にはねられて即死。しかしその夫は成仏できずにサヤの周辺をさまよう。サヤが埼玉県佐々良市のおばが所有していたアパートに移り住むことになると、夫の幽霊もともについていき、幽霊が見える人に入り込んでサヤを助け始める…。 以前に『てるてるあした』を読んで、そちらが1作目と思い込んでいたが、『ささらさや』が1作目だったようだ。『てるてる』で「キャラクターがすでにできていてついていけない」と書いていたが、前作があったら仕方がないな。 8本のアンソロジー型で、それぞれが小さな事件を幽霊が解決していくタイプの話である。が、最初の数作は、解決したんだかしていないんだかというキレの悪さがある。3作目くらいから、『てるてる』でも活躍した、おせっかいの3人老婆がサヤにつきまとっていくことになり、とたんにコミカルなストーリーになっていくので読みやすくなるだろう。 ゆるいファンタジー作品でありながら、幽霊は「見える人間にしか取り憑けない」「一度取り憑いた人には二度と取り憑けない」など、SF的に制約を課しているところはちょっと面白い。したがって、短編1本で取り憑けるのは1人である。ただ、その設定が必要だったのかな。 おそらくこの作者の中でも初期作に当たるのであろうが、本ストーリー以上に設定を主眼として話を作っているところが多々目についた。サヤの視点で物事を見て描いているようで、途中で幽霊視点になり、短編の終盤では幽霊のターゲットの人に視点が移る。2作ほど読んだところでそういうルールなのかと気がつくが、つい先程までの視点が取り上げられるのは違和感しかない。全体に文章が稚拙で、頭に入ってこない部分が多々あった。率直に言って読みづらい。 また、「馬鹿っサヤ」「ささらさや」という言葉をいちいち挟み込んでくるが、いずれの言葉選びのセンスもいまいちだし、「ささらさやという音」というのもイメージがしづらく、また出てくるんか…と食傷するのだ。 帯には「ゴーストとなった夫」と、なるほど、あの映画をモチーフにしたかと思わせられるが、文章はあさのあつこだったりするんだろうなあ。なくなった配偶者の幽霊が解決するという作品は最近読んだが、あちらは本作をベースにしたんだろうか。 3作目も買ってあるが、1作目よりも2作目のほうが読めたので、本としての完成度は上がっているのだろう。
0投稿日: 2023.08.24
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2001年単行本発刊との事だがなんとなく(台詞回しのせいか?)平成一桁台の空気を作品全体に感じて懐かしい気分になる。 お人好しで気弱な主人公サヤだが時に思い切った行動を取る強さは佐々良で得た友人達の支えも大きいけどそれ以上に守るべきものがある母親ゆえのものではないだろうか。 完全に私感ではあるがユウスケの初語の瞬間はあっさりしすぎているような気がした。 プロローグと対になるように終盤も夫目線で書かれているが、ここは三人称のままの方がサヤと一緒に驚きと喜びを共有できて読んでて盛り上がったかなあと思ったり。
0投稿日: 2023.01.24
powered by ブクログ新垣結衣朱円で映画化されていると聞いて読んでみた。事故で死んだ夫が頼りない妻の元へ姿を変えて表れ手を差しのべるという幽霊ファンタジー。解説には涙腺が切れると書いてあったが全く共感出来なかった。
0投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログ生徒からの薦めがあり読了。 突如、交通事故により最愛の夫を失ったサヤ。 すでに両親は他界しており、生後間もない息子ユウスケを抱えておろおろするばかり。 亡き夫の家族から「ユウスケを引き取る」と強く迫られ、逃げるように佐佐良の町へやってきます。 亡くなった夫の幽霊(魂?)が常に見守ってくれていて、ピンチになると周囲の人に一度だけ憑依して助けてくれる、という事だけを頼みに、新たな街での生活を始めます。 片田舎の観光地、そこで出会ったお年寄りやママ友に囲まれ、少しずつ生活の基盤を築いてゆくサヤですが、やはり亡き夫のことが忘れられず、周囲を心配させることも度々。 最後の事件の顛末、そして物語全体の結末は予想できるもので、特別な驚きなどはありませんでした。 次第に主人公が成長し、心の傷を見つめつつ前を向いてゆこうとするストーリー展開も定番です。 しかし、定番・定型であるからこそ、安心して読めるのだと思います。 主人公サヤを、互いに口汚くののしりながらも協力して支える三人のおばあさん、これまた口の悪いママ友のエリカなど、周囲のキャラクターのやりとりが軽快で、そのやり取りを読んでいるだけで楽しい気分になります。 サヤの煮え切らなさや、うじうじとしたところに少し辟易とすることもありますが、彼女たちの「サバサバ」「ハキハキ」した姿で何とかバランスが取れていたのかな、と思います。
0投稿日: 2022.06.16
powered by ブクログ読みやすく、さらさら読める、ささらさや。 生まれたばかりの赤ちゃんを抱えて未亡人になってしまったさや。 事故で亡くなった夫は、押しに弱くお人好しでか弱いさやが心配で、成仏できずに近くで見守ることになり…。 温かいお話を楽しみました。
5投稿日: 2022.01.13
powered by ブクログ加納さんお得意の、日常にある少しの謎とホッコリ&少しウルウルな感じの本です 加納朋子さんの本ってミステリィなのに、誰かが殺されたり恨まれたりみたいな事が無く、ほっこりするようなお話しが多くて安心して読めます(*^^*)
1投稿日: 2021.12.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
半年前、読み友さんに教えてもらった加納朋子さんの「ささらさや」、漸く読めた。表紙絵があまり好きではなかったので若干の敬遠気味。しかし早く読むべきだった。日本版「ゴースト N.Y.のまぼろし」、デミ・ムーアが頭にちらつく。夫とデパ地下で鰹を買い、帰る途中夫が交通事故で亡くなる。しかし、夫は妻(サヤ)を心配し幽霊となり出現。佐々良市でお節介婆さん3人組+1人のヤンキー女性に助けられ1人息子を育てていくサヤの成長譚。夫の妻への愛情が切なく温かい。最後の場面は久しぶりにウルウル。加納さんの心に訴える描写が秀逸。⑤
21投稿日: 2021.12.05
powered by ブクログミステリーとしては、謎解きの面白みに欠け、人間ドラマとしては、文学的な感情の機微を感じることができなかった。あくまでライトな感じ。 別にライトな感じが悪いと思っているのではなく、私としては、ミステリーとして訴えたいのか、人間ドラマとして訴えたいのかが分からなかったということです。 だから、サヤの体験は辛いものだとは思うのだけれど、サヤ自身の心情表現があまりに少ないために、読んでいて特に何も思わなかったし、敢えて、そういう書き方をしているのかと思ったが、そうではなさそうだし・・ ただ、ユウ坊の愛くるしい描写や、三人の老婦人のユーモア溢れる温かさや、赤ちゃんを育てる苦労を知らないふざけた大人への皮肉等、良かった点もありました。でも、「ななつのこ」と比較すると、何か突出した感じがありませんでした。
13投稿日: 2021.07.16
powered by ブクログ若くして夫を亡くした妻サヤと、残された乳飲み子のユウスケの二人が、田舎に引っ越して様々な事件に巻き込まれるなか、元夫が色んな人にとりついてサヤを助けるという話。 元夫のキレキャラ?具合もなじめず、やたらと奥さんのことをバカバカ言うし、妻も妻でどんだけお人好しなのよって感じで、??といった感想でした。 おせっかいおばあさんが3人出てくる(なかなか区別付かない)のと、こどもの成長に懐かしみを感じたので、そういう世代向けの本なのかなと思いました。
5投稿日: 2021.05.16
powered by ブクログ”本日は、夫・○○の葬儀にご参列いただきまして誠にありがとうございました…きっと、天国でも私たち家族のことを見守っていてくれることを信じています” 古今東西、人が亡くなった場合には通夜、葬儀がしめやかに執り行われます。天寿を全うして、長い闘病生活を経て、そしてまさかの交通事故で急死してしまってという場合など、同じ人の命が終わる瞬間である死にも随分と幅があるように思います。私は死んだ経験を持ち合わせていませんので、そんな死者が死に際してどのようなことを思い、どんな風に感じているのかということは全く知る由もありません。しかし、全く予期せぬ死を迎えた場合には、やはり何らかの未練をこの世に残すということがあるのではないか、そんな風にも思います。『人間おぎゃあと生まれて生きていりゃあ、いつかはお終いの日ってやつがくる』という私たちの人生。『ただ、自分で思っていたよりは、かなり早かったってだけのこと』、そう割り切れれば良いのかもしれません。しかし、『だけどやっぱり…切ないね』と急な死を迎えた無念の感情はどこまでもあるのではないか、そんな風にも思います。そして、そんな予期せぬ死を迎えた死者は”天国”へと直ぐに旅立つのでしょうか?実は『自分の通夜だの葬儀だのを、つぶさに観察する羽目になるとは、夢にも思っていなかった』と実は挨拶をする喪主の直ぐ横に立っているというようなことはないのでしょうか? この作品は、『俺さ、この二、三日うろうろしてて、自分でなんで真っ直ぐ成仏できなかったのか、なんとなくわかった気がするんだ』という死者となったはずの『俺』の存在を感じる物語。『死んだ人間が本当の意味で死ぬまでの、執行猶予』の期間の意味を感じる物語です。 『五月のよく晴れた日曜日』、『夕食の買い物を兼ねて、散歩』に出かけた家族。『少し足を延ばした大手スーパーマーケット』の『鮮魚コーナー』でカツオが売られているのを見て『ニンニクをきかせたカツオのたたき。悪くないねえ』と考えた『俺』。『「たたきには、ニンニクをたっぷりのっけてくれよ」なんて言わなければよかった』と後悔する『俺』は『それに対して、サヤがなんと答える気だったのか』知らないというその瞬間。『いったい何が起きたのか、正確に知っているわけじゃない』という『俺』。『たったひとつ言えるのは、そのとき俺たちが渡ろうとしていた信号は、間違いなく青になってたってことだけだ』とその瞬間を振り返ります。『そのときベビーカーを押していたのがサヤだったってことと、彼女が少し遅れてついてきてたってこと』を慰めだと思う『俺』。『横断歩道でサヤを振り返り、例のセリフを口にした』瞬間、『怒ったイノシシみたいに俺をめがけて突進してきた、ぴかぴか光る真っ赤な鉄のかたまり』が『俺』を襲います。『どっかーんという、すさまじい音がした』というその瞬間。『さっきの笑いのかけらを片頬に張り付けたまま、呆然と立ちすくんでいた』サヤ。『全身強打、複雑骨折、内臓破裂、大量出血…』と『不吉な言葉がいくつもいくつも、瞬間的に浮かんでは消え』、『ヤバイなあ…』と『どこか他人事のように』、『そう考え始めていた』という『俺』。『 俺の人生は馬鹿みたいにあっけなく、本当にあっさりと幕を下ろしてしまった』という事実。そして『自分の通夜だの葬儀』を目にする『俺』の前に『四十代とおぼしき夫婦と、その娘。加害者と、その両親』が現れます。『奥さん。こんな若い娘さんを刑務所にやるのは、あんまり酷だ』と言う同行の弁護士。そして、土下座する三人。『おろおろとうろたえてしまい、必死になって顔を上げてくれるように頼んでいる』サヤを見て『楽勝、楽勝』と笑みで見つめるその弁護士。『馬鹿っサヤ』、『人が好すぎるよ、まったく』と呟く『俺』は第三者的にその光景を見ている自身に気づき『〈意識〉が依然として俺にはある…これはいったい、どういうことなんだろう?』と思います。『死んだらみんな、こんな具合になっちまうのか。それとも俺だけがこうなのか』と戸惑う『俺』。そんな時、『高校時代に友人だった細貝』の姿を目にします。『俺の友達には坊主がいるんだ。俺の葬式の時には、こいつに頼んでくれればいい』と話していたことを覚えていてくれたサヤ。『彼は坊さんになっていた』と読経する細貝を正面から見据える『俺』は、思わず『ぷっと吹き出し』ました。『くわっと俺を睨みつけた』細貝。『気のせいだ…』と『祭壇の端から端に移動して』みると、『細貝の目は、じっと俺の動きを追った。寸分の狂いもなく』という衝撃。『こいつには…こいつだけには俺の姿が見えている?』。そして、一人になった細貝に近づいた『俺』に『…来たな。こんなところで何をしている?さっさと成仏する気はないのか?』と訊く細貝。『サヤが…俺の奥さんがさ…あまりにも気弱でお人好しで頼りないから…』、『おまえが協力してくれたら…』と頼む『俺』に『後妻さんの面倒を見ている暇はない』とつれない細貝。『そっちがその気なら、俺はたった今から悪霊になっておまえにとり憑いてやるからな』と言う『俺』。その時『ふいにドアの外が騒がしくな』ります。『どうしたんだ?』と声の主である伯母に尋ねた瞬間、『こいつは俺の声じゃない。どうやら俺は本当に細貝のやつにとり憑いてしまった』という結果論。そして…と展開する物語の冒頭を飾るこの短編。物語世界に読者を一気に引き込むその迫力にすっかり虜にさせられてしまった好編でした。 八つの短編が身近なミステリーと共に描かれる連作短編の形式を取るこの作品。その物語は上記した通り『まだ新婚ホヤホヤって言ってもいいくらいの可愛い奥さんと、首もすわらない赤ん坊を残して』、『俺は気がついたら死んでいた』と、まさかの交通事故に遭遇して『俺』が死んでしまうところからスタートします。普通に考えれば、人は死んでしまえばそこで終わりです。物語の第一人称は本来的には生者であるサヤ視点で描かれるべきです。しかし、この最初の短編〈トランジット・パッセンジャー〉は『〈意識〉が依然として俺にはある』という、死んだ本人、まさかの『俺』視点で展開するファンタジーになっているのが特徴です。自らの葬儀を第三者的に見つめる『俺』は、『葬式ってのはいったい、誰のための、そして何のためのセレモニーなんだろう?まったく死んでしまった体になんて、何の未練も意味もない』と極めて冷静にそのシーンを見守ります。亡くなった人に対するこういったセレモニーを、私も本当に意味があるのかな?と考える時があります。しかし、実の父が亡くなった時、その遺体を目の前にして、そんな冷静さが一気に吹き飛んでしまいました。人の感情というのは当事者になってみなければなかなかに分からないものです。しかし、今改めて考えると、本当の当事者とは死者であって、私たちは勝手にその死者の気持ちになって色んなことを思い描いているだけにすぎないということにも気づきます。死というものは冷静であろうとしてもなかなかにその意味を理解することは難しい、改めてそう感じました。 そして、そんな『俺』は、『スペインに行くとき、モスクワで飛行機を乗り換えた』『新婚旅行の時のことを思い出し』ます。『トランジット・パッセンジャー』というその時の立場。それを『現生から来世に行くための、中継地点。そこで俺は、とりあえず自由にうろうろすることができる』というその時の立場。『けれど、空港からは一歩たりとも出られない…』と見事にその状況を説明する加納さん。死者を旅行者に例えることで、このファンタジー世界がとても分かりやすくイメージできるように思いました。 そんな『俺』が残してきた妻・サヤと息子・ユウスケ。二つ目の短編以降は、視点がサヤに移ります。物語としては、最初の短編同様に『俺』視点で描いていくことだってできたはずです。しかし、サヤ視点に第一人称を移すことで『彼は今でも、すぐ側で私たちのことを見ていてくれている』、『いざとなれば、誰か他の生きている人の姿を借りて、助けに来てくれる』と、心細さの極みにいるサヤの内心を自然と描くことができます。そして、そんな弱い立場のサヤに読者は自然と感情移入していく中で、サヤに迫った危機を『俺』がどのように救っていくのかに期待するようになります。まだ首も座らない小さな子供と二人っきりになったサヤ。お子さんを育ててこられた方なら、慣れない育児の不安な気持ちは手にとるように分かると思います。『頭頂部を触ると、マシュマロそっくりの感触でぺこりとへこむ』、『脚だけでなく全身がくにゃくにゃと柔らかく、頼りない。その頼りなさが、怖い』という新生児の様子をリアルに描写する加納さん。一方で子どもというものは物凄い速さで成長していきます。『その腕といい、がに股に開かれた脚といい、まるで極上の白ハムだ。体全体が、つきたてのおもちだ』、『赤ん坊ときたらどうしてこう、どこもかしこも美味しそうなのだろう?いつもそう思う』というようにぐんぐん成長を見せるユウスケのリアルな描写。これらによって、読者の中に、”もうサヤは大丈夫なのではないか”という気持ちが自然と湧き起こっていきます。そして、いつまでも夫のことを頼りにし続けるサヤを『いい、サヤ。区切りってのはね、自分でつけなきゃならないもんなのよ』とエリカに諭されるサヤ。一方でそんなサヤをずっと見つめ続けてきた『俺』にも、『俺がいなくたって、君は何とかやっていける。いくらでも幸せになれる』という穏やかな感情が生じてきます。喜ばしいサヤの成長、しかしそれは『俺』の役割が終幕を迎えることを意味するものでもありました。 死者が現生に留まって生者を助けるという物語は、古今東西多々あります。有名なのは1990年のアメリカ映画「ゴースト」でしょうか。そして、こういった物語の結末は定められたかのように同じパターンを辿ります。そう、ネタバレ云々以前に、この作品にも定石通りの結末が静かに訪れます。最初から分かっていても、とても切なく感じるその結末。しかし、その一方で、今を生きていくサヤ、そしてユウスケの幸せなこれからの人生の歩みが垣間見えるその結末。う〜ん、良い作品だったなあ…穏やかに余韻の残る結末を読み終えて静かに本を置きました。 『ささや さら…』。『すごく懐かしくて哀しくて、そしてとても大切な音』。そんな音が聞こえてくるその瞬間を読者が目にする奇跡の物語。加納さんらしく、短編それぞれに身近なミステリーをアクセントに織り交ぜながら展開するその物語は、主人公であるサヤが、力強く、たくましく、そしてしたたかに生きていくための力を得ていく姿を見る物語でもありました。 その音が『世界一哀しくて、懐かしい』と感じることになるその結末に、まばゆい光差す世界を遠くに垣間見た、そんな優しい作品でした。
65投稿日: 2021.04.19
powered by ブクログ「馬鹿っサヤ」の一言に涙腺がゆるみます。 妻と生後3ヶ月の我が子を残して逝ってしまった夫と目の前で大切な人を亡くしたサヤ。どちらも辛い… 親もなくたった一人で頑張らなきゃと気負っているサヤの悲しみや心細さを思うと胸がぎゅっと締め付けられます。 だから、嬉々として何やかんやと世話を焼いてくれる三婆が側にいてくれて本当に良かった!癖が強いのは、まぁ愛嬌かな~♪ 永遠の別れ、旦那さんのサヤへの溢れる愛にグッときました。 温かくてちょっとした謎解きもあって面白かったです。
0投稿日: 2021.03.30
powered by ブクログ心が暖かくなるような話。 母は強しだし、見守ってくれて、お節介してくれる人も周りにいる。子育ては孤独になることが多いけど、こんな人たちが周りにいたら心強いかな。
0投稿日: 2021.03.21
powered by ブクログ「ななつのこ」がまずまず良かったので、同じ作者の昔のものを読んでみることにした。 中古本屋の棚に「ななつのこ」の続編がなかったので、取り敢えず、この本ともう一冊購入。 交通事故で夫を亡くしたサヤは、赤ちゃんのユウ坊とともに佐々良という街へ引っ越す。 そこで色々な不思議なことが起こるが、サヤが困る度に、成仏しきれなかった夫が他人に取り憑いて彼女を助けに来る、みたいなお話。 主人公のサヤがなんとも頼りなくてすぐ泣くしお人好しも過ぎてイマイチなんだけど、まあ、それで色んな人が世話を焼きにやってくるわけで、そうして3人の婆さまたちやエリカといったお友達が徐々に増えるに従ってほのぼのとした感じがなかなか心地良くはなってくる。 しかし、ユウ坊のような赤ちゃんをダシに使うのはちょっとズルいな。プニプニとしておいしそうで、それだけで気持ちは緩んでくるものな。 カバーが映画化された時の写真付きのものになっていて、どうしても大泉洋の顔が浮かんでしまう。口調も『馬鹿っサヤ』って言いそうな感じだし。 謎解き要素もあるけれど、ミステリー感は薄い。
5投稿日: 2020.12.16
powered by ブクログ「モノレールねこ」がとても面白かったので、この人の書く長編はどうだろうかと手ににしたのがこの本でした。 事故で夫を亡くしたサヤは生まれて間もないユウスケを連れて、生前親しくしていた伯母の住んでいた「佐々良(ささら)」という街に移住します。 気弱でお人良しで頼りないサヤの周りには数々の事件が起こりますがその度に亡くなった夫が他人の姿を借り助けてくれます。 それに加えて気の良い「佐々良」の街の人たちの支えもあり、サヤが人間的に成長していくというお話です。 ひとつの事件を乗り越えるたびに強くなっていくサヤを見て「子を想う母の強さ」というものを感じました。 涙腺が弱くなったためか、5章目「ダイヤモンド・キッズ」でぐっときて涙し、最終章「トワイライト・メッセンジャー」では夫からの成長したサヤへ対する愛情を感じてまた涙しました。 心の奥がぽかぽかするようなそんなお話、読んでみませんか。
0投稿日: 2020.04.05
powered by ブクログ帯に映画化とあり、ガッキーが可愛らしかったので購入。優しい物語でしたね。か弱い妻子の危機に、事故で亡くなった旦那が、他人の身体を借りて助けにくる…と。映画の「ゴースト」とか「ツナグ」みたいな感じですね。どちらかと言うと苦手な筋ですが、入り込めたのは登場人物が良かったからかな。
3投稿日: 2019.03.30
powered by ブクログ子供が、幼い時に「ゴースト ニューヨークの幻」の映画見て、この本を読みたいと、思いながら、そのままであった。 手にしてから、夫婦と赤ちゃん連れの平凡な日のスーパーマーケットへの道で、夫が、事故に遭う。 それが、夫側から見て、事故の悲惨さを、何と、緩和される如く、第三者からのようなスローモーションで、描かれている。 自分の身に 何が起こったの????と、、、 残された頼りない妻のサヤとまだまだ乳飲み子のユウスケ。 サヤに両親も頼る人も、もう他界していて、どうすればいいのか? 暗中模索している所に、夫の両親たちが、孫のユウスケを取り上げようとする。 サヤは、伯母が残した家ヘと、向かい其処で、三婆たちや、少し派手目のママ友 エリカと親しくなって行く。 色んな出来事、ユウスケの突発疹などで、次第に母親の力強さを感じて来る。 子供の成長と共に、母親も成長していく。 昔だと、主人公のサヤが、息子大事!で、家出のように飛び出して行ったことに、同調していただろうが、今、少し視点を変えると、夫の両親も、可愛い息子が、残してくれた一人の孫を手じかに、置いておきたい、否、顔を見たいと、思うのも無理はないと、、、、 しかし、作者 加納朋子氏が、優しいタッチと、ホンワカした主人公が、描けるのも、ご自身がもっている雰囲気が、あるのだと思う。 でも、この時代は、紙パンツでなく、布おしめをしていたのだと、、、思い出してしまった。(笑)
3投稿日: 2018.11.20
powered by ブクログ久しぶりの読書。 久しぶりに読んだ本がこれで良かった。 少しだけ心が満たされた。 子供が生まれたばかりのサヤの旦那が、交通事故で突然亡くなってしまい、サヤは息子と2人で遠く離れたささら市に引っ越す。そこで3人のおばあちゃんやエリカと友達になり、ピンチの時は旦那が人に乗り移って助けに来る話。
4投稿日: 2018.07.13
powered by ブクログきっとこんなひとがより本の良さをわかるかもしれません。 ・小さなお子さまがいらっしゃるお母さま。 ・人生全て失ったと感じてるひと。 多分に漏れず実写化された本。新垣結衣と大泉洋の写真付きの表紙を見ながら読んだこの本。 あっと読み飛ばしてしまいそうになる軽い読み心地とともに題材とそれを活かす構成がキラリと光っていました。 人生の隙間時間にぜひ。
3投稿日: 2018.07.04
powered by ブクログ人間の弱さと力強さの両面を観察できる小説。 弱い部分を見せていいんだって思えるところと、時には自分を曲げずに信じている道を進む意志の強さが大事なんだって思えるところが良い。 頑張りすぎてる人、ちょっと疲れてるなと思ってる人にオススメです。
3投稿日: 2018.06.01あたたかくて、せつない、そしてやさしい。
”はるひのの、はる”がとてもよかったので、1巻目になるこの本を手に取りました。ユウスケは、まだ赤ん坊だったけど、一生懸命二人を助けようとする亡き夫が、とても頼もしく、気に入ってました。
0投稿日: 2018.05.23
powered by ブクログ面白かったです。解説にも書いてある通り、加納朋子版ゴースト的なお話ですが、ミステリー的な要素を少し加えた感じで読み始めたら気になり、一気に読みたくなる本です。てるてるあしたという作品の前作となり、てるてるあしたに続いて行く物語です。一冊づつでも楽しめるし連作としても楽しめるし作品です。
3投稿日: 2018.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
加納作品では珍しく人死にが出ます。それも冒頭。亡くなったのは新生児が産まれたばかりの若い父親。この物語は残されたサヤとユウ坊が新たな地、佐々良で人の温もりを感じながら生きていく話。ミステリーなのは死んだ旦那もちょいちょい出現するところ。サヤのために幽霊としてあらゆる人に取り憑いて……。星4なのは、やっぱり人が死んじゃうのは悲しいことなので。
3投稿日: 2018.04.07
powered by ブクログ2014年11月に新垣結衣×大泉洋で映画化されてます。交通事故で突然死んだ夫が、時折人の体を借りて現れる。ハートフルミステリーみたいな感じです。主人公サヤの周りにいる人たちも個性豊かで面白いです。自分の周りにいたら面倒そうだけど(笑)私にもこんな奇跡が訪れないかな。読み終えた後、温かい気持ちになります。ただちょっとサヤを美しく描き過ぎかな。交通事故のごたごたはこの物語にはそぐわないのかもしれないけど、やっとの想いで掴んだ幸せをいきなり壊されたのに加害者に対するサヤの態度がちょっと穏やか過ぎる気がします。
3投稿日: 2018.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
加納さんの本は5冊目。 久々に読みました。 大阪の本屋さんで手にした本。 新刊コーナーで見つけたのですが、初版は2001年でした。 文庫が2004年発刊で、私が購入したのは12版。 本の帯に『亡き夫が、ゴーストとなって事件を解決!?』と。 ライトミステリーだろうと読み始めてみたら、あの映画「ゴースト ニューヨークの幻」が思い出される… さやとユウスケを残し、事故で亡くなった夫。 途方に暮れるさやの周りに起こる事件。 ゴーストとなってさやを見守る夫。 読み終えて、解説を読んでみると、そこには「加納朋子版ゴースト」と書かれていました。 納得! 連絡短編集。 最後の「トワイライト・メッセンジャー」は、涙がほろり。
10投稿日: 2017.12.27
powered by ブクログすごくいいタイミングで出会えた本。夫を失くした主人公が乳児を育てるんだけど、夜泣き対応で途方にくれたり、離乳食に手こずる描写が育児あるあるで愛おしい。主人公を何かと助けてくれる町の人たちもみんな魅力的だった。何度も読み返したいやつ。
3投稿日: 2017.11.24
powered by ブクログ◆トランジット・パッセンジャー◆ 交通事故で夫を失ったサヤは、赤ん坊の息子ユウスケと共に佐々良という街へ引っ越します。そこでは不思議な事件が次々と起こりますがその度に亡き夫が他人に乗り移って助けます。そんな中でサヤは母親として少しずつたくましく成長していく。「馬鹿っさや」という言葉の隠れた思いにジーンとしてみたり。。。人を思う「心」を物語にしたらこんなふうになりましたという感じの優しい優しい物語です。
3投稿日: 2017.10.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評価は5. 内容(BOOKデーターベース) 事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された!ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。 SFミステリーな上、人が死んじゃう話だが出てくる人達が個性的でいい人ばかりな為か、ほんわかとして後味の良い作品だった。さやがいい人過ぎだわ。
5投稿日: 2017.10.12不思議な空気感
日本昔ばなしみたいな印象でした。話の内容は全然違うけれど。 印象に残るのが主人公さやの弱さです。一応最後には強くなっていくのですが、最近の小説やマンガ、映画などの女性の強さからみると、相当弱い。呆れる気持ちで「もうちょっとがんばれよー」と読んでて思ってしまう。そこが好き嫌いがわかれそうです。
0投稿日: 2017.09.18
powered by ブクログ両親のいない孤独なサヤが手にした小さな幸せは ある日突然夫の事故死で失われます。 残されたのはまだ小さな赤ん坊のユウ坊。 サヤはユウ坊と伯母の残してくれた家で暮らし始めます。 幸薄そうだ・・・ 少々世間ズレもしてそうだ。 危なっかしくてほっておけない、って事で 死んだ夫が幽霊になって見守っているのだ。 日常の中に起こる小さなミステリーと言えるのかどうか わかんない程度のミステリーが優しい。 馬鹿っサヤ 幽霊夫が心配して現れる。 そのうち近所に住むおばあちゃんたちや ヤンキー母の友達もできる。 最後は悲しいお別れもあるけれど とても読後感の良いお話。
4投稿日: 2017.06.05
powered by ブクログ短編集。 人生とは思いがけないことが起こるものだ。 ニュースを見ても他人事にしか思えなかった出来事が、ある日突然我が身にふりかかる。 サヤの夫も、まさかカツオのたたきを考えている最中に死ぬとは思っていなかっただろう。 サヤにとっては、夫はようやく巡り会えた特別な人だった。 この人なら…と思い、やっと心から安らげる家庭を持てたと思っていたのに。 運命って残酷だな、と思わずにはいられない。 そんなサヤを不憫に思ったからなのか、それとも現世に未練がありすぎたのか。 サヤの夫は幽霊?となってサヤを見守り続ける。 純粋で優しくて、馬鹿正直で口下手で、不器用な生き方しかできないサヤ。 でも、意外に頑固な一面もある。 実はサヤはとても強い人なのでは?と感じた。 何て言えばいいのかわからないけれど、柔らかな強さみたいな。 サヤとユウ坊をめぐって起こるいろいろな出来事。 母親として成長しながらも、周りの人たちにめぐまれ、夫に見守られながら日々を過ごす。 寂しさも、やがては薄れていくのだろう。 ユウ坊が、きっと寂しさも哀しみも、すべてをその笑顔で包み込んで消してくれるはずだ。 あたたかで、優しくて、ほんの少しの可笑しみもある物語だった。 それにしても、母親ってなんて強いんだろう。 電車内でのエリカとおじさんとの対決では、「お見事!」と思いながら「怖っ!」とも思った。 子供連れってそんなに冷遇されてないように感じるのは当事者じゃないから? きっとおじさんのような人は、虫の居所が悪ければ誰にでも八つ当たりするんじゃないのかな。 エリカのあの切り返しは、もう身についた処世術のようなものなのだろう。 母親ってやっぱり強い。
3投稿日: 2017.03.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
子供が生まれた直後に夫を亡くしたさや。 それを取り巻く、近所のばあさんたち、シングルマザーのえりか。 そして、無念を残して成仏できない夫。 ピンチになると成仏できない夫が誰かに乗り移って助けにくる物語ですが、最終的にはさやが成長していく過程が描かれています。 特に心に残るところはありませんでしたが、楽しく読めました。
3投稿日: 2017.02.19
powered by ブクログ和製ゴースト、との評をよく見かけます。僕の場合は映画の方を見てませんので、「へぇ、ゴーストってこんな話なんだ」と感心してしまうわけですが。 どこまでもどこまでも優しいお話。ただし、誰も悪意を持ってないぶん、"悪役"側の人達の怖さがいっそう際立っている気もします。いい話だねぇ、ホロリとくるねぇ、で終わらせることの出来ない何かが潜んでいるようで、ちょっと評価の難しい1冊です。 いや、素直に読めばいいんですけどね(苦笑)。
3投稿日: 2017.01.15
powered by ブクログ「はるひのの」を先に読んだから順番が前後したけど、それはたいした問題じゃなかったです。本作の赤ん坊が、件の作品の主人公だった、ってのは後から気付きましたが、その関係性を知らなくても十分に楽しめました。少しずつ謎解きみたいなことも出てくるけど、自分的には極上のヒューマンドラマ。使者を絡めても、それが陳腐な仕上がりだと”冒涜やん”って腹立たしく感じるけど、ここではすこぶる効果的に使われています。ほのぼの温かい気持ちに浸れる素敵短編集。
3投稿日: 2016.11.09
powered by ブクログ突然の事故で夫を失い、生まれて間もない赤ん坊のゆう坊とともに取り残されたサヤ。しかし、成仏しきれなかった夫は一定の人間に対し一度だけ乗り移る力を持ち、サヤのピンチには、必ず力を貸してくれるようになる。 一方でサヤは、夫の家族からゆう坊を養子としてゆずるよう圧力をかけられ、逃げるように自身の亡くなった叔母の家が残っている佐佐良の街へ移住するのだが……。 序盤はちょっと読むのが辛い……。入りが辛いということもあるのですが、夫の葬儀の日に、息子を養子に渡すように言う夫の家族だとか、それに対し、気弱な拒否の返事しかできないサヤの頼りない感じだとかが、もどかしかったり、イライラしたりということがあったのも、その一因です。 夫がサヤの前に現れるとき、だいたいまず言うセリフが「馬鹿ッサヤ」なのですが、これも最初は「そんな乱暴な」などと思っていたのですが、サヤの様子を見ていると、そういいたくなるのもわかるなあ、と思ったり。 そんなサヤの周りに友人ができてくるあたりから、徐々にテンポよく読めてきました。ひょんなことから知り合いになる三人のおばあちゃんは、いずれも一癖があって個性的ですが、頼りがいがあります。幼馴染である三人の掛け合いも読んでいて面白いです。 そして、もう一人がサヤと同じくシングルマザーのエリカ。ギャルっぽい感じながらも、彼女のキャラクターは何事も考え込むサヤと違い、いい意味で軽くて、話の雰囲気を中和してくれています。それでいて、子供への思いはまっすぐなのも、また好印象。 そして、こうした出会いと、様々な謎を通して、サヤ自身も成長し、最終話の事件後の心情に至ります。序盤がとにかく頼りないサヤだったからこそ、一冊を通しての彼女の成長と再生は強く胸にしみました。
4投稿日: 2016.08.13
powered by ブクログ加納さんらしい作品だ。 優しくてちょっと謎があって。 お婆ちゃんたちとの距離感もほどよく優しい気持ちになる。
2投稿日: 2016.05.05
powered by ブクログ事故で夫を失ったサヤと赤ん坊のユウ坊。お人好しで頼りない彼女が事件に巻き込まれる度に、亡き夫が他人の姿を借りて助けに来る。そして二人が永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。それは青かった柿が赤くなるまでのささやかな時間。 久代、夏、珠子という一癖も二癖もある三婆たちと、サヤとの距離感が素敵。
3投稿日: 2016.04.24
powered by ブクログ主人公さやの夫が交通事故で亡くなった。 生まれたばかりの息子と、さやを置いて。 泣き虫で弱気なさやに対して、夫の家族は、息子を後継にするべく、親権を引き渡せと詰め寄る。 さやはその攻撃から逃れるため、佐々良という町へ引っ越してくる。 どこか頼りないさやを、夫は幽霊として見守り、時には生きている人の体を借りて、助けに来てくれる。 そこで出会う人たちとの交流と、そこで起こる数々の事件の結末が、とても暖かくて心が休まる 。 よかったなあ…と安心して読める作品。
3投稿日: 2016.02.12
powered by ブクログあらすじ(背表紙より) 事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された!ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。
3投稿日: 2015.10.20
powered by ブクログ赤ちゃんと奥さんを残して事故死した旦那さんが、霊になって2人を見守る物語。霊になった自分が見える人に一度だけ乗り移る事が出来るので、彼女がピンチのときに颯爽と現れるのだけど、おばあちゃんだったり子供だったり駅員だったりします。 この設定だとやたらと旦那さん出てきそうですが、さほどでしゃばってきません。 頼りないけど心優しい奥さんと赤ちゃんを周囲の人が手厚く助けて、次第に彼女も強いお母さんに成長していく物語です。良い話でした。
4投稿日: 2015.10.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
臨月の妻の目前で交通事故に遭い不慮の死を遂げた夫が霊となって妻子を見守り、彼の存在を感知できる人物の身を借りて事件を解決してゆく…というファンタジーミステリ連作短篇集。 ちょっと吐き出してしまいます。 かわいいだけが正義です。 女も、子供も、ただかわいいだけでいい。 かわいければ、愛しく感じた誰かが守ってくれる。 手を取り足を取りこっちだよと教えてくれる。 その理由付けに「人の好さ」「疑うことを知らない純粋さ」などが描かれることもありますがじつに薄っぺらい。そして、結局それらはかわいくあるだけで生きてきたことの顕れでもあります。 主人公は、彼女を事あるごとに支える三人の老女たちへもシングルマザーの友人へもただ好意らしきものをみせるだけで、彼女たちの問題に寄り添ったり心の傷に寄り添ったりはしない。 難しい手続きはすべて夫にまかせてきたからなんにもわからないと言い、子どもの非常事態にはただおろおろするばかり。 病院へ財布や携帯を忘れてきて病院名さえ覚えてこなかった、というくだりには心底呆れました。また誰かが連れて行ってくれると甘えきっているのですね。 病院で「自分が行かなければ」と義父母と義姉から子どもを奪い返すべく立ち向かう場面も、ただいやだから、この子が欲しいから、というだけ。大好きな夫の忘れ形見で、"どこもかしこもぷくぷくとして美味しそうな"かわいい赤ちゃんを、自分のものにしておきたいだけ、なんですよね。 ひとりの人間をこの世に生み出したことへの責任は、彼の将来への思案は、そこには微塵もみられない。義父母の寂しさへ想いを致すこともない。 なんて、厳しすぎますかね。 跡取りにと願った息子を亡くした義父母や望んでも子供をもつことができなかった義姉が子供を奪おうとする過程についても、無茶な手段はともかく非難よりは哀れさが先に立ちます。 「怖いから」「嫌だから」と会話さえ拒んで遠い町へ逃げ出し、贈り物も手紙も拒む嫁。生前にきちんとした関係づくりを手伝ってあげなかった夫がいけないと思いますけれども。 長々辛辣に書き連ねてしまいましたが、いい加減にこの手の幼稚な女性像ばかりを読みつけて鬱憤が溜まってしまったのでした。 物語そのものは、謎も仕掛けもじつにささやかながらなるほど、の日常系ミステリ。魅力的な老女たちの悪態がテンポよく楽しく、やさしげな登場人物それぞれをほのぼのと読めれば楽しい一冊です。
2投稿日: 2015.09.29
powered by ブクログ赤ん坊のユウスケと莢は佐々良という町に移り住むことから近くのお婆さんやママ友が出来たりしていく。事故で亡くなった夫が、「バッカさや」と莢が困った時に誰かに乗り移って助けに来るというお話。ほのぼのしていたり3人のお婆さんたちのやりとりがあります。映画ではどのように表現されているのでしょうか?
2投稿日: 2015.09.02
powered by ブクログ#読了。初読み作家。突然の交通事故で夫を亡くしたサヤ。残された赤ん坊と共に佐佐良の街へ移住する。心配事が起こると、亡くなったはずの夫が他人の体を借り助けてくれる。強くならなければならないサヤに、夫は。。。ほんわかとした温かさが伝わる作品。
3投稿日: 2015.08.25続編あればいいのに
年間何冊もの本が出版される中、さすがに映画になるだけのことはある!と思いました。 変な話、僕はオヤジで女性好き・・・なのに、母性があるのか?などと錯覚してしまうように感情移入してホロリとしたり泣き笑いしたりする場面が幾度もあり、家族に背を向けながらPC画面で読んでいた事を正解だったとほっとしています。 映画には無い映画にしてみたい出来れば連ドラに・・・ そんな好本です。
5投稿日: 2015.08.08
powered by ブクログなんとも優しくて暖かいミステリー。あまり凝った仕掛けはありませんが読んでいて気持ちが良くなる作品です。この人の作品はもう少し色々読んでみたいですね。
2投稿日: 2015.07.22
powered by ブクログ主人公のサヤのお人好しな性格に、心が温かくなったりもどかしくなったりしながら読んだ。 サヤが1人の母親として強くなっていく姿には本当に感動した。
3投稿日: 2015.07.16
powered by ブクログ事故で夫を失い、幼い赤ん坊を抱えて佐佐良の街に移り住んだサヤ。 そこに住む人たちとの出逢いと優しさがサヤを強く育てていく。 素朴だけど切なく、哀しい物語に温かい涙がこぼれる。 2015.6.21
2投稿日: 2015.06.21
powered by ブクログ最初は、夫を亡くした主人公サヤの頼りなさぶりに、同じ女としてイライラ…。そのうちエリカが出てきて、スカッと言いたいことを言ってくれる。お年寄りもどんどん出てきて賑やかに。 けっこう泣ける。
2投稿日: 2015.06.20
powered by ブクログささらさやの音とともに、現れる交通事故で亡くなった夫。それは、泣き虫のさやが困ったときに他人の体を使って起きる軌跡。 ささらとい言う町ののどかさとさ。赤ん坊のユウ坊を気にかける三人組のおばあちゃん、そしてヤンママぽいけど、優しいエリカの存在が気持ちを優しくしてくれます。 死んでもひとの気持ちは残るとしたら、自分は今そこにいるひとだけじゃなく、過去からも生かされているんだなとおもいました。 てるてるあしたをさき先に読みましたが、久代おばあちゃんはやっぱり頼りになりますね。
4投稿日: 2015.03.22
powered by ブクログやっぱり好きだなぁ。最近映画になったのを観てまた読みたくなったのだけど、映画はかなり脚色されていたんだなぁ。一度読んだのがずいぶん昔で大まかなところしか覚えていなかったので、読み返してから観なくてよかったかも。 さやとおんなじ状況になったとき自分があれほど強くあれるだろうかと考えずにいられない。温かい話だとは思う。思うけども、旦那さんがいなくなってしまったのはつらすぎるよ……。さやとユウ坊には幸せになってほしいけど、やっぱりそれは"家族三人で"であってほしかった。それじゃあお話にならないのは百も承知ですがね。 久代さん、お夏さん、珠ちゃん、エリカさんがいてくれることの、心強いこと。さやの未来が明るいものでありますように。そう祈らずにはいられません。映画もまた観たくなっちゃった。
2投稿日: 2015.03.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
紹介されて読んだのだけれど、ファンタジー(死んだ夫が幽霊になって、『ささら』の町の住人に「入り」妻と赤ちゃんを助ける)は元々得意じゃないのもあるし、言葉が少し仰々しいというか…。 でも、悪い人が出てこないで(主人公が相当のお人好しだから)イヤな気持ちにはならない本だった。
0投稿日: 2015.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
加納さんの小説は結構読んでましたが、これは読んでいませんでした。 映画化で知り、読みました。(映画は観てませんが) 事故で突然夫を失ったサヤと、赤ん坊のユウ坊。 サヤが困ったときに、映画の「ゴースト」みたいに、人の身体に入って助けてくれます。 徐々に強くなっていくサヤさんと、周りの暖かい人(?)達の ほのぼの系ミステリ(?) 「バカっさや」というのが、ほのぼのからかけ離れた印象を受けるのですが 映画ではどんな感じで言っているのでしょうか。こんどDVDが出たら借りてみようと思います。 この後、続きが出ているようなのでそれも読みたいと思います。 「てるてるあした」「はるひのの、はる」
4投稿日: 2015.02.15温かい人の心
幽霊が主人公。といっても,ホラーではない。逆に,ほのぼのとしたお話し。 まあ,面白いんだけど,もうちょっとかなぁ。
1投稿日: 2015.02.15
powered by ブクログ映画「Twilight ささらさや」を観た後、書店でコブクロの「Twilight」と映画のプロモーション映像をエンドレスでかけている中、文庫を平積みしていたこともあり、手にとって購入した作品です。 どうしても「バカっさや」というあのセリフを脳内で大泉洋さんの声で読んでしまったり、サヤのセリフを新垣ゆいさんの声で読んでしまったり。と映画と照らし合わせながら読みつつ、作者の加納朋子さんの優しさをそのまま表している優しい言葉達に心洗われる気持ちになりながら読ませていただきました。 この作品の中で描かれているのは母親が子どもを思う時、この世界の何よりも強い存在になる事、母親の偉大さを加納さんらしい柔らかいタッチで書いている事もそうなのですが、子どもの事については、親が責任を持つのは当然の話としても、親に過剰な責任を負わせることがないように子育てに対して周囲の大人の理解と協力が必要という、昔は誰に教わることなく当たり前に出来ていたことが情報社会が進む現代では失われてしまっている現実を優しく突き付けられたようで、そういう意味でも自分自身の身に置き換えて考えても、自分が子どもの頃の大人のように子どもに対して優しい大人であるかどうかを問いかける、心が痛む作品でもありました。 厳しくはないからこそ現代社会の抱えている問題について深く考えさせられる作品でもあります。 (作者としてはそこまで考えてもいなかったのかもしれませんが) またコブクロファンとして、私個人としては、それまで「母親に大切に育ててもらった息子として母親に対する思慕」を多く歌っていたコブクロがこの作品と出会ったとこで、父親としての子どもに対する愛情と母親として子どもと接してくれている妻に対する敬愛の情を歌った「Twilight」が誕生したのは、本当に人と人とが出会うことで、人は成長し変化するんだな。という事を理解できました。
2投稿日: 2015.01.25
powered by ブクログありふれた設定ながら、人物描写の上手さと視線の優しさで、素晴らしい作品に仕上がっています。自分の子どもはもう大きくなったけど、赤ん坊の頃に感じた何とも言えない温かい記憶が蘇ってくるようです。三人の婆さんたちの歪んだ魅力も捨てがたいですか、個人的にはダイヤが一番好きかな。
2投稿日: 2015.01.24
powered by ブクログよかった。読後感が心地よかった。優しい人は、たくさんいるんだな。ただ、隙がないと人は寄ってこないんだなと思った。隙だらけで、頼りないのは、はたから見るとちょっとイライラするけど、助けてあげたいと思う人もたくさんいるのかも。
1投稿日: 2015.01.11
powered by ブクログ映画鑑賞の後に読みました。映画とは多少の設定は違いますが、ともにほのぼのするストーリーには共感です。
1投稿日: 2015.01.02
powered by ブクログサヤが少しずつ、少しずつ強くなっていくのを感じながら読むことが出来た。 人と関わる事で人は明るくなって視野も広くなっていくのかな、と感じた。ずっとサヤの生活を見ていたいという気持ちになった。 加納さんの描く若いママさんは毎回素敵!
1投稿日: 2014.12.07
powered by ブクログサヤ親子を受け入れ、支える佐々良の住人は温かい。ささら さや♪…そよそよと優しい風が吹くミステリー・ファンタジー。、、そして無事に安心を得て…成仏!。
1投稿日: 2014.11.30
powered by ブクログ子どもが産まれて新生活がスタートしたばかりだったのに、旦那さんが交通事故で亡くなってしまう。 そんな旦那さんは、サヤが困っているときに誰かの身体を借りて助けに来てくれる。 不思議な街、佐々良を舞台にした物語。先に『てるてるあした』を読んじゃったけど、こっちが第一弾だったのね。
1投稿日: 2014.11.03
powered by ブクログ映画化が決まったそうで。 お目出度いことである。 何時も古本屋、もしくは図書館、下手すりゃ貰うという本集めをしている私にとって、この本は実に特別である。何せ買った。印刷されている値段+消費税で。 それだけ読みたかった。『てるてる、あした』に関連している話だという話だったから。 物語としても、死者が誰かの体を借りて、心配で大切な人を助けに来る、という設定も面白そうだったので、絶対に読みたかった。 購入したその日、何でも良いから活字を求めて至った図書館で見つけた時は、悔しいよりも唖然としてしまったけれども……。 そうだなぁ……これ、この作者さんの作品の中で、一番好きかもしれない。 一番印象に残っているのが、普通ならさしておいしくもないはずのお粥を……というところ。ああ、愛だなぁ、って。 所々納得のいかないところはあったし、人間的にこれはどうなんだろう? という人物がいたりもしたが、それは恐らくこの物語全体を構成するためのエッセンスなんだろう。 ただ……まぁ、あれだよね。 人間って自分勝手で怖いな。だってこれ、物語の中だけじゃなく、現実でも起こり得ることだもんね、という話が入っていたところ。 実に人間の様々な部分を、それでも嫌味なく書けるところが、この作者氏の凄いところ。
1投稿日: 2014.09.29
powered by ブクログ親子3人、始まったばかりだったのに事故で旦那さんが死んでしまう。 成仏出来ない執行猶予付きの旦那さん。 赤ちゃんと移り住んだ街で、成長していくサヤ。 旦那さんはサヤがここぞという時に、他人の体を借りて助けに来る。 ホラーとは違うファンタジーなお話。 映画も楽しみ。 '14.09.20読書完了
1投稿日: 2014.09.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いまの私には合わなかったみたい。 サヤが真っ白で、フワフワしたおとぎ話。 謎もあっさり解決したし。。 自分が子供を持ったら感想変わるかな。
0投稿日: 2014.09.09
powered by ブクログ交通事故で夫を失った、心優しく、でも気弱な母親が、悲しみと戦いつつ懸命に子育てしている様子が微笑ましくって、もどかしくって。それでも少しずつ懸命に強く生きていこうとしているさやに感動した。 またそれを影から支える夫の幽霊も父親として大切なユウスケ、夫として大好きなさやを残りわずかと知りながら暖かく見守り続けていることに深く心打たれました。 癒される作品!
1投稿日: 2014.08.23
powered by ブクログ今度映画化される記事を読んでから、読んだので、亡くなった旦那さんが、どうしても大泉洋を想像して読んでしまった。おとぎ話みたいだった。
1投稿日: 2014.07.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シリーズ一作目を、あとから読みました。結婚し、子供が生まれ、幸せが溢れた毎日。その日常のさりげない一こまのなかで命を落としてしまう夫。遺されたサヤと、生まれて間もない赤ちゃん・・・。 そこに現れたのは・・・。なんと夫の幽霊! 奇跡の幽霊、といえばそうなのだけど、小説だからこそ、こんなこともあってほしい。サヤはいろいろなひとに出逢いながら子供を育て、自身も成長していく。 ただ・・・ほんとうに夫を亡くしたひとが読むと辛いかもしれない。こんな奇跡は誰にも訪れるものではないから。そんなことを、読後ふと思ってしまいました。 近々映画になるそうですが、原作とはかなり違った設定になるみたいですね。
1投稿日: 2014.07.20
powered by ブクログ日本版「ゴースト」 身寄りのいないさやが夫を交通事故で亡くしたが、出会った人々に囲まれて母として成長していく話、プラス、ピンチの時には霊になって傍にいる夫がさやを助けるファンタジー付。 リアリティはないけれど、こういうの嫌いじゃない。気分転換に読んでほんわかできる本。
1投稿日: 2014.07.16
powered by ブクログなんだかずっと切ないままで読み終えてしまった。設定自体が辛すぎます。 でも、自分には起こっていないだけで、大切な人とこんな別れ方をして、その悲しみと寂しさを抱いたまま生きていく人は…きっといますよね。 愛する人を失うことの苦しみはわかります。わからなかったのは、「待っている女」の山野邉さん。 家出した息子をずっと待ち続けるなんて…そんなふうに同じ気持ちを抱えたまんまで待つこと、できるのでしょうか。戻らないからこそ、思いをいつか消化できるのでしょうか。戻るかもしれない…というわずかな期待は、こんなに残酷な年月を人に送らせてしまうのでしょうか。 このストーリーの最後だけ、本当の本当にぐっときました。
1投稿日: 2014.06.15
powered by ブクログ解説者の言うように、加納朋子版の「ゴースト」とも言える作品。事故で夫を失って、ひとり息子 と残された主人交サヤ。彼女が、自らの半身とも言えるダンナを失ったどん底から、ちょっとずつ、ちょっとずつ、ちょっとずつ、強く・幸せになっていく様子が描かれる。もちろん加納らしく、章ごとにちっちゃな日常のミステリが織り込まれてるのは言うまでもないです。 この連作集、最大の見所はサヤの成長。一度崩れた積み木を、一つずつ一つずつ積み直していく様子のような。それを幽霊となって見守る夫。そして最終章、その夫からのメッセージ・プレゼント。すっごい悲しい。でもすごく優しい。それは読んでみてのお楽しみ。こんな夫婦かっこいいなと思っちゃったり。
1投稿日: 2014.06.11
powered by ブクログタイトルがきれいだなと思って手にとった小説。 佐佐良という不思議な場所が、読み進めるうちにどんどん好きになる。 現代ではあまり触れることのない「お節介な近所の人たち」とのやりとりは、おかしくも温かい。 そして何より、サヤを見守る亡き夫がとにかく優しくて、ものすごく愛が感じられて、せつなくて胸がぎゅうっとなった。 死んでしまった愛しい人が幽霊となって現れるというのはよくある設定だけれど、本の中に息づく世界観がたまらなく好きで、大切に大切に読んだ。 2014年の秋に映画化するんだ、なんだか嬉しい。
4投稿日: 2014.05.22
powered by ブクログ「ささら さや」加納朋子◆旦那を事故で亡くしたサヤは、生後間もない我が子を連れて佐佐良の町へと越してくる。亡くなったはずの旦那に見守られながらー。お話自体もサヤを取り巻く人たちも佐佐良の町も温かくてとても素敵なのですが、肝心の主人公・サヤの頼りなくか弱いところが私はちょっと…。
1投稿日: 2014.05.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
入院用として適当に選んだ本だったけど、超良かった。ちょっとしたミステリも含め、ハートフル。涙涙だった。新婚ほやほや、赤ちゃん産まれたばっかなのに、交通事故で夫が死んで幽霊になっちゃうという、もう最初から涙。さやが佐々良に引っ越して3人のばあさん、エリカと友達が増えていくのがいい。正直、極端に内気で弱いさやは好きなタイプではないけど、こうやって何でも受け入れ許すことができるのはやっぱ大きな長所だよなぁ。やっぱ子どもがいるといいなぁと思う。子どものためにお母さんは強くなれるのだ。うらやましいなぁ。
1投稿日: 2013.12.22
powered by ブクログ『はるひのの、はる』を読んだら もう一度よみかえしてみたくなりました。 さやとユウ坊を囲む 亡き夫 三婆 エリカなど 佐々良の人たちが優しくてホッコリとしました。
1投稿日: 2013.11.02
powered by ブクログたしか、読んだのは高校1年くらいです。もっと小さかった記憶もあるのですが、文庫本出版の年度とか見てると違うみたいですね。 初めて読んで感激し、以来、何度も繰り返し読んでいます。 最後の場面はいつも泣いてしまいますね。 私は、自分の弟をとても可愛がっており、小さいときから寝る前によく本を読んであげていたのですが、 弟が小学校のときにこの本を読んであげたところ「面白い!」とハマって、毎日一場面ずつ読み聞かせていました。 弟も本当にこの話が好きなようで、私は弟が小4から結構しばらくの間、何度も「ささらさや読んでほしい!」というリクエストに応えました。 最後の場面はもう、泣かないように必死で読みました。 弟は、大学生になっている現在も、「ささらさや」の文庫本をふと気づくと机の上に置いてあったり、手に持っていたりします。ああ、また読んでたんやな、と微笑ましく思っています。
1投稿日: 2013.10.17
powered by ブクログ幸せな生活が続くと思っていた。主人公のさやは子供を産んですぐ夫を目の前で交通事故で亡くしてしまう。途方に暮れ、希望もなく、夫の骨を葬儀の途中に持ち出そうとしたさやを、お経をあげた夫の友人の住職が呼び止めた。 「このばかっさや!!」 声も顔も別人だったが、さやには間違いなく夫の言葉だと分かった。実は死んだ夫は今彼の姿が見える人の中に一回だけ入り込むことができたのだ。それは一人一回のみの奇跡だった。彼は言う、さやが弱くて頼りなくて心配だからいつでもそばにいてピンチの時は助けに行く、と。その言葉を胸に、さやは子供を養子にほしいという夫の両親と姉夫婦から逃げて、唯一の肉親だった叔母の残した〝ささら市〟という小さな町の一軒家へ引っ越す。その町で出会う個性豊かなお婆さんトリオや気の強いママ友のエリカ、その息子のダイヤ。さやの住む地区の郵便の担当者、近所の喫茶店のマスター、初めはおっかなびっくりだったさやの小さな手をたくさんのあたたかい手たちがかわるがわる引いて日々を歩かせてくれる。そしてそれはいくつかの〝奇跡〟をさやにもたらし、そして別れも、それに耐えていける強さも受け渡していく。 ゆっくりと、穏やかな川に足を浸しているような気持にさせてくれる文章と人物たち。ラストは予感していてもこみ上げた涙を留めてはおけませんでした。このささら市を舞台にしたお話が何冊かあるようなので、そこに大きくなったユウ坊やさやさんがちらりと顔を出してくれていたらいいのに。
4投稿日: 2013.10.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
未亡人の新妻が、お人好しで頼りなく、霊となったご主人と一緒にハラハラしながら読んでいた。 さらっとした書き方だったので、泣かせるためのようなあざとさはなく、すっきりとして良かった。さやのこれからが見えてくるようなラストで、ホッとしたがご主人の気持ちを思い切なくもなる終わり方だった。
1投稿日: 2013.10.07
powered by ブクログ加納朋子さん、いいですね~!登場する人々が魅力的で、ファンタジックなのに夢物語になりすぎない、やさしいストーリー♪
1投稿日: 2013.09.30
powered by ブクログああ、これはゴースト、だ。 冒頭いきなり乳飲み子と若い奥さん残して事故で死んでしまう。幽霊になっての独白から始まる物語。あまりにも若くて頼りない奥さんの、ピンチのたびに色々な人に憑依して現れる。憑依は一回きりで同じ人にはできない。坊さん、おっさんの駅員さん、おばあちゃん、郵便局員、そんな人々が表題ごとに赤ちゃん抱いてる挿絵が、ものすごく可愛い。 「そのダイヤだか、真珠郎だかを・・・」 一言でミステリマニアだとわかるおばあちゃんたち三人もいい味だしてる。 いい話だった。
1投稿日: 2013.09.15
powered by ブクログ涙は流れなかったが胸が熱くなる作品やった。最初はサヤの御人好しっぷりにイラつくが、葬式でのサヤの服装について死んだ夫の説明が無ければサヤを嫌ったまま読み進めて行くとこやったわ。ホンマ「馬鹿っサヤ」やで(笑)。賑やかな婆さん3人組のユウ坊の奪い合い、サヤと正反対タイプのエリカと息子のダイヤ。最終的には切ない印象より楽しい印象の方が強く残ってる。今、感想を書くのに少し読み返したら泣きそうになった。もしかしたら再読・再々読と重ねる内に号泣するかも。
1投稿日: 2013.09.05
powered by ブクログいいといわれるだけはある。 さきにはるひのの、はるを読んでいたので 祐介が小さいってなんか無ズ痒い気分だった 苦手だった「馬鹿っさや」や、旦那の口調にもめげずに 読み進める 正直エリカさんが出てくるまではあんまりだった エリカさんが出てくるあたりから 面白さが花開いたよう ぐんぐん読み進んでいった たぶん彼女の世界が以前はあまりにも 受け身だったから面白くなかったんだろう 数十頁のなかでさやが確実に成長していくのがわかる 旦那さんがいなくても、人と関われるようになる 強い母親になれる 彼女の世界はまだまだ優しいものであふれているね そういえば、マスターとはつきあわなかったんだね 残念 でもそれがさやかな さやが出した本の知識は三人のゆかいなばあちゃんにおしえてもらった知識なんだね 小さなキセキを読める作品
1投稿日: 2013.08.22
powered by ブクログ夫が事故で泣くなり、幼子を抱えて佐々良に引っ越してきたサヤ。 サヤのピンチに他人の姿を借りて助けに来る夫。 サヤが佐々良のおばあちゃんズやエリカと一緒に 夫が居なくてもユウ坊を守っていけるようになるまでの話。 サヤがお人よしすぎる。 母親なら息子を守るためなら、もっとシャンとするだろうと ちとイラッとした。 が、おせっかいな三婆やエリカの存在はおもしろく 読んでいて優しい気持ちになれる話だった。
1投稿日: 2013.08.21
powered by ブクログ不思議な街・佐佐良。 事故で夫を亡くし、生まれたばかりの子・ユウスケと共に 佐佐良の街に引っ越してきたサヤ。 サヤの周りで起こる事件に、亡き夫が他人の体を借りて いつも助けにきてくれる。 次第にサヤには3人のお婆ちゃん、ヤンキーママ・エリカなど たくさんの友人ができる。 夫視点の、別れを迎える最後の章は切なくて悲しかった。 サヤの成長話でもあり、それぞれの話にはミステリの要素もあり どちらとしても面白い本でした。
1投稿日: 2013.08.19
powered by ブクログ交通事故で無くなった夫が妻と子どもを見守るという物語ですが、 ファンタジー的でありながらもミステリーの要素も含んだ素敵な一冊です。 ************************************************************************************** 大人しく控えめでオドオドとしたところもあるサヤは、 優しい夫と生まれたばかりの可愛い息子ユウ坊と幸せに暮らしていた。 しかし、買い物帰りに夫が信号無視をした車にはねられ亡くなってしまう。 夫の両親からユウ坊の親権を譲るよう迫られたサヤは、 唯一の親類であり既に亡くなった叔母が残してくれた家のある佐佐良の街へ移住する。 一方、亡くなった夫は亡くなってからも不思議と意識があり、 自分を見る事の出来る人に一時的に"入り込んで”サヤと話が出来る事に気づいた。 サヤとユウ坊を巡って起こる事件でサヤ悩まされるたびにそっと現れる夫。 二人が永遠の別れを告げるまで愛しく切ない日々が続いていく。 この物語は事件毎に解決する短編集が集まってひとつの物語を形成しています。 短編連作と呼ばれる構成で進んでいくこの物語は、 ひとつひとつの事件によってサヤの心が成長していくとともに、 サヤを取り巻く人々の優しさと温かさが胸にしみてきます。 ************************************************************************************** 最愛の夫を不慮の事故で失ったサヤ。 しかし、物語の当初から夫がサヤの近くに居るということが分かるため、 読者は必要以上の悲壮感を味わうことはありません。 逆に夫の視点から書かれた部分を読むことによって、 読者自身がサヤとユウ坊を見守っているかのような気持ちになることができます。 「不慮の事故で夫を亡くした主人公」という設定にもかかわらず、 読みはじめから心穏やかに読み進めていけるのも、 こういった独特の構成があるからかもしれませんね。 主人公のサヤに関連する登場人物も個性的ですが、 それぞれ優しいところもあれば癖もあるという、 人間が本来持っている良い点・悪い点が表現されています。 そこがまた読者の共感を得る部分だと感じました。 加納朋子さんの著書は鮎川哲也賞受賞作品の「ななつのこ」を読みましたが、 主人公を取り巻く事件を通じて心温まるストーリーが展開し、 読み終わったときに心のコリがほぐれるような感覚を覚えました。 こんかいの「ささら さや」は「ななつのこ」以上に心温まるストーリで、 心が洗われるとともに心が優しくなる感覚を覚えました。 疲れた心に効くサプリメントのような一冊です。
1投稿日: 2013.08.18
powered by ブクログさやさん、健気だ。 うまく行きすぎではあるげど、真っ直ぐで優しい心と一生懸命さは報われる、と思わせてくれる。
1投稿日: 2013.08.12
powered by ブクログ日常系ミステリ+ファンタジー ミステリの解決をファンタジー要素でやるってのも新しいか 再読だけど、やはり違和感がある 旦那さんの家族の行動があまりにも異常だ まぁ、最終的にはめでたしめでたし感があるので読み終わった後もスッキリ
1投稿日: 2013.07.26
powered by ブクログ優しげな女性が赤ちゃんをいとおしく抱いている表紙に、惹かれて購入しました。 夫が交通事故で亡くなり、産まれたばかりの赤ん坊を抱えて、これから生きていかなくてはならないサヤ。 頼りなくお人好しでか弱いサヤ。 そんな妻が心配でたまらなく、亡き夫はあの世に行く前の猶予期間に妻のピンチに登場します。 この物語のような方法で、亡くなった人が登場するかはさておき、“猶予期間”は、やはり有るのではないかな?? 孤独なサヤを取り巻く人々の人情味は、読み手の心を和ませてくれます。 最終章の「トワイライトメッセンジャー」は涙涙です。
5投稿日: 2013.02.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
≪内容覚書≫ 夫を突然の事故で亡くしたサヤ。 残された赤ん坊のユウとともに、 佐々良という小さな町の古びた家に引っ越す。 赤ん坊を連れた母親として、 夫に先立たれた妻として、 様々な試練に見舞われるサヤ。 が、佐々良で知り合った三人の元気な老婆や、 エリカ・ダイヤ親子、 そして、幽霊となった夫が彼女たちを見守っていた。 ≪感想≫ 大筋としては、最後はこうなるんだろうな、 という着地点は見える。 その点は、まぁ、ありきたりと言えばありきたりだが、 わかっていても、やはり最後は、ホロリとできて、 良かったなぁ、と思える内容だった。 ただ、サヤが、母親として、 ちょっと弱すぎる気がしてならなかった。 類友の法則のせいなのかもしれないが、 「母親」となった友人たちは、みんな、もっと強い。 子供のためなら、何でもするし、何でも決断するし、 とにかくズバズバしていて、オロオロしている暇なんてない。 出産って、友人の性格まで変えるのね…!と驚嘆する中で、 いつまでもフラフラ、ホワホワのサヤの行動を読んだせいか、 どうしてもストンと落ちて来なかった。 サヤなりに、少しずつ、成長はしていっていたけれども。 もしかしたら、1年後には、 たくましいお母さんになってるのかな。 友人たちの成長過程を、見守っていたわけではないので、 今後のサヤの成長を、信じたい。 個人的にはエリカ・ダイヤ母子や、老婆3人の方が好きだった。 精一杯、自分守りながら生きている気がした。 意地っ張りで、見栄っ張りで、自分のことしか考えてなくて、 それでも、時々、他人のために何かしてあげる自分を、 いい人だとか思って満足しちゃうような、 そんな感じで、精一杯生きてる人間の方が、私は好きだと、 改めて思わされた一冊。
1投稿日: 2013.02.12
powered by ブクログマンガ版もよかったけれど、やっぱり小説版の方が人物がイキキしています。 馬鹿っさや このセリフが出るたびに涙が出ちゃいます。 夫の愛情と温かさを感じずにはいられない…… 心温まる良い作品です。
1投稿日: 2013.01.14
powered by ブクログ読む順番を間違えて、『てるてるあした』から読んでしまって、ささらさやの続編だと気付き こちらを購入。 順番通りでなくとも、どちらの作品も楽しめます。 おばぁちゃんズと未亡人になってしまったサヤと赤ん坊の不思議な話。 色々な謎が解けていくのと同時に、心も優しくなれる様な作品です。 余談なのですが、この本を読む前に主人と喧嘩しまして。 読み終わった後に『許してあげても良いよ』と言ってしまいました。 ついつい。
1投稿日: 2013.01.12
powered by ブクログ私的に加納さんと言えば「日常のささやかな謎」なんだが、これはそのレベルまでもいってないんじゃないか。ミステリっていうより優しい人間模様。 サヤには「もうちょっとしっかりしよう?」と最初から最後まで思っちゃう。
0投稿日: 2012.10.03
powered by ブクログ冒頭とラストの視点で書かれた件がとても好きです。 さやがどんどん強くなっていこうとする過程が丁寧に追われています。
1投稿日: 2012.09.04
powered by ブクログ再読予定本 ★あらすじ★ 事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、そのたびに亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された!ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。
1投稿日: 2012.08.14
powered by ブクログ「てるてるあした」の前哨戦なんだけど、順番はどっちでもいいなぁ。サヤみたいな人は苦手なんだよ。横で見ていてギィイッて歯ぎしりしそうだから。でも、そんなサヤだから、なんだね。
1投稿日: 2012.08.03
