
犬・犬・犬(1)
さそうあきら、花村萬月/小学館
作品詳細ページへ戻る
総合評価
(1件)4.0
| 0 | ||
| 1 | ||
| 0 | ||
| 0 | ||
| 0 |
サイコキラーに共感しそうになる、危ない本
タイトルは「犬」ですが犬をとりあげた作品ではありません。原作が「花村萬月」、画が「さそうあきら」というちょっと危ない人間や天才を描かせたら天下一品の作家同士のコラボなので、コミックだけど非常に読み応えのある、サイコキラーが主題の文学作品です。普通だとサイコキラーは絶対悪で恐怖の対象として描かれることが多いと思うし、サイコキラーの恐怖をどう逃れるかという一般人の視点に立った作品がほとんどだと思います。でもこの作品は、サイコキラーの日常や行動、思考にできる限り寄り添って描かれていて、思わず一種の共感を抱かせそうになる危ない本でした。心の痛み、肉体的な痛みを感じない主人公、通称「マヒケン(人としての感覚が麻痺している、賢)」は何のためらいも迷いもなく人を傷つけ、表情一つ変えず日常のように殺します。でも、「しかたないかも・・・」って思わせられるのが怖い!。この作品で一番面白いと思ったのは、世間から見たら同じ暴力である「やくざ」と「サイコキラー」を対比させることで、人間らしさの代表として「やくざ」を扱っているところです。やくざの親分自身がサイコキラーとの違いを語るセリフがものすごく心に響く。興味を持ったら読んでみて後悔はしないと思います。
1投稿日: 2014.09.10
