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この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下
この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下
白石一文/講談社
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総合評価

63件)
3.8
12
22
17
2
1
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    読み終わったら頭が良くなったような気になります笑。印象としてはただただ難しい、報道界の裏ではこういう酷いことは日常茶飯事なのかな?

    2
    投稿日: 2025.10.15
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    年始は長編小説を読む事にしている。 既に年始ではないが。 上下巻読了。 結果、面白い。 どこがどうと具体的に表現出来ないが、読んでる間中面白いなぁと思いながら読んでいた事は間違いない。全体の印象として面白かったという事だ。 哲学的でもあるようで下衆でもある。 感じる事考えていることが的確に文章にされている。 山本周五郎賞、納得。

    0
    投稿日: 2025.04.08
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    ようやくの読了となりました メインのストーリーは、癌となり死生観を変えた編集長が 関わってしまった闇の政治資金報道について 報復を受けるでいいのだろうか? 上に続き下でも 28の見出しが並びます 経済について 政治について 格差社会について 果ては神について 最後に並べられている「引用文献」からの引用も見られる ただし 引用文献について読む予定はないので どのくらいが引用でどのあたりが作者の思惟か 読み解けない 登場人物の名前が全てカタカナとなっている 私は 人物名を覚えないタイプで名前の字面等で多少区別しているので それだけでも辛かった 人物像を曖昧にするとか 現実社会で思い当たりそうな汎用性を持たせるとか何かしらの狙いはあるとは思うけど 突き刺さる矢は ラスト近くで何であるか明確に表現している そうなんだー難しいなあと思う 小説という体裁を取りつつ必然というテーマに辿り着こうとする哲学なのかな 一読では掴みきれない 登場人物の人生を描きながら社会の流れも書いたものが大河小説なら、その人物の思考を借りて社会情勢の現在地を書き出そうとしているような 記念作品らしい小説なのかなと思うのでした

    57
    投稿日: 2024.11.09
  • 「必然に従って生きる」とは

    なぜ疑惑の政治家をNと呼ぶのか、なぜ一部の登場人物の名前を漢字でなくカタカナで表記しているのか。 その疑問の答えというか仕掛けは、下巻で明かされる。 タイトルの突き刺さる矢もてっきり「外側からやってきて僕たちの内部に突き刺さる」と上巻で暗喩された理不尽な「死」であったり、「癌」なのだろうと思っていた。 それでもなぜ胃癌なのに胸なのかと釈然としないまま読み進めていって、矢の正体が「時間」だと明かされた時の衝撃、というか拍子抜け。 上巻で、無数の集合体としての意識を糸に通されたビーズ玉の連なりと表現したり、人生における隔絶とバラバラさ加減を闇に放たれた数十個のパチンコ玉に喩えたのは本当に良かったと思う。 それに時間の正体も下巻の最初でそうそうに答えが出ているのだ。 それは、過去から未来へと一直線に飛ぶ「矢」でもなければ、始まりも終わりもない「円環」でもない。 時間は「信じがたいほど複雑で奇妙奇天烈な運動を行う運動体」で、「繰り込み、巻き込み、重複や分裂といった多様な運動の合成物としか思えない」と結論づけられている。 まったく異論はなく、至極もっともな定義だと思うのに、なんでまたぞろ「時間という矢」が出てくるのか。 おそらく著者の信念である「いまを生きる」ことと「必然に従って生きる」ことを強調する意味合いもあるのだろう。 いたずらに過去に拘泥し、意味もなく未来に希望を寄せたり、反対に恐れたりする愚を犯さず、「現在という一瞬一瞬」を「食らい尽くす」。 そうやって「現在しかない人生を送るというのが、必然を生きるということでもある」と書いてあるから、抜くべき矢をそうした「時間や歴史の呪縛」という意味で表現しているんだろう。 それでも相当に変だ。 一方では「僕たちの幸福は自由と同じくらい束縛の中にも存在する」としながら、一方では「言葉だけが時間の魔術から僕たちを解き放ってくれる」ともしている。 どこからこの違和感が生じているかというと、やっぱりこの「必然性」にあるのだろうと思う。 行き当たりばったりや偶然に左右されるのではなく、「すでに決まっていることを自分で決めるんだ」と主人公は語る。 納得づくの確認作業のようでもあるし、何もしないことが「いまの自分の必然」ならそれでも構わないのだ、とも。 結局のところどこか運命論にも似た、どうとでも解釈づけ可能な自己肯定論のようでもある。

    0
    投稿日: 2024.11.08
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    最後の方でミスリードさせて落とす展開は良かったし、救いのあるラストで良かったなという感じ。読み方を深めて再読したいと思わせる内容。満足。

    0
    投稿日: 2024.01.21
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    物語の基軸となっている排出権絡みのスクープは、事件そのものの中身ではなく、これに関わる政治家との議論が要になっていく。政治というものをどう考えるか。より大きな理想を追い、小さな悪を受け入れるか。正面から考えれば偽善だらけの現状を変えることができるのか。 人の生き方そのものに問題提起する作品。言葉の端々にマッチョな思考回路が垣間見えるけれど、言わんとすることはとてもよく理解できる。一気読みだった。

    0
    投稿日: 2022.12.20
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    必然……については考えてみたい。 娯楽小説ではないってことを知らずに読んだので… 今はその時期じゃなかったという感じです。

    0
    投稿日: 2022.04.17
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    久々に上下巻にも及ぶ大作を読んだ。 でも「長い」というイメージはない。 この本は作者にとっての「哲学」なんだと思った。 編集者という職業柄をうまく使い、 時事問題・歴史問題・政治問題を絡ませながら 最後に「必然」とは何かという哲学に導いている。 主人公のカワバタをこういった哲学の道に引きずり込んだのは 生後3ヵ月でこの世を去ったユキヒコの死に他ならない。 その後の彼にとって過去や未来は存在しないにも等しいし、 結婚関係についても妻に愛人がいるとしっても取り乱すこともなく 第三者的立場から物事を見ているような感じ方だ。 【ココメモポイント】 ・神が宇宙知性であり僕たち一人一人はその微小な部分だとするならば、巨人は  一体何を思惟しているのであろうか?また巨人は一体何を知りたくて思惟しているのであろうか?  P.47 ・二度と会うことのない人は、僕たちにとって「もうこの世にいない」との同じだ。  P.102 ・子育てなんて一時的なものです。妻というのは、一緒に年老いていく相手です。  だが、彼女はそういう対象ではまったくないですね。  P.150 ・体験や経験が人生の本体だとすれば、人間はなぜそういう本体の内容はどんどん忘れ、  折々で頭の中に詰め込んだ瑣末な知識はしっかりと憶えていられるのだろうか。  P.171 ・他人のことを幸福だと思うので「あなたは客観的事実として幸福なのですから、  そのこと納得し決して不平不満を述べないようにしてください」と  押し付けてるのと同じだ。その本人の幸福とは何一つ関わりなんてないんだよ。  P.264 ・僕たちは今の中にしか生きられない。歴史の中に僕たちはもうどこにもいないのだ。  過去の中にもこれからの過去の中にも僕たちはどこにもいない。  今、この瞬間の中にしかいない。この瞬間だけが僕たちなのだ。  時間に欺かれてはならない。時間に身を委ねたり、時間を基軸として計画を練ったりしてはならない。  そういう過ちを犯した瞬間、僕たちは未然のものとなり、永遠に自らの必然から遠ざけられてしまう。  P.317

    2
    投稿日: 2022.04.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごい小説だった。 自分とは何か、何のために生きているのか、世の中の真実はどこにあるのか、何を信じればいいのか。 もっとも繰り返し問われるのは経済格差の問題。 小説の最後に、「胸に深々と突き刺さる矢」の正体が分かる。 でも、もしそうなら、私はその矢を抜くことはできないと思った。 その矢にとらわれることなく、「自分」という存在をあるがままに受け入れるのは難しい。 人は誰でも、過去にとらわれたり未来を想い描いたりするからだ。 そうでないと生きてはいけないと思う。 小説を通して、世界の真実を問うているのか、一人の人間の真実を問うているのか、運命の何たるかを問うているのか、愛の何たるかを問うているのかわからなくなってくるけど、多分すべてを読者に問いかけているのだろう。 内容盛りだくさんで非常に考えさせられるし、ストーリー展開自体も面白くて最後まで引き込まれる小説でした。

    3
    投稿日: 2021.09.17
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    絶賛を浴びたとの評価が気になって読んでみた。 確かに面白いが、途中で飽きてしまう。 小説は著者の思想が出るものだとは思うが、それは登場人物を通して伝わるものだと思っていた。この小説は登場人物を通してではなく、著者がダイレクトに考えを述べている点が多く、登場人物は関係なくなっている。特に下巻の前半部分はその傾向が強く読むのがかなり辛い。 前評価を知っており何か他の小説と違うのだろうと先入観をもっていたので読了できたが、何も知らずに読んだらイライラして途中で辞めてしまった、と思う。 書いている考えの内容がどうかではなく、伝え方が評価できない。

    0
    投稿日: 2021.09.01
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    意図的にミスリードして、肩透かしを食らわせる ストーリーテリングが面白いけど 引用が多すぎて、理屈が理屈としてゴツゴツしすぎ? 小説としてはどうなんだろう?

    0
    投稿日: 2020.07.19
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    上巻と同じように理屈の捏ね回しは続きつつも、物語も動き出してなかなかに面白い。ただ、突然逃亡犯を捕まえる展開になったり、政治家がスピリチュアルなことを言い出したり、意外な人の結びつきが合ったり、少し強引な雰囲気もあった。小説だからある程度は仕方ないけれど。 良くも悪くも濃厚でてんこ盛りな一種のカオスを恐れない実験的な小説だったと思う。

    2
    投稿日: 2019.07.17
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    解説:片山恭一 不安◆ミッチェル◆EVA◆もの言う巨人◆障害者白書◆繁殖生物◆ショウダは煙草を吸わなかった◆詩集◆ジュンナの智恵◆小さないのち◆手紙◆痴漢の顛末◆白いワンピース◆「必然?何それ」◆プランピー・ナッツ◆異変◆役員人事◆クルーグマン◆クレパス◆新村光治◆さよならUSA◆偽善者◆率直な反射◆千枚通し◆本当のかあちゃん◆サルと人間◆この胸に突き刺さる矢◆真相◆丘の頂にて

    0
    投稿日: 2019.05.04
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    【あらすじ】 カワバタは胃ガンであった。手術の直後から、数年前に死んだ息子が自分をどこかに導こうとする囁きが聞こえ出す。格差社会、DV、売春―思索はどこまでも広がり、深まり、それが死の準備などではなく、新たな生の発見へとつながってゆく。発表されるや各メディアから嵐のような絶賛を浴びた、衝撃の書。 【感想】

    1
    投稿日: 2018.06.29
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    先の読めない展開が読んでいる間ずっと楽しめた。引用も多くて社会やら人間やらについて考えさせられる仕掛けにもなっている。ただ個人的は突き刺さる矢はなかったかな。

    0
    投稿日: 2018.03.24
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    中村一文が書く人の一生についての話。今個人的にこの小説みたいなことばっかり考えて生きてるので、すごく身につまされる話だった。どこかのコミュニティに属していると、他人の利権争いや、他人の打算ありきで話をもちかけてこられて、すごくやりづらい。でも主人公が言っていた「必然」を意識する生き方は面白いので、俺も見習おうと思った。白石一文の書く主人公は皆、社会的に成功していて、お金にも困っていないけど、ひどく生きづらそうだ。この人の小説を読み終わったら、皆一様に生きづらさは抱えているんだなあと少し安心する。

    1
    投稿日: 2017.10.09
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    これぞ白石一文というくらい、人生への考察に満ちた濃厚な小説だった。 過去も未来もない、あるのは現在だけだということ。 必然に従って生きるということ。 でも必然というのは誰がどうやって決めるのだろう。「必然だから仕方ない」という逃げ道になってしまわないだろうか。人生を大切に生きているようでいてどこか割り切った感じを主人公に覚えた。 それにしてもここまで主人公たちに「思考」させる小説も珍しい。引用の多さには少々辟易とさせられた。 それでもこの小説をクオリティを保っていられるのは白石一文のなせる業だと思う。

    2
    投稿日: 2017.08.05
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    真理の追求の果てに心の解放が見えてくる。 難しい引用による読みにくさも有り、一枚一枚の話の積み重ねが、まるで修行のようだったが、この小説の中には、心に残しておきたい一節が沢山あった。誰でもがきっと一生のうちで響く時がくる気がする。自分も、余命がわかった時にもう一度読み返したい。そんな小説だった。とても良かった。

    1
    投稿日: 2017.05.09
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    当たりまえの事と思う事が 実は矛盾だらけで その事を分かっていながら 意識を持っていない…。 それが一般人だろう。 でも、それらを 今一度見つめ直すような… そんな作品なのかな。 下巻は、物語が動き出した。 ストーリーも悪くないと思う。 とにかく衝撃だった。 この作者の作品 もっと読んでみよう(^^)/

    0
    投稿日: 2015.08.26
  • 考えることの大切さと、考えることの無意味さ

    「死」それも「無」ということへの恐怖について、イロイロな本を読んでみたりしたが、白石一文さんの作品からは何か心の琴線に触れるモノがある。 この作品は現代のアメリカ型資本主義の終焉、救われない人間の業とかについて出版社勤務のエリート編集者が主人公として語り、経験し、感じていく話。 主人公に現実社会での悲惨な状況であるとか、科学的で霊的なモノの否定的な意見を語らせ、一方で霊的な体験をし、結果的には否定でも肯定でもない新たな思いが語られている。 考えることの大切さと、考えることの無意味さに考えさせられた。

    1
    投稿日: 2014.11.18
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    結局最後までトーンは変わらず。 これをどう評価するかは読むときの心理状態に大きく左右されるだろうな。 少なくとも今の自分とは明らかにスタンスが違う点が多かったものの、かといって一刀両断に斬り捨てるほど否定するものでもなく… まあ、一つの考え方を知ることができたという印象かな。

    0
    投稿日: 2014.09.15
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    上巻は時間を掛けて、下巻は一気に読んだ。若くして癌を患って再発の可能性がある中で生きる雑誌編集長の主人公。彼の「生きる」という行為に対する根源的な問いかけに心を揺さぶられる。必然の今を生きることこそが「矢を抜く」ことになるのか。まだ自分の中で消化しきれていない。再読したい。

    1
    投稿日: 2014.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻よりも下巻の方が面白かったかも。 相変わらずの引用はちょっと難しい部分やくどい部分もあり、頭に入ってこないところもありましたが、カワバタがどのように救われていくのか追っていくのが面白かったです。 まさかDVから助けだしたユリエと一緒になっていくとは思いませんでした。 白石さんお得意のスピリチュアルな要素も双子に絡めて展開されていましたが、思わず納得しそうな感じでした。

    0
    投稿日: 2014.06.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    唐突な引用や不意に変わる展開が効果的で面白く、ストーリー運びの上手さと相まって最後まで一気に読ませられました。 ただ主人公の論理には非常に魅力的な部分もあれど、その偏狭さに段々頭痛がしてきます。すべての人の心に矢が突き刺さっているという前提のようで、彼の目を通すと非常に暗いサングラスをかけて世の中を見ている気分になります。他者に対する評価が大変厳しく、彼らに対する想像力や寛容性は殆どありませんが、ご自分には意外に点が甘く、持論には辻褄が合わない箇所も多々あります。結局自分の信条に固執するあまり多様性には狭量のようです。 恐らく議論を広げるため確信犯的に書いているのだろうけどそれにしても今一つ感じの悪い主人公だ、、、と思わせられるところは日本のミシェル・ウエルベック?巧いです。 これほどシニカルな人がどうやったら救われるのだろう、本人もあまり興味がないようだが果たして救われるのか?という興味を持ってラストに向かいましたが、彼の選択は他のと何が違ったのか、今一つ説得力に欠けます。あれが必然性なのでしょうか。ストーリーはともかく、思想的にこれだけの大風呂敷を広げてしまった後では結論が弱い感が否めません。 しかし、著者の今までの本もみなそうでしたが、共感はしないが読み進めてしまう、考えてしまう、という本で、きっとまた次作も手に取ってしまうことでしょう。

    0
    投稿日: 2014.05.22
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    非常にたくさんのテーマが盛り込まれてるけど、考えていることのすべてをまとめてもらっているかんじ。 まさに、揺さぶられる。 久々の衝撃。 ここから自分の考えを構築していくのが楽しいだろう、きっと。

    1
    投稿日: 2014.05.20
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    主人公川端はやり手の雑誌の編集長。大物代議士の不正追求、不倫、不治の病、グラビアアイドルとの奇妙な出会いを経て、少しずつ人生の歯車が狂いはじめる。待ち受ける真実は・・。生、死、愛という究極のテーマに果敢に挑む恋愛小説。この作品の特徴は二つ。一つは、求道的な禅問答を繰り返すことで、愛への真理を追求していること。そして、モーパッサン始め過去の偉人たちの言葉を引用することでより、結論に正当性を与えること。小説というよりは、哲学新書。新たなる小説の境地を描いた作品。唯一無二の周五郎賞作品です。

    0
    投稿日: 2014.05.03
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    上巻はよかった 下巻はちょっとくどくて読み飛ばしてしまった 主人公の考え方もちょっと偏っている気がするけど、こうゆう人もいるいる!という感じ(多分自分の考え方と少し違うだけ?) うーん、残念

    0
    投稿日: 2014.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語りの大部分(半分以上?)に引用が使われている小説。 小説を読んでる気がしなくなる事が多々あったが、でも確かに小説。 この小説を読んで思ったことは、 僕たちは、もっと世の中の矛盾を認識して疑問を持たなければいけないという事。 頭の隅では、「何かおかしいな」と思っても、スルーしてしまいがち。 そんな無関心さが世界を腐敗させている。 ...なんか、ありきたりな意見になってしまいましたが、改めてそう思いました。 読んでもらえばわかるはず(^_^;) おすすめです。

    0
    投稿日: 2014.03.04
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    この人の書く作品はなんだか薄暗いんですよね 今回は、この人の書きたい事を全部書いたんじゃないかな?って作品でした

    1
    投稿日: 2014.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」。 その「矢」とは一体何か。 生と死を、未来と過去を、日本社会と資本主義を、引用を交えながら 激しく、叩きつけるような筆圧で描かれています。 そのメッセージ色が濃すぎるため しばしば物語が置き去りになりますが 差し引いても、その熱に触れられて良かった。 今、なすべきことをなし、丁寧に生きる。 ハードな生き方ですが少しでも近づければと。 現代経済学者、岩井克人氏の 「二十一世紀の資本主義」と合わせて読み直したい作品です。

    0
    投稿日: 2013.09.01
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    小説の形をとった自己啓発本、または新書みたいなもの。話自体は政治や企業の裏社会が露見される起伏が激しくないが、所々の引用が読みにくく、作者の考えにアジテーションされているような感覚に陥る。 過去や未来という矢を胸から引きぬき、今この瞬間に自らの必然によって導かれるなすべきことをなせ。 この文に貫かれるために小説のストーリーと引用が必要だった。刹那主義と一言では切り捨てることの出来ない

    0
    投稿日: 2013.08.11
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    理屈っぽい男の理屈っぽい話が永遠続く後編。政治論や精神論や…。ふーんって感じ。 とはいえ、最後はまあまあ楽しめた。

    0
    投稿日: 2013.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「そんなことより、もっとよく現実を見ろ。それがお前の仕事だ。問題なのは“過剰さ”ってやつだ。俺たちジャーナリストがこの世界で見逃してはいけないのは、過剰な不幸、過剰な貧困に喘いでいる人たちの姿だ。そのひとたちのために自分には何ができるのかを考えろ。俺たちにできることもやるべきこともそれだけだ。この世界がなぜこうも悲惨なのか、なぜこうまで残酷で非人間的なのか。つまりは問題や課題は一体何のために存在するのか、その一点に自分の能力を集中しろ。」う〜ん。上巻はけっこう面白かったんだけどな…。上巻からの進展が少ない。

    0
    投稿日: 2013.02.16
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    この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下巻p316 「あなたはあなた自身をひたすらに見よ、と。あなた自身を常に見失わず、あなた以外のありとあらゆる存在に対して身構え、なすべきことをなせ、と。あなた以外のありとあらゆる存在を慈しみ慰めるために、いまこの瞬間に自らが欲することをなせ、と。あなたはいまここにしかいない。そのあなた自身があなたという必然の唯一の根拠なのだ、と。だから、たったいまあなたはなすべきことをなせ、と。」 語りたかった一言は結局、ここに収束するでしょう。ストーリーを書くことはふさわしくない。そういう内容だったと思う。主人公もほかの登場人物も、そして巻き起こる事件も素材でしかない。大切なのは素材ではなく本質だ、と感じた。

    0
    投稿日: 2013.01.26
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    上巻と同じく飛ばし読み。 一人の言葉(「」でくくられる部分)が5ページを越えるときもあり、読みづらかった。。

    0
    投稿日: 2012.10.04
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    唐突に思える本やインタビューの引用から、主人公の思考へと移ったり、後で前の思考を思い直したりしながらストーリーが進む。 物事を多面的に見たり、ひとつのことを深く考えすすめるのが好きな人に向いてる本かも。 引用はどれも興味深くて考えさせられるし、ストーリー自体も自分が生きている世界と違う場所で生きている人たちが出てくるので面白く読むことができました。 この方の本は初めて読んだのですが、また別の作品も読んでみたいと思いました。

    0
    投稿日: 2012.09.03
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    面白かった。というか飽きなかった。 白石一文らしい作品。 ドロドロの競争社会を生きているカワバタ。自らも汚く染まっている。 息子を幼くして亡くし、自らはガンに冒され、ヤケになっているのかすべてを諦めているのか。 それでも世界のあらゆる事象について思索を巡らせる。 長い引用には多少辟易させられたが、けっこう勉強になった。 ラストがあっさりし過ぎで物足りなさを感じるけど、読後感は良い。 フジサキリコはいったい何だったんだろう。

    0
    投稿日: 2012.05.29
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    小説的過ぎる展開に多少面食らったけど、最後のほうで主人公が説く倫理観・人生観に共感する点が多々あり。ラストシーンも自分の好みでした。 ただ上巻の感想にも書いた通り、極度の性描写・暴力描写は必要ないかな。決して綺麗事が好きなのではなく、あくまでもバランスという事ですが。

    0
    投稿日: 2012.05.01
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    白石一文の作品というと、イケメンでリッチなエリートかキャリア・ウーマン系女性が恋愛して不倫して無茶して、というパターンで、面白いのだけどどの作品がどの題名だったかなかなか区別がつかない、というイメージだった。 しかし、この作品は基本パターンは似たところにあるが、いろんな著名人の名言を引用し、かつリッチ男が社会主義的・所得の再配分とか主張するのなど新しい感ありあり。ストーリーも面白いのだけど、結局何が言いたいのが良くわからないのが玉にキズか。

    0
    投稿日: 2012.04.13
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    だいぶ時間がかかったけど読了。人によってかなり好き嫌いがあるだろうなあ。僕はあまり好きじゃない。引用もやけに多いしね。

    0
    投稿日: 2012.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    このほんは何故パワープッシュされているのかよくわからなかった。タイトルには厨二心を惹きつけるなにかがあるのは感じるが(というか実際ひきつけられた。) 実際、中身を厨二病をこじらせたまま大人になった「資本主義って」「政治家なんて」「オトナとかって」という作家自身が伝えたいメッセージであふれていて、少しこっぱずかしい感じがした。 お話としては、登場人物を延々に混乱し続ける分かり辛さにはなんとも言えないことに加え、結末もなかなか唐突だった。 しかしながら、説教くさく、ストーリーとして大きな展開があるわけでもないのに、きちんと最後まで導く表現力と文章力は秀逸。また読みたい作家かと言われれば、少し距離を置きたい感じがするが、それでも売り出すだけの理由がある作品。なのだろうな。

    0
    投稿日: 2012.04.01
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    本当にいつも最後がいい。 息するのも忘れるくらい 一文字一文字を追い、 まるでそこにいるかのような、 想像力を研ぎ澄ましてくれる描写。 自分を取り巻く不平等な世界、策略渦巻く社内人事、見せかけだけの夫婦関係、死。なぜ人は生きる。頭の良い川端は「必然」という考え方で全てをみようとしていた。運命なんかじゃないと。これまで読んだ作品の中で1番白石さんの世界観が強く盛り込まれていただけに、やや偏っているところもあり、気持ちが離れるところもあった。けれど、何より美しいラストで全てチャラ。救われた。再読したい良本。

    1
    投稿日: 2012.03.25
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    結局人生に答えなんてない。 ただ一つ分かるのは今の自分の気持ち・考えなのだから、もっと自分に素直に生きよう。そして「今」という時間を大切にしよう。  この本を読み終えてそんなことを思った。

    0
    投稿日: 2012.03.24
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    上に続いて引用文が多いが興味深いものが多く、普段は手に取りにくい題材のものも引用されたものを読み、もっと深く読んで見たくなった。ラストシーンも印象的な一冊であった。

    0
    投稿日: 2012.03.22
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    これから自分が搭乗する飛行機が墜落するとわかったとき、 自分だったら、どうするのだろうか。 その行動が意味することがわかっただけでも、 この作品が問いかけてくる内省の言葉はとてつもなく重い。 確かにフィクションではあるけれども、 現実の世相を反映していて、その現実に対する主人公の見識は、 社会批評に十分なっていると思う。

    0
    投稿日: 2012.03.21
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    引用が多い小説。話のリズムを考えると、この引用の多さはどうかと思うけど、引用が導き出している話全体の雰囲気嫌いでない。

    0
    投稿日: 2012.02.21
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    小説でこんなにたくさんの主張に出会えるのは珍しい。 人物名が「カタカナ」になっている理由は本の最後に書かれているが、 なぜあの場面では「漢字」なのだろうか?

    0
    投稿日: 2012.02.19
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    難しすぎた。頭を使わないとどんどんと進んでいってしまう内容に、必至で付いていく感覚(頭が悪いのか…)社会の中ありふれている負の暗黙の了解的な垢を、ジリジリジリ、、っと暴いていく。そこはさすが白石氏。付箋や引用が多い分、本題が時々見えなくなったりもするので、ちょっとそこが難しい中での読了。死というものを眼前に覚悟したカワバタの想いがワタシにとっては強すぎたし、カワバタ自身も強く感じていたんだろう、、ラストのユキヒコの言葉は、実は自分の奥底に潜む心の声なんじゃないかとおもったり。そんなふうに人間って生かされているのではないかと感じさせるラストだった。。

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    投稿日: 2012.02.18
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    ストーリーは圧倒的に面白いんだけど,登場人物がスッと入ってこなかったのはカタカナだったからな気がする...最後はそうなりますか...

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    投稿日: 2012.02.16
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    たくさんの引用部分があって、ない頭を大いに使いました。 大いに共感してみたり、いや、私は違うと思うなどと一々相槌打ちながら読みました。 にしても、理屈っぽいと言うか面倒くさい人だ。 それだけまっすぐな人なんでしょうけど。 私は疲れてしまうわ、きっと一緒にいたら。 もっと楽に生きられたらいいのに・・・ どうもショウダとのシーンは苦手で、飛ばして読みたいけどそうもいかず。 映画とかなら絶対指の間からチラ見しますね。 怖くて直視できないもの。 残酷すぎるわ~ 北海道へ行ってやっと普通に人間らしく生きられるのかな。 ラストのユキヒコの声が聴こえた・・やっとホッとしました。 主人公に心から良かったねぇって言いたくなりました。

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    投稿日: 2012.02.13
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    これでもかこれでもかと、ページをめくる度に揺さぶられ、時に心を鷲掴みにされる感覚。俗っぽくってそれが新鮮で、時に共感し、恐ろしくもこれが生きている社会だと再認識する書。

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    投稿日: 2012.02.11
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    上巻を読めば、下巻を読まずにはいられない。そんな本だった。 これだけの内容を、ここまでわかりやすく書くということは結構すごいことなんじゃないかと思う。 終わり方は、白石さんらしいと思った。

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    投稿日: 2012.02.11
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    恋愛など人生のこと+経済や政治の難しい話、が同時進行で語られていく、というのが白石さんの常だけど、これは一番、後者の「難しい話」がすんなり入ってきてくれた(気がする) いろんな伏線が張られてるけど、ややこしくなく絡んでくる。そこらへんはきちんとおさえつつ、いつもの「人生とは何たるや」みたいな白石哲学に最終的には着地していて、よかったです。いろんな読み方ができる。 シメイビールが飲みたくなったので買って飲みました。

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    投稿日: 2012.01.31
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    白石さんの作品の中で、ここまではっきりと作者の強い主張を感じた作品は他に思い当たらない。淡々とだけど、とてもとても力強い主張。 白石一文さんは世の中の「ん?」と思うことに対してちゃんと答えを出そうとしている作家だ、とあらためて感じた。 小学校や中学校の授業で、先生の教科書どおりの説明では何となく納得いかなくて、ずっと心の中に残っていた疑問。それが、大学生や社会人になったある日、突然目の前にポッと自分の求めていた答えが現れた時のような感覚。 言葉にすれば「あー、そうだったのか」なんだけど、そんな言葉の響き以上に自分の心の中がスッキリする感覚。 テレビやインターネットをながめてるだけではなかなか感じることができなかった、最近の自分が失いかけていた感覚を思い出させてくれた作品。

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    投稿日: 2012.01.22
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    多くの文献が多数・長く引用され、主人公の思索に使うことで、主人公を描く。その思索が多少強引で矛盾もある点が、生きている人を感じさせ、主人公に引き込まれる。こんな本は初めて。 主人公の内省に多くが割かれながら、平行して政治家のスキャンダルを中心として展開されるストーリーも最後に新たな希望となって終結するのは心地よい。 巻末に主要引用文献として以下のものが記載されている。 「マザー・テレサ 愛を語る」ジョルジュ・ゴルレ、ジャン・バルビエ編著 「最高の議会人 グラッドストン」尾鍋輝彦著 「政府からの自由」ミルトン・フリードマン著 「ルポ 貧困大国アメリカ」堤未果著 「NHKスペシャル 映像の世紀 第9集」 「怒らないこと」アルボムッレ・スマナサーラ著 「貧困来襲」湯浅誠著 「宇宙からの帰還」立花隆著 「政権交代 この国を変える」岡田克也著 「累犯障害者 獄中の不条理」山本譲司著 「語る人」有国智光 朝日新聞2008年10月3日夕刊 「格差はつくられた」ポール・クルーグマン著 「強欲資本主義 ウォール街の自爆」神谷秀樹著

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    投稿日: 2012.01.21
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    「いまの日本で一番つらいのはビンボーなんかじゃない。希望がないことでも時代が不透明なことでもない。みんな自分の人生の先がすっかり見えてしまってることだよ。」 人類はみな平等なんかじゃない、ということを、ずっと主張している小説だった。 内容が濃く、下巻にも詰め込めるだけのものを詰め込んでいた割には、あっけらかんとした終わり方だった。 政治思想の強い小説だが、読みやすさに著者の力量を感じる。 最後までブレなかったし、おもしろかった。

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    投稿日: 2012.01.15
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    主人公の頭の回転のはやさにびっくりした。 あのくらい俺も冷静に裏を読みながら生きてけたらなぁ。 初めて知ったけど、登場人物がカタカナだらけやと、誰が誰かわからんくなる。 部下はどいつがどいつかわからんくなりかけてた。 なんとかついていけたと思ってるけど。 「神の思惟」とか宇宙から地球を見た人が語るとこは、俺も思ったことやから、宇宙に行かずとも気付いた俺はやっぱすげえなあと思った。

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    投稿日: 2012.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上下巻とも一気読み。 今まで読んできた白石作品に比べると、より哲学的でより政治的でより深い内容だった。 書籍からの引用部分も多く、正直読むのに時間がかかり、内容もかなり難しかった。 でも、複雑な人間関係の絡まり合いは、さすが!とうなりたくなった。 主人公カワバタという人間について、 神は・・人生とは・・この世の中とは・・・ という抽象的なものに考えを馳せる内容もがっつり書かれているが、 死んだユキヒコの声が聞こえてくるとか、シンギョウジ先生とのカウンセリングで気持ちが軽くなったりとか、 きわめて人間くさい部分が垣間見えるコントラストが面白い。 ショウダがそこで出てくるか! 北海道はリコのとこじゃないんか! 結局ユリエか! という、ラストに次々と仰天な展開が待っていてびっくり。 登場人物の名前がすべてカタカナ表記なのも、難しくみせていたのかも。 カタカナというだけで、名前が覚えにくかった。 途中、「新村光治」「さよならUSA」の部分のみ、すべて漢字表記になっていた。「美緒」もここで最初で最後の漢字表記。 カタカナなだけで、すごく冷たく客観的な感じに思える。 カワバタが、至極沈着冷静に物事を判断する人間である、ということが感じられた。 カワバタとミオの関係がつかみづらかった。 ユキヒコくんの件、とてもじゃないがミオの行動が理解できない。 私がタイトルをつけるならば「この世の必然」だろうか。 白石作品では、私としてはまだまだ「私という運命について」が一番だなー。

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    投稿日: 2012.01.13
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    過去に縛られることなく、時間に基づいて計画するのではなく、瞬間瞬間流れる今という現実を全力で生き抜け。 これがメインメッセージだと感じた。 癌になって悟った自己意識と他者。雑誌や芸能界、政界、息子を失った男・女の悲しみ。価値観。不倫、DV、派遣労働とスーパーリッチの格差。先進国と途上国の格差、新党を作るという政治家の構想などなど。 アメリカにとっては苦い小説かもしれない。

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    投稿日: 2012.01.09
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    自分の頭で考えるということはどういうことか? 自分の言葉で語るということはどういうことか? 正義とは?愛とは?生きる意味とか? 過去とか未来に翻弄されず 必然と共に誇りを持って 今を生きる そういやそういう映画を さっきまで会ってたやつらと 中学生の頃に観に行ったっけ この時期にこの本に出会えて良かったと思わせてくれる本 2011年中に読み終えたことにも満足

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    投稿日: 2011.12.31
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    いろんなことが書きたかったのかなあ、という雑多な感じはあるものの、無理なく読ませるテクニックがすごいと思う。長いし、難しいこともたくさん書いてあるけど、特に経済にも政治にも強い興味のない私に、さして無理せず読めるのは、本当に驚き。結末に至るまで、満足して読めた。楽しいとか面白いとかではないけど、確かに興味深く、充実した読書時間だった。ま、読了に長く時間がかかったけど。12月30日読了。風邪が治らない。

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    投稿日: 2011.12.30
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    読むのに時間がかかった。 フィロソフィだな。 ソフィーの世界的な。 しかし、心に刺さるものがある。 色々考えさせられる。 そのうちもう一度読む。

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    投稿日: 2011.12.29
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    下巻、一気に読み終わりました。現代の国内外の社会情勢や政治についてデータも引きながら書いていて、個人的には「小説なの?」と感じながらも興味深く読みました。(このあたりは、違和感がある人もいると思います…) 格差や貧困などさまざまな問題を抱える社会の中で、個人がどう生きていくのか、その姿を作者が探し出そうとしているのが伝わってきます。「この胸に深々と突き刺さる矢」がいったい何なのか、それは物語の終盤で明らかになりますが、それを「抜く」ことが人々の生を豊かにすると作者は主張しているようです。 この結末については賛否両論あるでしょう。(私も??と感じる部分はありました。)ただ、私たちの生きている社会の矛盾に目を向け、その社会にどのように関わり、どのように生きていけばよいか、そういったことを考えさせる面白い小説だったと思います。

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    投稿日: 2011.12.28