
総合評価
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powered by ブクログ源義経の登場で窮地に立つ平家。物語終盤は怒涛の展開で一気読みしてしまった。少し難しい内容だったので、時間があれば読み直したい。
12投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ戦の鬼才源義経の登場で窮地に立たされる平氏__ いよいよ最終決戦へ 若武者たちが未来を託し散りゆく姿に...涙が...止まらなかった。「何故、我らは戦うのだろうな」この問いが胸に残る。茜色の空に響く琵琶の音を思い浮かべ、平家物語が遺された意味に想いを馳せる。
6投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログ勝者の名前を冠した「源氏物語」(!)ではなく、元号を冠した「治承物語」でもなく、敗者の名前を冠した「平家物語」となった謎が、(フィクションではあろうが)鮮やかに解き明かされる。 上巻では謎であった西仏に物語を語って聞かせる人物が知盛の妻希子であることが終盤で判明する。真相を聞いて頼朝が悔しがる場面は痛快だ。 歴史の転換点にいる人、転換点を作ったひとは、ただ必死に生きただけで、当人にその自覚はない、という表現がある一方、今村作品には、「先々まで、百年後・千年後まで、見通したひと」がまま登場するので、ほんの少しだけ「後付け史観」を感じるけれど、全く新しい平家物語を読めたので、総合評価で星4つ。
36投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログ終戦記念日を間に挟み私は平家と源氏の戦いの物語を読んでいた。 この時期、メディアでは戦争の話が多く流れる。 日本国内でも古くから戦いが繰り返されていた。 戦う目的は、それぞれあっただろう。 ただただ勝って力を見せつけたい者 戦うこと自体が好きだった者 守りたい物があった者 などなど この物語の主人公、平知盛は身体こそ弱かったものの頭が良く、こと軍師としての才能は抜きん出ておりあの源義経さえも一目置く存在だった。 彼の目指す世は、平家の存続だけではなく 互いが見張り合い、拮抗した三つ巴の世界。 命を懸けて、守ろうとしたものの答えは1000年後にある。物語の言葉を借りるならば 「ある者は勝者として、またある者は敗者として、綺羅星の如き男たちがこの時代を創った。彼らの生きた姿は、千年後の人々の胸にも刻まれます。」 今の世に伝わる「平家物語」や「吾妻鏡」 この物語の背景に生きた人々がどのような気持ちだったのか、その一片に触れたような気がした。
35投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログああ〜面白かったぁ〜。平家物語を伝授する様子が度々挟まれることで、折角の迫力満点の戦闘シーンがやや間延びしている感じはあったけれど、総じて面白い作品だった。 謎の語り手とその教えを受ける西仏の正体が少しづつ明かされるのも心が震えた。 ダイナミックな戦闘シーンと生き生きとした登場人物の様子が魅力的で、やっぱり今村翔吾さんの作品は好きだな。
0投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【茜唄】 今村 翔吾 著 平家物語を久しぶりに読みました。平清盛亡き後、棟梁・平宗盛を補佐し、実質的に平家を取り仕切った四男で知将・平知盛と、武勇に優れた従兄弟の平経盛を軸に平家物語を復活させています。上巻後半の木曾義仲、下巻の「一の谷の戦」に始まる源義経らとの戦などは圧巻です。描写は、まさにその場にいるようで鮮やか。義経の物語が多いなか、平家側からどう見えたかもわかってとても興味深かったです。 著者の考察として面白かった点は、清盛が源頼朝を殺害しなかったのは、奥州・藤原秀衡、関東・源頼朝、西国・平家による「天下三分の計」によって均衡を図ろうとしたというもの。また、歴史は勝者の論理で書き換えられるため、琵琶による口伝によって平家側の実情を千年後にも伝えようとしたという点も面白かったです。 上下二巻は長いかと思ったのですが、暑いさなかに引き込まれて読んだ一冊です。
0投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ平家の視点がよく描かれている。滅亡に向かっていることを理解しつつも、次の世代につなごうと奮闘する姿が良い。
21投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ今村版平家物語。主人公は、平知盛。 史実の通り平家は滅びてしまうのだが、 知盛の秘策が凄い。 この辺が半ば貴族化していた平氏と、蛮族源氏の違いだなー
0投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログたくさん書物で壇ノ浦の戦いを読んできた。 しかしながら、この作品の壇ノ浦が1番歴史ファンは嬉しいのではないだろうか! 「驕れる者は久しからず」 人類の歴史上数少ない絶対的事実であるからこその、日本人としての滅びの美学が素晴らしい作品でした。
1投稿日: 2025.07.18
powered by ブクログ平家物語の伝書の秘密も交え、壇ノ浦の戦いまで一気に描かれてます。平家の人々をついつい好きになってしまい、滅びゆくものの美しさに引き込まれました。
4投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログ平家の散り際の美しさ。 今まで何故に平家側の物語に触れてこなかったのかが悔やまれる。 この作品のお陰で平家も好きになり、義経も好きだと言える。
16投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログ平家物語はそのようにして紡がれた、のかもしれない 琵琶法師の語る 軍記ものとして 知盛の、武士という立場の未来への想い そして義経との出会い 平氏と源氏の戦い、一の谷そして檀ノ浦 人と人の長い長い殺しあいの歴史は まだ続いている……
2投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログ平清盛の四男・知盛は、弟分の教経と共に前線に立つ。知盛は没落に抗いながら熱い思いを未来に託していく。 下巻は、義仲との戦いを経て、宿敵義経との戦いの駆け引きが中心となり、知盛の戦略眼とともに、義経の優れた戦術眼が見事に描かれていました。 また、それが義経の戦いの限界であることも理解できました。 さらに、知盛が描く構想も実現できていれば、歴史は大きく変わっていただろうし、多くの血を流さずに済んだのかもしれないと思うと、一つの歴史の大きな転換点だったと感じました。 そして、知盛のその熱い願いが「平家物語」を生み出したという推察はとても納得できるものでした。 そういう意味で、この作品と出会ったことで 「平家物語」に対する私の考え方を改めることになりました。 読み終わった時に、題名の「茜唄」が心の中に深く響いたように感じました。
43投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログ主人公の充て方が絶妙で、これが故に史実として結果が分かりきっているにも関わらず、ありきたりのストーリーに落とさず、ついつい読み進めてしまうような仕上がりになっていると思う。登場人物の相関の匠さ、映像に浮かび上がるような合戦描写など著者ならではも発揮された良い作品だと思う。 生き残った者として、故人がこの世に確かに存在したことを記して行くために、尚、戦い続ける希子と、全ての戦いが終わり『己たちは何であったのか』が頭によぎる知盛が印象的な読後感だった。
0投稿日: 2025.06.19
powered by ブクログ平清盛の最愛の息子の平知盛は源義仲を水島の戦いで破る。立ちはだかるは、源頼朝と戦の才能溢れる源義経。平家滅亡までの知盛の生き様を妻希子や息子たちとの家族愛を丁寧に描いてます。 義経贔屓でしたが、戦は天才だが政はまるで子供である義経や冷徹で猜疑心の強い頼朝の姿を見るとこの源氏では世は治らないのはやむを得ないと思いました。 平家は横暴で権力の権化と嫌われていると思っていましたが、この作品では、すべてがそうではなく、人間味の溢れた知盛をはじめ平教経など魅力的な人物であり清盛も苦労人であることがよくわかった。 面白かったです。 2025年6月12日読了
0投稿日: 2025.06.12
powered by ブクログ文庫化を心待ちにしていた作品。 読みたいと思った時には単行本が発売されてから結構経っていたので…! お知らせを見た時は歓喜した♪‹‹⸜(*ˊᵕˋ* )⸝›‹⸜( *)⸝›‹⸜( *ˊᵕˋ*)⸝››♪ 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。」で始まる平家物語。歴史とは勝者が紡ぐもの。 では、なぜ敗者である平家の物語が現代まで語り継がれているのか? これは、生命の唄。家族の唄。愛の唄。 戦の唄。涙の唄。希望の唄。 本書も登場人物たちが最高だった。 知盛と教経のコンビも良かったし、知盛の妻・希子も好きだった。 知盛と希子の関係がすごく現代的で、素敵だった。 知盛が清盛の意志を継ぎ、戦の有り様を変えようと奮闘する姿には胸が熱くなった。 ただ、清盛亡き後の評定の場から一気に増えた登場人物たちにはすごく混乱した。 なぜなら、みんな似たような名前だから…! 特に混乱したのが〇盛。 清盛、知盛、維盛、経盛、重盛、頼盛、教盛…(まだ出てくる)。 でも、「本当に覚えて欲しい人は何回も繰り返し出てきて、キャラが分かりやすくなっている」という、今村翔吾さんの言葉を信じて、とりあえず読み進めた。 実際、主要人物は説明も含めて繰り返し描かれていたので、全てを理解できていなくても問題なかった。 清盛亡き後、瓦解寸前だった平家一門が再び結束を高めていく様にも胸が熱くなって、「さぁ、これから!」という時に起こる一ノ谷の戦い。 今後の平家のため、生かさねばならない命を救うため、自らの命を差し出し散っていく平家一門の姿に涙が止まらなかった。 そして、壇ノ浦の戦い。 登場人物たちに親しみが湧いている故に、読み進めるのが辛くもあった。 知盛の最後の決断に、窮地の時でさえ見せる平家一門の絆に、夫婦愛に、もう大号泣。 本書を読んで平家の見方が変わった。 平家に対しての今村翔吾さんの解釈が、全て事実であってほしいと思ってしまう。 それくらい、魅力的な一族だった。 そして、頼朝のことがすごく嫌いになった← ✎︎____________ 人の上に立つということは、最後までその想いに応えるということ。(p.33) 仮に平家が滅亡しようとも⋯⋯我らが抗い続けた美しさを、愚かしさを、生きた証を残しましょう。後の者がそれに学び、いつの日か人が争いを捨てることを信じて(p.188) そもそも戦とは何か。突き詰めれば、己の意志を通すための手段の一つであると知盛は考えている。一向に交わらぬ意志を互いに押し通さんとして、戦という手段を取るのだ。そういった意味では、戦とは政の延長とも、選択肢の一つともいえるかもしれない。(p.259) 次の時代を切り開いたのは、戦場を駆け巡り、涙を、血を流した者たちではないのか。そこには勝者も、敗者も、平家も、源氏も関係ない。皆が懸命に生きた。ただそれだけである。(p.339)
65投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログこれは傑作ではないでしょうか…。読んでいるうちに自分でもびっくりするほど涙が出てきて、最後にはもう止められなかった。ただの源平の戦いを描いた物語だったら、こんなに胸を打たれなかったと思う。軍将平知盛の夫としての顔、父親としての顔、友としての顔、平家一門としての顔。それがどれほど穏やかでやさしく聡明だったのか想像できてしまうくらい、人生の物語だった。命を燃やすような、つなぐような生き様が哀しくて眩しくて、正直まじで嗚咽するかと思った。源平合戦にこんな物語を描いてくるなんて…。
3投稿日: 2025.06.03
powered by ブクログ平家物語という題材からして「エモい」のに、今村翔吾の熱量で描かれて、電車の中で泣いてしまった。もう平家に感情移入してしょうがない。 教科書やマンガ日本の歴史で飽きるほど知っていたはずの一ノ谷や壇ノ浦の戦いがこうもドラマティックだとは。もちろん創作部分はあるにせよ、人の想い、家族の想いに勝者も敗者もなく、誰かを愛する気持ちはただただ美しい。 知盛の長男、知章が討ち死にするシーンはやめてー!!という心の声が本当に出そうになった。。
2投稿日: 2025.05.31
