
総合評価
(12件)| 3 | ||
| 3 | ||
| 3 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログあとがき、強烈。。 本文は全体的にサラサラと非常に読みやすく、とくに小学生までの子を持つお疲れ気味の親たちや教師にとってはヒントがたくさんあると思う。 決めつけや重箱の隅をつつくようなことをせず読めば、本書の良さを得られる。 何が大切なのか、どうして勉強するのか? 根底に著者の、子どもはもちろんすべての人への愛が流れているような本だと感じた。 著者二人の持つ知見や経験は、本にはとても収まりきらないだろう。これからも、少しでも多くの子に、親に、教師に、それらが役立つよう願う。
0投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログ三宅香帆・新聞書評から。どのタイミングで、どんなものに対して、どの程度、頑張れるのかって、あまりに未知数過ぎて、しかも自分のことしか経験したことがないから、子の塩梅が掴めず、つい口出ししてしまったり…。どこまでが寛容でどこからが放任なのか。考えは尽きませんな。
0投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログマイルドに言ってるけど「子どもの頃あなたはコツコツ勉強できたの?できてなかったよね?それなのに子どもにはやれっていうの?」とか「あなたはダイエットどうなってるの?って毎日聞かれていいわけ?」というようなこと指摘してて(私の感想です) ほ ん と そ れ な 本書は本質的に子どもも大人も孤立しないこと、それと学びの関連についての最終章が最大の読みどころです。著者2名の優しさ、愛情、そしてなによりも子どもにも大人にも幸せであってほしいというおもいに、心をうたれます。自分も周囲の方にこういった支援的な関わりをしたいと、強く思いました。 また、お金やモノのための学びも大切であるとしながらも『あなたの学びがあなただけのものではなく、自分の不幸や悲しみに加え他者の不幸や悲しみを減らしたり、なくそうとしたりするために誰かのために役立つとき、特別な喜びが生まれます。その喜びこそが、私たちの社会をよりよい方向へと導く大きな原動力となるのではないでしょうか。』にはしびれました。
2投稿日: 2025.10.03
powered by ブクログ内容自体は平易で簡潔にまとまっていて、わかりやすく広く読まれて欲しい意図を感じた。この手の本を読んだことがある人はある意味定石が書いてあるだけと思うかもしれないけど、新書で平易に広く訴求できる内容になっていることに価値があると思う。 あとおわりにが凄すぎて不意打ちでボロボロ泣いてしまいました。
8投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ読みやすく、ページ数も少なく、さくっと読める新書。支援者と視点を見通し、目的、使命感の3つに整理して書いている。何気ない教師の発言が生徒の見通しを妨げていたり、目的を見失わせるたりするなと読みながら我を振り返り反省し、付箋を貼り続けてしまった。良書。
0投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ仕事のために、といろいろとメモを取りながら読んだけど田中繁富先生(小学校教諭)のあとがきで全部吹っ飛んでしまった。壮絶な育ちをされてきた方だ。片目を失目したこと、実父も義母も知らないまま亡くなった? なにそれ。『ケーキの切れない少年たち』の宮口幸治先生(児童精神科医)との共著で、宮口先生のお名前が先にきているけれど、田中繁富先生の言葉をもっと聞きたくなった。著書探したい。勉強って意外と簡単、と思わせる。子供が勉強より嫌で怖いのは孤立。などなど、刺さりました。
0投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ4【やる気につながる3つの段階】 ➀「見通し」…どれだけやれば自分の目的や目標が達成できるか、もしくはその努力が報われるのか、といったもの(地図) ➁「目的」…何のために頑張るのかを具体的にイメージ(ゴール) ➂「使命感」…目的の先にあるもの(ゴールに到着後、何がしたい) 18 「~しないと、~できない」「努力しないと無理だ」という言葉がけよりも「~すれば~できる」「努力すれば大丈夫」と見通しがもてるように言い換える。 26 子どもは毎日のように新しいことや難しいことに挑戦している。勉強以外にも社会のしくみ、友達とのトラブルなど初めて体験することばかり。でも、そういったことでも生活体験が多くなればどうすればいいかが分かるようになること、知識が増えればわかるようになること、ある日を境に突然わかるようになることなどがある。 むしろ「分からないことに耐える力」「分からないことがあっても、頭の片隅に置いておく力」の方が大切。 41 人は取り組む課題の半分以上ができなければやる気を失う。学校では個人のペースに合わせて授業が進むわけではないので、たとえ分からないままでも放っておかれ、自信を失い続けていくこともある。少なくとも家は、自信を失わせる場にしないようにする。 やる気を保つために半分以上は間違えずにできる問題までレベルを調整してあげ、基礎的な学力や知識が不足している場合やレベル的に困難な問題は、すぐに答えを見せてそれをノートに写させてもいい。答えが分かってから問題の意味が分かることも多々あるので、「この答えになるには、どのように考えればよいか」という教え方も効果的。 99 日本語は習得するのが困難な言語。アメリカ国務省によると、英語を母国語とする人たちにとって、日本語の習得難易度は唯一最難関の言語と認定されている。ひらがな・漢字・カタカナ・アルファベットを使い分けて表記されるし、「雲」と「蜘蛛」、「箸」と「橋」、「機械」と「機会」など、漢字で書かないと聞いてもよく分からない同音異義語もある。また日本語は主語が最初で述語の結論が後に来るので、「○○は、△△ではなく、□□です」のような言い回しは大人が聞いていても難しい。そもそも日本語は聞いて理解するのが難しい言語。 「廊下は走らない」 「お茶が入りました」 「おばあちゃんちで遊んだ」 「人に対して裏表があってはいけません」 106 人の話を正確に理解できない原因として、ICT危機の発達によって「聞く」だけの学習機会が少なくなったことが挙げられる。学校でも子どもたちは、タブレットに慣れ親しんでいる。タブレットが「聞く」だけでなく、同時に「見る」ことも備えており、動画などは、話している言葉が同時に文字として出ることもなるので、「聞く」だけの力をつける機会が少なくなってきている。 111 日々身を粉にして頑張っていてまったく余裕がないような親の状況を想像して、そのような親を支えるにはどのような関りが適切かを考える。 114 不登校のほとんどの場合、問題となるのは親が子どもの将来への不安から精神的に不安定になり、それがさらに子供に良くない影響を与え、悪循環になってしまうこと。そのため、不登校の場合は、特に親の精神的な安定が子どもへの支援の近道となる。 116 こどもが相手や場所によって態度を変えることは、必ずしも悪いことではない。むしろ、学校と家での態度が違うのが普通。それは子どもなりの処世術であり、将来的に必要となるスキル。 123 親は子どもを単に称賛されることよりも、しっかり見てくれることを望んでいる。単に子どもを褒めるだけではなく、親のニーズを正しく知ることが大事。 ただし、ネガティブなことばかり伝えると、親は「先生は子どもの悪いところしかみない」と拒否的になることもある。子どものできるところ、苦手なところ、いいところ、課題点などを整理して一緒に伝える。 親に「お子さんのことで困っていることはどのようなことでしょうか」と聞いてみるのもよい。 それらに傾聴した上で、親の頑張りや苦労を労い、子どもの状態を正しく共有することからスタート。 これまでどのような関りが効果的であったかを親から教えてもらう。 154 自分の学びへの「やる気」が、社会の一員として繋がることができ、そこに喜びがあると子ども自身が感じられたとき、学びの本質が学歴や稼ぐ力、不幸や孤独からの脱却を超え、「使命感」につながっていく。 156 私たちが望む本当の社会は、ただ強さだけを求める場所ではない。弱い人に「強くなれ」、できない人に「できるようになれ」と、ひたすら個人の努力だけを求める社会を人々は望んでいない。 我々はみんな年をとって弱っていく。そんなときに望むのは「生き抜く力」を身につけさせる社会ではなく、「弱いものが弱いものであることも、許してもらえる社会」なのでは。 今思うのは、何もしていない、何も持っていない自分を愛し大切にできる力を育むことこそが、学びの最初の一歩。
1投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログ学習塾の講師です。 学習の成果が全く上がらない子どもにどう接するかヒントがほしくて読みました。 目標と見通しの概念、国語の重視、注意すべき発話、子供の成長ペースとカリキュラムのズレなど得られるものはありました。 ただ、巻末にて、本文で登場した不幸な生い立ちの子どもの正体が種明かしされるのですが、本書の教訓が一気に「子供を不幸にしないためには親が離婚するな」「親本位の再婚をするな」「親が幸せになれないことを子供のせいにするな」と変質してしまい、本文の内容が意味をなさなくなってしまうことに強い疑問を覚えました。
0投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログ面白かった。頑張れない子どものやる気に少しでも繋がるように、見通し、目的、使命感の三つのポイントで解説。読みやすいし分かりやすかった。 読んでいて、大事にしたいと思ったことを以下3点。↓ 言いがちな、だから言ったじゃないを呑み込んで、つらいのは子ども、とつぶやき、ねぎらいと悔しさに共感してあげること。分かることに重きを置きすぎず、分からないことに耐える力、分からないことがあっても頭の片隅に置いておく力の方が大切だから、分からなくても大丈夫と伝えてあげる。 話を聞いているつもりになっていないか、つい説教やアドバイスをしがちだが、それよりこどもが話をしてくれることに意味がある。内容が正しいかどうかはさておき、なぜそのことを大人に話そうとしたのか考えることが大事。 勉強についていけなくなるのはなぜか、発達はどの子もどの領域も万遍なく進むのではない。どの子でもついていけなくなることは十分にあり得る。ついていけないことを嘆くより、努力や諦めない粘り強さを支えるのが大人の役割。
0投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログ児童精神科医である宮口辛治さんと現役小学校教員である田中繁富さんがタッグを組み、「頑張れない子」にどうアプローチして、やる気を醸成していくかを書いた本です。 対談本ではないので、そこだけは注意していただきたい。 この本の要諦はさまざまな理由で頑張れない子に対して、見通し、目的、使命感の3つの段階を用意することによりやる気を育んでいくとしています。 これに関して引用します 見通しは、どれだけ自分の目的や目標が達成できるか、もしくはその努力が報われるのか、といったもので、言わば地図のようなものです。 (中略) 目的は、なんのために頑張るのかを具体的にイメージできる一つのゴールとも言えるものです。 (中略) 使命感は、目的の先にあるものです。地図の例ですと、その目的地に無事着つけたとして、そこで何をしたいのかということです(p4〜5) これら3つを活用することにより、やる気が出ない子に対してアプローチしていくことになります。 この本ではそのことを明示した上で、見通しを持たせるために、目的を持たせるために、使命感を持たせるためにさまざまなやり方が書いてあります。 私が一番か心に残ったところは第2章 子どもの目的をささえるためにの中にある 「うん」そのまま信じるな の箇所です。 この箇所では子どもは大丈夫?と訊かれると反射的に「うん」と答えてしまうと書かれています。それの対応として、額面通りに受け取るのではなく、さまざまな方法で本心探るべきであると書かれています。 ここではなぜ反射的に「うん」と答えてしまうのか考えてみます。 そもそも大人が子どもに気にかける際、その心情は不安という感情に支配されているのだと思います。子どもに何かを訊くとき、大人は常に見守る責任がまとまりつきます。子どもを守ると言えば聞こえはいいかもしれませんが、その実、子どもという庇護下に置かれた対象に対して、この子はこれぐらいのことは理解できているのだろうか?という不安に駆られているために、子どもに訊くことで安心を得たいという心理が働きます。「この子は本当にわかっているのだろうか?」という問いかけに子どもは敏感に察することができます。 ここで「うん」と答えなかったらその後の展開としてめんどくさいことを訊かれるかもしれないと。それを察知して、子どもは「うん」と答えるのであると考えます。 その際に大人としてできることは、日頃の子どもの関係性を構築していくとであり、その関係性を保つために、大人は子どもにとって「安全基地」でなければないのだと思います。 その一つが常日頃からのコミニュケーションなのだと考えます。 最後に第3章で使命感に関してとても興味深いことをが書いてありますので引用します 自分の学びへの「やる気」が、社会の一員として繋がることができ、そこに喜びがあると子ども自身が感じられたとき、学びの本質が学歴や稼ぐ力、不幸や孤独からの脱却を超え、使命感に繋がっていくことでしょう。(p155〜156)
1投稿日: 2025.06.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。『ケーキの切れない〜』と同じ作者らしく、一つ一つの教育観に愛情が存在していることを実感させられる文体だった。 特に第3章の「義務教育」に関する見方が感情豊かでとてもよかった。 「おわりに」でこの愛情の背景が書かれるのだが、自分の人生よりもよっぽど重苦しいもので、そんな中で、これほど愛情を持って人を見ることができる人がいることに驚いた。読んでよかった。
0投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルにある「導く」ことを、著者は示していない。昭和的教育スタイルである強制的な教え込みではなく、子どもたちの状況を鑑み、適切に支援するということである。田中繁富氏が著した「おわりに」が最も印象的で、簡単に「がんばれ」と言ったり、「こうしよう」とアドバイスしてはいけないなと痛感した。ただ、充分に愛を受け、経済的にも余裕のある子供たちは支援する必要はないのか、という疑問を抱いた。
0投稿日: 2025.05.14
