同じテーマ（大正時代、家族に虐げられている、乙女、恋愛）で人気作家四人が執筆したアンソロジー。 このテーマがお好みなら買いです。 大正→令和約100年、時代を超えた人々の恋愛に想いを馳せる時間を過ごせます。

「帝都百貨店の職業女史 天王寺さやか」 蔑まれ過ごしていた日々。 自分が第一で他のことなど何も考えていないからこそ、少しずつ変わりゆく立場にすら気付けなかったのだろうな。 「朱雀が紡ぐ恋 卯月みか」 身体の弱い娘の使い道は。 命の危機に瀕する可能性があると分かっているというのに、こんな酷い扱いをしていたら誰だって見限るだろうな。 「将官と男装令嬢の恋 みちふむ」 背の高い女の子はいらぬ。 可愛さとは無縁になってしまうかもしれないが、本人が気にするよりも家族が虐げていたら自分を殺すばかりだろ。 「龍神様の許嫁 望月麻衣」 長女として迎えた理由は。 顧客が離れていった時点で、今までと何が変わったのか考えて理解することが出来ていれば少しはマシだっただろ。

大正浪漫時代の物語。｢女は、、、｣って言われるのが当たり前の時代。いつの時代も夢に向かって努力をする女性は、かっこいい。

華麗な文明開化の時代、周りに虐げられながらも4人の主人公が自らの幸せを掴んでいくシンデレラストーリー。男性優位の社会の中で、たくましく、美しく、前向きに自分の人生を切り開いていく主人達の姿が格好良い。「帝都百貨店の職業女史」と「龍神様の許嫁」が好き。

こういうの、本当に好き。 大正浪漫の中の少女たちの恋。 特に１作目の天花寺さやかさんのが素敵。 当時では、まだ珍しくて、世間的に認められてもいなかった「職業婦人」の先陣を切った虐げられた少女。 なんて美しいのだろう。 他の３編も、それぞれを単独で読めば、ものすごくテンションが上がるであろう素敵なお話たち。 でも、思った以上にそれぞれが似通っていたのが、、、 １編目で大いに盛り上がり、２編目でちょっとあれ、となり、３編目、４編目は、、、 でもでも、それぞれは本当に素敵で好きな作品だった。