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秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚
秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚
木下昌輝/徳間書店
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総合評価

36件)
3.9
8
14
10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    徳島藩は藍の生産が盛んだったが、大阪商人の支配に苦しめられていた。蜂須賀家の徳島藩は借金が30万両に及び財政破綻の瀬戸際にあることから、新しく領主となった蜂須賀重喜のもとに藩政改革を進めようとする。 阿波には、秘色に染めた品を友と共有すれば互いの願いが叶う、という特別な言い伝えがある。柏木忠兵衛は、藩主と約束した秘色の手拭いを身に着け支え続ける。時間はかかったが、藍大市を立ち上げ大坂の商人が支配していた阿波の藍の取引を他国の商人に開放した。 藩政改革で藩を立て直す青年家臣たちの成功物語を期待して読み進めたが、最後の展開があっさりしすぎて物足りない。亡くなった兄と巻き込んだ剣客との確執、片頬に火傷の痕がある商人、藩主の暗殺未遂事件など、ちょいちょい出てくるエピソードが余計で冗長に感じる。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    徳島藩蜂須賀家藩主を他家から探し、政に全く興味ない藩主となった重喜と忠兵衛ら3人の仲間で、政を牛耳っていた五老や、藩を乗っ取ろうとした日本藩と戦い、徳島藩の藍玉で繁栄をと奮闘する。

    0
    投稿日: 2025.09.16
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    ちょうど盆を迎え、徳島の阿波踊り特集を見ていた時に読んだ。フィクションだと思ったら実在した人物の話でますます興味をもって読み込んだ。 実は藍が徳島の特産だということも知らなかった。あれだけ『あきない世傳 金と銀』を読んでいたのにそんなの書いてあったっけかな?笑 借金まみれの徳島の藩主を迎えるべく、江戸のお家の部屋住みの次男を見つけるがこの人物が政には興味がなく趣味に没頭するタイプでその趣味を高じて博識なもんだから一旦政にはめるととんでもなく化けて藩政改革の声を上げた。ただ、人と接する事のなかった御殿様なので人情がない。そんな藩主を操舵しようとする家臣と、従来通りの古きを重んじる家老との対立、そして徳島そのものを乗っ取ろうとする殺し屋改め商人、徳島の石を食む公家落ちと二転三転と話がひっくり返り読んでいてハラハラする。でもまぁ読んでいてほんと人は階級に見栄っ張りな生き物だなぁと思う。博識の前に家格がなんの利があろうか、重喜はそれを知っていたから政に口を出したくなかったんだろうなと。 歴史上有名ではないものの、これだけ波乱に満ちた藩主もなかなかおらず、小説を書くにあたりよくこんな人物見つけてきたなと感心する。

    0
    投稿日: 2025.09.01
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    Amazonの紹介より 三十万両もの巨額の借財を抱える徳島藩。藩政改革を担ったのは、型破りな人物だった。気鋭の作家・木下昌輝が、現代にも通じる政治改革と、経済立て直しを目指す藩主と家臣団の奮闘を描く。阿波には特産の藍があった。江戸時代中期の宝歴3年(1753年)から、明和6年(1769年)に起こった徳島県蜂須賀藩のお家騒動の真相とは…。 徳島藩蜂須賀家の物頭、柏木忠兵衛は新藩主候補・佐竹岩五郎との面会のため、江戸に急いだ。藩の財政はひっ迫している。新たなまとめ役が必要だった。しかし――。 「政(まつりごと)には興味なし」 新藩主となった岩五郎改め、第十第藩主・蜂須賀重喜はそう言い放つ!家老たちの専横に抗して、藩主の直仕置(直政治)による藩政改革をめざす忠兵衛ら中堅家臣団。対立が激化するなか、新藩主が打ち出した驚きの改革案とは!?そして、徳島藩を狙う大がかりな陰謀とは……。「殿と一緒にやりたいのです!」 アクション&サスペンス満載、著者渾身の痛快歴史エンタテイメント長編!徳島藩を二分する家臣団の対立が勃発する。新藩主として第十代藩主・蜂須賀重喜を迎え、気鋭の中老たちは、藩政改革と藍玉の流通を取り戻そうと闘い始めた…。ところが、新藩主はあまりにも斬新な改革案を打ち出した!特産品の「藍」は借財に苦しむ藩を救うのか? 「改革で大切なのは、人の心を変えること!」 直木賞候補作ということで読んでみました。 古い体制から新しい体制へ。 人を巻きこんで改革を進めることの難しさ・大変さを感じましたし、成し遂げようと奔走する描写がエンタメ性もあって面白かったです。善人側、悪人側といった立ち位置がしっかりとしていて、想像しやすかったです。 個人的に全員の登場人物を紹介してほしかったです。 主要メンバーだけだと、サブキャラがどんな人だったとか振り返れないので。 他にも、藩の人達を支える妻の存在も大きく、全体的に緩急があって楽しめました。

    2
    投稿日: 2025.08.23
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    なんというか、こう話の展開がやけに早いというか。ちょっとした場面展開でさらっと数年が過ぎたりして読んでいて面食らうことも。こういう書き方されるのって大体史実が元になった感じで年表通りに進んでるからってのが多いんだよなあ・・と思ったらホントにそうだった。まあ日本藩だとか人斬りとかはフィクションでしょうけど。 だからこう、藩政の改革という現代でいう会社小説っぽい感じかと思いきや金蔵みたいな悪党との大立ち回りなんてのまであって・・・話のバリエーションに富んでいるようなどっちつかずなような。

    1
    投稿日: 2025.07.09
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    阿波徳島藩の改革と頓挫、お飾りの殿様をその気にさせ家老たちを除き藍玉を軸に藩政を立て直す物語。日本藩ならぬ盗賊の暗躍などエンタメとしても面白い。

    1
    投稿日: 2025.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    歴史物の小説は読みづらい気がして読まず嫌いしてたけど、こんなに面白いとは…!! どうかな〜と思いつつ、直木賞候補作だからと信じて読んでみて本当によかった。 超簡単にいうと、江戸時代を舞台にしたお仕事小説って感じ。 重喜の、良くも悪くも一貫して正しいと思うことを求め続ける姿勢が私の会社の上司に本当にそっくりで、振り回されまくりの忠兵衛に共感しっぱなしだった。 大変だよな…しかも言ってること正しいから厄介なんだよな…忠兵衛わかるよ…と心から思った。 また、実際にあった制度や文化がたくさん出てくるので、めちゃくちゃ勉強になるし興味深い。 ちょっと調べてみたらあまり歴史的な観光地とかはないのかも?と思いつつ、徳島行ってみたくなった。 ストーリーとしてもハラハラドキドキする部分もあり、最後までノンストップで読み進められた。 最後は若干あっさり終わった?とも思ったけど、全体を通して大満足の一冊だった。

    0
    投稿日: 2025.06.18
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    教科書に載ってないけど、どこの藩もいろいろあったのだろう。 それぞれの地方では詳しく教えているのかな。

    0
    投稿日: 2025.05.25
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    悪党の金蔵含め登場人物が皆、魅力的。藩に殉じるか主君に殉じるか、誰もが大義を掲げ板挟みに…やるせない。「借財をそのままにしておけば、確かに今は争いが起きない。誰も不幸にはならない。しかし、十年後、二十年後に地獄を迎える。わしの息子や孫のためにも改革をなす」人気取りの為に借金膨らませるだけの現代の政治家に読んでもらいたい…「どうせしくじるなら、足掻くだけ足掻いてからしくじったほうが気持ちが良いでしょう」忠兵衛の妻いい。いつの世も女性は強し。徳島ブルーは知らなかったが、4月の遍路でも藍に関わった人物の銅像が道端にあったなぁ。

    0
    投稿日: 2025.05.16
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    財政難の徳島藩を救うべく、改革を進める新藩主の重喜。 途中、家臣の誰が敵か味方か入り乱れてわからなくなってしまったり、重喜が多くの人が反対する政策を打ち出したり…と、なかなか荒れた展開だなと思いながら読んだ。 でも、史実に基づいた小説だということで調べてみると、内容とほぼ一致している。 江戸時代って実際にこんな感じだったの?と改めて驚いてしまった。 急展開に戸惑いつつもテンポよく物語が進んでいくので、どっぷり浸かりながら読んだ。

    41
    投稿日: 2025.04.19
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    ようやく、、 面白かった。若くて熱いわ。 個人的に徳島というと、若い頃は毎年何度か遊びにいったりして、 和歌山と文化やら味付けやら、妙に似ているところもあって、 勝手に親近感を抱いてます。 あと、蜂須賀氏というと、鳥屋的には蜂須賀正さんが すぐに頭に出てきます、ドードーの研究者。 藍産業も有名ですよねぇ。 重喜のころに日本国内の藍をほぼ独占してたとか 習った記憶があったんだが、 吉川本とか読んだ記憶が、、 なんか、田沼意次っぽい重喜だったような、、内容がおぼろげだが。 ともかく、本作 大変軽く読みやすく、テンポもいいし ほんとのところはともかく、 重喜像としてはするりとはいってきた。 まあ、老害とか凝り固まった組織VS若く新しい波 テンプレとはいえ、テッパンですな。

    25
    投稿日: 2025.04.16
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    徳島藩の財政危機を乗り越えるために小藩の部屋住み次男坊を藩主を迎える。弁の立つ藩主がやる気を出した時、画期的な改革が始まる。 巻頭に登場人物の顔の絵並べられていて、イメージが掴みやすい。

    0
    投稿日: 2025.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    R7本屋大賞?直木賞?ノミネート? 三十万両もの巨額の借財を抱えた徳島藩 藩政改革を担ったのは型破りな人物だった 特産品の藍は借財に苦しむ藩を救うのか? どんなもんだろうと読み始めたが、テンポもよくて面白く読めた 少し心情描写に迫力が欠ける感があって、のめり込めないというか、サラッとし過ぎてる感があった 時代劇としてはニッチなだけに、好きな人はいけるし、ダメな人はダメだろう。

    0
    投稿日: 2025.03.25
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    史実に基づいているそうだが、かなり乏しい史実からよくもまあこれだけのアクション・サスペンス・エコノミー物語を紡げるものだと感心した。人物が活き活きとしていて250年の時を感じさせない。史実そのものも全く知らなかったが、とても勉強になると同時に面白かった。

    1
    投稿日: 2025.03.18
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    先ず、カバーイラストで損をしているような…、初手から軽く見えてしまっています。「まぁ、古き良き時代のチャンバラ映画のイメージか?」と良い方に捉えて読み始めましたが……。 ストーリーも色々と詰め込み過ぎに感じ、ボヤけた印象でした

    0
    投稿日: 2025.03.11
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    これほど面白いとは思ってなかったが直木賞候補作だったと知り納得した。徳島藩の改革に奮闘する若い武士たちのそれぞれの思いや奮闘ぶりに惹きつけられた。他家から迎えた藩主の頭の良さにも敬服した。 長い年月を要する努力がどう実を結んだのか、史実に基づく小説らしいからいつか調べてみよう。

    7
    投稿日: 2025.03.09
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    江戸中期、末期養子として阿波徳島藩主となった蜂須賀重喜が進める藩内改革。 旧態依然とした藩政により借財30万両の財政危機にあった徳島藩で、適材適所を狙った約席役高の制、支出を抑える倹約令、大阪商人の良いようにされていた特産品の藍の藩専売化による藩収の増加など、打つ手は正しく思えるが、作中で忠兵衛らが「百年早い」と言うように性急過ぎるきらいはあった。 歴史ものだが、あくどい大阪商人金蔵、怪しい平島公方(実在)などを配し、5家老の失脚などの史実も絡めて、権謀術数渦巻くエンタテインメントとなっている。 重喜を頭が切れすぎ人心に疎い人物としていることで、物語は成立している。 重喜の改革は、その後の阿波国文庫、藍大市などで実を結び、全国の藍商人が集まる徳島は大いに賑わったという。 重喜は最後に押込となるが、大分以前に読んだ笠谷和比古の「主君「押込」の構造」の第一章がまさにこの阿波蜂須賀家の君臣抗争となっていた。再読せねば。

    1
    投稿日: 2025.03.07
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    史実に基づいた時代小説。30万両の借金を抱えた徳島藩。頑迷な5人の家老達と中堅若手4名の若手藩士が藩の運営で対立する。4名の固い約束が「秘色の契り」となり、これが他藩より養子に入った殿様にまで繋がる。この殿様が問題児で賢いのか馬鹿なのか、味方なのか敵なのかハッキリしない。やっと若手と動き始めたら、皆んなが反対する策を唐突に推し進める。 強引な計略で5人の家老を没落させて、若手を家老にする。ここまでは良いのだが、突然、謎の集団が現れてきたり、また反対された策を推し進めようとする。 最後は信頼で結ばれた4人にもヒビが入る。改革が実を結ぶのは100年後とか。途中からスッキリしない展開に気が重くなってくる。史実とは言え、もっと明るい結末は無かったのだろうか?

    62
    投稿日: 2025.03.04
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    これも前回(24年下半期)の直木賞候補作。これで読むの受賞作入れて4冊目だが、どの話もさすがにしっかりしてる。江戸中期の阿波蜂須賀藩の話だが、全く知らなかったので興味深かったし、重喜と忠兵衛のタッグは面白かった。でも、ちょっと文章が読み辛かったな。木下さんの作品は結構出てるようだし、他のも読んでみよう

    0
    投稿日: 2025.03.03
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    心理戦 (謀 (はかりごと)) が表に出て, 作者特有の荒事が少し引っ込んだ感じを受けたが,心境の変化,葛藤などでの山場も多く,読み応えがあった.直木賞を逃したのが,つくづく残念. 特に「納豆」までの緊張感が,個人的には良かったと感じている.

    0
    投稿日: 2025.02.24
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    2025.2.19発売の雑誌『CU』の書評コラムで紹介させていただいた1冊。直木賞候補にも選ばれた歴史エンターテインメント!ばちくそ面白かった!! 舞台は江戸時代の阿波藩(今の徳島県+淡路島)。 改革を進めたい殿様と、既得権益を守りたい老中たち。混乱する徳島から漁夫の利を得ようとする大坂の商人たち。今の政治ドラマにも共通するところがあり、昔からこんなんやってたんやな~と思わずにいられなかった。

    2
    投稿日: 2025.02.23
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    徳島藩の藩主となった蜂須賀重喜は明君か暗君なのか。その政治手腕はいかに評価されるのか。歴史が評価するのだろうが、政治を動かしている当時の当事者は何が正解なのか模索しながら政を進める。政治改革が必要なのはみんが分かっているが、何をやろうとしても必ず反対する人も出てくるのは現代と変わらない。100年先を考えて重喜と柏木忠兵衛は藍で染めた手拭いで誓いを結ぶ。政敵との謀略が飛び交うところ、やり遂げる姿は爽快だ。時代小説だが現代小説のようにも読める。それだけ人間のやることの本質は変わってないのだなあと改めて思った。

    6
    投稿日: 2025.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    江戸中期の阿波藩改革歴史小説。 10代藩主蜂須賀重喜が藍産業にて藩政改革を使用とする物語で、資料が少なすぎるようで物語としては作りやすくもあり作り難くもありそうです。 その点はさすが著者に抜かりはありません。 虚実ないまぜの登場人物が悪と正義に対峙して奮闘するのは、時代劇としても経済小説としても政治小説としても面白くできていると思います。 史実に則っているため、勧善懲悪でハッピーエンドとはならないのですが、後日譚の余韻も含めて、良かったと思える小説でした。

    1
    投稿日: 2025.02.12
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    ●読前#秘色の契り 歴史小説は、登場人物が多かったり名前が覚えづらかったりで没入できないことが多く、相性が悪いジャンル。本作は普段ならスルーだが、芥川&直木賞候補作は思い込みは捨てて手にすると決めている。結果はどうであれまずは読んでみる https://mnkt.jp/blogm/b241101a/ ●読後#秘色の契り 苦手意識のある歴史小説なのでおそらく途中で断念、と思っていたが間違いで、先の展開が気になりすぎてのまさかの一気読み。ページ初めにあるイラストの登場人物表のおかげで展開をちゃんと理解することができ、没入できて楽しめた https://mnkt.jp/blogm/b241101a/

    5
    投稿日: 2025.02.05
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    徳島藩の新藩主になった蜂須賀重喜を支え、特産品の藍を守り抜こうとする忠兵衛ら改革派vs旧態依然に甘んじる家老らとの対立。『改革に大切なのは、人の心よ』重喜が説く一言が重く響く。第172回直木賞候補作。

    1
    投稿日: 2025.02.01
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    船上乱闘最中の重喜に、よきリーダーの姿を見た。が、彼は果たして明君なのか、はたまた暗君なのか。一体それは、誰が決められるというのか。

    0
    投稿日: 2025.01.27
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    型破りな末期養子の性急な改革に振り回されながらも、忠義ではなく友情に近い眼差しで共に窮状の徳島藩を救おうとする忠兵衛の芯の部分が好きだった。分かり易いキャラクター付け、勧善懲悪、エコノミクス的視点と読んでいて(あまりこういう表現はしたくないのだけど)普通に面白いし安心感がある。ただ一方でレシピ通り行儀よく出来上がったきらいもあって、読み手の満足度の計算が減点方式なら強いと思うけれど、逆に加点方式だとやや弱くなってしまうのではないかと思った。

    0
    投稿日: 2025.01.17
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    徳島藩の末期養子となった蜂須賀重喜と家来の忠兵永衛をはじめとする若手が、藩政改革と藍産業にまつわる制度改革を進めようとするのだが…。 序盤から登場人物が殺害されたり死罪になったり、かなら殺伐とした話かと読み進めたが、中盤からは愚昧かと見えた重喜が才気を見せるのが爽快になる。 分かりやすく強い悪役もあり、四面楚歌な状況をどの様に解決するのか、等など。 面白く読まさせてもらいました。

    0
    投稿日: 2025.01.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    歴史小説は苦手なのですが、こちらの小説は前のめりで読みました。 登場人物の描き方がストレートだからかもしれません。 正しい人間は最後まで正しく。 悪い人間は最後まで悪く。 人の立場があっちに行ったり、こっちに行ったり、と変わらないからかもしれません。 それにしても、旧体制を新体制に変えるのは、本当に難しいですね。 旧体制で得をしていた人間がそれなりの地位についている事が多いので、そう簡単には変わらないんですよね。 そんな旧体制に立ち向かうためには、カリスマ性のあるリーダーとその部下たちが一丸となる必要があります。 私は、この本を読んで、リーダーに必要な要素を学びました。 ・人を信じる忍耐力 ・人を巻き込む力 ・人を動かすカリスマ性 それらに「運」がプラスされた時、「一丸」が生まれ、実力以上の力が出せる組織が生まれるのでは?と感じました。 この小説に出てくる重善ら新組織は、かなりいい線いってるんですけどね。 重善はいかんせん短期なもので。 自分が実行したいと思った施策をすぐに導入しようとするんだな。 合理的に正しいものでも、人の心とはそう単純なものではないのですよね。 人の心を動かしてこそ、導入した施策が活きる。 重善もそのことは学んだと思うのですが、最後の最後に我が出てしまいましたね。 ラストも非常に現実味のある感じで、面白く読ませていただきました。 歴史ものが苦手な方でも、サラリーマン小説のような感じで読めるストーリーとなっております。爽快感がある! 明日も頑張ろう!

    26
    投稿日: 2025.01.14
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    お役所はいつの時代も現状維持派と改革派のせめぎ合い、ということで阿波藩主「蜂須賀重喜」な時代のお話でした。現状維持だといずれ財政破綻する、、というシナリオは超高齢化社内を迎えた現代の国家予算と共通なような。。。 読みやすさとスピード感で、サクサク読めてしまいました。ブクログレビューでどなたかが書いてましたが、池井戸潤作品のような味わい、、、確かに。 途中、”賄賂好きで有能”な田沼意次に関する記述も出てくるのだが、ちょうど今月から始まった大河ドラマ『べらぼう』で渡辺謙演じる田沼が賄賂をもらっているシーンを観たばかりなので、なるほどと思ってしまいました。

    0
    投稿日: 2025.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第172回直木賞候補作。歴史に沿っているけど、すごくエンターテイメント。中盤はとにかく一気に読みました。

    1
    投稿日: 2025.01.13
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    江戸中期の徳島を舞台に、巨額の借財を抱えた藩の財政改革に臨む藩主と取り巻き達をめぐる物語。 本人が望んだわけでもないのに半ば強引に藩主に据えられた男の、周囲に対しての空気の読まなさっぷりが面白く、破れかぶれじゃないんだろうけど、軋轢をも恐れぬやり方で改革を進めていく破天荒な姿が物語に勢いを与えていると思う。 徳島藩の状況は利害関係者にがんじがらめにされて何もできない現代の政治状況にも通じており、このあたりはこれまでの著者の作品の、良く言えば豪快で、悪く言えば荒っぽい作風とは一味違った印象を受けた。 もちろん著者の得意技である残酷な描写も、元盗賊である大坂の悪徳商人にまつわる陰謀部分で存分に描かれている。もっとも太平の世と言われた時代に、ここまであからさまな極悪人をあえて創作する必要があったのかというと、バランス的にちょっと微妙な気もするんだけど、きっとそこは著者のエンタメサービス精神が存分に発揮された結果なんだろうなと思う。

    0
    投稿日: 2025.01.13
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    これは江戸時代物における池井戸潤作品かと思うような大逆転のストーリー。何度も鳥肌がたちました。 徳島藩というあまり馴染みのない場所の江戸中期を舞台とした藩政の大改革を志す物語。 タイトルの秘色という言葉、全くピンと来ませんでしたが熱い誓いはここから始まります。

    1
    投稿日: 2025.01.02
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    途中、緊張が走ってからはもう止まりません。なんだこれは。ずっと緊張したまま読み続けないといけない。またまた当直明け一気読みの作品でした。

    26
    投稿日: 2025.01.02
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    第172回直木賞候補。 借財に悩む阿波の国で末期養子で藩主となった蜂須賀重喜と彼を支える若い(身分の低い)藩士たちの奮闘を描いた時代小説です。 藩政を憂う主人公たちは、既得権益を守ろうとする家老たちと対立し、新たな「名君」を求めて重喜を藩主として迎え入れます。 藩内の反発を受けながら、少しずつ改革を進めてゆく様子や、藩内外の反対勢力に一つずつ打ち勝ってゆく過程は見ごたえがありますし、韓国ドラマを見ているようなワクワク感もあります。 お互いに策をぶつけ合う頭脳戦や経済をめぐる対立は「半沢直樹」シリーズを彷彿とさせるでしょうか。 「誰の味方か」という旧来の武士らしい考え方から離れて、藩主と家臣の対立の間で自分の歩む道を迷う忠兵衛の姿と彼の決断は、何が正しいのかを自分なりに考え、時間をかけてもそれをやり遂げようと努力することの大切さを改めて感じさせてくれるものだと思います。 登場人物全員が歓喜するハッピーエンドとはなりませんでしたが、読後感の清々しい小説でした。

    7
    投稿日: 2024.12.18
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    直木賞候補作。 徳島藩の藩主と側近たちが藩政を立て直すため戦う熱い物語。 展開がはやいので読みやすい。 側近たちの熱量と行動にはいまいちピンと来ないところもあった。私が歴史小説をあまり読んでこなかったからかもしれない。また、登場人物が多い分、それぞれの背景についてあまり言及されていないのも影響していると思う。 ただ、藩主、蜂須賀重喜のキャラクターがとても魅力的だったことを加味して☆4。 痺れました。素敵。 徳島の藍染を体験しに行こうと思う。 読んで良かった。

    1
    投稿日: 2024.12.17