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100歳健康みそ汁
100歳健康みそ汁
石原新菜、岩崎啓子/扶桑社
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総合評価

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    はじめに:毎日1杯の「みそ汁」で目指す100歳健康長寿 本書『100歳健康みそ汁』は、日本の伝統食であるみそ汁が持つ驚くべき健康パワーに光を当て、医師と管理栄養士の監修のもと、その多岐にわたる効果や具体的なレシピを紹介する一冊です。発酵食品であるみそは、免疫力向上、老化予防、生活習慣病予防に効果が期待されるスーパーフードであり、みそ汁はこのみそを手軽に多様な具材と共に摂取できる優れた料理です。腸内環境を整える成分(乳酸菌、オリゴ糖、メラノイジン、食物繊維など)が豊富で、必須アミノ酸9種、ビタミンB群、ビタミンE、レシチン、ミネラルなどもバランス良く含まれる栄養の宝庫であることが強調されています。本書は、医師の石原新菜氏による健康効果の解説と、管理栄養士の岩崎啓子氏による実践的なみそ汁レシピ(たんぱく質が摂れるおかずみそ汁、体調別健康みそ汁など)で構成され、「切る」「煮る」「みそを溶く」という3ステップで手軽に作れ、無理なく続けられる健康法として、毎日1杯のみそ汁習慣を提案しています。 科学が解き明かす!みそ汁の驚異的な免疫力アップと栄養価 第一章では、医師の石原新菜氏が、みそ汁が持つ様々な健康効果を医学的見地から詳しく解説しています。古来より「みそ汁は医者いらず」と称されるように、日本人の健康を支えてきたみその力は、発酵過程で栄養価が一層高まることにあります。みそ汁は、この栄養豊富なみそに加え、具材の野菜や肉、魚などからさらに多くの栄養素を効率よく摂取できる料理です。特に、みそ汁に含まれる乳酸菌、オリゴ糖、色素成分メラノイジン、そして具材の食物繊維は、腸内フローラのバランス(理想は善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1)を整え、リンパ球の働きを活性化させることで免疫力を高める重要な役割を果たします。また、みその主原料である大豆は良質な植物性タンパク質が豊富で、発酵により9種類すべての必須アミノ酸を含むようになり、ビタミンB群、ビタミンE、レシチン、イソフラボン、ミネラルなども豊富に摂取できる、まさに栄養の宝庫であることが図解と共に示されています。 生活習慣病から守る!がん・高血圧予防とみそ汁の抗酸化パワー みそ汁の健康効果は免疫力向上や栄養補給に留まりません。大豆に含まれるリノール酸、サポニン、大豆レシチンなど7つの成分が血中悪玉コレステロール値を低下させる働きが期待されます。さらに、国立がんセンター研究所の調査では、みそ汁を毎日飲む人は男女ともに胃がんによる死亡率が低いことが示され、特に男性では毎日飲む人に比べまったく飲まない人は胃がん死亡率が1.5倍になるというデータが紹介されています。喫煙者であっても、みそ汁を毎日飲む方が胃がんリスクが低いという結果も注目されます。乳がんに関しても、厚生労働省の調査から、みそ汁の摂取量が多いほど発症率が減少し、1日3杯以上飲む人は40%もリスクが低下する可能性が示唆されており、これは大豆イソフラボンと女性ホルモンの関連が考えられています。また、みそに含まれるペプチドには血圧上昇ホルモンの生成を抑え高血圧を予防する効果が、みその褐色の素であるメラノイジンには強い抗酸化作用や食後血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待され、生活習慣病予防への貢献が多角的に解説されています。 今日から始める!絶品みそ汁の作り方と時短「みそ玉」活用術 本書では、みそ汁をおいしく、そして手軽に生活に取り入れるための実践的なコツも紹介されています。コラム1「おいしいみそ汁のつくり方」では、基本の3ステップとして材料を「切る」、だし汁で「煮る」、みそを「溶き入れる」という簡単な手順が示され、カツオだしや煮干しだしの本格的な取り方も写真付きで丁寧に解説されています。忙しい現代人のために、カツオ節を使った簡単な「速攻だし」や、だしパック、顆粒だしの活用法も提案されており、無理なく続けられる工夫が凝らされています。さらに、粗びき黒コショウ、七味唐辛子、粉山椒、ユズコショウといった薬味を加えることで風味を変え、飽きずにみそ汁を楽しむアイデアも紹介されています。加えて、コラム2では「みそ玉のすすめ」として、みそに好みの具材(カツオ節、乾燥ワカメ、ネギなど)を混ぜて丸め、お湯を注ぐだけで手軽にみそ汁が作れる「みそ玉」の作り方と保存方法が提案されており、忙しい朝や一人分の食事、お弁当にも活用できる便利な知恵として推奨されています。 たんぱく質を賢く摂取!元気を作る「おかずみそ汁」レシピ集 第二章「たんぱく質のおかずみそ汁」では、筋力アップや健康な体づくりに不可欠でありながら、現代人に不足しがちな「たんぱく質」を効率よく摂取できる、具だくさんのおかずみそ汁のレシピが豊富に紹介されています。肉(鶏ササミ、豚ひき肉、牛肉切り落としなど)、魚介(ブリ、マグロ、サバ缶、生鮭、イカなど)、そして大豆製品(豆腐、がんもどき、厚揚げ、高野豆腐など)といった、動物性と植物性の両方のたんぱく質源を活用した多彩なバリエーションが提案されています。例えば、鶏肉を使ったサムゲタン風みそ汁や、豚肉とキムチを合わせた韓国風みそ汁、サバ缶を活用した宮崎の郷土料理風冷や汁、鮭とバターの風味豊かなみそ汁、豆腐と豆乳を使った呉汁風みそ汁など、日々の食卓が楽しくなるような、栄養満点で満足感のある「食べるみそ汁」のレシピが満載です。これらのレシピは、たんぱく質だけでなく、野菜やキノコ類もたっぷり摂れるため、一品でバランスの取れた食事を目指す上でも非常に有効です。 医師実践の「みそ汁定食」と旅するみそ汁:日本各地の味と知恵 第三章「みそ汁が主役の長生き献立」では、監修者である石原新菜医師自身が子育て経験から実践している、具だくさんみそ汁を中心とした「みそ汁定食」という献立スタイルが紹介されています。将来の健康のために、添加物を控え、食材の栄養を丸ごと摂れる食事の重要性を説き、冷蔵庫にある野菜を何でも活用し、魚のおかず、簡単な小鉢、玄米ご飯を組み合わせることで、15分程度で栄養バランスの取れた食事が準備できるとしています。具体的な献立例として「サバの塩焼き献立」(豆腐・長ネギ・ナメコのみそ汁など)や「鮭のホイル焼き献立」(キャベツ・ワカメ・ジャガイモのみそ汁など)が、各料理のレシピと共に掲載されています。さらに、コラム3「味わいいろいろ! 全国みそMAP」では、北海道みそから九州麦みそまで、日本全国の代表的なみその種類とそれぞれの特徴(原料、色、味わい、香りなど)が地図と共に紹介され、コラム4「ごちそうから素朴な味まで! ご当地みそ汁」では、伊勢エビ汁(三重県)やタラのどぶ汁(新潟県)など、日本各地で愛される個性的なみそ汁が紹介されており、みそ汁文化の奥深さと地域性を楽しむことができます。 不調を整える一杯:症状別「パーソナル健康みそ汁」レシピ 第四章「体調別健康みそ汁」では、特定の体調不良や目的に合わせたみそ汁のレシピが提案され、日常的なセルフケアとしての可能性が示されています。例えば、「疲れ」にはビタミンB群やクエン酸が豊富な豚肉や梅干しを使ったみそ汁、「風邪」には体を温める鶏肉やショウガ、ビタミンA・C・Eが豊富な野菜を使ったみそ汁、「冷え性」には納豆や唐辛子、長ネギなど体を温める食材が推奨されます。「便秘」には食物繊維豊富なレンコンやワカメ、サツマイモ、「疲れ目」にはアントシアニンやアスタキサンチンを含む鮭やナス、「イライラ・ストレス」にはカルシウムやGABAが豊富なチーズや厚揚げ、「美肌」にはたんぱく質やビタミンA・C・Eが豊富なイワシや鶏手羽肉、「肩こり」には血行促進効果のあるイワシや鮭、ショウガ、そして「二日酔い」にはオルニチン豊富なシジミやリコピン豊富なトマトなどが効果的とされ、それぞれの症状に対して効果が期待できる栄養素と、それを含むおすすめ食材、そして具体的なみそ汁のレシピが紹介されており、日々の体調管理に役立つ情報が満載です。

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    投稿日: 2025.05.26