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小説 ゲゲゲの鬼太郎 ~蒼の刻~
小説 ゲゲゲの鬼太郎 ~蒼の刻~
水木しげる、大野木寛、井上亜樹子、山田瑞季、永富大地、東映アニメーション/講談社
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総合評価

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    アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』6期の設定をベースにした短編集。 各エピソードは6期の脚本家等が担当。 『鬼太郎』アニメは各シーズンごとに、世界観やキャラクターの性格も違うことで有名だが、こちらの小説もアニメ6期同様に「人間のほうが怖い」印象の話が多い。 個人的には、 ・恋に一直線すぎる思いこみの激しい骨女と、骨マニアの青年の恋を、テンション高めに描く『骨女』 (骨女の猪突猛進っぷりが可愛い) ・6期オリジナルキャラクターの犬山まなちゃんと転校生との出会いが、サスペンススリラーに発展する『貝稚児』 (まなちゃんがいると恐ろしげな話も毒が薄れて良い) ・アニメでも寡黙な脇役である印象が強いぬりかべの内面にフォーカスした『ぬりかべ』 (ぬりかべに対して「犬」というキーワードに、妖怪ファンとしてはニヤリとしてしまう) の3作が面白かった。

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    投稿日: 2022.07.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まさに6期鬼太郎テイストバリバリな内容でした。 どれもアニメ本編かと思える話ばかり。 ホラーながらはっちゃけたラブコメ話とか(骨女)鬼太郎をもってしても完全解決と行かない少し後味の悪い話とか(貝稚児)妖怪より人間の方が怖い話(妖怪おとろし)など。 まさかのぬりかべと子泣き爺の掘り下げ話には驚きましたが。 ぬりかべ、あんなに喋れたのか……アニメであの話をまんますると中の人大変そうな話でしたが(6期はぬりかべと子泣き爺は同じ方) 6期鬼太郎だからこそ書けたと思えるのは、「3・11の獏」 まさか、ここまで明け透けにあの日の話を書いてくるとは思いませんでした。 あの日は妖怪にとっても悪夢だったのかもしれません。 地味にCMのシーンが怖かった……あれは全国共通のトラウマだろう。 そんなトラウマを乗り越えた先、鬼太郎ファミリーの日常を描いて(みかん)それでほっこりな感じで終わるかと思いきや、ラストのラストで名無しの詩。 アニメで実際使用されていた詩かは確認できてないのですが、とにかく文字で見ると破壊力抜群でした。 怖い、地味に。 あの狂気で小説終わっていくのだから、6期鬼太郎、小説でも侮れない。 恐るべし。 (カテゴリーは水木先生のお名前で登録)

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    投稿日: 2019.07.01