
総合評価
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powered by ブクログ劣等感って時として刃に変わりますね。 れいちゃんの陰口はもう少しやるかな、と思いったけど結局みんな小心者なのが現実的でいいです。
10投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ成長やそのときの生活によって付き合う人が変わっていくのはふつうのことだと改めて思った 自分自身中学のとき親友と思っていた子でも高校が別になって、遊んだりしても話が合わなくてお互いに楽しくなくなった それでも中学卒業後から5年間は連絡を取り合う関係だった ふとこれは何のために続けてるんだろう?と思ったりしてそこから距離を取るようになって相手が社会人になったタイミングで完全に連絡を返すのをやめた 当時はひどいかな?とか考えることもあったけど今思えばあれでよかったし、その後の人間関係でも割とあっさりと関係を終わらすのが上手くなった その分深く付き合える友達は2人になったけどそんなもんでいいかな 無理して大勢と関わっても自分の心が疲弊するだけだと思えた 学生時代に住んでた所から社会人になって田舎に引っ越したとき周りの人の陰口や噂話の多さに驚かされた田舎特有なのか?暇だからなのか?わからないけど社会人になってそんなこと言ってんの?と思った だからもし今苦しくても環境さえ変われば全く違うタイプの人たちと出会えるから希望を捨てる必要はない 人との距離感や人の心に土足で踏み込んでくる人がいて困ってる人が読むとなにか変わるかもしれない本
0投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こういう人いたわ〜と思いつつ、 自分はそう言う経験がないな〜と 途中で気分が悪くなり読むのやめたが、全て読んだ 主人公が友達に毒を吐かれ、言い返したときもっと言い返してほしいと思った。毒友がひどかった。 でも毒友にも事情があるみたい。最後誤ってたけど主人公はメールを返信しなかったことに、強い意志を感じた。
0投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログこういう関係性ってそのへんにあるんだろうなぁと思う。れいちゃんの気持ちもわからんでもないような気もするけど、その方向性なのかと。
2投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログ砂を噛むような、じゃりじゃりした気持ちに毎度なる笑 れいちゃん嫌だな〜。大人目線で読むと「早く距離置けばいいじゃん」ってなるけど、でも学生の時なんて、周りの友達が世界の全てだからわかるな〜。 栞のように気の合う友達と仲良くなれて良かった。
1投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「毒」と言う言葉がやっぱり思い浮かんだ。 中高時代の(とくに)女子ってなんだかこういう人間関係があるんだよね… 後半栞さんが現れたくらいから、希望が見えてきてよかった。
2投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
れいちゃんみたいな子っているよなぁ。 人を小馬鹿にして見下して、噂や陰口で周りの関心を引こうとする。馬鹿にする相手は選ぶ。卒業した今でこそ、「暇なの?」と一蹴できる強さも余裕もあるけれど、学生の頃はそうじゃなかった。女子高生の友達関係って、本当に難しい。常に誰かの視線を意識していると思う。例えば、教室移動の一瞬でさえ、誰かと一緒でないと後ろ指を刺されてしまうし、カースト上位の子に嫌われるとその波紋はクラス全体に広がってしまう。個人としてはその子のことが嫌いじゃなくても、一緒にいると周りからダサいと思われるからという理由で、みんなの前ではその子と仲良くしている素振りは見せないとかもある。 この小説は、そんな人間模様がリアルに表現されていて、高校生に戻ったような感覚で読んでしまった。寿美子にもすごく感情移入してしまった。 タイトルにある「苺飴」は、れいちゃんが気まぐれで寿美子にあげるお菓子である。苺は甘いもの、毒は苦いもの。れいちゃんは、寿美子にとってまさに毒入りの苺飴のような存在だったと思う。花一匁の出来事は、どれだけ時間が経っても胸を締め付けるような、辛くて重苦しい記憶で泣きそうになる。けれど、飴をくれたり、ムクと遊んだり、そういった無邪気で純粋で楽しい思い出が確かにある分、憎みたくても憎みきれないのだと思う。最後の合評会で、菅原さんが、「純度の高い好意や友情しか感じない時間が存在したからこそ、苦しんだんだと思う。感情の両極を気まぐれに表す行為は、相手を精神的に支配することもあり得るから。それでも、どうしてももう一度見たい景色があったのだと思う。」と評したシーンは、まさに寿美子がれいちゃんに抱えていた感情を言い表しているなぁと思った。 自分を苦しめる人間関係だとしても、それから逃げられなかったり、それに縋るしかない時があるのだと思う。そういう状態に置かれた人って、多分相手を憎みつつ反撃する気もごっそり削がれていて、無力感を感じているのだと思う。この小説を読んで、そういう人間とは物理的に距離を取ること、他の依存先を見つけることが大切だなと思った。都内への進学が決まった寿美子が、れいちゃんに返信しないことでこれまでの関係にけりをつけた場面は、寿美子がれいちゃんの呪縛から解放されたことを象徴しているなと感じた。そんな寿美子には、苺飴の毒はもう効かないのだろう。
3投稿日: 2025.01.15
powered by ブクログ女子の人間関係のあるあるが詰まった作品。 毒友やその周囲の人とのドロドロとした関係性が文字でこんなにも表現できるものかと驚愕。 自分自身人に気を遣いすぎるため主人公に感情移入して読めた。 私も自分の感情に正直に生きてみたいと感じた。 れいちゃん側の人間は著書を読んだらどのような感想を抱くのだろうか。
0投稿日: 2025.01.04
powered by ブクログ自分自身が他人の顔色をうかがいすぎてしまうことがよくある。そのため、主人公の寿美子が、他人の思考を「先回り」して想像してしまうことで、頭という「水槽」の中をたくさんの言葉が泳いでしまい、言いたいことがまとまらなくなるという比喩の仕方はしっくりときた。 また、友人であれ恋人であれ、その人だけに依存しすぎると、その人の感情の揺れ動きに大きな影響を受け、毒ともなり得る。 栞のように、フラットな姿勢とほどよい距離感で付き合える友人が複数人いる関係性が理想なのだと思う。
6投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログ遥か昔の学生時代を苦く思い出しました。 何十年経ても忘れられない閉じ込めたはずの痛みが蘇りました。 寿美子さん浪岡兄妹と繋がれて良かったね〜
0投稿日: 2024.07.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
学生時代の「誰かと一緒に行動せず、1人でいるのはおかしい」という風潮が、自分自身も嫌だったなと思い出した。 思春期の、自分の性格を形成していく大切な時期に、自分に悪影響を与える人が近い存在なのは辛いなと感じた。 もし、れいちゃんが寿美子ちゃんの悪口を言わず、他の人達だけだったらまだ結末は変わったのかなと思うところもある。 寿美子ちゃんが、最終的に前向きに進めれて安心した。れいちゃんと縁が切れてよかった。 読みながら、自分の学生時代を思い返していた。思春期女子のドロっとした感情。自分にも似たような所があったのだろうなと反省もしつつ、寿美子ちゃんに共感しながら。 私も、寿美子ちゃんみたいに言い返せたら今抱いている感情も違ったものになっていたのかもしれない。
0投稿日: 2024.06.22
powered by ブクログ寿美子のような気持ちになること、逆にれいちゃんのような人になってることもあったと思う。 特に女子に多いんかな、嫉妬や独占欲やクラスカーストや陰口や、、なんだか忘れかけてた過去を掘り返されて痛々しい気持ちになるけど、案外、心あったまる系よりも、こういうドロドロの方が勇気もらえるかも。 学校に居づらかったり、友人関係に悩んでたりしたらおすすめしたい。いろいろと吹っ切れると思う。 この表現しづらい歪な友人関係や感情に焦点あてるのスゴイと思った!
2投稿日: 2024.06.12
powered by ブクログ他人の容姿を貶めたり、陰口を言ったり、そんな方法でしか人とコミュニケーションをとれない人って意外と身近にいる。 そういう人と学生の頃に出会うと複雑な友人関係を築き悩むことになってしまうのかもしれない。狭い社会で、狭い人間関係で、逃げ場がないように感じてしまうこともあるのかもしれない。 そんなことを思いながら読んだ。 子どもって残酷だと感じる時がある。 思春期ともなるとその残酷さには悪意も含まれることもあって、なかなかにえげつない。 それもまた青春なのかなとも思うけれど… それにしても「毒」って面白い言い回しだ。
1投稿日: 2024.06.03
powered by ブクログ『アパートたまゆら』(9784488803094)以来、だいたい一年振りくらいに読む砂村かいり先生の作品。 『アパート〜』もそんな感じでしたが、それ以上の、ただならなくてままならない息苦しさとともに『友達ってなんなんだろうなって』(p218)主人公の〈沢田寿美子〉の回顧を辿りつつ考えを巡らせてゆく少女青春小説。 俗に言う‘イケてない’‘コンプレックスに塗れた’中学・高校生時分を過ごした不肖私めにもグサグサと針山のようにブッ刺さってきた寿美子の青春。‘従える者’か‘従う者’か、残酷なまでの階級格差が明確に現れてしまう10代中盤。しかも一度カテゴライズされると昇級するのは一筋縄ではいかない。昨今でこそ多様性だとか個性尊重だとか、‘認め合って助け合う’を是とする風潮が漂っているが本作中の時間軸である昭和最終盤から平成初期〜のあたりにはそんな空気はあんまり無くて、クラスLINEとかSNSとかもまだ全然発達していなくて、現代とはまた違った感じで他人の‘裏の顔’を見知ってしまう事の怖さはあったように思う。 なおかつ、女子校を舞台とする女性ばかりのコミュニティという空間における、露骨かそうでないかに関わらない、心身を切り裂き抉り取るように鍔迫り合う出来事・描写の連続には読んでいて頭が痛くなる程。 女子の立ち回りってこんなに大変なの…? 友人関係の歪みに輪をかけて、家族関係の軋みや将来への不安までもが擡げてきて、またそれらが、まるで飴玉を口中で蕩かすように、じゅわじゅわと唾液と混ざり合い読み手の心に浸潤して来る。 制汗剤や化粧品の香りもそうだが、本作における『苺飴』の風味はまず間違いなく天然苺果汁由来ではなくて人工的に生み出されたまやかしの甘酸っぱさ。まさにそれはまやかしの友人関係に通じる不確かさの一方で、それなりの居心地よさを提供してくれる、という見方もあるのでは。 また、作中で私がもう一つ印象に残ったのは「林檎」(p54、p189、p246 他にもあるかも?)というモチーフ。おそらく場面ごとに違う意味を持たされたこの「林檎」は何を示しているか。たぶんp54では‘若さ・幼さ→無垢’を、p189「林檎の種」は‘罪・惑わし→不穏の気配’を、p246「林檎(略)追熟」は‘少女から大人への(精神的)成長’と‘恋・初恋’を指しているのではないか?と個人的には考えた。 寿美子の後輩・打矢さんの短歌「庭に伸びる〜」(p237)は事実上の告白の歌??シスターフッド的気配を感じつつも彼女が好意を抱いた?経緯はスキップされているので想像の域を出ない。 口の中で飴玉がゆっくりと溶けるように、寿美子の物語もころころ揺らぎながらゆっくりと進んでいく。 砂村先生が紡ぎ出す女性キャラクターはのっぴきならない屈託を抱えた人物が多いような(少なくとも今の印象では)気がするけどサッパリとした読み味なので全然嫌ではない。 沢田家の問題に関する描写がやや重たくて、ちょっと盛り込み過ぎなように感じられたのと、登場した意義が今一歩わかりにくい人物が多かったのでもう少々スッキリしていたら尚良かったかな、と感じました。 1刷 2024.5.28
13投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログとりあえず、第1章まで読了。 いるいる!こんな女の子!女子特有の目配せ、悪口を言う前の空気感、人の悪口を言わないと死ぬの?!ってくらい悪口を言う人もいる。 そんな女友達に悩んでた時期もあったから、こんな子いるな〜て思いながら読んでた そんな子に限っていろんな顔を持っていて世渡りが上手い。だから、あの子がずっと悪口言ってていや。なんて愚痴を誰かに言うことも出来ないんだよね でも、いい子だなって思う瞬間もあって、その瞬間があると、縁を切るってまではいかない。でもきっと、疎遠になったら連絡はしない。友達だけど心の許せる友達では無い。近所に住んでたり親が仲良かったりすると、縁を切ることは難しいし、、、。 読了5/13 おもしろかった!
1投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログれいちゃん、嫌だなと思う瞬間も、その嫌な感じがおもしろいこ、ノリがいい子になってしまう瞬間がある。誰しも、無意識にれいちゃんになる瞬間があって、れいちゃん同士で笑っている時もあるかもしれない。主人公が、毒を吐かないで、自分を生きる選択をしたことがとても勇気がある事だと思った。でも、現実は1人より、嫌なこと2人、一人でいることが恥ずかしい、一人でいる自分に問題があると思われたくないと思うことがおおいんじゃないかな?
2投稿日: 2024.04.13
powered by ブクログ嫌な思いをしてまで付き合うことはないだろうに。中高校生くらいだと、そんな関係もあるか。最後には自分の気持ちが伝えられたのだからヨシとするか。
1投稿日: 2024.04.13
powered by ブクログ面白かった 難しい言葉が沢山使われていた あるよね、いるよね、こんな友達、友達って言えるか分からない、なんで一緒にいるか分からない人
1投稿日: 2024.03.11
powered by ブクログ高校生のときって、 中学生までと比べると交友関係が広くなったり、行ける場所も遠くなったりするけれど 今思えば狭い範囲の中で悩んでいたなと思います。 だれかに嫌われたくないと思うがあまり なんとなくつきあって、もやもやして、を 繰り返すことがありました。 どうしていいのかわからないけれど、 そのなかで懸命に生きていかないといけない。 どうしていいかわからないと思いつつも よくよく考えてみると、 そんなとき心の中では答えはてでいる気がします。その答えに向き合える強さがあるのかが分かれ道のように思いました。
6投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小中高と共に過ごし気まぐれで傷つけられてばかりいた幼馴染みの毒友。彼女に対して抱くその微妙で説明しがたい感情のひだをうまく表現している。いじめとはまた違って友情も一筋縄ではいかないのだとつくづく感じた。 そして、はないちもんめは考えれば怖い。
1投稿日: 2024.02.22
powered by ブクログ思春期の女子の友だち関係を描いているという意味で、この前読んだ『教室のゴルディロックスゾーン』(こちらは中学生だけど)をついつい思い出してしまった。大人しめな主人公と毒を振りまく友人(毒友)との関係性もまさに。思春期に誰でも少なからず感じたことのある感情だから度々描かれるテーマなのだろう。 どちらの作品が好きかと言われれば『教室〜』の方かな。それぞれの少女の性格や立ち位置などが多層的に描かれていたので。今作はその点、主人公、れいちゃん、栞という3人のキャラクターが割と単純というか類型的な気がした。最後スカッとジャパン系の物語を思わせる展開になったのが、あまり好みではなかった。
1投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログこのじっとりとした、粘度すら感じる湿度に既視感がありすぎて苦々しくも楽しく読めました。 「れいちゃん……8割方あの子だな……」って小中高時代を思い起こしながら読了したんですが、レビューを見ていると、みんな「れいちゃん」と共に過ごした時代があるみたいでなんだか安心しました。 でもこの物語の苦味の核心は、自分の中にもうっすら存在していた「れいちゃん」じゃないかと。 そこを自認させられて、そこにスポットを当てられて、ジリジリ焦げる味と匂いを感じている気もするっていう。 今も昔も、大体の女の子の中に寿美子とれいちゃんは同居してますよね。濃度と比率の問題で。 たまに「れいちゃん100%」みたいな人と遭遇すると、なぜか自分の中の寿美子濃度が上がっちゃったりもして。 自分の中の栞成分が未だにファンタの果汁くらいなので、目指せDoleでいきたいと思います。 ただ、栞濃度上げるには必然的にビジュの問題も出てくると思うんですよね……。
8投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
学生時代に出会った事がある様なれいちゃん。 途中までは何とも言えない気持ちになったけど、栞と出会い、寿美子が変わっていき、離れられたところはよかった。 寿美子にとってれいちゃんは毒友。 れいちゃんにとっても違った意味で毒友だったのかもしれない。
6投稿日: 2024.02.12
powered by ブクログ2024-018 れいちゃんも何か心に闇をかかえているのだろうか。俺なら、距離をすぐに置くけど、それがなかなかできないのが、女の人なのかも。
1投稿日: 2024.02.11
powered by ブクログ毒親が浸透している世の中で 毒友というワードも これから流行るのではないか!!! 期待しています^_^
3投稿日: 2024.01.23
powered by ブクログ学生時代特有の誰と一緒にいるかや、噂話や、友人のちょっとした言動で心が動いてしまうこととか。 思い返して胸が痛くなった。 大人になって、いい意味でのスルースキルを身につけていけたけれど、学生時代は自分の全てが学校にあるようで苦しかった。 れいちゃんはどんな大人になったんだろう。
1投稿日: 2024.01.22
powered by ブクログ幾つになっても、どこにでも、れいちゃんはいるよね~。距離を置くしかないんだよね。、、、と、冷静でいられるくらいの感覚になれたはずだけど、いざ私の知ってる直近のれいちゃんが出てきちゃって完全冷却まではまだいってなかった事を思い知る。 いや、いいのよ、陰口は陰で言ってる分には。それを誰々さんが、あなたの事をこんな風に言ってたよと伝えてきた上で味方のふりをするのがいちばん信用ならんわ!!!とちょっと熱が残ってるくらいにまだ近い過去なんだね。離れて良かった。 れいちゃんに、誰かを貶める共犯関係ではない何気なくても楽しい会話ができる友達ができますように。真っ直ぐな友情が築けますように。
3投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ胸キュンは封印。 随所に毒が散りばめられた青春小説。 子どもの頃に遊んだ「花いちもんめ」を思い出す。 選ばれた時の高揚感と、最後の一人になりそうな時の不安感。 中高生時代は学校こそが全てで一人でいる事は悪の様に感じた。 本作に登場する少女達も狭い世界の中であがいている。 れいちゃんに悪感情を抱きながらも登下校を共にし距離を取れない寿美子に悶々とし、陰口を撒き散らす事で他者とコミュニケーションを取るれいちゃんに嫌気が差す。 本書に登場する『毒友』のフレーズには頷くしかない。 甘酸っぱい苺飴の奥に潜む苦味を痛切に感じる一冊。
5投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ毒友、というジャンルが新たに創設されそう…!毒親本はかなり流通してきているけど、毒友は確かに存在するのにそれを描く作品はなかったように思う。とても理解ができた。れいちゃんの裏にも色々あるのはわかるが、それでも人に毒を吐くのは違う。客観視した様子を具に描かれている作品だ。時々差し込まれる打矢さんの短歌がとても素敵だし、寿美子はきっとそれに救われている。 それにしても、砂村かいりさんの作品の、恋に落ちていく様がとても好きだ。 p.239 「私は多分…人よりも矛盾に対して潔癖なところがあるかもしれません。というより、ロジックを返して、しか理解できないことが多いので、わかりやすい整合性を好むような気がします。…それはおそらく、他人の力や言動が自分の意思を飲み込んでいくことに対する反発や嫌悪なのかもしれなくて…。そうしたときに心のゆとりがなくなってしまわないように、思考して踏ん張れる点が長所であり、柔軟性に欠けるのが短所だと思います」 p.270 想いとは新月のようあの空にあるようでない、ないようである 吐き出した息はどこまで美しく、君は心に夜を飼う人 p.279 街はおしゃれで個性的な労力なので溢れていること。電車には自転車もペットも乗せて良く、定期券はバスから地下鉄、船に至るまで共通で使えること。店に入れば店員さんと必ずハローと挨拶し合うこと。日曜日はほとんどの店が営業しておらず、24時間営業のコンビニなんてないから、生活に必要なものを照らしたのは、土曜日を迎えると窮地に陥ってしまうこと。 「学校の給食、単品でパンケーキだけ!とか、じゃがいものクリームソースかけだけ!とかだったりしたよね」「自分の誕生日にはさぁ、クラスの人数分のケーキとかマフィン持っていって、みんなに振る舞うんだよね。あれは謎のイベントだったよな」「やっぱりクリスマスマーケットが圧倒的だよね。格が違う」「あー、ジャンダルメンマルクとのあれはさぁ…店の数も気分も、何なら電気の使用量もドイツ1なんじゃないかって位、ピッカピカに眩しく賑やかだったよね」「世界一でしょあれは絶対」「焼きたてのプレッツェルにかぶりつくのがたまらなかったなぁ」「ドイツではブレーツェルなんだよね。あと、ちょっと酸っぱい黒パン好きだった」 p.295 私はもう、他人の感情の面倒は見ない。もし仮にあの飴に毒があって、れいちゃんにコントロールされていたのだとしても、私からはもうその毒は抜けきっている。与えられても、もう食べない。そして私からも、何も差し出さない。 p.302 誰かのことを憎み切らなくてもいいし、無理に許し切らなくてもいい。自分の感情を頑張って加工しなくていい。戸惑いながら手探りの日々を生きていた。あの頃の自分に、今ならそんな言葉を届けてあげられる気がする。
2投稿日: 2023.12.24
powered by ブクログ寿美子の気持ちもれいちゃんの気持ちも、どっちもんかってしまうな 栞が知り合いの女の子に見えてきちゃった
1投稿日: 2023.12.17
powered by ブクログ途中何度も読むのを止めようかと思った。 れいちゃんに苛立ったから… 栞との絡みが出て来た辺りから、やっと心落ち着かせて読むことが出来た。 総合して余り好きになれないお話だった。
2投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログ同作者の描く物語の展開が好きで新刊を楽しみに読んだが、もしかすると私の本への好みが変わってしまったのかもしれない。 女子同士特有の空気感や、学生の時だからこその独特な牽制の仕方が感じられて、繊細さを感じる作品だった。 「炭酸水と犬」「アパートたまゆら」の方が個人的には面白いと感じる作品だった。なかなか難しい。
2投稿日: 2023.11.30
powered by ブクログAmazonの紹介より 「どうしていつも、ごく普通の友達でいられないんだろう」 高校二年生の寿美子には、れいちゃんという幼なじみの友人がいる。同じ高校に進学し通学を共にしているふたりだが、 過去に複雑な事情を持つれいちゃんは、可憐な容姿とは裏腹に、他人の容姿を貶めたり、陰口を撒き散らすことでコミュニケーションをとる少女だった。 そんな態度に違和感を覚え始める寿美子だが、やがて彼女の吐く毒は自分自身にも及んでいるのではないかと思い至り――。 互いを傷つけ合いながらも一緒にいる、思春期の複雑な友人関係。業界注目の新鋭・砂村かいりが贈る、一言では片づけられない少女同士の関係性に切り込んだ青春小説。 ミステリアスなタイトルですが、特にミステリー要素が入っているわけではなく、主人公が学生時代に体験したエピソードを語っていく展開になっています。学生時代には、ありがちなエピソードが多く紹介されています。 表向きは仲良い関係性ですが、深掘りすると、友達はクラスメートのことを悪く言ったり、主人公のいない所では、主人公のことを悪く言ったりといった「毒」のある友達と仲良くしていることになります。 そんな友達にどう接したら良いのか。大人になって思うと、そんな奴無視すればいいのにとか思ってしまいますが、当時を振り返ってみると、なかなか言いづらい状況であることを思い出します。 他にも、少女同士に限らず、昔こういったことあったなといったエピソードが個人的にいっぱいありました。 高校時代ではないですが、小学生の頃、小説と似たような体験をしたので、懐かしさと同時にほろ苦さも甦ってきました。この作品では、「苺飴」で昔が思い出されますが、食べ物に限らず、その時にあった物の匂いや物体などで、当時を思い出すことがあると思います。 良いも悪いも、一つの物があるだけで、記憶が甦ることに人間の脳って凄いなとちょっと思ってしまいました。 終始、主人公の学生時代が描かれていましたが、全体的に主人公の言いたいけど言えないもどかしさや歯痒さが、存分に表現されていました。 色んな鬱憤を溜めての後半での展開は、読み応えがあって面白かったです。 毒友以外にも、色んな友達や知り合いがいます。その人に固執せず、色んな人と深めてほしいなと思います。 といっても、当時の自分にはなかなかハードルが高いですが・・。 読了後、あの時の友達って、もしかして…と疑ってしまった自分がいました。今更連絡をしても思ってしまいますが、「毒」でないことを願いたいです。
2投稿日: 2023.11.30
powered by ブクログなんとも言えない感情が心の奥の奥のどこかでうようよと動く感じがずっとしてた。直視したくないような、でも懐かしさで取り出したくなるような、そんな感じ。 ただ私の高校時代の経験にはあまりないことでもあったので、わかる、と言うわけではなく、わかるような気がする、ていう。どちらかというと小中学校時代の記憶にかする感じがした。 二人の関係性がなんかこう、読んでるだけの私もどこか依存してしまう。れいちゃんは主人公にとっての毒友で、そしてきっと同じでないけれどれいちゃんにとっても主人公は毒友だったんじゃないだろうか。 誰が悪いとかそういう意味ではなく、一緒にいることがお互いにとって、毒になる。 主人公もそこはかとなく、ずっと誰かを見下すようなどこか上から目線な感じがあって、それがなんか、ふたりの絶妙な毒友感……。 ふたりだけの、ふたりにしかない、そんな思い出たちの数が読んでる私も複雑な気持ちになった(そこがめちゃくちゃ好きだと思った) そして諭の言葉に私もがっくり肩を落としたよ!笑
7投稿日: 2023.11.28
powered by ブクログうひょう!!最高だよおおおお! (読後3秒のテンション) めちゃくちゃ良いよ、苺飴。 なんだろう、読んでるとね、口の中であのザラザラした飴の感触があるの。 わたしれいちゃんのこと知ってるし、女の子はみんなれいちゃんと会ったことあるとおもう。 いや、男の子もみんなれいちゃんと面識あるよ。 毒をまとって、友達の顔をして、毒を吐き続けてないと自分を保てなくて息もできなくて、たぶん苺飴の毒にいちばん依存してたのはれいちゃんで、でもそうさせたのって本当はだれなんだろう??? なんてことを考えてしまう。 あの子が欲しい、この子が欲しい。 名前を呼ばれないのはうれしいことなのか、悲しいことなのか。 読んでると、言いようのない不快感が口の中にあって、あああああああああ!!!!って叫びたくなるの。 いちばん振られたくない場所を見つけられたみたいな、なんとも言えないこの感じ。 おそらく寿美子と同じ時代を生きていたからこそ、解像度の悪い写メの画像みたいに脳裏に浮かんできたものに数日はうなされそうだ。 あとなんといっても!! ラストの愉くんの『やっぱり女の敵は女だね!』のセリフよ。 この抜群に女(主にわたし)を苛立たせる、ハァァァァ!!??おまえに女のなにがわかんだよ!!!黙れええええ!とぶん殴りたくなったよ(暴力反対) ほんとこういう解像度の低いワードを、殿方ってしれって口にしちゃうんだよなぁ。 君には一生、この苺飴の味はわからんだろうなと思いながら、そっと本を閉じました。 何を飲んでも、ハミガキしても、うがいしても、苺味が消えなくて途方に暮れる、そんな昼下がりである。
9投稿日: 2023.11.17
