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「国境なき医師団」をもっと見に行く ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本
「国境なき医師団」をもっと見に行く ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本
いとうせいこう/講談社
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総合評価

9件)
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    なんだかんだ言っても日本って平和だなと強く感じる。 危険な世界で闘っている医師達に頭が下がるとともに、そんな医師達のもとに行かなくてはいけない人たちがいる現実が

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    投稿日: 2025.10.02
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    ガザにイスラエルが侵攻する前の訪問だが、当時からパレスチナ人に対する殺戮が日常的に行われていたことがわかり、暗澹とする。イスラエルは何の権利があってパレスチナ人を支配下に置き、ことごとく権利を奪うのか。国際社会はなぜこの暴虐を長年放置してきたのか。今も続くジェノサイドに対し、何もできない苛立ちと諦念に苛まれつつこの本を読んだ。

    0
    投稿日: 2025.07.06
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    前作の『国境なき医師団』に感銘を受けたので、こちらもすぐに購入しました。 こちらも「国境なき医師団(MSF)」で働いているスタッフ、その患者や派遣先の人々、そして取材スタッフの行動や思いが、そのパッションとともに丹念に描かれています。 特に印象に残った人物は、MSFに何度も調整して今は紛争地で活動している日本人のファーマシー・スタッフの方です。 一度や二度の挫折では折れず、ようやく夢をかなえてMSFに入った。そして、今の仕事に対し、自分が選んでここにいるという充実した思いしかないという。 こういう仕事を見つけ、実際に就くことができるのは幸せなのだろうと感じます。また、自分は今その仕事についているか、と自問するきっかけにもなりました。 また、読み物としても「わけのわからない巨大な悪意」「お父さん、なぜ爆撃されなきゃならないの?」「too motivatedより協調」「紛争国に暮らす者の、ごく普通の悲劇」など、読む人を引き付ける言葉に思わず魅かれてしまいます。 学生の頃にこの本に出合っていたら、もしかしたら私の今の人生も少し変わっていたかもしれない、そういう思わずにはいられない本でした。 日本では人道主義やそのための活動・団体(NPO)は一段下に見られてしまう、というのはその通りかと思います。ただ、私も行動したいと思いました。応募することを夢見つつ、今できることとしてお小遣いから些末な寄付をするのです。

    5
    投稿日: 2025.01.13
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    読んでよかったです。 心底思います。最後のページをめくった時に涙が止まらなかったです。 なんの感情かわからないけど悔しくて悔しくて、何もしていない自分にも腹が立つし。 これはまだ2023年10月以前の2019年に訪問し、ガザやヨルダンのMSFによる病院を取材したもの。 いとうせいこうさんの本を初めて読んだけれどまあ読みやすいし、なんだろう、人間くささがあって好きです。リアルを伝えてくれる。きっと私も同じ状況になると同じことを思う。 パレスチナの人達はやっぱり強い。 家族を失っても、自分の腕や足、そして皮膚を失っても、生きている方が辛いと思う時でも必死にあがいてあがいて踏ん張って生きている。 そしてそうなっているのはただの民間人だということ。 夢を持った青年や少女、子供たち、これからいろんなことを経験していく子達がこの本の取材がされている時から今もなお未来への道を裂かれていってる。 そんな人達を懸命に助けようとする国境なき医師団の方達には頭が上がりません。ありがとうございます。 パレスチナに未来を。

    2
    投稿日: 2024.07.10
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    国境なき医師団という、ニュートラルである事にかなり気を遣っている組織を通しての現地ルポなので、変に偏向せず、一般人が本当に現地で抱く感情をそのまま伝えてくれている本だと思う。 足や手がなかったり背後から撃たれたりがあまりにも普通すぎて感覚が麻痺してしまうが、そんな中でも普通に暮らしている子供たちを見ていると、本当につらい。ガザではイスラエルもハマスも双方がそんな一般市民の手足を犠牲にして戦争をしている。。 日本の事務所のパートも興味深かった。資金や物資集めなど、こういった組織の裏側をはじめて知った。医師団の方の利他精神とその中でも自己実現をはかる生き方、なかなか誰にでもできるものではない。皆さんの人間としてのレベルが高い。

    1
    投稿日: 2024.04.09
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    いとうせいこう(1961年~)氏は、早大法学部卒、ラッパー、タレント、小説家、作詞家等として幅広く活動するマルチ・クリエイター。『ボタニカル・ライフ 植物生活』で講談社エッセイ賞(1999年)、『想像ラジオ』で野間文芸新人賞(2013年)を受賞。近畿大学国際人文科学研究所客員教授。 著者は、2016年から、「国境なき医師団」の取材をライフワークの一つとしており、これまで、ハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダの現地取材を記した『「国境なき医師団」を見に行く』(2017年出版、2020年文庫化)、「国境なき医師団」の組織と日本人のメンバーへのインタビュー、現地ルポをコンパクトにまとめた『「国境なき医師団」になろう!』(2019年出版)、パレスチナとヨルダンの現地取材を記した『ガザ、西岸地区、アンマン「国境なき医師団」を見に行く』(2021年出版、2023年文庫化)の3冊を出している。尚、3冊目の本書の初出は、月刊誌「群像」である。 私は従前より、国際紛争や内戦、難民問題、貧困問題等に強い関心を持っており、これまで、(フォト)ジャーナリストや専門家が書いた多数の本を読んできた。国境なき医師団に関する著者の本も、1冊目、2冊目ともに読んでいる。 また、私は、著者が本書のための取材を行った2019年11月より3年近く前に、プライベートかつ一人でエルサレムに一週間ほど滞在し、公共交通機関を使って西岸地区各地を訪れたこともあり(本書に出てくるベツレヘムや、その検問所近くの分離壁へも行った)、今般のイスラエルのガザ侵攻については、大変心が痛むのであるが、改めてパレスチナのことを思い出そうと考え、本書を手に取った。 読み終えて、(著者の前著のレビューにも書いたことだが)現場の状況や問題の深刻さに比して、著者の取材時のスタンス・言動、及び本書の表現のノリの軽さは、引き続き引っ掛かるし(前著から改善してはいるが)、本書に関して言えば、イスラエル兵士が著者たちに銃口を向けている、といったあたりの描写は、私の体験からすれば、少々盛っているような気もして(私が訪問した後の2018年3月に「帰還のための大行進」が行われ、それ以降は緊張感が格段に高まっているのかも知れないが。。。)、残念ながら、読後感は必ずしも良くはない。 それでも、こうしたテーマについて、普段あまり関心を持たない層に読んでもらうためには、書き方を工夫することも、それなりに有効であるとは思われるので、全面的に否定することはしない。 そして何より、本書の目的が、国境なき医師団が全世界で展開している、ある意味「草の根」の活動の一端を紹介することなのだとすれば、それはある程度達成されてはいるのだろう。 世界の紛争地域・貧困地域で(主に医療に関わる視点から)どのようなことが起こっているのかを、まずは知りたいという向きには、手に取り易い一冊である。 (2024年4月了)

    5
    投稿日: 2024.04.03
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    後書きスペースまで本文ガッツリ412ページもあり、内容も結構重いので、一気読みしたら、少し疲れました。

    1
    投稿日: 2023.08.11
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    著者であるいとう氏が国境なき医師団(MSF)の活動地域に赴き、現地の様子や患者さんに聞いた話をまとめたもの。 紛争・貧困問題など、あくまで「知識」として「聞いたことある」程度だった国や地域のリアルな様子がわかる。 銃撃などで重症を負った方々のお話や、彼らをなんとか救おうと日々奮闘されるMSF関係者の話は、どれも姿勢を正さずには読めなかった。 この本を読んで、いわゆる地政学をしっかり学んでみたいと思った。 一方、著者のやや”観光的な”姿勢や、言動の端々に見られる”お気楽な”感じが、現地の空気感と合っていない感じがして、違和感をもってしまった。 (自分の読み方の問題かもしれないので、あくまでイチ意見です)

    0
    投稿日: 2023.08.03
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    書店の新書コーナーに置かれているのをたまたま見つけて購入した本書。大変失礼ながら、いとうせいこうさんを存じておらず、今回はガザの話が気になり購入。 「国境なき医師団(MSF)」については、世界各地の紛争地域などで医療活動を行っている団体であることは知っていたが、その理念や実際の活動内容、特に証言活動については本書で初めて知ることになり、大変勉強になった。最初から医師とジャーナリストで立ち上げられた組織ということも初めて知った。 正直、他のNGOや国連機関などとの違いをよく理解していなかったが、完全に中立であり、それを理念として貫徹しているMSFだからこそできる、MSFにしかできない活動なのだと感じた。熱意を持って日々活動されている方々に尊敬の念を抱くと同時に、今後微力ながらサポートしていきたいと感じた。 いとうさんは以前にもMSFについての書籍を出版されているとのことなので、そちらもぜひ読みたいと思う。

    1
    投稿日: 2023.07.31