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超解読! はじめてのフッサール『現象学の理念』
超解読! はじめてのフッサール『現象学の理念』
竹田青嗣/講談社
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総合評価

11件)
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    苫野一徳さんのVoicyを聴いていて「現象学完全に理解した()」などと思っていたため、きちんと勉強しようと思い手に取った。読了したけど解読できていない部分は多く、用語についても理解があいまいだけど、現象学の理念的なところは何となく身についた。 主観-客観の一致は原理的に証明しえないため、そこは一旦放棄したうえで、内在-超越ととらえ、超越と内在は一致しないが、不可疑である確信から捉えられた実的内在と構造的内在の一致はあり得る、という論理展開で、各々の確信の曖昧部分を極力減らして相互確信へと向かう営みこそが重要、というぼんやりとした理解だけど、非常に腑に落ちている。これだと、極端な相対主義には陥らないし、我が実在するから唯我独尊である、といういわゆるエゴにもならない感じがする。 あくまでも、感じがする、なので、もう少し現象学については勉強したいし、学ぶ価値があると確信している←笑

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    投稿日: 2025.08.15
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    フッサールは主観-客観からなる従来の認識論をとっぱらい、認識は、客観には一致せず、対象確信に一致するものと考えた。つまり、我々は赤いその物体が、リンゴに客観的に的中していることは証明できないが、しかし、その代わりに赤いリンゴがあるという確信を作りあげることはできる。その確信は「超越」、つまり可疑性があって客観的ではない。しかし、私がそう確信したという事実は疑いようがない、そう考えたのである。更には、個々人の確信が、共有されて世界確信=客観になる。

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    投稿日: 2025.07.29
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    『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』に入っていた竹田さんのフッサール解説に感動してもっと読みたくなり購入。『現象学の理念』を極めて容易に読み下しつつ、それでもわかりにくい箇所の解説も丁寧。主客一致問題という哲学の大きなテーマに対するフッサールのアプローチは非常にわかりやすいし、看護などの対人支援分野に取り入れられているのも納得する。社会的インパクト評価の文脈が下手な社会調査に荒らされる前にみんなでもっと現象学の勉強をしたい。

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    投稿日: 2021.07.25
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    ■著者が扱っているメインテーマ 認識問題とは何で、それと解く現象学的還元とは何か? ■筆者が最も伝えたかったメッセージ 内在意識から出発し、他人のそれと同じ構造を持つか 疑いえない意志内で反省された事象同士の一致である。 ■学んだことは何か 客観という考え方ではなく、内在意識の構造の一致の働きがあるということ。 つまり、主観から生まれた思いを前提に他社の考え(客観)を規定する。

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    投稿日: 2021.01.26
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    榊原哲也先生の本を読み終わってから、現象学について学びを深めようと考えて手に取った本。2周したけど、分かったような、分からないような。でも、おそらくこれが一番平易に書いてあると思われる本。

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    投稿日: 2020.01.09
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    時間意識の問題についての解説がけっこう楽しく読めた。 意識と知覚などなど現象学における認知の扱いは難しいけどおもしろい。

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    投稿日: 2019.10.07
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    「はじめての」と題されるだけあって、難解なフッサールの『理念』が誰にも分かると言って差し支えのない平易な言葉で説明されていると思う。(とはいえ、雑に読んでさくっと理解できるほど甘くもない) さらに一般読者及び初学者に向けた入門的説明であるだけではなく、フッサールの現象学における核心について、その後の正統派現象学や実存主義やポストモダン思想(相対主義、構造主義)が誤った咀嚼の元に批判を展開してきたという、竹田青嗣氏の力強い主張が展開されているところに本書の大きな特色があると感じた。 この「フッサールは誤解されているので見直すべき」という主張が竹田青嗣氏の独自的なものなのか、それとも現在の思想界でムーヴメントとして湧き起こっているものなのかどうか(類書があるのかも含めて)を、初学者である僕はまだ知らない。けれど、これから僕がフッサールを読み進めていく上で、氏の視点を心にしかと留め置きつつ本書を随時参照することになると思う。

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    投稿日: 2019.09.09
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    現象学は、「世界確信」の一般理論として認識問題を解明する。このことの理解が可能となるとき、現象学は「普遍的思想の可能性」といsての「本質学」の展望を切り拓く、という理念もまたはじめて可能となるだろう。 「本質学」は、人間と社会の「意味」と「価値」の関係性の理論である。そして「内在」の領域こそは、人間の「意味」と「価値」がたえず生成されているその現場にほかならない。哲学の新しい領域としての「本質学」の展開は、フッサール自身においてはほとんどなされなかった。この課題は現象学的方法の核心を受け取りなおす次の世代によって、新しく再始発されるに違いない。(竹田)

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    投稿日: 2017.09.02
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    2017.07.10 現象学はなかなか難しい。輪郭は掴めたかもしれないが、十分な理解には程遠い。難しいが面白い。

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    投稿日: 2017.07.12
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    『完全解読フッサール『現象学の理念』』(講談社選書メチエ)と同じく、フッサールの『現象学の理念』を著者がやさしく読み解いた本です。 『完全解読』よりもいっそう大胆にフッサールの議論をパラフレーズしており、読みやすくなっているように思います。また『完全解読』と同様、フッサール現象学のキモは「確信成立の条件」を明らかにすることにあるという著者自身の現象学理解が示され、その立場からフッサール自身の議論の流れにそくして解説するという構成になっており、著者の解釈の成否をある程度読者自身が確かめることでができるようになっています。

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    投稿日: 2015.05.14
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    フッサール現象学について理解が深まる一冊。現象学的還元については、最も丁寧にわかりやすく説明されている。

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    投稿日: 2012.10.08