Reader Store
大人になったら、
大人になったら、
畑野智美/中央公論新社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

174件)
3.8
28
77
55
4
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    35歳、独身女性の止まっていた時が動き出す。仕事でも恋愛でも、その時が来たら歯車が急に動き出すことがあるけど、今まさにその転換点を物語通して見ることができて、あったかもしれない人生の追体験。 最初からメイちゃんの心配はしてなかったけど、正直言って、みっちゃんは心配。

    3
    投稿日: 2025.10.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    30代半ばの独身女性メイが仕事、恋愛、自身の将来に向き合い、悩みながら少しずつ自分なりの答えを見つけていく過程が描かれた小説。 ジャンルは恋愛小説となっていましたが、物語のメインはメイの内面の成長だと思いました。恋愛要素は少しのスパイスという位置付けです。 周囲が変化していく中で、自分だけが取り残されているんじゃないかと焦りや不安を感じたり、自身の結婚観や、仕事、人との関わり方を見つめ直す。この年齢の心境がリアルに描かれていて、メイと歳が近ければ共感する部分が多そうです。 恋愛面は奥手でなかなか進展しないやり取りがとても可愛らしく、微笑ましい気持ちになります。 人生のターニングポイントにいるメイを応援したくなる作品でした。自分も頑張ろうと背中を押された気分です。

    18
    投稿日: 2025.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    耳をすませばを高校生の時に観て、大人になったら小説家になると決めて小説家になった作者 私も綺麗な日本語を書く小説家になりたいと思った時期があったことを思い出した

    0
    投稿日: 2025.09.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    メイの悩みがとても共感できる。 メイの等身大の悩みは、自分が感じてきた悩みと同じところもあり、身に沁みた 羽鳥先生は少し怖い気がするが大丈夫だろうか。

    132
    投稿日: 2025.09.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    札幌の紀伊国屋書店でずーっとオススメとしてエンド展開されていたので、手に取りました。 心地よいテンポのストーリー展開に引き込まれました。 主人公の明るい未来を想像させる結末がすばらしかった。 作家様、出版社様、書店様、出会わせてくれてありがとう❗

    2
    投稿日: 2025.09.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    P40 "恋人がいたから、結婚したい、子供を産みたいと思っていたのであり、わたしひとりでは、どうしたいとも考えられない。その可能性を考えられる相手もいないのに、結婚や出産を望むのは、おかしい気もする。" そう思う 自分と相手の2人で決めること P166 " 「子供を産まない」という決断は大きすぎて、まだ考えられなかった。" 自分の子供が欲しいとも欲しくないとも思わないから産む産まないもどちらの決断も大きいと感じる

    1
    投稿日: 2025.08.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大人になったらという題名 通り少しずつ大人になっていく女の子の物語です。 35歳という年齢で恋愛経験が少なく 自分がいつもいつまでも子供っぽいなって 悩みはあるけれど、素敵な友人囲まれて色々な思いに気づかされていく 同じ年代だったらもっと 共感できたかもしれない でも女性としての悩みはなんとなくわかる あー 自分もそうだったなって 素敵なハッピーエンドなんで読むと幸せになるかもです

    4
    投稿日: 2025.08.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    成り行きまかせのような形で生きてきた主人公めいが人生の岐路にたたされます。 風変わりな新人社員、店長への昇進、独立話、周りが続々ゴールインする中ちょっと気になる異性の出現、、、! 割と淡々と書かれてるけど、静かにボディブローを喰らわされてるような感覚で、読み進めました。 主人公の仕事、恋、友達関係など全てにおいて偏りなくギラギラしてなく割と優柔不断なところが、妙〜に親近感憶えてしまって。 読む手が止まらなかったです。 恋と気づくまでに、本書の4分の3はかかってましたからね、30後半の恋へのメンタルブロックたるや、、、。 後で装丁を見た時にとても、ほっこりして、感慨深く思いました。

    10
    投稿日: 2025.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あなたは、『三十五歳』という時代をどのように思うでしょうか? このレビューを読んでくださっている方の年齢はマチマチです。『三十五歳』を、未来に見る方もいれば遠い過去に見る方もいる、そして、現在進行形という方も間違いなくいらっしゃるでしょう。同じ『三十五歳』と言ってもそこに見えてくるものは異なるはずです。 では、『日本人女性の平均寿命は、八十七歳と少し』という現代社会にあって、『一生を六十分のドラマと考えたら』『三十五歳』はどのような時代になるのでしょうか?  『三十五歳は起承転結の起が終わり、承の半ばに差しかかろうとしているぐらいだろう。これから転があり、結はずっと先で、何が起こるかまだわからない』。 確かにこの考え方には一理あると思います。  『とにかく、三十五歳は、まだまだ若いはずだ』。 この考え方は間違いないのだと思います。しかし、本当にそうでしょうか?『まだまだ若い』と呑気に構えていても良いものなのでしょうか? さてここに、『今日で三十五歳になった』という一人の女性が主人公となる物語があります。カフェの副店長として仕事に奔走する主人公を見るこの作品。そんな女性が『これが、恋なのだろうか』という瞬間を感じるこの作品。そしてそれは、”30代女性が読むと、共感が止まらなくなります。胸キュンも少し”とおっしゃる畑野智美さんが綴る”恋愛物語”です。 『六月二十二日、今日で三十五歳になった』と『目覚まし時計』の『ボタンを押して止め』るのは主人公の葛城命(かつらぎ めい)。『とにかく、三十五歳は、まだまだ若いはずだ』と思うメイですが、『でも、若くなんてないのだ』とも思います。『子供もいなければ、結婚もしていない。八年前、二十七歳の誕生日に、十年間付き合ったフウちゃんと別れてから、彼氏もいない。好きな人もいないし、気になる人もいない』というメイは、『だからといって、恋愛を諦めたわけではないし、仕事に人生を捧げていて恋愛どころではないわけでもない』という今を思います。『もう起きなくてはいけないと思っても、起き上がれない』というメイは、『高校二年生、十七歳の誕生日の放課後、同級生だったフウちゃんに告白された』時のことを思い出します。『「葛城のことが好きだから、付き合ってほしい」と言われ、うなずいた』メイは、『窓から陽が射して、世界が輝いて見え』ます。『十八年も前のこと』にも関わらず、『ほんの数年前のことのように感じる』というメイは、ようやく『起き上がり、ベッドから出』ました。そんなメイは、『キートスという』『駅の反対側にあるカフェ』で副店長として働いています。『北欧風にまとめたお洒落な店として、雑誌の取材も何度か受けているが、チェーン店』という『キートス』へと出勤したメイは、『新卒で今年入社したばかりの社員』である杉本を探します。そんなところに『おはようございます』と『鶏の唐揚げを揚げてい』た『ベテランアルバイトのレナ』が声をかけてきます。杉本のことを訊くと『レジ開けしています』と言われホールへと向かうと、『レジの前に立って、ぼうっと天井を見上げ』る杉本の姿がありました。『どうして、レナちゃんが唐揚げを揚げているんですか?』と訊くメイに『早いですね』と言う杉本。『オープン準備ができているか確認するために、早めに来たんです』と返すメイは、『今日のシフトは十一時から二十時までの中番だが、三十分前に来』ました。『僕ができないって疑ってるんですか?』と言う杉本に、『疑ってるわけではないです。初めてひとりで入ったら、完璧にできないのは当然だから。それよりも、最初の質問にまず答えて』と返すメイは、質問を繰り返します。それに『僕ができないって言ったら、やってくれるって言うから』と答える杉本は、『レジ開け』も『なんか、わかんなくなっちゃった』のでできていないと説明します。『マニュアル、渡したよね?』と訊くメイですが、『今の時代、紙のマニュアルっていうのも、違う気がする』等言い訳ばかりする杉本。『帰国子女で』『今年で二十五歳になる』杉本は、『すごくかっこよくて、背が高』く、『配属されてきて三週間しか経っていないのに、彼目当てのお客さんもいるくらい』の存在になっています。そして、『笑顔で頼まれると、断れなくなってしまう』という『アルバイトの女の子たち』。『店長は未だにガラケー使っていて…やっていることの古さに気づけずに、昔のままで何も変えないでいいと思っている』と続ける杉本に、『わかった。そういうことは、店長がいる時にまた聞きます』とだけ言うと、更衣室へと移動したメイ。『杉本君と話していると、大事にしてきたものを無神経に壊されている気分になる』と思うも『わたしが怒って反論したら、仕事が進まなくなる』と思うメイは、『まだひとりで厨房のオープン準備ができないかもしれない、と思いながら任せたわたしと店長の判断ミスと考えた方がいい』と結論します。そんなメイは『十一時に開店してすぐに来る常連のお客さんがいる』、『その人は、必ず鶏の唐揚げの南蛮漬けランチセットを頼む』と『開店までに、レジ開けをして、レナちゃんが揚げた鶏の唐揚げを南蛮漬けのタレに漬けて、他の下準備ができているか確認しなくてはいけない』と考えつつ、『まずは、制服に着替え』ます。そして、『開店してすぐに来る常連のお客さんは、レジカウンターの正面、ガラスに接した椅子席に必ず座る。眼鏡をかけ、スーツを着た男性で、いつもひとりで来る』と思うメイ。『雨の日も、雪の日も、台風の日も、欠かさずに来て、同じ席に座る。そして、鶏の唐揚げの南蛮漬けランチを頼む』という客が『いつも通りに注文されたので、いつも通りに出した』というメイ。そんな『メイ』に『あのお客さん、いっつも来ますよね』と『小さな声』で話しかけてきた杉本に『七年間、毎日来てるから』と返すと『マジっすか?』と『引いているような目をする』杉本は、『何してる人なんだろう。毎日、スーツですよね』と続けます。『ずっと謎だった』客の『正体が判明したのは、四年前』のこと、『新しくアルバイトに入った女の子が彼』のことを知っていました。『彼は、隣の駅にある予備校の数学教師』で『羽鳥先生といい、数学のカリスマ講師として有名な人』と知ったメイは、『年上だろうと思ってい』ましたが、実際には『同い年』でした。『あのお客さんが何してるか、わたし知ってる』と語るメイは、『教えないけど』と続けます。それに『ええっ、教えてくださいよ』と『かわい子ぶっているような、言い方をする』杉本を見て、『特定の彼女はいないらしい。だが、特定ではない彼女は何人かいるようだ。かわい子ぶれば言うことを聞いてくれたり、お金を出してくれたりする年上の女もいるのだろう』、『彼の性格は三週間でよくわかった。どんな顔をしても、わたしはだまされない』と思うメイは、『教えません。それより、お喋りしている場合ではないよね』、『厨房で、ランチの準備をしてください』と指示を出します。『キートス』で副店長として働くメイの三十五歳の今を見る物語が描かれていきます。 “三十五歳の誕生日を迎えたメイ。「いつから彼氏いないんですか?」「何が目標なんですか?」 ー 失礼な後輩に憤慨しつつも、カフェの副店長として働く日々はそれなりに充実している。毎日同じメニューを頼むお客さんも、そんな日常の一部だったのだけど…。久しぶりの恋に戸惑う、大人になりきれない私たちの恋愛小説”と内容紹介にうたわれるこの作品は、1979年5月にお生まれの畑野智美さんが39歳の時に刊行されています。 そんなこの作品は内容紹介だけでなく、本の帯に”8年ぶりに、恋をした”と大きく記されている通りそこには”恋愛物語”が描かれていきます。ただ、それ以上にこの作品を読んで感じるのは『三十五歳』という人生の分岐点にさまざまに思い悩む女性の姿をリアルに描いていく物語です。その一つが”恋愛”であることには違いないのですが、そこにはその先の結婚、子育てというものを俯瞰する感覚、一方で仕事に対しての思いが対になるように描かれていくのです。そんなこの作品を執筆するに至る畑野さんの思いを”小説丸”というサイトに見つけましたのでまずはご紹介しておきたいと思います。  “『大人になったら、』を構想していた頃、2015年に『感情8号線』を出しました。それとは違うタイプの恋愛小説を書こうと考えていたとき、30代半ばの友人や知り合いと話していると、みんな恋愛や結婚で、すごく迷ったり悩んだりしていました。 女の子は「結婚したい」「子どもがほしい」、でも「相手がいない」と言うんです。彼女たちの周りには、相手になりそうな男性がいないわけじゃないのに、何で?と思っていました。だけど男性の側も「結婚したい」「けど、彼女もいない」と言うんです。すぐ近くに対象がいるのに、なぜ?と不思議でした。ほしいものはすぐ近くにあるのに、実際に何を求めているのか、よくわからない。30代半ばのモヤモヤした空気感に触れて、『大人になったら、』を書こうと考えました”。 少し長い引用ですが、畑野さんのおっしゃりたいことが朧げながらも伝わってくるように思います。短いようで長い人生、その中に私たちはさまざまな悩みと葛藤しながら生きていきます。それは将来が見通せないからこその悩みでもありますが、未来に無限の可能性があった20代までと異なり、30代という時代は、その先に見える景色がよりハッキリしてくる分さまざまな思いに囚われる年代だと思います。まさしく、”モヤモヤした空気感”が漂う時代なのだと思いますが、この作品の主人公・メイは、『十年間付き合ったフウちゃんと別れ』たことで結婚という未来が見えなくなり、一方の仕事においてもまさかの『店長試験』を『三年連続で、不合格』という結果の先に『副店長』という今の人生を生きています。そうです。この作品は、”30代半ばのモヤモヤした空気感”の中に一人の女性の”恋愛”と”お仕事”を見る物語なのです。 では、まずは”お仕事”から見てみましょう。”お仕事”という意味で外せないのはこの作品の多くの場面で舞台となる『北欧風カフェ』『キートス』です。  ● 『キートス』ってどんなお店?   ・『店の名前は、キートスという。Kiitosと書く。フィンランド語で、「ありがとう」という意味』   ・『青い看板に白い壁の外装は、フィンランドの国旗の色をイメージしている。内装も北欧風にまとめたお洒落な店として、雑誌の取材も何度か受けているが、チェーン店』   ・『都内はここだけだが、札幌と大阪にも一店舗ずつある』   ・『北欧風のカフェでも、ごはんとおかずと味噌汁という定食屋のようなセットをメインとしている。開店と同時にランチタイムがはじまる。十二時になるころには満席になり、十四時までは途切れずにお客さんが来る』 どことなくイメージができるかと思いますが、『北欧風のカフェ』は国内3店舗の一方で『系列店』には『赤と緑と白の看板を掲げたイタリアンレストランや安いことが売りの居酒屋やデザートに力を入れているファミリーレストランもある』というかなり大規模なレストランチェーンというのが組織の実態のようです。そして、主人公のメイは『北欧風カフェ』『キートス』で、副店長として店長を支えつつ店舗の運営を切り盛りしていく姿が描かれていきます。なかなかに気苦労が多い仕事のようですが、まとめるとそこには3つのドラマが描かれています。  ・『問題を起こすようなミスはしない。仕事をなかなか憶えないくせに、頭はいいのか、適当に立ち回るのはとてもうまい』という新人の杉本への指導の中で『杉本君と話していると、大事にしてきたものを無神経に壊されている気分になる』と苦悩する姿を見せるメイの物語  ・『大学生の子たちの試験やサークルの合宿、フリーターの子たちのかけ持ちしているバイトのスケジュール、諸々を考慮して作らなくてはいけない』というシフト作りに代表されるさまざまな人が働く職場の中で気配りを重視しなければならない副店長ならではの仕事に奔走するメイの物語  ・『三年連続で、不合格になる人なんていない』と、『店長試験』に落ち続け、『このままでは、わたしは、四十歳になっても独身で副店長という不名誉な感じのパイオニアになってしまう』とこれからの自身の行く末を不安視する中に、自らの進むべき道を模索するメイの物語 まさしく”お仕事小説”の醍醐味を見せてくれる物語がそこに展開していきます。これは、リアル社会でも同じことでしょう。仕事のなんたるかを覚える時期を過ぎ、後輩の指導にあたりながら、会社員としてその先を見据える動きが見えてくる時代、それが30代だと思います。女性ならではの複雑な思いの先に悩みを深めていくメイ。そんなメイが”お仕事”の側面において結末でどんな姿を見せてくれるのか、これは間違いなくこの作品の一つの読みどころです。 そして、もう一つが”恋愛物語”としての側面です。主人公のメイには、高校時代から十年にわたって付き合ってきた男性がいました。それこそが、フウちゃんと呼ばれる男性・風太の存在です。『フウちゃんと付き合っていたころは、結婚したいと思っていた』と過去を振り返るメイ。半同棲という時代を過ごしてきたメイは、『フウちゃんと結婚して子供を産むという未来を、一度も疑わなかった』という思いの中に生きていました。しかし、あることが原因でそんな時代は一気に終わりを迎えます。  『わたしはどうして、フウちゃんと結婚したいと考えていたのだろう。フウちゃんは、わたしにとっても、結婚を現実的に考えられる相手ではなかった。結婚しようと言い合っても、子供のままで、ままごと遊びをしているようだった』。 そんな風に過去を振り返るメイは、だからと言って新たな恋に踏み出すこともできない今を生きています。  『結婚したいのか、子供が欲しいのか、よくわからない』 高校時代からの友人であるみっちゃんに『考えるだけじゃ駄目なの。行動しないと。あっという間に、四十歳になっちゃうよ』と言われるメイですが、自分が何をすべきなのか、何をしたいのかがそもそもわからなくなっていきます。  『恋人がいたから、結婚したい、子供を産みたいと思っていたのであり、わたしひとりでは、どうしたいとも考えられない。その可能性を考えられる相手もいないのに、結婚や出産を望むのは、おかしい気もする』。 そんな風にある意味で自身の置かれている立場を冷静に分析してもいくメイは、『出会いがないわけじゃない』と、『店長や杉本君の他に、羽鳥先生や鯨岡さんというお客さんもいる。大ちゃんの他にも男友達はいるし、マスターみたいによく行くお店の店員さんと話したりもする』という周囲の状況を見渡します。しかし、  『考えて悩んだところで、誰もわたしのことを好きなわけではないから、話は進みようがない。そして、わたしは八年間、誰のことも好きになれなかった』。 結局のところ堂々巡りを繰り返すメイの姿が描かれていきます。これでは、読んでいてもどかしい思いが読者の側にも込み上げます。そんな物語は、漠然と恋の思いに悩むメイが、上記した通り、”お仕事”に奮闘する姿が描かれていきます。  『子供を産むのも、店長になるのも、何をするのも、早い方がいい。でも、三十五歳では、もう遅いんだ』。 『三十五歳』 という、人生に思い悩む時代だからこそのさまざまな葛藤の日々を生きる主人公・メイのリアルな日常を描いていく物語。そんな物語は、主人公が悩みの中にいることもあって、なんとも鬱屈とした読書の時間が続きます。何事にもおいてもなかなか前に進まない、あまりにもどかしく、場面によっては腹立たしい思いを見せながら物語は展開していきます。そんな物語は、後半数ページになって一気に動き出します。後半数ページ、さらには後半数行に、それまで見えていた鬱屈とした世界が一気に別物に展開する驚き。読者の心をも幸せが包み込んでいく鮮やかな展開。ある意味で読者の大半が予想していたであろう展開にも関わらず、自然とあたたかいものが込み上げるその結末に畑野さんの上手さを改めて感じさせる、そんな”恋愛物語”がここには描かれていました。  『いい人生とは、なんなのだろう。恋愛や結婚が全てではないと思っても、好きな人と一緒にいることがいい人生という気がする』。 そんな思いの先に続く主人公・メイの思いの丈を見るこの作品。そこには、”8年ぶりに、恋をした”というメイの揺れ動く内面が丁寧に描かれていました。カフェの副店長の”お仕事”のリアルを見るこの作品。”恋愛物語”の味わいを堪能するこの作品。 『三十五歳』という複雑な思いが交錯する時代のリアルを鮮やかに描き出す素晴らしい作品でした。

    296
    投稿日: 2025.06.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    35歳の独身カフェ店長、全く共感ポイントないかなぁと思いながら読み進めていくと意外にもいつの間にか羽鳥先生の登場ばかり待って先を急ぎたくなり、その時にはメイに感情移入している自分に気づくのだった。元カレの思い出や、心の友や、いつでも行けるカウンター席のバー、必ず食べるメニュー(焼飯)、そして目指したかった目標とそれに向けてのオンプロセス、このお店使っていいよと言ってくれるパトロン?まで選択肢あり、ちょっと恵まれすぎでしょ〜と、子どもいて普通の(とは何か問題もあるが)結婚生活を送ってる側人間にしてみたら、彼女がとても輝いて見えた。しかも札幌での新生活!最期の春まで眩しかった。

    2
    投稿日: 2025.05.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    葛城メイ、35歳独身。 メイは命と書く。 父親は「僕の命」と言って育ててくれたが、ある日家を出ていった。 母親も病を得て逝ってしまった。 学生のころから付き合っていた恋人がいたが、別れることになってしまった。 いま、頼れるのは友人のみっちゃんと、大ちゃんだ。 メイはカフェの副店長として働いている。 お店の仲間やお客さんとの交流は、時々イラッとするがそれなりに充実している。 そんなメイに訪れた久しぶりの恋の予感。

    9
    投稿日: 2025.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    35歳独身の都内カフェ店員(副店長)、彼氏無しのメイが主人公。社員として飲食チェーン店に勤めているが、将来の展望があるような、ないような宙ぶらりんの状況。若い人に『目標は何ですか?』と詰められるが、答えるほどの何かの目標を持っているわけでもない。何となくわかるなあ。 僕も流通業の会社には入ったが、『店長になりたいか?』『将来は何になりたいの?』と聞かれても明確な答えは自分に無かった。『僕は○○屋です(でした)』と明確に答えられる人をある意味では羨ましく思った。 メイは同級生、元カレ、同じ店の同僚、常連さん…いろんな人に囲まれながら毎日を過ごし、店長試験をいろんな人の協力で4度目でやっと受かる。そして、札幌のお店の店長として辞令を受け、東京から旅立つ。 テレビドラマ化するには、ドラマチックなこと、ドロドロとした怨みなどがあることなく、緩い日常の連続ではあるが、これはこれでいい話だったなあ。

    9
    投稿日: 2025.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    恋愛小説は苦手なのに35歳独身というワードに惹かれて購入。結果、読んでよかった。両頬を思い切り平手打ちされたあと、背中を思い切り叩かれる気分。 最初の方は主人公メイちゃんの環境に共感とイライラに襲われ(父親はずっと最低だし新入社員も最初は超いけすかない!)ぐあああああってなってたけど、ページをめくる手は止まらなかった。文章がうまいというより共感力で読ませる感じ。 メイちゃんの等身大の悩みとか、その中でも自分にできる一歩を踏み出す勇気とか、踏み出しすぎて逆に爆死する痛さとか、も~~~~~ぜんぶわかるわかるわかるってなった。 あとみっちゃんが幼馴染の男の子の結婚に号泣した気持ちも痛いほどわかった。自分のことを熱烈に好きな相手って、ずっと好きだって思うよね。はああ黒歴史。 わたしもこれから独身と既婚子持ちの絶対に埋まらない溝も、35歳独身の立ち位置も、じわじわと味わっていくんだなぁ…… でも最後の一文は拍手喝采。これで終わるの最高すぎる。わたしも一歩踏み出してみようかな。

    3
    投稿日: 2025.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    恋愛から遠ざかり、仕事での中途半端な立ち位置に悩む主人公メイ__ 昔思い描いていた"大人"と今の自分が違ったっていい。若い頃の煌めきを懐かしく思いながらも、過去に戻りたくはない。年齢を重ねて得た確かなものを大事に抱えて、少しずつ進んでいく姿が素敵だった。 メイと羽鳥先生の初々しさを感じる恋愛も良かった。普通じゃなくていいんだよ!

    9
    投稿日: 2025.02.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    心身共に一応健康で働いて一人暮らしして親友もいて、それだけで幸せと思えたらいいのに「普通」に縛られて苦しくなるんだよな、、でもメイは少しずつでも前に進んで人生が好転していってる。最後も意外とドラマチックな展開で後味がよく素敵な物語だった。

    0
    投稿日: 2025.01.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ~すべきだ。というステレオタイプな語りが終始続くので読んでいて息苦しかった。悩んでいるのは分かるが、決断力がないので物語は動かないし退屈。恋愛小説と思って手に取ったのに、この主人公全然恋を自覚しないんですけどー!?と思ってしまったのは帯が悪いな。ラストは良かったが、ラストだけ恋愛ドラマ的、とも言える。それまでが現実的だっただけに、最後だけ夢見てる感じが拭えない。 ストロボのマスターが素敵だった。

    0
    投稿日: 2025.01.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    30代独身で抱える同世代への想いや焦燥感、将来の自分に対する漠然とした不安などが描かれていて、当時自分には言語化できなかった思いが詰まっていて共感する点も多かった。

    0
    投稿日: 2025.01.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    縁もゆかりもない地への転勤か独立かの二つの選択肢がある中で、転勤を選ぶ主人公は初めて見たかもしれない。でもメイちゃんらしい選択だなと思った。適度に流されつつその中で幸せを模索する感じが好き。スーパーウーマンの女性主人公には疲れてしまうことも多いから、ある意味平凡な女性像を描いたこの物語には励まされた。

    1
    投稿日: 2024.11.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    35歳の誕生日を迎えた主人公の女性が、女性の正しい生き方とは?という問題に日々モヤモヤしながらも答えを見つけ出すお話。 高校の時から付き合っている彼氏と社会人になっても付き合っていて、そのうち結婚して子ども産んで…という王道のルートを当たり前に自分にも訪れると思っていた主人公は、彼との失恋により王道のルートからは外れ、35歳になっても彼氏はおらずこのままだと結婚も出産もしない「普通」ではない人生を歩むのかと不安になったりする…いやいや、結婚するのも出産するのも普通じゃないから。そもそも普通の生き方ってなんだ?。 仕事も仕事で、そこまで力を注ぐわけでもなく…後半で少し動きはあるけどもう少し意識持って働けーって私は思ってしまったけど、多分主人公みたいな感じの働き方をしてる方には共感されると思う。 特に大きな事件も出来事もなく、主人公の日々を見守る感じのストーリーに私は少し退屈してしまった。

    2
    投稿日: 2024.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大ちゃんが結婚できて良かった。 恋愛対象じゃないけど結婚できなかったらキープというみっちゃんの気持ちは片想い男子に失礼だなぁと思いつつ、自分を好きな人ずっと自分のこと好きって思ってしまうのは男女一緒なのかなぁと共感もある。 若い頃の好きって衝動は強いし加齢すればするほど10代のようには動けないと思う40手前な今日この頃

    0
    投稿日: 2024.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本屋さんで絶賛のポップがあり惹かれて読んでみる。 働く女性なら、メイちゃんに共感できるとこがたくさんあるなと感じた。 友達関係や仕事関係に恋愛。どれもなかなかうまくいかず悩むことはあるけど、自分の強い意志といい人たちに囲まれて幸せを掴もうとしているメイちゃん、素敵!と思えた。 なんだけど、、常連の羽鳥先生はちょっと拗らせすぎというか、、、最終的にはストーカーのように思えてしまいなんだか微妙でした(;;)

    0
    投稿日: 2024.10.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    畑野さんの作品初めて読みました。 自分と同世代なのでとても共感しました★ メイちゃん強い人だなと思います。 きちんとした目標がなくてもしっかり生きてる。 羽鳥先生の言葉も素敵でした! 今後の展開も気になります♪

    0
    投稿日: 2024.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    共感できるかと思いきや、できず!! ポイントとなる働く女性の心情がズレてたように感じた。 後輩社員のイケメン杉本くんはなんかイケメン帰国子女だから許されただけなの?デリカシーなさすぎコミュ力なさすぎでさすがに最後まで受け入れられなかった。

    2
    投稿日: 2024.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ただただ、共感。 何にも解決していないのだけれど、時は止まらず、少しずつ変化して、流れていく感じ。 色々悩んで、考えて、何が最善かわからなくて、このままで良いのかなというもどかしさ。 周りと比べる必要はないのに、勝手に比べて、優劣、勝ち負けを決めてしまう。 それでも少しずつ進んでいるそんな話。

    0
    投稿日: 2024.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分のやりたいもの、なりたいことを見つけ、周りの環境や人に真摯に向き合い、悩み、もがいた先に光が見える世界が広がっている可能性を不器用な主人公を通して描いていると思った。恋が全てじゃない、でも時間って有限かもしれない。今自分の中にある矛盾の一例を見れた気持ち。

    0
    投稿日: 2024.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    恋愛を拗らせまくってる時に読んだから、違う環境にいる時にまた読んだら違う感想が生まれそう。 恋とか愛とか付き合うとか結婚するとかじゃない優劣のない好きっていう感情があるよなぁ。 登場人物各々の「好き」の大事の仕方が違う様が書かれた作品だな、と思った。 急いで読んでしまったから次はゆっくり読みたい。

    0
    投稿日: 2024.07.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    恋愛小説というよりは仕事とか人間関係が中心で、ヒューマン小説って感じだったかな。 内容があまりにリアルすぎて「ああぁぁ〜…」って考えさせられることもしばしば…。 仕事かぁ…仕事ねぇ…。 ⁡ 遠くに転勤するのってすごいなぁ…私この歳になっても地元にかじり付いてる、楽なんだもん。(笑) ⁡

    0
    投稿日: 2024.07.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    何故だろう。じわじわと滲み出たものが、最後の一行を読んだときにぽろっと零れ落ちた。 境遇は違えど、主人公と近しいものを持つ自分にとって、何か気付きや共感を得られればと思い読み進めていたが、あまりにリアルで、メイの心情をもっと知りたくて、ここ最近で一番の速度で読み進めてしまった。 男性だろうと女性だろうと、その時々で不安や焦燥感は訪れる。タイミングが物事を大きく左右することは沢山ある。メイはそこまで感情的な人間ではないものの、それでもその繊細な揺れ動きが文章からありありと伝わってくる。 「しかし、いい人生とは、なんなのだろう。恋愛や結婚が全てではないと思っても、好きな人と一緒にいることが良い人生という気がする。(p.290)」 きっと、好きな人というのは、恋愛に限らなくてもだ。メイがみっちゃんや大ちゃん、ストロボを大切にしているように、自分が好きだからという気持ちだけで人生は豊かになると思う。それは主観であり我が儘かもしれないが、大人だからこそ自分の我が儘で人生を彩ってもいいのだろう。 私は数年後、メイと同い年になる。その時に読み返したら、その時にしか得られない気付きがあるのかもしれない。 2024.6.18 読了

    1
    投稿日: 2024.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    国道沿いのファミレスでと同じ作者さんの本で気になって買ってみた〜 なんかところどころ似たような表現があった気する この作品は特に激動があるわけでもなく超絶ハッピーエンドで終わるわけでもなく起承転結が弱い作品だけど、どこかにいる誰かの日常を覗き見してる気分になった

    0
    投稿日: 2024.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大人になったら、 こうするって考えていたことは あたりまえじゃなくて、 普通でいるって難しい。 自分一人でなんとかできないことは苦手。 公式は作れる!

    5
    投稿日: 2024.06.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    35歳独身女性の日常を小説にしようとしたら、たいていこうなるだろうなと思われるような設定。みっちゃんのような女友だちもいがち。 でも飽きることなく読んでしまったのは、ほんとにリアルだから。 結婚に焦っているわけでもないけど、このまま仕事をバリバリやるぞという気概に満ちあふれているわけでもない。出産できる年齢は限られているから悩んでしまうけど、行動を起こすわけでもない。 子育てに追われている友だちを見ると幸せそうに思えるが、そうなりたいわけでもない。 今の生活も十分に楽しんでる。でも何か忘れ物をしている気になる。 フツーに生きてきました。これの何がいけなかったのだろうと考えてしまう。 一生の問題なのに、結局は縁とかタイミングという言葉に終着しそうで、それも納得いかない。 飲食業界のことも知れておもしろかった。

    1
    投稿日: 2024.06.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    年齢とともにあがる恋愛の難しさ、周りの恋愛・結婚・出産への焦燥や、「誘いにくくなってしまった」という寂しさ、人を好きだと感じる喜び…様々な感情の描写がリアルで、苦しいほどに共感した。いつの間にか恋愛をしていること、既婚、子持ちが社会的ステータスのようになって、それらがないだけで「恋人は作らないの?」「いつ結婚するの?」「子どもが欲しいとは思わないの?」と周りは身勝手に詮索してくる。恋愛をしていないからこそ得られる幸せもあるし、自分にしか分からない恋愛への不安や恐怖だってあるというのに、恋愛で苦しむ彼らは恋愛至上風情だ。なにより、出産にはタイムリミットがあること、年を重ねるほど相手が見つかりにくくなっていくことなんて、人に言われる前に自分が1番分かっている。1番言われたくないこと、自分でも分かっているのにどうしようもできないことを、話のネタ程度の適当さで指摘されるのは辛い。 みっちゃんは羽鳥先生を「普通の男じゃない」と評し、「もっと普通な人を探しなよ」とメイに言った。たしかに羽鳥先生はたった一度の恋を引きずりすぎていたかもしれないし、普通じゃないかもしれない。けれどメイだってフウちゃんから先に進めない「普通じゃない」女性かもしれない。「普通な人」を選ぶのは難しい。人はみんな「普通」より度合いが高いものと低いものを組み合わせた結果外見や性格が構成されている。つまり皆どこかしらは「普通じゃない」し、普通な人が仮にいたらそれは「つまらない」「没個性」と言われてしまう。普通じゃないから面白いし、普通じゃないから普通じゃない自分と噛み合う相手がいる。恋愛なんてそんなもので、一緒にいたいと思える人、欠点を補い合える人を求めればいいのではないか。欠点がある人だから欠点をさらけ出せるし、長所を称えあえるのではないだろうか。

    0
    投稿日: 2024.06.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    畑野智美著。初読了。 35歳、独身、女性「命~メイ~」。 8年間彼氏なし。その間の恋愛無し。 父親は不倫して家出。 母親は病死。 疎遠な親戚はいるけれど、 "孤独" がまとわりつく。 新卒から同じ飲食店を営む企業に社員として所属し、「店長になるか」・「本社に勤めるか」。 どちらのつもりもない。 だって、寿退社する予定だったから。 40歳になって、副店長のままではいられない。 だって、周りの目があるから。 大学の同級生たちたは、結婚して、出産して。 さも、それが「普通で偉い」かのように話す。 男性の友人は10個以上年の離れた、 若くて派手な女の子と結婚する。 私は…、私は? みんなが言うように 仕事も結婚も、 「早く」決めなきゃいけないの? 人の波に、抗うつもりはないけど、 うまく乗れ無い自分への憤りや、 漠然とした老への不安。 そんな中で、自分のペースや、 自分の生き方、恋愛観を見つけ出すお話。 この街の春は、東京よりも遅くやってくる。 人生の春の訪れも、ひとそれぞれ。 そう思える素敵なお話でした。

    0
    投稿日: 2024.06.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    35歳になったメイ。周りは子持ちで、親友のみっちゃんも婚活ばかり。当分は結婚しないと思ってた大ちゃんも若い奥さんと突然結婚。でも当のメイは十年前に別れたふうちゃんのことが忘れられず彼氏もできない。そこで羽鳥さんにあったことをきっかけに、店長試験を受け前に進む。 店長試験という非日常な成功に輝くメイを見て大人になっても前に進むことの大切さと、中学生の恋をしているメイを見て20代のうちにしっかり恋愛しなきゃとおもった。でも、マイペースに生きているメイを見て結婚するのは、特に男の場合はまだまだ焦らなくていいんじゃないかなとも思った。博士進んだら卒業する頃には28で遅いなって思ったけど、よみおわったまだまだ全然20代じゃんって感想。

    1
    投稿日: 2024.05.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    大人になったら恋愛や結婚、出産や仕事など人それぞれ違った生き方や考え方を持つようになる。そして自分の考えとは違った考えにもよく出会う。その中でモヤモヤすることや傷つくことがあるがそれでも生きている。 この作品でも独身で会社員の主人公や結婚して子供を育てたい友達で物事や人生に対する考えが違う。それに正解はない中で皆幸せになりたいと生きている。 特別な誰かが出てくる訳でもないが、皆自分の人生を全うする物語の主人公なのだと思った。 自分が今後、歳を重ねていった時に再読したら全然違う感想を持つのだろう。 杉本君が特に好きだった

    0
    投稿日: 2024.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表紙と―「好き」だけでは動けない、大人のための恋愛小説―帯のコピーに惹かれて購入。 読み始めは気怠く感じたけれど、読後感は抜けていくようなかんじの落ち着きを感じた。

    1
    投稿日: 2024.05.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大人になったからって、 大人でいる必要なんてない。 『子供のような自分を見せれる相手を好きになる』と ストロボのマスターが言ってた言葉が沁みます。

    2
    投稿日: 2024.04.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みごたえはないけどさらーっと読める 主人公の気持ちがわかるようなわからないような… 恋愛とか、仕事とか、生き方とか、そんなやつ

    0
    投稿日: 2024.04.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みやすくてするする進めました。 穏やかに起伏激しくなく、やんわり終わっていくだろうと思っていましたが、最後の数行がグッと食い込みました。 最高の締め。 出会えてよかったと思えた本でした。

    1
    投稿日: 2024.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    終盤の展開はときめいた〜〜 すごく丁寧にメイの心理描写がしてあって、感情移入しまくり。 向上心って言われても、だよね。わかるわかる。 考えさせられるという感じではなく、サラッと読めるドラマみたいだった。

    129
    投稿日: 2024.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    とにかく結末が最高だった。 杉本くんかわいすぎ、羽鳥先生胸きゅん。 読み終わったあとに続きが気になる話だった。この先めいちゃんが幸せになれますように。 人生に悩む35歳独身女性の話。 カフェが舞台ってのもあって読んでてワクワクしかなかった。 今しんどいけど結婚して子供に恵まれた自分は、めちゃくちゃ幸せな人生送ってるよなぁと再実感。 結婚ってなんでこんなに難しいんだろう。 子供産むってなんでこんなハードル高いんだろう。。。 ほんと。。。キツイなぁって思った。

    2
    投稿日: 2024.04.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公のメイと年齢が近いので、友人達が次々結婚したり、子どもがいたり、結婚しないだろうと思っていた人からの結婚の報告などあるある〜と思いながら読ませてもらいました。 自分も大人なり、好きってなんだろうと考えていた時期があります。なのでP127からのストロボのマスターとの会話がとても印象に残りました。「惹かれる方へ自然に行けばいいだけ」、「もういい大人のはずなのに、子供である自分を見せられる相手を僕は好きになる」、このマスターの言葉にとても共感しました。

    1
    投稿日: 2024.03.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    35歳という年齢、付き纏う世間の常識に向き合いながらも、35歳らしい恋愛をするお話。 起伏があまりないので刺激的ではないが、繊細で、尚且つ自分自身を掴めていないという主人公の曖昧な感情表現が素敵でした。

    1
    投稿日: 2024.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分の話かと思うくらいの共感。 でも多分、同じ年代の多くの人が考えることなんだろうな。 こんな自分が嫌いじゃないから、 「大人になりきれない大人」でいたいなと思ったりする。

    1
    投稿日: 2024.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「神さまは待っている」の主人公と家族との関係性がほぼ同じ。しかもキャラクターも似ている。35才でカフェの副店長、長らく付き合った彼と別れ、この年齢ならではの先行き不安を描いているが、主人公のジメジメした思い悩みの語りが多すぎて疲れるし、飽きる。とりあえず読み終えたという感じ。 つまらなかった。

    2
    投稿日: 2024.02.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    30代半ば、カフェで副店長をしているメイ。結婚や 出産、仕事の昇進試験から目を逸らしつづけては いけない、とわかっているが…。ときめく気持ちを 取り戻す恋愛小説。

    1
    投稿日: 2024.02.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    わたしたちはこれから、時間をかけてたくさんのことを話すだろう。 雪がとけて春になるころには、 お互いが「命より大切」と思える存在に 少しでも近づいているといい。 この街の春は、東京よりも遅く来る。

    3
    投稿日: 2024.02.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    35歳独身のメイ。 高校から7年ほど付き合ったフウちゃんと別れてから なんとなく恋愛から距離ができ、職場でのスキルアップもないまま。 毎日をただ過ごしている。 ちょっと気になる常連さんとの会話 高校時代からの友人の結婚 なにかとちょっかいをかけてくる後輩 このままでもいいと思っていた日常から 少し足を踏み出す勇気を与えてくれる本。 前半は自分もメイと同化してグサグサ刺さったけど 読み切ってよかった。

    3
    投稿日: 2024.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初の何行かを読んで35歳になったばかりの女性が主人公と分かり、34歳の私は同世代のお話かぁ〜と興味を持ちました。 読み進めるうちに 同世代だけど、独身でバリバリ?お仕事しているメイさん(主人公)と、子ども2人を持ち正社員からパートになった私とでは置かれている状況がまったく違うことがわかりました。 女性特有の結婚、出産、どうするか問題はいったんは30歳までに考えるけど、30歳をすぎたら今度は35歳までに、と思うの、わかります。 そしてその35歳になって、自分がどうしたいのか考えているメイさん。 人は人だし、置かれている状況や悩みも違うんだけど、だんだんと自分とは違う意見に耳を傾ける事が出来るようになっていくメイさんが素敵だなと思いました。 何歳になっても人との関わりは大事だし、 それを大事だと心に留めて過ごし、頑固にならず自分の中の気持ちをアップデートする事も大事なんだなと思いました。 育児で悩んでイライラしていたけど 読んで良かった。 冬から春へ、そういう、 気持ちが明るくなる本でした。

    7
    投稿日: 2024.02.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    命さんより若いけどそのうちこんな風に悩むんだろうなとすでに思い始めてて辛い。 大人になってかかるはしかみたいな恋がしたい!

    1
    投稿日: 2024.01.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うわっこの主人公嫌いだな。 主人公メイに、「35歳独身女性」の既成概念を上塗りしていく周りの登場人物も、嫌いだ。 はじめそう思ったけど、読み進めるうちにその思いは溶解する。 劇的な変化があるわけではない。 主人公の少しの変化が、主人公自身と読者たる私の感じ方を丸く、優しいものにする。 最後には最も憎らしかった杉本君をすきになってしまうのは私だけではないはず。

    1
    投稿日: 2024.01.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    30代独身女性の心情と、それを取り巻く環境の描写がリアル。 帯にあった「8年ぶりの恋」というキーワードから、メイは今の状況を打開できるのか?と期待して読み進めたけれど、肝心の恋愛の部分が物足りなかった。 先生との会話は、なんだか平坦に感じたし、もっと恋愛的な描写が欲しかった。 逆に2人の関係の展開はよくある恋愛ドラマみたいで「そんなに上手くいかなくない?」と言いたくなってしまった。お店でばったり会ったり、家が近かったり。フィクションだからいいけれど、その他の現実的な描写と比べてアンバランスに感じた。 そしてラストのシーン…男性側の気持ちがそこまで感情が高まっていたなら、そこに至る過程をもっと書いてほしかった。 キュンとはしたけども(笑)

    0
    投稿日: 2024.01.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    肩書き35歳会社員独身。 そんなメイを描いた作品である。 人生に何も目標はない、今のままの人生を生きたい。 それは定年までこのままずっと働く仕事ではないかもしれないという漠然という不安を抱えつつも、 現状維持を望んでいる。 店長になりたいのか、自分でカフェを開きたいのか(元カレとの約束) キャリアを考えつつも年齢的には恋活や婚活、妊活をしていてもおかしくはない年齢だ。 周りはもうみんな結婚している、でも不倫を楽しんで自慢するような人もいる中で結婚が本当に幸せなことなのか、誰かと一緒にいたいのか。 両親から命よりも大事と行って育てられたメイ(命)のちょっとした成長を描いたそんな物語。

    0
    投稿日: 2024.01.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    三十五歳の誕生日を迎えたメイ。「いつから彼氏いないんですか?」「何が目標なんですか?」――失礼な後輩に憤慨しつつも、カフェの副店長として働く日々はそれなりに充実している。毎日同じメニューを頼むお客さんも、そんな日常の一部だったのだけど……。 恋愛部分は、読んでいてややむず痒くなったが、前向きな気持ちになれた。

    5
    投稿日: 2024.01.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    丁寧な小説。 自分のペースで恋愛を進めていけたら、なんて素晴らしいのだろうか。現実的な絶望をちょっぴり教えてくれた、成熟が遅い僕にはありがたい本。

    0
    投稿日: 2024.01.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最高の読後感でした! 主人公のメイちゃんが悩む姿が自分と重なり、共感して切なくなったり、応援したり、自分もまるで本の中で一緒に過ごしているようでした 大人になったら、難しくなることもたくさんあるけど‥だからこそうまくいくこともきっとある♡

    29
    投稿日: 2023.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    神さまを待っている、の人だったのか。なるほど。 独身35歳には刺さるねえ。わたしは仕事も立派じゃないしねえ。わたしの生命保険も無駄だなって思った。残したい家族がいないのに。医療保険だけでいいんだな。気付かなかった。保険に入った頃は、家族になりたいひとが、なるんだろうなってひとがいたから、さっぱり気づかなかったよ。変えよう。

    0
    投稿日: 2023.11.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    個人的にとても好きな作品だった。 女って社会で上を目指すことが正解なのか、男性を見つけて結婚やその先を考えるのが正解なのか、分からない。そんな「大人」特有の悩みを一緒に抱えてくれてるような小説だった。新人へ「働く」とは何かを伝える描写はすごく納得のいくシーンでスッキリした。誰かに言いたいことを言えたり、会いたい人に会えたり、上司に正当な評価を貰えるって素敵だなと心から思えた。 もっかい読みたい!

    3
    投稿日: 2023.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    畑野智美さんにはハズレはない。それぞれ違うしそれぞれ感動する。帯の8年振りの恋するとあるのでてっきりゴリゴリの恋愛純愛物語かと思ったら、ラストの札幌店に尋ねて来る羽鳥先生で終わるって、9ペースで仕上げるって、なかなか恋の出来事出てこないからどうなるのかと思ったら、メイが頭から離れないそれはもう恋でしょうが、10年引きずっている現在進行形は勘違いでしょうが先生しっかりしてよと思う、7年会話せずとか合わせる顔がないとか回り道だけ。3人の友情も羨ましいな、お別れ会の杉山君、フワちゃん登場、噛み砕く書き方好きだ

    11
    投稿日: 2023.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    35歳独身女性の主人公に、年齢も環境も全然違うのにとても共感しました 話にぐいぐい引き込まれていって、わかる、わかると思って読んでました 作者の筆力なんでしょうね いいところで終わってしまって、その後が気になります

    5
    投稿日: 2023.11.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ほっこり、暖かい気持ちで読了です。 大人になれば、若い頃のように恋に没頭出来るわけもなく、色々な事を考えながら恋愛のことも考えていく。そして30代後半、このままでいいのか自分を見つめ直すターニングポイント。夢を再確認して、一歩前に進みだした主人公を応援したい気持ちになりました。

    1
    投稿日: 2023.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    35歳、独身。 女性としていろいろ考えてしまう年齢。仕事か、結婚か、子供が欲しいならそろそろ…とか。 メイちゃんには昔から知ってる大ちゃんと、みっちゃん、他に行きつけのバーのマスターなど話し相手や居場所がちゃんとあってそれは維持したいと思いつつも副店長でいいのか、店長になると移動もある、など悩みも出てくる 年下の杉本くんに対してのツンデレなメイの対応が笑える

    0
    投稿日: 2023.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中盤までは 「アラサー独身をどんだけ自虐してんねん。 可愛くない女やなー」 と思って読んでたけど、 なんかずっと読み続けて 読み終わった。 いろいろ背景とかあったけど、 それが伏線ってわけでもなく、残念かな。 不器用な大人の恋愛って感じ。

    6
    投稿日: 2023.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何歳になっても、心は大人になったつもりでも、 恋っていつまで経っても完全には分かりきれなくて 厄介なものなんだね。 そもそも大人になるってなんなんだろう。私の目指してる大人にだって結局は自分のエゴだし。 年齢を重ねるからといって沢山の経験をしてきたからといって果たして大人になれたと言えるのかな。 読み終えるまでにすごく時間がかかったし、変わり映えしない展開に飽きかけもしたけれど 実際の生活ってこの小説のようだなと読み終えて感じる。 毎日目まぐるしく色々なことが起きるのって学生までで、社会人の今はこの小説のように淡々と過ぎていく 毎日の中で小さな変化が積み重なって最終的に大きな変化になるんだよね。 だからこそ、最後のハッピーエンドには胸が熱くなった。 だから社会人なら尚更、何事も焦りすぎてはダメだ。 現実の恋愛面で焦っていた私に、この面でこの作品は本当に刺さった。

    0
    投稿日: 2023.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    35歳、独身、恋人なし、かといって仕事に生きるというほどの熱意も覚悟もない そんな主人公ならいくらでもいるだろうけど、私が特に刺さったのは、10年付き合った彼と8年前に別れてから恋愛そのものをしていない、というところ。 長く付き合うと、生活むしろ人生の一部に溶け込んでいるから、それを失くすと喪失感が大きい。 そして、その彼は結婚して子供も2人いるという。 ずっと避けていたけれど、共通の友達の大ちゃんの結婚披露宴で再会することにしたのは、主人公にとって大きな一歩で、そのシーンはなんだか泣きそうになってしまった。 昔のように名前を呼ばれ、笑った顔も、仕草も、みているだけで思い出が溢れ出てしまって、でもそこに溺れないように踏ん張って、今の自分で彼と向き合う姿がたまらなかった。 働いて、自分で生きていくしかないんだ。恋をしてもしなくても、それは同じ。

    0
    投稿日: 2023.10.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    みんなそれぞれが大人であって子どもみたいなところもあるのがとても可愛らしく、気持ちに 寄り添える感じがとても心地よかったです。 主人公のめいちゃんの周りにいる人達も それぞれみんな素敵なキャラクターで 温かくて… 毎日毎日を頑張っていると本当にあっという間に一日1か月一年が過ぎて、気持ちの方がついていってないとき、私はこれからどうなっちゃうのかなぁ。と漠然と不安がおそってきたり、 誰かの何気ないひと言で、 なんとかなるわーって気楽な気持ちになったり… みんな同じなのかなぁって思いました。 ちょっぴり恋で一皮むけた めいちゃんのこれからも、もっとみていたかったです。

    17
    投稿日: 2023.10.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    周りが結婚出産ってなってる中で、 自分は、、、って思うことは本当にたくさんあって、周りの人と比べてしまうこともあるけど、 今が楽しくて、生き甲斐があればそれでいいのです!!

    2
    投稿日: 2023.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    広島から東京・群馬への旅行のお供として、 新大阪駅構内で、迷子の時に寄った本屋で購入。 気になった、目に留まった本を買うと決めて出会った作品でした。 31歳、仕事が忙しくて恋人欲しいけど、気持ちが追いつかず、他人と比較して、何も変われてない現状に無駄に落ち込んでしまう。このままじゃダメだとも焦るけれど日々に忙殺されて忘れてしまう。そういう言い訳してるのもしんどいと感じる日々。 そんなことを考えてたから目に留まったんだろうか。本書の主人公みたいに、恋愛も仕事もどっちも目標は無い。けど漠然とした結婚や恋人は欲しい。普通でありたい。抜け出したい。そんな気持ちに共感した。きっとそんな人も多いのではないかと思う。仕事面でいえば、自分も若い新入社員に教える立場になってきたので、若い子の仕事への感覚や教え方、その子との向き合い方と、先輩として指導すべきか、飲み込むかなど、気持ちの折り合いの付け方に悩んでいる。 はぁ?お前の立場でよく言えたなと思う場面だってある。大人にならなきゃと思う反面、シメなきゃこりゃこいつはわからんタイプだと怒る時も、、、ある(大抵そう)。でも向き合った分、杉本みたいにかわいく思えてくる喜びもあるなぁと読んでて気づいた。 仕事も恋愛もどっちもなんて、不器用だから自分は難しいけど、とりあえず目標を決めて一つでもやってみるかって、前向きな気持ちになりました。 大人になったら、考えなくちゃいけないことも増えて、責任も増えて、ますますがんじがらめになってるけど、その分楽しいことも多いと思う。 恋愛の思考も変わってないので、今に合ったやり方に考えを改める必要があると思った。 よし、頑張ってみよう。

    1
    投稿日: 2023.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    恋愛小説を久しぶりに読みました 大人の恋愛っていうテーマで、色々な壁にぶつかる話。 壁にぶつかるというより、 主人公の環境が厳しすぎる気もしました だけど、ひたむきな姿は すごく想像しやすくて 実際にこんな恋愛をしてる人や環境の人がいるだろうなって垣間見てる感覚が心地よかった

    1
    投稿日: 2023.09.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    人それぞれいろんな人生があるんだなっておもしろかった。最後追いかけてきたところにはまさかすぎてびっくりしつつも安心した笑

    0
    投稿日: 2023.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    30代独身女性のリアル。 多様性と言われても現実は…。 「わたしが鳥羽先生を好きになっても、鳥羽先生はわたしを好きになってくれない。 そう思ったら、鳥羽先生が好きになった。」

    4
    投稿日: 2023.08.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夢を失い、恋に恋する時代も終わり、何か寄り添ってくれるものが欲しくてたまたま手に取った本。 終始、一定の感情で読了。期待以上でもそれ以下でもなく、こういうのが現実かなって感じ。 自分の未来を見ているようで、 まだまだ夢見たい気持ちと、こういうのが大人なのかなと。…今はまだ子どもでいたいという未熟な葛藤で、新たなもやもやが湧いてきたお話だった。 また5年後に読んだ時は腑に落ちるようような作品になっていたらいいな。

    5
    投稿日: 2023.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初のページの「問題は、何歳まで生きるかよりも、平均に対して自分がどれくらいのところにいるかだ」でもう好き!ってなった。最後も最高に好きだった。自分が35歳になった時にまた読みたい。

    1
    投稿日: 2023.08.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    目標も彼氏も何もない。仕事か結婚か。早い方がいい。 数年前に通った道で、今となっては諦めがついて吹っ切れた。多様性だとかいろいろ言われるけれど、そうそう人の価値観は変わらないわけで。

    1
    投稿日: 2023.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    甘いドキドキよりも安心するような感覚。 大人になっていくつれて、恋愛がすきだからということだけで付き合っていくの難しいのかなと感じた。 結婚とか出産はどうしても女性にとっては、大事な選択にはなってくる。わたしもあと10年もしたらそういうふうに考えなくてはいけなくなるのかな。 いざ、結婚ってなるのなら、20代のうちから相手見つけないと不可能かもしれない。

    1
    投稿日: 2023.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    前に読んだのと続いてまた同じ作者さん。 今回はお仕事小説のようで、同年代の恋模様のお話。だからか刺さる言葉がたくさんあった。 メイは色々なことをこじらせていた気がするけど最後の方の話から、この先のメイの行く末が幸せなものであるといいなと思いながら読み終えました! 以下刺さった文章。 「保険って感じだったんだよね。このまま独身でいて、最終的にどうしようもなくなっても大ちゃんがいるって思ってた」 愛されていたと考える方が辛いから、父も母もわたしを愛していなかったと思うことにした。 わたしが羽鳥先生を好きになっても、羽鳥先生はわたしを好きになってくれない。 そう思ったら、羽鳥先生が好きになった。

    0
    投稿日: 2023.07.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    35歳のカフェで働く女性が主人公の恋愛小説。 35歳というのは男性にとっても中々悩ましい年齢ではあるが、女性にとっては尚更であろう。 主人公の女性は8年前に別れた彼氏以降、好きになる人もおらず周りは結婚していくのに独身で生きてきた。 周りを見て焦るも、どうにもできない日常だが、そこにも変化が起きてくる。。 始めはよくありがちな流行りものの恋愛小説みたいで面白くなさそうだなと思っていたものお、主人公が私と同年だだからか悩みや生活に共感できるところも多く、面白くなっていった。 現実にはこのように救いがある場合の方が少ないであろうが、10代、20代ばかりの恋愛小説が多い中で、これくらいの年代を扱ったのがあるのもいいじゃないと思う。

    1
    投稿日: 2023.06.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    若葉荘の暮らしを読んで畑野智美さん作品他にも読みたいと思い読みました! 気持ちわかる〜 がたくさん詰まった作品でした。 35歳女性独身今後の将来を考えたり失敗を恐れたり…

    7
    投稿日: 2023.06.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    35歳独身女性の揺れる気持ちと仕事への姿勢、彼女の周りのキャラクターが描かれている。メイの心の声は同感するところが多くすっかりメイになりきりながら読み進めた。終盤はなかなかすすまない新しい恋にハラハラしたけれど大人の恋はこんな感じだろうとも思う。お互いが相手の気持ちを考えすぎてしまいすれ違ってしまう。父親のことがその後どうなったのか気になったけれどメイにとって過去の大恋愛を忘れることができる大切な人が現れたことがとても嬉しく思えた。

    4
    投稿日: 2023.06.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    葛城命 三十五歳。Kiitos(キートス)というカフェに勤めている。 フウちゃん 二十七歳の誕生日に十年付き合って別れた彼氏。 みっちゃん 高校時代の同級生。広告代理店に勤めている。 杉本 カフェの厨房で働いている。新卒で入社した社員。十年以上サンフランシスコやロサンゼルスで過ごした帰国子女。二十五歳。かっこよくて背が高い。 レナ カフェのベテランアルバイト。大学生。 羽鳥 カフェの常連で七年間毎日来る。予備校の数学教師。三十五歳。 鯨岡 近くにある音楽事務所に勤めていて、打ち合わせを兼ねたランチに週二回か三回来る。 大ちゃん 高校の頃からの友達で、フウちゃんの親友。オンラインゲームを通して知り合った友達と三年前に起業し、現在は専務。

    0
    投稿日: 2023.06.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    某大型書店でPOPの宣伝で激推ししていたので(騙されたと思って笑)読んでみた。 30代後半に入った独身女性の物語。この手の恋愛小説っていつも思うけれど、大人になると素直に恋愛ができなくなるよな~。学生の頃のように飛び込んじゃえ!ができない。将来、結婚、価値観、色んな壁が見えてしまうから。過去の恋愛と比べてみたり将来が見えなくて不安になったり。この年代が読むなら歯がゆくもありつつ共感もあるのだろう。それをこの小説はリアルに表現しているなと思った。でも決して浮き足立つことなく着実に歩いているメイ(主人公)は強いなぁと思う。羽鳥先生はちょっと危ない感じはするけれど不器用だからこそなのかな。ラストは何だかホッとしてしまった。 本当に、大人の恋愛って、変な表現だけど「ぐるぐるしてて面倒」だよねぇ。 某大型書店の激推し、騙されたとは思いませんでした。楽しかったので出会わせてくれてありがとうございました。

    1
    投稿日: 2023.06.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登場する人たちが優しくも人間味のある人ばかりで、じんわり心があったまるお話でした! 大人の女性の恋愛だけではなく、仕事や人生そのものに対する複雑な気持ちが描かれていて、少し切なくなる部分もありますが、読み終わったときには前向きな気持ちになれました。 描写が細かいので、映像を観ているかのように、情景を想像することができて、すぐに読み終えてしまいました。 何度も読み返したくなるステキなお話でした!

    2
    投稿日: 2023.05.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    メイは平凡で取り柄のないように見えるけど、強くて優しい女性だと思いました。 周りと比べて卑屈になるわけでもなく、ちゃんと我が道を楽しんでいる、昔からの友人とも交流があって、後輩への面倒見も良い。共感できる部分は多いけど、現実には中々いない魅力的な人です。

    1
    投稿日: 2023.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    普通ってなんだろうって私も思うけど、考えるまでに至ってなかったなと気づいた。 平均値とか一般的な普通じゃなくて、『私が思う普通』がどういうものなのか考えようと思えた。それはきっと私が欲しい生活なんだろう。 同年代過ぎてささる言葉や思いが多くて本読んでてへこむとは、、でもそれだけ共感もしたしエールをもらったような気もした。

    4
    投稿日: 2023.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    20代の私でも将来こんなことが当てはまりそうだなと思えた。とても身近な小説。登場人物のやさしさが深いと読み終えて改めて思えた。

    1
    投稿日: 2023.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    仕事や友人関係がとてもリアルかつ繊細に書かれていました。私には幸せとは何か考え直すきっかけになりました。

    1
    投稿日: 2023.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    仕事に慣れて自分に余裕ができ、お金もそこそこ稼げるようになり、毎日楽しいと感じるようになった事には結婚適齢期を過ぎていた。という自分自身を思い出した。 女性が結婚を視野に入れると、必ず何かを犠牲にしなきゃいけない気がする。自分も仕事辞めざるをえなかったしなー。 色々考えさせられながら読みました。

    1
    投稿日: 2023.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公がすごく好き。 35歳、独身、カフェの副店長。無理せず焦りすぎず淡々と生活しているように思うが、それは自分のことを深く理解して認めているからだと思う。 私は主人公より年上なのに、ここまで自分のことを理解できていない気がする。 出てくる他の登場人物もみんな愛おしい。

    1
    投稿日: 2023.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    急に何かが始まったり、終わったりしないけれど、とても良かった。 余韻に浸る。 読みやすかった。 恋愛したいとも、結婚したいとも仕事に関しても意思表示をしていないけれど、「早い方がいい」と、言われるメイ。 決めつけられること、昔の友だちの言動に疑問が出たり。 過去、現在、未来のこと。 荷物が増えること。 男性、女性。 普通とは、平均値とは。 印象的な言葉たくさん。

    2
    投稿日: 2023.03.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    普通ってなんだろ、、 30代半ばの普通ってなんだろ? 結婚すること?仕事に励むこと? 今は20代後半に入って、同じようなことに直面する世代に入ってきたからか、私は感情移入できた。 こんな風に歳を重ねるのかな? それはちょっと、、というのが本音だけど(笑) ありがちな、主人公の日常を覗くことができて楽しかった。

    1
    投稿日: 2023.03.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人と人との関係には名前が付くことが多く、年齢を重ねれば重ねるほど、その名前の数は多く複雑になっていくように思える。 誰かと出逢うことは、世界が広がり密度が濃くなるということ。 出逢いの新鮮さを思い出したいときに、読みたい本。

    0
    投稿日: 2023.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大人の恋愛小説だけど、おしゃれすぎないところが親近感を抱きやすくて読みやすい。 読後感もほんのり絶妙なあたたかさと余韻が漂いました。

    16
    投稿日: 2023.03.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    共感できるようなできないような。もう少し若い時だったら共感できたのかな…。 恋愛も仕事も中途半端な女性の話。うーん、こうなりたくないなぁという感想。 説明すぎるところとか、文章のところどころにあるいろんな境遇の人に気を遣ったような記載とかが気になってしまった。

    2
    投稿日: 2023.03.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    普通とは何だろうか〜と考えさせられた。 目標はないといけないのか、結婚しなければいけないのか。 キャラクターがそれぞれ魅力的で、偏っておらず良かったです。

    1
    投稿日: 2023.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    妙齢の婦人の恋愛小説ということで、自分の様なおじさんにはハマらないのかなぁと思いつつ読み進めましたけど、面白く感じ取れました。 平均、普通に結婚、出産というのが当たり前という大多数、自分も大まかに少数派なのでメイちゃんの立ち位置もわからなくもなく、性別の違いはあるも気持ちはわかると感じました。 でも、少し不思議な羽鳥先生は不器用で微笑ましく、このあとメイちゃんと上手くいけばいいなぁと単純に思いました。たまに恋愛物を読むと忘れ枯れていた感情を呼び起こされそうになります。

    5
    投稿日: 2023.02.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    普通の幸せというものを、いつから、求めるようになったんだろう。 もっと若いときは、普通というのはさほどいい意味でなかったような気もするのに、本当は、ずっと知らないうちに憧れていたのか。 どこの誰の何なのか、実態はないのに、幸せという概念が幸せおばけとして膨らんで、自分が負け組のような気がするのは、どうしてなんだ。

    0
    投稿日: 2023.02.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    感想 大人は立派だと思っていた。それは嘘で、自分も立派ではない。大人でもないのかも。考えすぎて動けないのが大人なのか。考えすぎてしまう。

    0
    投稿日: 2023.02.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大人になったら、自信をもって堂々とできるものだと思っていた。 でもそんなことなかった。 「この道に進んだらこうなるだろう」と、今までの経験から未来を予測して、間違った道に進まないようにシュミレーションをしている自分がいる。 それは失敗するのが怖いからだ。 子どものうちはいくらでも失敗が許されたけど、大人は...特にある年齢に達すると「何もできない人」と周りからレッテルを貼られてしまう。 だから別の道に進むことに躊躇してしまったり、環境の変化を拒んだりしてしまう。 どんどん行動範囲が狭くなってしまうけど、自分の知っている世界にいれば安全で傷つかずにすむから。 安全な場所に留まり続けるのも、未知の世界に飛び込んでみるのも、決めるのは自分自身。 悩みながら藻掻きながらそれなりに答えを出して進んでいくんだろう。 あぁ、大人ってなんて複雑怪奇...。 ✽✽✽ 読了後に表紙カバーを見て「あぁそういうことか」と思わず微笑んでしまった。

    1
    投稿日: 2023.02.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私も長らく恋愛から遠ざかっているけど焦らないのは、一度結婚しているから。子供を産んで、その子がそばにいてくれているからだなぁと、思ってしまう。そうじゃなかったらどうだろう。私はきっと、すごく焦ってると思う。価値観は人それぞれだけど、私はもし、結婚も出産もしていなかったら、恋人がいなかったら、メイにもみっちゃんにも共感して、気持ちが揺れ動いて読めなかったかも‥。 恋はしばらくしなくてもいいや、むしろ1人でいいや、子供がいればいいや、男の人なんて面倒臭い。最近はそう思っていたけど、誰かを意識したり、話したい、知りたいと思う気持ちは何歳になってもやっぱりキュンキュンする!いい!!と思えて、私のリハビリにもなった気が‥しかも大人の冷静さを保ちつつ、相手のことも考えた近づき方が微笑ましくて、今の私にはとても好みでした。 そして最後まで読んで改めて表紙を見ると、あ、このコーヒー!と思って、ひとりマスクの下で微笑んでしまいました。

    0
    投稿日: 2023.02.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「8年ぶりに、恋をした。」この帯に惹かれて購入したこの本。主人公や友達の考えていることが自分と一緒すぎてものすごく共感できて、続きが気になってどんどん読めた。こんな風に考えてるのは自分だけなんやろなって思ってたことが何回も出てきて、自分だけじゃなかったんやなって思えて安心できたし、気になる人ができてからの展開というか出来事はまるで自分が体験しているかのようにドキドキした。

    1
    投稿日: 2023.02.14